JPH0672230U - 調整変圧器の負荷時タップ選択器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 定格電圧が６０ｋＶを超える変圧器において
も信頼性と寿命を完全に保障し得る負荷時タップ選択器
を提供する。 【構成】 主巻線に設けた固定のタップ接点１とこの接
点に隣接する両側の固定のタップ接点２、１４との間の
中心間隔をその他の固定のタップ接点２〜１４の間の中
心間隔より２０〜６０％大きくし、主巻線に設けたタッ
プ接点１の両側面とこの側面に対向する両隣のタップ接
点２、１４の側面とに、断面角状でかつタップ接点１〜
１４を支持する絶縁円筒１７の表面に対し距離を保つ突
出部２５、２６、２７、２８を設け、切り換え運動の方
向における突出部２５、２６、２７、２８相互の間隔を
その他のタップ接点２〜１４の間隔にほぼ等しくする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、主巻線とタップ巻線とを備えた調整変圧器を一つのタップから次の タップへ切り換えるための負荷時タップ選択器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

主巻線とタップ巻線とを備えた調整変圧器を一つのタップから隣のタップに切 り換えるために、絶縁円筒の中の一つの円周上に配置されタップに結合された固 定のタップ接点と、共通の接点支持体に支えられ前記円周上を同時に回動可能な ３電流分岐のローラ製切換接点とを備え、すべての三つの切換接点がその静止位 置においてそれぞれ同一のタップ接点の電位を導くと共に、切り換え運動の方向 に一列に相前後して並び、接点支持体に対する切換接点の半径方向運動が、同時 にカムの役を果たす固定のタップ接点により制御されるような負荷時タップ選択 器のための切換接触装置は例えばドイツ連邦共和国特許出願公開第３３２６５４ ９号明細書およびドイツ連邦共和国特許出願公開第３４０１２９７号明細書によ り公知である。

【０００３】 また、ドイツ連邦共和国特許出願公開第２９１４９２８号明細書およびドイツ 連邦共和国特許出願公開第３１２３８９４号明細書により、絶縁円筒の中の円周 上に相互に等しい間隔を有する負荷時タップ選択器のタップ接点の通常の配置が 示されている。その際同一相に従属する各タップ接点はそれぞれ一つの円周上に まとめられている。しかしながらこの装置は定格電圧が上昇し且つ１１及び１３ ステップの通常のステップ数の場合には、変圧器の定格電圧が６０ｋＶを超える と既に絶縁円筒及び負荷時タップ選択器の付属の構造の直径が大きくなることが 多く、不経済である。その際特に隣接する接点間で約３００ｋＶのインパルス耐 電圧を保障せよという要求が必要な間隔の増大の原因となる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】 本考案の目的は、前述の種類の切換接触装置付き負荷時タップ選択器において 、定格電圧が６０ｋＶを超える変圧器においても信頼性と期待される寿命を完全 に保障し得る負荷時タップ選択器を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上述の目的を達成するため、本考案においては、主巻線に設けられた固定のタ ップ接点とこの接点に隣接する両側の固定のタップ接点との間の中心間隔又は接 点支持体の回動角度が、その他の固定のタップ接点の間の中心間隔又は回動角度 より２０％ないし６０％大きく、主巻線に設けられたタップ接点の両側面とこの 側面に対向する両隣のタップ接点の側面とが、断面角（つの）状で且つ絶縁円筒 の表面に対し距離を保っている突出部を備え、切換接点の切り換え運動の方向に おける突出部相互の間隔をその他のタップ接点の間隔にほぼ等しくする。

【０００６】 本考案の有利な構成によれば、絶縁円筒の外側に置かれタップ接点の固定手段 を覆う電極が、絶縁円筒の内部のそのタップ接点よりも小さい相互隙間を有する 。

【０００７】 本考案の別の構成においては、主巻線に設けられたタップ接点から始まる沿面 放電距離が、電気的に並列に存在するタップ接点の隙間より少なくとも２０％大 きく、小さい方の中心間隔の両側に並ぶタップ接点の側面が相互に向かい合う膨 らみを有し、この膨らみのせいで従属する沿面放電距離が電気的に並列に存在す る隙間より２０％足らず大きいように形成される。

