JPH067178A - ベンゾイルギ酸の製造方法 - Google Patents

ベンゾイルギ酸の製造方法

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JPH067178A
JPH067178A JP16721092A JP16721092A JPH067178A JP H067178 A JPH067178 A JP H067178A JP 16721092 A JP16721092 A JP 16721092A JP 16721092 A JP16721092 A JP 16721092A JP H067178 A JPH067178 A JP H067178A
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benzoylformic acid
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Reiko Miyata
令子 宮田
Toru Yonehara
徹 米原
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 マンデル酸をベンゾイルギ酸へ変換する能力
を有し、かつ、コリネバクテリウム(Corynebacterium)
属、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属、アミコラ
トプシス(Amycolatopsis) 属、ストレプトマイセス(Str
eptomyces)属、ロドコッカス(Rhodococcus) 属、シュー
ドモナス(Pseudomonas) 属、アルカリゲネス(Alcalige
nes)属およびキャンディダ(Candida) 属に属する微生物
より選ばれた少なくとも1種の微生物の培養物、菌体ま
たはその処理物をマンデル酸に作用させてベンゾイルギ
酸を生成蓄積せしめ、反応液からベンゾイルギ酸を単離
採取することを特徴とするベンゾイルギ酸の製造方法。 【効果】 マンデル酸からベンゾイルギ酸を、微生物を
用いた酸化反応により温和な条件下で効率よく生産でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ベンゾイルギ酸の製造
方法に関する。
【0002】ベンゾイルギ酸は、種々の医薬品に使用さ
れる光学活性マンデル酸の原料として非常に有用であ
る。
【0003】
【従来の技術】従来、化学的手段により、ラセミ体のマ
ンデル酸エステルを酸化してベンゾイルギ酸エステルを
製造する方法は公知である(特開昭56−158733
号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、生化学的にベ
ンゾイルギ酸を生産する方法は未だ見出されていない。
本発明者らは、ベンゾイルギ酸を微生物を用いて、温和
な条件下で効率よく生産する方法について研究した。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ベンゾイ
ルギ酸の製造方法を種々検討した結果、微生物の有する
酸化力を利用して安価に合成できるマンデル酸を、ベン
ゾイルギ酸に有利に導き得ることを見出し、本発明に至
った。微生物を利用してマンデル酸からベンゾイルギ酸
を蓄積させることは従来知られておらず、かつ行われて
いない。
【0006】すなわち、本発明は、マンデル酸をベンゾ
イルギ酸へ変換する能力を有し、かつコリネバクテリウ
ム(Corynebacterium) 属、ブレビバクテリウム(Breviba
cterium)属、アミコラトプシス(Amycolatopsis) 属、ス
トレプトマイセス(Streptomyces)属、ロドコッカス(Rho
dococcus) 属、シュードモナス(Pseudomonas) 属、アル
カリゲネス(Alcaligenes) 属およびキャンディダ(Candi
da) 属に属する微生物より選ばれた少なくとも1種の微
生物の培養物、菌体またはその処理物を、マンデル酸に
作用させてベンゾイルギ酸を生成蓄積せしめ、反応液か
らベンゾイルギ酸を単離採取することを特徴とするベン
ゾイルギ酸の製造方法である。
【0007】以下、本発明の構成を詳細に説明する。
【0008】本発明で原料として使用するマンデル酸は
R体、S体、ラセミ体のいずれでもよい。通常は工業的
に有利なラセミ体を用いる。
【0009】本発明においては、マンデル酸をベンゾイ
ルギ酸へ変換する能力を有し、コリネバクテリウム属、
ブレビバクテリウム属、アミコラトプシス属、ストレプ
トマイセス属、ロドコッカス属、シュードモナス属、ア
ルカリゲネス属およびキャンディダ属に属する微生物よ
