JPH0668462B2 - 内燃機関の燃焼監視装置 - Google Patents

内燃機関の燃焼監視装置

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JPH0668462B2
JPH0668462B2 JP23581185A JP23581185A JPH0668462B2 JP H0668462 B2 JPH0668462 B2 JP H0668462B2 JP 23581185 A JP23581185 A JP 23581185A JP 23581185 A JP23581185 A JP 23581185A JP H0668462 B2 JPH0668462 B2 JP H0668462B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、内燃機関の燃焼圧力を検出して燃焼状態を把
握する燃焼監視装置に関する。
(従来の技術) 近時、エンジンのより高い燃料経済性、運転性が要求さ
れる傾向にあり、かかる観点からマイクロコンピュータ
等を利用して燃焼状態を最適に制御することが行われ
る。
燃焼状態を把握する方法の1つとしてシリンダ内におけ
る燃焼ガスの圧力(以下、筒内圧という)を検出する方
法があり、そのための手段として従来、例えば第20図
(a)〜(c)に示すようなものが知られている(特公
昭41−5154号公報、SAE テクニカルペーパ 750883号
等参照)。
第20図(a)において、1はエンジンのシリンダヘッド
を示し、シリンダヘッド1に形成された点火栓ネジ孔2
には点火栓3が螺合される。点火栓3と取付座面4との
間には座金としての圧力センサ5が挟み込まれて共締め
される。圧力センサ5は第20図(b)、(c)に示すよ
うにリング型の中心電極6を中心にしてその両面に2枚
のピエゾ圧電素子7と、さらにその外側に上面電極8と
下面電極9を順次積層して構成され、これらの内外周は
絶縁性のモールド部材10で一体に固定される。また、中
心電極6からはリード線11がモールド部材10を通して取
り出される。
このような圧力センサ5は点火栓3の座金として締め付
けられているため、シリンダ内の燃焼圧力が点火栓3に
作用すると、その締付力が増減変化して圧電素子7の発
生電荷が変化し筒内圧に応じた大きさの電荷信号を出力
する。したがって、エンジンの燃焼圧力を電気的信号と
して利用し易い形で取り出すことができる。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、このような従来の内燃機関の燃焼監視装
置にあっては、エンジンが正常燃焼しているとの前提の
基にその燃焼圧力を検出する構成となっているため、例
えばエンジンが失火したような場合には筒内圧が単なる
モータリング波形となる。かかる場合、低負荷燃焼であ
るか否か等の判断に困難を伴うことがあり、燃焼状態の
監視精度が低下して監視装置としての信頼性が低下す
る。その結果、このような監視情報に基づいてエンジン
の燃焼状態を制御すると、燃焼状態の悪化を招く。
(発明の目的) そこで本発明は、センサ出力の低周波振動成分と高周波
振動成分にそれぞれ燃焼エネルギに関連した特有の正常
パターンがあることに着目し、これら各成分の分析から
その正常/異常を判別してエンジンの失火を判定するこ
とにより、燃焼状態の監視精度を高めて、燃焼監視情報
としての信頼性を向上させることを目的としている。
(発明の構成) 本発明による内燃機関の燃焼監視装置はその基本概念図
を第1図に示すように、エンジンの燃焼圧力を検出する
圧力検出手段aと、圧力検出手段aの出力から所定の低
周波振動成分を抽出する第1抽出手段bと、圧力検出手
段aの出力から所定の高周波振動成分を抽出する第2抽
出手段cと、所定の低周波振動成分および高周波振動成
分に基づいてエンジンの燃焼サイクル毎に燃焼振動エネ
ルギに関連した物理量を演算し、該物理量から燃焼状態
を監視する燃焼監視手段dと、第1抽出手段bの出力か
ら低周波振動成分が異常であるか否かを判別する第1判
別手段eと、第2抽出手段cの出力から高周波振動成分
が異常であるか否かを判別する第2判別手段fと、高周
波振動成分が異常で低周波振動成分が正常であり、燃焼
圧力の低周波振動パターンが上死点を中心に対称となっ
ているときエンジンが失火していると判定する異常判別
手段gと、を備えており、燃焼状態の監視精度を高める
ものである。
(実施例) 以下、本発明を図面に基づいて説明する。
第2〜19図は本発明の実施例を示す図であり、本発明を
点火時期を制御する装置に適用した例である。
まず、構成を説明する。第2図においては、21は4気筒
エンジンであり、吸入空気は図中矢印で示すようにエア
クリーナ22より吸気管23を通して各気筒に供給され、燃
料は噴射信号Siに基づきインジェクタ24により噴射され
る。各気筒には点火プラグ25が装着されており、点火プ
ラグ25にはディストリビュータ(図示略)を介して点火
コイル26からの高圧パルスPiが供給される。点火コイル
26は点火信号Spに基づいて高圧パルスPiを発生させて点
火プラグ25に供給し、気筒内の混合気は高圧パルスPiの
放電によって着火、爆発し、排気となって排気管27から
触媒コンバータ28、マフラ29を順次通して排出される。
吸入空気の流量Qaはエアフローメータ30により検出さ
れ、吸気管23内の絞弁31によって制御される。絞弁31の
開度Cvはスロットルスイッチ32により検出され、絞弁31
をバイパスする空気流量はAACバルブ33により調節さ
