JPH0671867A - ２つの部分の接触位置の検出方法と検出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 回転プリンタにおいて２つのシリンダの接触
する基準位置を自動的に検出する方法と装置を提供す
る。 【構成】 一方が他方に対し動く２つの部分の接触位置
を検出する方法と装置は、遊動可能に取付けられた受動
部分と結合されかつ受動部分の運動の開始から信号を発
する運動センサを備えた運動検出装置と、可動部分の瞬
間的な位置を決める手段と、可動部分を位置決めする手
段とセンサとが連結された信号処理回路とを具備し、受
動部分が動かされ始めた瞬間の可動部分によって得られ
た位置を、回路の記憶装置に記録するようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、少なくとも一方が、全
体として、他方に対し移動可能で第１又は駆動部分が動
くよう配置することができ第２又は受動部分が支持体上
に遊動するよう取付けられている２つの部分の接触を、
機械内で検出する方法と装置に関し、さらに詳細にはこ
れのみに限らないが回転プリンタの平行なシリンダに適
用することのできる２つの部分の接触位置を検出する方
法と装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】オフセット型の回転プリンタにおいて、
紙やボール紙のような印刷される材料のウエブが、相互
に接する２つの平行なシリンダ、すなわちブランケット
シリンダ（ゴム胴）とカウンタシリンダとの間を一定速
度で前進する。このカウンタシリンダは硬質又は柔軟な
材料で作られ、これに対しブランケットそのものを構成
する表面層は柔軟な材料で作られる。ウエブの印刷中
は、２つのシリンダは圧力下に相互に対し当接されそれ
によりブランケットシリンダの柔軟材料の層がカウンタ
シリンダと接触する部分で圧しつぶされるようにし、こ
の圧しつぶしの大きさはブランケットシリンダ上にカウ
ンタシリンダにより生じた圧力によって決まるものであ
る。

【０００３】良好な品質の印刷を得るためには、ブラン
ケットシリンダの柔軟な表面層が所定の知られた値で圧
しつぶされることが必要である。この所定の圧しつぶし
の値を得るためには、したがって圧力なしでカウンタシ
リンダと柔軟な表面層を有するブランケットシリンダと
の間の単純な接触の位置を予め決め、材料のウエブがこ
れらシリンダの間で掴まれるようにすることが必要であ
る。ウエブの厚さの関数として変化する“ゼロ”位置と
も呼ばれる単純接触のこの位置は、カウンタシリンダの
追加のストロークにとって出発位置として作用し、この
ストロークの値は予め決められそしてブランケットシリ
ンダの柔軟な表面層をさらに圧しつぶすため２つのシリ
ンダの間に所望の圧力を与え印刷されるウエブがその間
を通過するようにする。

【０００４】この基準位置又は“ゼロ”位置は今迄はウ
エブの各厚さに対して機械の操作員により、親指の規準
によって決められていた。このために、操作員はブラン
ケットシリンダをカウンタシリンダから離間した時に回
転し、そして操作員はこの２つのシリンダの間に印刷す
べきウエブの一片又は同じ厚さの材料を係合させ、次に
カウンタシリンダをブランケットシリンダに向かって接
触が得られるまで移動させる。この圧力なしの単純接触
の瞬間が、２つのシリンダの周面と接触するようになる
ウエブの一片が２つのシリンダの間に掴まれたままさら
に搬送される瞬間に決定される。操作員にとって、この
“ゼロ”位置をマークしまたブランケットシリンダの周
面層の所定の圧しつぶしによって変えられる次の圧力の
調節のための出発点としてこれを採用することで十分で
ある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】“ゼロ”位置を決める
この手動の親指規準の方法は実際に行うのが容易でない
ことは明らかである。本発明はこの“ゼロ”位置を自動
的に検出する装置を提供することによりこの欠点を解消
することを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、１つの機械において、２つの部分、すなわち全体と
して少なくとも一方が他方に対し移動可能で、第１の部
分又は駆動部分が動くように配置することができこれに
対し第２の部分又は受動部分が支持体に遊動するよう取
付けられている２つの部分の接触位置を検出する本発明
の方法は、前記駆動部分が動くように配置され前記受動
部分が動かないままとし、２つの駆動部分と受動部分と
の相対移動がこれら２つの部分が接触するようになるま
で行われ、動く駆動部分と接触することからもたらされ
る最初に動かなかった受動部分の移動の開始が検知さ
れ、そしてこの２つの駆動部分と受動部分によって占め
られる位置が、２つの部分の接触位置を規定するよう
に、前には動かなかった受動部分が動かされ始めた瞬間
に記録されることを特徴としている。

