JPH0671575B2 - 薄 膜 - Google Patents

薄 膜

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JPH0671575B2
JPH0671575B2 JP62121671A JP12167187A JPH0671575B2 JP H0671575 B2 JPH0671575 B2 JP H0671575B2 JP 62121671 A JP62121671 A JP 62121671A JP 12167187 A JP12167187 A JP 12167187A JP H0671575 B2 JPH0671575 B2 JP H0671575B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、高分子化合物の薄膜に関するものであり、さ
らに詳しくは、修飾された高分子化合物をラングミュア
・ブロジェット法で製膜することによって形成された薄
膜に関するものである。
従来の技術 すでに1930年代、炭素数16〜22くらいの脂肪酸が水面上
に単分子膜をつくり、それを基質上に累積できることが
ラングミュアとブロジェットにより見出されたが、技術
的応用についての検討が行われはじめたのは最近のこと
である。
これまでの研究の概要については、固体物理17(12)45
(1982)Thin Solid Films 68 No.1 (1980),ibid,99
No. 1.2.3 (1983) Insolublemonolayers at liquid-g
as interfaces (G.L.Gains,Inter-science Publisher
s,New York,1966)などにまとめられているが、従来の
直鎖飽和脂肪酸のラングミュア・ブロジェット膜(以下
「LB膜」という)は耐熱性、機械的強度に欠点があり実
用的応用にはそのままでは使えないという問題点があ
る。
これらを改善するものとして不飽和脂肪酸、例えばω‐
トリコセン酸、ω‐ペプタデセン酸やα‐オクタデシル
アクリル酸や脂肪酸の不飽和エステル、例えばステアリ
ン酸ビニル,オクタデシルアクリレートのほか、ジアセ
チレン誘導体などの重合膜が検討されているが、耐熱性
は充分ととはいえないし、電気的にもすぐれたものとは
いえない。ポリマーについてもポリ酸,ポリアルコー
ル,エチルアクリレート,ポリペプチドなど親水性基を
もつ高分子に成膜性のあるものが知られているが、特に
ラングミュア・ブロジェット膜用の材料として、修飾さ
れた高分子はこれまで検討されていないし、すぐれたLB
膜材料と言えるものはない。
一方、耐熱性フィルムとしてポリイミドがあるが、スピ
ンコートなどの方法によってはせいぜい1000Å以上で通
常は1μm以上で1000Å以下のピンホールのない耐熱性
薄膜を作成するのは非常に困難である。
発明が解決しようとする問題点 本発明は、本来、ラングミュア・ブロジェット法では製
膜が困難である高分子化合物を修飾することにより同法
による製膜を可能にすることであり、耐熱性、耐薬品
性、接着力などの機械的特性の改善された一般的には製
膜が難しい厚みの高分子薄膜を提供することである。
問題点を解決するための手段 高分子化合物の繰返し単位中に疎水性を付与するための
置換基を導入することによってラングミュア・ブロジェ
ット法で製膜できるように修飾し、この修飾された高分
子化合物と望むなら公知のラングミュア膜化合物と混合
してラングミュア・ブロジェット法によって製膜するこ
とによってなされる。
詳細な議論 本発明において使用するLB膜材料の1つは、少なくとも
2個の炭素原子を有する少なくとも2価の第1の有機基
R1と、少なくとも2個の炭素原子を有する少なくとも2
価の第2の有機基R2とが2価の結合基によって交互に連
結されている線状の繰返し単位を有し、かつ共有結合に
よって同じ繰返し単位へ結合した、置換基を含むことも
ある炭素数10〜30の炭化水素含有基R3を少なくとも1つ
含んでいる高分子化合物である。
さらに詳しく説明すれば、本発明の高分子化合物は基本
骨格となる線状の繰り返し単位として A-R1-AB-R2-B (1) A-R1-BA-R2-B (2) B-R1-BA-R2-A (3) から構成される。
ここでR1は少なくとも2個の炭素原子を含有する少なく
とも2価の第1の有機基であり、R2は少なくとも2個の
炭素原子を含有する少なくとも2価の第2の有機基であ
る。さらに好ましくはR1,R2のいずれか一方または両方
が少なくとも6個の炭素原子数を有するベンゼノイド不
飽和によって特徴づけられた基である。
(1)〜(3)式におけるAB,BAは、O,N,S,P,Bなどのヘ
テロ原子を含む酸性基Aと塩基性基Bの反応によって出
来た2価の結合基である。さらに具体的には、‐COOR,
(Rはアルキル基または水素原子、以下同じ)‐COX,
(XはClまたはBr、以下同じ)‐NCO,-NCS,-CN,-CONHR
などの酸性基Aと、‐NHR,-OR,-SP,-X等の塩基性基Bの
反応によってできた基で、 ABは、 等であり、 BAは、 等である。
本発明の高分子化合物は、(1)〜(3)の基本骨格の
同じ繰返し単位中にそれへ共有結合した、置換基を有す
ることもある炭素数10〜30,好ましくは炭素数16〜22の
炭素原子含有基R3の少なくとも1つ、好ましくは2つを
含有し、ラングミュア・ブロジェット法で製膜可能なよ
うに修飾されたものである。
このような修飾を実現する方法には3つの方法が考えら
れる。
〔1〕(1)〜(3)式の線状の繰返し単位中のAB,BA
の基に含まれる原子にR3を置換する方法。
〔II〕R1,R2に直接R3を置換する方法と、 さらには、 〔III〕R1,R2の線状繰返し単位を作るのに使われている
以外のR1,R2の置換基を通してR3を置換する方法である 勿論〔I〕〔II〕〔III〕を併用してもさしつかえな
い。また、R3が2つ以上のときは同一でも異なってもよ
い。
〔I〕〔II〕〔III〕について具体的に例示すれば、
〔I〕は、 上表のようにAB,BAの窒素原子上の水素原子の代わりにR
3を置換する方法である。
〔II〕の方法は、R1,R2に直接R3を置換する方法で、 はその具体例の一部である。
さらに多くの可能性を含む方法は〔III〕の方法であ
る。これについて詳しく説明する。
〔III〕の方法は、R1,R2として少なくとも一方は少なく
とも3価の有機基を用いる方法で、R1,R2を含む繰返し
単位を作るのに使われている以外の置換基を通してR3
置換する方法で、勿論これに限定されるわけではない
が、R1がR2と価数が等しいか、多い場合について価数が
6までを例示すると、 R1の価数 R2の価数 3 2 4 2 5 2 6 2 3 3 4 3 5 3 6 3 4 4 5 4 6 4 5 5 6 5 6 6 である。
ここにはR1,R2が5価以上の例もリストアップされてい
るが、R1,R2は4価までが特に好ましい例である。
R1=3,R2=2価 R1=4,R2=2 R1=3,R2=3 R1=4,R2=3 R1=4,R2=4 について可能な具体例について列挙すると、 R1=3,R2=2のとき、 =4,R=2のときは、 =3,R=3のときは、 =4,R=3のときは、 =4,R=4のときは、 である。(4)〜(75)式には線状の繰返し単位を作る
のに使われていないA/Bが存在するが、〔III〕の方法は