【０００８】 本考案のさらに別の構成によれば、タップ接点が切換接点の乗り上げ部の周辺 領域においてだけ球形に膨らみ、その中央領域においては切換接点の回動軌道の 半径に等しく凹面にへこんでいる。

【０００９】

【実施例】

次に本考案を図面に示す実施例について詳細に説明する。図１は主巻線とタッ プ巻線を有する変圧器の結線図、図２は本考案の実施例の平面図で、両図におい て同一の部分は同じ符号が付けられている。

【００１０】 変圧器の任意の相の主巻線１６は高電位側端子２３とタップ接点１の間に置か れている。極性切換器１９を介してタップ巻線１８が主巻線１６に電気的に直列 に接続され、極性切換器１９の位置に応じてタップ巻線１８により取り出された 電圧が主巻線１６により取り出された電圧に加算されるか又はこれから差し引か れる。

【００１１】 主巻線１６の低電位側端部又はタップ巻線１８のタップに結合されたタップ接 点１ないし１４は、絶縁円筒１７の内面上の一平面中に配置され従って一つの円 周上に置かれている。この円周上を接点支持体１５により導かれて切換接点２０ 、２１と２２が動かされ、これら切換接点は負荷電流回路２４を中断することな く一つのタップ接点から隣のタップ接点へ切り換える。

【００１２】 タップ接点２ないし１４がタップ巻線１８の従属するタップに常に結合されて いることにより、相互に隣接するこれらの各タップ接点２ないし１４の間には、 インパルス耐電圧の発生の際にも比較的小さいステップ電圧が各ステップにより 取り出されて加わるだけである。従って各タップ接点２ないし１４の隣接する接 点間の隙間と沿面放電距離に対しては、従来の通常の負荷時タップ選択器におい て得られた大きさで十分である。このことは変圧器の定格電圧及び運転電圧を６ ０ｋＶより大きい値にまで高めたときにも適用される。

【００１３】 しかしながらタップ接点１と極性切換器１９の位置に応じてタップ接点１４又 はタップ接点２との間には、全タップ巻線１８の非常に大きい電圧が加わる。今 変圧器の定格電圧及び運転電圧が高められるとタップ巻線１８の電圧も上昇し、 そのためにタップ接点１とタップ接点１４又はタップ接点２との間の空間の電気 的負荷も上昇する。

【００１４】 従来、切換接触装置に関してすべてのタップ接点１ないし１４の中心間隔を等 しい大きさにしてきたのとは異なって、本考案によれば図示の実施例においては 、タップ接点１とタップ接点１４又はタップ接点２との間の中心間隔はその他の 中心間隔より５０％大きい。

【００１５】 それにもかかわらず一つの且つ同一の切換接触装置を用いてすべてのタップ接 点１ないし１４を選択できるようにするために、タップ接点１、２と１４は、そ の相互に向かい合う側面、すなわちタップ接点１の両側面、タップ接点２とタッ プ接点１０のタップ接点１に対向する各側面が断面角状の突出部２５、２６、２ ７、２８をそれぞれ備えることにより、タップ接点３ないし１３より幅広く構成 されている。それによりすべてのタップ接点１ないし１４の側面隙間に対しては ほぼ同一の寸法が得られる。驚くべきことに、変圧器の定格電圧及び運転電圧を ６０ｋＶより大きい値にしたときにも、タップ接点１とこの接点に隣接するタッ プ接点２又は１４との間の沿面放電距離だけを増大すれば十分である。

【００１６】 図示の実施例は１３ステップ付きの装置を示す。主巻線端に結合されたタップ 接点からそれに隣接するタップ接点までの中心間隔を大きくすることは、他のス テップ数例えば１１又は１５ステップの場合でも同様に可能である。

