JPH0524422Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、被加工物、特に大形の被加工物を
作業台上に押圧して固定するプレツシヤパツド装
置に関する。

〔従来の技術〕

例えば、自動車の車体のような大形の被加工物
を、加工作業のために作業台上に押圧して固定す
るプレツシヤパツド装置として、従来第３図に示
すようなものが一般に用いられている。

これを簡単に説明すると、架台１上に複数のシ
リンダ２が設けられ、このシリンダ２が、ガイド
３内を上下に摺動するガイドレール４を下方に駆
動することにより、ガイドレール４の先端部にそ
れぞれ設けられたスプリングパツド５が、被加工
物１０の所定位置を図示しない作業台上に押圧し
て固定するようになつている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、このような従来のプレツシヤパ
ツド装置を、リフトアンドキヤリ方式の搬送装置
によつて搬送される被加工物の固定に適用しよう
とすると、被加工物１０の搬送高さH₂は作業高
さH₁よりリフタのストロークS₁だけ高く、さら
に被加工物１０がプレツシヤパツド装置を通過し
得る最高位置の高さH₃は、搬送高さH₂よりさら
に被加工物１０の高さｈだけ高いので、プレツシ
ヤパツド５の上下動のストロークS₂を大きくとる
必要がある。

したがつて、被加工物１０を押圧する複数位置
のすべてに、ストローク及び押圧力が共に大きい
シリンダ２と、このシリンダ２により駆動される
ガイドレール４を案内する長大なガイド３、及び
各シリンダ２を制御する電磁弁等を必要とするの
で、構造が複雑化し、装置が大形化して設備費が
高騰すると共に故障等の恐れも多くなるという問
題点があつた。

この考案は、このような従来技術の問題点に鑑
みてなされたものであり、長い伸縮ストロークの
ロツドを有するアクチユエータを１つのみとし
て、小型で簡単な構造のプレツシヤパツドを提供
することを目的とする。

［課題を解決するための手段］ そのため、この考案によるプレツシヤパツド装
置は、作業台の上に載置された被加工物を当該被
加工物の上面から押圧して前記作業台に固定する
プレツシヤパツド装置において、梁材を有する架
台を前記作業台を跨いで設置し、前記梁材に取付
けられたアクチユエータのロツドに前記アクチユ
エータによつて上下に駆動されるサブフレームを
取付け、当該サブフレームに前記被加工物の上面
を押圧する複数のスプリングパツドを備え、前記
梁材を貫通して上下動自在となつたガイドバーを
前記サブフレームに固着し、前記スプリングパツ
ドが前記被加工物に当接したことを検知したとき
に、前記ガイドバーの上端部に係合して前記サブ
フレームをさらに前記被加工物に向けて下降させ
る押圧手段を前記梁材に設けてなるものである。

［作用］ 上記のように構成することによつて、単一のア
クチユエータを作動させて、まずサブフレームを
被加工物に接近させる。これにより、サブフレー
ムに設けられた複数のスプリングパツドが被加工
物に当接する。その後は、サブフレームに固着さ
れたガイドバーの上端部に押圧手段が係合して、
サブフレームは更に被加工物に向けて押し付けら
れ、被加工物は強固に固定される。

［実施例］ 以下、添付図面の第１及び第２図を参照してこ
の考案の実施例を説明する。

第１図は、この考案の一実施例を示すもので、
架台１１上に単一のアクチユエータであるメイン
シリンダ１２を垂設して、そのピストンロツド１
２ａの先端にサブフレーム１３を水平状態を保つ
て固設する。

このサブフレーム１３に複数のガイドバー１４
を上方に向つて垂設し、その各ガイドバー１４を
架台１１に固設した複数のガイド１５にそれぞれ
挿通して、サブフレーム１３が水平を保つたまま
上下に移動し得るようにする。

さらに、このサブフレーム１３の下面には、複
数の所要位置に、被加工物１０を図示しない作業
台に押圧して固定するスプリングパツド１６を下
垂して設けている。

また、このスプリングパツド１６が被加工物１
０に当接したことを検知するリミツトスイツチ２
０を設け、そのリミツトスイツチの指令によりガ
イドバー１４の頭部を空圧等を用いて下方に押圧
する押圧装置１７を架台１１上に設けて、被加工
物１０の押圧手段を構成している。