れ、これによりアイドル回転数が制御される。
一方、EGR量はEGRバルブ34により制御され、EGRバルブ3
4の作動はVCMバルブ35によって制御される。なお、36は
BCバルブ、37はチェックバルブである。
また、エンジン21のウォータジャケットを流れる冷却水
の温度Twは水温センサ38により検出され、エンジン21の
クランク角Ca、C1はクランク各センサ39により検出され
る。排気中の酸素濃度は酸素センサ40により検出され、
酸素センサ40は理論空燃比でその出力Vsが急変する特性
をもつもの等が用いられる。
さらに、気筒内の燃焼圧力(筒内圧)は筒内圧センサ41
により検出され、筒内圧センサ41は従来例と同様に圧電
素子により構成され点火プラグ25の座金としてモールド
成形される。筒内圧センサ41は点火プラグ25を介して圧
電素子に作用する筒内圧を検出し、この筒内圧に対応す
る電荷値を有する電荷信号S11を出力する。なお、筒内
圧センサ41は気筒毎に配設される。
その他に、燃料温度Tfは燃温センサ42により検出され、
アクセルペダルの踏角量Accはアクセルセンサ43により
検出される。トランスミッション44のニュートラル位置
Ncはニュートラルスイッチ45により検出され、車速SS
車速センサ46により検出される。なお、47はキャニス
タ、48はフュエルポンプである。
上記センサ群30、32、38、39、40、41、42、43、44、46
からの信号はコントロールユニット50に入力されてお
り、コントロールユニット50はこれらのセンサ情報に基
づいて筒内圧の算出や筒内圧信号系の異常の有無判断等
を行うとともに、その結果に応じて燃焼状態を最適に制
御する。
なお、燃焼制御についてはEGR制御等各種のものがある
が、ここではノッキング制御に限定して説明する。
第3図は点火時期制御に関連する部分の全体的ブロック
図である。第3図において、コントロールユニット50は
チャージアンプ51a〜51d、マルチプレクサ(MPX)52、
高周波振動検出回路53、低周波振動検出回路54、マイク
ロコンピュータ55により構成される。
各気筒に配設された筒内圧センサ41a〜41dからの電荷出
力S11〜S14はそれぞれチャージアンプ51a〜51dに入力さ
れる。チャージアンプ51aは第4図にその詳細を示すよ
うにオペアンプOP1、OP2、抵抗R1〜R8、コンデンサC1
よびダイオードD1〜D3からなるいわゆる電荷−電圧変換
増幅器を構成し、電荷出力S11を電圧信号S21に変換して
マルチプレクサ52に出力する。なお、その他のチャージ
アンプ51b〜51dについても同様であり、それぞれ電圧信
号S22〜S24を出力する。上記筒内圧センサ41a〜41dおよ
びチャージアンプ51a〜51dは圧力検出手段56を構成す
る。
一方、コントロールユニット50にはさらにクランク角セ
ンサ39からの信号が入力されており、クランク角センサ
39は各気筒と圧縮上死点前(BTDC)70゜で基準信号Caを
出力するとともに、クランク角の1度(又は2度)毎に
位置信号C1を出力する。なお、その基準信号Caの内、第
1気筒に対応する基準信号については、他の気筒に対応
する基準信号よりもパルス幅を広くしている。また、そ
の位置信号C1は、その他の例えば0.1度等の角度毎に出
力するようにしてもよく、細かくする程制御精度が向上
する。
マルチプレクサ52はマイクロコンピュータ55からの選択
信号Scに基づいてチャージアンプ51a〜51dの出力信号S
21〜S24を気筒毎に択一的に切り換え、信号S2nとして高
周波振動検出回路53および低周波振動検出回路54に出力
する。高周波振動検出回路53は第5図に示すように、バ
ンドパスフィルタ60、増幅回路61、整流回路62および積
分器63により構成される。バンドパスフィルタ60はマル
チプレクサ52からの信号S2nのうちノッキング振動に対
応する周波数帯(例えば、6〜15kHz)の信号成分のみ
を抽出し、この抽出した信号成分を信号S4として増幅回
路61に出力する。増幅回路61は第6図に詳細を示すよう
に、オペアンプOP3、抵抗R10〜R14およびコンデンサC2
からなり、バンドパスフィルタ60からの抽出信号S4を増
幅し信号S5として整流回路62に出力する。整流回路62は
同図に示すようにオペアンプOP4、抵抗R15〜R18、コン
デンサC3およびダイオードD4、D5からなり、増幅回路61
からの信号S5を半波整流し信号S6として積分器63に出力
する。
積分器は同図に示すようにオペアンプOP5、抵抗R19〜R
22、コンデンサC4、ツエナダイオードZDからなる積分回
路と、抵抗R23およびトランジスタQ1からなるリセット
回路とからなる。そして、そのリセット回路のトランジ
スタQ1に入力されるマイクロコンピュータ55からのセッ
ト/リセット信号SSRでタイミングをとられて、整流回
路62からの信号S6を積分回路で積分し積分信号S7として
出力する。
なお、この積分器63はマイクロコンピュータ55からのセ
ット/リセット信号SSRがハイレベル〔H〕のときに、
トランジスタQ1がオフ状態になって積分可能状態にな
り、そのセット/リセット信号SSRがローレベル〔L〕
のときに、トランジスタQ1がオン状態になってコンデン
サC4の両端がショートされて積分停止状態になる。
一方、低周波振動検出回路54は第7図に示すように、ロ
ーパスフィルタ(LPF)64および増幅回路65により構成
される。ローパスフィルタ64はマルチプレクサ52からの
信号S2nのうち所定の低周波数帯(例えば、1KHz以下)
