JPH0667749B2 - 不整地走行用鞍乗型四輪車 - Google Patents

不整地走行用鞍乗型四輪車

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JPH0667749B2
JPH0667749B2 JP61296339A JP29633986A JPH0667749B2 JP H0667749 B2 JPH0667749 B2 JP H0667749B2 JP 61296339 A JP61296339 A JP 61296339A JP 29633986 A JP29633986 A JP 29633986A JP H0667749 B2 JPH0667749 B2 JP H0667749B2
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wheels
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後藤  晃
剛 村上
政男 高坂
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Description

【発明の詳細な説明】 a.産業上の利用分野 本発明は、操縦性能の向上および外観の向上を図り、エ
ンジンの冷却効率の向上を図り得る不整地走行用鞍乗型
四輪車に関する。
b.従来の技術 不整地走行用として用いられる車両は、運転者が塔乗し
て走行するときにバランスがとりやすく、操縦性の良い
ことが要求される。そこで、従来では二輪車を改良した
三輪車が広く用いられていたが、構造的には、二輪車の
フレームに後車輪を2個設けるようにしたもので、二輪
車の領域に入るものであった。
そこで、三輪車のステアリングシャフトに、2個の前車
輪を設けて四輪車とした先行技術を開発した(実開昭56
−73694号)。
この先行技術に記載の四輪車は、前輪の支持にシャフト
の下端部を二股に分岐したフォークを用いて、分岐した
フォークの外側にそれぞれ前車輪を設けたものである。
しかも前車輪には、それぞれ後車輪と同径のタイヤを装
着し、こられタイヤの上部を覆うフロントフェンダかリ
ヤフェンダはフレーム中央部を覆うカバー部と一体に成
形されたものであった。
したがって、かかる先行技術のものは前車輪が二輪とい
っても、フォークに直結していたため、一輪同様の機能
しか持たず、特に、後車輪側と同径のタイヤを2個装着
するためハンドルが極端に重くなり、操縦性能の低下を
来たしていた。
同様の関連する先行技術として、特開昭55−102714号公
報、実開昭55−138123号公報、意匠登録第538800号公報
がある。
c.発明が解決しようとする課題 このような、不整地走行車両にあっては、雪上、泥寧
地、林道等の不整地をバーハンドルを操舵し、前後輪に
バルーンタイヤを設けた四輪車で走行するので、つかれ
ないような軽い操舵力を必要とする。また、走行時に障
害物がステップ上の脚に接触することを防止し、前車輪
の側面が石あるいは木に接触する機会が増大するので車
体部品(フロントフェンダ)の損傷を防がなければなら
ない。
とくに、この種の不整地走行車両は高速で走るものでは
ないので、オーバーヒートに神経を使わなければならな
いことから、エンジンの冷却効率を考慮しなければなら
ない。
本発明は、上記の課題を解決し、操縦性能の向上および
外観の向上を図り、エンジンの冷却効率の向上を図り得
る不整地走行用鞍乗型四輪車のフロントカバー装置を提
供することを目的とする。
d.課題を解決するための手段 本発明は上記課題を解決するため、フレームの前部左右
と後部左右に、バルーンタイヤを装着した前車輪と後車
輪を各二輪備え、フレームに対してステアリングシャフ
トを回転自在に軸支するステアリング軸支部後部からフ
レーム後方に向けてフレームの略中央に縦長のシートを
載置し、上記ステアリングシャフトの上端に設けたバー
ハンドルでステアリングシャフト下端とリンク結合した
