JPH0672253B2 - 帯鋸の腰入れ方法 - Google Patents

帯鋸の腰入れ方法

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JPH0672253B2
JPH0672253B2 JP63143308A JP14330888A JPH0672253B2 JP H0672253 B2 JPH0672253 B2 JP H0672253B2 JP 63143308 A JP63143308 A JP 63143308A JP 14330888 A JP14330888 A JP 14330888A JP H0672253 B2 JPH0672253 B2 JP H0672253B2
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compressive stress
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23DPLANING; SLOTTING; SHEARING; BROACHING; SAWING; FILING; SCRAPING; LIKE OPERATIONS FOR WORKING METAL BY REMOVING MATERIAL, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23D63/00Dressing the tools of sawing machines or sawing devices for use in cutting any kind of material, e.g. in the manufacture of sawing tools
    • B23D63/18Straightening damaged saw blades; Reconditioning the side surface of saw blades, e.g. by grinding

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Heat Treatment Of Articles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 a.産業上の利用分野 本発明は、帯鋸の製造工程において、帯鋸素材を腰入れ
加工する方法に関するものである。
b.従来の技術 一般に、材料に力を加えると一定の変形を起こすが、加
える力を徐々に増すとそれに応じて変形量が大となる。
ところが、材料の形状、力の加え方によっては、その加
える力がある大きさに達すると、それ迄の変形とは全然
別異の変形に突然移行する現象すなわち座屈現象が生じ
る。
帯鋸の場合、上述の如き座屈現象が熱応力によって起こ
ることがある。なお、この座屈現象が生じるメカニズム
は次の如くである。
帯鋸を用いて木材、木質材料(プラスチックを含む)等
の被切断物を切削するときには、帯鋸の歯辺部及びその
近傍に摩擦熱が発生するが、その際に帯鋸の鋸背側の部
分には摩擦熱が殆ど発生しないため、帯鋸の歯辺部と鋸
背部との間に比較的大きな温度勾配を生じる。しかし
て、歯辺部に発生する摩擦熱のために歯辺部近傍の縁部
は長手方向に伸びようとするが、その他の部分の抵抗に
より伸びることができないため、当該その他の部分に引
張力が付与され、その反作用として歯辺部近傍の縁部に
圧縮応力を生じることとなる。従って、帯鋸の歯辺部と
鋸背部との間で膨張する割合が大きく異なり、歯辺部近
傍の縁部が膨張するのに伴いその縁部に圧縮応力が発生
すると共に当該その他の部分に引張応力が発生し、その
結果、これらの間に応力勾配を生じる。
熱応力が大となって帯鋸の歯辺部がある温度まで上昇す
ると、それまで平面的に伸び縮みしていたものが急に別
の種類の変形(例えば、帯鋸が断面くの字状に曲がる変
形)が生じる。このような変形即ち座屈を生じると、帯
鋸はもはや切削不能となり、切削作業に支障を来たすこ
ととなる。
そこで、従来より、上述の如き摩擦熱による座屈の発生
を防止するために、帯鋸素材に腰入れ加工を行なうよう
にしている。この腰入れ加工は、帯鋸素材の巾方向の中
央部分を塑性展伸処理又は熱処理を施すことにより行な
われ、これにより歯辺部近傍の縁部において長手方向に
引張内力が付与され、切削時に熱応力として歯辺部及び