の信号成分のみを通過させ信号S8として増幅回路65に出
力し、増幅回路65は信号S8を増幅し信号S9としてマイク
ロコンピュータ55に出力する。
上記ローパスフィルタ64および増幅回路65は第1抽出手
段としての機能を有し、バンドパスフィルタ60および増
幅回路61は第2抽出手段としての機能を有する。
再び第3図において、マイクロコンピュータ55は整流回
路62および積分器63と共に燃焼監視手段、第1判別手
段、第2判別手段および異常判定手段としての機能を有
し、CPU70、ROM71、RAM72、不揮発性メモリ(NVM)73お
よびI/Oポート74により構成される。CPU70はROM71に
書き込まれているプログラムに従ってI/Oポート74よ
り必要とする外部データを取り込んだり、また、RAM7
2、NVM73との間でデータの授受を行ったりしながらセン
サの異常判定やノック制御に必要な処理値を演算処理
し、必要に応じて処理したデータをI/Oポート74に出
力する。I/Oポート74にはクランク角センサ39、高周
波振動検出回路53および低周波振動検出回路54からの信
号が入力されるとともに、I/Oポート74からは選択信
号Sc、セット/リセット信号SSRおよび点火信号Spが出
力される。
セット/リセット信号SSRは圧縮上死点前40度(BTDC40
゜)で〔H〕レベルとなり、圧縮上死点(ATDC)で
〔L〕レベルとなるとともに、さらにATDC5゜で再び
〔H〕レベルとなった後ATDC45゜で〔L〕レベルとな
る。
点火信号Spは点火手段75に入力されており、点火手段75
は前記点火プラグ25a〜25d、点火コイル26、電源76、デ
ィストリビュータ77およびパワートランジタQ2により構
成される。点火手段75は点火信号Spに基づきパワートラ
ンジスタQ2をON/OFFを制御して点火コイル26の2次側
に高電圧Piを発生させるとともに、この高電圧Piをディ
ストリビュータ77により分配して点火プラグ25a〜25dに
供給して混合気に点火する。なお、この点火時期の制御
(パワートランジスタQ2のON/OFF制御)は、I/Oポ
ート74の内部に設けた図示しない進角値(ADV)レジス
タに決定した点火時期に相当する値(進角値)をセット
し、これ等のレジスタの値と位置信号C1をカウントする
カウント値とを比較して、一致した時点でパワートラン
ジスタQ2をON状態又はOFF状態にする。
次に作用を説明するが、最初に本実施例におけるノッキ
ングの検出原理について述べる。
一般に、ノッキングによる筒内圧振動が現われるのは筒
内圧が最大となるクランク角度θpmax以降であり、上死
点後(ATDC)である。したがって、筒内圧振動(燃焼室
内圧力振動)の検出結果を整流積分した場合、上死点後
の整流積分値はノッキングの程度に応じた値になり、ノ
ッキングの程度が大きい程大きな値になる。すなわち、
上死点後の整流積分値はノック時の振動エネルギに関連
した値になる。そして、一般に人間の聴感によるノッキ
ングレベルの判定は、定常的に発生している背景雑音に
よる音圧レベルとノッキング振動による音圧レベルとの
相対的な強度差によって行なわれていると考えられる。
そこで、上死点後の整流積分値と上死点後の整流積分値
の平均値との差をとることにより、人間の官能評価に合
致したノッキングレベルを検出できる。
次に、このようなノッキング検出をするためのコントロ
ールユニット50による高周波振動検出回路53の積分器63
の積分動作の制御について第8図(以下ここでは「同
図」と称す)を参照して説明する。
まず、4気筒機関においては、第1気筒#1〜第4気筒
#4を#1−#3−#4−#2−#1の順序で点火制御
する。
このとき、クランク角センサ39からは、同図(イ)に示
すように各気筒の上死点(TDC)前70度で基準信号Caが
検出され、前述したように第1気筒についての基準信号
Caのパルス幅は他の気筒についての基準信号よりもパル
ス幅が広い。
又、このクランク角センサ39からは、同図(ロ)に示す
ようにクランク角1゜(又は2゜)毎に位置信号C1が出
力される。
一方、筒内圧センサ41およびチャージアンプ51が正常な
ときには、チャージアンプ51からは、同図(ハ)に示す
ような検出信号S21が出力され、他のチャージアンプ51a
〜51dからも同様な検出信号S22〜S24が出力されるの
で、マルチプレクサ52からは、同図(ニ)に示すような
検出信号S2nが出力される。それによって、このマルチ
プレクサ52からの検出信号S2nから高周波振動検出回路5
3のバンドパスフィルタ60で所定周波数の信号のみを抽
出して増幅回路61で振幅したとき、この増幅回路61から
は同図(ホ)に示すような検出信号S5が出力され、これ
を整流回路62で半波整流することによって同図(ヘ)に
示すような検出信号S6が積分器63に入力される。
そこで、マイクロコンピュータ55はクランク角センサ39
からの基準信号Caが入力された時点から内部カウンタを
起動して位置信号C1のカウントを開始する。そして、マ
イクロコンピュータ55は同図(チ)に示すように、例え
ば第1気筒についてATDC5゜になった時点t1で、セット
/リセット信号SSRを〔H〕にして積分器63の積分動作
を開始させ、ATDC45゜になった時点t2でセット/リセッ
ト信号SSRを〔L〕にして積分動作を停止させる。それ
によって、積分器63から出力される積分信号S7は時点t1
〜t2の間では、例えば同図(ト)に示すようになり、時
点t1〜t2の間の積分動作によってノック時振動エネルギ
