JPH10114680A - 制癌剤 - Google Patents

制癌剤

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JPH10114680A
JPH10114680A JP28619496A JP28619496A JPH10114680A JP H10114680 A JPH10114680 A JP H10114680A JP 28619496 A JP28619496 A JP 28619496A JP 28619496 A JP28619496 A JP 28619496A JP H10114680 A JPH10114680 A JP H10114680A
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JP
Japan
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antibody
vpf
monoclonal antibody
cyclophosphamide
vascular endothelial
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JP28619496A
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Ayako Koda
綾子 幸田
Makoto Asano
誠 浅野
Mitsuya Hanatani
満也 花谷
Hideo Suzuki
日出夫 鈴木
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Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より優れた制癌剤を提供することを目的とす
る。 【解決手段】 抗血管内皮細胞増殖因子/血管透過性因
子抗体及びシクロホスファミド又はビンクリスチンを有
効成分とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、癌細胞の増殖を抑
える副作用の少ない制癌剤に関するものであり、医療、
製薬技術に属するものである。
【0002】
【従来の技術】本発明者等は、先に、癌細胞に血管の新
生、遊走を誘起する因子を見出し、その機能を阻害し、
腫瘍の増殖を抑えることによって、従来の腫瘍そのもの
をターゲットとした癌の治療方法とは異なる、新規かつ
有効な癌の治療方法が提供できるのでないかと考え検討
を行い、血管の新生を誘起する、あるいは血管の構成細
胞である血管内皮細胞の増殖を促進させる因子のうちで
血管内皮細胞増殖因子/血管透過性因子が腫瘍細胞その
ものに対してではなく血管内皮細胞に特異的に作用し、
生体内では血管の新生を促すことを見出し、この血管内
皮細胞増殖因子/血管透過性因子の作用を抑制すること
によって腫瘍の増殖を抑えることが出来ることを見いだ
し、血管内皮細胞増殖因子/血管透過性因子の機能阻害
剤からなる腫瘍抑制剤についての提案を行った(特開平
6−116163号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、先の提
案を行うと共に、血管内皮細胞増殖因子/血管透過性因
子の機能阻害剤からなる腫瘍抑制剤は腫瘍の治療にあた
り腫瘍細胞そのものを標的とすることなく、腫瘍血管の
新生を抑制することによって間接的に腫瘍の増殖を阻害
するという新しい作用機作に関するものであるから、当
該腫瘍抑制剤は腫瘍の増殖を抑制すると共に、作用点が
腫瘍に延びてゆく血管であるため、従来の腫瘍細胞その
ものをターゲットとする抗癌剤と全く異なり、様々な薬
剤との併用が有効に行え、癌の化学療法がより効果的に
行えるということを示唆した。本発明者らは、これらの
ことを明確にするため、種々の既存の抗癌剤と前記機能
阻害剤との併用について研究を行ったのである。
【0004】
【課題を解決する手段】本発明者らは各種の既存抗癌剤
について検討し、特定の抗癌剤との併用において、格別
に優れた効果が奏されることを見出し、本発明を完成し
たのである。すなわち、本発明は抗血管内皮細胞増殖因
子/血管透過性因子抗体及びシクロホスファミド又はビ
ンクリスチンを有効成分とすることを特徴とする制癌剤
に関するものである。
【0005】
【実施の形態】血管内皮細胞増殖因子/血管透過性因子
(vascular endothelial growth factor/vascular perme
ability factor, VEGF/VPF)は、直接的に血管内皮細胞
に作用し、血管新生すなわち毛細血管内皮細胞の増殖、
移動および組織への浸潤という現象は胎児の生長、創傷
治癒、癌細胞の増殖などの生理的または病理的現象にお
いて重要な役割を果たしているものである。
【0006】血管内皮細胞増殖因子/血管透過性因子
(以下VPFという)に関しては、マウス、ラット、モ
ルモット、ウシ及びヒトの正常又は腫瘍細胞株で分泌さ
れており、また組織別では脳、下垂体、腎臓、卵巣に存
在することが明らかにされている[(Ferrara,N., et.al.
