JPH0670923U - ノックアウト装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 プリント基板打抜加工装置のノックアウト装
置の装着に伴うプレス機械のストローク不足を解消す
る。 【構成】 プリント基板打抜加工装置１０、プレス機械
のスライド２に取付けられるノックアウト装置２０と、
その下面に取付けられる上型ユニット４０と、ボルスタ
１の上面に取付けられる下型ユニット６０とからなり、
ノックアウト装置２０を、スライド２の下面のシャンク
取付け用凹部３に装着することにより、ノックアウト装
置２０の高さの分だけ、有効ストロークを大きくでき
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、プレス機械に取付けられるプリント基板打抜加工用のノックアウト 装置に関し、特に、小型の小ストロークのプレス機械における昇降ストロークの 不足を解消するようにしたものに関する。

【０００２】

【従来の技術】

通常、例えば、実開平２−１１８６２３号公報に記載されているように、プリ ント基板に多数の部品挿入用のピン穴を形成する際、プレス機械のスライドの下 端に上型ユニットとこの上型ユニットを駆動するノックアウト装置とを装着し、 プレス機械のボルスタの上面に下型ユニットを固定し、この下型ユニット上にプ リント基板をセットした状態で、スライドを下降させ、ノックアウト装置でプリ ント基板を保持した状態において、プレス機械のスライドの作動と協働して上型 ユニットと下型ユニットとで打抜加工を実行し、その後スライドの上昇時に、ノ ックアウト装置によりプリント基板を上型ユニットからノックアウトして外部へ 取り出す。

【０００３】 ところで、小型のプリント基板を打抜く場合には、小型のクランク式プレス機 械に小型のノックアウト装置、上型ユニット、下型ユニットを装着して、打抜加 工を行うのが、一般的である。 前記プレス機械としては、汎用型のものが適用されるが、汎用型の小型のプレ ス機械のスライドには、その他の金型取付け用のシャンクと、このシャンクを案 内支持するシャンクブロックとからなるシャンクユニットが取付けられることも 多く、このシャンクユニットは、スライドの下面のシャンク取付け用凹部に装着 されるのが一般的である。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

前記小型のプレス機械では、その昇降ストロークも小さいが、このプレス機械 のスライドの下面にノックアウト装置と上型ユニットとを装着すると、ノックア ウト装置と上型ユニットの高さの分だけ有効ストロークが減少し、十分な昇降ス トロークを確保できなくなるという問題がある。 本考案の目的は、小型のプレス機械における昇降ストロークの不足を解消でき るようなノックアウト装置を提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

請求項１のノックアウト装置は、プレス機械のスライドの下端に装着され、ス ライドの下端に取付けられるプリント基板打抜加工用上型ユニットを駆動するノ ックアウト装置において、前記ノックアウト装置が、ブロック状の本体部材と、 この本体部材内に形成された油圧シリンダ及びこの油圧シリンダに油圧を給排す るための油路とを備え、このノックアウト装置が、プレス機械のスライドの下面 に形成されたシャンク取付け用凹部に装着されたものである。

【０００６】

【考案の作用及び効果】

請求項１のノックアウト装置においては、前記ノックアウト装置が、ブロック 状の本体部材と、この本体部材内に形成された油圧シリンダ及びこの油圧シリン ダに油圧を給排するための油路とを備え、このノックアウト装置が、プレス機械 のスライドの下面に形成されたシャンク取付け用凹部に装着されるので、ノック アウト装置の高さの分だけ、スライドの昇降ストロークが減少することがなく、 スライドの昇降ストロークを十分確保して、プリント基板の打抜加工を行うこと ができる。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の実施例について図面に基いて説明する。 図１〜図３に示すように、小型のクランク式プレス機械のボルスタ１の上方に は、昇降駆動されるスライド２が配設され、このスライド２の下面側には、直方 体状の下方開放状のシャンク取付け用凹部３が形成してある。このプレス機械は 、通常のクランク式プレス機械と同様のものであるので、その詳細な説明は省略 する。

