JPH067192A - 抗dcc遺伝子産物モノクローナル抗体 - Google Patents
抗dcc遺伝子産物モノクローナル抗体Info
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- JPH067192A JPH067192A JP4167101A JP16710192A JPH067192A JP H067192 A JPH067192 A JP H067192A JP 4167101 A JP4167101 A JP 4167101A JP 16710192 A JP16710192 A JP 16710192A JP H067192 A JPH067192 A JP H067192A
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- C07K14/4703—Inhibitors; Suppressors
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- C07K14/70503—Immunoglobulin superfamily
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- C07—ORGANIC CHEMISTRY
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- C07K16/18—Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 癌抑制遺伝子DCC遺伝子によりコードされ
るペプチド(DCC遺伝子産物)に特異的に反応するモ
ノクローナル抗体および該抗体を生産するハイブリドー
マ。とくに、DCC遺伝子の一つであるDCC−2に特
異的に反応するIgG3サブクラスに属するマウスモノ
クローナル抗体KM890および該抗体を生産するハイ
ブリドーマKM890。 【効果】 本発明のモノクローナル抗体は、DCC遺伝
子産物に特異的に反応するため、免疫組織染色、DCC
遺伝子産物の定量等に応用することができ、癌の診断等
に有用である。
るペプチド(DCC遺伝子産物)に特異的に反応するモ
ノクローナル抗体および該抗体を生産するハイブリドー
マ。とくに、DCC遺伝子の一つであるDCC−2に特
異的に反応するIgG3サブクラスに属するマウスモノ
クローナル抗体KM890および該抗体を生産するハイ
ブリドーマKM890。 【効果】 本発明のモノクローナル抗体は、DCC遺伝
子産物に特異的に反応するため、免疫組織染色、DCC
遺伝子産物の定量等に応用することができ、癌の診断等
に有用である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、癌抑制遺伝子DCCに
よりコードされるペプチドに特異的に反応するモノクロ
ーナル抗体に関する。本発明のモノクローナル抗体は癌
の診断等に有用である。
よりコードされるペプチドに特異的に反応するモノクロ
ーナル抗体に関する。本発明のモノクローナル抗体は癌
の診断等に有用である。
【0002】
【従来の技術】Vogelsteinらは、家族性ポリポーシスの
良性腺腫から癌にいたる患者の染色体を調べたところ、
第5、17、18および22番染色体にヘテロ接合性消
失(対立遺伝子欠失)が検出されることを見いだし(Ne
w Engl.J.Med., 319:525-532,1988 )、これらの欠失し
た染色体には、家族性ポリポーシスに関係した癌抑制遺
伝子が存在することが予測された。その後、染色体17
Pに存在する癌抑制遺伝子は、以前、癌遺伝子として知
られていたP53遺伝子であることが実証された(Scie
nce, 244:217-221, 1989)。さらに、染色体18qの癌
抑制遺伝子としてDCC(deleted in colorectal carc
inoma )遺伝子が発見され(Science, 247:49-56, 199
0)、つづいて染色体5qからMCC(mutated in colo
rectal cancer)遺伝子とAPC遺伝子(adenomatous p
olyposis )の単離が相次いで報告された(Science, 25
1:1366-1370, 1991; Science, 253:665-669, 1991)。
良性腺腫から癌にいたる患者の染色体を調べたところ、
第5、17、18および22番染色体にヘテロ接合性消
失(対立遺伝子欠失)が検出されることを見いだし(Ne
w Engl.J.Med., 319:525-532,1988 )、これらの欠失し
た染色体には、家族性ポリポーシスに関係した癌抑制遺
伝子が存在することが予測された。その後、染色体17
Pに存在する癌抑制遺伝子は、以前、癌遺伝子として知
られていたP53遺伝子であることが実証された(Scie
nce, 244:217-221, 1989)。さらに、染色体18qの癌
抑制遺伝子としてDCC(deleted in colorectal carc
inoma )遺伝子が発見され(Science, 247:49-56, 199
0)、つづいて染色体5qからMCC(mutated in colo
rectal cancer)遺伝子とAPC遺伝子(adenomatous p
olyposis )の単離が相次いで報告された(Science, 25
1:1366-1370, 1991; Science, 253:665-669, 1991)。
【0003】DCC遺伝子は非常に大きな遺伝子(2〜
3メガベース)であり、現在クローニングされている3
70キロベースには少なくとも8個のエクソンが存在す
ると考えられている。メッセンジャーRNA は、1〜12
キロベースであり、正常大腸、脳等に発現していること
が見いだされている。実際の大腸癌細胞においては、欠
失、点突然変異、DNA のインサーションといった突然変
異がDCC遺伝子内に起こることが確認されている。今
後DCC遺伝子をDCC遺伝子が欠失している癌細胞に
導入する等の方法により、DCC遺伝子の癌抑制遺伝子
としての働きが解明されていくと考えられる。
3メガベース)であり、現在クローニングされている3
70キロベースには少なくとも8個のエクソンが存在す
ると考えられている。メッセンジャーRNA は、1〜12
キロベースであり、正常大腸、脳等に発現していること
が見いだされている。実際の大腸癌細胞においては、欠
失、点突然変異、DNA のインサーションといった突然変
異がDCC遺伝子内に起こることが確認されている。今
後DCC遺伝子をDCC遺伝子が欠失している癌細胞に
導入する等の方法により、DCC遺伝子の癌抑制遺伝子
としての働きが解明されていくと考えられる。
【0004】DCC遺伝子よりコードされるペプチド
(以下、DCC遺伝子産物と略記する)の機能について
は、予想されるアミノ酸配列の中に細胞接着分子の一つ
であるN-CAM(Neural cell adhesion molecule)と相同性
がある部分があり、細胞間伝達に関与していることなど
が推察されている。しかし、これまでにDCC遺伝子産
物に反応する抗体がないことから、DCC遺伝子産物の
局在、機能等は不明な点が多い。
(以下、DCC遺伝子産物と略記する)の機能について
は、予想されるアミノ酸配列の中に細胞接着分子の一つ
であるN-CAM(Neural cell adhesion molecule)と相同性
がある部分があり、細胞間伝達に関与していることなど
が推察されている。しかし、これまでにDCC遺伝子産
物に反応する抗体がないことから、DCC遺伝子産物の
局在、機能等は不明な点が多い。
【0005】染色体17Pに存在する癌抑制遺伝子P5
3については、その遺伝子産物に対する抗体が作製され
ており(Eur.J.Biochem., 159:529-534, 1986 )、それ
を用いた免疫組織染色法によりP53遺伝子産物を過剰
発現している癌細胞が陽性に染色されることが報告され
ている(Proc.Natl.Acad.Sci.USA, 87:7555-7559, 199
0)。また、同様のP53遺伝子によりコードされるペ
プチド(以下、P53遺伝子産物と略記する)に対する
