JPH0671480A - はんだ合金 - Google Patents

はんだ合金

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JPH0671480A
JPH0671480A JP16966493A JP16966493A JPH0671480A JP H0671480 A JPH0671480 A JP H0671480A JP 16966493 A JP16966493 A JP 16966493A JP 16966493 A JP16966493 A JP 16966493A JP H0671480 A JPH0671480 A JP H0671480A
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solder
alloy
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solder alloy
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Tetsuo Nishimura
哲郎 西村
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NIPPON SUPERIASHIYA KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱サイクルストレスによるはんだ接合部の疲
労破壊を緩和できるはんだ合金を提供する。 【構成】 Sn56〜65重量%、Sb0.05〜1重
量%、Te0.01〜0.2重量%、および残部Pbか
らなるはんだ合金組成、あるいはこれにさらにGaを
0.005〜1重量%添加することとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電子機器のプリント
基板などにおいて電子部品の接合に利用するはんだ合金
の改良に係り、特に長期間の熱サイクルストレスによっ
てはんだ接合部が疲労破壊する現象を緩和するための技
術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】はんだは冶金的なヌレ現象を利用して複
数の部材を電気的、あるいは機械的に接合するものであ
る。電子機器の組み立てや電子部品の実装に使用される
はんだとしては、従来から慣行的にSn−Pb合金の中
でも比較的融点が低い共晶はんだ(Sn63wt%、Pb
37wt%、融点約183度C)が用いられている。この
はんだを用いるのは、電子部品、プリント基板、および
樹脂素材などの耐熱保証温度が低いという理由による。
【0003】ところで、接合部のはんだは電子機器のオ
ン・オフによる発熱・冷却、あるいは使用環境温度雰囲
気の昇降などによる熱サイクルによって全方向から圧縮
・引っ張り・せん断・ねじれなどのストレスを受ける。
そしてこれらのストレスを打ち消すように、はんだは組
織の移動再結晶を繰り返す。特に、はんだの固相温度近
くまで温度が上昇したり、大きいストレスを受けた部分
は結晶の粗大化の進行が著しい。また、溶融はんだが冷
えると結晶が固くなり、収縮によるストレスが大きくな
る。この結晶組織がストレスに耐えられなくなれば、そ
の部分は疲労破壊し、亀裂が発生する。これは外観的に
は割れとなる。
【0004】上述したように接合部が割れた場合には電
気抵抗が高くなるため、電源をオンしたときの温度上昇
が大きく、かつ機械的強度が低下する。そしてこれらが
ますます増幅されてしまい、接合の目的を失うことにな
る。さらに、電気特性も悪化するので、機器の誤動作を
引き起こしたり、最悪の場合にはスパークが発生して発
火する原因にもなる。特に一般の民生機器のみならず、
最近のインバータ製品などのような直流、大電流を扱う
機器、さらには使用環境の厳しい車載電装品では非常に
重要な課題であり、耐熱ストレス性に優れたはんだ接合
材料が不可欠である。
【0005】そこで、はんだ合金の組成として公知のS
n90重量%、Cd9重量%、Zn1重量%で融点が2
38〜260度Cのはんだや、Sn95重量%、Sb5
重量%で融点が235〜240度Cのはんだが提供され
ている。また、Sn−Pbベースのはんだ合金にCd、
Ag、Bi、Sb、Cu、Au、Pd、Ni、Zn、I
n、AsあるいはGaなどを添加したはんだや、Sn−
Pb−Biベース、およびSn−Pb−Sbベースのは
んだ、さらにはこれらに微量のAg、Cuを添加したは
んだなどが公知である(例えば特公昭49−2102
8、49−23986、53−113245など)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これら従来のはんだ合