【０００７】本発明はまた上記の検出方法を実施する装
置に関し、この装置は、遊動するよう取付けられた受動
部分に結合された運動検出装置であって受動部分の運動
の開始から信号を発する運動センサを有する運動検出装
置と、可動部分の瞬間位置を位置決めする手段と、可動
部分を位置決めする手段とセンサとが連結された信号を
処理する回路とを具備し、それにより前記回路の記憶装
置に、支持体上で前に動かなかった受動部分が駆動部分
と接触するようになったことにより支持体に対し動かさ
れ始めた瞬間の可動部分によって得られた位置を記録す
るようにしていることを特徴としている。

【０００８】

【実施例】本発明は添付図面を参照する以下の記載を読
むことによりさらに容易に理解されるであろう。

【０００９】添付図面の図１から３を参照すると、その
下方部分のみが図１に示されているオフセット型の回転
プリンタに本発明の検出方法及び装置を適用した例が以
下に説明される。このプリンタは一方が他方の上方に配
設された２つの平行な水平シリンダ、すなわち上側のブ
ランケットシリンダ（ゴム胴）１と下側のカウンタシリ
ンダ２とを具備し、この２つのシリンダの間に印刷され
るべき材料のウエブ３が通過するようになっている。上
側ブランケットシリンダ１は、プリンタのフレーム６の
直立部によって支持された２つの固定された軸受５の間
に横方向に（ウエブ３に対して）延びるシャフト４に固
定されている。ブランケットシリンダ１は公知のよう
に、柔軟な材料の表面層を具備している。

【００１０】下側カウンタシリンダ２はプリンタのフレ
ーム６に取付けられ垂直方向に移動できるようになって
いる。柔軟もしくは硬質の材料で作られたカウンタシリ
ンダ２はウエブ３に対し横方向の支持シャフト７に固定
されている。カウンタシリンダ２のシャフト７の２つの
対向する端部は各軸受８，９により支持され、軸受８，
９は別々の位置調節機構１１，１２の制御のもとに相互
に独立してプリンタのフレーム６上を垂直方向に移動で
きるようになっている。これらの機構は任意の公知の型
式、例えば回転ねじとナットからなるものとすることが
できる。これら機構の各々はこれに関連する軸受８，９
の現実の位置を表示する信号を発する。これらの位置信
号はそれぞれ導線１３により信号処理回路１４に送られ
る。この回路１４は可動軸受８，９の実際位置を表わす
信号を蓄積する記憶装置を特に備えている。

【００１１】本発明によれば、回転検出装置１５が下側
カウンタシリンダ２に結合されている。任意の適当な型
式、例えば光電型、誘導型などとすることのできるこの
装置１５は、シリンダ２の近くに配設された固定センサ
１６と、シリンダ２の前面又はその側面の端部分に設け
られた対向マーク１７とからなっている。センサ１６と
マーク１７は相互に対し、下側カウンタシリンダ２の回
転の開始が、導線１８を介して信号処理回路１４に送ら
れる信号を発することにより変化するように、配置され
ている。