この置換基を通してR3を置換する方法である。例えば
(4)〜(75)でAなら‐COOR3,-CONHR3,-NHCOOR3,-NH
CSOR3等、Bなら、‐NHR3,-OR3-SR3等によって置換する
ことができる。
次にR1,R2について説明する。R1,R2は少なくとも2個の
炭素原子を含有する、好ましくは5〜20個の炭素原子を
含有する少なくとも2価の基であり、芳香族の基であっ
てもよく、脂肪族の基であってもよく、環状脂肪族の基
であってもよく、これらの基が組合わさった基であって
もよく、さらにはこれらの基が脂肪族、環状脂肪族ある
いは芳香族(これらが相互に組合わさっていてもよい)
の炭素数1〜30の1価の基(これらの基がハロゲン原
子、ニトロ基、アミノ基、シアノ基、メトキシ基、アセ
トキシ基などの基で置換されていてもよい)、あるいは
該1価の基が‐0-,-COO-,-NHCO-,-CO-,-S-,-CSS-,-NHCS
-,-CS-などに結合した基で置換され誘導体となった基で
あってもよい。しかし、R1,R2が少なくとも6個の炭素
原子数を有するベンゼノイド構造によって特徴づけられ
た基である場合には、耐熱性、耐薬品性や機械的特性な
どの点から好ましい。
本発明のベンゼノイド不飽和とは炭素環式化合物の構造
に関してキノイド構造と対比して用いられる術語で、普
通の芳香族化合物に含まれる炭素環と同じ形の構造をい
う。
R1,R2についてさらに詳しく述べるために好適なものを
例示すれば以下のとおりである。
ここでR4R5:アルキルまたはアリール基 以上の中からR1,R2のさらに好ましい例をあげれば (R4は前出に同じ)である。
R3は炭素数10〜30好ましくは16〜22の炭化水素含有基で
あるが、脂肪族,環状脂肪族と脂肪族,芳香族と脂肪族
の結合、それらの置換体から選ばれた1価の基は好まし
い具体的な例であり、列挙すれば (CH3)(CH2n-1,CH2=CH(CH2n-2, ここでl+m=n-5、n=10〜30好ましくは16〜22等で
あり、直鎖系脂肪族炭化水素基が特に好ましい例であ
る。
これらに対する置換基としてはハロゲン原子,ニトロ
基,アミノ基,シアン基,メトキシ基,アセトキシ基等
があるが必須ではない。しかしフッ素原子は水素原子よ
り疎水性を向上させるので場合により使われることが望
ましい。
即ち、フッ素を含有させることによってアルキル鎖の長
さを短くできる。例えば、C8F17(CH2)k-においてk=
2で充分であり、炭素数10で製膜が可能なようにでき
る。
本発明の製膜方法に適用可能な高分子化合物の具体的な
例は(1)〜(75)式にR1,R2,R3,A,B,AB,BAの具体例お
よびR3を置換する方法の具体例をそれぞれ代入すること
によって明らかになる。(1)〜(75)には共重合体は
含まれていないが、これらから類推される共重合体やそ
れらの混合物も勿論本発明に含まれる。
又さらに必須ではないが、本発明の高分子化合物が
〔I〕〔II〕〔IIIの方法によって炭素数1〜9の炭化
水素含有基によって置換されていてもよい。
本発明の高分子化合物の分子量については特に限定はな
い。しかし分子量が低くても、本発明の製膜方法によっ
て製膜は可能であるが、良好な耐熱性,機械的強度,耐
薬品性を得ることはできない。また一方分子量が大きす
ぎると、粘度が高すぎて製膜がうまくいかない。
従って、数平均分子量が2,000〜300,000程度のものが望
ましい。
(1)〜(75)式から誘導される本発明の高分子化合物
の実用的な具体例をあげると以下のとおりである。
式中、→は異性を表す。
例え、下式(78)で説明すれば、 を表す。
本発明は(78-1)(78-2)が単独である場合(78-1)
(78-2)が共存する場合を含んでいる。
他の例は、例えば神戸博太郎編,高分子の耐熱性(培風
館,S45.3.5),高分子の熱分解と耐熱性(培風館、S49.
3.15)等の成書に求めることができる。
これらの修飾された高分子化合物の薄膜の製造方法を説
明するために(80)式でR3=CH3(CH217-の場合につ
いて述べる。ピロメリット酸ジ無水物のアルコリシスに
よって得られる。
を実質的に無水の条件下で、有機極性溶剤中で温度‐10
℃以上で、好ましくは0〜40℃程度でチオニルクロライ
ドでアシル化し、これにジアミノジフェニルエーテルを
温度‐10℃以上,好ましくは0〜+10℃で反応させる
が、反応を完結させるために後反応を20℃以上で行って
もよい。アシル化およびアミド化の反応は通常0℃以下
‐10℃程度で行われるが、本発明では長鎖アルキル基等
の置換基が凍結固化する傾向があるので、上記の温度で
行われることが望ましい。勿論以上の場合において、異
なった置換基をもつ原料を混合して共重合体としたり、
0〜30%程度の置換基のない、あるいは炭素数が10以下
の置換基をもつテトラカルボン酸ジ無水物やジアミンと
混合してもよい。
以上のように製造された両性ポリイミド前駆体について
は分離精製して製膜材料としても、製造後必要ならクロ
ロホルム,ベンゼンなどを添加して直接製膜用溶液とし
てもよい。
本発明の高分子化合物を製膜する方法について述べる。
溶剤キャスト法、スピンコート法、ラングミュア・ブロ
ジェット法があり、ラングミュア・ブロジェット法が配
向した数十Å単位で厚みの制御されたピンホールの少な
い薄膜を得る方法として好ましい。
溶剤キャスト法およびスピンコート法による場合、本発
明の高分子化合物あるいはその混合物をベンゼン、クロ
ロホルム、エチルエーテル、酢酸エチル、テトラヒドロ
フラン、ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトア
ミドなどの溶剤にとかし、スピンコート法などの方法に
より基板上に塗布するなどすればよく、分子を配向させ
ることはできないが、膜厚が10000Å程度より厚い場合
にピンホールのない良質な膜が容易に得られる。
次に本発明に用いるラングミュア・ブロジェット膜の製
法について説明する。
ラングミュア・ブロジェット膜の製法としては膜を形成
する物質を水面上に展開し、水面上に展開された物質を
一定の表面厚で圧縮して単分子膜を形成し、その膜を基
板上に移しとる方法のほか水平付着法、回転円筒法など
の方法(新実験化学講座,第18巻、界面とコロイド、49
8-508)などがあげられ、通常行われている方法であれ
ばとくに限定されることなく使用することができる。
ラングミュア・ブロジェット法は配向した、しかも厚み
を数十Å単位で制御できる方法で200Å以下さらには100
0Å以下、数百Å、数十Åの薄膜を形成するのにすぐれ
た方法であり、本発明の基板上の薄膜もこの特徴をも
つ。しかし10,000Åまたはそれ以上の厚みの膜もこの方
法で製膜し得る。
本発明者は、本発明の修飾された高分子化合物が単独で
製膜できることを見出し提案(特願昭60-202191)した
が、これら高分子化合物と公知のラングミュア・ブロジ
ェット膜化合物と混合することによって製膜性能が向上
し、本発明の好ましい実施態様である。
公知のラングミュア・ブロジェット膜化合物とは、先に
引用された文献などにも記載され、当業界で公知の化合
物である。特に炭素数が16から22位いの炭化水素基と親
水基とからなる下式の化合物が好ましい。
CH3(CH2 n-1Z CH2=CH(CH2 n-2Z CH3(CH2C≡C-C≡C(CH2 Z ここで,n=16〜22,l+m=n-5,Z=OH,NH2,COOH,CONH2,C
