JPH0670143U - 電磁継電器 - Google Patents

電磁継電器

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JPH0670143U
JPH0670143U JP1658993U JP1658993U JPH0670143U JP H0670143 U JPH0670143 U JP H0670143U JP 1658993 U JP1658993 U JP 1658993U JP 1658993 U JP1658993 U JP 1658993U JP H0670143 U JPH0670143 U JP H0670143U
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JP1658993U
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Inventor
和雄 高橋
哲也 柴田
Original Assignee
日本信号株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 接点部を大電流の制御に利用しても、断続時
に接点部で溶着が発生することが無く、通電中に接点部
が発熱して高温となり不都合を生じることもない、従っ
て接点部の信頼性が極めて高い電磁継電器を提供する。 【構成】 電磁継電器を、鉄心(3) と継鉄(2) と接極子
(4) とコイル(6) と、接極子(4) に固設された第一可動
接点(D2)とこれと対向する第一固定接点(A2)とでなる第
一接点部(AD2) と、第二可動接点(D3)とこれに対向する
第二固定接点(A3)とでなり前記第一接点部(AD2) と並列
に電気接続された第二接点部(AD3) とを有し、且つ、第
一接点部(AD2) が、溶着しにくい接点材料の組合せで成
り、第二接点部(AD3) が、充分導電性の良い接点材料の
組合せで成り、また、接点閉成時には先ず第一接点部(A
D2) が閉成し次いで第二接点部(AD3) が閉成し、接点開
放時には先ず第二接点部が離反し次いで第一接点部(AD
2) 離反するよう構成する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、大電流を制御するための電磁継電器に関し、詳しくは接点部の改良 に関する。
【0002】
【従来の技術】
電磁継電器は、各種制御のために主として所定制御信号を得るために用いられ る他、電気機器の運転制御のために大電流を制御する用途にも多く使われている 。 上述の電気機器等へ供給される大電流を制御する場合の使用法の一例とこれに 用いる電磁継電器の例について以下説明する。 第5図は、従来の電磁継電器50と、これにより制御される電気機器12との 接続の一例を示す図であり、図示のヒンジ方式の電磁継電器50は周知のごとく 継鉄(ヨーク)2とこれに一体に固着した鉄心3、前記継鉄2の上端にヒンジ結 合された接極子4により磁気回路が形成されており、前記鉄心3にボビンを介し て巻かれたコイル6に通電する(動作時)と生じる電磁吸着力により前記接極子 4が鉄心3に吸着される。
【0003】 この動作時には絶縁基台5を介して接極子4に取り付けられた可動接片(接点 バネ)C4の一端片面に設けた可動接点D4が移動して対向して配置されたメイ ク接点A1と接触し可動接片C4側の可動端子E及びメイク接点A1側の端子F 間が導通し導電路が形成される。 またコイル6を励磁していない時(以下、落下時と記す)には、接極子4は復 帰バネ手段7の付勢力(引張力)により復帰し、導電路(端子E−F間)は開放 となるように構成されている。 なお、1は電磁継電器のケースであり、図示しない蓋部材とともに略密閉され た外容器を構成して電磁継電器の主要部を保護する。
【0004】 この電磁継電器50の前記可動端子E及び固定端子Fを介して(いわゆるメイ ク接点部を通して)各種の被制御機器(電気機器)12が商用電源11に接続さ れており、電磁継電器50のON・OFFによりこれら電気機器12へ供給され る電流が断続され電気機器の運転あるいは停止が制御される。