前車輪側のナックルアームを介して前二輪を操舵すると
ともに、バーステップを前後輪の間で上記シート下方の
車体左右に配置し、前後輪間に搭載したエンジンで車輪
を駆動し不整地を走行する鞍乗型四輪車であって、上記
前車輪のタイヤ幅Wを後車輪のタイヤ幅Wよりも小さ
く(W<W)設定し、かつ上記左右のバーステップの
外側縁幅lを前車輪の幅lより内側に配置(l
)すると共に、上記左右の前輪バルーンタイヤの上
方を覆う上壁と、該バルーンタイヤ後方を覆う後壁とを
一体成形し、かつ、外側縁を前輪バルーンタイヤ外側よ
り内側に位置させた左右のフロントフェンダ部と、該フ
ロントフェンダ部の内側縁から後方に延びた略垂直方向
のサイドカバー部と、左右の後輪バルーンタイヤの上方
および前方を覆う上壁および前壁ならびに内側縁に前方
に向かう略垂直方向の側壁とを一体的に形成した左右の
リヤフェンダ部とを備え、前記エンジンのシリンダ部の
少なくとも中央部を車両側面視、前方は前記フロントフ
ェンダ部の後壁より後方であって、後方は前記リヤフェ
ンダ部側壁より前方に、かつ、上方は前記サイドカバー
部より下方に位置するように側面を側方に露出状態でフ
レームに搭載するとともに、前記サイドカバー部の後縁
部を車両側面視、前記縦長シートの前部立上り部形状に
合わせた後方下がり傾斜部に形成するとともに、前記リ
ヤフェンダ部の側壁上縁部を車両側面視、前記縦長シー
トの底部形状に合わせて形成させ、且つ該サイドカバー
部と縦長シートとリヤフェンダ部の側壁との各接続部外
表面をそれぞれ車両幅方向で略同一面となるように滑ら
かに連接させたことにある。
e.作 用 本発明の不整地走行用鞍乗型四輪車は、シートに跨が
り、ステップに足を掛け、バーハンドルを握って塔乗す
る。塔乗姿勢は自動二輪車と同様である。そして、エン
ジンを作動して走行を開始する。バルーンタイヤは低圧
幅広タイヤなので石等の障害物に接触したり、乗り上げ
ると、自在に変形してある程度衝撃を吸収する。左右の
ステップの外側縁幅lは前車輪の幅lより内側に配
置(l<l)されているので、走行時に障害物が脚
に接触する事がない。
カーブに際してバーハンドルを操作すると、ステアリン
グシャフトからリンク機構およびアームを介して左右の
前車輪を転航する。この時、運転者はステップで足をふ
んばり体重移動によりカーブでの操舵を助ける。前車輪
のタイヤ幅Wを後車輪のタイヤ幅Wよりも小さく設定
(W<W)しているので、操舵が容易である。
左右の前輪バルーンタイヤの上方を覆う上壁と、該バル
ーンタイヤ後方を覆う後壁とを一体成形し、かつ、外側
縁を前輪バルーンタイヤ外側より内側に位置させた左右
のフロントフェンダ部と、該フロントフェンダ部の内側
縁から後方に延びた略垂直方向のサイドカバー部と、左
右の後輪バルーンタイヤ上方および前方を覆う上壁およ
び前壁ならびに内側縁から前方に向かう略垂直方向の側
壁とを一体的に形成した左右のリヤフェンダ部とを備
え、エンジンのシリンダ部の少なくとも中央部を車両側
面視、前方は前記フロントフェンダ部の後壁より後方で
あって、後方は前記リヤフェンダ部側壁より前方に、か
つ、上方は前記サイドカバー部より下方に位置するよう
に側面を側方に露出状態でフレームに搭載したので、エ
ンジンの放熱効果が大きい。とくに、不整地走行車両は
高速で走る車両ではないのでオーバーヒートに神経を使
っており、効率的に冷却効果を得られるように勘案した
ものである。
前記サイドカバー部の後縁部を車両側面視、前記縦長シ
ートの前部立上り部形状に合わせた後方下がり傾斜部に
形成するとともに、前記リヤフェンダ部の側壁上縁部を
車両側面視、前記縦長シートの底部形状に合わせて形成
させ、且つ該サイドカバー部と縦長シートとリヤフェン
ダ部の側壁との各接続部外表面をそれぞれ車両幅方向で
略同一面となるように滑らかに連接させたので、外観の
向上が図れるとともにサイドカバー部およびリヤフェン
ダ部の側壁に搭乗時のニーグリップ機能を持たせること
ができる。
f.実施例 以下本発明の一実施例を図面を参照しながら詳細に説明