抗体を用いた酵素抗体法により、P53遺伝子産物の定
量化ができることが報告されている(J.Cell Science,
101:183-189, 1992 )。
3については、その遺伝子産物に対する抗体が作製され
ており(Eur.J.Biochem., 159:529-534, 1986 )、それ
を用いた免疫組織染色法によりP53遺伝子産物を過剰
発現している癌細胞が陽性に染色されることが報告され
ている(Proc.Natl.Acad.Sci.USA, 87:7555-7559, 199
0)。また、同様のP53遺伝子によりコードされるペ
プチド(以下、P53遺伝子産物と略記する)に対する
抗体を用いた酵素抗体法により、P53遺伝子産物の定
量化ができることが報告されている(J.Cell Science,
101:183-189, 1992 )。
【0006】DCC遺伝子産物に対する抗体が作製でき
れば、免疫組織染色やDCC遺伝子産物の定量化等に応
用することができ、癌の診断等に役立つと考えられる。
れば、免疫組織染色やDCC遺伝子産物の定量化等に応
用することができ、癌の診断等に役立つと考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、癌の
診断等に有用な癌抑制遺伝子DCC遺伝子産物に対する
モノクローナル抗体を提供することにある。
診断等に有用な癌抑制遺伝子DCC遺伝子産物に対する
モノクローナル抗体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、公知のD
CC遺伝子の部分配列から予測される750残基のDC
C遺伝子産物のアミノ酸配列(Science, 247:49-56, 19
90)の中から10〜30残基程度の部分配列を何種類か
選択し、それに基づいて合成ペプチドを作製した。この
合成ペプチドとキャリヤー蛋白との複合体を動物に免疫
し、免疫した動物の脾細胞とマウスの骨髄腫細胞とを融
合させてハイブリドーマを作製し、免疫したペプチドに
反応し、免疫したペプチドとアミノ酸配列の異なるペプ
チドとは反応しないモノクローナル抗体を生産するハイ
ブリドーマを選択した。該ハイブリドーマを培地で培養
するか、または動物に投与して該動物を腹水癌化し、該
培養液または腹水よりモノクローナル抗体を採取し、得
られたモノクローナル抗体の中から、免疫組織染色の第
一抗体として使用したときに癌細胞を陽性に染色できる
ものを選択したところ、当該モノクローナル抗体が、D
CC遺伝子産物に特異的に反応し、組織診断等による癌
の診断に応用できることを見いだし、本発明を完成し
た。
CC遺伝子の部分配列から予測される750残基のDC
C遺伝子産物のアミノ酸配列(Science, 247:49-56, 19
90)の中から10〜30残基程度の部分配列を何種類か
選択し、それに基づいて合成ペプチドを作製した。この
合成ペプチドとキャリヤー蛋白との複合体を動物に免疫
し、免疫した動物の脾細胞とマウスの骨髄腫細胞とを融
合させてハイブリドーマを作製し、免疫したペプチドに
反応し、免疫したペプチドとアミノ酸配列の異なるペプ
チドとは反応しないモノクローナル抗体を生産するハイ
ブリドーマを選択した。該ハイブリドーマを培地で培養
するか、または動物に投与して該動物を腹水癌化し、該
培養液または腹水よりモノクローナル抗体を採取し、得
られたモノクローナル抗体の中から、免疫組織染色の第
一抗体として使用したときに癌細胞を陽性に染色できる
ものを選択したところ、当該モノクローナル抗体が、D
CC遺伝子産物に特異的に反応し、組織診断等による癌
の診断に応用できることを見いだし、本発明を完成し
た。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明
は、DCC遺伝子産物に特異的に反応するモノクローナ
ル抗体(以下、抗DCC遺伝子産物モノクローナル抗体
と略記する)、該抗体を生産するハイブリドーマ、該抗
体を有効成分として含有してなる癌の治療薬および該抗
体を製造するのに有用な抗原に関する。本発明に係るD
CC遺伝子産物としては、例えば、配列番号2に示され
るアミノ酸配列を含むペプチドがあげられる。本発明の
抗DCC遺伝子産物モノクローナル抗体は、DNAの欠
失、点突然変異、インサーション等の突然変異により、
塩基配列の一部が変化したDCC遺伝子よりコードされ
るペプチドに対するモノクローナル抗体を包含する。本
発明の抗DCC遺伝子産物モノクローナル抗体は、抗原
としてDCC遺伝子産物を動物に免疫することにより製
造することができる。抗原としては、例えば、配列番号
2で示されるアミノ酸配列を有するペプチドがあげられ
る。
は、DCC遺伝子産物に特異的に反応するモノクローナ
ル抗体(以下、抗DCC遺伝子産物モノクローナル抗体
と略記する)、該抗体を生産するハイブリドーマ、該抗
体を有効成分として含有してなる癌の治療薬および該抗
体を製造するのに有用な抗原に関する。本発明に係るD
CC遺伝子産物としては、例えば、配列番号2に示され
るアミノ酸配列を含むペプチドがあげられる。本発明の
抗DCC遺伝子産物モノクローナル抗体は、DNAの欠
失、点突然変異、インサーション等の突然変異により、
塩基配列の一部が変化したDCC遺伝子よりコードされ
るペプチドに対するモノクローナル抗体を包含する。本
発明の抗DCC遺伝子産物モノクローナル抗体は、抗原
としてDCC遺伝子産物を動物に免疫することにより製
造することができる。抗原としては、例えば、配列番号
2で示されるアミノ酸配列を有するペプチドがあげられ
る。
【0010】以下に、本発明の抗DCC遺伝子産物モノ
クローナル抗体の製造法を詳細に説明する。
クローナル抗体の製造法を詳細に説明する。
【0011】(1)抗原ペプチドの合成 配列番号1〜5で示されるアミノ酸配列を有するペプチ
ドは、ペプチド自動合成機を用いた固相法により合成す
ることができる。固相法により得られるペプチドが結合
した固相担体をフッ化水素で処理し、ペプチドを固相担
体より遊離させると同時にアミノ酸側鎖の保護基を除去
する。このようにして得られるペプチドの粗生成物は、
逆相系カラムを用いた高速液体クロマトグラフィー(以
下、HPLCと略記する)で精製し、抗原ペプチドとして用
いる。
ドは、ペプチド自動合成機を用いた固相法により合成す
ることができる。固相法により得られるペプチドが結合
した固相担体をフッ化水素で処理し、ペプチドを固相担
体より遊離させると同時にアミノ酸側鎖の保護基を除去
する。このようにして得られるペプチドの粗生成物は、
逆相系カラムを用いた高速液体クロマトグラフィー(以
下、HPLCと略記する)で精製し、抗原ペプチドとして用
いる。
【0012】(2)動物の免疫と抗体産生細胞の調製 3〜20週令のマウス、ラットまたはハムスターに、
(1)で得られる抗原ペプチドとヘモシアニン・キーホ
ール・リンペット(Hemocyanin, Keyhole Limpet;以下
KLHと略記する)、牛血清アルブミン、サイログロブ
リン、卵白アルブミン、人血清アルブミンなどのキャリ
ヤー蛋白との複合体を免疫して、その動物の脾、リンパ
節または末梢血中の抗体産生細胞を採取する。
(1)で得られる抗原ペプチドとヘモシアニン・キーホ
ール・リンペット(Hemocyanin, Keyhole Limpet;以下
KLHと略記する)、牛血清アルブミン、サイログロブ
リン、卵白アルブミン、人血清アルブミンなどのキャリ
ヤー蛋白との複合体を免疫して、その動物の脾、リンパ
節または末梢血中の抗体産生細胞を採取する。
【0013】免疫は、動物の皮下あるいは静脈内あるい
は腹腔内に、適当なアジュバント〔例えば、フロインド
の完全アジュバント(Complete Freund's Adjuvant)や
水酸化アルミニウムゲルと百日咳菌ワクチンなど〕とと
もに抗原を投与することにより行う。抗原の投与は、1
回目の投与の後1〜2週間おきに5〜10回行う。各投
与後3〜7日目に眼底静脈叢より採血し、その血清が抗
原と反応することを酵素免疫測定法〔Antibodies - A L
aboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory,19