OOR′(R′は低級脂肪族炭化水素基)である。
製膜性の改善のためにはCH3(CH2n-1Zの式で表され
るものがコスト面ですぐれているが、不飽和結合を含む
ものは光や放射線などを照射することによって重合させ
ることができる特徴を有する。
これらから選ばれた少なくとも1つの化合物と高分子化
合物との混合比率については特に限定はない。
ラングミュア・ブロジェット法により膜を形成する成分
を水面上に展開する際、一般には溶媒として水には溶け
ないで気相中に蒸発してしまうベンゼン,クロロホルム
などが使用されるが、本発明の高分子化合物の場合は、
溶解度をあげるために有機極性溶剤を併用することが望
ましい。好ましい有機極性溶剤は、N,N-ジメチルホルム
アミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジエチルホル
ムアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N,N-ジメチルメ
トキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチル
‐2-ピロリドン、ピリジン、ジメチルスルホン、ヘキサ
メチルホスホルアミド、テトラメチレンスルホン、ジメ
チルテトラメチレンスルホンなどである。
従って、高分子化合物と公知のラングミュア・ブロジェ
ット膜化合物を展開する際にも、ベンゼン,クロロホル
ムなどの溶媒と有機極性溶剤との混合溶剤を使用するこ
とが望ましい。
ベンゼン,クロロホルムなどと有機極性溶剤を併用した
ときには、膜を展開時ベンゼン,クロロホルム等は気相
中に蒸発し、有機極性溶剤は大量の水に溶解すると考え
られる。
本発明に使用される基板については本発明の薄膜を何に
応用するかということによって限定されるが、その他大
きく限定されることはなく、ガラス,アルミナ,石英な
どのような一般的無機の基板のほか、金属,プラスチッ
クがSi,GaAs,ZnSのようなIV族,III-V,II-VI族等の半導
体、PbTiO3,BaTiO3,LiNbO3,LiTaO3のような強誘電体等
や磁性体薄膜を含むものも基板として用いることができ
る。また、通常行われるような表面処理を施したものも
勿論使うことができる。表面処理の中で、シランカップ
リング剤とくにアミノ基や、エポキシ基を有するシラン
カップリング剤やアルミキレート化合物で処理し、加熱
処理を施す方法は本発明の高分子薄膜と基板の接着性を
改善できるために好ましい。
本発明の特徴は、より耐熱性をもった高分子化合物をラ
ングミュア・ブロジェット法で基板上に薄膜を形成でき
ることであるが、さらにあるものは、この薄膜を部分的
にあるいは完全に閉環させることによってさらに耐熱性
の向上した薄膜を基板上に形成できるという特徴をも
つ。
(76)〜(95)の例のうち(78)〜(90)はヘテロ原子
を含む5員環または6員環へ部分的にあるいは完全に閉
環させることができる例であり、完全閉環後の構造は次
のようになる。
閉環の方法については特に限定されないが、例えば先の
(80)式の具体例であるイミド化の場合には300〜400℃
近辺の温度に加熱することによって(80)式の高分子化
合物 の反応が起こって閉環が達成される。このとき、疎水化
のために導入した基がアルコールとして脱離するが、こ
の脱離したアルコールは300゜〜400℃近辺の温度で必要
ならガスの流れの下に置くか、真空下に置くことによっ
て飛散させることができるので非常に耐熱性のよいポリ
イミド薄膜を得ることができる。
このように閉環によって耐熱性のよい薄膜を得る場合に
は、混合する公知のラングミュア・ブロジェット膜化合
物として、閉環反応条件下、飛散させることができるも
のを先に挙げた例のな中から選ぶことが望ましい。
勿論、一般的なイミド化の際に使用される無水酢酸やピ
リジン、イソキノリンのような化学キュア剤、あるいは
それと熱を併用してもよい。
以上述べたように本発明の高分子化合物をラングミュア
・ブロジェット法により基板上に累積し必要ならそれに
続く閉環反応によって作られた基板上の薄膜は耐熱性、
機械的特性、耐薬品性も良好で、すぐれた電気絶縁性を
もち、そのうえ、10000Å以下という非常に薄い膜であ
り、5000Å,2000Å,望むなら10〜1000Åにもし得ると
いう特徴を持っている。
特に1000Å以下、数百Å,50〜100Å程度でも良好な物性
なかでも1×106V/cm以上の絶縁破壊強度を実現でき、
また分子構造の選択によって400℃以上の耐熱性,好ま
しくは500℃以上の耐熱性を実現できるので、種々のデ
バイスの中に使用することができる。中でも50Å程度か
ら数百Å程度の薄膜では、特異な膜厚の効果、例えばト
ンネル効果が期待され、それを利用した多くの興味ある
応用が可能となる。
しかしながら、そのような膜厚で1×106V/cm以上の絶
縁破壊強度を実現するのは困難であった。本発明の方法
によればエレクトロニクス分野で十分使用可能な1×10
6V/cm以上の絶縁破壊強度をもつ耐熱性薄膜を実現でき
ることが明らかになった。
このように薄いポリイミド薄を作成する方法としてはス
ピンコート法や蒸着法があるが、1μm以上の厚みでも
1×106V/cm以上の絶縁破壊強度を達成するのは非常な
技術を必要とし、1000Å以下の厚みで1×106V/cm以上
の絶縁破壊強度のポリイミド薄膜を作成することは現在
の技術では困難であることが理解されるべきである。
本発明の耐熱性とは、薄膜を該温度に窒素気流下、1時
間加熱した後も誘電特性、絶縁特性に有意の変化がない
とき該温度以上の耐熱性をもつと定義されるが、さらに
具体的には、キャパシタンスの逆数の変化が加熱前後で
10%以内である場合に該温度以上の耐熱性をもつと定義
される。
薄膜の加熱前後の重量変化はその重量が微量であるため
困難であるが、本発明の前駆体高分子化合物から形成さ
れたヘテロ環を含む耐熱性高分子(バルク)を該温度に
窒素気流下1時間加熱しても重量変化が10%を越えなけ
れば、本発明による薄膜も該温度以上の耐熱性をもつと
期待できる。
また、加熱前後で赤外吸収スペクトルに有意の変化がな
いことなどによっても簡便に耐熱性を評価することがで
きる。
次にこれら薄膜の用途について述べる。
本発明の薄膜は、耐熱性、耐薬品性、機械的特定がすぐ
れ、非常に薄い膜であるという特徴を生かしてエレクト
ロニクス分野、エネルギー変換や物質分離など広範な分
野で使うことができる。
導電性、光導電性、光学特性、絶縁性、熱特性や化学反
応性を生かしたエレクトロニクス分野でのデバイスにつ
いてまず電気・電子デバイスについて述べる。
第1に重要な本発明の薄膜を含んだ電気・電子デバイス
は金属/絶縁膜/半導体構造(以下MISという)のデバ
イスであり、平面エレクトロニクスデバイスや集積回路
の基本となる構造である。
第1〜7図が代表的模式図である。第1図は半導体基板
に絶縁膜として本発明の薄膜を形成させその上に金属電
極を設けたものである。Si,GeなどのIV族半導体、GaAs,
GaPなどのIII-V族半導体、CdTe,CdS,ZnS,ZnSe,CdHgTeな
どのII-VI族半導体を使用することによって例えば太陽
電池のような光電変換素子、LED、EL、フォトダイオー
ドのような発光素子、LED、EL、フォトダイオードのよ
うな発光素子、受光素子、光検出素子その他ガスセンサ
ー、温度センサーのような各種トランスジューサーを構