する。
第1図は本発明の不整地走行用鞍乗型四輪車の一実施例
を示す側面図、第2図は第1図の平面図、第3図は第1
図のフレーム構造を示す斜視図、第4図は第2図のカバ
ーおよびシートなどを除いて示す平面図である。
第1図および第2図において、1は鞍乗型に構成された
ボディであり、これは第3図のように構成されたフレー
ム2の前部左右と後部左右に、前車輪3と後車輪4を各
二輪設け、これら前車輪3および後車輪4には、内部の
圧力が低く、地面との接触面が広いタイヤ、いわゆるバ
ルーンタイヤ5を配装してある。上記前車輪3を操舵す
る操舵機構には、第4図のようなリンク機構6および、
このリンク機構6を操作するハンドルには、両端部にグ
リップ701を装着したバーハンドル7が用いられてい
る。
上記フレーム2の構造を、第3図により説明する。該フ
レーム2は、それぞれ一対の上部フレーム8,8およ
び下部フレーム9,9と、これら上部フレーム8,8
相互間、および下部フレーム9,9相互間を所定の
間隔に保つ複数のスペーサ用フレーム10とで構成されて
いる。上記上部フレーム8,8は、先端部801を前
方、斜め下方向に折曲げ、該折曲げ部802後方に、緩い
角度で下方向に傾斜する傾斜部803を所定長さ形成し、
傾斜部803後方の後端部804を水平、もしくは、わずかに
上方に折曲げてある。この上部フレーム8,8は、先
端は、前車輪3を支持する車軸11に連結され、かつ先端
部801相互間には、フロントカバー装置12をネジ止めす
るためのコ字型の固定用フレーム13が装着されている。
上部フレーム8,8の折曲げ部802には、上記バーハ
ンドル7のステアリングシャフト14を支持するステアリ
ング軸支部15が設けられている。
一方、上記下部フレーム9,9は、先端を車軸11に連
結され、後端部901を折曲げて、立上らせ、上記上部フ
レーム8,8の後端部804にそれぞれ連結されてい
る。
該下部フレーム9,9の途中には、運転者用のバース
テップ16が装着されている。このバーステップ16外側縁
相互間の幅lは、左右の前車輪3,3相互間の幅l
対してl<lとなるように設定し、前車輪3,3相互
間の幅lは後車輪4,4相互間の幅lに対して、l
<lとなるように設定されている。
なお、前車輪3,3の径dおよびタイヤ幅Wは後車輪
4,4の径Dおよびタイヤ幅Wに対しd<D,W<Wに設
定し、前車輪3,3の操舵を容易にしている。
下部フレーム9,9の折曲げ部902には、後車輪4の
駆動軸17を支持する支持部903が設けられている。
これら、上部フレーム8,8と下部フレーム9,9
とで形成される空間部Aには、シリンダ部18aおよびク
ランクケース部18bから成るエンジン18と、燃料タンク1
9などが搭載される。
次に、上記前車輪3を操舵する操舵機構を第4図により
説明する。
前車輪3は、第5図および第6図のように車軸11の両端
部に装着されたコ字状のフレーム20に、転航可能に取付
けられており、この取付構造はキングピン21によって、
車輪支持軸22に一体に設けられた支持パイプ22aを、フ
レーム20に軸支することによって行われる。この支持パ
イプ22aとキングピン21との間には、スペーサ221、およ
びブッシュ222が遊嵌されている。
ステアリングシャフト14は上記ステアリング軸支部15に
第7図および第8図のように、樹脂スペーサ151を介し
てボルト締めされて上端部を回動可能に支持されるとと
もに、その下端を車軸11の中間位置に設けられた支持部
23に回動可能に支持されている。このステアリングシャ
フト14の下端部にはアーム24が装着されており、このア
ーム24には左右のタイロッド25の一端部が、ピン26を介
して回動自在に支持されている。該タイロッド25の他端
部はピン27によって車輪支持軸22に装着されたナックル
アーム28に回転自在に支持されている。これによって、
ステアリングシャフト14と前車輪3は、リンク機構6に
よって結合され、バーハンドル7の操作によって前車輪
3が操舵される。
