JPH0671166B2 - 疑似楕円特性を有するマイクロ波フイルタ - Google Patents

疑似楕円特性を有するマイクロ波フイルタ

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JPH0671166B2
JPH0671166B2 JP61506221A JP50622186A JPH0671166B2 JP H0671166 B2 JPH0671166 B2 JP H0671166B2 JP 61506221 A JP61506221 A JP 61506221A JP 50622186 A JP50622186 A JP 50622186A JP H0671166 B2 JPH0671166 B2 JP H0671166B2
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01PWAVEGUIDES; RESONATORS, LINES, OR OTHER DEVICES OF THE WAVEGUIDE TYPE
    • H01P1/00Auxiliary devices
    • H01P1/20Frequency-selective devices, e.g. filters
    • H01P1/207Hollow waveguide filters
    • H01P1/208Cascaded cavities; Cascaded resonators inside a hollow waveguide structure
    • H01P1/2082Cascaded cavities; Cascaded resonators inside a hollow waveguide structure with multimode resonators

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  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [技術的背景] 1.発明の技術分野 この発明は一般的にマイクロ波無線通信装置および設計
に関するものであり、特に楕円フィルタ機能を与えるよ
うに同調されることのできる比較的軽量で、コンパクト
で、廉価な方向性マイクロ波フィルタに関するものであ
る。このようなフィルタは多くの用途があるが、特に通
信衛星用の周波数マルチプレクサおよびデマルチプレク
サに有用である。
この明細書の目的に対しては、“マイクロ波”とは、大
なり小なりマイクロ波ハードウエアに類似したハードウ
エアの実用的使用を可能にするマイクロ波領域に充分近
い無線周波数スペクトラムの領域を含むものである。
2.定義およびシステム考察 この明細書はマイクロ波部品構造および設計の当業者、
すなわちマイクロ波技術者およびルーチンデザインエン
ジニアに対して書かれている。
非常に一般的に、マルチプレクサはある場合には共通の
送信に対して、また別の場所では共通の受信に対して複
合信号を形成するためにいくつかの個々の異なった信号
を組合わせる装置である。典型的には数個の異なった信
号は受信後複合からより分けられるそれぞれ異なった情
報内容を伝送する。したがってマルチプレクサ処理はそ
れらを組合わせるに先立って別々の信号にある種の“タ
グ”を付けなければならない。
ここで重要なマルチプレクサは周波数マルチプレクサで
あり、それにおいては各信号に付けられたタグは別々の
周波数、もっと正確に言えば別々の狭い周波数帯域であ
る。各信号は各周波数帯域またはチャンネルを割当てら
れ、その周波数帯域でのみ、しかし他の全ての信号と同
時に送信される。
受信後、数個の情報内容はそれぞれ割当てられた周波数
帯域内にある複合信号の成分を分離することによりデマ
ルチプレクスされる。各情報流はそれぞれ別々の装置に
導かれて蓄積され、翻訳され、利用される。
人工衛星動作においては、伝送はエーテルを通る無線で
あ、全ての信号は共通のアンテナで送信される。マイク
ロ波領域(上記のように)での動作が最も普通である。
マイクロ波周波数マルチプレクサは結合マニホルドに沿
って配置されたフィルタと呼ばれる数個の周波数選択装
置から構成されている。そのような結合マニホルドは本
質的に方形または円形断面の導波管であり、それを通っ
てマイクロ波放射は当業者、すなわちマイクロ波技術者
および設計エンジニアによく知られた方法で伝播する。
情報で変調された、しかし通常は広い帯域のマイクロ波
信号はそれぞれフィルタに供給される。“広い帯域”と
は各情報チャンネルに割当てられた狭い帯域よりはずっ
と広い周波数帯域にわたることを意味する。通常各情報
源は別の短い導波管を介してその各フィルタに供給され
る。
これらの広い帯域の信号を発生し、それらを送信される
べき情報によって変調する方法の詳細および送信および
受信の詳細はこの明細書の技術的範囲外にある。しかし
ながら、受信後のデマルチプレクスに使用される手段は
ここでの議論の範囲内のものである。少なくとも原理的
には、大抵のマルチプレクサは単に反対方向に接続する
だけでデマルチプレクサとして動作する。しかしなが
ら、地上局または非常に大きな航行体用のデマルチプレ
クサは通信衛星用のデマルチプレクサのようなシビアな
重量および寸法の制限はない。以下の説明の大部分にお
いて説明を簡単にするためにマルチプレクサだけについ
て説明する。
マルチプレクサ中の数個のフィルタのそれぞれは他のも
のとは異なった周波数帯域を割当てられている。各フィ
ルタは、その帯域内のマイクロ波放射がそのマニホルド
中に通過し、その帯域外の放射(周波数スペクトラムの
どちらの方向であっても)の大部分は阻止されるように
構成され、調整される。任意のフィルタに対するこれら
二つの周波数カテゴリーは時には、“通過帯域”および
“阻止帯域”と呼ばれる。
小型の宇宙航行体上のマルチプレクサに対する設計の要
求には組合わせて満足させるのが非常に困難ないくつか
の制約がある。通信中継衛星および類似の装置における
特別の問題であるけれども、これらの制約の多くは以下
説明するようにマルチプレクサおよびフィルタに共通し
たものである。
第1に、全体の重量および宇宙航行装置の大きさを最小
にし、かつ合理的なコストとすることは非常に望ましい
ことである。この考えは、この分野の他の制約の多くの
ものに対する従来の最良の解決策が完全に許容できない
ような大きな全体重量および寸法ならびにコストを必要
としていたことからも特に留意すべきものである。
第2に、全体の電力使用量および通信部品内の電力の熱
としての発生を最小にすることは非常に好ましいことで
ある。通信システムに対する全体の電力は宇宙航行体の
電源から供給されなければならず、それは制限されたも
のである。通信システム全体の電力はアンテナに対する
所望の出力電力のみならずフィルタを含む部品における
損失を含んだものである。さらに各瞬間における大きな
熱発生は宇宙航行体の全体の熱バランスを複雑なものに
する。これらの考察からフィルタを含む部品が非常に少
ない電力損失であることが好ましい。換言すれば、非常
に高いQ、すなわち品質係数を有するフィルタを使用す
ることが好ましい。
第3に、電源の全てが複合信号に対して本質的に等しく
電力寄与することが好ましい。他方、アンテナに対する
全電力は背景雑音に対して適切な比率で最も弱いチャン
ネル流を送信するのに必要な程度に増加しなければなら
ない。これは全ての他のチャンネルにおける無駄に電力
を増加させることになる。
チャンネル等化の考えは、上記したことに関係するが、
ある場合に置いてのみ低い電力消費に密接に関係する。
いくつかのフィルタの動作原理はマルチプレクサレイア
ウトを必要とし、それにおいては一つのフィルタの出力
はアンテナへのルートの下流の他のフィルタを通過す
る。このようなマルチプレクサでは、上流のフィルタ回
路からの信号には各地のフィルタが与える損失が累積さ
れる。上流のフィルタからの信号は下流のフィルタから
の信号よりも大きな電力損失を受ける。個々のフィルタ
が別々のチャンネルで電源の電力を消費する結果、アン
テナに接近するにしたがって異なった減衰となり等化さ
れない。
チャンネル等化は比較的重要性が少ない。それは各信号
源とアンテナの間の結合における不均一性は全ての信号
源の電力出力を調整することによって補償することがで
きるからである。それにもかかわらず、本質的に内部電
力等化を生じるマルチプレクサシステムを使用すること
によってある価値の実用的な便利さが得られる。ある型
式のフィルタは本質的にこの性質を有しているが、そう
でないものもある。
第4に、重量および熱発生の両者の対称分布は宇宙航行
体にとって非常に好ましいものである。そのような対称
性が無ければ、操縦(姿勢、回転方向の変更、軌道上の
位置の変更等)および熱平衡の制御はもっと重要な問題
である。これらの考察は、低い全体重量、低い全体の電
力消費および低い個々の部品の発熱が要求されることを
強調するだけでなく、寸法の限定された電子部品の任意
の配置の設計の自由度の利点を与えるものである。した
がって、マルチプレクサマニホルドに沿って任意にマル
チプレクサフィルタを配置することができることは望ま
しいことである。そのような任意の配置は以下詳細に説
明するように、フィルタ回路の種類によっては可能ある
が、可能でないものものもある。
第5に、互いに独立に配置し、同調させることができる
フィルタは非常に好ましいものである。互いに独立でな
ければ、設置および調整は非常にデリケートで、調整が
繁雑て、時には反復作業となり、装置全体のコストを大
きく支配するものとなる。またある種のフィルタ回路は
その隣接するものとほとんど無関係にマルチプレクサマ
ニホルドに沿って配置されることができる他の型式によ
ってはそうでないものもある。
第6に、実際上全ての宇宙航行体の通信の場合に、宇宙