成することができる。勿論本発明の半導体としては単結
晶、多結晶あるいはアモルファスのいずれが選れてもよ
い。
第2図は第1図と同等であるが1つの基板上に2個以上
の素子を作る場合にこのような電極が付けられる。この
ような構成によってCCD(Charge-coupled device)のよ
うな電荷移動型デバイスが作られ興味ある応用である。
次に第3図は電極(透明電極であってもよく、勿論パタ
ーン化されていてもよい。)をもつ絶縁基板上に、半導
体が多くの場合は半導体薄膜が形成されその上に本発明
の薄膜電極が設けられた構造になっている。
第4図は薄膜が絶縁基板側電極と半導体薄膜との間に設
けられている点に第3図と違いがある。半導体薄膜は分
子線エピタキシ(MBE)有機金属気相生長法(MOCVD)原
子層エピタキシ(ALE)蒸着法、スパッタ法、スプレー
パイロリシス法、塗布法など通常半導体薄膜を作製する
のに使われる方法で作られ限定されない。
半導体としては先に第1,2図で挙げたものを同様に使う
ことができ、作られるデバイスも同様である。
第4図の構成では本発明の薄膜の上に半導体薄膜が形成
されるので形成時の熱が薄膜の耐熱性を越えると望まし
くないが、閉環後の薄膜ではアモルファスシリコン等は
十分累積できるし、その他の半導体も低温形成技術が進
んでいるので今後、多くの半導体が使えるようになるで
あろう。
MIS構造デバイスのもっとも重要なデバイスの構造は第
5,6図で代表的に表されるゲート電極でチャンネル電流
を制御して駆動するタイプのいわゆる電界効果トランジ
スター(FET)構造をもつものである。
第5図は半導体基板を使っているのに対し、第6図では
絶縁基板上に形成された半導体、多くの場合半導体薄膜
を使っている違いがある。
MISFETはデバイスの基本型の一つであり、これにより種
々のデバイスを作ることができる。大面積基板上に作れ
ば液晶ディスプレイを駆動させる薄膜トランジスターや
集積度を上げれば集積回路を構成できる。
他の興味ある応用は第5,6図でゲート電極をとりはずし
た構造であり、絶縁膜あるいはそれと併用してイオン、
ガスや活性物質に感応する膜をつけることにより、イオ
ン感応FET(ISFET)やガス感応EET(Chem FET)、免疫F
ET(IMFET)、酵素FET(ENFET)を構成できる。
動作原理はイオンやガス活性物質がゲート絶縁膜表面と
作用することによる電界効果によって説明できるが、本
発明の薄膜を用いる場合には、その上に種々の有機物で
されに修飾する際に従来の無機物にくらべて有利とな
る。特に長鎖アルキル基の残っている薄膜ではそのアル
キル基(疎水性)部分とタンパク質の疎水性部分との相
互作用を利用できる。
第7図はISFETの例で石英基板上に半導体膜が図のよう
に形成され、その上に絶縁膜とイオン感応膜を設けた構
造となっている。この絶縁膜として本発明の薄膜を用い
ることができる。
MIS構造のデバイスを構成するときの半導体として通
常、良好な絶縁膜を酸化などの方法で形成するのが難し
いIII-V,II-VI族などの化合物半導体を使う場合が本発
明の好ましい実施態様であり、CaAsの場合にはFETを形
成する場合、上記の問題点からMetal-SemiconductorFET
(MESFET)の形で実用化されているが、MIS構造にする
ことによって性能の向上が期待される。
GaAsを使ってMIS集積回路を構成すると駆動電圧を低げ
る効果のほか、GaAs半導体中でのキャリヤーモビリティ
ーの大きさを利用した高速で動作する集積回路(HEMT)
を非常に簡単な方法で作ることができる。
第2に重要な本発明の薄膜を含んだ電気・電子デバイス
は金属/絶縁膜/金属(以下MIMという)構造のデバイ
スである。
第8〜10図が模式図である。絶縁基板あるいは半導体基
板を用いその上に金属、絶縁膜、金属の順に形成され
る。
第8図はキャパシターの構造であり、キャパシタンスの
湿度による変化を追跡すれば湿度センサーとなる。また
この構造によってMIM構造のトランジスターを作ること
もできる。
第9図のようにすれば、熱電子トランジスターを構成で
きる。
第10図のように半導体あるいは半導体デバイス上にキャ
パシターを作ることによってVLSIのメモリセルのキャパ
シターとして使うことができる。
第10図の構成で熱電子を半導体中に注入するようなタイ
プのデバイスも作製できる。さらに金属のかわりにNbの
ような起電導体を使うことにより、ジョセフソンジャン
クション(JJ)デバイスを作ることも可能である。
第3の薄膜を含んだ電気・電子デバイスは、絶縁膜/金
属構造(IM構造)のデバイスであり、第11図で模成的に
表される。もっとも単純なもので、金属の上に絶縁膜と
して本発明の薄膜を形成することにより得られる。
一つの応用は液晶配向膜であり、パターン化した電極、
通常はITOなどの透明電極の上に本発明の薄膜を形成す
ることによって得られる。
次の応用は図12,13の独立した二つの電極上に本発明の
薄膜を形成することにより湿度、ガスなどのセンサーと
して使うことができる。
以上本発明の薄膜を含んだ電気・電子デバイスについて
述べたが、他の応用例は前記に挙げた文献の中に特にP.
S.Vincett,G.G.Robertsの総説(Thin Solid Films 68 1
35〜171(1980)に求めることができる。
その他の半導体デバイス、化合物半導体デバイスについ
てはE.S.Yang,Fundamentals of Semi-conductor Device
s MaGraw-Hill,1978,今井ら編著、化合物半導体デバイ
ス〔I〕〔II〕工業調査会(1984)の成書を参考にする
ことができる。
次に電気・電子デバイス以外のデバイスについて述べ
る。
色素を含む薄膜や、TeOxなど無機薄膜にビット形成や相
変化をさせることによりその変化を0.1で光学的に読み
出す記録方式の採用が進んでいる。本発明の薄膜は光,
熱特に通常光学記録に使われるレーザー光によって反応
を起こし、薄膜の厚みの変化が生じビットが形成される
こと、またこの反応によって薄膜の屈折率も変化するの
で、これを利用した光学記録が可能であることが示唆さ
れる。
本発明の薄膜は熱に対して反応性があることは、これま
での説明で明らかであるが、この反応性を利用して熱的
に閉環した部分としない部分をつくり、しない部分を溶
剤で除去することによってパターン化することができ
る。残った部分は、耐熱性、機械的強度、耐薬品性にす
ぐれているのでレジスト膜として使用することができ
る。また本発明の実施態様の一つであるようにアルキル
鎖部分に二重結合や、三重結合を含むものを使うことに
よって光に対しても反応性をもつようにすることが可能
である。
そのほか、ウエイブガイド用のクラッド材あるいは光学
回路成分としても応用が考えられる。
レジストで述べた方法によってパターン化し、光学回路
を形成することもできる。本発明の薄膜の場合、厚みの
正確なコントロールと化合物を変えることによって屈曲
率の調整ができる。このことは光学回路成分としての重
要な要件である。
あらゆる分野での保護用コーティング材料としても好適
であろうし、一般的にLB膜の分野で使われる機能性のLB
材料と脂肪酸の混合膜,積層膜の手法を、本発明の混合
物を脂肪酸のかわりに使うことによって種々の機能性を
発現でき、これを使った用途が考えられる。例えば色
素、酵素を含んだ膜を作成することによって、光電変換