【0005】 電磁継電器50の前記励磁コイル6は、スイッチを介して電源(或いは制御回 路出力)8に接続されている。運転スイッチ9は電気機器の操作者により電磁継 電器50の通常のON・OFFに用いられ、随時に電気機器12の運転を停止さ せることができる。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、上述の電気機器の制御のように電磁継電器で電流を制御する場合、 前記導電路を形成する前記可動接点D4と固定接点A1の接触電気抵抗値が低い 材料として銀材料が用いられている。
【0007】 然しながら、銀対銀の接点(以下、「銀−銀」接点と記載する)は、抵抗が低 いという利点はあるが、大電流を制御する場合には閉成時あるいは開放時に生じ るアーク放電による高熱で両接点が溶着する場合がある。こうした溶着が生じる と電気機器12の運転を停止するために電磁継電器50の励磁を停止しても、溶 着部分が復帰バネ7の付勢力に抗して溶着状態を保ちメイク接点部が開放せず、 操作者の意図に反して電気機器12が停止しない事態となる。これは言うまでも なく大変危険で大事故にも繋がりかねない。従って、この原因となる接点の溶着 を防止することが必要である。
【0008】 ところで、接点に大電流を流す電磁継電器に於いては、アーク放電による溶着 対策として、アーク放電が生じても溶着することがない接点材料(2つの端子夫 々の材料の組合せ)が選択されている。溶着が生じない接点材料の組合せとして は、例えば一方の接点の材料に「銀カーボン」を用い他方の接点の材料に銀を用 いる組合せが知られており、この組合せを用いた接点(以下、「銀カーボン−銀 」接点と記載する)がひろく使われている。
【0009】 上記「銀カーボン−銀」接点の採用は、溶着を防止するには極めて有効な対策 であるが、接触抵抗は「銀−銀」接点に比して格段に高い。このため大電流を制 御する用途には使用時に多量の熱を発生して高温度となる。
【0010】 以上説明したように、大電流を扱う電磁継電器においては抵抗値が低く且つ溶 着しにくい接点構成が模索されていた。 本願考案は以上のような状況に鑑みて成されたもので、接点の溶着を有効に防 止し、しかも接点の抵抗値が低く温度上昇を抑えて大電流を扱うことができる新 規な接点構造を持った電磁継電器を新たに提案することを目的としたものである 。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本願第一の考案では、電磁継電器を、 磁気回路を構成する鉄心と継鉄及び接極子と、前記鉄心に巻回されたコイルと 、前記接極子に固設された第一可動接片の先端部片面に設けられた第一可動接点 とこの第一可動接点と対向して接触する第一固定接点とでなる第一接点部と、前 記接極子に固設された第二可動接片の先端部に設けられた第二可動接点とこの第 二可動接点と対向して接触する第二固定接点とでなり、前記第一接点部と並列に 電気接続された第二接点部と、前記接極子を前記鉄心と離反するように付勢する 復帰バネ手段とを有し、 第一接点部の両接点が、接点の閉成あるいは開放時に発生するアーク放電によ り溶着しにくい接点材料の組合せで成り、第二接点部の両接点が、第一接点部よ り充分導電性の良い接点材料の組合せで成り、 両接点部が閉成する際には、先ず前記第一接点部の両接点が接触し、次いで第 二接点部の両接点が接触し、両接点部が開放する際には、先ず前記第二接点部の 両接点が離反し、次いで第一接点部の両接点が離反するように構成する。
【0012】 また本願第二の考案では、電磁継電器を、 磁気回路を構成する鉄心と継鉄及び接極子と、前記鉄心に巻回されたコイルと 、前記接極子に固設された第一可動接片の先端部片面に設けられた第一銀可動接 点とこれと対向して接触する銀カーボン固定接点とでなる第一メイク接点部と、 前記接極子に固設された第二可動接片の先端部片面に設けられた第二銀可動接点 とこれと対向して接触する銀固定接点とでなり、前記第一メイク接点部と並列に 電気接続された第二メイク接点部と、前記接極子を付勢し前記第一メイク接点部 及び第二メイク接点部を開放状態に保つ復帰バネ手段とを有し、 動作時には、先ず前記第一メイク接点部が閉成し、次いで第二メイク接点部が 閉成し、落下時には、先ず前記第二メイク接点部が開放し、次いで第一メイク接 点部が閉成するように構成する。