に相関する積分値が得られる。
なお、マイクロコンピュータ55は第2気筒〜第4気筒に
ついても同様なタイミングで積分器63の積分動作を制御
するので、積分器63から出力される積分信号S7は全体と
して同図(ト)に示すようになる。
そこで、マイクロコンピュータ55は各ADTC45゜における
積分信号S7をA/D変換して、このA/D変換値をノッ
ク時の振動エネルギに相関した量(以下、振動相関量と
いう)KとしてRAM72の所定アドレスに格納する。
次に、MBT制御を行うために必要な燃焼ピーク位置θpma
x(燃焼室内圧力が最大となったときのクランク角をい
う。以下、同様)を求めるプログラムについて第9図を
参照して説明する。
第9図に示すプログラムはクランク角センサ39からの位
置信号C1に同期して2゜CA毎に一度実行される。
まず、P1で第10図(イ)に示すように変化している圧力
信号S21(1気筒相当の信号を示す)から高周波成分を
カットした信号S9(第10図(ロ)参照)のA/D変換を
開始させるタイミングであるか否かを判別し、開始タイ
ミングでないときは直ちに図示しないメインルーチンに
リターンし、開始タイミングのときはP2に進む。
ここに、P1の判別処理は具体的には次のようにして処理
される。
すなわち、I/Oポート74はクランク角センサ39からの
位置信号C1(2゜信号)(第10図(ハ)参照)を内部の
カウンタによってアップカウントしており、このカウン
タは第1気筒に対応するパルス幅の広い基準信号Caから
作った図示しない気筒判別信号が入力する毎にカウント
値がリセットされる。そして、このカウンタのカウント
値をP1の実行毎に読み込み、その読込値が各気筒の燃焼
行程のクランク角範囲に対応するカウント値の各区間0
〜90、90〜180、180〜270、270〜360毎にθpmax検出用
として予め定めたx、x+90、x+180、x+270と一致
する毎に第1のフラグを立てる。第1のフラグは後述す
るθpmaxが算出された時点でリセットされるようにして
おいて、この第1のフラグが立っている間のみP2に処理
を進めるようにする。
P2ではx+90×n(n=0、1、2、3)を基準とした
クランク角を検出するために、クランク角カウンタ(ソ
フトカウンタ)を〔+1〕〔2゜CAに対応)だけアップ
カウントする。次いで、P3でI/Oポート74のA/D変
換器を起動してそのときの圧力信号S9(第8図(リ)参
照)をA/D変換するとともに、このA/D変換値を例
えば数10μsec後に読み込む。P4では圧力信号S9のA/
D変換値の前回と今回における差値ΔPを次式に従っ
て演算する。
ΔP=AD1−ADφ …… 但し、AD1:今回のA/D変換値 ADφ:前回のA/D変換値(最初はφ) 次いで、P5で差値ΔPを基準値ΔP0と比較する。基準値
ΔP0は圧力信号S9の信号レベルが最大になったと判断す
るための値であり、予め所定値に判定される。ΔP≧Δ
P0のときは圧力信号S9の信号レベルが最大になっていな
いと判断し、P6で今回のA/D変換値AD1を旧値ADφと
してリターンする。一方、ΔP<ΔP0のときは圧力信号
S9の信号レベルが最大になったと判断し、P7でそのとき
のクランク角カウンタのカウント値αと前述のxとから
燃焼ピーク位置θpmaxを次式に従って演算する(第10
図(ハ)参照)。
θpmax=2(α+x)−70 …… なお、θpmaxは上死点を基準としたクランク角で表され
る。そして、θpmaxの演算が終わると、前述した第1の
フラグをリセットするとともに、クランク角カウンタの
カウント値をリセットする。次いで、P8で次回のA/D
変換のためADφをゼロにクリアしてリターンする。
以上のような処理を逐次行うことによって燃焼ピーク位
置θpmaxが求められる。
次に、点火時期制御について第11図に示すプログラムを
参照して説明する。本プログラムはθpmaxが演算される
毎に一度実行される。
まず、P11でエンジン回転数Nと吸入空気量Qaをパラメ
ータとする第12図に示すようなテーブルマップから基本
点火時期ADVφをルックアップする。このテーブルマッ
プはエンジン回転数Nとエンジン負荷(吸入空気量Qaを
データとする他、例えば絞弁開度や吸気管内圧等の負荷
センサ出力に基づくデータでもよい)の関数として与え
てあり、低負荷域では略MBTの条件に設定され、高負荷
域ではノッキングレベルに応じて設定される。但し、こ
のテーブルマップは機関個々のバラツキ、経時変化、環
境変化(湿度変化、燃料オクタン変化等)などを考慮せ
ずに、例えばこれらのバラツキが中央値でマッチングし
た値により作成され、後述のMBT制御によりこれらの変
動要因を吸収してデータとしての精度を維持している。
次いで、P12で本ルーチンの実行によりNVM73に学習記憶
された点火時期補正量の学習値ADV1(+、−の符号付デ
ータ)を。上記同様にNとQaをパラメータとするテーブ
ルマップからルックアップする。P13では高周波振動検
出回路53からの積分信号S7をA/D変換しノックレベル
データKVとして取り込み、P14でこのKVを所定のスライ
スレベルKVφと比較する。KVφは、例えば極めて軽微で
実用上前く問題のないノックレベルに対応した値に設定
される。KV<KVφのときはノックが発生していないと判
断し、P15で燃焼ピーク位置θpmaxが発生トルクを最大
とする所定位置にくるように上記学習値ADV1を併用して
点火時期のMBT制御を行い、P16で点火信号Spを出力す
る。なお、MBT制御の詳細については従来周知であり、