素子やバイオセンサーを作ることができる。
また、この薄膜を使った物質分離の分野での用途も考え
られる。
最近、多孔質フィルム基板上に微細な孔をもつ薄膜を形
成して、それを物質分離に使用する試みがさかんになっ
ている。
本発明の薄膜を特に公知のラングミュア膜材料の存在す
る条件でつくり、そのあと閉環反応を行うことによって
微細な孔をもつ薄膜が形成できる。
例えばポリイミド多孔質フィルム上にポリイミド前駆体
構造をもつ化合物をステアリルアルコールの過剰存在す
る条件で製膜し、そのあと300〜400℃でイミド化するこ
とによって微細な孔をもつポリイミド薄膜をポリイミド
多孔質フィルム上に作ることができる。
次に本発明の薄膜およびデバイスを実施例に基づき説明
する。
実施例1 ピロメリット酸ジ無水物2.18g(0.01モル)とステアリ
ルアルコール5.40g(0.02モル)とをフラスコ中、乾燥
チッ素気流下、約100℃で3時間反応させた。
得られた反応物をヘキサメチルホスファミド40ccに溶解
して0〜5℃に冷却してチオニルクロライド2.38gを約
5℃で滴下し、滴下後約5℃で1時間保持し、反応を終
了させた。
そののちジメチルアセトアミド50ccに溶解させたジアミ
ノジフェニルエーテル2g(0.01モル)を0〜5℃で滴下
し、滴下後約1時間反応させたのち、反応液を蒸留水60
0cc中に注いで反応生成物を析出させた。析出物をロ過
し、約40℃で減圧乾燥して約9gの淡黄色粉末を得た。
得られた粉末についてIRスペクトル分析、熱分析(TGA-
DTA)、GPCによる分子量測定を行った。
IRスペクトル分析 KBrディスク法で測定したIRスペクトラムを第14図に示
す。IRスペクトルにはエステル、アミドI吸収帯、II吸
収帯、III吸収帯、アルキル鎖およびエーテルの特徴的
な吸収があらわれている。
熱分析(TGA-DTA) 理学電機製RTG-DTA(H)タイプでフルスケールでTGA10
mg,DTA100μV,温度1000℃で昇温10℃/min,窒素気流(30
ml/min)中で測定した結果を第15図に示す。
TGAには271,318,396,592℃に変曲点があり、DTAには657
℃付近に特徴的なピークがある。
また第16図は得られた前駆体を400℃まで10℃/minで昇
温し、400℃に1時間保ったのち室温まで戻し、10℃/mi
nで1000℃まで昇温した時の結果を示す。
400℃に1時間保つことによってほぼ重量は恒量に達
し、ポリイミド化反応が終結する。これを室温に戻して
再び昇温しても重量変化は450℃をすぎるまでなく、ポ
リイミドフィルムの示す熱分解温度と同じ584℃で熱分
解が始まることが明らかになり、ポリイミド化の反応を
終結することによりポリイミドフィルムと同様の耐熱性
のものが得られることがわかる。
GPCによる分子量測定 N,N-ジメチルアセトアミド溶媒で測定されたGPCの結果
をポリスチレン標準サンプルと比較することによって算
出された数平均分子量は約50,000であった。
実施例2 実施例1の生成物55.1mgを蒸留したクロロホルム/ジメ
チルアセトアミド=8/2(容量比)の混合液に溶解して2
5mlの溶液にしたLB膜用展開液を調製した。
得られた展開液を用いて再蒸留水上、20℃で表面圧πと
繰返し単位(unit)あたりの面積との関係を測定したと
ころ、第17図に示す結果が得られた。75Å2/unitぐらい
から表面圧は急激にたちあがり、良好な凝縮膜を形成し
た。極限面積は60Å2/unitであり、崩壊圧力も55dyne/c
mと高分子膜としては非常に高い値を示した。また表面
圧を25dyne/cmに保って膜を水面上に保持しても2時間
にわたって面積の減少が認められず、安定な膜であっ
た。
次に水面上の膜の表面圧を20℃で25dyne/cmに保って累
積速度10mm/minでLB法でガラス基板あるいはCaF2板上に
60層累積させた。CaF2板上に形成された膜をAT-AIR-IR
分析すると第18図のようなスペクトラムが得られ、実施
例1で得られた化合物の累積膜であり、面積‐時間曲線
からY型膜であることが確認された。なお本実施例で用
いた水層にはCd イオンなどが含まれていないにもかか
わらず、累積膜90層のX-回折法による分析ではピークが
2θ=4.65゜に1本だけ観測された。
ブラッグ回折条件nλ=2d sin θで、 n=3,λ=1.5418Åとしたときのd(一層の膜厚)は、
28.5Åと計算され、両性ポリイミド前駆体において長鎖
アルキル基が垂直に立っているとしたときの値とほぼ一
致する。
さらに該累積膜を400℃で1時間加熱することによっ
て、α,β‐不飽和5員環イミドが生成することがFT-A
TR-IR分析による1790cm-1、1710cm-1のピークにより確
認された。
おな実施例1の生成物を400℃で1時間加熱すると58%
(重量%,以下同様)の減少がおこり、イミド化するこ
とが赤外線吸収スペクトル分折などにより確認されてい
る。前記の重量減少はイミド化によりステアリルアルコ
ールが消失する場合の計算値58.7%ともよく一致した。
比較例1 実施例1と同様にしてステアリルアルコールの代わりに
n-デシルアルコール(n-C10H21OH)を用いてポリイミド
前駆体を合成した。
このポリイミド前駆体はIRスペクトル分析、熱分析、GP
Cによる分子量測定の結果、ほぼ実施例1のポリイミド
前駆体と同じ特徴を有するものであったが、表面圧面積
曲線の測定結果は第19図に示すとおりであり、液体膨張
相のみで凝縮相の存在を示さなかった。従って炭素数10
のアルキル基を用いたものでは安全な凝縮相を得るため
には短すぎることが明らかとなった。
実施例3〜5 実施例1と同様にしてステアリルアルコールのかわり
に、炭素数12、14、16のラウリルアルコール、ミリスチ
ルアルコール、セチルアルコールを用いてポリイミド前
駆体を合成した(それぞれ実施例3〜5に相当)。
炭素数12、14のアルコールを用いた場合には炭素数10と
18との中間的な挙動を示したが、水相を5℃程度にする
と安定な凝縮相が得られた。
炭素数16のアルコールを用いたものでは炭素数18の場合
のものと同様安定な凝縮膜を作ることが明らかになっ
た。
実施例6 ピロメリット酸ジ無水物10.91gとステアリルアルコール
27.05gを120℃で3時間反応させ、生成物を200mlエタノ
ールで再結晶して融点133〜137℃のジステアリルピロメ
リテートを得た。
このジステアリルピロメリテート3.79gを60ccのヘキサ
メチレンホスファミドに溶解して5℃に冷却してチオニ
ルクロライド1.19gを約5℃で滴下し、滴下後約1時間
保持し、反応を終了させた。その後ジメチルアセトアミ
ド30ccに溶解させた1.2gのジアミノジフェニルエーテル
を約10℃で滴下し、約20℃に反応温度をあげて2時間反
応させた後、400ccのエタノールに注いで反応生成物を
析出させた。析出物をロ過、40℃で乾燥して約3.4gの淡
黄色粉末を得た。
IRスペクトル分析、熱分析(TGA-DTA)、GPCによる分子
量測定を行ったところ下記の結果が得られた。
IRスペクトル分析 KBrディスク法でとられたIRチャートは図20のようでエ
ステル、アミドI,II,III、アルキル鎖およびエーテルの
特徴的な吸収があらわれた。熱分析(TGA-DTA) 理学電機(株)製RTG-DTA(H)タイプでフルスケールT
GA10mg,DTA100μV,温度1000℃で昇温10℃/min,窒素気流