航行体の送信機の全体の帯域内で可能な限り多くの通信
チャンネルを設けることが実際の経済性から要求され
る。この条件は各チャンネルに対して幾分狭い波長帯域
によるルート形成を行なわせることとなり、極端な場合
には非常に狭い“保護帯域”すなわち隣接チャンネル間
の漏話を避けるためにチャンネルを分離している不使用
周波数帯域を生じる。したがって、全体の周波数帯域に
わたる周波数マルチプレクサ中の非常に近接した周波数
間隔が現在の技術で要求されている。
結論として周波数スペクトラムの間隔が非常に小さくて
も隣接するチャンネル間の良好な分離ができるフィルタ
が使用されなければならない。これはフィルタの信号通
過特性が周波数と共に変化する正確な方法を探求するこ
とが必要であることを意味している。フィルタの伝送度
が周波数に対してプロットされるならば、その結果得ら
れたグラフまたは曲線はフィルタの“フィルタ関数”ま
たは“形状”或いは“カットオフ特性”を示し、それは
非常に重要な特性である。
理想的には、そのようなグラフは通過帯域内では非常に
高い値の伝送度を示し、その他の領域では非常に低い値
の伝送度を示す。さらに、そのようなグラフでは、通過
帯域の特性曲線の高い伝送度の部分を結ぶ曲線の両端で
ほとんど垂直に変化しの外側の低い伝送度の部分にゆ移
行する。換言すれば、理想的なフィルタは非常に鋭いカ
ットオフを与える。
もちろん、同じアイディアは減衰対周波数のグラフにつ
いて表現することができる。理想的なフィルタ関数は両
側で非常に高い減衰を示す通過帯域を決定する“ノッ
チ”領域中の減衰が非常に低く、ノッチの両側で鋭いカ
ットオフ特性を表わす本質的に垂直な線が生じる。
ある型式のフィルタは人工衛星マイクロ波通信に適した
減衰と適切な鋭いカットオフ特性を与えるが他のもので
はそうではない。
3.従来の技術 基本的なマイクロ波フィルタ回路は本質的には共振室、
典型的には円筒、球または平行6面体から構成され、そ
の収容する空間に電磁波の定在波または共振を行なわせ
るように構成されている。
よく知られたように任意の周波数の電磁エネルギは関連
する波長を有し、大きさが波長に関係する室中で共振す
る。フィルタ室または空洞は所望の共振周波数に対して
ほぼ正確な寸法に構成され、室内に突出している同調ス
タブまたはねじを調整して電磁的な実効的寸法を変化さ
せることによって同調される。
単一空洞共振器は単一の電磁的共振を生じるために使用
され非常に狭い周波数帯域でのみ動作する。理想的な損
失のない共振器では周波数帯域は理論的には無限小であ
る。しかしながら、実用的な共振器では内部空間の電磁
界により壁に誘起した電気伝導により若干の損失があ
り、それらの損失に関連して共振器の周波数帯域は非常
に僅かの広がりがある。
もしも広帯域マイクロ波電力がそのような共振器中に導
入されるならば(例えば入力絞りを通って)、共振器の
周波数帯域内の周波数で共振する入力電力部分が共振器
を励振する。換言すれば、そのような電力は共振器内に
電磁定在波中のエネルギとして集積できる。このエネル
ギのいくらかのものは狭い帯域の電力として共振器から
引き出すことができる(例えば適当な位置の出力絞りを
通って)。共振器の周波数帯域の外側の周波数で振動す
る入力電力部分は共振器をほとんど励振せず、顕著な量
の出力を抽出することは不可能である。共振器は単にそ
のような振動を拒否する。
このような共振器の概観(およびその2個の絞りまたは
等価な入力出力特性)から、共振器はフィルタとして動
作し、狭い周波数帯域の電力だけを入力から出力通過さ
せる。マイクロ波フィルタの構成および調整の理論およ
びある程度の実際的な方法を記載した標準的な論文はマ
ッテイ(Matthaei),ヤング(Young),およびジョー
ンズ(Jones)のマイクロ波フィルタ、インピーダンス
マッチング・ネットワークおよび結合構造(マグロウヒ
ル社1964年、Artech House,Dedham Mass1980年再版)あ
る。有用な参照文献はサド(Saad),ハンセン(Hanse
n)およびウィーラー(Wheeler)のマイクロウエーブ・
エンジニア・ハンブック(2巻、Artech House1971年)
である。
実際には一般に2個以上のそのような共振器が一連の共
振器を形成するように組立てられる。もしも個々の共振
器が若干異なった周波数に同調されるならば、全体の構
造は幾分低下した。しかし周波数範囲が広がった共振を
可能にし、それはずっと広がり、2個以上の共振器の周
波数範囲を含んでいる。この広がりは種々の方法で利用
できる。例えば、温度変化による周波数のドリフトに適
応し、或いは送信機と受信機との相対運動によるドップ
ラー効果によるシフトに対して適応することができる。
広げられたマイクロ波電力は例えば一連の共振器の一端
に導入され、広げられた通過帯域内のある周波数で振動
する電力部分は例えば一連の共振器の他端から抽出され
る。
フィルタからマニホルドまたは他の導波管に電力を結合
するために使用される技術は、マルチプレクサ特性にと
って非常に重要である。1957年以前においては、最良の
利用できる装置は短絡されたマニホルドであった。この
技術は電磁的のみならず音響その他の型式で、共振空洞
のよく知られた特性を使用している。固体の壁が共振を
阻害しないようにそのような共振器を完全に横切って配
置され、壁は共振のノードに位置される。換言すれば、
定在波が常にゼロである点に位置される。
この状態は、例えば壁から4分の1波長離れた距離で共
振を駆動する(ポンピングエネルギ入力)ことによって
満足される。その位置では対応する定在波は最大であ
る。それぞれ異なった周波数におけるいくつかの共振を
端壁から対応する4分の1波長で駆動エネルギを供給す
ることによって同じ共振器中に設定することができる。
そのような多重共振は一時に一つ、またはある変形では
同時に与えられる。
マイクロ波電磁界では端壁は電気的に短絡である。した
がって短絡マニホルドと呼ばれる。この形態を使用して
マルチプレクサを形成するためには、各フィルタは実効
的に短絡した端壁から4分の1波長に位置しなければな
らない。異なった周波数は異なった波長に対応するか
ら、各フィルタ回路は壁から若干異なった距離に位置し
なければならない。
この基本的な形態はいくつかの利点を有している。一つ
は、フィルタをマニホルドに結合するのに余分の部品が
必要ないことである。それ故、重量、大きさおよび価格
は適当であり2或いは3個の異なった共振、すなわちデ
ュアルモード或いはトリモード空洞として各共振器を使
用する新しい技術によって最小にすることができる。
デュアルモードフィルタはラーガン(Ragan)によって1
948年に提案された(マイクロウエーブ・トランスミッ
ション・サーキット,MITラジエーション・ラホラトリー
・シリーズ9,673〜77頁)。そのようなフィルタの最初
の実用的なものはアティア(Atia)およびウイリアム
(Williams)によりCosmat Technical Review1,21〜43
頁に紹介されている。
同様に、トリモードフィルタはキュリー(Currie)によ
り1953年に記載されている(Journal oc Applied Physi
cs24,998〜1003頁,1953年8月)。しかしながら、実用
的な2空洞トリモードフィルタは1983年に公表されたヤ
ング(Young)およびグリフィン(Griffin)の米国特許
第4410865号明細書に記載されている。
短絡マニホルド技術を使用したマルチプレクサにおいて
は、熱の発生も低く、各フィルタ回路からの電力は非常
に僅かしか他のフィルタを通過ぜす、したがって重大な
内部電力の不均衡はない。
したがって、短絡マニホルド技術は前節で述べた最初の
3つ考察については満足すべきものである。
さらに、短絡マニホルド技術は各フィルタの減衰ノッチ
を成型する非常に複雑な新しい方法を受入れる。れらの
方法は鋭いカットオフを与え、逸れにより非常に狭い保
護帯域を許容する。
さらに詳しく説明すると、これらの方法は、一連の共振
器の多重共振間の結合の丁度一つのシーケンスではな
く、一連の一つの共振から後の共振へ2個または数個の
異なったルートを与える。入力共振から出力共振まで一
時に1ステップを取る完全な一連が通常直接結合シーケ
ンス呼ばれる。この新しいシステムにおけるある結合は
直接結合シーケンスの2つの共振間のショートカットと
呼ばれるジャンプをする。これらの結合は通常ブリッジ
結合と呼ばれる。
ブリッジ結合が適当に設計されるとき、直接結合により
生じるのと同じ方位および位置であり、ほとんど同じ振
幅であるが位相が正確に反対の共振を生成する。これら
の2つの共振の和は非常に小さい振幅の単一の定在波で
ある。換言すれば、非常に強く減衰された単一の共振で
ある。したがってこれを利用して全体の空洞構造の応答
特性における伝送ノードを形成するために、その両端に
おける最大減衰点を構成することが可能である。実際に
は、1つではなく2個のそのような減衰最大が最小減衰
ノッチにすぐ隣接する周波数において生じるように設計
される。このようにして、非常に鋭いカットオフがノッ
チの各側において形成される。
これらのブリッジ結合技術の詳細は前記デュアルおよび
トリモードフィルタの文献に記載されている。得られた
鋭いカットオフは一般に楕円フィルタ関数と呼ばれる。
それは楕円関数として知られている数学関数が対応する
グラフの構成に使用されるからである。しかしながら、
同様の特性はまた疑似楕円フィルタ関数によっても得ら
れる。これらは数学的方法により任意に構成された多項
式である。その係数は、それらが所望のマイクロ波フィ
ルタの結果を生じるから、設定された数値関数に対応す
るのではなく、単に選択される。
したがって短絡マニホルド技術は前節の考察の最初の3
つと同様に第6の考察も立派に遂行する。しかしなが
ら、2つの主要な問題を提起する。