【0013】
【作用】
本願第一の考案の電磁継電器では、 接点部が閉成する際には、先ず第一接点部の両接点が接触する。この時アーク 放電が生じるが第一接点部は溶着しにくい接点材料の組合せ(例えば「銀カーボ ン−銀」接点)であるから溶着は生じない。次いで直ちに第一接点部に較べ充分 導電性の良い接点材料の組合せ(例えば「銀−銀」接点)で成る第二接点部が閉 成するから接点部の抵抗値は極めて低くなり大電流を継続的に使用してもジュー ル熱による温度上昇は少なく事故や故障の心配がない。 また、接点部が開放する際には、先ず前記第二接点部の両接点が離反するが、 この時には第一接点が接触していて所定の大電流が流れているからアーク放電が 発生することはなく従って溶着の心配は無い。次いで第一接点部の両接点が離反 し、この時アーク放電が発生するが第一接点部は溶着することはない。
【0014】 また、本願第二考案の電磁継電器は、 動作時には、先ず「銀カーボン−銀」接点である第一メイク接点部が閉成し溶 着を回避し、次いで直ちに「銀−銀」接点である第二メイク接点部が閉成し抵抗 値の低い導電路が形成される。一方、落下時には、先ず前記第二メイク接点部が 開放し、次いで第一メイク接点部がアーク放電を伴い閉成するが「銀カーボン− 銀」接点であるから溶着は回避される。
【0015】
【実施例】
本願考案は、既述したように接点開放あるいは閉成時に生ずるアーク放電に伴 いに発生する高熱がかかっても溶着しにくい例えば「銀カーボン−銀」接点(第 一接点)と、溶着は生じ易いが接触抵抗の極めて低い例えば「銀−銀」接点(第 二接点)との2種類の接点夫々の特徴を有効に活かすために両接点を並列に電気 接続して大電流の制御用の継電器接点(例えばメイク接点部)として使用し、し かも夫々の接点が接触あるいは離反する時間的タイミングを適切にずらして選定 して構成するという技術思想に基づくものである。
【0016】 即ち、例えば後述するように、両接点部の可動接点の配置(位置関係)に基づ き両者を並列接続した合成接点が閉成する場合には、先に「銀カーボン−銀」接 点(第一接点)が接触しこの時の溶着を防止する。次いで、極めて短時間後に「 銀−銀」接点(第二接点)が接触するが、この時には既に第一接点が接触してお りこの第一接点を介して所定の大電流が流れているからアーク放電が発生するこ とはなく従って溶着の心配も無い。第二接点が接触した後には合成接点の接触抵 抗値は極めて低いものとなり大電流を流し続けても発熱量は少なく発熱による故 障や事故を回避することができる。
【0017】 反対に合成接点が離反する場合には先に「銀−銀」接点(第二接点)が先ず離 反するが、この時にはまだ第一接点が接触しているからこの第一接点を介して所 定の大電流が流れ続けるからアーク放電が発生することはなく従って溶着の心配 も無い。次いで、極めて短時間後に「銀カーボン−銀」接点(第二接点)が離反 し合成接点全体として離反が完了するがこの時生じるアーク放電は「銀カーボン −銀」接点(第一接点)部に生じるから溶着が生じることは無い。
【0018】 なお、単に上述条件を実現するためには上記2種類の接点を夫々が持った既存 リレーを別々に用意し、例えばメイク接点部同士を並列接続するとともに適宜の 時間制御回路により2つの電磁継電器を時間をずらして適宜駆動することにより 目的を達成することもできるが、これでは電磁継電器1個と時間制御回路の付加 が必要で、費用の点、占有スペースの点また信頼性の面で実用的ではないことは 明らかである。 しかし、本願考案では従来と略同様の主要構成を持つ一個の電磁継電器の、接 点構成を工夫するのみで上述条件を実現している。これによれば寸法の増加や価 格の上昇あるいは信頼性の低下が殆ど無い。