例えば特開昭58−82074号公報に記載されているのでこ
こでは省略する。
一方、KV≧KVφのときはノックが発生していると判断
し、P17でノックを抑制するように点火時期のノック制
御を行い、P16に進む。以上、本発明が適用されるシス
テムの入力信号処理と制御の概略について説明した。
次に、筒内圧信号系の異常判別原理とその態様につき別
表を参照して説明する。
筒内圧信号系の異常モードは別表に示すようにI〜IVの
4種類に区分され、その内容は次の通りである。
モード I 燃焼ガスが点火栓ネジ孔から筒内圧センサ41の方へ抜け
出る場合である。この場合、燃焼ガスは点火栓ネジ孔を
減衰しながら通過するため、低周波振動成分の圧力(ガ
ス抜けによる圧力)が筒内圧センサ41の電縮素子に印加
される形となって、点火プラグ25による圧電素子への力
のかかり方に対して逆方向の力が作用することになる。
そのため、低周波振動成分を相殺することとなって、低
周波の筒内圧信号S9の値が通常より小さくなる。
一方、上記逆方向の力も点火プラグ25の圧電素子への高
周波振動成分には影響を与えないため、その大きさは変
わらない。
モード II 筒内圧信号系(センサ信号系)の電気抵抗が増大したよ
うな場合、例えばセンサ信号線のコネクタ部における接
触抵抗の増大がある場合である。
チャージアンプ51の入力部を筒内圧センサ41の圧電素子
41Xも含めて図示すると、第13図に示すようになる。こ
こに、圧電素子41Xの静電容量をC0、ハーネス部の抵抗
をR0とすると、C0とR0で一種のRCフィルタが構成され
る。このRCフィルタの減衰率ATTは次式で表される。
したがって、コネクタ部の接触抵抗のために抵抗R0の値
が増大すると、高周波振動成分ほど減衰率ATTが大きく
なる。そのため、低周波振動は正常であっても、高周波
振動成分が異常に小さくなってノッキングの検出が困難
になる。
モード III 失火の場合である。失火すると高周波振動成分が検出さ
れなくなるのは当然であるが、それだけではモードIIと
の区別が難しい。一方、失火すると燃焼による筒内圧の
増大がないため、低周波振動波形がTDCを軸として対称
な形となる。したがって、モードIIとの区別は筒内圧波
形の対称判断によって可能となる。
モード IV 筒内圧信号系のオープン又はショートの場合である。し
たがって、高周波振動成分も低周波振動成分も出なくな
る。
なお、別表には上記各モードI〜IVの場合の整備点検内
容および修理内容も併せて示す。
次に、上記原理に基づく低周波振動成分の異常判別につ
いて第14図に示すプログラムを参照して説明する。本プ
ログラムはクランク角センサ39からの信号C1に同期して
2゜CA毎に一度実行される。
本プログラムでは低周波信号S9を処理するため、前述の
第9図に示したルーチンと同一処理を行うステップを包
含しながらフローが流れる。したがって、以下の説明
中、第9図のものと同一処理内容のステップには○印で
囲む同一番号を付して、その処理説明を省略する。
P1〜P3を経ると、P21〜P30からなるステップで筒内圧の
低周波波形を等間隔に分析する処理を行う。すなわち、
P21〜P25の各ステップでクランク角カウンタのカウント
値CTが第15図に示すように、TDCを中心として等間隔に
設定されたそれぞれのクランク角CA1〜CA5と等しいか否
かを判別する。判別の結果、YES命令に従うときはP26
P30の各ステップでそれぞれ該当するクランク角CA1〜CA
5における筒内圧(圧力信号C9)のA/D変換値をPA1
PA5としてRAM72にストアする。
次いで、P4〜P6のステップ処理に移行する。
P5でΔP<ΔP0のときは圧力信号S9のレベルが最大にな
ったと判断して、P31でフラグFPMAXが立っているか否か
を判別する。フラグFPMAXは燃焼ピーク位置θpmaxの演
算が終了したとき立てられるものである。FPMAX=0の
ときはP7でθpmaxを演算するとともに、P32でフラグFPM
AXを立ててリターンする。また、FPMAX=1のときは既
にθpmaxが求められているため、P33でθpmaxを求める
ためにクランク角カウントしているカウンタ(以下、θ
カウンタという)のカウント値θTをTDC後の前記所
定クランク角CA5と比較する。このような比較を行うの
は、θpmaxの演算後もクランク角がCA5になる迄2゜毎
のA/D変換処理を継続して第1のフラグFG1をクリア
するためである。θT>CA5のときはP34でカウント値θ
TがCA5以上であるか否かを判別する。θT≧CA5のとき
はP35で第1のフラグFG1をクリアしてリターンする。ま
た、P33、P34でθT<CA5のときはそのままリターンす
る。
また、上記ステップP5からP6へと進んだときは、圧力信
号S9のレベルが最大になっていないと判断されるため、
P36でフラグFPMAXをクリアしてリターンする。
一方、上記ステップP1でA/D変換の開始タイミングで
ないと判断したときは、P37以降のステップに分岐して
低周波振動成分の異常判別を行う。
まず、P37でTDCにおける筒内圧のA/D変換値PA3を異
常判別のための基準値PTDCと比較する。ここに、PTDC
吸入空気量Qaと回転数Nをパラメータとして(すなわ
ち、PTDC=func(Qa,N)なる関数形式で表わされる)、
バックグランドジョブ(BGJ)によりテーブルルックア
ップされるもので、正常時におけるTDCのときの筒内圧
である。
PA3<PTDCのときは前述の異常モードI、IVに該当する
と判断し、P38で異常フラグFLOWを立てるとともに、こ