【０００８】 プリント基板４を打抜加工する為の打抜加工装置１０は、プリント基板４に複 数のピン穴を高精度に打抜加工する為の装置であって、ノックアウト装置２０と 、上型ユニット４０と、下型ユニット６０とからなる。 前記上型ユニット４０は、４組のクランプ装置５でノックアウト装置２０の下 面に固定され、下型ユニット６０は、４組のクランプ装置６でボルスタ１の上面 に固定されている。 前記上型ユニット４０は、打抜機構とノックアウト機構と打抜ピン機構等で構 成されている。

【０００９】 打抜機構は、打抜ベース部材４１と、打抜ロッド４２と、打抜板４３とを上下 に積層連結してなり、ノックアウト機構は、ノックアウトブロック４４と、ノッ クアウト板４５と、ノックアウトピン４６とを上下に積層連結してなり、打抜ピ ン機構は、複数の打抜ピン４７を有し、打抜板４３の下面に固着されたピン保持 板４８に固着のホルダ部材４９に支持された押え板５０を備えている。 前記上型ユニット４０は、打抜機構とノックアウト機構と打抜ピン機構とをボ ルトで一体的に連結してあり、打抜ベース板４１のフランジをクランプ装置５で クランプすることでノックアウト装置２０の下面の所定位置に固定されている。

【００１０】 前記下型ユニット６０は、下型ベース部材６１と、ダイス６２とからなり、ダ イス６２は、ボルト６３で下型ベース部材６１の上面に連結固定され、この下型 ユニット６０は、下型ベース部材６１のフランジをクランプ装置６で固定するこ とでボルスタ１の上面の所定位置に固定されている。 前記下型ベース部材６１のフランジには、ガイドロッド６４が上下方向向きに 設けられ、ガイドロッド６４には、規制部材６５が装着され、プリント基板４は 、規制部材６５で位置決めされてダイス６２の所定位置に載置される。

【００１１】 前記ノックアウト装置２０は、ダイス６２に載置されたプリント基板４を打抜 加工する際に、打抜機構を介してプリント基板４に適当なホールド力を均等に付 加し、プリント基板４をダイス６２に押圧することにより高精度の打抜加工を可 能にするとともに、打抜加工後、ノックアウト機構を介してプリント基板４に適 当なノックアウト力を付与し、プリント基板４を上型ユニット４０からノックア ウトする為のものである。 前記ノックアウト装置２０は、前記シャンク取付け用凹部３に装着されて、例 えば６本のボルト７によりスライド２に固定されている。 このノックアウト装置２０は、下面がスライド２の下面と同一レベルとなるブ ロック状の本体部材２１と、この本体部材２１の円筒状穴２２に装着されて８本 のボルト２３で固定されたシリンダ形成部材２４と、可動パッド２５と、可動パ ッド２５を本体部材２１に対して駆動する油圧シリンダ２６と、復帰機構２７と 、油圧シリンダ２６へ油圧を給排する為の油路２８と、ブリード用のエア通路２ ９等で構成されている。

【００１２】 前記油圧シリンダ２６のシリンダ孔はシリンダ形成部材２４の内側に形成され 、油圧シリンダ２６のピストン２６ａと可動パッド２５とは一体的に形成され、 油路２８は、分岐油路２９により、油圧シリンダ２６の油圧作動室３０に接続さ れている。本体部材２１には、油圧シリンダ２６のピストン２６ａの円筒穴３１ に摺動自在に嵌入した突部３２が形成されている。 前記復帰機構２７について説明すると、突部３２の上方において、本体部材２ １には円筒穴３３が凹設され、この円筒穴３３には、倒立カップ状部材３４が螺 合にて装着され、連結部材３５は、ボルト３６によりピストン２６ａに固着され 、連結部材３５の鍔部３５ａは、倒立カップ状部材３４の筒穴内に摺動自在に装 着され、連結部材３５を上方へ弾性付勢する圧縮コイルバネ３７が、連結部材３ ５の鍔部３５ａと本体部材２１間に設けられている。尚、前記ブリード用のエア 通路３９は、エア室３８に接続されている。

