JPH0669354U - ガス燃焼エンジン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、都市ガスその他の燃料ガスを爆発
燃焼させて動力を得るガス燃焼エンジンに関し、混合気
の空気過剰率を所望の値に精度よく確実に設定すること
を目的とする。 【構成】 混合気を燃焼室に導く導入路と、排気ガスか
ら所定の成分を除去する触媒と、前記排気ガスに含まれ
る酸素量を検出するセンサと、前記センサによって検出
された排気ガスの酸素量に応じて開閉し、前記導入路に
燃料ガスと空気とから前記混合気を生成するミキサをバ
イパスして前記混合気の空燃比を適正化する制御手段と
を備えたガス燃焼エンジンにおいて、前記ミキサ下流で
前記制御手段によって燃料ガスが注入される接続部に前
記混合気の流速を増加させるベンチュリーを挿設して構
成される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、都市ガスその他の燃料ガスを爆発燃焼させて動力を得るガス燃焼エ ンジンに関する。

【０００２】

【従来の技術】

内燃機関にはガソリンエンジン、ディーゼルエンジンのように種々のものがあ るが、例えば、自動車には、内燃機関の搭載位置、駆動輪の方式その他の仕様に 適応させてガス燃料エンジンを搭載したものがある。

【０００３】 図２は、従来のガス燃料エンジンの構成例を示す図である。 図において、ミキサ２１の一方の入力端は空気の供給路に接続され、ミキサ２ １の他方の入力端にはガスレギュレータ２２を介して都市ガスが与えられる。ガ スレギュレータ２２のバルブ調節口は、バランスパイプ２３を介して上述した空 気の供給路に接続される。ミキサ２１の他方の入力端と出力端との間には、リニ アソレノイドバルブ２４を介してバイパス路２５が形成される。ミキサ２１の出 力端にはスロットルバルブ２６を介して燃焼室２７に至る導入路２８が形成され 、その導入路のスロットルバルブ２６より下流の位置には圧力センサ２９が配置 される。燃焼室２７の排出口は触媒（三元触媒）３０を介して排気ガスの排出路 に連結され、その排出路上における触媒３０の上流側と下流側とには個別にセン サ３１₁ 、３１₂ が配置される。圧力センサ２９およびセンサ３１₁ 、３１₂ の 出力は、リニアソレノイドバルブ２４およびバイパス路２５と共に制御手段を構 成する制御装置（ＥＣＵ）３２の入力に接続され、その出力はリニアソレノイド バルブ２４の制御入力に接続される。

【０００４】 このような構成のガス燃焼エンジンでは、ミキサ２１は、ガスレギュレータ２ ２を介して供給される都市ガスに空気を混合し、空気過剰率λが「１」よりやや 大きな値となる一次的な混合気を生成する。

【０００５】 一方、制御装置３２は、このような混合気の圧力に対応した適正な空燃比で得 られる排気ガスの含有酸素量をテーブルとして予め記憶する。このような制御装 置３２は、圧力センサ２９によって検出される混合気の圧力に基づいて上述した テーブルを参照することにより排気ガスの適正含有酸素量を求め、その適正含有 酸素量とセンサ３１₁ 、３１₂ によって排気ガスから実際に検出された含有酸素 量とを差分を求める。制御装置３２は、このよにして求められた差分に基づいて リニアソレノイドバルブ２４の開度を可変制御する。

【０００６】 したがって、このような可変制御の過程では、上述した空気過剰率は、バイパ ス路２５とリニアソレノイドバルブ２４とを介して注入される都市ガス（バイパ スガス）によって適正値である「１」に調整される。

【０００７】 また、触媒３０は、このようにしてガス燃焼エンジンの運転状況（回転数、混 合気の圧力その他）に応じた適正値の空気過剰率により、燃焼室２７から排出さ れる排気ガスに含まれる所定の有害物質を効率的に除去して排気路に導く。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、このような従来のガス燃焼エンジンでは、ミキサ２１の出力とリニ アソレノイドバルブ２４の出力との合流点における混合気の圧力と、バイパス路 ２５を介してその合流点に供給されるバイパスガスとの圧力との差が小さいため に、そのバイパスガスの注入が確実に行われず、空気過剰率の精度が低下した。