れをNVM73にストアしてリターンする。また、PA3≧PTDC
のときは圧力信号S9は正常であるが、失火の場合も想定
されるのでP39以降のステップでこれを判定する。すな
わち、P39で異常フラグFLOWをクリアし、P40で対称差値
ΔPfを次式に従って演算する。
ΔPf=(PA5−PA1) +(PA4−PA2) …… 対称差値ΔPfはTDCに関して対称的な2組のクランク角
における筒内圧の差を表しており、失火時には筒内圧が
単なるモータリング波形となるので、ゼロに近い値とな
る。
そこで、P41で対称差値ΔPfを上記ゼロに近い基準値ΔP
f0と比較し、ΔPf≧ΔPf0のときは正常燃焼と判断してP
42で失火フラグFMISSをクリアしてリターンする。ま
た、ΔPf<ΔPf0のときは失火と判断してP43で失火フラ
グFMISSを立てるとともに、これをNVM73にストアしてリ
ターンする。なお、低負荷のときは圧力信号S9のレベル
が失火時のレベルに近づくので、上記基準値ΔPf0の値
はバックグランドジョブで予めゼロに設定される。
次に、高周波振動成分の異常判定方法について説明す
る。
ノッキングの検出原理で述べたように、上死点後の整流
積分値S7から導かれる振動相関量KとKの平均値との
差KV(KV=K−1,但し、は非ノック時におけるK
の平均値)はノッキングレベルを表すパラメータとな
る。しかし、Kそのものでは高周波振動の異常判定に困
難を伴うことがある。例えば、高周波振動が異常である
場合、一般的にKの値が小さくなる傾向を示す。このと
き、仮りにセンサの入力信号系がオープンであれば電気
ノイズのみが積分されることとなり、Kの絶対値では異
状判定が難しい。
そこで、Kの変化率を表す分散値σ(K)を次式に従
って求め、 σ(K)=(K+) …… この分散値σ(K)に基づいて異状判定を行う。なお、
σ(K)は単純に(K−)とするのではなく、(K
−)の移動平均をとるようにする。そして、(K−
の小さい状態が継続すると、σ(K)は小さくな
り続けてセンサの入力信号系がオープンであるときの
(K−)に近づく。したがって、σ(K)は小さい
という状態が長く続いたとき高周波振動の異状と判定す
る。これは、正常な場合でもノッキング現象が確率的に
発生するので、(K−)の絶対値のみでは異状判定
が難しいということを考慮したためである。
次に、高周波振動成分の異状判定を第16図に示すプログ
ラムを参照して説明する。本プログラムは前記セット/
リセット信号SSRが〔L〕レベルとなる積分終了タイミ
ング(第8図(チ)t2参照)の2゜CA前の割込みによっ
て実行される。
まず、P51で積分信号S7をA/D変換し、これを振動相
関量KとしてRAM72にストアする。P52では振動相関量K
の平均値(移動平均値)を次式に従って演算する。
但し、nは定数であり、n=16程度 次いで、P53で今回の(K−)を演算し、P54で前回
の分散値σ′(K)と今回の(K−)を比較する。
σ′(K)≧(K−)のときは高周波振動が小さく
なっており異常の可能性もあると判断して、P55で今回
のσ(K)を次式に従って演算し、いわゆる(K−
の移動平均値を求める。
今回の 但し、mは定数であり、m=16程度 一方、σ′(K)<(K−)のときは高周波振動が
正常であると判断して、P56で今回のσ(K)として
(K−)を採用する。P57では分散値のスライスレ
ベルσを回転数Nをパラメータとして(すなわち、σ
=func(N))ルックアップし、P58で今回の分散値
σ(K)をスライスレベルσと比較する。σ(K)≦
σのときはP59でフラグFCAUTを立てる。フラグFCAUT
は異常の可能性があるので注意を要するという意味のも
のである。そして、このフラグFCAUTがセットされた状
態がどの程度継続するかによって、実際に高周波振動が
異常であるとの判定を下す。この継続時間はエンジンの
運転領域によって異なり、本実施例ではこれを第17図に
示すように基本噴射量Tpと回転数Nに応じて2つの領域
I、IIに区分している。また、この継続時間は点火回数
の大きさで判断する。
フラグFCAUTがセットされると、まず、P60で領域Iの条
件下においてFCAUT=1という状態(以下、CAUTION状態
という)が連続して255点以上連続したか否かを判別す
る。255点火以上連続しているときは前述した判定原理
から高周波振動の異常を判断し、P61で異常フラグFHIGH
を立てるとともに、同フラグFHIGHのbit−1を〔1〕と
してリターンする。
また、255点火連続していないときはP62に進み、P62
領域IIの条件下においてCAUTION状態が連続して20点火
以上連続したか否かを判別する。20点火以上連続してい
るときはP63で異常フラグFHIGHを立てるとともに、同フ
ラグFHIGHのbit−0を〔1〕としてリターンし、連続し
ていないときはP64に進む。P64では領域IIの条件下にお
いて20点火以上経過したがCAUTION状態が連続ではない
としても一応継続しているか否かを判別し、CAUTION状
態が途切れながらも継続しているときはP65で異常フラ
グFHIGHを立てるとともに、同フラグFHIGHのbit−0お
よびbit−1を共に〔1〕としてリターンする。また、C
AUTION状態が継続していないときはP66で異常フラグFHI
GHをリセットするとともに、同フラグFHIGHのbit−0お
よびbit−1を共にクリアしてリターンする。これによ
り、異常フラグFHIGHがセットされたとき、そのbitはそ
の異常態様に応じてそれぞれ次のようになる。