一方、上記後車輪4は、エンジン18からの動力を図示し
ない動力伝達機構を介して伝達される駆動軸17に支持さ
れている。
次に、第1図および第2図に戻って、ボディ1の外装と
して配設されるカバーは、上記フロントカバー装置12
と、これと組合わされるリヤカバー装置29とで二分割に
構成されており、これらフロントカバー装置12およびリ
ヤカバー装置29は、左右に、それぞれフロントフェンダ
部121およびリヤフェンダ部291を備えている。
フロントカバー装置12は、上記左右の前輪バルーンタイ
ヤ5上方を覆う上壁121bと、該前輪バルーンタイヤ5後
方を覆う後壁121cとを一体成形したフロントフェンダ部
121と、これらフロントフェンダ部121相互間のフレーム
中央上部を覆うセンターフェンダ部122と、このセンタ
ーフェンダ部122から斜め後方に向けて立上らせ、上記
ステアリングシャフト14上部前方を覆う前壁123aと、左
右のフロントフェンダ部121の内側に該ステアリングシ
ャフト14の左右両側方を覆うように上方に向かう側壁12
3bとからなる頂部カバー部123と、フロントフェンダ部1
21の内側縁から後方に延び、該略垂直方向のサイドカバ
ー部124とをそれぞれ備えてフロントカバー装置を構成
している。このサイドカバー部124の後端縁にネジ孔32
を穿設した突出片33が設けられている。この突出片33を
上記上部フレーム8,8の傾斜部803に設けられたネ
ジ孔34aを穿設した突出片34にネジ止めして取り付けて
いる。
また、前記エンジン18のシリンダ部18aを車両側面視、
前方は前記フロントフェンダ部121後壁121cより後方で
あって、上方は前記サイドカバー部124より下方の位置
に配置し、左右のフロントフェンダ部121およびセンタ
ーフェンダ部122の前縁を左右の前輪バルーンタイヤ5
前縁より後方に位置するように該フロントカバー装置12
をそれぞれフレーム2前部に着脱自在に固定している。
このフロントフェンダ部121は、外側縁121aの最外側部
Oから前部fに向けて徐々に細くなるテーパに形成して
竹薮あるいは山林等の走行に際して草等を掻き分ける作
用を持たせている。
上記センターフェンダ部122は上面をフロントフェンダ
部121に対し凹部に形成されており、このセンターフェ
ンダ部122の前縁はフロントフェンダ部121の前縁より後
方で、かつ下方に位置させている。
上記前壁123aには、エンジン18のシリンダ部18a等を冷
却する冷却風を取り入れる空気取入口30およびフロント
カバー装置12取付用のネジ孔31が設けられている。
リヤカバー装置29は、左右の後輪バルーンタイヤ5およ
び前方を覆う上壁21aおよび前壁291bならびに内側縁に
前方に向かう略垂直方向の側壁294とを一体的に形成し
た左右のリヤフェンダ部291とを備えている。
一方、リヤカバー装置29は、左右のリヤフェンダ部291
と共に、これらリヤフェンダ部291を連結するとともに
中央部に縦長の開口部292を形成した上縁部293と、この
上縁部293の両側部とリヤフェンダ部291の内側前部に前
縁がエンジン18のクランクケース部18bより上方で前方
に向う略垂直方向の側壁294とを一体成形してリヤカバ
ー装置を構成したものである。このリヤカバー装置29の
側壁294の後縁部125と互いにオーバーラップするように
形成されている。このオーバーラップ部分はエンジン18
の後方になるように形成されている。
前記エンジン18のシリンダ部18の少なくとも中央部を車
両側面視、前方は前記フロントフェンダ部121の後壁121
cより後方であって、後方は前記リヤフェンダ部291側壁
294より前方に、かつ、上方は前記サイドカバー部124よ
り下方に位置するように側面を側方に露出状態でフレー
ム2に搭載するとともに、前記サイドカバー部124の後
縁部125を車両側面視、前記縦長シート35の前部立上り
部形状に合わせた後方下がり傾斜部に形成するととも
に、前記リヤフェンダ部291の側壁294上縁部を車両側面
