JPH0670296B2 - アルミナ繊維製ブランケットの製造法 - Google Patents

アルミナ繊維製ブランケットの製造法

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JPH0670296B2
JPH0670296B2 JP2147264A JP14726490A JPH0670296B2 JP H0670296 B2 JPH0670296 B2 JP H0670296B2 JP 2147264 A JP2147264 A JP 2147264A JP 14726490 A JP14726490 A JP 14726490A JP H0670296 B2 JPH0670296 B2 JP H0670296B2
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alumina fiber
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進 青木
研一 柴田
康一 木村
雄二 金森
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、結晶質アルミナ繊維からなるブランケットの
製造法に関するものである。
〔従来の技術〕
高温の炉などに使用する耐火性断熱材の一つに無機繊維
からなるブランケットがあるが、無機繊維の中でも耐熱
性のよいセラミック繊維からなるものを製造することは
容易でない。これは、セラミック繊維が概して剛直で絡
みあいを生じにくく、ニードルパンチ処理によって絡み
あいを生じさせようとすると、もろく、折れ易いためで
ある。結晶質アルミナ繊維は特にこのような性質が著し
く、その優れた耐熱性をブランケットの状態で利用する
ことが困難である。
上述の問題点を解決する手段の一つは特開昭60-88162号
(特公平1-38901号)公報に開示されており、そこで
は、前駆体繊維化法で得られたまだ柔軟な未焼成繊維を
層状に集積したものに対してニードルパンチング処理が
施され、その後、焼成が行われる。しかしながら、未焼
成の前駆体繊維は柔軟ではあっても強度が低く、ニード
ルパンチ処理によって切れ易いから、最終製品について
見た場合、ニードルパンチ処理の効果は不十分なものに
なり易い。
また、未焼成の前駆体繊維は耐水性がないから、前駆体
繊維のブランケット状集積物をニードルパンチするにあ
たり摩擦係数を低下させるため繊維に付着させる減摩剤
を、非水系のものにしなければならない(特開昭62-170
60号公報;特開昭62-17060号公報)。しかしながら、非
水系減摩剤は処理装置に特殊なものを必要とし、減摩剤
自体も高価である。
〔発明が解決しようとする課題〕
そこで本発明の目的は、減摩剤として取り扱い容易な水
系のものを使用可能にし、併せてニードルパンチ処理の
効果を確実にし、層状剥離を起こしにくく物性的にもす
ぐれたアルミナ繊維質ブランケットを高能率で製造し得
る方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成することに成功した本発明のブランケッ
ト製造法は、アルミニウム化合物の繊維形成性溶液を紡
糸しフリース状に集綿して乾燥することによりアルミナ
繊維前駆体繊維のフリースを製造し、該前駆体繊維のフ
リースを低温度で焼成し、焼成後のフリースを貫通させ
て減摩剤含有気体を強制的に流すことによりフリースに
減摩剤を付着させ、その後フリースをブランケット製造
に必要な厚さに積層し、得られた減摩剤処理済みフリー
ス積層物をニードルパンチ処理したのち低温焼成繊維か
ら結晶質アルミナ繊維が生成するまで高温度で焼成する
ことを特徴とする。
この製造法は、本発明者らによる次のような新規な知見
に基づき完成されたものである。すなわち、前駆体繊維
を焼成して結晶質アルミナ繊維を製造する過程において
一旦比較的低温度で焼成する工程を設けると、そこで得
られた低温焼成繊維は既に十分な耐水性があり、また前
駆体繊維よりもはるかに強度が高く、しかも、高温焼成
して結晶質アルミナを十分に生じさせたものよりも柔軟
性がある。耐水性があることにより、減摩剤として水系
のものを使用できるため、それを繊維に付着させるのに