り選ばれた少なくとも1種の微生物を用いる。
【0010】かかる微生物の具体例としては、たとえ
ば、コリネバクテリウム・グルタミカムATCC130
32、ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタムAT
CC13869、アミコラトプシス・サルフレアIFO
13270、ストレプトマイセス・ビナセウスIFO1
3425、ロドコッカス・エリスロポリスIFO123
02、シュードモナス・フルオレッセンスATCC17
563、アルカリゲネス・ファエカリスIAM147
3、キャンディダ・パラプシロシスATCC7330な
どが挙げられる。
【0011】これらの微生物の培養には、通常これらの
菌が資化しうる有機および無機の炭素源、窒素源および
ビタミン、ミネラルなどを適宜配合した培地を用いる。
培地のpHは、通常pH5〜9が好ましい。温度は通常
20〜40℃で、菌は通常1〜7日間、好気的に培養す
ればよい。
【0012】本発明の反応においては、これらの微生物
の培養物、菌体またはその処理物を用いる。好ましくは
菌体懸濁液または菌体処理物を用いる。ここでいう菌体
懸濁液とは、培養して得られた菌体を遠心分離取得した
もので、菌体処理物とは培養して得られた菌体を超音波
処理したものや、たとえば公知の方法によりアクリルア
ミドゲル担体などに固定化したものが挙げられる。
【0013】反応気質であるラセミ体マンデル酸の反応
液中での濃度は、通常0.1〜5%程度用いることがで
きる。添加方法に関しては、一括あるいは分割添加のど
ちらでもよい。
【0014】反応温度は、通常20〜40℃、好ましく
は25〜35℃である。反応液のpHは、通常5〜1
1.0、好ましくは7.5〜9.0に保たれる。反応時
間は反応温度によって異なるが、通常30℃で30〜9
0時間である。
【0015】反応方式としては、培養終了液に基質を添
加し、好気的に振とうする方法と、菌体懸濁液あるいは
菌体処理物に基質を添加し、好気的に振とうする法があ
り、どちらも採用可能であるが後者の方が良好な結果を
与える。
【0016】かくして、本発明の反応によりマンデル酸
は酸化され、ベンゾイルギ酸が生成する。
【0017】かくして生成したベンゾイルギ酸を反応液
から単離するには、一般的な分離精製方法を用いればよ
い。たとえば、分取用液クロカラムを用いて分取する方
法またはフェニルヒドラゾン化して単離する方法など目
的物を単離採取できる。
【0018】このように生成したベンゾイルギ酸を公知
のベンゾイルギ酸還元菌などを用いて還元すると、効率
よく、光学活性マンデル酸が生成する。
【0019】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0020】なお、実施例中ベンゾイルギ酸の生成量
は、ODSカラムを用い、高速液体クロマトグラフィー
(HPLC)で分析した。
【0021】また、実施例中BFはベンゾイルギ酸を表
わし、収率は減少基質に対する生成したベンゾイルギ酸
のモル%で表わす。
【0022】実施例1 シュークロース2%、ポリペプトン4%、酵母エキス
0.5%、リン酸二水素カリウム0.5%よりなる液体
培地を苛性ソーダ水溶液でpH7.0とし、18mmφ試
験管に5mlずつ分注し、オートクレーブ中120℃で2
0分間加熱滅菌した。ここに斜面培地から表1に示す各
種の菌を1白金耳ずつ接種し、28℃で63時間振とう
機上で好気的に培養した。その後、遠心分離により菌体
を分離し、水で一度洗浄して菌体を調整して得られた菌
体を,10g/lのラセミ体のマンデル酸水溶液5mlの
入った18mmφ試験管に添加し、28℃で40時間pH
7.0で振とうし反応した。このようにして得られた反
応液を遠心分離し、その上清をHPLCで分析した結果
を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】実施例2 グルコース4%、コーンスティープリカー5%よりなる
液体培地を用い、キャンディダ・パラプシロシスATC
C7330を用いる以外は、実施例1と同様にして行っ
たところ、BFが2.3g/l蓄積し、収率は67.4
%であった。
【0025】実施例3 実施例1と同様の液体培地を、500mlの坂口フラスコ
に100ml入れ、オートクレーブ中120℃で20分間
加熱滅菌した。ここに斜面培地からアミコラトプシス・
サルフレアIFO13270を1白金耳接種し、28℃
で63時間振とう機上で好気的に培養した。その後、遠
心分離により菌体を分離し、水で一度洗浄して菌体を調
整し、得られた菌体を20g/lのラセミ体マンデル酸
水溶液100mlに添加し、30℃で25時間、pH7.