その近傍に生じる長手方向の圧縮応力が打消されること
となって座屈が効果的に防止される。
ところで、この種の腰入れ方法としては、ローラ加工法
による塑性展伸処理、或いは火焔加熱法による熱処理が
従来より行なわれている。
上述のロール加圧法は、第8図に示すように、帯鋸素材
aの歯辺部bと鋸背部cとの間の中央部分dを一対の金
属ローラe,fにて強力に挾持・押圧しつつ、その長手方
向に移動させながら塑性展伸加工する方法であり、その
作業に当っては、第9図において鎖線で示す複数の軌道
Rに沿って順次ロールをかけて腰入れを行なうようにし
ている。
また、上述の火焔加熱法は、例えば酸素−アセチレン焔
等の火焔を第10図に示す如く帯鋸素材aの中央箇所gに
向けて吹き付けて熱処理する方法であり、その作業に当
っては、火焔を前記中央箇所gに沿って長手方向に移動
させながら加熱して腰入れを行なうようにしている。
c.発明が解決しようとする課題 しかしながら、上述のようなローラ加圧法や火焔加熱法
は次に述べるような大きな問題点があった。
まず、ロール加圧法の場合には、ハンマーで帯鋸素材を
たたいて塑性展伸処理を行なう古典的なハンマー打法に
比べて勘やコツ等の熟練を必要としないが、前加工の精
度の良否によって影響を受け易く、腰入れの局部的強弱
を生じ易い。従って、腰入れ強度が加工の全面に亘って
不均一となる場合が多く、このような場合には、再三繰
り返してローラ加圧を行なうか、或いは、ハンマー打法
を併用するようにしていた。このため、生産効率が非常
に悪く、しかも一定の加工条件下で均一な腰入れ強度を
得ることが困難であり、自動化を図ることができないと
いった大きな問題点があった。
また、火焔加熱法の場合には、400℃前後の温度となる
ように帯鋸素材aの中央箇所gを例えば30cmの長さずつ
加熱しながら長手方向の全体を段階的に加熱処理するの
に勘やコツを必要とし、このような腰入れ加工を全面に
亘って均一に行なうには可成りの熟練を必要とする。し
かも、帯鋸素材aの焼戻し温度は400℃位であるため、4
00℃前後の火焔加熱により帯鋸素材aに軟化を生じ、硬
さむらを生じ易い。このため、一回の火焔加熱処理では
良好な腰入れを行なうことができないのが現状である。
よって、この方法は、作業性が悪く、均質な製品を得る
ことが困難であり、自動化を図ることも不可能であっ
た。
本発明は、上述の如き実状に鑑みて発明されたものであ
って、その目的は、勘やコツ等の熟練を全く必要とする
ことなく能率的にかつ均質な腰入れ加工を施すことがで
き、しかも変形を生じることがなく、自動化をも図り得
る帯鋸の腰入れ方法を提供することにある。
d.課題を解決するための手段 上述の課題を解決するために、本発明では、帯鋸の製造
工程で行われる腰入れ方法において、帯鋸素材の歯辺部
近傍の縁部と鋸背部近傍の縁部との間の長手状に延びる
帯状領域内の箇所であって、かつ、前記帯鋸素材の長手
方向及び幅方向にそれぞれ沿って等間隔に配列された多
数の散在箇所にのみショット粒を投射してショットピー
ニング加工を行うことにより、前記帯状領域の幅方向に
隣接するショットピーニング加工箇所に圧縮応力を発生
させると共に、これらのショットピーニング加工箇所の
間に前記圧縮応力よりも大きな圧縮応力を発生せしめ、
これに応じて、前記帯状領域よりも外側の縁部領域に前
記縁部の長手方向に沿う引張内力を付与せしめるように
している。
以下、本発明の一実施例に付き第1図〜第4図を参照し
て説明する。
第1図は、腰入れ加工すべき帯鋸素材1の平面図を示す
ものであって、同図において、2は帯鋸素材1の一側部
に形成された歯辺部、3は歯辺部2の反対側に形成され
た平坦状の鋸背部である。
また第2図は、上述の帯鋸素材1をショットピーニング
加工するための機構を示すものであって、同図におい
て、4はコンプレッサー方式のショット粒投射装置、5
は帯鋸素材1の歯辺部2及びその近傍の縁部6の全面を
遮蔽する遮蔽部材、7は帯鋸素材1の鋸背部3及びその
近傍の縁部8の全面を遮蔽する遮蔽部材、9a,9bは帯鋸
素材1の表裏両面のうち前記縁部6と縁部8との間の帯
状部分Lをマスキングするマスク板である。上述のマス
ク板9a,9bは、第2図及び第3図に示すように、多数の
円形開孔10a,10bが縦方向及び横方向にそれぞれ等間隔
の箇所に規則的に形成されている。なお、これらのマス
ク板9a,9bは図外の保持手段にて帯鋸素材1の帯状部分