いわゆるディッピング法その他多くの方法を採用でき、
容易に均一な減摩剤処理を行うことができる。以上によ
り、低温焼成繊維は、ニードルパンチ処理を行うのにき
わめて適した性質のものである。
本発明の製造法によりアルミナ繊維ブランケットを製造
する場合、アルミニウム化合物の溶液から前駆体繊維を
製造する工程は、周知の方法を参照し、任意の方法によ
って行うことができる。通常、好ましい原料アルミニウ
ム化合物は、オキシ塩化アルミニウム、塩基性酢酸アル
ミニウム、塩基性乳酸アルミニウムなどである。これに
少量配合するシリカ源としては、シリカゾル、テトラエ
チルシリケートなどが適当である。アルミニウム化合物
の溶液に繊維形成性を与えるために添加する有機重合体
としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコ
ール、ポリアクリルアミドなどを用いることができる。
上記諸原料の溶液を濃縮し、粘度約1〜500ポイズの紡
糸液を調製し、遠心法、吹出し法などの紡糸法により繊
維化する。
形成された前駆体繊維を紡糸装置直下で走行する集綿コ
ンベアで受け止め、前駆体繊維のフリースすなわち薄い
シート状集積物を得る。これを乾燥後、酸化性雰囲気で
焼成し、前駆体繊維中の有機物およびアルミニウム化合
物を分解する。この焼成は、通常のアルミナ繊維製造工
程における焼成が結晶質アルミナを生じさせ得る1000℃
前後で行われるのに対し、それよりも低い温度、好まし
くは約400℃〜800℃で、実質的に結晶質アルミナを生じ
させないようにして行う。
得られた低温焼成済みフリースに、ニードルパンチ処理
における針と繊維との間の摩擦係数を低下させるための
油剤・減摩剤を付着させる。本発明においては、このと
き用いる減摩剤を気体中に含有させ、かつ該減摩剤含有
気体を、焼成後のフリースを貫通するように強制的に流
すことにより、フリースまたはその積層物の芯部まで減
摩剤を均一に且つ迅速に付着させる。その具体的実施法
としては次のような方法がある。
減摩剤液滴を霧状に浮遊させた空気を調製し、得られ
た減摩剤含有空気をフリースの片面に供給し、加圧する
か反対側から吸引することにより圧力差を生じさせてフ
リースを貫通する気流を生じさせる。フリースを貫通す
る間に、空気中の減摩剤液滴がフリース構成繊維の表面
に付着する。用いる減摩剤は、水性エマルジョン系のも
のでよいが、非水系のものでもよい。
減摩剤液滴を霧状に浮遊させた空気を調製し、これを
100℃以上の温度(非水系の減摩剤の場合は溶剤の沸点
以上の温度)に加熱して水または溶剤を気化させること
により、減摩剤主剤のみが浮遊状態で含まれている空気
を得る。これをフリースの片面に供給し、加圧するか反
対側から吸引することにより圧力差を生じさせてフリー
スを貫通する気流を生じさせる。フリースを貫通する間
に、空気中の減摩剤主剤がフリース構成繊維の表面に付
着する。
比較的低沸点の鉱物油等を減摩剤主剤として用い、こ
れを空気中に噴霧し、加熱して気化させる。あるいは、
上記減摩剤主剤を加熱して気化させ、得られた減摩剤主
剤蒸気を適当な比率で加熱空気と混合する。得られた減
摩剤含有空気を、上記,と同様にして、フリースを
貫通させる。フリース温度を減摩剤主剤の沸点以下の温
度に維持しておけば、空気中の減摩剤主剤はフリースに
凝縮する。
付着させる減摩剤量は、低温焼成済みフリースに対し固
形分として0.5〜5重量%程度とする。
減摩剤処理済みフリースは、適当枚数重ね合わせて、目
的とするブランケットを製造するのに必要な厚さにす
る。
その後、フリース積層物を1〜60回/cm2程度の密度でニ
ードルパンチ処理する。
ニードルパンチを終わった積層物は、約800〜1300℃の
高温酸化性雰囲気で焼成し、繊維を結晶質アルミナ繊維
に変換する。なお、焼成開始の段階において、積層物を
その厚さ方向に圧縮した状態で温度約400〜800℃に加熱
する工程を設けると、ニードルパンチ密度を高くするだ
けでは製造困難なかさ密度約150kg/cm2以上のブランケ
ットを容易に得ることができる。このようにして得られ
る高密度のブランケットは、通常の湿式成形されるボー
ド類に比べ、繊維製造から最終製品まで連続工程で生産
されることによる高い生産性とバインダーを使用しない