【0019】 以下、実施例に基づき添附図面を用いて本考案を詳細に説明する。 図1は、本願考案の電磁継電器の一実施例を示す側断面図(a)及び平面図( b)である。 図の電磁継電器20は、ヒンジ方式で継鉄(ヨーク)2とこれに一体に固着し た鉄心3、継鉄2の上端にヒンジ結合された接極子4により磁気回路が形成され ており、前記鉄心3にはボビンを介してコイル6が巻かれている。7は復帰バネ 手段であり前記継鉄2の下部に固着された係止片と前記接極子4の端部間に張設 されて接極子4を鉄心3から離間させるように付勢している。また、1は電磁継 電器のケースであり、図示しない蓋部材とともに略密閉された外容器を構成して 電磁継電器の主要部を保護する。なお、これらは先に説明した従来の電磁継電器 と同等の部分である。
【0020】 さて、実施例の電磁継電器20では、前記接極子4に絶縁基台5を介して取り 付けられた接点バネCの支点(ヒンジ部)側は一枚の板状接続部C1となってい るが、反対側の先端は2つの接点バネ(可動接片)C2、C3に分離しており互 いに異なる角度で延びている。即ち、一方の接点バネC3(第二可動接片)は、 他方の接点バネC2(第一可動接片)に比べて絶縁基台5の直近部分からより上 方に適宜角度で折り曲げられている。二つの接点バネC2、C3夫々の先端所定 面には夫々可動接点D2、D3が設けられている。
【0021】 そしてケース1に固定された金属製の端子板Aには第一可動接点D2、第二可 動接点D3に夫々対応して第一固定接点A2及び第二固定接点A3が設けられて いる。従って、可動接点D2と固定接点A2は一つの接点部(第一接点部AD2 )を形成し、可動接点D3と固定接点A3も一つの接点部(第二接点部AD3) を形成している。なお、両接点部はコイル6を励磁した場合に閉成するいわゆる メイク接点である。 以上の構成から、第一可動接点A2は第二可動接点A3に比して固定接点側に より近い位置にあり、動作時には第一可動接点A2とこれに対応する第一固定接 点A2が先に接触する。
【0022】 前記第一接点部を形成する2つの接点D2、A2の材質は、互いに溶着し難い 組合せの材質が選定される。実施例では、接点D2は「銀カーボン」で、接点A 2は「銀」で作られている(「銀カーボン−銀」接点)。 一方、前記第二接点部を形成する2つの接点D3、A3の材質は、接触時の抵 抗値が極力低い組合わせの材質が選定される。実施例では、接点D3及び接点A 3は共に「銀」で作られている(「銀−銀」接点)。なお、この第二接点部は溶 着に対する性質を考慮せずに選択して良く、単に抵抗値に着目して選定すれば良 い。
【0023】 付言すると本願考案では第二接点部の抵抗値は第一接点部の抵抗値に較べて充 分低いものを選定することが条件であるが、実施例で用いた「銀カーボン−銀」 接点は抵抗値が高いので、通常の金属同士の接点ならば大部分が適合するが、酸 化防止等の観点から実績のある「銀−銀」接点が好適である。
【0024】 なお、実施例では第一接点部を構成する2つの接点D2、A2のうちD2に「 銀カーボン」を、接点A2に「銀」を用いたが、材料を逆に用いても勿論良い。 要は、接点としての性質が第一接点部では対溶着性が良く、第二接点部では抵 抗値が低ければ良い。
【0025】 次に、実施例の電磁継電器20の動作を説明する。 実施例の電磁継電器20も図5に示したと同様に接続されて、そのメイク接点 部即ち前述第一接点部と第二接点部の合成接点を介して電流を断続することによ り各種電気機器を制御する。 電磁継電器20は、コイル6が励磁されていない復旧時(図1参照)において は、復帰バネ手段7の作用で接極子4は鉄心3から離間しており、これに固着さ れた可動接点D2及びD3は共に、対応する固定接点と離反している。なお、こ の時可動接点D3のほうが可動接点D2より上方、即ち固定接点とより離反した 状態にある。
【0026】 さて、動作時にはコイル6が励磁され、接極子4が鉄心3に吸引されて落下時 位置より移動を開始し、先ず第一接点部の可動接片D2が固定メイク接点A2と 接触し端子C及びメイク接点端子A間が導通し導電路が形成される(図2参照) 。この時アーク放電が伴うが、「銀カーボン−銀」接点である可動接片D2と固 定メイク接点A2が溶着することはない。そして、この第一接点を介して接続さ れた電気機器に対して大電流が供給される。 接極子4は更に移動を続けるから、次いで、第二接点部の可動接片D3が対応 する固定メイク接点A3と接触し全体としての動作が完了する(図3参照)。以 降は、主として抵抗値の低い第二接点部(「銀−銀」接点)を介して大電流が所 定電気機器へと供給されるので、接点部での発熱は少なく電磁継電器の温度もあ まり上昇することはない。