(30ml/min)中で測定された結果が図21のとおりであ
る。TGAには203,270,354,403,580℃に変曲点があるが、
DTAには特徴的なピークは存在しない。
GPCによる分子量測定 クロロホルム,N,N-ジメチルアセトアミド(8:2)混合溶
媒で測定された数平均分子量はポリスチレン換算で約1
5,000であった。
実施例7 実施例6の生成粉55.1mgを蒸留したクロロホルム/ジメ
チルアセトアミド=8/2(容量比)の混合液に溶かして2
5mlのLB膜用展開液を調製した。
再蒸留水上、20℃で表面圧と繰返し単位当たりの面積と
の関係を測定したところ、第22図に示す結果が得られ
た。65Å2/unitぐらいから表面圧は急激に立ち上がり、
良好な凝縮膜を生成した。極限面積は約55Å2/unitであ
り、崩壊圧は45dyne/cmであった。(図22-A) 上記の溶液と同じモル濃度のステアリルアルコールの溶
液を同じ容量まぜ合わせ、実施例1の生成物の繰返し単
位の数とステアリルアルコールの分子数の合計が図22-A
と等しくなるようにして表面圧面積曲線を評価したとこ
ろBのような結果が得られた。ステアリルアルコールの
添加により曲線の立ち上がりがさらに急になり、崩壊圧
も約60dyne/cmに上昇して、膜が安定化していることが
わかる。
アルミニウムを蒸着したガラス基板(シランカップリン
グ剤A-1100或いはA-187を処理したガラス基板)上への
累積は、ステアリルアルコールを添加するしないにかか
わらずY型であり、良好な累積膜が得られた。
さらに実施例6の生成物とステアリルアルコールの1:1
(モル比)の混合物をゲルマニウム基板上に累積し、40
0℃、窒素気流下、1時間加熱すると、FT-ATR-IR法によ
りステアリル基の消失と1790,1710cm-1の5員環イミド
の出現が観測された。
実施例8 実施例7と同様にステアリルアルコールのかわりに、ス
テアリン酸、ω‐ヘプタデセン酸、オクタデカンを用い
て表面圧面積曲線を評価したところ、いずれの場合もス
テアリルアルコールの場合と同じように曲線の立ち上が
りが急になり、崩壊圧も上昇することがわかった。
ステアリン酸、ω‐ヘプタデセン酸の崩壊圧はステアリ
ルアルコールとほぼ同じで、オクタデカンよりも優れて
いた。
また、ステアリン酸、ω‐ヘプタデセン酸、オクタデカ
ンを添加した膜は、アルミニウムを蒸着したガラス基板
上へY型で累積され、良好な累積膜が得られた。
実施例9 MIM構造の一例について述べる。
実施例6の化合物とステアリルアルコール1:1(モル
比)の混合物を使うほかは実施例2と同様の条件で11,2
1,31,41,51層の累積膜を作成した。基板としてはシラン
カップリング剤A-1100(1%)を処理したガラス基板に
0.5mm巾のアミニウム電極を蒸着したものを使用した。
累積後1夜間乾燥して400℃、窒素流通下1時間処理し
て、前記アルミニウム電極と直交するように0.1mm巾の
アルミニウム電極を蒸着して第8図のようなMIMデバイ
スを作成した。キャパシタンスを周波数1KHzで室温で測
定しキャパシタンスの逆数を累積膜数に対してプロット
したものが第23図である。バーはデータ‐10ケのバラツ
キを示している。
損失係数はいずれも0.02程度であった。さらに11,21,3
1,41,51,101,151層の累積膜をつくり、400℃窒素気流下
1時間加熱してデバイス面積0.18cm2のアルミ/耐熱性
ポリイミド薄膜/アルミデバイスを作成した。それぞれ
の耐熱性ポリイミド薄膜の膜厚は約50,100,150,200,25
0,500,700Åである。これらのサンプルそれぞれ10ケづ
つについて1×106V/cm、2,3,4,5×106V/cmの電界をか
けたが絶縁破壊を起こさかった。これにより1×106V/c
m以上の絶縁破壊強度をもつことが明らかになった。150
℃に30分加熱しても絶縁破壊強度の変化は見られなかっ
た。
約100Åの耐熱性ポリイミド薄膜を含むデバイスのI
(電流)‐V(電圧)特性は図24,25のとおりで、0.5×
106V/cmまではオーム性の導電性を示し、それ以上ではI
n I∝V1/2に従う導電性を示すことが明らかになった。
また、図25からこの約100Åの薄膜が10Vすなわち1×10
7の電界にも耐え得ることが明らかになった。
したがって、本発明の耐熱性ポリイミド薄膜は種々の電
気・電子素子の中で絶縁膜として使用することができ
る。
実施例10 MIS構造の1例について第3図のタイプのMIS直流駆動EL
デバイスについて述べる。
シート抵抗15Ω/□,可視光透過率約80%のパターン化
したITOガラス上に0.7重量%のMnを含むZnSをターゲッ
トとして用い、電子ビーム蒸着法でZnS(Mn)層を形成
した。蒸着時の圧力は約1×10-6torr,基板温度は約170
℃,製膜速度は約10Å/secであった。得られたZnS(M
n)薄膜は(111)方向に優先配向した多結晶膜で厚さは
0.1μmであった。そののち窒素気流下600℃で1時間熱
処理した。
その上に実施例9と同じ累積条件で実施例6の化合物と
ステアリルアルコール1:1(モル比)の混合物を21層累
積した。ZnS(Mn)の上に理想に近い形でM型膜が累積
された。このサンプルを1日乾燥したのち、400℃1時
間、窒素気流下で反応させてイミド化反応を行って、そ
の上にアルミニウムをITO電極と交差するように蒸着し
てMIS構造のELデバイスを得た。
ITOをプラス、アルミニウムをマイナスに直流電圧を印
加したときの輝度対電圧曲線が図26に2つのデバイスに
ついてプロットされているがしきい値電圧は13V,最高輝
度は11fL(at21V)で黄橙色の発光が得られた。また150
℃に30分加熱しても初期性能に変化は見られなかった。
耐熱性ポリイミド薄膜を設けないMS構造のデバイスでは
9V付近で絶縁破壊をし、発光は得られなかった。このよ
うな低電圧、高輝度が得られる理由についてはまだ明ら
かではないが、絶縁膜の電界によるホットエレクトー
ンのZnS(Mn)中への注入、高耐圧絶縁膜の存在によ
るデバイスの絶縁破壊強度の改善、ZnS:Mnとアルミニ
ウム間の界面順位の低減などによると考えている。
本実施例によって耐熱性ポリイミド薄膜がMIS構造のデ
バイスの絶縁膜としても有効に機能することが明らかに
なった。
実施例11 実施例9と同様にして、11,21,31,41,51層の累積膜を累
積した。基板としてはシランカップリング剤A-1100を1
%処理したガラス基板にアルミニウムを蒸着したものを
使用した。これ累積後1夜間乾燥し、次に400℃で1時
間、窒素気流下でイミド化して耐熱性ポリイミド薄膜と
した。
さらにその後5ケづつのサンプルを200,250,300,350,40
0℃に1時間、窒素気流中で熱処理して、その上にアル
ミニウム電極を蒸着してアルミ/熱処理耐熱性ポリイミ
ド薄膜/アルミデバイスを作製した。熱処理耐熱性ポリ
イミド薄膜デバイスの誘電特性、絶縁特性(抵抗率,絶
縁破壊強度)等はアルミ/耐熱性ポリイミド薄膜/アル
ミデバイスのそれと比べ有意の変化はなく、本発明の耐
熱性ポリイミド薄膜が400℃以上の耐熱性をもつことが
明らかになった。
実施例12 実施例6と同様に合成したジステアリルピロメリテート
2.47gを乾燥ヘキサメチレンホスファミド12cc中で0〜
5℃に冷却してチオニルクロライド0.744gをアシル化し
た。このアシル化物を続いて前もってレゾルシノール0.