Endocrine Reviews 13:18(1992)]。ヒトVPF遺伝子
についてはその cDNAがすでに単離されて塩基配列が
決定され、アミノ酸配列も推定されている。この遺伝子
からアミノ酸残基数の異なる4種類の蛋白(アミノ酸残
基数が121個、165個、189個、206個の4種
類)が作られ、それらの中で121個のアミノ酸残基数
のもの(VPF121)と165個のアミノ酸残基数のもの
(VPF165)が成熟蛋白であると言われている[(Ferrar
a N., et. al. Endocrine Reviews 13:18(1992)]。VP
121はVPF1 65のカルボキシル末端側の44個のアミ
ノ酸が欠損したものであるが、VPF12 1とVPF165
間に、血管内皮細胞に対する作用の違いがあるかどうか
については明らかにされてはいない。
【0007】VPFの抗体としては特に限定されず、ポ
リクローナル抗体でもモノクローナル抗体のいずれでも
良いが、本発明者らが別途作成した、特定の認識部位を
有し中和活性の強いモノクローナル抗体が本発明にとり
好ましく、それらの抗体は常法により取得することがで
きる。さらに、本発明においては、モノクローナル抗体
をキメラ抗体又はヒト化抗体に変化させたものも使用で
きる。例えば、ポリクローナル抗体はヒト前骨髄性白血
病細胞HL−60等より単離しVPFの cDNAを大腸
菌の中でグルタチオンS−トランスフェラーゼとの融合
蛋白として発現させ、得られた蛋白質を抗原として得る
ことができる。抗体は、常法に従い、該抗原によりウサ
ギを免疫し、抗体価の上昇した血清からクロマトグラフ
ィーで分画することにより得られる。また、モノクロー
ナル抗体は動物をVPFで免疫し脾細胞を取り出しこれ
をミエローマ細胞とを融合して得たハイブリドーマ細胞
を培養することにより製造することができる。このハイ
ブリドーマの製造は例えばKohlerとMilsteinの方法[Nat
ure,256:495(1975)]等により行うことができる。
【0008】本発明の制癌剤を投与する場合投与する対
象は特に限定されない。例えば個々の癌種の予防或いは
治療することを特異目的として用いることができる。又
投与する方法は経口又は非経口でもよく経口投与には舌
下投与を包含する。非経口投与には注射例えば皮下、筋
肉、血管内注射,点滴、座剤等を含む。又、その投与量
および有効成分の割合は動物か人間かによって、又年
齢、投与経路、投与回数により異なり、広範囲に変える
ことができる。この場合本発明のVPF抗体と既存の制
癌剤の有効量と適切な希釈剤および薬学的に使用し得る
担体の組成物として投与される有効量は0.1〜100m
g/kg体重/日であり1日1回から数回に分けて投与され
る。本発明の制癌剤を経口投与する場合はそれに適用さ
れる錠剤・顆粒剤・細粒剤・散剤・カプセル剤等は通常
それらの組成物中に製剤上一般に使用される結合剤・包
含剤・賦形剤・滑沢剤・崩壊剤・湿潤剤のような添加剤
を含有する。又、経口用液体製剤としては内用水剤・懸
濁剤・乳剤・シロップ剤等いずれでの状態であってもよ
く、又、使用する際に再溶解させる乾燥生成物であって
も良い。更にその組成物は添加剤・保存剤の何れを含有
しても良い。また非経口投与の場合には安定剤・緩衝剤
・保存剤・膨張化剤等の添加剤を含有し通常単位投与量
アンプル若しくは多投与量容器又はチューブの状態で提
供される。上記の組成物は使用する際に適当な担体たと
えば発熱物質不含の滅菌された溶解剤で再溶解させる粉
体であっても良い。
【0009】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに具体的に説