ことにより、大幅なコスト低減が可能であり、また品質
においては、繊維長が長く、絡み合いが強いため、脆性
破壊を起こしにくいなど、多大のメリットがある。
〔実施例〕
実施例1 オキシ塩化アルミニウム水溶液(固形分濃度50%,Al2O3
換算濃度23%)1000mlに、20%シリカゾル520ml、6%
ポリビニルアルコール水溶液700mlを添加し、減圧下、4
0℃で濃縮し、粘度30ポイズの紡糸原液を得た。この紡
糸原液を、遠心法により紡糸、集綿、乾燥して前駆体繊
維フリースを得、次いで600℃の空気中で15分間焼成し
た。得られた低温焼成繊維のフリースに、該フリースを
貫通して風速1.0m/secで流れる減摩剤含有空気(パラフ
ィン系鉱物油の水性エマルジョンを空気中に噴霧し、12
0℃に加熱したもの)から対フリース2重量%のパラフ
ィン系鉱物油を付着させた。
次いで処理後のフリース10枚を重ね合わせ、得られたブ
ランケット状積層物にニードルパンチ機で30回/cm2のニ
ードルパンチを施したのち、1250℃で20分間焼成し、結
晶質アルミナ繊維からなるブランケットを得た。得られ
たブランケットは、かさ密度が0.12g/cm3で、引張強度
は1.5kg/cm2、剥離強度は30g/cm2であった。
実施例2 実施例1と同様にしてニードルパンチまでの処理を終わ
った半製品に、600℃で10分間、厚さ方向に5kgf/cm2
圧縮する加圧処理を行い、その後、1250℃で30分間、無
加圧で焼成した。
得られた結晶質アルミナ繊維製ブランケットは、かさ密
度0.35g/cm3、引張強度12.5kg/cm2、曲げ強度7.5kg/c
m2、剥離強度0.1kg/cm2のものであった。
〔発明の効果〕
上述のように、本発明においては低温焼成により耐水性
になり且つニードルパンチ処理に最も適した物性になっ
たところで減摩剤含有空気による処理とニードルパンチ
処理を行うので、安全性の点で問題がある非水系減摩剤
を用いなくてもよいし、ニードルパンチ処理される繊維
に減摩剤を容易かつ均一に付着させることができ、減摩
剤も安価なもので済むなど、多くの点で有利であり、し
かもニードルパンチによる繊維の折れが少なくて済み、
それにより、ニードルパンチ処理が容易になるだけでな
く処理効果が高まり、層状剥離を起こしにくく、形状安
定性や強度の優れたブランケットを安価かつ容易に製造
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−41757(JP,A) 特開 昭62−17060(JP,A) 特公 平3−55578(JP,B2) 特公 平2−15644(JP,B2) 特公 平5−41726(JP,B2) 特公 平1−38901(JP,B2) 特公 昭52−43946(JP,B2)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウム化合物の繊維形成性溶液を紡
    糸しフリース状に集綿して乾燥することによりアルミナ
    繊維前駆体繊維のフリースを製造し、該前駆体繊維のフ
    リースを低温度で焼成し、焼成後のフリースを貫通させ
    て減摩剤含有気体を強制的に流すことによりフリースに
    減摩剤を付着させ、その後フリースをブランケット製造
    に必要な厚さに積層し、得られた減摩剤処理済みフリー
    ス積層物をニードルパンチ処理したのち低温焼成繊維か
    ら結晶質アルミナ繊維が生成するまで高温度で焼成する
    ことを特徴とするアルミナ繊維製ブランケットの製造
    法。
  2. 【請求項2】前駆体繊維の低温度焼成を、繊維中のアル
    ミニウム化合物より結晶質アルミナが実質的に生じない
    温度領域において行う請求項1記載の製造法。
  3. 【請求項3】減摩剤処理済みフリース積層物をニードル
    パンチ処理したのち、積層物の厚さ方向に圧縮した状態
    で400〜800℃に加熱し、次いで無加圧で、低温焼成繊維
    から結晶質アルミナ繊維が生成するまで高温度で焼成す
    ることを特徴とする請求項1記載のアルミナ繊維製ブラ
    ンケットの製造法。
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