358gと苛性ソーダ0.26gから作成した水溶液に室温、撹
拌しながら添加した。生成した沈澱を分離、再沈精製し
て0.92gの白色粉末を得た。IRスペクトル分析、熱分
析、GPCによる分子量測定を行ったところ下記の結果が
得られた。
IRスペクトル分析 実施例6と同様にとられたIRチャートは図27のようでエ
ステル、アルキル鎖の特徴的な吸収があらわれた。
熱分析 実施例6と同様に測定された結果は図28のとおりであ
る。TGAには265,355,397℃に変曲点があり、265℃以上
で急速な熱分解がはじまるが、200℃くらいまでは熱的
に安定であると考えられる。一方DTAには、160℃にシャ
ープな吸熱ピークとブロードな熱分解によると見られる
発熱ピークが観測された。
GPCによる分子量測定 実施例6と同様に測定された数平均分子量はポリスチレ
ン換算で約7,000であった。
実施例13 実施例12の生成物17.3mgをクロロホルム/ジメチルアセ
トアミド=19:1(容量比)の混合液に溶かして10mlのLB
膜用展開液を調製した。
再蒸留水上、22℃で表面圧と繰返し単位あたりの面積と
の関係を測定したところ図29のAのように膨張的で約30
dyne/cmで崩壊した。表面圧20dyne/cm,累積速度10mm/mi
nで累積すると基板をあげるときにだけ累積された。
次に上記溶液とステアリルアルコールを実施例2のよう
に混合して表面圧面積曲線を測定すると図29のBのよう
に曲線の立ち上がりが急峻になった。また、ステアリル
アルコールとモル比で1:1混合することによってガラス
基板上にY型膜が得られることが面積‐時間曲線から確
認された。
実施例14〜22 実施例1,6,12と同様の方法によって次にあげるA群とB
群の化合物を作用させて高分子化合物を合成した。R3
CH3(CH217 合成された高分子化合物の構造は次のとおりである。
これらの高分子化合物の同定はIRスペクトル分析、1H-N
MRなどによって行われた。熱分析、GPCによる分子量測
定の結果も実施例1,6,12の結果と同様であった。特に16
〜22の高分子化合物では300〜400℃に加熱することによ
り閉環反応とステアリルアルコール(18ではおそらくジ
ステアリルエーテル)の脱離によって耐熱性の環構造が
形成されることが確認された。
さらに以上の高分子化合物が実施例2,7,13と同様の方法
でラングミュア・ブロジェット法によって水面上に安定
な単分子膜が形成でき、それを基板上に移しとることが
できることが確認された。
実施例23〜25 実施例17,19,20で合成された高分子化合物を、それぞれ
61層づつ、ラングミュア・ブロジェット法によりアルミ
ニウム蒸着基板上に累積した。実施例17,19の高分子化
合物に対してはそれぞれの高分子化合物とステアリルア
ルコールの1:1(モル比)の混合物を累積した。すべて
Y型で累積され、累積比はほぼ1で、良好な累積膜が得
られた。
得られた累積膜のFT-IRスペクトルは、それぞれ図30,3
1,32のとおりで実施例17,19,20で合成された高分子化合
物の特性吸収が見られる。
次に、上記累積膜をそれぞれ窒素気流下300℃,450℃,40
0℃で1時間加熱したのちFT-IRスペクトルを測定した。
(それぞれ図33,34,35)このスペクトルより、加熱によ
り閉環反応が進行して次の環構造をもつ耐熱性高分子薄
膜が形成できることがわかった。
実施例26 AとBの化合物を作用させてポリアミド酸を合成し、こ
れを酢酸リチウムによりリチウム塩としたのち、ステア
リルブロミドによりエステル化した。合成された高分子
化合物の構造は、 であった。同定はIRスペクトル分析、元素分析、熱分析
により行った。この高分子化合物は300〜400℃に加熱す
ることにより閉環反応が進んで次の耐熱性の環構造(ポ
リベンゾオキサジノン)が形成されることが確認され
た。
さらにこの高分子化合物とステアリルアルコールの1:2
(モル比)の混合物は、ラングミュア・ブロジェット法
によりY型で累積され、加熱によりポリベンゾオキサジ
ノン薄膜が形成できることがFT-IRスペクトルの検討よ
り明らかになった。
実施例27 実施例17で合成された高分子化合物とステアリルアルコ
ールの1:1(モル比)の混合物をシランカップリング剤
(A-1100,2%)を処理したガラス基板に第36図Aのよう
にアルミニウム電極を蒸着した基板上に1,3,5,7,9層累
積した。累積後、1夜間乾燥して第36図Bのように5mm
φのアルミニウム電極を蒸着してMIM構造のデバイスを
作成した。キャパシタンスを周波数120Hz,室温で測定
し、キャパシタンスの逆数を累積膜数に対してプロット
したものが第37図である。良好な直線関係が見られた。
さらに11,21,31,41層の累積膜を作り、300℃窒素気流下
1時間加熱してのち、上部アルミニウム電極を形成して
アルミ/耐熱性ポリアミドイミド/アルミデバイスを作
成した。
それぞれの耐熱性ポリアミドイミドの膜厚は約50,100,1
50,200Åである。これらのデバイスについて、キャパシ
タンスを周波数120Hz,室温で測定し、キャパシタンスの
逆数を累積膜数に対してプロットしたものが第38図であ
る。良好な直線関係があり、加熱後も単分子膜キャパシ
タンスの存在を示唆している。
さらに膜厚の異なるデバイスに、それぞれ1×106V/cm
および5×106V/cmの電界をかけたが絶縁破壊をおこさ
なかった。この結果により1×106V/cm以上の絶縁破壊
強度をもつことが明らかになった。
また、300℃窒素気流下、1時間加熱して形成した薄膜
を、その後さらに300℃窒素気流下1時間加熱して、そ
の上にアルミニウム電極を蒸着してアルミ/熱処理耐熱
性ポリアミドイミド薄膜/アルミデバイスを作製した。
このデバイスの誘電特性、絶縁特性は熱処理前のデバイ
スのそれと比べ有意の変化はなく、本発明の耐熱性ポリ
アミドイミド薄膜が300℃以上の耐熱性をもつことが明
らかになった。
実施例28 実施例20で合成された高分子化合物とステアリルアルコ
ールの1:1(モル比)の混合物をシランカップリング剤
(A-1100,2%)を処理したガラス基板に第36図Aのよう
にアルミニウム電極を蒸着した基板上に1,3,5,7,9層累
積した。累積後1夜間乾燥して第36図Bのように5mmφ
のアルミニウム電極を蒸着してMIM構造のデバイスを作
成した。キャパシタンスを周波数120Hz,室温で測定し、
キャパシタンスの逆数を累積膜数に対してプロットした
ものが第39図である。良好な直線関係が見られた。
さらに3,7,11,21,31層の累積膜をつくり、450℃,窒素
気流下1時間加熱してのち、上部アルミニウム電極を形
成してアルミ/耐熱性ポリイミドイソインドロキナゾリ
ンジオン/アルミデバイスを作成した。それぞれの耐熱
性ポリイミドイソインドロキナゾリンジオンの膜厚は約
10,23,36,70,100Åである。
これらのデバイスについて、キャパシタンスを周波数12
0Hz,室温で測定し、キャパシタンスの逆数を累積膜数に
対してプロットしたものが第40図である。良好な直線関
係があり、加熱後も単分子膜キャパシタンスの存在を示
唆している。
さらに膜厚の異なるデバイスに、それぞれ1×106V/cm
および5×106V/cmの電界をかけたが絶縁破壊をおこさ