視、前記縦長シートの底部形状に合わせて形成させ、且
つ該サイドカバー部124と縦長シート35とリヤフェンダ
部291の側壁294との各接続部外表面をそれぞれ車両幅方
向で略同一面となるように滑らかに連接されている。
このリヤカバー装置29は、上記上部フレーム81,82に数
カ所でネジ留めされ、外リヤカバー29の上部にシート35
が載置される。
一方、上記車軸11には、ボディ1の前面を保護するため
のバンパー36が装着されており、このバンパー36は、逆
U字状に折曲げた主パイプ37と、この主パイプ37の対向
部分に掛け渡された複数本の補助パイプ38とで構成され
ている。上記主パイプ37は、車体を持ち上げる際の持ち
上げ用ハンドルとして用いることもできる。なお、該バ
ンパー36の下部側に保護プレート39を装着すれば、より
一層、エンジン部分の保護を図ることができる。
フロントフェンダ部121およびリヤフェンダ部291はバル
ーンタイヤ5の外側5aより内側に位置するように配設さ
れており、岩あるいは障害物への接触を防止している。
このフロントフェンダ部121およびリヤフェンダ部291に
は、少なくとも、後端部から外側にかけて外側に張り出
したゴムあるいは塩化ビニール等の軟質材で形成したフ
ラップ40,41が設けられている。フラップ40,41はフロン
トフェンダ部121およびリヤフェンダ部291より外側に張
り出して設けられているが、軟質材で形成していること
から、自由に撓むので障害物に接触しても破損すること
はない。
なお、フロントフェンダ部121およびリヤフェンダ部291
には外側全域あるいは前側に帯状のゴムあるいは塩化ビ
ニール等の軟質材で形成した、いわゆるオーバーフェン
ダーあるいは補助フェンダーを装着することにより、湿
地帯あるいは泥寧地の走行に際して泥除けの機能を増大
させることができるのは言うまでもない。この場合、オ
ーバーフェンダーあるいは補助フェンダーはクリップ等
を用いて着脱自在にフロントフェンダ部121およびリヤ
フェンダ部291に装着しておき、竹藪あるいは山林走行
に際してはオーバーフェンダーあるいは補助フェンダー
を外して竹藪等による傷付きを防ぐことができる。
次に、上記本発明による不整地走行用鞍乗型四輪車を運
転する場合について説明する。
まず、運転者は、シート35に跨がって足をバーステップ
16に置き、バーハンドル7のグリップ701を両手に握っ
て走行する。そして、左折あるいは右折、旋回等を行な
うには、普通の二輪車のように、バーハンドル7を所望
の進行方向に回動させる。これに応じて、ステアリング
シャフト14が所定角度回動し、アーム24の回動に伴っ
て、リンク機構6を作動する。
これによって、通常タイヤよりタイヤの接地面積が大き
いバルーンタイヤにもかかわらず、後車輪4より小径で
小幅の前車輪3は、容易に必要な角度だけ、転舵され、
車体の進行方向が変えられる。急旋回などを行なう場合
には、バーハンドル7の向きを変えると同時に、体重の
移動を行なうと、内輪側のバルーンタイヤ5が凹み、こ
れが、通常の四輪車の差動歯車と同様の機能を果たし
て、急旋回などが行われる。
そして、前車輪3のバルーンタイヤ5は不整地走行が主
なので障害物の岩,石,木等に乗り上げたり、接触しな
がら走行する。このとき、フロントフェンダ部121の外
側縁121aはバルーンタイヤ外側5aより内側に位置するの
で、フロントフェンダ部121の外側縁121aが障害物に接
触、損傷する機会が少ない。フラップ40,41は自由に撓
むので障害物に接触しても破損することはない。
とくに、フロントフェンダ部121の外側縁121aは最外側
部Oから前部fに向けて徐々に細くなるテーパに形成さ
れているので、けもの道等のヤブの中での走行に際して
は立木を掻き分ける作用をする。
走行時、ボディ1の前面に衝突する石などの障害物は、
バンパー36によって保護される。このバンパー36は、ボ
ディ1の向きを変える際には、ボディ1を持ち上げるハ
ンドルとして用いることができる。