明する。但し本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない (1)VPFモノクローナル抗体を産生するハイブリド
ーマの作製 単離したヒトVPFcDNAにて形質転換した酵母の培
養液よりヒトVPFを精製し(YVPF;特開平7−3
1496号参照)、キーホールリンペットヘモシアニン
(KLH)とグルタルアルデヒドを用いて複合体を作製
し、得られた蛋白を抗原として常法に従ってマウスモノ
クローナル抗体を作製した。即ち、KLH-YVPFで
免疫したマウスの脾細胞とマウスミエローマ細胞(Sp2/
0-Ag14)をポリエチレングリコール存在下で細胞融合さ
せた。得られたハイブリドーマは限界希釈法によりクロ
ーニングした。YVPFとクローン化したハイブリドー
マの培養上清の反応性を酵素免疫測定法により調べ、Y
VPFと反応するモノクローナル抗体を産生するハイブ
リドーマを選択した。又、このハイブリドーマが産生す
るモノクローナル抗体をMV833と命名した。なお得ら
れたモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマは通
商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所にFERM
BP−5669として寄託されている。
【0010】(2)VPFモノクローナル抗体の調製 選択したハイブリドーマをヌードマウスの腹腔内に移植
し、モノクローナル抗体を大量に含む腹水を採取した。
この腹水中からプロテインGアフィニティーカラム(M
AbTrapGII、ファルマシア社製)を用いてモノクロー
ナル抗体を精製した。又、抗体のクラスを抗マウス免疫
グロブリンサブクラス特異的抗体を用いた酵素免疫測定
法により調べた結果、MV833抗体のクラスはIgG1で
あった。又、下記の方法で測定したVPF121及びVP
F165に対する解離定数は以下の通りであり本発明のモ
ノクローナル抗体はVPFに対して強い親和性を有する
ことがわかる。 ○ 5.7 ×10-11M±0.35×10-11M(VPF
121) ○ 1.10×10-10M±0.11×10-10M(VPF
165) 解離定数の測定方法 モノクローナル抗体を0.1M塩化ナトリウムを含む2
5mM炭酸緩衝液(pH=9.0)で2μg/mlに調製し取り外
し可能な有穴プレートに100μlずつ添加し4℃で一
晩放置する。次に穴から溶液を除き1%BSA-PBS
を30μlずつ添加し37℃で4時間放置する。1%B
SA-PBSを取り除いた後0.1%BSA-PBSで調
製したVPFと125I標識VPF(125I標識VPF121は
YVPFをクロラミンT法により標識、125I標識VP
F165はアマシャム社より購入)反応混液を穴あたり20
0μl添加して一晩放置する。この反応混液中のVPF
濃度はVPF121が0〜1ng/穴,VPF165が0〜10n
g/穴、125I標識VPFが1×104cpm/穴(125I標識
VPF121 ; 66.7pg/穴、125I標識VPF165 ;1
16pg/穴)とする。穴から反応混液を取り除き0.1%
BSA-PBSで6回洗浄した後、穴を1個ずつ切り離
して分析用チューブに入れガンマーカウンターにてカウ
ントしその結果から作成した散布図から解離定数を求め
る。又、下記の方法で測定した本発明のモノクローナル
抗体の等電点は pI=5.2〜5.5であった。現時点で
報告のある他のIgG1タイプの抗VPFモノクローナル
抗体の等電点は我々の報告しているMV101が pI=7.