なかった。この結果より1×106V/cm以上の絶縁破壊強
度をもつことが明らかになった。
また、500℃窒素気流下、1時間加熱して形成した薄膜
を、その後さらに500℃窒素気流下1時間加熱して、そ
の上にアルミニウム電極を蒸着してアルミ/熱処理耐熱
性ポリイミドイソインドロキナゾリンジオン薄膜/アル
ミデバイスを作製した。このデバイスの誘電特性、絶縁
特性は熱処理前のデバイスのそれと比べ有意の変化はな
く、本発明の耐熱性ポリイミドイソインドロキナゾリン
ジオン薄膜が500℃以上の耐熱性をもつことが明らかに
なった。
発明の効果 本発明によるとLB膜法により製膜できるように修飾され
た高分子化合物が、水面上でさらに安定な膜を形成し、
基板上に良好に累積できるようになる。また部分的ある
いは完全に環化させることにより、同時に混合した公知
のLB膜化合物を飛散させることにより、耐熱性の極めて
良好で、耐薬品性、機械的特性のよい一般的には作成が
難しい厚み、すなわち10,000Å以下、望むなら10〜1000
Åの超薄膜を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第7図は代表的なMIS構造デバイスの模式図で
あり、第8図〜第10図はMIM構造、第11図〜第13図はIM
構造のそれである。 第14図は実施例1で得られた前駆体のIRスペクトラム、
第15図は実施例1で得られた前駆体の熱重量分析(TGA-
DTA)結果を示すグラフ、第16図は実施例1で得られた
前駆体を室温から400℃まで昇温し、そこに1時間保っ
て室温まで下げ、さらに1000℃まで昇温したときの熱重
量分析(TGA-DTA)結果を示すグラフ、第17図は実施例
1で得られた前駆体を実施例2にしたがって水面上に展
開した場合の表面圧と繰返し単位当たりの面積との関係
を測定した結果示すグラフ、第18図は前記水面上に展開
した膜をCaF2板上へLB法で累積したもののFT-ATR-IRの
測定結果を示すスペクトラム、第19図は比較例1で得ら
れた前駆体の表面圧と繰返し単位当たりの面積との関係
を測定した結果を示すグラフである。 第20図は実施例6で得られた前駆体の赤外吸収スペクト
ル、第21図は熱分析の結果である。第22図は実施例6で
得られた前駆体とそれをステアリルアルコールとモル比
で1:1に混合した場合の表面圧、面積曲線である。 第23図は前駆体累積膜ををイミド化したのちのポリイミ
ド薄膜のキャパシタンスの逆数を前駆体累積膜数に対し
てプロットしたものである。 第24,25図はポリイミド薄膜のI(電流)対V(電圧)
特性である。 第26図はMIS構造直流駆動ELデバイスの輝度対電圧の関
係である。 第27図は実施例12で得られた高分子化合物のIRスペクト
ラム、第28図はその熱分析(TGA-DTA)の結果を示すグ
ラフ、第29図は実施例12で得られた高分子化合物を実施
例13にしたがって水面上に展開した場合の表面圧と繰返
し単位当たりの面積との関係を測定した結果を示すグラ
フである。 第30,31,32図は、それぞれ実施例23,24,25において得ら
れた加熱前の累積膜のFT-IRスペクトルであり、第33,3
4,35図は加熱後のこれら累積膜のFT-IRスペクトルであ
る。 第36図は実施例27および28において使用した基板および
それからつくったMIS構造のデバイスの概略図である。 第37図および第38図は実施例27により、第39図および第
40図は実施例28によってつくったデバイスのキャパシタ
ンスの逆数を累積膜数に対してプロットしたグラフであ
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C03C 17/32 A 7003−4G C04B 41/83 G11B 5/72 7215−5D H01L 21/312 7352−4M 29/28 29/784 29/86

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも2個の炭素原子を有する少なく
    とも2価の第1の有機基R1と、少なくとも2個の炭素原
    子を有する少なくとも2価の有機基R2とが、 より選ばれた2価の結合基によって交互に連結されてい
    る線状の繰返し単位を有し、かつ置換基を含むこともあ
    る炭素数10〜30の炭化水素含有基R3の少なくとも1個が
    該繰返し単位に共有結合されている高分子化合物のラン
    グミュア・ブロジェット膜。
  2. 【請求項2】前記高分子化合物の繰返し単位がヘテロ原
    子を含む5員環または6員環を生成する前駆体構造を備
    えている特許請求の範囲第1項記載のラングミュア・ブ
    ロジェット膜。
  3. 【請求項3】前記高分子化合物または前記高分子化合物
    と公知のラングミュア・ブロジェット膜化合物との混合
    物をラングミュア・ブロジェット法によって累積し形成
    したことを特徴とする特許請求の範囲第1項または第2
    項記載のラングミュア・ブロジェット膜。
  4. 【請求項4】少なくとも2個の炭素原子を有する少なく
    とも3価の第1の有機基R1と、少なくとも2個の炭素原
    子を有する少なくとも2価の第2の有機基R2とが少なく
    とも一方はヘテロ原子を含む5員環または6員環構造に
    よって交互に連結されている繰返し単位を有する耐熱性
    高分子化合物のラングミュア・ブロジェット膜。〔ただ
    し、式 (式中、R1は4価の有機基、R2は2価の有機基を示す) で表される反復単位を有するポリイミドを構成成分とす
    る単分子膜もしくは単分子累積膜を除く。〕
  5. 【請求項5】厚みが1000Å以下で絶縁破壊強度が1×10
    6V/cm以上である特許請求の範囲第4項記載のラングミ
    ュア・ブロジェット膜。
  6. 【請求項6】耐熱性が300℃以上である特許請求の範囲
    第4項記載のラングミュア・ブロジェット膜。
  7. 【請求項7】前記耐熱性高分子化合物がポリアミドイミ
    ド,ポリイミドイソインドロキナゾリンジオン,ポリイ
    ミダゾピロロンまたはポリオキサジノンから選ばれた一
    種である特許請求の範囲第4項、第5項または第6項記
    載のラングミュア・ブロジェット膜。
  8. 【請求項8】少なくとも2個の炭素原子を有する少なく
    とも3価の第1の有機基R1と、少なくとも2個の炭素原
    子を有する少なくとも2価の第2の有機基R2とが、 より選ばれた2価の結合基によって交互に連結されてい
    る線状の繰返し単位を有し、かつ置換基を含むこともあ
    る炭素数10〜30の炭化水素含有基R3の少なくとも1つが
    該繰返し単位に共有結合で結合されており、しかも繰返
    し単位がヘテロ原子を含む5員環または6員環を生成す
    る前駆体構造を備えている高分子化合物と、望むらくは
    公知のラングミュア・ブロジェット膜化合物との混合物
    をラングミュア・ブロジェット法によって累積し形成し
    た累積膜を反応させてヘテロ原子を含む5員環または6
    員環を生成させたことを特徴とするラングミュア・ブロ
    ジェット膜。
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