88 〕などで調べる。免疫に用いた抗原に対し、その血
清が十分な抗体価を示したマウス、ラットまたはハムス
ターを脾細胞の供給源として提供する。
は腹腔内に、適当なアジュバント〔例えば、フロインド
の完全アジュバント(Complete Freund's Adjuvant)や
水酸化アルミニウムゲルと百日咳菌ワクチンなど〕とと
もに抗原を投与することにより行う。抗原の投与は、1
回目の投与の後1〜2週間おきに5〜10回行う。各投
与後3〜7日目に眼底静脈叢より採血し、その血清が抗
原と反応することを酵素免疫測定法〔Antibodies - A L
aboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory,19
88 〕などで調べる。免疫に用いた抗原に対し、その血
清が十分な抗体価を示したマウス、ラットまたはハムス
ターを脾細胞の供給源として提供する。
【0014】脾細胞と骨髄腫細胞の融合に供するにあた
って、抗原の最終投与後3〜7日目に、免疫したマウ
ス、ラットまたはハムスターより脾臓を摘出し、脾細胞
を採取する。脾臓をMEM培地(日水製薬社製)中で細
断し、ピンセットでほぐし、遠心分離(1200rpm
、5分)した後、上清を捨て、トリス−塩化アンモニ
ウム緩衝液(pH7.65)で1〜2分間処理して赤血
球を除去し、MEM培地で3回洗浄して融合用脾細胞と
して提供する。
って、抗原の最終投与後3〜7日目に、免疫したマウ
ス、ラットまたはハムスターより脾臓を摘出し、脾細胞
を採取する。脾臓をMEM培地(日水製薬社製)中で細
断し、ピンセットでほぐし、遠心分離(1200rpm
、5分)した後、上清を捨て、トリス−塩化アンモニ
ウム緩衝液(pH7.65)で1〜2分間処理して赤血
球を除去し、MEM培地で3回洗浄して融合用脾細胞と
して提供する。
【0015】(3)骨髄腫細胞の調製 骨髄腫細胞としては、マウスから得られた株化細胞を使
用する。たとえば、8−アザグアニン耐性マウス(BA
LB/c由来)骨髄腫細胞株P3−X63Ag8−U1
(P3−U1)(Current Topics in Microbiology and
Immunology,18: 1-7, 1978 )、P3−NS1/1−A
g41(NS−1)(European J. Immunology, 6: 511-
519, 1976)、SP2/O−Ag14(SP−2)(Natur
e, 276:269-270, 1978)、P3−X63−Ag8653
(653)(J. Immunology, 123:1548-1550, 1979) 、
P3−X63−Ag8(X63)(Nature, 256: 495-49
7,1975)などが用いられる。これらの細胞株は、8−ア
ザグアニン培地〔RPMI−1640培地にグルタミン
(1.5mM)、2−メルカプトエタノール(5×10
-5M)、ジェンタマイシン(10μg/ml)および牛
胎児血清(FCS)を加えた培地(以下、正常培地とい
う)に、さらに8−アザグアニン(15μg/ml)を
加えた培地〕で継代するが、細胞融合の3〜4日前に正
常培地に継代し、融合当日2×107 個以上の細胞数を
確保する。
用する。たとえば、8−アザグアニン耐性マウス(BA
LB/c由来)骨髄腫細胞株P3−X63Ag8−U1
(P3−U1)(Current Topics in Microbiology and
Immunology,18: 1-7, 1978 )、P3−NS1/1−A
g41(NS−1)(European J. Immunology, 6: 511-
519, 1976)、SP2/O−Ag14(SP−2)(Natur
e, 276:269-270, 1978)、P3−X63−Ag8653
(653)(J. Immunology, 123:1548-1550, 1979) 、
P3−X63−Ag8(X63)(Nature, 256: 495-49
7,1975)などが用いられる。これらの細胞株は、8−ア
ザグアニン培地〔RPMI−1640培地にグルタミン
(1.5mM)、2−メルカプトエタノール(5×10
-5M)、ジェンタマイシン(10μg/ml)および牛
胎児血清(FCS)を加えた培地(以下、正常培地とい
う)に、さらに8−アザグアニン(15μg/ml)を
加えた培地〕で継代するが、細胞融合の3〜4日前に正
常培地に継代し、融合当日2×107 個以上の細胞数を
確保する。
【0016】(4)細胞融合 (2)で免疫した抗体産生細胞と(3)で得られる骨髄
腫細胞をMEM培地またはPBS(リン酸二ナトリウム
1.83g、リン酸一カリウム0.21g、食塩7.6
5g、蒸留水1リットル、pH7.2)でよく洗浄し、
細胞数が、抗体産生細胞:骨髄腫細胞=5〜10:1に
なるよう混合し、遠心分離(1,200rpm、5分)
した後、上清を捨て、沈澱した細胞群をよくほぐした
後、撹拌しながら、37℃で、ポリエチレングライコー
ル−1,000(PEG−1,000)2g、MEM2
mlおよびジメチルスルホキシド0.7mlの混液0.
2〜1ml/108 抗体産生細胞を加え、1〜2分間毎
にMEM培地1〜2mlを数回加えた後、MEM培地を
加えて全量が50mlになるようにする。遠心分離(9
00rpm、5分)後、上清を捨て、ゆるやかに細胞を
ほぐした後、メスピペットによる吸込み、吹出しでゆる
やかに細胞をHAT培地〔正常培地にヒポキサンチン
(10-4M)、チミジン(1.5×10-5M)およびア
ミノプテリン(4×10-7M )を加えた培地〕100
ml中に懸濁する。この懸濁液を96穴培養用プレート
に100μl/穴ずつ分注し、5%CO2 インキュベー
ター中、37℃で7〜14日間培養する。
腫細胞をMEM培地またはPBS(リン酸二ナトリウム
1.83g、リン酸一カリウム0.21g、食塩7.6
5g、蒸留水1リットル、pH7.2)でよく洗浄し、
細胞数が、抗体産生細胞:骨髄腫細胞=5〜10:1に
なるよう混合し、遠心分離(1,200rpm、5分)
した後、上清を捨て、沈澱した細胞群をよくほぐした
後、撹拌しながら、37℃で、ポリエチレングライコー
ル−1,000(PEG−1,000)2g、MEM2
mlおよびジメチルスルホキシド0.7mlの混液0.
2〜1ml/108 抗体産生細胞を加え、1〜2分間毎
にMEM培地1〜2mlを数回加えた後、MEM培地を
加えて全量が50mlになるようにする。遠心分離(9
00rpm、5分)後、上清を捨て、ゆるやかに細胞を
ほぐした後、メスピペットによる吸込み、吹出しでゆる
やかに細胞をHAT培地〔正常培地にヒポキサンチン
(10-4M)、チミジン(1.5×10-5M)およびア
ミノプテリン(4×10-7M )を加えた培地〕100
ml中に懸濁する。この懸濁液を96穴培養用プレート
に100μl/穴ずつ分注し、5%CO2 インキュベー
ター中、37℃で7〜14日間培養する。
【0017】培養後、培養上清の一部をとり酵素免疫測
定法などにより、免疫原として用いたペプチドに反応
し、免疫原として用いたペプチドと配列の異なるペプチ
ドに反応しないものを選択する。ついで、限界希釈法に
よりクローニングを2回繰り返し〔1回目は、HT培地
(HAT培地からアミノプテリンを除いた培地)、2回
目は、正常培地を使用する〕、安定して強い抗体価の認
められたものを抗DCC遺伝子産物モノクローナル抗体
産生ハイブリドーマ株として選択する。
定法などにより、免疫原として用いたペプチドに反応
し、免疫原として用いたペプチドと配列の異なるペプチ
ドに反応しないものを選択する。ついで、限界希釈法に
よりクローニングを2回繰り返し〔1回目は、HT培地
(HAT培地からアミノプテリンを除いた培地)、2回
目は、正常培地を使用する〕、安定して強い抗体価の認
められたものを抗DCC遺伝子産物モノクローナル抗体
産生ハイブリドーマ株として選択する。
【0018】(5)モノクローナル抗体の調製 プリスタン処理〔2,6,10,14−テトラメチルペ
ンタデカン(Pristane)0.5mlを腹腔内投
与し、2週間飼育する〕した8〜10週令のマウスまた
はヌードマウスに、(4)で得られる抗DCC遺伝子産
物モノクローナル抗体産生ハイブリドーマ細胞2×10
6 〜5×107 細胞/匹を腹腔内注射する。10〜21