左右の前輪バルーンタイヤ5の上方を覆う上壁121bと、
該バルーンタイヤ5後方を覆う後壁121cとを一体成形
し、かつ、外側縁を前輪バルーンタイヤ5外側より内側
に位置させた左右のフロントフェンダ部121と、該フロ
ントフェンダ部121の内側縁から後方に延びた略垂直方
向のサイドカバー部124と、左右の後輪バルーンタイヤ
5上方および前方を覆う上壁291aおよび前壁291bならび
に内側縁に前方に向かう略垂直方向の側壁294とを一体
的に形成した左右のリヤフェンダ部291とを備え、エン
ジン18のシリンダ部18aの少なくとも中央部を車両側面
視、前方は前記フロントフェンダ部121の後壁121cより
後方であって、後方は前記リヤフェンダ部291側壁294よ
り前方に、かつ、上方は前記サイドカバー部124より下
方に位置するように側面を側方に露出状態でフレーム2
に搭載したので、エンジン18の放熱効果が大きい。
前記サイドカバー部124の後縁部125を車両側面視、前記
縦長シート35の前部立上り部形状に合わせた後方下がり
傾斜部に形成するととともに、前記リヤフェンダ部291
の側壁294上縁部を車両側面視、前記縦長シート35の底
部35a形状に合わせて形成させ、且つ該サイドカバー部1
24と縦長シート35とリヤフェンダ部291の側壁294との各
接続部外表面をそれぞれ車両幅方向で略同一面となるよ
うに滑らかに連接させたので、外観の向上が図れるとと
もにサイドカバー124部およびリヤフェンダ部291の側壁
294に搭乗時のニーグリップ機能を持たせることができ
る。
g.発明の効果 以上述べたように本発明の不整地走行用鞍乗型四輪車に
よれば、各構成要件を単一車両に備えることにより次の
ような効果を有する。
前車輪のタイヤ幅Wを後車輪のタイヤ幅Wよりも小さ
く(W<W)設定したので、前車輪を後車輪と同幅と
したものに比べ前車輪の接地面積が少なくなり、ハンド
ル操舵力を軽くして操縦性能の向上を図ることができ
る。
左右のバーステップの外側縁幅lを前車輪の幅l
り内側に配置(l<l)したので、前車輪が草,木
等を踏みつけて走行した後ではそれらが足(ステップ)
に当たることがない。
左右の前輪バルーンタイヤの上方を覆う上壁と、該バル
ーンタイヤ後方を覆う後壁とを一体成形し、かつ、外側
縁を前輪バルーンタイヤ外側より内側に位置させた左右
のフロントフェンダ部と、該フロントフェンダ部の内側
縁から後方に延びた略垂直方向のサイドカバー部と、左
右の後輪バルーンタイヤ上方および前方を覆う上壁およ
び前壁ならびに内側縁に前方に向かう略垂直方向の側壁
とを一体的に形成した左右のリヤフェンダ部とを備えた
ので、左右の前輪バルーンタイヤの上方と後方、および
左右の後輪バルーンタイヤの上方と前方を効果的に覆っ
て、走行時のタイヤによる石あるいは泥等のはね上げを
防ぐことができる。
エンジンのシリンダ部の少なくとも中央部を車両側面
視、前方は前記フロントフェンダ部の後壁より後方であ
って、後方は前記リヤフェンダ部側壁より前方に、か
つ、上方は前記サイドカバー部より下方に位置するよう
に側面を側方に露出状態でフレームに搭載したので、エ
ンジンの放熱効果が大きい。とくに、不整地走行車両は
高速で走る車両ではないのでオーバーヒートに神経を使
っており、効率的に冷却効果を得られるように勘案した
ものである。
前記サイドカバー部の後縁部を車両側面視、前記縦長シ
ートの前部立上り部形状に合わせた後方下がり傾斜部に
形成するととともに、前記リヤフェンダ部の側壁上縁部
を車両側面視、前記縦長シートの底部形状に合わせて形
成させ、且つ該サイドカバー部と縦長シートとリヤフェ
ンダ部の側壁との各接続部外表面をそれぞれ車両幅方向
で略同一面となるように滑らかに連接させたので、外観
の向上が図れるとともにサイドカバー部およびリヤフェ
ンダ部の側壁に搭乗時のニーグリップ機能を持たせるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は本発明の不整地走行用鞍乗型四輪