第1に、短絡マニホルドマルチプレクサ中のフィルタは
短絡壁に対して位置を固定する必要があり、実際にそれ
らは互に非常に接近している。一体のマルチプレクサの
重量と熱発生分布の対称性はそれ故不可能である。
さらに、面倒なことであるが、各フィルタの動作は他の
全てのものの動作により擾乱され、そのため端壁からの
各フィルタの実際の距離は実効的4分の1波長でなけれ
ばならず、それはフィルタ回路動作のみの場合の距離と
は相違している。
これら実効的4分の1波長は理論的解析(それは実際の
ハードウエア中の変化に影響される)またはフィルタ回
路の調整および再調整の反復過程のいずれかにより行わ
れなければならない。それが為されたとしても、いくつ
かのチャンネルの信号源の相対的動作レベルの変化によ
り実効的4分の1波長位置を変化する。結論として、最
良の解決策は典型的な、または平均の動作レベルに対す
る一種の妥協である。
位置および同調の独立性、ならびに対称的な重量および
熱発生分布はそれ故この他の点では有用な技術において
は利用できない。多くの研究者がこの失われた利点を回
復できる形態を捜し求めている。
1957年にコンラッド ネルソン(Conrad Nelson)は新
しいグループの円偏波マイクロ波空洞フィルタを紹介し
た。それは事実これらの利点を保持している(IRE Tran
sactions on Microwave Theory and Techniques1957年
8月136〜47頁)。
適当な電磁放射が伝播する入力導波管に関して適当な位
置に配置されたとき、ネルソンフィルタは入力絞りを通
って導波管から円偏波を受ける。ネルソンフィルタはま
た出力絞りに同じ偏波方向の円偏波を与え、周波数選択
の場合にも同様である。一般に言えば、そのようなフィ
ルタの周波数通過帯域内にある放射はフィルタを通って
結合され、出力絞りに円偏波として現われるが、他の放
射は単に入力絞りに置いて排除され入力導波管に沿って
連続する。
出力導波管もまた出力絞りに適切に位置されるとき、入
力導波管中の信号源放射と同じ伝播方向を有する伝播放
射パターンが出力導波管中に生じる。
したがってネルソンフィルタは3ポート装置を与える。
広い帯域の放射は1方向から(入力ポートとして動作す
る入力導波管の原点端)一つの導波管に沿って入力し、
同じ方向に(出力ポートとして動作する同じ導波管の反
対端)に同じ導波管に沿って直線的に連続する阻止帯域
に放射する。通過帯域中の放射は急角度で屈折(jog)
して(ある形態ではコーナーを曲り)出力ポートとして
作用する第2の導波管を通ってフィルタを出てゆく。3
個の全てのポート中の伝播方向は完全に決定されるか
ら、そのようなフィルタはしばしば方向性フィルタと呼
ばれる。
4つのキー事項はネルソンのフィルタを実用的なものと
する。
第1に、ほとんどの方形導波管の広い方の面は導波管内
の円偏波の位置を表わす導波管の縦方向に平行な2本の
線がある。これらの軌跡は導波管の狭い方の面から知ら
れている容易に測定可能な距離だけ離れている。いずれ
かの線に沿った任意の点における導波管の広い方の面を
貫通して形成された適当な形状の絞りにより円偏波は導
波管の外部に取出される。
第2に、空洞壁の絞りを介してネルソンのフィルタに結
合された円偏波放射は空洞内に定在波構造を設定するた
めに2つの直線偏波成分に分解することができる。
第3に、これらの直線偏波成分は円偏波放射を合成する
ために空洞壁上の別の点で再び結合されることができ
る。その結合された円偏波はこの別の点にある絞りを介
して共振空洞から出力導波管に取出される。
第4に、円偏波放射は導波管に沿ったパワーの流れを表
わす伝播波の波面を再構成するために円偏波軌跡の一つ
に沿って別の導波管に結合されることができる。
さて、マルチプレクサ構成に関して、数個のネルソンの
フィルタは全てのフィルタに共通の出力導波管として作
用する単一の連続したマニホルドパイプとして構成する
ことができる。数個のフィルタは全てこの単一の連続し
た導波管を並列に給電する。全てのフィルタからの電力
は最初に結合マニホルドに集まる。したがって各チャン
ネルに対する電力はただ一つのフィルタを通過するだけ
である。
ネルソンの方向性フィルタの大部分の性質はここで興味
のある用途に対して非常に好ましいものである。特に、
これらのフィルタは非常に低重量、低容積、低価格およ
び低電力損失(高いQ)である。
もしも、いくつかのチャンネルに対する電力をフィルタ
を介して他のチャンネルに通過させることが必要であっ
たとすれば、ネルソンの方向性フィルタを使用するチャ
ンネルウ内等化はやはり良好であろう。それはその電力
損失が低いからである。しかしながら、ただ一つのチャ
ンネルに対する電力が各フィルタ回路通過するから、こ
の小さな不平衡は治癒されない。
全てのチャンネルに対する電力は、それらがマニホルド
に沿って上流であるか下流であるかにかかわらず、大抵
は単にフィルタの出力絞りによって他のチャンネルに通
過するだけである。これらの過程においてそれら他のフ
ィルタに対する結合は本質的に無視できる程度であり、
電力損失も無視できる。チャンネル内等化はそれ故ネル
ソンの方向性フィルタの固有の効果である。
さらに、ネルソンのフィルタは入力導波管に沿った縦方
向の任意の点および帯域通過出力導波管(すなわちマニ
ホルド)に沿った縦方向の任意の点に配置することがで
き、各導波管に対して横断方向の補正点に位置させるこ
とだけが与えられる。
補正点は前述の円偏波の各軌跡、すなわち入力導波管か
ら出力導波管に円偏波放射が結合するために通過する円
偏波の跡に沿った任意の場所であり、そこで円偏波放射
は(1)入力導波管に沿って伝播する放射から取出さ
れ、(2)出力導波管に沿って伝播する放射に再構成さ
れるために出力導波管に挿入される。この制限は、それ
が導波管のいずれかの側から測った距離の結合絞りの中
心を定めることが要求されるだけであるから、容易に合
致させることができる。
したがって、ネルソンのフィルタは前述の考察の最初の
5つを非常に良好に遂行する。しかしながら、残念なこ
とにそれらは第6の要件に欠けている。
ネルソン装置は楕円または疑似楕円フィルタ関数を与え
るように同調されることができない。それら最良の動作
はチェビシェフ(Tchebychev,Tchebyscheff,Chebyshe
f)関数として知られているフィルタ関数を与えるよう
に同調されるときに得られる。この関数は楕円または疑
似楕円関数よりも鋭くないカトオフを与える。
もしも、最小減衰(最大伝送度)の周波数帯域の幅だけ
が考慮されるならば、チェビシェフ関数は適当な通過帯
域を与える。減衰のグラフのノッチ形状の一番底は充分
に狭く他の点では適当である。
しかしながら、若干高い減衰値(低い伝送度)における
ノッチの形状に同調すると、カットオフ特性は許容でき
ないような広いまたは浅いプロファイルになることが認
められた。チェビシェフ関数によると、過度の電力が各
チャンネルから隣接する周波数領域に漏れて、許容でき
ないような広い保護帯域設計要求または過度の漏話が生
じる。
したがって、短絡マニホルド技術は柔軟でない、相互に
依存する位置付けとなるが、ネルソンの形態ではカット
オフの鋭さが不適切なものとなる。これらの各欠点はこ
れらの装置の動作原理の避けることのできない固有の欠
点であることが文献に充分に示されている。
事実、楕円フィルタを行なうことに関するネルソンの概
念の無能力はその大きな効果と密接に結び付いている。
入力絞りにおける入力円偏波放射は空洞内でその成分で
ある水平および垂直偏波成分に分解される。ネルソンの
多くの設計の全てにおいて、空洞はこれらの成分を同一
に処理し、それはそれらが出力絞りにおいて円偏波放射
に再合成されるからそのような処理をされなければなら
ないことは明白である。再合成は純粋な円偏波が得られ
るように正確でなければならない。それによりアンテナ
に向かう波の伝播を再構成するために出力導波管に円偏
波放射の再結合における損失または反射を避けることが
要求される。
それらの特性および厳しい再結合を破壊することなくネ
ルソンの一体空洞内の直線偏波成分に対してブリッジ結
合を行う方法を開発した者はまだない。信号源軌跡に沿
った任意の点から円偏波放射を結合するネルソンの一見
便利な技術に関連する概念にある種の落し穴がある。一
度フィルタに結合されれば、もしも円偏波が出力絞りに
おいて再合成されるべきであっても、それは到達できな
いか、或いは少なくとも擾乱されないようにはならな
い。
しかしながら、文献では、楕円または疑似楕円フィルタ
関数のできる別の型式の方向性フィルタが示されてい
る。この装置はグルナー(Gruner)およびウイリアム
(Williams)によりComsat Technical Review5 157〜7
7頁(1975年)に紹介されたものである。
グルナーおよびウイリアムは、ネルソンの円偏波システ
ムの外見上の落し穴を避け、導波管を通って運動すると
き正面に集められる直線偏波伝播放射パターンにかわっ
てスタートする。それらはまず最初にこの波の波をハイ
ブリッドまたはクォードラチュアハイブリッドとして知
られている装置の1ポートに向ける。このハイブリッド
はグルナーおよびウイリアムのフィルタ装置の入力装置
として使用される。
ハイブリッは2個の重要な特性を有する4ポート装置で
ある。議論の定義のために、ハイブリッドのポートは第
1乃至第4のポートとして特定する。ハイブリッの第1
の本質的な特性は第1のポートに入力する波のフロント
が異なった位相を有する二つの等しい波のフロントに分
割され、第3および第4のポートによく定められた位相
関係で放射されることである。装置は反対に動作し、第
3および第4のポートに供給された正確な位相の二つの
波の波面は単一の波の波面に合体されて第1のポートに
放射される。
もしも、しかしながら、第3および第4のポートに放射
された波の波面がこれらのポートに配置された装置によ