【0027】 逆に、コイル6の励磁を停止した時(以下、落下時と記す)には、接極子4は 復帰バネ手段7の付勢力(引張力)により復帰を開始し、先ず第二接点部の可動 接片D3が対応する固定メイク接点A3と離間する(図2参照)。しかし、第一 接点部はまだ閉成しているから接続された電気機器に対して大電流が供給され続 け、アーク放電が発生する虞はなく当然ながら第二接点部で溶着が生じる虞もな い。
【0028】 接極子4は更に移動を続け、次いで第一接点の可動接片D2が対応する固定メ イク接点A2と離反する。この時には大電流が遮断されるためアーク放電が伴う が、「銀カーボン−銀」接点である可動接片D2と固定メイク接点A2が溶着す ることはない。以上で全体としての落下動作が完了し、電磁継電器20のメイク 接点部は開放となる。
【0029】 以上説明したように、本願考案の電磁継電器は、接極子に固設され先端に第一 可動接点を設けた第一可動接片及び前記第一可動接点と接触する第一固定接点と でなる第一接点部と、同じ接極子に固設され先端に第二可動接点を設けた第二可 動接片及び前記第二可動接点と接触する第二固定接点とでなり前記第一接点部と 並列に電気接続された第二接点部とを具備している。 そして、両接点部が閉成する際には、先ず前記第一接点部の両接点が接触し、 次いで第二接点部の両接点が接触する。一方、両接点部が開放する際には、先ず 前記第二接点部の両接点が離反し、次いで第一接点部の両接点が離反するように 構成されている。 更に、第一接点部の両接点が、接点の閉成あるいは開放時に発生するアーク放 電により溶着しにくい接点材料の組合せであり、第二接点部の両接点が、第一接 点部より充分導電性の良い接点材料の組合せが選定されている。
【0030】 次に、図4に本願考案の電磁継電器の他の実施例を示す。この電磁継電器30 は、一本の接点バネに2つの可動接点を離間して設けたものである。 図4(a)、(b)及び(c)は、いずれも第二実施例の電磁継電器30を示 す側断面図であり(a)は落下状態を、(c)は動作状態を、又(b)は両状態 間の移行途中での状態を示している。 図の電磁継電器30は、概略前実施例と同様の構成を持ち、接点部の構造のみ 異なる。 即ち、継鉄(ヨーク)2と鉄心3、接極子4により磁気回路が形成されており 、前記鉄心3にはボビンを介してコイル6が巻かれている。7は復帰バネ手段、 1はケースである。
【0031】 さて、図示の電磁継電器30は、前記接極子4に絶縁基台5を介して取り付け られた接点バネCの支点(ヒンジ部)と反対側の接点バネC4(可動片)の先端 片面には第一可動接点D2が、またこれより支点側に所定距離離間して第二可動 接点D3が設けられている。そしてケース1に固定された金属製の端子板A′に は両可動接点D2、D3に夫々対応して第一固定接点A2及び第二固定接点A3 が設けられている。従って、第一可動接点D2と第一固定接点A2は一つの接点 部(第一接点部)を形成し、第二可動接点D3と第二固定接点A3も一つの接点 部(第二接点部)を形成している。 そして、前記接点バネC4は略中央で曲げられていて先端部の第一可動接点D 2が第二可動接点D3に較べて前記端子板A′により接近して位置するように形 成されている。
【0032】 前実施例と同様に、前記第一接点部を形成する2つの接点D2、A2の材質は 互いに溶着し難い組合せであり、接点D2は「銀カーボン」で、接点A2は「銀 」で作られている(「銀カーボン−銀」接点)。また、前記第二接点部を形成す る2つの接点D3、A3の材質は、接触時の抵抗値が極力低いように接点D3及 び接点A3共に「銀」で作られている(「銀−銀」接点)。
【0033】 この電磁継電器30も例えば図5に示したと同様に接続して用いられ、メイク 接点部を介して電流を断続し各種電気機器12を制御する。 電磁継電器30は、コイル6が励磁されていない落下時(図4a参照)におい ては、復帰バネ手段7の作用で接極子4は鉄心3から離間しており、これに固着 された可動接点D2及びD3は共に、対応する固定接点と離間している。なお、 この時第二可動接点D3のほうが第一可動接点D2より固定接点とより離間した 状態にある。