車の一実施例を示し、第1図は側面図、第2図は平面図
である。第3図は第1図のフレーム構造を示す斜視図、
第4図は第2図のカバーおよびシートなどを取り除いて
示す平面図、第5図は車軸と前車輪との結合部を示す断
面図、第6図は第5図のA−A線断面図、第7図はステ
アリングシャフトの支持構造を示す部分断面図、第8図
は第7図のA−A線断面図である。 1……ボディ、 2……フレーム、 3……前車輪、 4……後車輪、 5……バルーンタイヤ、 6……リンク機構、 7……バーハンドル、 11……車軸、 12……フロントカバー装置、 14……ステアリングシャフト、 16……ステップ、 24,28……アーム、 29……リヤカバー装置、 30……空気取入口、 36……バンパー、 121……フロントフェンダ部、 122……センターフェンダ部、 124……サイドカバー部、 291……リヤフェンダ部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 篠原 芳樹 静岡県浜松市富塚町1299−54 (56)参考文献 特開 昭56−43074(JP,A) 特開 昭56−43073(JP,A) 実開 昭55−138123(JP,U) 実開 昭55−135686(JP,U) 米国特許4082155(US,A) 意匠公報538800の類似1(JP,S) 意匠公報422304(JP,S) 意匠公報365488の類似1(JP,S)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フレームの前部左右と後部左右に、バルー
    ンタイヤを装着した前車輪と後車輪を各二輪備え、フレ
    ームに対してステアリングシャフトを回転自在に軸支す
    るステアリング軸支部後部からフレーム後方に向けてフ
    レームの略中央に縦長のシートを載置し、上記ステアリ
    ングシャフトの上端に設けたバーハンドルでステアリン
    グシャフト下端とリンク結合した前車輪側のナックルア
    ームを介して前二輪を操舵するとともに、バーステップ
    を前後輪の間で上記シート下方の車体左右に配置し、前
    後輪間に搭載したエンジンで車輪を駆動し不整地を走行
    する鞍乗型四輪車であって、上記前車輪のタイヤ幅W
    を後車輪のタイヤ幅Wよりも小さく(W<W)設定
    し、かつ上記左右のバーステップの外側縁幅lを前車
    輪の幅lより内側に配置(l<l)すると共に、
    上記左右の前輪バルーンタイヤの上方を覆う上壁と、該
    バルーンタイヤ後方を覆う後壁とを一体成形し、かつ、
    外側縁を前輪バルーンタイヤ外側より内側に位置させた
    左右のフロントフェンダ部と、該フロントフェンダ部の
    内側縁から後方に延びた略垂直方向のサイドカバー部
    と、左右の後輪バルーンタイヤ上方および前方を覆う上
    壁および前壁ならびに内側縁に前方に向かう略垂直方向
    の側壁とを一体的に形成した左右のリヤフェンダ部とを
    備え、前記エンジンのシリンダ部の少なくとも中央部を
    車両側面視、前方は前記フロントフェンダ部の後壁より
    後方であって、後方は前記リヤフェンダ部側壁より前方
    に、かつ、上方は前記サイドカバー部より下方に位置す
    るように側面を側方に露出状態でフレームに搭載すると
    ともに、前記サイドカバー部の後縁部を車両側面視、前
    記縦長シートの前部立上り部形状に合わせた後方下がり
    傾斜部に形成するとともに、前記リヤフェンダ部の側壁
    上縁部を車両側面視、前記縦長シートの底部形状に合わ
    せて形成させ、且つ該サイドカバー部と縦長シートとリ
    ヤフェンダ部の側壁との各接続部外表面をそれぞれ車両
    幅方向で略同一面となるように滑らかに連接させたこと
    を特徴とする不整地走行用鞍乗型四輪車。
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