日でハイブリドーマは腹水癌化する。このマウスから腹
水を採取し、遠心分離(3,000rpm、5分)して
固形分を除去後、40〜50%硫酸アンモニウムで塩析
し、DEAE−セファロースカラム、プロテインA−カ
ラムあるいはゲル濾過カラム等に通塔し、IgGあるい
はIgM画分を集め、精製モノクローナル抗体とする。
ンタデカン(Pristane)0.5mlを腹腔内投
与し、2週間飼育する〕した8〜10週令のマウスまた
はヌードマウスに、(4)で得られる抗DCC遺伝子産
物モノクローナル抗体産生ハイブリドーマ細胞2×10
6 〜5×107 細胞/匹を腹腔内注射する。10〜21
日でハイブリドーマは腹水癌化する。このマウスから腹
水を採取し、遠心分離(3,000rpm、5分)して
固形分を除去後、40〜50%硫酸アンモニウムで塩析
し、DEAE−セファロースカラム、プロテインA−カ
ラムあるいはゲル濾過カラム等に通塔し、IgGあるい
はIgM画分を集め、精製モノクローナル抗体とする。
【0019】抗体のサブクラスの決定は、サブクラスタ
イピングキットを用いて酵素免疫測定法により行う。蛋
白量の定量は、ローリー法および280nmでの吸光度
より算出する。
イピングキットを用いて酵素免疫測定法により行う。蛋
白量の定量は、ローリー法および280nmでの吸光度
より算出する。
【0020】(6)抗DCC遺伝子産物モノクローナル
抗体の選択 (5)で得られるモノクローナル抗体を免疫組織染色法
〔Antibodies - A Laboratory Manual, Cold Spring Ha
rbor Laboratory, 1988 〕の第一抗体として用い、組織
切片中の癌細胞を陽性に染色するものを選択する。この
際、凍結組織由来の組織切片およびホルマリン固定パラ
フィン包埋ブロック由来の組織切片の両方に陽性に染色
するモノクローナル抗体を選択することが好ましい。
抗体の選択 (5)で得られるモノクローナル抗体を免疫組織染色法
〔Antibodies - A Laboratory Manual, Cold Spring Ha
rbor Laboratory, 1988 〕の第一抗体として用い、組織
切片中の癌細胞を陽性に染色するものを選択する。この
際、凍結組織由来の組織切片およびホルマリン固定パラ
フィン包埋ブロック由来の組織切片の両方に陽性に染色
するモノクローナル抗体を選択することが好ましい。
【0021】このようにして選択される抗DCC遺伝子
産物モノクローナル抗体の具体例としては、ハイブリド
ーマ細胞株KM890が生産する抗DCC遺伝子産物モ
ノクローナル抗体KM890をあげることができる。ハ
イブリドーマ細胞株KM890は平成4年6月16日付で
ブダペスト条約に基づき工業技術院微生物工業技術研究
所に微工研条寄第3889号(FERM BP−388
9)として寄託されている。
産物モノクローナル抗体の具体例としては、ハイブリド
ーマ細胞株KM890が生産する抗DCC遺伝子産物モ
ノクローナル抗体KM890をあげることができる。ハ
イブリドーマ細胞株KM890は平成4年6月16日付で
ブダペスト条約に基づき工業技術院微生物工業技術研究
所に微工研条寄第3889号(FERM BP−388
9)として寄託されている。
【0022】以下に、本発明の実施例を示す。なお、以
下の実施例に示す方法において、ペプチドの合成はアプ
ライドバイオシステムズ社(Applied Biosystems, In
c., Foster City, California, USA; 以下ABI 社と略記
する)のペプチド合成機430A型機を用い、ABI 社の試薬
および溶媒を用いてABI 社の合成プログラムにより行っ
た。縮合反応は、アスパラギン、グルタミンおよびアル
ギニンについては1−ヒドロキシベンゾトリアゾールを
用いて活性エステル体として、他のアミノ酸は対称酸無
水物として標準の条件で行った。また、理化学的性質の
測定は次の機器類を用いて測定した。
下の実施例に示す方法において、ペプチドの合成はアプ
ライドバイオシステムズ社(Applied Biosystems, In
c., Foster City, California, USA; 以下ABI 社と略記
する)のペプチド合成機430A型機を用い、ABI 社の試薬
および溶媒を用いてABI 社の合成プログラムにより行っ
た。縮合反応は、アスパラギン、グルタミンおよびアル
ギニンについては1−ヒドロキシベンゾトリアゾールを
用いて活性エステル体として、他のアミノ酸は対称酸無
水物として標準の条件で行った。また、理化学的性質の
測定は次の機器類を用いて測定した。
【0023】質量分析 日立 M-80B アミノ酸分析 Waters pico tag
【0024】
実施例1 (1)抗原ペプチドの合成 配列番号1〜5にそれぞれ示したアミノ酸配列を有する
抗原ペプチドであるDCC−1, DCC−2, DCC−
3, DCC−4およびDCC−5を以下のようにして合
成した。
抗原ペプチドであるDCC−1, DCC−2, DCC−
3, DCC−4およびDCC−5を以下のようにして合
成した。
【0025】(1−1) DCC−1の合成 t-Boc-Ile の0.25mmolが結合した担体樹脂0.37g を自動
合成機の反応容器に入れ、ABI 社の合成プログラムに従
い、次の処理および洗浄を行い、イソロイシンの結合し
た担体樹脂を得た (1)33%トリフルオロ酢酸を含む塩化メチレン溶液で80秒
間処理する。 (2)50%トリフルオロ酢酸を含む塩化メチレン溶液で18.5
分間処理する。 (3) 塩化メチレンで3回洗浄する。 (4)10%ジイソプロピルエチルアミンを含む塩化メチレン
溶液で1分間、2回処理する。 (5) ジメチルホルムアミド(DMF)で5回洗浄する。 このようにして得られたイソロイシンの結合した担体樹
脂に、さらに次の処理および洗浄を行った。 (6)t-Boc-Thr(Bzl) の対称酸無水物1.0mmol を含むDM
F溶液4ml を加え、反応容器を18分間攪拌する。 (7) 塩化メチレンで5回洗浄する。
合成機の反応容器に入れ、ABI 社の合成プログラムに従
い、次の処理および洗浄を行い、イソロイシンの結合し
た担体樹脂を得た (1)33%トリフルオロ酢酸を含む塩化メチレン溶液で80秒
間処理する。 (2)50%トリフルオロ酢酸を含む塩化メチレン溶液で18.5
分間処理する。 (3) 塩化メチレンで3回洗浄する。 (4)10%ジイソプロピルエチルアミンを含む塩化メチレン
溶液で1分間、2回処理する。 (5) ジメチルホルムアミド(DMF)で5回洗浄する。 このようにして得られたイソロイシンの結合した担体樹
脂に、さらに次の処理および洗浄を行った。 (6)t-Boc-Thr(Bzl) の対称酸無水物1.0mmol を含むDM
F溶液4ml を加え、反応容器を18分間攪拌する。 (7) 塩化メチレンで5回洗浄する。
【0026】この結果得られたt-Boc-Thr(Bzl)-Ileが結
合した担体樹脂に、上記の(1) 〜(5) の脱保護工程を行
った後、(6) の工程でt-Boc-Thr(Bzl)の代わりにt-Boc-
Proの対称酸無水物を加えて縮合反応を行い、次いで(7)
の洗浄工程を経てt-Boc-Pro-Thr(Bzl)-Ileを担体樹脂
上に合成した。以下、工程(1) 〜(7) を順次繰り返して
保護ペプチドの結合した担体樹脂1.09g を得た。なお、
工程(6) には順次t-Boc-Met,t-Boc-Pro,t-BocGlu(OBz
l),t-Boc-Gly,t-Boc-Ile,t-Boc-Val,t-Boc-Glu(OBzl),t
-Boc-Cys(4-CH3Bzl),t-BocLys(Cl-Z),t-BocLeu(H2O), t
-BocLeu(H2O),t-Boc-Val, t-Boc-Thr(Bzl), t-Boc-Asp
(OBzl),t-Boc-Gly,t-Boc-Met,t-Boc-Phe,t-Boc-Ala を
用いた。合成反応終了後、得られた担体樹脂1.09g にア
ニソール1.4ml を加え15時間放置した後、フッ化水素15
mlを加えて1.2 時間氷冷下攪拌した。次いでフッ化水素
を減圧下除去し、担体樹脂に酢酸エチル100ml を加え0.