Lを挾持した状態で帯鋸素材1に固定されるようになっ
ている。
また、上述のショット粒投射装置4は図外のコンプレッ
サから圧縮空気を供給する導管12と、図外のショット粒
供給源からショット粒を供給する導管13とがそれぞれ連
結された装置本体14を備えており、圧縮空気の作用によ
りショット粒が装置本体14の射出口12から高速で投射さ
れるように構成されている。なお、図示を省略したが、
このショット粒投射装置4は互いに対向する位置にそれ
ぞれ配設されており、これらの間に被加工物である帯鋸
素材1の一部が配置されるようになっている。
次に、焼入れ及び焼戻し処理を完了した平板状の帯鋸素
材1をエンドレスベルト状にすべくその両端を溶接した
後に、腰入れ加工を施す際の操作に付き述べる。
まず、第2図及び第3図に示す如く、図外の支持用治具
にて帯鋸素材1を垂直状に立てた状態で支持固定すると
共に、帯鋸素材1の歯辺部2及び鋸背部3に遮蔽部材5,
7をそれぞれ取付ける。
次いで、一対のマスク板9a,9bを前記遮蔽部材5,7の間に
挿入して帯鋸素材1の帯状部分Lを挾持するように帯鋸
素材の表裏両面にそれぞれ当てがい、これらのマスク板
9a,9bを図外の保持手段にてしっかりと保持する。な
お、この際、マスク板9a,9bの円形開孔10a,10bは第2図
に示すように帯鋸素材1を隔てて互いに対向した位置に
配されるようにセッティングする。これにより、帯鋸素
材1の帯状部分Lのうち前記円形開孔10a,10bに対応す
る点在箇所がショットピーニング加工部分Aとして露出
された状態となり、その他の部分は遮蔽部材5,7及びマ
スク板9a,9bにて完全にマスキングされる。
しかる後、図外の駆動機構によりエンドレス状の帯鋸素
材1を回動(第2図においては紙面に直交する方向に水
平移動)させながら、一対のショット粒投射装置4から
帯鋸素材1の両面に向けてほぼ直角にショット粒を投射
する。これにより、前記遮蔽部材5,7の間の帯状部分L
のうち、マスク板9a,9bの円形開孔10a,10bにそれぞれ対
応する部分をショットピーニング加工する。
本方法の具体例は次の通りである。
具体例 (1)帯鋸素材1の材質 SKS51 (2)帯鋸素材1の寸法 鋸背部3から歯底部13までの巾W(第1図参照) 120mm 板厚 0.8mm (3)帯鋸素材1の帯状部分L L=90mmであり、かつ、鋸背部3と歯底部13との中央箇
所gからそれぞれ45mmの部分 (4)マスク板9a,9bの円形開孔10a,10b(ショット粒投
射領域) 直径r=10mm 長手方向の間隔L1=10mm 幅方向の間隔 L2=5mm (5)加工条件 <イ>ショット粒の直径 0.8mm <ロ>ショット粒の硬さ HRC58 <ハ>ショット粒の材質 鋳鋼 <ニ>ショット粒の投射速度 40m/s <ホ>ショット粒の投射角度 90° <ヘ>帯鋸素材1の移動速度 30mm/s <ト>ショット粒投射装置に供給される圧縮空気の圧力
(ゲージ圧) 5kg/mm2 この具体例によって得られた帯鋸素材1には変形が全く
なく、その表面の残留応力を測定したところ第4図に示
す如き結果を得た。なお、同図において実線は、ショッ
トピーニング加工領域Aの配列方向(帯鋸素材1の幅方
向)に延びる領域αの残留応力を示し、破線は互いに隣
接する領域α間の領域βの残留応力を示している。第4
図に示す測定結果からわかるように、ショットピーニン
グ加工前の帯鋸素材1の残留応力は破線で示される如く
その全域に亘って+2〜+3kg/mm2程度であったが、シ
ョットピーニング加工後は、帯鋸素材1のうち前記領域
αには実線で示される如く−20〜−30kgf/mm2程度の範
囲においてジグザグの圧縮応力が発生しているのが認め
られる。すなわち、ショットピーニング加工領域(ショ
ット粒の投射領域)Aには−20kgf/mm2程度の圧縮応力
が発生しており、帯鋸素材1の幅方向に沿って互いに隣
接する領域A間の領域には更に大きな−30kgf/mm2程度
の圧縮応力が発生していることがわかる。
なお、通常の予測では、ショット粒にて衝撃を受けた部
分の方がその周辺部分よりも大きな圧縮応力が生じ、シ
ョットピーニングしない部分には圧縮応力は発生せず、
逆に引張応力が発生するものと考えられる。これに反
し、上述の如く現象が生じる理由を考察すると、次の如
くである。すなわち、多数の散在箇所であるショットピ
ーニング加工部分にショット粒を投射して衝撃力を与え
ると、その衝撃力がそれらの衝撃部分(ショットピーニ