り反射されたならば、反射による位相伝播によって二つ
の反射された波の波面の位相関係は第1のポートへの電
力の復帰に対して不正確である。もちろん、これはハイ
ブリッドの第2の本質的特性である。反射された電力は
ハイブリッドの残りのポート、すなわち第2のポートを
通って流れる。
グルナーおよびウイリムのシステムにおいては、第3お
よび第4のポートにおいて別々にハイブリッドを出てゆ
く二つの等しい電力流はそれぞれ楕円または疑似楕円関
数による処理のできる2個の各フィルタに到達する。阻
止帯域における広い帯域の電力はこれらのフィルタから
反射され、第2のポートでハイブリッドを出てゆき、そ
こでそのために設けられている減衰器により吸収され
る。しかしながら、通過帯域における電力はフィルタを
通って前進する。フィルタが同一であるため、二つの波
の波面間の位相関係は保存される。
2個のフィルタからの通過帯域波の波面はそれから別の
ハイブリッドの第3および第4のポートに入る。これを
“出力ハイブリッド”と呼ぶことにする。出力ハイブリ
ッドは出力波の波面を結合して狭い周波数帯域を有する
単一の波面にし、この単一の波面を第1のポートを通っ
て出力導波管に導き、アンテナに向かう特定の方向に伝
播させる。
グルナーおよびウイリアムのシステムは方向性であるか
ら、短絡マニホルド技術の位置の制限を避けるためのあ
るポテンシャルを有し、それ故マルチプレクサ構造にと
って興味がある。このようなマルチプレクサの各チャン
ネルは入力ハイブリッドと出力ハイブリッドおよび二つ
の完全な楕円関数フィルタ構造を必要とする。
このシステムの基本的原理はネルソンのそれに非常に概
括的なセンスで類似している。単一信号の伝播方向は二
つの成分信号の位相関係に変換され、その位相関係は再
結合信号の伝播方向に実質上戻すように変換される。し
かしながら、ブリッジ結合フィルタ過程のための2個の
変換ステップ間には、決定的な差がある。二つの成分信
号は互いに解決できないように関連しており、それ故ネ
ルソンではアクセス不可能である。しかしグルナーおよ
びウイリアムのものでは分離され、それ故アクセス可能
である。
グルナーおよびウイリムのマルチプレクサにおいては、
各出力ハイブリッドからの出力電力は、もしも幾何学的
にアンテナに最も近いものに考えているハイブリッドが
生じた場合でなければ直接アンテナに向かって進行しな
い。上流の出力ハイブリッドからの電力はその代りにそ
れぞれ隣接する出力ハイブリッドの第2のポートに導か
れる。この後者を“第2のハイブリッド”と呼ぶことに
する。この電力は第2のハイブリッドと関連するフィル
タ回路の阻止帯域中にあるから、電力はフィルタから反
射され、第1のポートで第2のハイブリッドから出てゆ
く。
再び後述するように、それはこの第2のハイブリッドと
関係するフィルタからの出力電力は放射される第1のポ
ートである。結論として、2個のチャンネルからの電力
は第2のハイブリッドの第1のポートにおいて結合され
る。この電力はさらに第2のハイブリッドに隣接して下
流にある第3の出力ハイブリッドの第2のポートに同様
に向けられ、3個のチャンネルからの電力はこの第3の
ハイブリッドの第1のポートに現われる。
したがって、数個のチャンネルに対する電力の流が対応
する出力ハイブリッドを通って連続する通路によって累
積されるような結合マニホルドはない。このシステムは
方向性フィルタの二つの原理的な効果、すなわち数個の
チャンネルに対するハードウエアの任意の位置付けとあ
る程度の同調の独立を達成する。
しかしながら、これには二つの重大な欠点がある。フィ
ルタ空洞それ自体は前述した複数モード技術の使用によ
って非常にコンパクトで軽量に形成することができるけ
れども、ハイブリッドはかさばり、重い。このためグル
ナーおよびウイリアムはそれらの装置を接地端子として
いる。このためハイブリッドは宇宙航行体での使用には
実用的ではない。
さらに、ハイブリッドは非常に高価であり、短絡技術ま
たはネルソンの円偏波結合に比較して比較的高い損失を
有する。この損失は全体の電力損失からみれば無視でき
るかも知れないが、熱発生の空間的分布に関しては顕著
なものである。システムが出力ハイブリッドリーを通る
通路により数個のチャンネルからの信号を集める累積方
法は、下流の出力ハイブリッドに最高の電力を流すこと
になる。それ故熱発生は非常に不一に分布し、下流の出
力ハイブリッドに集中する。
出力ハイブリッド中の発熱損失はチャンネル内等化に関
しても顕著である。信号の累積的な収集は上流ハイブリ
ッドからの信号に最大の信号損失を与える。上流のフィ
ルタに供給する信号源の電力レベルはそれ故補償するよ
うに調整されなければならない。
以上をまとめると、グルナーおよびウイリムのシステム
は前述の第5および第6の考察、すなわち同調の独立お
よびカットオフの鋭さを満足する。純粋に理論的には第
4の考察、すなち重量分布の一部を満足する。各チャン
ネルに対するバードウエアは他のチャンネルに対するハ
ードウエアから任意の距離に分離できる。この理論的利
点はしかしながら有用ではない。なぜならば分布される
べき重量が過大であるからである。最初の3つの考察お
よび第4の他の部分、熱分布に関しては、グルナーとウ
イリアムのシステムは有効な宇宙航行体の設計では許容
されない。
上記の6個の考察の全たを満足させるような動作をする
従来のシステムは存在しない。重量、容積およびカット
オフの鋭さは最高の優先度であり、最新の通信衛星では
関連する重量と発熱損失の非対称性および同調の依存性
にもかかわらず短絡マニホルドが使用される結果となっ
ている。
[開示の概要] この発明は、入力導波管から出力導波管へ円偏波電磁放
射を周波数選択的に結合するための方向性フィルタに関
する。
一つの好ましい形態、すなわち実施例では、この発明は
入力導波管から円偏波電磁放射を受けるように結合され
た入力共振空洞を備えている。この結合を行なう便利な
方法の一つは、前述の円偏波の軌跡に沿った点で導波管
に形成された適当な形状の絞り(iris)を通って入力導
波管から円偏波電磁放射を分岐して取出すことである。
この入力共振空洞は円偏波放射を第1と第2の相互に直
交する直線偏波成分に分解するように構成されている。
この発明のこの形態はまた第1および第2の中間共振空
洞を具備し、それらは互いに物理的に異なっている。こ
れらの空洞は第1と第2の相互に直交する直線偏波成分
をそれぞれ入力空洞から受けるように結合されている。
恐らくこの点において、この発明はネルソンの形態から
大きく相違し、この発明はネルソンのフィルタの概念的
な落とし穴は実際には存在しないという認識から成立っ
ている。以下説明するように、この認識は従来の技術の
教えるところと正反対である。事実、入力空洞への円偏
波放射の結合およびその円偏波放射の第1と第2の相互
に直交する直線偏波成分への分解にすぐ続いて、それら
二つの成分の分離過程が行われる。しかしながら、もし
も後で円偏波を再び合成することが望まれるならば、分
離処理の出力点における必要要な振幅と位相関係を保存
することに注意が払われなければならない。
この発明のこの形態はまた、受取った成分に対して直交
する変形成分を形成するように各中間空洞中に受けた放
射成分のいくらかを結合する手段を備えている。この作
業を行なうハードウエアを“結合手段”と呼ぶことにす
る。
各中間空洞中の変形成分は受取った成分の直線偏波の方
向に対して直交する方向の直線偏であってよい。しかし
ながら、これは意図される直交変形成分のただ一つの型
式でではない。その代りに変形成分は受取った成分の実
質上同調可能なハーモニックまたはサブハーモニックで
あってもよく、また別の共振モード(例えば横断電界で
はなく横断磁界)であってもよい。さらに別の種類の直
交変形成分も可能であり、それらは全てこの発明の技術
的範囲に入るものと考える。一般に“直交成分”、“直
交モード”または“直交”という用語を前述の、および
その他の特定的な3つの可能性に対して使用する。(入
力および出力空洞中のように“直交する直線偏波成分”
に特定して述べるとき、単に幾何学的な直交を意味す
る。換言すれば、相互に垂直な方向に偏波された直線偏
波成分を言う。) 前記の結合手段は、この発明のこの形態では第1および
第2の中間空洞のそれぞれと関係している第1および第
2の結合手段を含んでいる。これらの結合手段は第1お
よび第2の変形放射成分をそれぞれ形成するためにそれ
らの中間空洞のそれぞれに受信された放射成分のいくら
かのものを結合するためのものである。これらの変形成
分は各中間空洞内で形成され、すでに述べたように各受
取った直線偏波成分に対して垂直である。
この発明のこの形態はまた、出力共振空洞を備えてい
る。それは第1および第2の中間空洞からの第1および
第2の変形放射成分、または等価的にはそれら変形放射
成分からそれぞれ発展した成分を入力させるように結合
されている。
後に明らかにされるように、中間空洞と直列の追加の空
洞を挿入することもまたこの発明の技術的範囲に含ま
れ、そのような空洞の追加によりフィルタ関数をさらに
制御可能にし、さらに多くの共振或いは通過帯域を得る
ことができ、また逆に共振或いは通信帯域を同じにして
1空洞当りの共振或いは通過帯域数を少なくすることも
できる。そのような場合には、出力空洞は変形成分直接
よりはむしろ変形成分から発展した成分を入力させる。
この限定された意味において、変形成分から発展した成
分の入力は変形成分それ自身の入力に等価なものであ
る。
出力空洞は出力導波管に結合するために入力した成分か
ら円偏波放射を合成するように構成されている。そのよ
うな出力結合は前述の円偏波の軌跡に沿った点における
出力導波管中に形成された絞りにより行なわれるのが便
利である。
上記の各種空洞は入力導波管と出力導波管との間で順次
他の共振を構成するためにいくつかの種類の追加の結合
手段を有することが好ましい。そのような追加の結合手