5 時間攪拌した。濾過して得られた担体樹脂に2M酢酸10
0ml を加えて1時間攪拌した。担体樹脂を濾過で除き濾
液を凍結乾燥して424mg の粗成物を得た。これを逆相カ
ラム(CAPCELL PAK C18 SG120 30 ×250mm )を用いた
HPLCで精製した。0.1%トリフルオロ酢酸とアセトニトリ
ルを用いた直線濃度勾配法で溶出し、220nm で検出する
ことによりDCC−1を含む画分を得た。この画分を凍
結乾燥してDCC−1を26.0mg得た。
合した担体樹脂に、上記の(1) 〜(5) の脱保護工程を行
った後、(6) の工程でt-Boc-Thr(Bzl)の代わりにt-Boc-
Proの対称酸無水物を加えて縮合反応を行い、次いで(7)
の洗浄工程を経てt-Boc-Pro-Thr(Bzl)-Ileを担体樹脂
上に合成した。以下、工程(1) 〜(7) を順次繰り返して
保護ペプチドの結合した担体樹脂1.09g を得た。なお、
工程(6) には順次t-Boc-Met,t-Boc-Pro,t-BocGlu(OBz
l),t-Boc-Gly,t-Boc-Ile,t-Boc-Val,t-Boc-Glu(OBzl),t
-Boc-Cys(4-CH3Bzl),t-BocLys(Cl-Z),t-BocLeu(H2O), t
-BocLeu(H2O),t-Boc-Val, t-Boc-Thr(Bzl), t-Boc-Asp
(OBzl),t-Boc-Gly,t-Boc-Met,t-Boc-Phe,t-Boc-Ala を
用いた。合成反応終了後、得られた担体樹脂1.09g にア
ニソール1.4ml を加え15時間放置した後、フッ化水素15
mlを加えて1.2 時間氷冷下攪拌した。次いでフッ化水素
を減圧下除去し、担体樹脂に酢酸エチル100ml を加え0.
5 時間攪拌した。濾過して得られた担体樹脂に2M酢酸10
0ml を加えて1時間攪拌した。担体樹脂を濾過で除き濾
液を凍結乾燥して424mg の粗成物を得た。これを逆相カ
ラム(CAPCELL PAK C18 SG120 30 ×250mm )を用いた
HPLCで精製した。0.1%トリフルオロ酢酸とアセトニトリ
ルを用いた直線濃度勾配法で溶出し、220nm で検出する
ことによりDCC−1を含む画分を得た。この画分を凍
結乾燥してDCC−1を26.0mg得た。
【0027】DCC−1の理化学的性質は以下の通りで
ある。 質量分析(SIMS): 2263 (M+1) アミノ酸分析 実測値(計算値): Asx1.0(1),Glx2.2
(2),Thr2.0(2),Ala1.0(1),Pro2.2(2),Val1.6(2),Met2.0
(2),Ile1.7(2),Leu2.1(2),Phe1.1(1),Lys1.0(1),Cys0.8
(1)
ある。 質量分析(SIMS): 2263 (M+1) アミノ酸分析 実測値(計算値): Asx1.0(1),Glx2.2
(2),Thr2.0(2),Ala1.0(1),Pro2.2(2),Val1.6(2),Met2.0
(2),Ile1.7(2),Leu2.1(2),Phe1.1(1),Lys1.0(1),Cys0.8
(1)
【0028】(1−2) DCC−2の合成 t-Boc-Thr が結合した担体樹脂および保護アミノ酸とし
て順次DCC−2のアミノ酸配列に従ってt-Boc-アミノ
酸を用い、(1−1)と同様にして保護ペプチドが結合
した担体樹脂1.0gを得た。これを(1−1)と同様に処
理して粗成物443mg を得た。このすべてをHPLCを用いて
精製してDCC−2を107mg 得た。
て順次DCC−2のアミノ酸配列に従ってt-Boc-アミノ
酸を用い、(1−1)と同様にして保護ペプチドが結合
した担体樹脂1.0gを得た。これを(1−1)と同様に処
理して粗成物443mg を得た。このすべてをHPLCを用いて
精製してDCC−2を107mg 得た。
【0029】DCC−2の理化学的性質は以下の通りで
ある。 質量分析 : 2261 (M+1) アミノ酸分析 実測値(計算値):Asn1.9(2),Glx1.0
(1),Ser2.9(3),Gly2.1(2),Arg3.1(3),Thr1.0(1),Ala2.1
(2),Pro2.0(2)Tyr0.9(1),Ile1.9(2),Leu1.0(1),Cys1.0
(1)
ある。 質量分析 : 2261 (M+1) アミノ酸分析 実測値(計算値):Asn1.9(2),Glx1.0
(1),Ser2.9(3),Gly2.1(2),Arg3.1(3),Thr1.0(1),Ala2.1
(2),Pro2.0(2)Tyr0.9(1),Ile1.9(2),Leu1.0(1),Cys1.0
(1)
【0030】(1−3) DCC−3の合成 t-Boc-Val が結合した担体樹脂および保護アミノ酸とし
て順次DCC−3のアミノ酸配列に従ってt-Boc-アミノ
酸を用い、(1−1)と同様にして保護ペプチドが結合
した担体樹脂1.1gを得た。これを(1−1)と同様に処
理して粗成物512mg を得た。このうち400mg をHPLCを用
いて精製してDCC−3を144mg 得た。
て順次DCC−3のアミノ酸配列に従ってt-Boc-アミノ
酸を用い、(1−1)と同様にして保護ペプチドが結合
した担体樹脂1.1gを得た。これを(1−1)と同様に処
理して粗成物512mg を得た。このうち400mg をHPLCを用
いて精製してDCC−3を144mg 得た。
【0031】DCC−3の理化学的性質は以下の通りで
ある。 質量分析 : 2387 (M+1) アミノ酸分析 実測値(計算値) : Asx2.9(3),Glx3.2
(3),Ser1.0(1),Gly1.1(1),Arg3.1(3),Thr2.9(3),Pro1.1
(1),Val0.9(1),Leu1.0(1),Phe2.9(3)
ある。 質量分析 : 2387 (M+1) アミノ酸分析 実測値(計算値) : Asx2.9(3),Glx3.2
(3),Ser1.0(1),Gly1.1(1),Arg3.1(3),Thr2.9(3),Pro1.1
(1),Val0.9(1),Leu1.0(1),Phe2.9(3)
【0032】(1−4) DCC−4の合成 t-Boc-Val が結合した担体樹脂および保護アミノ酸とし
て順次DCC−4のアミノ酸配列に従ってt-Boc-アミノ
酸を用い、(1−1)と同様にして保護ペプチドが結合
した担体樹脂0.9gを得た。これに1,2-エタンジチオール
0.9ml 、ジメチルスルフィド0.9ml およびアニソール0.
23mlを加え、(1−1)と同様に処理して粗成物399mg
を得た。このすべてをHPLCを用いて精製してDCC−4
を50mg得た。
て順次DCC−4のアミノ酸配列に従ってt-Boc-アミノ
酸を用い、(1−1)と同様にして保護ペプチドが結合
した担体樹脂0.9gを得た。これに1,2-エタンジチオール
0.9ml 、ジメチルスルフィド0.9ml およびアニソール0.