5で振とうし反応した。この反応液を遠心分離し、菌体
を除いた上清をHPLC(カラム:SKge/ODS1
20A55mm×60cm)で分取し、目的物のベンゾイル
ギ酸を680mg得た(単離収率72.1%)。
【0026】参考例(公知還元菌との組合せ) 実施例1でシュードモナス・フルオレッセンスATCC
17563を用い、基質としてS−マンデル酸を用いる
以外は同様にしてベンゾイルギ酸を生成させ、その上清
液を次の還元反応の基質に用いた。
【0027】公知還元菌として、ロドトルラ・ミヌタA
TCC10658を用い、グルコース4%、コーンスチ
ープリカー5%からなる液体培地を苛性ソーダ水溶液で
pH6.0とし、18−mmφ試験管に5ml入れ、オート
クレーブ中120℃で20分間加熱滅菌し、上記還元菌
を1白金耳接種し、28℃で63時間振とう培養した。
その後、遠心分離により菌体分離し、一度水で洗浄し、
菌体を調整した。
【0028】次に上記のS−マンデル酸を酸化して得ら
れたベンゾイルギ酸を含む上清液3mlに、調整した還元
菌を加え、さらに濃度が3%となるようにグルコースを
添加して30℃で45時間好気的に振とうし反応させ
た。
【0029】このようにして、得られた反応液をHPL
Cで分析した結果、マンデル酸8.5g/lが蓄積し、
反応収率91%であり、R−マンデル酸の光学純度は9
5.3%であった。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、マンデル酸からベンゾ
イルギ酸を、微生物を用いた酸化反応により温和な条件
下で効率よく生産できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12P 7/40 C12R 1:01) (C12P 7/40 C12R 1:465) (C12P 7/40 C12R 1:39) (C12P 7/40 C12R 1:05)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マンデル酸をベンゾイルギ酸へ変換する
    能力を有し、かつ、コリネバクテリウム(Corynebacteri
    um) 属、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属、アミ
    コラトプシス(Amycolatopsis) 属、ストレプトマイセス
    (Streptomyces)属、ロドコッカス(Rhodococcus) 属、シ
    ュードモナス(Pseudomonas) 属、アルカリゲネス(Alcal
    igenes) 属およびキャンディダ(Candida) 属に属する微
    生物より選ばれた少なくとも1種の微生物の培養物、菌
    体またはその処理物を、マンデル酸に作用させて、ベン
    ゾイルギ酸を生成蓄積せしめ、反応液からベンゾイルギ
    酸を単離採取することを特徴とするベンゾイルギ酸の製
    造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5629784A (en) * 1994-04-12 1997-05-13 Ois Optical Imaging Systems, Inc. Liquid crystal display with holographic diffuser and prism sheet on viewer side
WO2010098505A1 (ja) * 2009-02-27 2010-09-02 学校法人慶應義塾 新規な光学活性マンデル酸及びその誘導体の製造方法
CN102250802A (zh) * 2011-06-23 2011-11-23 常州大学 红球菌及用于腈水解合成苯乙酮酸的方法

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US5629784A (en) * 1994-04-12 1997-05-13 Ois Optical Imaging Systems, Inc. Liquid crystal display with holographic diffuser and prism sheet on viewer side
WO2010098505A1 (ja) * 2009-02-27 2010-09-02 学校法人慶應義塾 新規な光学活性マンデル酸及びその誘導体の製造方法
CN102250802A (zh) * 2011-06-23 2011-11-23 常州大学 红球菌及用于腈水解合成苯乙酮酸的方法

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