そして、上記異常の態様はNVM73に記憶され、故障診断
に利用される。
一方、上記ステップP58でσ(K)>σのときは異常
の可能性が薄いと判断してP64にジャンプする。このよ
うにして、高周波振動の異常の有無が適切に判定され
る。
次に、異常モードの態様判定を第18図に示すプログラム
を参照して説明する。
まず、P71で異常フラグFHIGHのbitを判別する。bitが のときはP72で異常フラグFLOWを判別し、FLOW=1のと
きはP73でモードIを表示する。また、FLOW=0のとき
はP74でモードI〜IVの表示を解除する。
bitが のときはP75で同様に異常フラグFLOWを判別し、FLOW=
1のときはP76でモードIVを表示する。また、FLOW=0
のときはP77で失火フラグFMISSを判別する。FMISS=1
のときはP78でモードIIIを表示するとともに、外部の警
報器(例えば、警報ランプあるいは警報ブザ等)に所定
の失火警報信号を出力して運転者に失火を告知する。こ
れにより、運転者は別表に示したような適切な処理をと
ることができ、運転性の悪化を防止することができる。
さらに、FMISS=0のときはP78でモードIIを表示する。
このように、前述の別表に示した異常判定原理から各フ
ラグFHIGH、FLOW、FMISSを適切に判別してモードI〜IV
の各異常状態が的確に判定される。なお、本プログラム
はバックグランドジョブによって処理するようにしても
よい。
以上の各プログラムによりエンジンの燃焼状態が常に適
切に監視される。したがって、例えば、従来例で指摘し
たようなエンジンの失火という事態に対しても、直ちに
の異常がモードIIIをもって表示されるとともに、この
異常状態に対して詳細を後述するように点火時期制御へ
の悪影響が回避される。また、モードIIIによる異常判
定により、上述のような失火の判断のみならず、第2抽
出手段の機能を異常であるという判断も行うことができ
る。その結果、燃焼監視情報としての信頼性を高めるこ
とができる、かかる情報を用いた燃焼制御の悪化を防止
することができる。
また、本実施例ではモードIIIの異常判定の他に、モー
ドI、II、IVの各異常状態をも適切に判定することがで
きる。
次に、上述の燃焼監視情報に基づく点火時期制御につい
て第19図に示すプログラムを参照して説明する。
最初に点火時期制御を行うにあたっての基本的な考え方
に次に示す。
(A)MBT制御は、検出したθpmaxが次回に所定の範囲
内となるように点火時期を制御する。
(B)ノッキング制御は、ノッキングと判定されれば点
火時期を所定速度で遅角させ、非ノックと判定されれば
進角させる。
(C)異常モードIのときは、MBT制御を停止し、予め
定められたベーステーブルの点火時期を与える。なお、
ノッキング制御は正常時と同様に行う。
(D)異常モードIIのときは、MBT制御は正常通りに行
うが、ノッキング制御を停止する。そして、ノッキング
が発生しやすい予め決められた領域で予め定められたテ
ーブルデータに従って点火時期を制御する。
(E)異常モードIIIおよびIVのときは、MBT制御および
ノッキング制御を共に停止し、予め定められたテーブル
データに従って点火時期を制御する。
上記の基本的な考えの基に第19図に示すプログラムが実
行される。本プログラムでは入力信号処理と制御の概略
を示した第11図のルーチンと同一処理を行うステップを
包含しながらフローが流れる。したがって、以下の説明
中、第11図のものと同一処理内容のステップは○印で囲
む同一番号を付して、その処理説明を省略する。
P11を経ると、P82でモードIII、IVであるか否かを判別
する。モードIII、IVであるときはノッキング振動に関
する情報が得られないと判断して、P82でノッキングが
発生しやすい領域における点火時期のリタード(遅角)
量DADVφをテーブルルックアップし、P83で次式に従
って最終的な点火時期ADVを演算してP16に進む。
ADV=ADVφ−DADVφ …… なお、リタード量DADVφはDADVφ=func(Tp、N)で与
えられる。したがって、モードIII、IVのときはMBT制御
およびノッキング制御も共に停止されて、テーブルデー
タのみに基づいて点火時期が制御されることとなり、燃
焼監視情報の質の低下に伴う燃焼悪化を防ぐことができ
る。
一方、P81でモードIII、IVでないときはP12、P13を経て
P14に進む。P14でKV>KVφのときはP84でモードIであ
るか否かを判別する。モードIのときはP85で最終点火
時期ADVを基本点火時期ADVφと置いてP16に進む。した
がって、モードIのときのMBT制御が停止される。ま
た、モードIでないときはP86でモードIIであるか否か
を判別する。モードIIのときはP82にジャンプしてモー
ドIII、IVの状態と同様の点火時期制御を実行する。モ
ードIIでないとき、すなわち、モードI〜IVの何れにも
該当しないときはP87以降のMBT制御に移行する。
P87では今回の燃焼ピーク位置θpmaxが所定値θM1とθ
M2の間にあるか否かを判別する。θpmax<θM1のときは
点火時期を進角しすぎであると判断して、P88でMBT制御
のフィードバック補正量FBを所定量bだけ小さくする
(FB←FB−bとする)。θM2<θpmaxのときは遅角しす
ぎであると判断して、P89でフラグFCAUTを判別する。そ
して、FCAUT=0のときのみP90でフィードバック補正量
FBを所定量aだけ大きくする(FB←FB+aとする)。FC
AUT=1のときにP91で次式に従って最終点火時期ADV