23mlを加え、(1−1)と同様に処理して粗成物399mg
を得た。このすべてをHPLCを用いて精製してDCC−4
を50mg得た。
【0033】DCC−4の理化学的性質は以下の通りで
ある。 質量分析 : 2160 (M+1) アミノ酸分析 実測値(計算値): Asx1.0(1),Glx4.2
(4),Ser1.9(2),Gly2.1(2),Thr1.0(1),Ala2.0(2),Pro2.1
(2),Tyr0.9(1),Val2.0(2),Ile0.9(1),Lys0.9(1),Trp1.0
(1)
ある。 質量分析 : 2160 (M+1) アミノ酸分析 実測値(計算値): Asx1.0(1),Glx4.2
(4),Ser1.9(2),Gly2.1(2),Thr1.0(1),Ala2.0(2),Pro2.1
(2),Tyr0.9(1),Val2.0(2),Ile0.9(1),Lys0.9(1),Trp1.0
(1)
【0034】(1−5) DCC−5の合成 t-Boc-Ala が結合した担体樹脂および保護アミノ酸とし
て順次DCC-5のアミノ酸配列に従ってt-Boc-アミノ酸
を用い、(1−1)と同様にして保護ペプチドが結合し
た担体樹脂の1.2gを得た。このすべてにDMF5.9ml お
よびチオフェノール0.5ml を加え室温で1時間撹拌し
た。次いで濾過して得られた担体樹脂をDMF20ml、水
20ml、エタノール20ml、塩化メチレン20mlで順次洗浄
後、自動合成機の反応器に入れ、脱Boc プログラムに従
い(1−1)の(1) 〜(5) の脱保護工程を行い、担体樹
脂0.92g を得た。これを(1−1)と同様に処理して粗
成物406mg を得た。このすべてをHPLCを用いて精製して
DCC−5を115.4mg 得た。
て順次DCC-5のアミノ酸配列に従ってt-Boc-アミノ酸
を用い、(1−1)と同様にして保護ペプチドが結合し
た担体樹脂の1.2gを得た。このすべてにDMF5.9ml お
よびチオフェノール0.5ml を加え室温で1時間撹拌し
た。次いで濾過して得られた担体樹脂をDMF20ml、水
20ml、エタノール20ml、塩化メチレン20mlで順次洗浄
後、自動合成機の反応器に入れ、脱Boc プログラムに従
い(1−1)の(1) 〜(5) の脱保護工程を行い、担体樹
脂0.92g を得た。これを(1−1)と同様に処理して粗
成物406mg を得た。このすべてをHPLCを用いて精製して
DCC−5を115.4mg 得た。
【0035】DCC−5の理化学的性質は以下の通りで
ある。 質量分析 : 2461 (M+1) アミノ酸分析 実測値(計算値): Glx3.2(3),Gly2.1
(2),His1.0(1),Arg4.0(4),Thr4.0(4),Tyr0.9(1),Met0.9
(1),Ile0.9(1),Leu1.1(1),Lys1.9(2)
ある。 質量分析 : 2461 (M+1) アミノ酸分析 実測値(計算値): Glx3.2(3),Gly2.1
(2),His1.0(1),Arg4.0(4),Thr4.0(4),Tyr0.9(1),Met0.9
(1),Ile0.9(1),Leu1.1(1),Lys1.9(2)
【0036】(2) 動物の免疫と抗体産生細胞の調製 N−(m−マレイミドベンゾイルオキシ)スクシンイミ
ド〔N-(m-maleimidobenzoyloxy)succinimide ; 以下、
MBSと略記する〕(ナカライテスク社製)にKLHま
たはサイログロブリンを反応させた後、セファデックス
G25カラムで精製したものと(1)で合成した各ペプ
チドを5:1で混合し、公知の方法(Cell,28:477-487,
1982)でペプチド−KLH複合体を作り、PBSで透析
したものを抗原として用いた。BALB/c雌マウス
(各ペプチド当たり5匹免疫)1匹当たり100μgの
各ペプチド−KLH複合体をアルミニウムゲル2mgお
よび百日咳ワクチン(千葉県血清研究所製)1×109
細胞/マウスとともに投与し、2週間後100μgの各
ペプチド−KLH複合体を1週間に1回、計5回投与し
た。眼底静脈叢より採血し、その血清抗体価を以下に示
す酵素免疫測定法で調べ、十分な抗体価を示したマウス
から最終免疫3日後に脾臓を摘出した。
ド〔N-(m-maleimidobenzoyloxy)succinimide ; 以下、
MBSと略記する〕(ナカライテスク社製)にKLHま
たはサイログロブリンを反応させた後、セファデックス
G25カラムで精製したものと(1)で合成した各ペプ
チドを5:1で混合し、公知の方法(Cell,28:477-487,
1982)でペプチド−KLH複合体を作り、PBSで透析
したものを抗原として用いた。BALB/c雌マウス
(各ペプチド当たり5匹免疫)1匹当たり100μgの
各ペプチド−KLH複合体をアルミニウムゲル2mgお
よび百日咳ワクチン(千葉県血清研究所製)1×109
細胞/マウスとともに投与し、2週間後100μgの各
ペプチド−KLH複合体を1週間に1回、計5回投与し
た。眼底静脈叢より採血し、その血清抗体価を以下に示
す酵素免疫測定法で調べ、十分な抗体価を示したマウス
から最終免疫3日後に脾臓を摘出した。
【0037】脾臓をMEM培地(日水製薬社製)中で細
断し、ピンセットでほぐし、遠心分離(1200rp
m、5分)した後、上清を捨て、トリス−塩化アンモニ
ウム緩衝液(pH7.65)で1〜2分間処理し赤血球
を除去し、MEM培地で3回洗浄し、細胞融合に用い
た。
断し、ピンセットでほぐし、遠心分離(1200rp
m、5分)した後、上清を捨て、トリス−塩化アンモニ
ウム緩衝液(pH7.65)で1〜2分間処理し赤血球
を除去し、MEM培地で3回洗浄し、細胞融合に用い
た。
【0038】酵素免疫測定法 96穴のEIA用プレート〔グライナー(Greine
r)社製〕に(1)で作製したペプチド1〜50μg/
mlをそれぞれ0〜100μl/穴ずつ分注し、4℃で
一晩放置して抗原をプレートにコートした。次いで、1
%BSAを含むPBS溶液(BSA−PBS)を100
〜200μl/穴分注し、室温で1〜2時間または、4
℃で1〜2晩放置して、プレート上に残った蛋白質との
結合残基をブロック(ブロッキング)した。その後、B
SA−PBSを捨て、PBSでよく洗浄した後、第一抗
体として、BSA−PBSで希釈した試料(マウス血
清、ハイブリドーマ培養上清または精製モノクローナル
抗体)を20〜100μl/穴分注し、室温で2〜3時
間または、4℃で一晩放置した。PBSまたは0.05%Twe
en-20を含むPBSで、よく洗浄した後、第二抗体とし
てペルオキシダーゼ標識抗マウスイムノグロブリン抗体
〔ダコ(DAKO)社製〕、またはペルオキシダーゼ標
識抗ラットイムノグロブリン抗体〔ダコ(DAKO)社
製〕を50〜100μl/穴分注し、室温で2時間放置
した。
r)社製〕に(1)で作製したペプチド1〜50μg/
mlをそれぞれ0〜100μl/穴ずつ分注し、4℃で
一晩放置して抗原をプレートにコートした。次いで、1
%BSAを含むPBS溶液(BSA−PBS)を100
〜200μl/穴分注し、室温で1〜2時間または、4
℃で1〜2晩放置して、プレート上に残った蛋白質との
結合残基をブロック(ブロッキング)した。その後、B
SA−PBSを捨て、PBSでよく洗浄した後、第一抗
体として、BSA−PBSで希釈した試料(マウス血
清、ハイブリドーマ培養上清または精製モノクローナル
抗体)を20〜100μl/穴分注し、室温で2〜3時
間または、4℃で一晩放置した。PBSまたは0.05%Twe
en-20を含むPBSで、よく洗浄した後、第二抗体とし
てペルオキシダーゼ標識抗マウスイムノグロブリン抗体
〔ダコ(DAKO)社製〕、またはペルオキシダーゼ標
識抗ラットイムノグロブリン抗体〔ダコ(DAKO)社
製〕を50〜100μl/穴分注し、室温で2時間放置
した。
【0039】PBSでよく洗浄した後、ABTS基質液
〔2,2′−アジノビス(3−エチルベンゾチアゾリン
−6−スルホン酸)二アンモニウム550mgを0.1
Mクエン酸緩衝液(pH4.2)1リットルに溶かした
溶液に、使用直前に過酸化水素1μl/mlを加えた溶
液〕を用いて発色させ、OD415nm の吸光度を測定し
た。
〔2,2′−アジノビス(3−エチルベンゾチアゾリン