ング加工部分)の周辺に分散され、この分散された衝撃
力が互いに隣接する衝撃部分の中間箇所で複合されて相
乗され、その結果大きな圧縮応力として発現するものと
考察される。
一方、ショットピーニング加工後の帯鋸素材1のうち前
記帯状部分L以外の領域すなわち歯辺部2の近傍の縁部
6及び鋸背部3の近傍の縁部8の両部分には+5〜+8k
gf/mm2程度の引張内力が発生しているのが認められる。
従って、帯鋸素材1の帯状部分Lには圧縮応力が、そし
て縁部6,8には引張内力が発生していることとなるた
め、良好な腰入れ加工がなされていることが確認され
た。
すなわち、帯鋸使用時に歯辺部2及びその近傍の縁部6
に摩擦熱が発生してその内部に圧縮応力が生じても、シ
ョットピーニング加工にて圧縮応力が付与された前述の
帯状部分Lの存在により前記縁部6には予め引張内力が
付与されているので、前記帯状部分L及び鋸背部3近傍
の縁部8に引張力を及ぼすことなく熱膨張することとな
り、従って大きな応力勾配を生じるおそれがない。この
ため、帯鋸の熱座屈現象の発生を効果的に防止できる。
このような効果を確かめるために、本例で得られた帯鋸
素材1をアサリ出し加工及び歯仕上げ加工を施した後に
切削試験を行ったところ、熱座屈という異常現象は全く
発生せず、耐久性についても従来のロール加圧法或いは
火焔加熱法による腰入れ加工と同様であり、良好な結果
を得られた。
ところで、本例の場合は、帯鋸素材1の両縁部6,8を除
いた帯状部分Lの散在個所にショットピーニング加工を
施すようにしているので、強い腰入れをしても帯鋸素材
1の残留応力分布は巾方向に沿ってバランスすることと
なり、従って帯鋸素材1が反り返ってしまうようなおそ
れはない。
以上、本発明の一実施例の付き述べたが、本発明は、既
述の実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的
思想に基づいて各種の変更が可能である。
例えば、弱い腰入れでよい場合には、帯鋸素材1の歯辺
部2近傍の縁部6を除く全ての部分(前記帯状部分L及
び縁部8)に既述の如きマスク板9a,9bを当てがってこ
の部分を弱くショットピーニング加工するようにしても
よい。すなわちこの場合には、歯辺部2と鋸背部3との
間に残留応力がアンバランスを生じるが、弱い腰入れ加
工であるため帯鋸素材1が反り返ってしまうようなおそ
れがないからである。なお、ショットピーニング加工の
強弱すなわち腰入れ強度の強弱は、ショット粒の直径、
材質及び硬さ、ショット粒投射速度、ショット粒投射時
間等を調整することによって容易に調整可能である。
また、既述の実施例では、ショットピーニング加工する
部分を円形の点在箇所としたが、円形に限らず正方形や
楕円形等の各種の形状であってもよい。
さらに、一対のマスク板9a,9bの円形開孔10a,10bの対応
関係は既述の実施例の如く互いに対向している必要はな
く、第5図に示すようにこれらが互いにずれた配置関係
となるようにしてもよい。このように構成した場合に
も、第6図の実験結果(実験条件は既述の実施例と同
じ)から明らかなように、既述の実施例と同様に、良好
な腰入れ加工を施すことができる。
また、ショットピーニング加工する部分は多数の点在箇
所ではなく、例えば第7図に示すように帯鋸素材1の長
手方向に対して傾斜して前記帯状部分Lの上下両縁部付
近にまで延び、かつ互いに等間隔を置いて並列された多
数の散在箇所をショットピーニング加工部分Bとしても
よい。これらの何れの場合にも、既述と同様に充分な腰
入れを行なうことができる。
e.発明の効果 以上の如く、本発明は、帯鋸素材の歯辺部近傍の縁部と
鋸背部近傍の縁部との間の長手状に延びる帯状領域内の
箇所であって、かつ、前記帯鋸素材の長手方向及び幅方
向にそれぞれ沿って等間隔に配列された多数の散在箇所
にのみショット粒を投射してショットピーニング加工を
行うことにより、前記帯状領域の幅方向に隣接するショ
ットピーニング加工箇所に圧縮応力を発生させると共
に、これらのショットピーニング加工箇所の間に前記圧
縮応力よりも大きな圧縮応力を発生せしめ、これに応じ
て、前記帯状領域よりも外側の縁部領域に前記縁部の長
手方向に沿う引張内力を付与せしめるようにしたもので
あるから、簡単なショットピーニング加工にて良好な腰
入れ加工が施された帯鋸を得ることができる。しかも、
本発明によれば、従来の火焔加熱法に比べて勘やコツ等