0〜7.5でありジェネンテック社のA4.6.1が pI
=4.2〜5.2[Kim,K.J. et.al. GrowthFactors,7:53
(1992)]であり本発明の物質はいずれの物質とも異なる
物質である。 等電点の測定方法 モノクローナル抗体の等電点電気泳動は市販の等電点電
気泳動用アガロースゲル(和科盛社)を使用し同社の等電
点電気泳動層にて泳動した。泳動は等電力出力可能なパ
ワーサプライ(バイオラド社)により3Wで30分間泳動
した。泳動後ゲルは銀染色キット(バイオラド社)にて蛋
白染色した。モノクローナル抗体の等電点は同時に泳動
した等電点マーカー蛋白の泳動度より抗体の等電点を求
めた。
【0011】(5)VPF中のモノクローナル抗体の反
応部位の同定 (a)VPFのアミノ酸配列の一部分に相当するペプチ
ドの作製 ヒトVPF121のアミノ配列の連続した12個のアミノ
酸を1つのペプチドとして全配列を網羅する67種のペ
プチドを考案し、各ペプチドをマルチピンペプチド合成
法[Maeji,N,J, et.al. J.Immunol.method,134:23(199
0)]により合成した。まず96穴アッセイプレート用ピ
ンブロックのピンの先端に導入された9-フルオレニルメ
トキシカルボニル(Fmoc)-β-アラニンからピペリジン
によりFmoc基を除去した後、ジシクロヘキシカルボジ
イミドとヒドロキシベンゾトリアゾール存在下でFmoc-
アミノ酸を縮合させた。N,N-ジメチルホルムアミドで洗
浄後、再びジシクロヘキシカルボジイミドとヒドロキシ
ベンゾトリアゾール存在下でFmoc-アミノ酸を縮合さ
せ、この操作を繰り返すことにより目的のペプチドを合
成した。縮合反応終了後、無水酢酸でアセチル化を行
い、さらにトリフルオロ酢酸で側鎖保護基を除去した。
ピン上で合成したペプチドはピンを中性溶液中に浸すこ
とにより切り出した。合成したペプチドの定量はオルト
フタルアルデヒドを用いてアミノ基を定量することによ
り行った。合成した67種のペプチドのアミノ酸配列を
表1に示した。数字はペプチド識別番号を示す。
【0012】
【表1】
【0013】(b)MV833抗体と反応するペプチドの
同定 以上のようにして合成した67種のペプチドはヒトVP
F121の全領域に対応するものである。したがって67
種のペプチドとMV833抗体との反応性を調べることに
よりMV833抗体がVPFのどの部位に反応しているか
を明らかにすることができる。そこで酵素免疫測定法に
より67種のペプチドとMV833抗体との反応性を調べ
た。96穴NOSプレート(コースター社製)に67種の
20μMペプチド溶液を入れ室温で2時間放置した。
0.1%BSA-PBSでプレートの穴を3回洗浄した
後、2%BSA-PBSを入れ室温で1時間放置した。
2%BSA-PBSを除いた後、MV833(1%BSA-P
BS溶液)を入れ室温で1時間放置した。0.1%BSA
-PBSで6回洗浄後ペルオキシダーゼ標識したヒツジ
抗マウスIgG(アマシャム社)(0.1%BSA-PBS溶
液)を入れ室温で1時間放置した。0.1%BSA-PB
Sで6回洗浄後8.3mg/mlオルトフェニレンジアミン2
塩酸塩および0.01%過酸化水素を含む0.2Mトリス
−クエン酸緩衝液(pH=5.2)を入れて発色させた。反
応は2規定硫酸を加えて停止させた後、吸光度(OD4
90/650)を測定した。以上の方法で測定した結果
をグラフにプロットし図1に示した。
【0014】MV833抗体は67種類のペプチドの中で
ペプチド識別番号31、32、33、60、63の5つ
のペプチドに強く反応した。ペプチド識別番号31〜3
3のペプチドにはKPSCVPLMRという配列が共通
に含まれていることより、この領域ではMV833抗体は
KPSCVPLMRというアミノ酸配列部分と反応して
いると考えられる。したがって、MV833抗体はVPF
のKPSCVPLMR配列とSFLQHNKCECRP
配列とKCECRPKKDRAR配列とに反応している
ことが予想される。抗体はタンパク質の表面に露出して
いる部分を認識すると考えられるため、この2種類のア
ミノ酸配列部分はVPFの表面に露出している部分であ
ると言える。又、モノクローナル抗体は抗原決定基が単
一であると言われているが、高次構造をとっている蛋白
質などの高分子物質が抗原の場合は抗体が立体的に抗原
を認識し、蛋白質の一次構造レベルで抗体の反応性を調
べた時に二箇所以上の不連続なアミノ酸配列に反応する
ことがある。MV833抗体がVPF中の二箇所のアミノ
酸配列部分に反応したことより、本抗体は二箇所のアミ
ノ酸配列部分を立体的に同時に認識していると考えられ
る。
【0015】(6)抗腫瘍試験 ヌードマウス皮下にて継代したヒト線維肉腫(HT10