【0034】 そしてコイル6が励磁されると(動作時)、接極子4が鉄心3に吸引されて落 下時位置より移動を開始し、先ず第一接点部の可動接片D2が固定メイク接点A 2と接触し端子C及びメイク接点端子A間が導通し導電路が形成される(図4b )。この時アーク放電が発生しても可動接片D2と固定メイク接点A2(「銀カ ーボン−銀」接点)は溶着しない。そして、この第一接点部を介して接続された 電気機器に対して大電流が供給される。 接極子4は更に移動を続け、第二接点部の可動接片D3が対応する固定メイク 接点A3と接触し全体としての動作が完了する(図4c)。以降は、主として抵 抗値の低い第二接点部(「銀−銀」接点)を介して大電流が所定電気機器へと供 給されるから、接点部での発熱は少なく電磁継電器の温度はあまり上昇しない。
【0035】 逆に、コイル6の励磁を停止すると(落下時)、接極子4は復帰バネ手段7の 付勢力(引張力)によりブレーク接点B1側に復帰を開始し、先ず第二接点部の 可動接片D3が対応する固定メイク接点A3と離反する(図4b)。しかし、第 一接点部により電気機器に対しては電流が供給され続け、アーク放電は発生せず 当然ながら溶着が生じる虞はない。 接極子4は更に移動を続け、第一接点の可動接片D2が対応する固定メイク接 点A2と離反し電磁継電器20のメイク接点部は全体として開放となる。この時 に大電流が遮断されるためアーク放電が伴うが、可動接片D2と固定メイク接点 A2(「銀カーボン−銀」接点)は溶着することはない。 以上説明した各実施例では、電磁継電器のメイク接点部を2つの接点で構成し ているが、ブレイク接点側を同様な2つの接点で構成し溶着を防止してもよい。
【0036】
【考案の効果】
以上詳述したとおり本願第一考案の電磁継電器は、 接極子に固設された第一可動接片の先端に設けた第一可動接点及び前記第一可 動接点と接触する第一固定接点とで構成され、接点の閉成あるいは開放時に発生 するアーク放電による熱が加わっても溶着しにくい接点材料の組合せを採用した 第一接点部と、 前記接極子に固設された第二可動接片の先端に設けた第二可動接点及び前記第 二可動接点と接触する第二固定接点とで構成され、充分導電性の良い接点材料の 組合せを採用した第二接点部とを有し、且つ、両接点部が並列接続されており接 点部が閉成する際には、第一接点部次いで第二接点部の順で所定接点が接触し、 反対に開放する際には、先ず第二接点部次いで第一接点部の順で所定接点が離反 するように構成されているから、 前記接点部を大電流の制御に利用しても、断続時に接点部で溶着が発生するこ とが無く、通電中には発熱して高温となり不都合を生じることもなく、従って接 点部の信頼性が極めて高い。
【0037】 また、本願第二考案の電磁継電器は、 接極子に固設された第一可動接片の先端の第一銀接点及び前記銀接点と動作時 に接触する銀カーボン固定接点で上述考案の第一接点部である第一メイク接点部 を構成し、また接極子に固設された第二可動接片の先端の第二銀接点及び前記銀 接点と動作時に接触する銀固定接点で上述考案の接点部である第二メイク接点部 を構成したので、 上述考案同様にメイク接点部を大電流の制御に利用しても、断続時に接点部で 溶着が発生することが無く、通電中には発熱して高温となり不都合を生じること もなく、従ってメイク接点部の信頼性が極めて高い。この電磁継電器でメイク接 点部により電気機器等を制御すれば制御システムのフエイルセーフ性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願考案の電磁継電器の一実施例を示す側断面
図(a)及び平面図(b)である。
【図2】図1の電磁継電器の一状態を示す側断面図であ
る。
【図3】図1の電磁継電器の一状態(動作時)を示す側
断面図である。
【図4】本願考案の電磁継電器の他の実施例を示す夫々
異なる状態を示す側断面図(a)、(b)及び(c)で
ある。
【図5】従来の電磁継電器の一例とその使用形態を説明