【００１２】本発明の検出装置が２つのシリンダ１と２
の基準位置又は“ゼロ”位置、すなわち２つのシリンダ
が圧力を加えることなくその間で掴まれる印刷すべき材
料のウエブ３と接触する位置を決定する方法は、以下に
詳細に記載される。最初の位置において、種々の構成要
素は図１と２に示される位置を占め、そして２つのブラ
ンケットシリンダ１とカウンタシリンダ２は相互に離間
し、カウンタシリンダ２は下方位置にある。“ゼロ”位
置を決めるため、操作員は、図２に示されるような低速
の“駆動部分”を構成する上側ブランケットシリンダ１
の回転を制御し、これに対し遊動するよう取付けられた
“受動部分”を構成する下側カウンタシリンダ２はその
軸線の周りには動かないよう保持される。操作員は次に
シャフト７の傾斜した上昇を制御し、例えばまず左側の
軸受８を左側位置調節機構１１を介して上昇させる。カ
ウンタシリンダ２の左側部分が単独で回転するよう駆動
されているブランケットシリンダ１の左側下方部分と接
触するようになった時、下側カウンタシリンダ２は回転
し始め、これが検出装置１５によって直ちに検知され、
センサ１６が導線１８により回路１４に伝達される信号
を発する。この信号は回路１４内で、２つのシリンダが
接触するようになった時に左側の可動軸受８によって得
られる垂直位置に対する情報の蓄積を誘発する。

【００１３】この最初の測定が完了すると、操作員は左
側軸受８とシャフト７の左側部分とを調節機構１１によ
りその最初の位置に再び下降させる。操作員は次に同じ
ように機械の右側で操作を行い、右側軸受９を“ゼロ”
位置が同様に得られるまで上昇させ、対応信号がセンサ
１６から回路１４に伝達され、次にこの軸受を再び下降
させる。

【００１４】これらの操作の後、記憶回路１４が機械の
左側部分と右側部分に得られた“ゼロ”位置に対応する
データを包含する。操作員は、上記の方法で予め決めら
れた“ゼロ”位置が得られるまで２の左側軸受８と右側
軸受９を同時に上昇させることで十分である。操作員等
はこの時２つのシリンダの軸線が相互に完全に平行であ
ることを確信する。調節の第３段階は、すでに得られた
情報の助けをかりてこれら軸線の平行位置を調節した後
カウンタシリンダ２の右側と左側とを同時に上昇させる
ことにより行われる。この時印刷されるべき材料のウエ
ブが圧力を受けることなしに２つのシリンダ１と２の表
面にまさに接触する。その後で、操作員は２つの軸受８
と９の若干の距離にわたる追加の同時上方移動を制御し
良好な品質の印刷に対応するブランケットシリンダの柔
軟な表面層の予め定められた公知の値の圧しつぶしを得
るようにする。

【００１５】上記の記載は、オフセット型の回転プリン
タの垂直方向に移動するカウンタシリンダの“ゼロ”位
置の検出に本発明を適用することについてなされている
が、この“ゼロ”位置を検出する装置が、一方が駆動し
他方がセンサに対する運動を受ける２つの部分の圧力な
しの単純な接触の位置を決めるのが必要とされる時は何
時でも他の分野に適用できることはいうまでもない。

【００１６】上記の例において、機械のフレームに固定
するよう取付けられた上側シリンダ１（駆動部分）に対
し垂直方向に動くよう単独に取付けられているのは下側
シリンダ２（運動を受ける部分）である。しかし、逆の
配置もまた考えられ、この場合“ゼロ”位置は機械のフ
レームに固定するよう保持された下側シリンダの方向に
動く、垂直方向に移動可能な上側シリンダ上で検出され
る。“ゼロ”位置を検出する本発明の装置はまた２つの
シリンダが両方とも機械のフレームに移動自在に取付け
られている機械と共に用いることもできる。

【００１７】さらに、２つのシリンダの接触の位置を検
出する装置と２つのシリンダの軸線を平行に位置させる
方法とは、２つのシリンダの間をウエブが通過する場合
とウエブがなく２つのシリンダが相互に対し直接接する
場合との両方の場合に、同じように工合よく用いること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】相互に離間して示された、すなわち圧力なしで
偏倚している柔軟なブランケットシリンダとカウンタシ
リンダとからなる、その下方部分だけが図示されている
オフセット型の回転プリンタに用いられた本発明の検出
装置の、垂直断面（ウエブに対して横方向の）概略図で
ある。