金のうち、融点が共晶はんだの場合の183度Cから大
きくずれている組成を持つものは、はんだ付けの作業温
度を大幅に変更しなければならず、作業効率上での問題
があると同時に、電子部品の耐熱温度からの制約を解決
することができないという課題がある。また、Sn−P
b−Biベースの低融点はんだでは電子部品の耐熱温度
条件は満足するものの、高温でのクリープ特性が劣るの
で、利用範囲が限られるという課題がある。さらにま
た、上述したように添加すべき元素が明示されてはいる
ものの、個々の添加量は明きらかではなく、その効果が
十分ではない技術も見られた。特に、Gaを添加する例
は上記従来例において既に開示されているが、Gaを添
加する根拠および添加量については曖昧であり、明確な
基準はなかった。
【0007】さらに、添加する元素によってははんだの
溶解状態でどろ付きが発生し、実際のはんだ付け作業で
はブリッジなどの不良が多発したり、はんだカスが大量
に発生するという課題もある。
【0008】この発明は上述したような従来の課題を解
決しようとするもので、熱サイクルストレスによるはん
だ接合部の疲労破壊を緩和できるはんだ合金を提供する
ことを目的とし、これによって機器の寿命を延ばすこと
ができると同時に、信頼性を向上するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、はんだ合金の組成をSn56〜65重量%、Sb
0.05〜1重量%、Te0.01〜0.2重量%、お
よび残部Pbからなるものとした。また、この配分にさ
らにGaを0.005〜1重量%加えたはんだ合金も採
用した。
【0010】Sn−Pbはんだの耐熱サイクルストレス
を向上するためには、特定部分にストレスを集中させな
いように合金純度を上げて柔らかくしたり、反対に強度
を上げるために硬度を高めて固くしたり、また結晶を大
きくして粒界を減らすなどの方法がある。この発明では
従来のSn−Pbはんだの融点を大幅に変更することな
く、熱サイクルストレスに耐え得る結晶組織とするため
に、Sn−Pbはんだ組成に上述した範囲でSbおよび
Teを添加したものである。Snの下限を56重量%と
した根拠は、電子部品の耐熱温度を考慮して液相温度を
200度C以下に設定するためである。また、上限を6
5重量%としたのは、これより多い配分は液相温度が上
昇し、電子部品の実装に好ましくないからである。
【0011】Sbを0.05〜1重量%添加すること
は、Snのα←→β変態を停止させる機能を持ってい
る。そのうえ、Sn中に分散して硬度を高める効果を持
ち、合金の強度を増す。また、Teは主にPbとの間で
硬質の金属間化合物を形成する機能を持っており、これ
を0.01〜0.2重量%の範囲で添加すればPb中に
微細に分散して結晶粒成長を有効に阻止することができ
る。これら2つの組成を添加することによって、Sn−
Pbはんだの基本的な融点を大幅に変えることなく、熱
サイクルストレスへの対応時間を延ばしている。なおT
eは微量添加することによって効果を発揮するが、その
効果は固溶限までであって、それ以上添加しても効果が
ない。また余り添加量を増やすとはんだの融点が上昇す
る。これらの点を考慮して上限を0.2重量%とした。
さらに、Sbはやや多量に添加することによって効果が
現れるので、Teの添加量よりも多くしたものである。
【0012】Gaを0.005〜1重量%添加すること
は、はんだ表面にできる酸化ドロスの発生を抑える作用
を行う。これによって成分中のTeが酸化し、酸化ドロ
スと共に多量に脱逸することを防止し、Teの本来的な
作用を十分に発揮するようにしている。従って本発明で
はTeの存在がGaの存在のための必然的な条件とし、
GaはTeが十分に機能を果たすことができるための含
有量を確保することを主目的とするものである。なお、
Gaを添加することに起因するはんだの融点上昇は発生
せず、所定の融点を確保することができる。
【0013】なお、配分中に明示していないが、残量中
には不可避不純物もふくまれることは当然である。
【0014】
【実施例】この発明の合金組成について、他の合金組成
と共に評価試験を行った。結果は次の通りである。なお
試験環境は、紙フェノール基板に黄銅ピンをはんだ付け
し、ならし時間を与えずに1熱サイクルとして−40度
Cと+80度C環境に各1時間放置することを200サ
イクル繰り返した。その後20倍ルーペで黄銅ピン周囲
の接合部の状態を確認した。なお、各サンプルの組成比
率は重量%で示した。 (サンプル1) Sn61.5、Sb0.4、Te0.04、Pb残 融点185度C (サンプル2) Sn62、Sb0.2、Te0.03、Pb残 融点184度C (サンプル3) Sn63、Sb0.3、Te0.05、Pb残 融点183度C (サンプル4) Sn60、Sb0.8、Te0.1、Pb残 融点190度C (サンプル5) Sn63、Sb0.3、Te0.01、Ga0.05、