段およびその結果の共振はこの明細書の後の部分で詳細
に説明する。しかしながら、一般にこれらの共振は、
“直接結合”シーケンスを形成しなければならず、結合
手段はある共振間の“ブリッジ結合”を備えることが好
ましい。そのようなシステムは、楕円または疑似楕円関
数のような鋭いカットオフのフィルタ回路関数を形成す
るために伝送ノード、すなわち減衰極の生成に使用され
る。
二つの並列共振シーケンスの設計において、前述のよう
に入力位相および振幅を出力において保持することが本
質的なことである。しかしながら、通路に沿った各ステ
ップにおいて二つのシーケンス間で位相と振幅を変化す
ることは全く必要ない。事実この発明の最も好ましい実
施例では、そのようなステップ的な等化は行われていな
い。後で示すように、全体の等化を行う一つの有用な方
法は互いに直接のコピーではなく反対の2個の通路を形
成することである。
この発明は、多くの方法で実現できる。しかしながら、
一般にはこの発明の第1の形態では入力および出力空洞
は二つの異なった結合通路に共通であり、それら結合通
路は入力円偏波放射の二つの相互に直交する直線偏波成
分を有してスタートし、出力円偏波放射の二つの相互に
直交する直線偏波成分を有して終わる。
この発明のこの形態は重量、容積および価格の効率が非
常によい。それは入力および出力空洞がそれぞれ二つの
通路の一部であり、共振器として作用し、また、円偏波
入力放射を成分部分に分解し、成分部分から円偏波出力
放射を再合成する作用をするからである。分解または再
合成のために通路のいずれの端部においても追加のハー
ドウエアは必要ない。
同様に、この発明のこの形態ではどこにも顕著な電力の
損失や熱発生がない。マルチプレクサ結合なしに等価な
フィルタだけを考慮するためである。これはネルソンの
装置と同様のこの発明の効果であり、この発明も同様の
導波管結合原理を使用しているからである。同じ理由で
チャンネル内電力等化がこの発明のこの形態における固
有の特徴である。
この発明のこの形態の方向性のために、各チャンネルに
対するハードウエアは結合マニホルドに沿って任意の位
置に配置でき、重量および熱分布を最良にすることがで
きる。動作において、隣接するフィルタはほとんど完全
に他のフィルタ特に上流のフィルタと独立しており、そ
の結果同調はほとんど独立でありシステムの上流端でス
タートすることにより非反復的に行われる。
最後に二つの別の通路中の信号の別々の処理により、こ
の発明のこの形態は楕円または疑似楕円フィルタ関数を
得ることを可能にする。したがって、この発明は前に述
べた6個の考察の全てを満足させる最初のものである。
この発明は他の形態を取ることも可能であり、それは前
の説明と重複する。特に、この発明の別の実施例は入力
空洞、出力空洞および少なくとも第1および第2の中間
空洞の少なくとも4個の共振空洞配列を備えている。こ
れらの各空洞はフィルタの動作中それぞれ3個の互いに
直交するモードの電磁共振を行なう。
入力および出力空洞は第1の中間空洞(および空洞間の
モード選択絞り)と共に入力空洞から出力空洞への放射
の伝送のための第1の通路を定める。同様に、入力およ
び出力空洞は第2の中間空洞(および絞り)と共に対応
する第2の通路を定める。この第2の通路は第1の通路
と同じ入力空洞から同じ出力空洞へ放射を伝送するため
のものである。第1および第2の通路中の放射は動作中
に出力空洞において結合される。第1および第2の通路
のそれぞれは入力空洞中の放射と出力空洞中の放射との
間のフィルタ関数を与えるように構成されている。
この発明者の最良の知識においても、入力空洞と出力空
洞の両者を別々の通路に対して共用して使用するトリモ
ード、デュアル分離通路マイクロ波フィルタは存在しな
い。これに関連して、2個の通路が別であることを特定
することについては、少なくとも各通路の何等かの部分
が他の通路と共通でない限りはそれぞれ入力または出力
空洞内にあるいずれかの共振シーケンスにおいて開始ス
テップまたは終了ステップの単なる使用を除外すること
を意味するものではない。
この発明の第2の形態では、第1および第2の通路のそ
れぞぞれに設けられたフィルタ関数は楕円または疑似楕
円関数であることが好ましい。二つの関数は実質上同じ
であることが好ましい。
この発明のこの形態は正確に4個の空洞だけを、すなわ
ち、入力および出力空洞および正確に2個の中間空洞を
備えていることが好ましい。この形態は、絶対的な最小
のハードウエアを有する真に全ての新しい要求に完全に
適合している楕円または疑似楕円応答特性形状を与える
から、特に好ましい。
この発明のさらに別の好ましい形態は少なくとも4個の
空洞の実質的に方形の配列を具備している。この配列は
配列の対角線上の反対のコーナーを占める入力および出
力空洞を備えている。これら2個の空洞は入力導波管か
ら放射を受け、出力導波管に放射を導くのにそれぞれ特
に適合されている。この発明のこの第3の形態はまた、
方形配列の残りのコーナーを占める第1および第2の中
間空洞を備えている。
この発明のこの形態の4個の空洞の全ては3個の相互に
直交するモードで動作する。入力および出力空洞は第1
の中間空洞と共に入力空洞から出力空洞への放射の伝送
の第1の通路を定める。同様に、入力および出力空洞は
第2の中間空洞と共に第2のそのような通路を定める。
この発明のこの形態では、第1および第2のフィルタ関
数はそれぞれ第1および第2の通路に沿って放射に対し
て与えられる。そして第1フィルタ関数は第2のフィル
タ関数と実質上同じであることが好ましい。両者共に楕
円関数または疑似楕円関数であることが好ましい。
この発明のこの形態の実施例では、別の特性形成に対し
て、フィルタ回路構造の“第2のストーリー(stor
y)”が出力空洞に隣接する追加の共振空洞を配置する
ことによって与えられる。この追加の共振空洞は方形配
列の方形に垂直な方向に出力空洞から変位され、追加の
空洞から放射を受ける第2の方形配列に対する入力空洞
として動作する。第2の方形配列、すなわち第2のスト
ーリーは追加の空洞から対角線的に変位した第2の出力
空洞を備えてもよい。
この発明のさらに別の形態は、少なくとも4個の空洞の
実質上方形の配列を備えている。それは入力および出力
空洞が対角線的に対向するコーナーに配置され、第1お
よび第2の中間空洞が残りのコーナーを占めている。4
個の空洞のそれぞれは3個の互いに垂直な方向のそれぞ
れにおける直線偏波である電磁放射またはエネルギの共
振を行なわせるのに適している。
さらにこの発明のこの形態は、入力空洞から第1の中間
空洞へ2個の互いに垂直な方向のそれぞれに直線偏波さ
れた放射を結合するための第1の絞りを備えている。そ
れはまた第1の中間空洞から出力空洞へ実質的に排他的
な1方向に直線偏波された放射を結合するための第2の
絞りを備えている。
この発明のこの形態はまた、入力空洞から第2の中間空
洞へ実質的に排他的な1方向に直線偏波された放射を結
合するための第3の絞りを備えている。また、第2の中
間空洞から出力空洞へ2の相互に垂直方向のそれぞれで
直線偏波された放射を結合するための第4の絞りを備え
ている。以上のこの発明の全ての動作原理および効果
は、添付図面を参照にした以下の詳細な説明によりさら
に明瞭になるであろう。
[図面の簡単な説明] 第1図はこの発明の1実施例のフィルタの空洞配置の概
要を示す概略図である。
第2図は、第1の中間空洞を通って第1の通路に沿って
構成されているシーケンスの各共振の方向および極性を
示す第1図の実施例の概略図である。
第3図は、第2の中間空洞を通って第2の通路に沿って
構成されているシーケンスの各共振の方向および極性を
示す第1図の実施例の概略図である。
第4図は、第1および第2の通路を両者に対する直接お
よびブリッジ結合シーケンスを示す図である。
第5図は、請求の範囲のあるもので使用されている用語
と第1図乃至第4図に示された共振および結合との間の
関係を追加的に示した第4図を写した図である。
第6図は、この発明の別の好ましい実施例の第2図およ
び第3図に類似した図である。
第7図は、第6図の実施例に対する直接およびブリッジ
結合を示す第4図に類似した結合シーケンス図である。
第8図は、第6図および第7図に示した共振および結合
と、特許請求の範囲の用語との関係を示す第5図に類似
した図である。
第9図は、第6図の実施例の別の形態の第2図、第3図
および第6図に類似した図である。
第10図は、第9図の実施例の結合を示す第4図および第
7図に類似した結合シーケンス図である。
[好ましい実施例の詳細な説明] 第1図乃至第3図に示されるように、この発明の1つの
好ましい実施例は、入力導波管IWG中の縦に伝播する電
磁波面から得られる入力円偏波放射ICPを受ける。入力
空洞Aは入力絞りaを経てこの放射ICPを受け、その成
分たる垂直および水平成分HおよびVへと放射ICPを分
解する(第1図)。
2つの直交直線偏波成分への円偏波放射の分解は、円形
通路が90度位相差を有する共通周波数の2つの直線振動
ベクトルの合成によって記述されるという既知の事実に
依存している。この同じ関係は出力絞りでの2つの直線
偏波成分からの円偏波放射の再合成を説明する。なお、
図においてCP平面として示されているのは円偏波平面で
あり、CPは円偏波(circular polarization)の略号と
して添付図面において使用されている。
実質上の問題として、特定の所望された方向を有する直
線偏波への円偏波の分解は、HおよびV成分の所望され
た方向に対応して、2つの相互に直角を為す方向での共
振のため入力空洞Aの同調の結果として起る。空洞が第
2図および第3図に図示されたように球形であるとき、
このような同調は入力空洞Aへと内側に突出す同調スク
リューまたはスタブの調整によって影響される。
このようなスクリューの位置付けおよび調整は一般に、