【００１３】 次に、前記ノックアウト装置２０の油圧シリンダ２６に油圧を供給する油圧供 給系について、図４に基いて説明する。 前記打抜加工装置１０によりプリント基板４を打抜加工する際、１サイクルの 間のスライド２が下降して上昇に転ずる間に、プリント基板４のホールドと、打 抜きと、ノックアウトとが実行されるが、前記ホールド時には、油圧シリンダ２ ６に低圧の油圧を供給し、また、ノックアウト時には、油圧シリンダ２６に高圧 の油圧を供給する必要がある。

【００１４】 図４の油圧供給系において、加圧エア駆動型のブースタ７０は、油タンク７１ の油を加圧してノックアウト装置２０に供給する為のもので、加圧エア供給源７ ２からレギュレータ７３を介して加圧エアがエアタンク７４に供給され、エアタ ンク７４の加圧エアが、レギュレータバルブユニット７５を介して、ブースタ７ ０の作動室７６に供給される。 前記エアタンク７４内のエア圧は、例えば、５ｋｇ／ｃｍ² で、レギュレータ ７７は、低圧用の２ｋｇ／ｃｍ² に圧力制御するものである。 プリント基板４に対するホールド時、切換弁７８を供給位置に切り換えた状態 では、レギュレータバルブユニット７５を介して、低圧の２ｋｇ／ｃｍ² の加圧 エアが、ブースタ７０の作動室７６に供給されるため、ブースタ７０では、それ に対応する低圧の油圧をノックアウト装置２０に供給する。

【００１５】 これに対して、ノックアウト時、切換弁７９のソレノイドに通電して切換弁７ ９を切り換えた状態では、レギュレータバルブユニット７５を介して、高圧の５ ｋｇ／ｃｍ² の加圧エアが、ブースタ７０の作動室７６に供給されるため、ブー スタ７０では、それに対応する高圧の油圧をノックアウト装置２０に供給する。 尚、切換弁８０は、ブースタ７０に最初に油を充填するときのエア抜きの為の ものである。 従来のノックアウト装置では、ブースタ７０の作動室７６に、常に高圧の５ｋ ｇ／ｃｍ² の加圧エアを供給し、排気室８１の排気圧を高低切り換える構成とし ていた関係上、排気圧系に２個のエアタンクを設けていたけれども、本実施例で は、作動室７６に供給する駆動側のエア圧を高低切り換えるように構成した関係 上、１個のエアタンク７４で済むことになった。

【００１６】 以上説明したノックアウト装置２０の作用について説明する。 前記ノックアウト装置２０を、スライド２のシャンク取付け用凹部３に装着し たので、ノックアウト装置２０の高さの分、スライド３の昇降ストロークが減少 することがなく、小型の小ストロークのプレス機械に打抜加工装置１０をセット して、プリント基板４の打抜加工を行うことができるようになった。 更に、前記油圧供給系においては、作動室７６へ供給する加圧エアのエア圧を 高低切り換えるようにしたため、エアタンク７４を１個設ければよくなったこと から、油圧供給系を小型化し、且つ、製作コストを低減できる。 尚、シャンク取付け用凹部３は、ノックアウト装置２０よりも大きいサイズに 形成されていてもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】プレス機械に装着した実施例に係る打抜加工装
置の要部断面図である。

【図２】図１の打抜加工装置の上型ユニットの拡大断面
図である。

【図３】図１の打抜加工装置のノックアウト装置の底面
図である。

【図４】図１のノックアウト装置の為の油圧供給系の回
路図である。

【符号の説明】

２ スライド ３ シャンク取付け用凹部 １０ 打抜加工装置 ２０ ノックアウト装置 ２１ 本体部材 ２６ ユニットシリンダ ２８ 油路 ２９ 分岐油路 ４０ 上型ユニット ６０ 下型ユニット

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 プレス機械のスライドの下端に装着さ
   れ、スライドの下端に取付けられるプリント基板打抜加
   工用上型ユニットを駆動するノックアウト装置におい
   て、 前記ノックアウト装置が、ブロック状の本体部材と、こ
   の本体部材内に形成された油圧シリンダ及びこの油圧シ
   リンダに油圧を給排するための油路とを備え、 このノックアウト装置が、プレス機械のスライドの下面
   に形成されたシャンク取付け用凹部に装着されたことを
   特徴とするノックアウト装置。