【図２】図１の右側から見た概略側面図である。

【図３】２つのカウンタシリンダとブランケットシリン
ダが単純接触又は“ゼロ”位置で示されている図２と同
様の図である。

【符号の説明】

１…ブランケットシリンダ ２…カウンタシリンダ ３…ウエブ ４…シャフト ６…フレーム ７…シャフト ８，９…軸受 １１，１２…位置調節機構 １４…回路 １５…回転検出装置 １６…固定センサ １７…マーク

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 全体として、少なくとも一方が他方に対
   し移動可能で第１の又は駆動部分が動くように配置する
   ことができ第２の又は受動部分が支持体上に遊動可能に
   取付けられている２つの部分の接触した位置を、１つの
   機械内で検出する方法であって、 駆動部分を動くように配置し受動部分を動かないままと
   する段階と、 ２つの駆動部分と受動部分とが接触するまでこれら２つ
   の部分の相対移動を行う段階と、 動く駆動部分と接触することからもたらされる最初に動
   かなかった受動部分の動き始めを検知する段階と、 ２つの駆動部分と受動部分の接触する位置を規定するよ
   うに、前に動かなかった受動部分が動かされ始めた瞬間
   に駆動部分と受動部分によって占められた位置を記録す
   る段階、 とを含んでなる２つの部分の位置を検出する方法。
2. 【請求項２】 駆動部分と受動部分が２つの平行なシリ
   ンダであり、その少なくとも一方のシリンダがそれ自体
   に平行に他方のシリンダの方向に移動される請求項１に
   記載の方法。
3. 【請求項３】 第１のシリンダがその軸線の周りに回転
   するよう駆動され、軸線周りに動かないよう保持された
   第２のシリンダの第１の可動軸受が第２のシリンダの第
   １の端部が第１のシリンダと接触するようになるまで第
   １のシリンダの方向に移動され、第１のシリンダによる
   第２のシリンダの回転がその瞬間に検出され、２つのシ
   リンダが接触するようになった時その第１の軸受側で第
   ２のシリンダにより得られた位置が記憶され、第１の可
   動軸受が逆方向に移動されて最初の位置に戻るように
   し、これらの操作が第２のシリンダの第２の可動軸受に
   繰返されて第２の可動軸受側で２つのシリンダの接触位
   置を検出しかつ記憶するようにし、第２の可動軸受が最
   初の位置に戻った後２つの可動軸受が再び同時に移動さ
   れて２つのシリンダの接触に対応する、前に測定された
   位置に共に移動され、それにより２つのシリンダの軸線
   の平行位置を保証する、２つのシリンダの軸線を平行に
   位置させるのに適用される請求項２に記載の方法。
4. 【請求項４】 全体として、少なくとも一方が他方に対
   し移動可能で第１のすなわち駆動部分が動くように配置
   されることができまた第２のすなわち受動部分が支持体
   に遊動可能に取付けられている２つの部分の接触の位置
   を、１つの機械内で検出する装置において、 遊動可能に取付けられた受動部分と結合された運動検出
   装置であって、受動部分の運動の開始から信号を発する
   運動センサを有する運動検出装置と、可動部分の瞬間位
   置を位置決めする手段と、可動部分を位置決めする手段
   とセンサとが連結された信号を処理する回路とを具備
   し、支持体上で前に動かなかった受動部分が駆動部分と
   接触するようになったことにより支持体に対し動かされ
   始めた瞬間に可動部分によって得られた位置を、回路の
   記憶装置に記録するようにしていることを特徴とする２
   つの部分の接触位置を検出する装置。
5. 【請求項５】 駆動部分と受動部分が２つの平行なシリ
   ンダであり、その少なくとも一方のシリンダがそれ自体
   に平行に他方のシリンダの方向に移動される請求項４に
   記載の装置。