を演算した後、P16に進む。
ADV=ADVφ+ADV1+FB …… 一方、P87でθM1≦θpmax≦θM2のときは点火時期の補
正程度を良好であると判断して、P92で学習テーブルを
フィードバック補正量FBの値で書き換えるとともに、P
93で該補正量FBをFB=0としてP91に進み。このよう
に、P87〜P93の各ステップ処理によりいわゆるMBT制御
が実行される。この場合、モードI〜IVの状態が除外さ
れて燃焼監視情報が高品質であるため、MBT制御の実効
を図りエンジンの運転性を格段と向上させることができ
る。
一方、上記各ステップP14でKV≧KVφのときはノックが
発生していると判断されているので、P94でフィードバ
ック補正量FBを所定量cだけ小さくして点火時期を遅角
しノッキング抑制処理を実行する。次いで、P95で学習
条件であるか否かを判別する。ここに、学習条件は、例
えば過渡状態でないとき等エンジンの運転状態が急変せ
ずテーブルデータの学習を行うのに適したとき成立す
る。学習条件でないときはそのままP91に進み、学習条
件であるときはP96で学習テーブルのデータ(ADV1)を
書き換えた後、P97でフィードバック補正量FBをFB=0
としてP91に進む。
なお、上述した各モードI〜IVの判定と点火時期制御を
何れも気筒別に実行、処理される。したがって、整備点
検や修理内容も気筒別に行うことができ、整備性を著し
く向上させることができる。
(効果) 本発明によれば、燃焼状態に監視しつつ筒内圧信号の低
周波振動成分および高周波振動成分の分析からその正常
/異常を判別してエンジンの失火を適切に判定すること
ができ、燃焼状態の監視精度を高めて、燃焼監視情報と
しての信頼性を向上させることができる。
その結果、エンジンの燃焼制御に本装置を適用した場
合、上記異常に基づく燃焼状態の悪化を適切に回避する
ことができる。
また、上記実施例にあっては、モードIII以外にモード
I、II、IIIの各異常状態も適切に判定することがで
き、燃焼監視情報としての信頼性をより一層向上させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の基本概念図、第2〜19図は本発明の一
実施例を示す図であり、第2図はその全体構成図、第3
図はそのコントロールユニットを含む要部のブロック構
成図、第4図はそのチャージアンプの回路図、第5図は
その高周波振動検出回路の詳細なブロック構成図、第6
図はその増幅回路61、整流回路62および積分器63の回路
図、第7図はその低周波振動検出回路の詳細なブロック
構成図、第8図はその作用を説明するためのタイムチャ
ート、第9図はそのθpmax検出のプログラムを示すフロ
ーチャート、第10図はその信号処理波形を示す波形図、
第11図はその点火時期制御の概略を示すフローチャー
ト、第12図はその基本点火時期の特性を示す図、第13図
はその筒内圧信号の入力系の等価回路を示す図、第14図
はその低周波振動成分の異常判定プログラムを示すフロ
ーチャート、第15図はその波形処理の方法を示す波形
図、第16図はその高周波振動成分の異常判定プログラム
を示すフローチャート、第17図はそのエンジンの運転領
域を示す図、第18図はその異常モードの態様判定のプロ
グラムを示すフローチャート、第19図はその点火時期制
御の詳細なプログラムを示すフローチャート、第20図は
従来の圧力センサを示す図であり、第20図(a)はその
圧力センサの取付状態を示す断面図、第20図(b)はそ
の圧力センサの断面図、第20図(c)はその圧力センサ
の平面図である。 21……エンジン、 55……マイクロコンピュータ(燃焼監視手段、第1判別
手段、第2判別手段、異常判別手段)、 62……整流回路(燃焼監視手段、第1判別手段、第2判
別手段、異常判別手段)、 63……積分器(燃焼監視手段、第1判別手段、第2判別
手段、異常判別手段)、 56……圧力検出手段 60……バンドパスフィルタ(第2抽出手段)、 61……増幅回路(第2抽出手段)、 64……ローパスフィルタ(第1抽出手段)、 65……増幅回路(第1抽出手段)。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a)エンジンの燃焼圧力を検出する圧力検
    出手段と、 b)圧力検出手段の出力から所定の低周波振動成分を抽
    出する第1抽出手段と、 c)圧力検出手段の出力から所定の高周波振動成分を抽
    出する第2抽出手段と、 d)所定の低周波振動成分および高周波振動成分に基づ
    いてエンジンの燃焼サイクル毎に燃焼振動エネルギに関
    連した物理量を演算し、該物理量から燃焼状態を監視す
    る燃焼監視手段と、 e)第1抽出手段の出力から低周波振動成分が異常であ
    るか否かを判別する第1判別手段と、 f)第2抽出手段の出力から高周波振動成分が異常であ
    るか否かを判別する第2判別手段と、 g)高周波振動成分が異常で低周波振動成分が正常であ
    り、燃焼圧力の低周波振動パターンが上死点を中心に対
    称となっているときエンジンが失火していると判定する
    異常判定手段と、 を備えたことを特徴とする内燃機関の燃焼監視装置。
JP23581185A 1985-10-22 1985-10-22 内燃機関の燃焼監視装置 Expired - Lifetime JPH0668462B2 (ja)

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