−6−スルホン酸)二アンモニウム550mgを0.1
Mクエン酸緩衝液(pH4.2)1リットルに溶かした
溶液に、使用直前に過酸化水素1μl/mlを加えた溶
液〕を用いて発色させ、OD415nm の吸光度を測定し
た。
【0040】(3)マウス骨髄腫細胞の調製 8−アザグアニン耐性マウス骨髄腫細胞株P3−U1を
正常培地で培養し、細胞融合時に2×107 以上の細胞
を確保し、細胞融合に親株として供した。
正常培地で培養し、細胞融合時に2×107 以上の細胞
を確保し、細胞融合に親株として供した。
【0041】(4)ハイブリドーマの作製 (2)で得られたマウス脾細胞と(3)で得られた骨髄
腫細胞とを10:1になるよう混合し、遠心分離(1,
200rpm、5分)した後、上清を捨て、沈澱した細
胞群をよくほぐした後、撹拌しながら、37℃でポリエ
チレングライコール−1,000(PEG−1,00
0)2g、MEM培地2mlおよびジメチルスルホキシ
ド0.7mlの混液0.2〜1ml/108 マウス脾細
胞を加え、1〜2分間毎にMEM培地1〜2mlを数回
加えた後、MEM培地を加えて全量が50mlになるよ
うにした。遠心分離(900rpm、5分)後、上清を
捨て、ゆるやかに細胞をほぐした後、メスピペットによ
る吸込み、吸出しでゆるやかに細胞をHAT培地100
ml中に懸濁した。
腫細胞とを10:1になるよう混合し、遠心分離(1,
200rpm、5分)した後、上清を捨て、沈澱した細
胞群をよくほぐした後、撹拌しながら、37℃でポリエ
チレングライコール−1,000(PEG−1,00
0)2g、MEM培地2mlおよびジメチルスルホキシ
ド0.7mlの混液0.2〜1ml/108 マウス脾細
胞を加え、1〜2分間毎にMEM培地1〜2mlを数回
加えた後、MEM培地を加えて全量が50mlになるよ
うにした。遠心分離(900rpm、5分)後、上清を
捨て、ゆるやかに細胞をほぐした後、メスピペットによ
る吸込み、吸出しでゆるやかに細胞をHAT培地100
ml中に懸濁した。
【0042】この懸濁液を96穴培養用プレートに10
0μl/穴ずつ分注し、5%CO2インキュベーター
中、37℃で10〜14日間培養した。培養後、酵素免
疫測定法により、免疫原であるペプチドとサイログロブ
リンとの複合体(以下、ペプチド−THYと略記する)
と反応し、免疫原でないペプチドとサイログロブリンと
の複合体には反応しない穴を選び、さらにHT培地と正
常培地に換え、2回クローニングを繰り返して、免疫原
であるペプチド−THYと反応し、免疫原でないペプチ
ド−THYと反応しないモノクローナル抗体を産生する
ハイブリドーマを作製した。
0μl/穴ずつ分注し、5%CO2インキュベーター
中、37℃で10〜14日間培養した。培養後、酵素免
疫測定法により、免疫原であるペプチドとサイログロブ
リンとの複合体(以下、ペプチド−THYと略記する)
と反応し、免疫原でないペプチドとサイログロブリンと
の複合体には反応しない穴を選び、さらにHT培地と正
常培地に換え、2回クローニングを繰り返して、免疫原
であるペプチド−THYと反応し、免疫原でないペプチ
ド−THYと反応しないモノクローナル抗体を産生する
ハイブリドーマを作製した。
【0043】各ペプチドについて5匹の計25匹のマウ
スを用いてハイブリドーマを作製した。DCC−2を免
疫した1匹のマウスより作製したハイブリドーマの中か
ら、DCC−2−THYと反応し、DCC−2以外のペ
プチド−THYとは反応しないモノクローナル抗体を産
生するハイブリドーマを10個選択し、それぞれKM8
90〜KM899と名付けた。KM890〜KM894
と各ぺプチド−THYとの反応性を図1(a)に、KM
895〜KM899と各ペプチド−THYとの反応性を
図1(b)にそれぞれ示した。その他の24匹のマウス
より作製した約5万個のハイブリドーマの中にはDCC
−2−THYと反応し、DCC−2以外のペプチド−T
HYとは反応しないモノクローナル抗体を産生するハイ
ブリドーマは認められなかった。
スを用いてハイブリドーマを作製した。DCC−2を免
疫した1匹のマウスより作製したハイブリドーマの中か
ら、DCC−2−THYと反応し、DCC−2以外のペ
プチド−THYとは反応しないモノクローナル抗体を産
生するハイブリドーマを10個選択し、それぞれKM8
90〜KM899と名付けた。KM890〜KM894
と各ぺプチド−THYとの反応性を図1(a)に、KM
895〜KM899と各ペプチド−THYとの反応性を
図1(b)にそれぞれ示した。その他の24匹のマウス
より作製した約5万個のハイブリドーマの中にはDCC
−2−THYと反応し、DCC−2以外のペプチド−T
HYとは反応しないモノクローナル抗体を産生するハイ
ブリドーマは認められなかった。
【0044】KM890〜KM899のサブクラスをマ
ウスサブクラスタイピングキット(ザイメット社製)を
用いた酵素免疫測定法により決定した。その結果を第1
表に示す。
ウスサブクラスタイピングキット(ザイメット社製)を
用いた酵素免疫測定法により決定した。その結果を第1
表に示す。
【0045】
【表1】
【0046】(5)モノクローナル抗体の精製 プリスタン処理した8週令ヌード雌マウスに(4)で得
られたハイブリドーマKM890〜KM899をそれぞ
れ5〜10×106 細胞/匹腹腔内注射した。10〜2
1日後に、ハイブリドーマは腹水癌化した。腹水のたま
ったマウスから、腹水を採取(1〜8ml/匹)し、遠
心分離(3,000rpm、5分)して固形分を除去し
た。ついで、50%硫酸アンモニウムと40%硫酸アン
モニウムにて、2回塩析し、0.03M塩化ナトリウム
を含む0.04Mリン酸緩衝液(pH8.0)で透析
後、DEAEセファロース〔DE52;ワットマン(W
hatman)社製〕に通塔後、1.0M塩化ナトリウ
ムを含む0.04Mリン酸緩衝液(pH8.0)で溶出
しIgG画分を集め、精製モノクローナル抗体とした。
られたハイブリドーマKM890〜KM899をそれぞ
れ5〜10×106 細胞/匹腹腔内注射した。10〜2
1日後に、ハイブリドーマは腹水癌化した。腹水のたま
ったマウスから、腹水を採取(1〜8ml/匹)し、遠
心分離(3,000rpm、5分)して固形分を除去し
た。ついで、50%硫酸アンモニウムと40%硫酸アン
モニウムにて、2回塩析し、0.03M塩化ナトリウム
を含む0.04Mリン酸緩衝液(pH8.0)で透析
後、DEAEセファロース〔DE52;ワットマン(W
hatman)社製〕に通塔後、1.0M塩化ナトリウ
ムを含む0.04Mリン酸緩衝液(pH8.0)で溶出
しIgG画分を集め、精製モノクローナル抗体とした。
【0047】(6)抗DCC遺伝子産物モノクローナル
抗体の選択 以下に示す方法に従って、(5)で得られたモノクロー
ナル抗体を免疫組織染色の第一抗体として用い、ホルマ
リン固定パラフィン包埋標本由来の大腸癌組織切片を染
色した。
抗体の選択 以下に示す方法に従って、(5)で得られたモノクロー
ナル抗体を免疫組織染色の第一抗体として用い、ホルマ
リン固定パラフィン包埋標本由来の大腸癌組織切片を染
色した。
【0048】パラフィン包埋標本からミクロトームにて
4μm の切片を作製し、これをシランコートスライド
(マツナミ製)にとり、キシレンで脱パラフィン後、エ
タノールで親水化した。これをPBSにて洗浄し、0.
3%過酸化水素を含むメタノールおよび10%ウサギ血
清でブロッキング後、一次抗体として(5)で得られた
精製モノクローナル抗体(10μg /ml)を4℃で一晩
反応させた。これをPBSにて洗浄後、二次抗体(ビオ
チン標識マウス抗体、ニチレイ社製)をかけ室温で90
分間反応させ、ついでペルオキシダーゼ標識ストレプト
アビジン(ニチレイ社製)を室温で5分間反応させた。
ジアミノベンジディン溶液にて発色させた後、メチルグ
リーンを用いて核染色し、脱水後、封入し検鏡した。そ
の結果、KM890は、癌細胞を陽性に染色することが
できた。KM891〜KM899はKM890に比べ、
癌細胞を陽性に染色する率が低かった。また、KM89
0はモチリン、モチリン誘導体等の他のペプチドに対し
ては反応性を示さなかった。
4μm の切片を作製し、これをシランコートスライド
(マツナミ製)にとり、キシレンで脱パラフィン後、エ
タノールで親水化した。これをPBSにて洗浄し、0.