する図である。
【符号の説明】
2…継鉄、 3…鉄心、 4…接極子、 6…コイル、
7…復帰バネ、A2…第一固定接点(銀カーボン固定
接点)、A3…第二固定接点(銀固定接点)、AD2…
第一接点部(第一メイク接点部)、AD3…第二接点部
(第二メイク接点部)、D2…第一可動接点(第一銀可
動接点)、D3…第二可動接点(第二銀可動接点)、C
2…第一可動接片、C3…第二可動接片。

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気回路を構成する鉄心(3) と継鉄(2)
    及び接極子(4) と、 前記鉄心(3) に巻回されたコイル(6) と、 前記接極子(4) に固設された第一可動接片(C2)の先端部
    片面に設けられた第一可動接点(D2)とこの第一可動接点
    (D2)と対向して接触する第一固定接点(A2)とでなる第一
    接点部(AD2) と、 前記接極子(4) に固設された第二可動接片(C3)の先端部
    片面に設けられた第二可動接点(D3)とこの第二可動接点
    (D3)と対向して接触する第二固定接点(A3)とでなり、前
    記第一接点部(AD2) と並列に電気接続された第二接点部
    (AD3) と、 前記接極子(4) を前記鉄心(3) から離反するように付勢
    する復帰バネ手段(7)とを有し、 第一接点部(AD2) の両接点(A2,D2) が、接点の閉成ある
    いは開放時に発生するアーク放電により溶着しにくい接
    点材料の組合せで成り、 第二接点部(AD3) の両接点(A3,D3) が、第一接点部(AD
    2) より充分導電性の良い接点材料の組合せで成り、 両接点部(AD2,AD3) が閉成する際には、先ず前記第一接
    点部(AD2) の両接点(A2,D2) が接触し、次いで第二接点
    部(AD3) の両接点(A3,D3) が接触し、 両接点部(AD2,AD3) が開放する際には、先ず前記第二接
    点部(AD3) の両接点(A3,D3) が離反し、次いで第一接点
    部(AD2) の両接点(A2,D2) が離反するように構成されて
    いる電磁継電器。
  2. 【請求項2】 磁気回路を構成する鉄心(3) と継鉄(2)
    及び接極子(4) と、 前記鉄心(3) に巻回されたコイル(6) と、 前記接極子(4) に固設された第一可動接片(C2)の先端部
    片面に設けられた第一銀可動接点(D2)とこれと対向して
    接触する銀カーボン固定接点(A2)とでなる第一メイク接
    点部(AD2) と、 前記接極子(4) に固設された第二可動接片(C3)の先端部
    片面に設けられた第二銀可動接点(D3)とこれと対向して
    接触する銀固定接点(A3)とでなり、前記第一メイク接点
    部(AD2) と並列に電気接続された第二メイク接点部(AD
    3) と、 前記接極子(4) を付勢し前記第一メイク接点部(AD2) 及
    び第二メイク接点部(AD3) を開放状態に保つ復帰バネ手
    段(7) とを有し、 動作時には、先ず前記第一メイク接点部(AD2) が閉成
    し、次いで第二メイク接点部(AD3) が閉成し、 落下時には、先ず前記第二メイク接点部(AD3) が開放
    し、次いで第一メイク接点部(AD2) が閉成するように構
    成されたことを特徴とする電磁継電器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108493057A (zh) * 2018-06-02 2018-09-04 宁波赛特勒电子有限公司 一种新型电磁继电器
WO2020012705A1 (ja) * 2018-07-13 2020-01-16 オムロン株式会社 閉鎖型継電器
KR102076070B1 (ko) * 2018-09-18 2020-02-11 한밭대학교 산학협력단 에너지 저장 시스템(ess)의 복수의 접점을 가지는 기계식 릴레이

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