次に、このように構成された実施例の作用を説
明する。

被加工物１０が搬送高さH₂のリフトアンドキ
ヤリ方式の搬送装置によつて、図に仮想線で示す
位置まで搬送された後、リフタがストロークS₁だ
け下降すると、被加工物１０は作業高さH₁の作
業台上に載置される。

この状態で、メインシリンダ１２を作動させる
と、ピストンロツド１２ａが伸長してサブフレー
ム１３がガイドバー１４に案内されて垂直に下降
し、スプリングパツド１６が被加工物１０に当接
する。

これを第１のリミツトスイツチ２０が検出する
と、メインシリンダ１２はその状態に保持され、
同時に押圧装置１７が作動してガイドバー１４を
下方に駆動し、スプリングパツド１６が被加工物
１０を押圧して固定するが、第２のリミツトスイ
ツチ２１がその押圧完了を検知すると、押圧装置
１７は作業に必要な所定時間だけその状態に保持
される。

所定時間が経過すると、押圧装置１７が復帰し
てガイドバー１４の押圧が解除され、第３のリミ
ツトスイツチ２２によりその戻限が検知される
と、メインシリンダ１２が復帰してサブフレーム
１３が上昇し、スプリングパツド１６が被加工物
１０の搬送時の通過最高位置H₃より高くなつた
時点で、第４のリミツトスイツチ２３がこれを検
知してメインシリンダ１２の作動を停止し、被加
工物１０がリフタで持上げられて次工程へ搬送さ
れる。

第２図は、上記の作動を示す説明図である。

〔考案の効果〕

以上述べたように、この考案によるプレツシヤ
パツド装置は、梁材を有する架台を前記作業台を
跨いで設置し、梁材に取付けられたアクチユエー
タのロツドに前記アクチユエータによつて上下に
駆動されるサブフレームを取付け、当該サブフレ
ームに被加工物の上面を押圧する複数のスプリン
グパツドを備え、前記梁材を貫通して上下動自在
となつたガイドバーを前記サブフレームに固着
し、前記スプリングパツドが前記被加工物に当接
したことを検知したときに、前記ガイドバーの上
端部に係合して前記サブフレームをさらに前記被
加工物に向けて下降させる押圧手段を前記梁材に
設けたので、スプリングパツド毎にそれぞれアク
チユエータを設ける必要がなく、装置を大幅に単
純化することができ、被加工物の種類に応じてサ
ブフレームに設けるスプリングパツドの位置を容
易に変更することができるので、装置の適応性が
著しく向上する。

また、長大なストロークを必要とするアクチユ
エータは、スプリングパツドを付設したサブフレ
ームを上下に昇降させるだけでよく、被加工物を
押圧する力はストロークの小さい別の押圧手段で
行なうようにしたので、両者とも簡単な構造のも
のでよく、設備費を低減することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す断面図、第
２図はその作動を示す説明図、第３図は従来のプ
レツシヤパツド装置を例示する側面図である。 １１……架台、１２……メインシリンダ（アク
チユエータ）、１３……サブフレーム、１４……
ガイドバー、１５……ガイド、１６……スプリン
グパツド、１７……押圧装置（押圧手段）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 作業台の上に載置された被加工物を当該被加工
   物の上面から押圧して前記作業台に固定するプレ
   ツシヤパツド装置において、梁材を有する架台を
   前記作業台を跨いで設置し、前記梁材に取付けら
   れたアクチユエータのロツドに前記アクチユエー
   タによつて上下に駆動されるサブフレームを取付
   け、当該サブフレームに前記被加工物の上面を押
   圧する複数のスプリングパツドを備え、前記梁材
   を貫通して上下動自在となつたガイドバーを前記
   サブフレームに固着し、前記スプリングパツドが
   前記被加工物に当接したことを検知したときに、
   前記ガイドバーの上端部に係合して前記サブフレ
   ームをさらに前記被加工物に向けて下降させる押
   圧手段を前記梁材に設けてなるプレツシヤパツド
   装置。