Pb残 融点183度C (サンプル6) Sn63、Sb0.3、Te0.05、Ga0.1、P
b残 融点182度C (サンプル7) Sn63、Pb残 融点183度C (サンプル8) Sn62、Sb0.3、Ag2、Pb残 融点179度C
【0015】結果として、本発明の範囲であるサンプル
1〜サンプル3に関しては、欠陥は全く見られなかっ
た。ただし、サンプル4に関しては熱サイクルを400
サイクル連続して繰り返したところ、ピンの2分の1周
に割れが生じていることを確認したが、通常の使用態様
では十分に通用すると判断した。また、請求項2に対応
するサンプル5、6に関しては、欠陥は全く見られなか
った。これはGaの添加によってよりはんだ組成が安定
したことを意味する。次に、発明の範囲外であるサンプ
ル7およびサンプル8を確認したところ、両者共に全周
に割れが生じていることを確認した。
【0016】上述した結果から判断すると、従来のSn
−Pb合金(サンプル7)では熱サイクルストレスに十
分に対応することができないことが明確である。また、
Sbを添加するもののTeを添加しない場合(サンプル
8)であっても十分に対応することができない。さら
に、Teのみの添加であってもPbの結晶粒成長は抑制
できるものの、Snのα←→β変態を停止させることが
できないので、所定の効果を期待できない。また実用
上、Gaを添加することによってTeの空気酸化を抑
え、はんだ合金中からTeが抜けることを防止すること
ができる。従って長期間、はんだ合金の品質維持が可能
になる。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、この発明ではSn
−Pbはんだ合金の組成にSbおよびTeを添加し、S
n56〜65重量%、Sb0.05〜1重量%、Te
0.01〜0.2重量%、および残部Pbの比率、ある
いはこれらの合金組成にさらにGaを0.005〜1重
量%添加したので、はんだ接合部に対して繰り返し加え
られる熱サイクルストレスにも十分に対応し、疲労破壊
を緩和することができた。即ち、従来のはんだより2倍
から数倍の寿命を確保することができるので、はんだ付
けを行った機器の信頼性を向上することが可能となっ
た。しかも接合離れに対する修理の機会が激減するの
で、保守点検の労力および費用も軽減することができる
など、有効なはんだ合金を提供することが可能となっ
た。
【0018】さらに、上記Gaを微量に添加した場合に
は、Teの空気酸化を抑制することができるので、本発
明で持っているTeの本来的な効果を十分に活かすこと
ができるようになった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Sn56〜65重量%、Sb0.05〜1
    重量%、Te0.01〜0.2重量%、および残部Pb
    からなるはんだ合金。
  2. 【請求項2】請求項1にさらにGa0.005〜1重量
    %を加えたはんだ合金。
JP5169664A 1992-06-22 1993-06-15 はんだ合金 Expired - Lifetime JPH0825051B2 (ja)

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JP4-188679 1992-06-22
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0671241A1 (en) * 1994-03-09 1995-09-13 NIHON SUPERIOR Co., Ltd. Solder alloy
CN100404193C (zh) * 2002-09-19 2008-07-23 住友金属矿山株式会社 钎料、使用该钎料的半导体装置的装配方法、以及半导体装置
CN108274147A (zh) * 2017-12-22 2018-07-13 占卫君 一种低温高效焊带、制备方法及光伏组件

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61273296A (ja) * 1985-05-29 1986-12-03 Taruchin Kk 耐食性はんだ合金
JPH03204194A (ja) * 1989-12-29 1991-09-05 Tanaka Denshi Kogyo Kk 熱疲労特性に優れたPb合金ろう

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