3%過酸化水素を含むメタノールおよび10%ウサギ血
清でブロッキング後、一次抗体として(5)で得られた
精製モノクローナル抗体(10μg /ml)を4℃で一晩
反応させた。これをPBSにて洗浄後、二次抗体(ビオ
チン標識マウス抗体、ニチレイ社製)をかけ室温で90
分間反応させ、ついでペルオキシダーゼ標識ストレプト
アビジン(ニチレイ社製)を室温で5分間反応させた。
ジアミノベンジディン溶液にて発色させた後、メチルグ
リーンを用いて核染色し、脱水後、封入し検鏡した。そ
の結果、KM890は、癌細胞を陽性に染色することが
できた。KM891〜KM899はKM890に比べ、
癌細胞を陽性に染色する率が低かった。また、KM89
0はモチリン、モチリン誘導体等の他のペプチドに対し
ては反応性を示さなかった。
【0049】(7)組織診断への応用 大腸癌31例(進行大腸癌29例、早期大腸癌2例)の
ホルマリン固定パラフィン包埋標本を用いて、KM89
0を第一抗体として免疫組織染色を行なった。その結
果、進行大腸癌8例で癌細胞が陽性と認められた。組織
陽性の所見としては、癌細胞の胞体内および細胞膜で陽
性であった。また、腺管腺腫および絨毛腺腫の良性病変
では、陰性であった。この結果、進行大腸癌では、DC
C遺伝子産物が過剰に蓄積していると推測された。
ホルマリン固定パラフィン包埋標本を用いて、KM89
0を第一抗体として免疫組織染色を行なった。その結
果、進行大腸癌8例で癌細胞が陽性と認められた。組織
陽性の所見としては、癌細胞の胞体内および細胞膜で陽
性であった。また、腺管腺腫および絨毛腺腫の良性病変
では、陰性であった。この結果、進行大腸癌では、DC
C遺伝子産物が過剰に蓄積していると推測された。
【0050】
【発明の効果】本発明により、癌の診断に有用な抗DC
C遺伝子産物モノクローナル抗体が提供される。
C遺伝子産物モノクローナル抗体が提供される。
【0051】
【0052】配列番号:1 配列の長さ:21 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 起源:ヒト 配列 Ala Phe Met Gly Asp Thr Val Leu Leu Lys Cys Glu Val Ile Gly Glu 1 5 10 15 Pro Met Pro Thr Ile 20
【0053】配列番号:2 配列の長さ:21 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 起源:ヒト 配列 Leu Gln Pro Gly Asp Ile Gly Ile Tyr Arg Cys Ser Ala Arg Asn Pro 1 5 10 15 Ala Ser Ser Arg Thr 20
【0054】配列番号:3 配列の長さ:20 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 起源:ヒト 配列 Phe Thr Val Phe Phe Ser Arg Glu Gly Asp Asn Arg Glu Arg Ala Leu 1 5 10 15 Asn Thr Thr Gln 20
【0055】配列番号:4 配列の長さ:20 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 起源:ヒト 配列 Val Ala Tyr Asn Glu Trp Gly Pro Gly Glu Ser Ser Gln Pro Ile Lys 1 5 10 15 Val Ala Thr Gln 20
【0056】配列番号:5 配列の長さ:20 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 起源:ヒト 配列 Thr Gly Tyr Lys Ile Arg His Arg Lys Thr Thr Arg Arg Gly Glu Met 1 5 10 15 Glu Thr Leu Glu 20
【図1】(a)は、モノクローナル抗体KM890〜K
M894の各ペプチド−THYに対する反応性を示した
図である。(b)は、KM895〜KM899の各ペプ
チド−THYに対する反応性を示した図である。
M894の各ペプチド−THYに対する反応性を示した
図である。(b)は、KM895〜KM899の各ペプ
チド−THYに対する反応性を示した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/577 B 9015−2J // C12N 15/06 G01N 33/574 A 9015−2J (C12P 21/08 C12R 1:91) C07K 99:00
Claims (9)
- 【請求項1】 癌抑制遺伝子DCCによりコードされる
ペプチドに特異的に反応するモノクローナル抗体。 - 【請求項2】 配列番号2で示されるアミノ酸配列を有
するペプチドと特異的に反応する請求項1記載のモノク
ローナル抗体。 - 【請求項3】 IgG3サブクラスに属するマウスモノ
クローナル抗体である請求項2記載のモノクローナル抗
体KM890。 - 【請求項4】 請求項1記載のモノクローナル抗体を生
産するハイブリドーマ。 - 【請求項5】 請求項2記載のモノクローナル抗体を生
産するハイブリドーマ。 - 【請求項6】 請求項3記載のモノクローナル抗体を生
産するハイブリドーマKM890(微工研条寄第388
9号)。 - 【請求項7】 請求項2または3記載のモノクローナル
抗体KM890を有効成分として含有してなる癌の診断
薬。 - 【請求項8】 癌が大腸癌である請求項7記載の診断
薬。 - 【請求項9】 配列番号2で示されるアミノ酸配列を有
するペプチド。
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US08/080,809 US5445938A (en) | 1992-06-25 | 1993-06-24 | Anti-DCC gene product specific monoclonal antibody |
CA002099628A CA2099628A1 (en) | 1992-06-25 | 1993-06-24 | Anti-dcc gene product specific monoclonal antibody |
AU41521/93A AU675067B2 (en) | 1992-06-25 | 1993-06-25 | Anti-DCC gene product specific monoclonal antibody |
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EP93110213A EP0577028B1 (en) | 1992-06-25 | 1993-06-25 | Anti-DCC gene product specific monoclonal antibody |
DE69330297T DE69330297T2 (de) | 1992-06-25 | 1993-06-25 | Monoklonare Antikörper, spezifisch für DCC-Genprodukt |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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JP (1) | JP3151054B2 (ja) |
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EP0700446A1 (en) * | 1993-05-26 | 1996-03-13 | The Johns Hopkins University | Antibodies specific for dcc gene product |
US6239116B1 (en) | 1994-07-15 | 2001-05-29 | University Of Iowa Research Foundation | Immunostimulatory nucleic acid molecules |
US7935675B1 (en) * | 1994-07-15 | 2011-05-03 | University Of Iowa Research Foundation | Immunostimulatory nucleic acid molecules |
US6818787B2 (en) * | 2001-06-11 | 2004-11-16 | Xenoport, Inc. | Prodrugs of GABA analogs, compositions and uses thereof |
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---|---|---|---|---|
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AU638954B2 (en) * | 1988-10-31 | 1993-07-15 | Regents Of The University Of California, The | Products and methods for controlling the suppression of the neoplastic phenotype |
CA2065874C (en) * | 1989-09-15 | 2001-12-11 | Joseph P. Brown | Hybridoma ct43 producing a monoclonal antibody to a mucin epitope of colorectal cancer |
WO1991009964A1 (en) * | 1990-01-04 | 1991-07-11 | The Johns Hopkins University | Gene deleted in colorectal cancer of humans |
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- 1992-06-25 JP JP16710192A patent/JP3151054B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1993
- 1993-06-24 CA CA002099628A patent/CA2099628A1/en not_active Abandoned
- 1993-06-24 US US08/080,809 patent/US5445938A/en not_active Expired - Fee Related
- 1993-06-25 AU AU41521/93A patent/AU675067B2/en not_active Ceased
- 1993-06-25 DE DE69330297T patent/DE69330297T2/de not_active Expired - Fee Related
- 1993-06-25 EP EP93110213A patent/EP0577028B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1993-06-25 AT AT93110213T patent/ATE201881T1/de active
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AU4152193A (en) | 1994-01-06 |
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DE69330297T2 (de) | 2002-05-02 |
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AU675067B2 (en) | 1997-01-23 |
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