マイクロ波フィルタおよびその他のマイクロ波装置の製
造設計と同調において知られている。過度の混乱を避け
るため、このようなスクリューの図はここでは示されて
いないが、存在するものとする。同調スクリューおよび
スタブは4つの全ての空洞においての各共振のため同様
に要求され、同じ理由で全て図から省略されている。他
の信号源の間の、先に述べられたヤングおよびグリフィ
ンの特許は、同調スクリューおよびスタブの装置を詳細
に説明する。
空洞A乃至Dは第2図および第3図に示されるように球
であることを必要とせず立方体であってもよい。立方体
の空洞が用いられるとき、直線偏波成分への円偏波放射
の分解は立方体入力空洞の方向によって部分的に制御さ
れる。同調スクリューはそれ故、この技術の当業者によ
って理解されるように、立方体の空洞に関して適切に位
置を定められなければならない。
入力空洞A中で誘導された2つの直線偏波成分Hおよび
Vは各々、第1および第2の中間空洞CおよびBを経て
出力空洞Dへと別々の路を通り抜け、そこではそれらは
出力円偏波放射OCPを再合成するため再結合する。後者
は出力絞りgを経て出力導波管OWGへと結合され、そこ
では円偏波放射OCPから導波管OWG中に縦に伝播する電磁
波面が得られる。
入力導波管IWG中の初期波面の伝播の方向は入力放射ICP
の円偏波の方向に変換され、それは次に入力空洞A中の
直線偏波成分HおよびVの間の位相の代数符号へと変換
される。逆に、出力空洞中のこれらの成分HおよびVの
間の位相の符号は出力放射OCPの円偏波の方向へ変換さ
れ、次に出力導波管OWG中の波面の伝播の方向へ変換さ
れる。従って、入力導波管IWGおよび出力導波管OWG中の
伝播方向は、もし直線偏波成分HおよびVによって通り
抜けられた2つの路がこれらの成分の間の位相関係を保
つように形成されるなら、独特に関係づけられる。
2つの別々の中間路の第1のものを通過することにおい
て、狭いスロット絞りfを経て出力空洞Dへ達するとこ
ろから、放射は交差したスロット絞りcを経て第1の中
間空洞Cへ通り抜ける。2つの通路の第2のものを通過
することにおいて、放射は狭いスロット絞りhを経て第
2の中間空洞Bへと通り抜け、それから交差したスロッ
ト絞りkを経て出力空洞Dへと進む。
もし第1図の図が反転されるなら…出力導波管OWGが左
手下角にあるので…2つの通路が反転によって交換され
ているけれども細部は変えられないことを明らかにす
る。この意味において、各通路は他方の“反転”と見な
される。
2つの通路の間の関係を概念化するためのもう1つの方
法は、図面の左手下の角から右手上の角へ引かれたライ
ンは互いに鏡像である2つの半分へ図を分割するが、順
序は逆である。この意味で、各通路はもう1つの“反転
鏡像”と見なされる。
これらの様々な方法において表された関係は、2つの成
分の間の最初の位相付け中に保たれた2つの通路中の放
射によって処理がなされるという制約…すなわち、水平
成分Hと垂直成分vの間の入力位相は出力空洞D中で再
生成されるという制約を果たすための1つの方法を示す
ので、重要である。
第1図の入力絞りaの平面はその紙面に対して直角を成
すが、第2図および第3図で確認されるようなx−y平
面である。従って円偏波入力放射ICPはx−y平面中の
円偏波であり、その直線偏波成分へと分解されるとき、
これらの成分はx−y平面中の直線偏波である。特に第
1図の“水平”成分HはAとして現われ(第2図)、
“垂直”成分VはAとして現われる(第3図)。
第2図および第3図に示されるように入力導波管IWGお
よび出力導波管OWGは空間的に分離されている。これら
の図では2つの導波管IWGおよびOWGはz方向において距
離を隔てられていることが明白に示されている。
以下の論議において、概説するため、最初にわずかに単
純化された2つの通路中の共振のシーケンスに従う。見
られるように、これらのシーケンスは“ブリッジ”結合
に密接に関連しており、“直接”結合鎖はかなり長い。
第1図乃至第5図の実施例において、第1および第2の
物理的に区別される中間共振空洞CおよびBは、入力空
洞Aから各々第1および第2の相互に直角の直線偏波成
分CとしてのA、およびBとしてのAを受ける
ため各々絞りcおよびhで結合される。
図面において受取られた成分CおよびBは各信号源
成分AおよびAと整列して示され、信号源成分と同
じ位相、極性または代数符号を有する。マイクロ波結合
技術においてよく知られているように、第3図のhのよ
うな細いスロット絞りを通り抜け、または第2図のcの
ような交差したスロット絞りのいずれの直線スロットを
通過すると位相の反転が生じる。しかしながら、この明
細書の図面の描写において、本発明の目的のため、その
位相反転は、意識的にそして更に重要なものとされる位
相の変化に注目するため、無視された。従って、この図
は、絶対的な位相を示すのではなく、むしろ相対的な位
相、またはこのシステムのいくつかの穴を通過するとき
に遭遇する本質的位相に関連して位相を与えることであ
る。
この実施例はまた、各々第1および第2の中間空洞Cと
Bの各々に関連した第1および第2の結合装置eおよび
iを含む。これらは典型的に各々の空洞の内側へ突出し
た結合スタブまたはスクリューである。初めの方で議論
された同調スタブまたはスクリュー(図示されていな
い)とは区別されなければならないこれらの装置は、第
1および第2の変形された放射成分−Cおよび−B
を形成するため、それらの各中間空洞で受取った放射成
分CおよびBの部分の結合のための装置として作動
する。これらの変形成分は各中間空洞CおよびB中にあ
り、各受取られた直線偏波成分CおよびBに対して
直角である。
第2の変形成分−Bが第3図で明らかに現われると同
時に、第1の修正された成分−Cは“±C”の記号
で示された2頭矢印の左方向すなわち負方向のポインテ
ィング端として示される。このような表記法は後述する
理由で、図面のいくつかの点で示される。説明は第4図
および第5図の参照によって得られ、そこでは同じシー
ケンスが異なる様式で図式化される。第4図および第5
図において、空洞内結合絞りおよび内部モード結合スタ
ブは進路矢印として表され、“かっこ”中の小文字によ
って第2図および第3図の対応する特徴に合せられる。
特に第4図および第5図においては、円偏波入力放射CP
inの分解は、入力空洞A中の各成分AおよびAへと
導く路または結合IおよびIIによって表される。第4図
および第5図の通路6および12はすでに記述された第1
および第2の“受取られた”成分CおよびBを生じ
るため、各々絞りcおよびhを経る結合である。これら
の共振から第1および第2の“変形された”成分−C
および−Bへのエネルギの結合は第4図および第5図
に各々通路7−8および通路13として現われる。2つの
ステップのため、通路7−8の出現はまもなく明らかに
なるだろう。
これらの特徴を達成するため、結合スタブは一般に、第
2図および第3図で最も良く見られるように、受取られ
変形成分の偏波方向によって定められた平面…すなわち
検討中の2つの場合においてのx−y平面において、受
取られた成分CおよびBの直線偏波の方向に対して
45度で位置を定められる。言替えると、これらの図面か
らわかるように、第1の中間空洞C中の結合スタブeは
(1)受取られた偏波ベクトルC、および(2)所望
された変形放射偏波ベクトル−Cによって定められた
平面中にあり、…そしてこれら2つのベクトルの方向の
間の回転的な中央である。
同様に第2の中間空洞B中の結合スタブiは受取られた
偏波ベクトルBと所望された変形ベクトル−Bによ
って定められた平面中にある。
これらの図面に示された全てのベクトルの極性は非常に
重要な考慮すべき問題である。スタブeおよびiの両方
は、座標系が定めるように、変形ベクトルが負にされる
ことを引起こすx−y面の象限中に置かれた。
勿論この座標の定義は任意であるが、この座標系中で、
あるベクトルの負の値は既に指摘された理由でその他の
結合シーケンスによって生成された正の値と反対であ
る。特に示された結合スクリューまたはスタブの位置づ
けのため、このような極性の差異は採用された座標系に
関係なく保存される。
理論において、同じ効果が示された位置から空洞を直径
的に横切って結合スクリューまたはスタブの交互の配置
を通して展開され得る。しかしながら、実際、最適のフ
ィルタ動作のため、直径的に反対の両位置で、対で結合
スクリューまたはスタブを設けることは望ましい。
先に述べられたように、変形成分は図示された実施例に
おいて幾何学的に直角であるけれども、これは用いられ
得る様々な種類の直角の単なる一例である。
出力共振空洞Dは、各々第1および第2の中間空洞Cお
よびBから、第1および第2の変形放射成分−Dとし
ての−C、および−Dとしての−Bを導くためそ
れぞれfおよびkで結合される。第4図および第5図に
おいて、これらの結合は通路9および通路18として示さ
れる。(先に述べられたように、一般的な言葉でこの発
明を考えると、第1および第2の変形成分−Cおよび
−Bから発達した代わりの成分を導くことは出力空洞
Dについて等価である…例えば、付加的な共振モードま
たは付加的な空洞の挿入によって。)出力空洞Dは、g
での出力導波管への結合のため、結合路10および19−20
によって第4図および第5図に表されるように、第1お
よび第2の変形放射成分−Dおよび−Dから円偏波
放射を合成するように構成される。
結合19−20の2ステップ特性は、前述された結合7−8
のそれと同じように、これらの結合の各々中の中間共振
±Cおよび±Dが、また図で示された“直接”結合
シーケンスによって既に論議された“ブリッジ”結合シ
ーケンスの付加的な結果として生成された合計または合
成であるという事実から生じる。表記法±C、±C
および同様の言い方は正または負のいずれかであっても
よい共振を表すためこの明細書に用いられるが、反対の