【０００９】 また、このような場合には、触媒３０を介して排出される排気ガスに含まれる 有害物質の量が増加して大気汚染の防止基準が満足できない可能性があった。 本考案は、混合気の空気過剰率を所望の値に精度よく確実に設定することを目 的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】 本考案は、混合気を燃焼室に導く導入路と、排気ガスから所定の成分を除去す る触媒と、前記排気ガスに含まれる酸素量を検出するセンサと、前記センサによ って検出された排気ガスの酸素量に応じて開閉し、前記導入路に燃料ガスと空気 とから前記混合気を生成するミキサをバイパスして前記混合気の空燃比を適正化 する制御手段とを備えたガス燃焼エンジンにおいて、前記ミキサ下流で前記制御 手段によって燃料ガスが注入される接続部に前記混合気の流速を増加させるベン チュリーを挿設したことを特徴とする。

【００１１】

【作用】

本考案にかかわるガス燃焼エンジンでは、ベンチュリーは、導入路上で燃料ガ スが注入される接続部における混合気の流速を増加させ、その接続部における混 合気の圧力を注入される燃料ガスの圧力より低下させる。したがって、導入路上 では、制御手段の制御の下で確実に燃料ガスが注入され、混合気の空気過剰率が 所望の値に精度よく確実に設定される。

【００１２】

【実施例】

以下、図面に基づいて本考案の実施例について詳細に説明する。 図１は、本考案の一実施例を示す図である。

【００１３】 本実施例の特徴はミキサ２１の出力とリニアソレノイドバルブ２４の出力との 合流点にベンチュリー１１を挿設した点にあり、その他の構成については、図２ に示す従来例と同じである。

【００１４】 本実施例では、ベンチュリー１１はミキサ２１によって生成された混合気の通 路の幅を狭めることにより流速を増加させる。したがって、リニアソレノイドバ ルブ２４を介してバイパスガスが注入される点における混合気の圧力は従来例に 比べて低下し、バイパスガスの圧力はそのバイパスガスが注入される混合気の圧 力に比べて確実に高くなる。さらに、これらの圧力の差は、ミキサ２１によって 生成される混合気の流量が増減しても、その増減の程度に比例して変化する。

【００１５】 すなわち、本実施例によれば、ミキサ２１を介して生成された混合気にはその 混合気の流量に比例した量のバイパスガスが確実に注入されるので、導入路２８ を介して燃焼室に導かれる混合気の空気過剰率は所望の値に精度よく保たれ、触 媒３０による排気ガスの効率的な処理が行われる。

【００１６】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案では、導入路上でバイパスガスが注入される位置 における混合気の圧力をベンチュリーを介して低下させて混合気とバイパスガス との圧力差を増加することにより、排気ガスに含まれる酸素量に応じてバイパス ガスの注入量を可変する制御を確実に行う。

【００１７】 したがって、本考案を適用したガス燃焼エンジンでは、空燃比の適正化が精度 よく行われ、触媒が効率的に排気ガスを処理可能な条件が保たれて性能が高めら れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す図である。

【図２】従来のガス燃焼エンジンの構成例を示す図であ
る。

【符号の説明】

１１ ベンチュリー ２１ ミキサ ２２ ガスレギュレータ ２３ バランスパイプ ２４ リニアソレノイドバルブ ２５ バイパス路 ２６ スロットルバルブ ２７ 燃焼室 ２８ 導入路 ２９ 圧力センサ ３０ 触媒 ３１ センサ ３２ 制御装置（ＥＣＵ）

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 混合気を燃焼室に導く導入路と、排気ガ
   スから所定の成分を除去する触媒と、前記排気ガスに含
   まれる酸素量を検出するセンサと、前記センサによって
   検出された排気ガスの酸素量に応じて開閉し、前記導入
   路に燃料ガスと空気とから前記混合気を生成するミキサ
   をバイパスして前記混合気の空燃比を適正化する制御手
   段とを備えたガス燃焼エンジンにおいて、前記ミキサ下
   流で前記制御手段によって燃料ガスが注入される接続部
   に前記混合気の流速を増加させるベンチュリーを挿設し
   たことを特徴とするガス燃焼エンジン。