80)を2mm角に切り出し、別の1群5匹のヌードマウ
ス皮下にトロアカールを用いて移植した。移植翌日に既
存抗癌剤であるシクロホスファミドを50mg/kg又はビ
ンクリスチン0.2mg/kg、尾静脈より単回投与し、抗体
は移植翌日から12.5μgを4日毎に尾静脈投した。抗
癌剤単独投与群ではシクロホスファミドの場合50mg/k
g、ビンクリスチンの場合0.4mg/kgを併用群と同様の
方法で投与した。抗体単独投与群では抗体の12.5μg
を同様の方法で投薬した。経時的に腫瘍径を測定するこ
とで腫瘍体積を算出した。同時に体重変化の観察も行っ
た。それらの結果を図2〜5に示す。図2はVPFモノ
クローナル抗体とシクロホスファミドの併用による腫瘍
体積の変化を示す図であり、図中黒三角は抗体を単独で
12.5μg投与したもの、黒丸はシクロホスファミドを
単独で50mg/kg投与したもの、黒四角は抗体とシクロ
ホスファミドを併用したもの、白丸はコントロールを示
し、横軸は投与後日数、縦軸は腫瘍体積(mm3)を示す。
図3はVPFモノクローナル抗体とシクロホスファミド
を併用した際の体重変化を示す図であり、中の記号は図
2と同じであり、横軸は投与後日数、縦軸は体重変化
(g)を示す。図4はVPFモノクローナル抗体とビンク
リスチンの併用による腫瘍体積の変化を示す図であり、
図中黒丸は抗体を単独で12.5μg投与したもの、黒三
角はビンクリスチンを単独で0.4mg/kg投与したもの、
白四角は抗体とビンクリスチンを併用したもの、白丸は
コントロールを示し、横軸は投与後日数、縦軸は腫瘍体
積(mm3)を示す。図5はVPFモノクローナル抗体とビ
ンクリスチンを併用による腫瘍体積の変化を示す図であ
り、図中黒丸は抗体を単独で12.5μg投与したもの、
黒三角はビンクリスチンを単独で0.2mg/kg投与したも
の、白四角は抗体とビンクリスチンを併用したもの、白
丸はコントロールを示し、横軸は投与後日数、縦軸は腫
瘍体積(mm3)を示す。図から明らかな様に、シクロホス
ファミドと抗体を併用した群ではそれぞれを単独で投与
した群よりも抗腫瘍活性が強いことが示された。その
時、体重減少は観察されなかった。また、シクロホスフ
ァミドを単独で200mg/kg投与すると、強い抗腫瘍活
性を示したが体重減少もまた観察された。ビンクリスチ
ンに関してもシクロホスファミドの場合と同様の結果が
示された。
【0016】
【発明の効果】本発明は、先に提案したVPFの機能阻
害剤からなる腫瘍抑制剤の奏する効果をさらに向上する
ものであり、優れた制癌剤を提供できるものである。
【0017】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:9 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直線状 配列の種類:タンパク質 起源: セルライン: 配列番号:2 配列の長さ:12 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直線状 配列の種類:タンパク質 起源: セルライン: 配列番号:3 配列の長さ:12 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直線状 配列の種類:タンパク質 起源: セルライン:
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒトVPF121中の一部分に相当する67種の
ペプチドに対するMV833抗体の反応性を調べた図であ
る。
【図2】VPFモノクローナル抗体とシクロホスファミ
ドの併用による腫瘍体積の変化を示す図である。
【図3】VPFモノクローナル抗体とシクロホスファミ
ドを併用した際の体重変化を示す図である。
【図4】VPFモノクローナル抗体とビンクリスチンの
併用による腫瘍体積の変化を示す図である。
【図5】VPFモノクローナル抗体とビンクリスチンの
併用による腫瘍体積の変化を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 日出夫 茨城県つくば市大久保2番 東亞合成株式 会社つくば研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗血管内皮細胞増殖因子/血管透過性因
    子抗体及びシクロホスファミド又はビンクリスチンを有
    効成分とすることを特徴とする制癌剤。
JP28619496A 1996-10-08 1996-10-08 制癌剤 Pending JPH10114680A (ja)

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