極性または位相のほぼ等しい2つの成分の結合によって
極度に小さくされる。
前述の“概説”セクションはブリッジ結合に集中され
た。次に直接結合およびそれらのブリッジ結合との関係
を議論する。
いかにして直接結合が生じるかを見るため、まず、第2
の中間空洞Bに関連して、論議のもとの好ましい実施例
はまた第3の結合装置を有することが記述されなければ
ならない。これらの第3の結合装置は第2の中間空洞中
で得られる成分Bを形成するため、第2の中間空洞中
の第2の変形成分−Bの一部を結合するために設けら
れる。典型的に、第3の結合装置は、前述のそれらのよ
うに、結合スクリューまたはスタブjであり、第4図お
よび第5図中に14として示される。それらの図示のよう
に、得られた成分Bのこの構成は第2の中間空洞Bの
ための“直接”結合シーケンスの第1のステップであ
る。
結果的に導出された成分Bは受けた成分Bおよび第
2の変形成分−Bに両者に対して直角にされる。それ
は典型的には、(1)すでに与えられた第2の変形成分
−Bおよび(2)所望される導出された成分Bによ
って決定された平面において結合スタブjを位置付ける
前述の技術による。スタブはこれらベクトルの両者に対
して45度、すなわち、それらの回転的半分であり、前に
論じた場合には第2の変形成分−Bと導出された成分
との間に位相反転または極性シフトを生じる象限に
ある。しかしながら、二つの位相反転後第2の変形部分
−Bと導出された成分Bとの間の相対位相はゼロで
あることに注意する必要がある。
この実施例において、出力空洞Dもまたkにおいて第2
の中間空洞BからDのような導出された成分Bを入
力するように結合される。第4図および第5図において
は、このステップは結合15として示されている。この実
施例はさらに、出力共振空洞D内にある第4の出力空洞
成分D中に出力空洞内の入力された導出された成分D
を結合するため典型的には別のスタブmのような出力
空洞結合手段を備えている。この場合に、結合スタブm
は位相反転を生じないように位置され、したがって、第
2の受信成分Bと第4の出力空洞成分Dとの間の相
対位相はゼロである。
第4の出力空洞成分Dは第2の入力された変形成分−
と平行に偏波されるが、前述の結合スタブi、j、
mの位置のためにこれら二つの成分は反対方向である。
これら二つの成分は、それらが同じモードにある、すな
わち同じ直線偏波状態にあるために、実際には独立に共
存することはできないことを理解すべきである。
所望ならば、これらの成分Dおよび−Dの両者は実
際の成分と見なすこともできる。いずれにせよ、実際に
存在しなければならないものは、第2の入力した変形成
分−Dと第4の出力空洞成分Dの合成±Dであ
る。この合成はそれを生成する成分のいずれよりもはる
かに小さい。それは二つの成分はほとんど等しい振幅で
あり符号または位相が反対であるからである。gにおい
て出力導波管OWG結合するため円偏波放射に合成するた
めに第1の入力変形成分−Dと結合される第2の入力
変形成分−Dのみではなくこの合成である。もちろ
ん、両成分の効果は結合において感じられる。
次に第1の中間空洞Cを横断する第2の通路の直接結合
シーケンスに戻ろう。この実施例はまた入力空洞A内の
第1の直線偏波成分Aの一部を第3の直線偏波成分A
に結合するための出力空洞結合手段bを備えている。
この結合は第4図および第5図の通路2に示される。合
成成分Aもまた入力空洞内にあり、第1と第2の成分
とAの両者に対して互いに垂直である。
さらに、入力空洞内の第3の直線偏波成分Aもまた絞
りcにおいて第1の中間空洞Cに結合されてそこに第3
の受信成分Cを形成する。このステップは第4図およ
び第5図の通路3に示される。第3の受信成分Cは第
1の受信成分Cおよび第1の中間空洞内の第1の変形
成分−Cの両者に垂直である。
この実施例はさらに第5の結合手段を備え、それは第1
の中間空洞C内にあり第1の受信成分Cに平行に偏波
された第3の変形成分−Cに第3の受信成分Cを結
合するために第1の中間空洞Cと関連している。この第
5の結合手段は、存在する第3の受信成分と、所望され
るしかし位相が反対の第3の変形成分により決定される
平面に位置する典型的には別の結合スタブdである。第
4図および第5図において第5の結合手段は通路4に示
されている。位相反転により、第3の変形成分−C
第1の受信成分Cと平行であるが、極性は反対であ
る。
すでに述べたように、この実施例では、第1の受信成分
と第3の変形成分−Cは第1の中間空洞C内で結
合される。それらのずっと小さい合成値±Cは第1の
結合手段eにより第1の変形成分±Cを形成するよう
に結合され、それから第1の入力変形成分±Dが形成
される。
この装置により得られるフィルタ関数は、“6次のも
の”として理論的に説明される。この技術の意味の詳細
な議論をせずに、高次のフィルタ関数は熟練した同調に
より鋭いカットオフの形成により適していることを理解
すべきである。この実施例の“6次”の特性はグルナー
およびウイリアムにより記載されたハイブリッドフィル
タと比較される。そのようなハイブリッドフィルタは両
側に2個の室を備え、全体で4個の室プラス2個のハイ
ブリッドであるが、4次に過ぎない。
グルナーおよびウイリアムにより紹介された型式のハイ
ブリッドフィルタは6次になるようにも形成されること
ができるが、もっと多くの室が必要であり、一般に両側
に3個の室が必要で、全体では6個の室プラス2個のハ
イブリッドが必要である。
この発明は6次の特性をただ4個の室だけでハイブリッ
ドを必要としないで得ることができる。さらに、この発
明は、各フィルタの出力絞りgを通過する上流信号に対
して0.02乃至0.03dBの損失を与えるに過ぎない。そのた
め10チャンネルのシステムの最も上流のチャンネルに対
する累積損失は0.2乃至0.3dBに過ぎない。これに対して
グルナーおよびウイリアムのシステムにおいては、各ハ
イブリッド通過の損失は典型的には0.1dBであり、10チ
ャンネルのシステムの最も上流のチャンネルに対する累
積損失は1dBまたはそれ以上である。
第6図はこの発明の別の好ましい実施例を示している。
これは前記第1の実施例のような最低のハードウエアの
点では完全な利点ではないが、第1の実施例に比較して
いくつかの実用的な利点を有している。
この実施例は関連する相互結合絞りおよび結合スタブを
有する6個の円筒空洞A乃至Fの集合体である。多くの
部品が含まれている第6図および第7図に使用される記
号は第1図乃至第5図で使用された多くの部品について
は同じであり、特に入力空洞Aおよび第1および第2の
中間空洞CおよびB、ならびにそれに関連する絞りおよ
びスタブならびに出力空洞Dに対しては同じ記号が使用
されている。したがって第1図の実施例で論じたブリッ
ジ結合を中心とする概観的部分は次の二つの例外を除い
て第6図の実施例にも適用できる。まず第1に、第6図
において、第1の変形成分Cは正であり、第2に、そ
れはブリッジ結合の結果ではなく、それ故付属するマイ
ナスまたはプラス符号は示されていない。それ故第6図
の詳細な議論は前の概観の議論の終ったところからピッ
クアップされる。
(請求の範囲のある部分においては、図示の特徴に請求
の範囲の言葉のキーを与えるために“かっこ”で示され
ている。これらの記号は主題がむずかしく多数の電磁放
射成分が含まれているために請求の範囲を理解するため
の単なる例示に過ぎないものであることを理解すべきで
ある。これらの記号は請求の範囲を限定する意図は全く
なく、単に例示であるに過ぎない。第1図乃至第5図に
対応する第6図および第7図中の記号の使用の観点で、
請求の範囲のかっこを付した読者のための参照記号はそ
の請求の範囲が両方の実施例に対応するものであれば両
方の実施例に同様に適用可能である。) 第6図の実施例は、少なくとも第3および第4の中間空
洞EおよびFを備え、それらはそれぞれ第1および第2
の中間空洞CおよびBから第1および第2の変形放射成
分EとしてのCおよび−Fとしての−Bを受け
るように結合されている。これらのステップは第7図お
よび第8図に通路104および114として示され、勿論シス
テムの両側のシーケンスの前の部分は第7図および第8
図に通路101乃至103および111乃至113として示されてい
る。
第3および第4の中間空洞EおよびFはまた変形成分E
および−Fから二つの追加の成分−Eおよび−F
を生成するように構成されている。第6図において、
これらの生成した成分−Eおよび−Fはそれぞれ±
および±Fとマークされた両頭のベクトルの左を
向いた端部として特定される。システムの両側における
シーケンス中のこのステップは105および115に見ること
ができる。
第1図の概観的部分の議論において、出力空洞は変形成
分直接ではなく、変形成分から発展した成分を入力でき
ることを前述した。これは第1図の実施例において、発
展した成分−Eおよび−Fが絞りfおよびkを通っ
てそれぞれ−Dおよび−Dとしてて出力空洞Dに入
力される場合である。
第7図および第8図において、これらの結合は106〜109
および116〜119に示されている。第1図のシステムの図
において、これらの結合は干渉結果±Eおよび±F
のために2段階の形態で示されている。結果は交差した
スロット絞りrおよびpを通るブリッジ結合通路107〜1
08および117〜118により生じる。これらのブリッジ結合
は正の実際の成分EおよびFを生成し、それらは同
じ空洞であり、前に述べた発展した成分−Eおよび−
と同じ方位を有している。
このようにしてモードを共用する成分は結合されて比較
的小さな振幅の結果±Eおよび±Fを生成する。こ
れらは楕円または疑似楕円関数の所望の方法で全体の装
置の鋭いカットオフ特性を与える最大の減衰を与えるた
めに使用される。
第6図の実施例において、6個の空洞A乃至Fはそれぞ
れフィルタの動作中少なくとも二つの相互に直交するモ