【００１７】

【考案の効果】

本考案の負荷時タップ選択器によれば、比較的低い定格電圧の際に採用された 部品を使用しながら、比較的高い定格電圧の負荷時タップ選択器にも依然として 適用可能であるという特長を有し、その際最も重要な特長として、タップ接点を 支持する絶縁円筒の直径を比較的小さくすることができる。この特長はタップ接 点の中心間隔を異なる大きさにして負荷時タップ選択器を構成したことによって 得られるものである。なぜならばローラ製の切換接点は通常の幅を有するタップ 接点上の位置においてそれぞれタップ接点の左わきと右わきに置かれ、これに対 して幅を広げられたタップ接点上の位置においては切換接点の接点ローラはタッ プ接点のわきにではなくその内よりの表面上に置かれるからである。

【図面の簡単な説明】

【図１】主巻線とタップ巻線を有する変圧器の結線図で
ある。

【図２】本考案の実施例の平面図である。

【符号の説明】

１〜１４ タップ接点 １５ 接点支持体 １６ 主巻線 １７ 絶縁円筒 １８ タップ巻線 ２０、２１、２２ 切換接点 ２５、２６、２７、２８ 突出部

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 絶縁円筒（１７）の中の一つの円周上に
   配置されタップに結合された固定のタップ接点（１ない
   し１４）と、共通の接点支持体（１５）に支えられ前記
   円周上を同時に回動可能な３電流分岐のローラ製切換接
   点（２０、２１、２２）とを備え、主巻線（１６）とタ
   ップ巻線（１８）とを有する調整変圧器を一つのタップ
   から隣のタップへ切り換えるための負荷時タップ選択器
   であって、 − すべての三つの切換接点（２０、２１、２２）がそ
   の静止位置においてそれぞれ同一のタップ接点（１ない
   し１４）の電位を導くと共に、切り換え運動の方向に一
   列に相前後して並び、且つ − 接点支持体（１５）に対する切換接点（２０、２
   １、２２）の半径方向運動が、同時にカムの役を果たす
   固定のタップ接点（１ないし１４）により制御されるも
   のにおいて、 − 主巻線（１６）に設けられた固定のタップ接点
   （１）とこの接点に隣接する両側の固定のタップ接点
   （２又は１４）との間の中心間隔又は接点支持体の回動
   角度が、その他の固定のタップ接点（２ないし１４）の
   間の中心間隔又は回動角度より２０％ないし６０％大き
   く、 − 主巻線（１６）に設けられたタップ接点（１）の両
   側面とこの側面に対向する両隣のタップ接点（２ないし
   １４）の側面とが、断面角状で且つ絶縁円筒（１７）の
   表面に対し距離を保っている突出部（２５、２６、２
   ７、２８）を備え、切り換え運動の方向における突出部
   （２５、２８；２６、２７）相互の間隔がその他のタッ
   プ接点（２ないし１４）の間隔にほぼ等しいことを特徴
   とする調整変圧器の負荷時タップ選択器。
2. 【請求項２】 絶縁円筒（１７）の外側に置かれタップ
   接点（１ないし１４）の固定手段を覆う電極が、そのタ
   ップ接点（１ないし１４）よりも小さい相互隙間を有す
   ることを特徴とする請求項１記載のタップ選択器。
3. 【請求項３】 主巻線（１６）に設けられたタップ接点
   （１）から始まる沿面放電距離が、電気的に並列に存在
   するタップ接点（１、２又は１４）の隙間より少なくと
   も２０％大きいことを特徴とする請求項１又は２記載の
   タップ選択器。
4. 【請求項４】 小さい方の中心間隔の両側に並ぶタップ
   接点（２ないし１４）の側面が相互に向かい合う膨らみ
   を有し、従属する沿面放電距離が電気的に並列に存在す
   る隙間より２０％足らず大きいことを特徴とする請求項
   １ないし３のいずれか１項に記載のタップ選択器。
5. 【請求項５】 タップ接点（１ないし１４）が切換接点
   （２０、２１、２２）の乗り上げ部の周辺領域において
   だけ球形に膨らみ、その中央領域においては切換接点
   （２０、２１、２２）の回動軌道の半径に等しく凹面に
   へこんでいることを特徴とする請求項１ないし４のいず
   れか１項に記載のタップ選択器。