の熟練を要することなく均一な腰入れ強度を得ることが
でき、また従来のロール加圧法のような面倒な繰り返し
作業を行なうことなく一回の作業にて能率的に腰入れ加
工を行なうことができる。
また、所定の帯状領域のうちの多数の分散箇所のみにシ
ョットピーニング加工を施すようにしたことにより、シ
ョットピーニング加工箇所に圧縮応力を生ぜしめると共
にこれらの間の箇所に前記圧縮応力よりも大きな圧縮応
力を発生せしめるようにしたので、圧縮応力の分散がな
されて応力集中を回避でき、従ってショットピーニング
加工に伴う帯鋸素材の変形を防止でき、平板状の帯鋸製
品を得ることができる。しかも、上述のような圧縮応力
特性により、衝撃吸収能力をも付与することができる。
さらに、本発明に係る腰入れ方法を実施する装置として
は従来公知のショットピーニング装置を用いればよく、
従って腰入れ加工を自動化して省力化を図ることも容易
に可能である。
また、ショット粒投射速度等の加工条件を変更すること
によって腰入れ強度の調整を容易に行なうことができ
る。しかも、本発明に係る方法では帯鋸素材1の帯状部
分Lのうちの散在箇所すなわち帯状部分Lの一部分のみ
をショットピーニング加工するようにしているので、比
較的強いショットピーニング加工を施しても帯鋸素材1
の変形を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第4図は本発明の一実施例を説明するためのも
のであって、第1図は帯鋸素材の平面図、第2図はショ
ット粒投射機構を示す断面図、第3図は遮蔽部材が取付
けられた帯鋸素材の平面図、第4図はショットピーニン
グ加工前(ショット粒投射前)及びショットピーニング
加工後(ショット粒投射後)の帯鋸素材の残留応力の測
定結果を示すグラフ、第5図及び第6図は本発明の別例
を示すものであって、第5図は第3図と同様の平面図、
第6図は第4図と同様のグラフ、第7図は本発明のさら
に別の例を示す第3図と同様の平面図、第8図及び第9
図は従来のロール加圧法による帯鋸素材の腰入れ加工を
説明するためのものであって、第8図は帯鋸素材を一対
の金属ローラにて挾持・押圧している状態を示す断面
図、第9図は帯鋸素材のローラ軌道を示す平面図、第10
図は従来の火焔加熱方法による帯鋸素材の腰入れ加工を
説明するための断面図である。 1……帯鋸素材、 2……歯辺部、 3……鋸背部、 4……コンプレッサー方式のショット粒投射装置、 5,7……遮蔽部材、 6,8……縁部、 9a,9b……マスク板、 10a,10b……円形開孔、 16……長手状開孔、 A,B……ショットピーニング加工部分。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】帯鋸の製造工程で行われる腰入れ方法にお
    いて、帯鋸素材の歯辺部近傍の縁部と鋸背部近傍の縁部
    との間の長手状に延びる帯状領域内の箇所であって、か
    つ、前記帯鋸素材の長手方向及び幅方向にそれぞれ沿っ
    て等間隔に配列された多数の散在箇所にのみショット粒
    を投射してショットピーニング加工を行うことにより、
    前記帯状領域の幅方向に隣接するショットピーニング加
    工箇所に圧縮応力を発生させると共に、これらのショッ
    トピーニング加工箇所の間に前記圧縮応力よりも大きな
    圧縮応力を発生せしめ、これに応じて、前記帯状領域よ
    りも外側の縁部領域に前記縁部の長手方向に沿う引張内
    力を付与せしめるようにしたことを特徴とする帯鋸の腰
    入れ方法。
JP63143308A 1988-06-10 1988-06-10 帯鋸の腰入れ方法 Expired - Lifetime JPH0672253B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS63219522A (ja) * 1987-03-06 1988-09-13 Denki Kogyo Kk 帯鋸の腰入れ方法

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JPS63219522A (ja) * 1987-03-06 1988-09-13 Denki Kogyo Kk 帯鋸の腰入れ方法

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