ードにおける電磁共振を行なわせる。さらに詳しく説明
すると、この実施例の図示の形態におけるモードの数は
正確に二つであり、それらモードは互いに直交する偏波
方向xおよびyである。
第6図の実施例は、第1図の実施例に比較して4つの利
点がある。これらのいくつかはこの実施例の球状空洞の
使用に関連する利点であり、他のものは直方体空洞に関
するものであり、さらに他のものは両者に関するもので
ある。最初にフィルタ内の全体の電力損失は所定の電力
の流れに対して円筒共振器を使用するよりも減少させる
ことができる。
共振マイクロ波空洞における発熱損失は空洞壁中に誘起
される電流に対する抵抗のために主として生じる。一般
的に言えば、そのような損失は壁の面積と関係し、非常
に一般的には壁全体の面積に比例する。しかしながら、
フィルタを通る電力の流れは空洞に含まれることのでき
るエネルギの量に関係しており、これは一般的に空洞の
容積に比例している。電力の流れと損失との比ならびに
フィルタのQすなわち品質比はそれ故その共振器の容積
と面積との比に比例してい。この後者の比の増加手段は
低損失フィルタを生じる。
全ての共振器形状の中で球状空洞は一般に最高のQであ
り、基本モードにおける共振のための全ての閉じた3次
元形態の最小損失を示す。しかしながら、この最後の強
制で基本モードの使用は必要ない。他のモードの使用を
考えるとき、1方向に伸びる容器の使用に選択が移行す
る。そのような空洞の容積と面積の比においては、端壁
の比較的一定した面積が任意に増加可能な容積にわたっ
て実際上分布される。したがって、球の表面に対する容
積の比はD/6=0.07D(Dは直径を表わす)に固定され、
立方体ではS/6=0.17S(Sは立方体の側面を表わす)に
固定されるが、直径のn倍に等しい高さを有する円筒に
おける同じ比はnD/(4n+2)である。nの比較的大き
な値に対しては、この比はD/2=0.25に近付く。
したがって第6図の円筒共振器は例えばTE113モード
で、すなわち1/2波長に等しい円筒直径と1/2波長の3倍
に等しい電気的実効高で共振するように構成することが
できる。ここで高さは直径の3倍であり(n=3)、容
積対面積比は3D/14または0.12Rあり、3デュアルモード
共振器に対する実用的Qはほぼ18000である。後者のQ
はトリモード共振器のほぼ12000のQと比較されること
ができる。
第6図の実施例の第2の利点は、第1図乃至第3図に示
された球の使用と比較される。この利点は空洞製造の経
済性である。マイクロ波の作業では、球状空洞は中心の
ないグラインダで形成しなければならないが、円筒なら
ばドリルで形成できる。中心のないグラインダによるコ
ストはドリルのコストの何倍もする。
第3の利点は球の代りにやはり第1図乃至第3図の方位
を有する立方体空洞を使用することに関係する。立方体
空洞は球状空洞よりもずっと経済的に製造できる。しか
し、実際問題として、立方体空洞の方形配列に必要な同
調および結合スタブを設けることは厄介なことである。
それはそのような方形配列は余分なスペースがないから
である。
球状空洞の方形配列においては、スタブの設置および調
整は多少厄介であるけれども、配列の中心にはある程度
の自由空間がある。立方体空洞の方形配列ではそのよう
な自由空間は存在しない。最良の調整能力を与えるため
には1空洞室当り8個のスタブが必要であり、立方体空
洞配列では5個以上設けることは非常に困難である。第
6図の円筒形態では、スタブの設置および調整ははるか
に容易である。
第6図の形態の第4の利点は、さらに高度の制御可能な
フィルタ関数が、別の結合絞りを、例えば入力および出
力空洞AおよびDの間に付加することによって得られる
ことである。この手段は第9図にsで示されている。そ
の結果のブリッジ結合の追加の対は第10図に221〜222お
よび224〜225で示されている。第9図および第10図のフ
ィルタは前の図のものと同じオーダーのものであるが、
例えばより鋭いカットオフのためのもっと大きな数の最
大減衰、または位相等化に使用するための減衰最小の発
生するように調整することができる。
説明を簡単にするために、円偏波絞りaおよびgは円形
絞りとして示されているが、マイクロ波ハードウエア設
計の当業者によく知られたいくつかの形状を採用するこ
とができる。そのような形状の4種が前記のMatthai,Yo
ungおよびJonesの図書の853および854頁に示されてい
る。絞りaまたはgとして使用することのできるさらに
別の形状は十字スロット絞りであり、それは事実方向性
結合器に特に適している。
以上の説明は、マイクロ波通信構造および動作分野の当
業者にこの発明による装置を構成させ動作させることが
できるようにするために充分詳細な程度にこの発明の好
ましい実施例を説明したものであり、少なくともルーチ
ンデザインレベルでマイクロ波通信設計エンジニアのガ
イダンスとして述べたものである。
前述の詳細な説明の全ては単なる例示に過ぎないもので
あり、請求の範囲に記載されているこの発明の技術的範
囲を制限するものではないことを理解すべきである。
フロントページの続き (56)参考文献 IEEE Trans on MTT, Wai et.al.“A True e lliptic−function fi lter using triple−m ode degenerate cavi ties.”,Vol.MTT−32,N o.11,PP.1449−1454 電子通信学会総合全国大会,武田,他, 「円筒空洞形方向性3波器の広帯域化」, 733,P.3−186

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力導波管から出力導波管へ電磁放射の周
    波数選択的結合を行うフィルタにおいて、 フィルタの動作中3個の相互に直交するモード(偏波方
    向x,y,z)のそれぞれにおいてそれぞれ電磁共振を行な
    わせる入力空洞(A)と、出力空洞(D)と、少なくと
    も第1および第2の中間空洞(CおよびB)とを具備し
    ている4個以上の空洞配列を具備し 入力空洞(A)と出力空洞(D)は第1の中間空洞
    (C)およびそれらの間のモード選択絞り(cおよび
    f)と共に入力空洞(A)から出力空洞(D)への電磁
    放射の伝送のための第1の通路(A−c−C−f−D)
    を構成し、 入力空洞(A)と出力空洞(D)は第2の中間空洞
    (B)およびそれらの間のモード選択絞り(hおよび
    k)と共に入力空洞(A)から出力空洞(D)への電磁
    放射の伝送のための第2の通路(A−h−B−k−D)
    を構成し、 第1および第2の通路(A−c−C−f−DおよびA−
    h−B−k−D)中の電磁放射はフィルタの動作中に出
    力空洞(D)において結合され、 第1および第2の通路(A−c−C−f−DおよびA−
    h−B−k−D)のそれぞれは特に独立に入力空洞
    (A)における電磁放射と出力空洞(D)における電磁
    放射との間のフィルタ関数を与えるように構成され、 第1および第2の通路(A−c−C−f−DおよびA−
    h−B−k−D)のそれぞれにおいて与えられるフィル
    タ関数は楕円または疑似楕円関数であることを特徴とす
    る周波数選択的結合を行うフィルタ。
  2. 【請求項2】入力空洞(A)が入力絞り(a)において
    円偏波放射を入力導波管から受取り、円偏波放射を二つ
    の相互に直交する方向(xおよびy)に直線偏波された
    二つの入力成分(AおよびA)に分解するように入
    力導波管に対して位置し、構成されており、 直線偏波された二つの入力成分(AおよびA)は入
    力空洞(A)における相互に直交するモード共振を形成
    し、 直線偏波された二つの入力成分(AおよびA)およ
    びそれから導出された成分(A,C,±CおよびA
    からの±C;B,−B,BおよびAからの
    )はそれぞれ第1および第2の通路を介して結合さ
    れて二つの相互に直交する方向(xおよびy)に直線偏
    波された二つの出力成分(±Dおよび±D)を出力
    空洞(D)において形成し、 二つの直線偏波された出力成分(±Dおよび±D
    は出力空洞(D)における前記3個の相互に直交するモ
    ード共振の二つを形成し、 出力空洞(D)は二つの出力成分(±Dおよび±
    )を出力空洞(D)において結合して円偏波放射を
    形成し、円偏波放射を出力絞り(g)において出力導波
    管に結合するように構成されて出力導波管に対して配置
    されており、 第2の通路(A−h−B−k−D)は実質上第1の通路
    (A−c−C−f−D)の反転であり、 それによって出力空洞における結合された電磁放射は円
    偏波であって、入力絞り(a)で受けた放射と同じ偏波
    方向であり、出力絞り(g)の位置は入力絞り(a)の
    位置と実質上反対であり、 第1の通路(A−c−C−f−D)において与えられる
    楕円または疑似楕円フィルタ関数は第2の通路(A−h
    −B−k−D)において与えられる楕円または疑似楕円
    フィルタ関数と実質上同じである請求の範囲第1項記載
    のフィルタ。
  3. 【請求項3】空洞配列は正確に4個の共振空洞(A,B,C,
    D)を具備し、前記中間空洞は正確に2個の中間空洞、
    すなわち前記第1および第2の中間空洞(CおよびB)
    である請求の範囲第1項または第2項記載のフィルタ。
  4. 【請求項4】各空洞により行われる前記3個の相互に直
    交する共振モードはそれぞれ3個の相互に直交する直線
    偏波方向である請求の範囲第1項または第2項記載のフ
    ィルタ。
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