JPH0667299U - 給水装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 付加的な積載飲料水量なしに機内シヤワーの
ために十分な量の水を規定に適う水質で供給できる給水
装置を提供する。 【構成】 洗面所が廃水タンク１２，廃水浄化装置１３
及び貯蔵タンク８と共に回路を形成し，廃水浄化装置１
３が，廃水を順次通される機械的フイルタ２５，ポンプ
２６，活性炭を入れた炭素フイルタ２７，オゾン段階２
８，浸透段階２９及び殺菌段階３０から構成されてい
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は，飲料水タンク及び廃水タンクを持ち，洗面器及び便器を含む洗面所 及び機内調理室のような水取り出し個所が給水装置に接続され，廃水タンクが廃 水浄化装置に接続され，この廃水浄化装置が浄化された水を貯蔵タンクへ供給し ，洗面所が貯蔵タンク及び廃水タンクに接続されて，浄化された水を導く導管が 廃水を導く導管と共に回路を形成するようにしている，特に航空機に搭載される 給水装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

飲料水タンク及び廃水タンクに水取出し個所が接続されている公知の給水装置 は大体において，接続された取り出し個所への供給のために使われる飲料水タン クと，生ずる廃水用のタンクと，適当な導管の系とから成り，その際水の供給は ポンプによつて行われる。最初に持ち込まれた飲料水の約６６％は機内調理室及 び洗面所に分配され，これらの個所の廃水は直接外部へ導出される。前述の廃水 タンクは，洗浄水として便器を通過した３４％の廃水を収容するため使用される にすぎない。このような給水装置では，出発の際に持ち込まれる経済的追加積載 水量を明らかに越えることなしに，例えば機内シヤワー用の多量の水需要を満た すことはもちろん不可能である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の基礎になつている課題は，最初にあげたような給水装置を改良して， 付加的な積載飲料水量なしに例えば機内シヤワーのために十分な量の水を規定に 適う水質で供給できるようにすることである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

この課題を解決するため本考案によれば，洗面所の洗面器及び便器が前記の回 路に接続され，廃水浄化装置が，廃水を順次通される機械的フイルタ，ポンプ， 活性炭を入れた炭素フイルタ，オゾン段階，浸透段階及び殺菌段階から構成され ている。

【０００５】

【考案の効果】

こうして本考案によれば，機械的フイルタ，ポンプ，炭素フイルタ，オゾン段 階，浸透段階及び殺菌段階から構成される廃水浄化装置により廃水が完全に浄化 ，殺菌されるので，浄化された水をいわゆる雑用水としてのみならず，飲料水と しても使用でき，それにより航空機における雑用水及び飲料水の搭載量を少なく し，飲料水タンクも小さくできる。その結果航空機輸送乗客数を多くすることも 可能となる。

【０００６】

【実施例】

本考案の実施例を図面により詳細に説明する。

【０００７】 図１は，航空機に搭載される給水装置を示し，この給水装置により機内調理室 １及び便器２と給水栓４付き洗面器３とを持つ洗面所へ水が供給される。この給 水装置は更に飲料水タンク５を持ち，この飲料水タンクはポンプ６を介して飲料 水導管７に接続されている。浄化された水（雑用水）のための貯蔵タンク８はポ ンプ９を介して水導管１０に接続されている。機内調理室１，便器２及び洗面器 ３の流出口は，廃水導管１１を介して廃水タンク１２に接続されている。本考案 により廃水浄化装置１３が設けられて，吸入導管１４，ポンプ１５及び吐出導管 １６を介して貯蔵タンク８に接続されている。タンク５，８，１２は，機外にあ る閉鎖可能な充填接続管片１７，１８，１９に接続されている。導管２０は廃水 タンク１２を別の接続管片２１に接続する。廃水浄化装置１３は複数の段階から 成り，これらの段階において廃水が複数の浄化処置を受ける。

【０００８】 この給水装置を備えた航空機の出発前に，飲料水タンク５及び貯蔵タンク８が 飲料水を満たされる。廃水タンク１２は接続管片２１を介して空にされ，それか ら接続管片１９を介して導入される水で洗浄される。飛行中に，ここには１つし か示されていない給水栓４は，ポンプ９により導管１０を介して，浄化された水 即ち雑用水を供給される。同様に飲料水は，導管７を介して機内調理室１の図示 してない飲料水取り出し個所へ達する。廃水導管１１を介して集められる廃水が 廃水タンク１２内にたまると，廃水浄化装置１３で水の浄化過程が始まる。浄化 された水は，ポンプ１５により導管１６を介して貯蔵タンク８へ送られる。この 浄化された水は雑用水として，洗面所の雑用水取り出し個所即ち便器２及び給水 栓４で利用される。従つて機内で浄化された水に関して，貯蔵タンク８と雑用水 取り出し個所２，４と廃水浄化装置１３付き廃水タンク１２との間に，回路形成 される。この回路を循環する水の量は，機内調理室１から排出される水により徐 々に増加する。従つて雑用水のみを供給される取り出し個所への供給のために， 最初から十分に見込んだ水量を収容することは，もはや必要でなく，このことは 航空機にとつて特に有利である。

【０００９】 廃水浄化装置１３は，後述するように個々の段階の適当な設計により，生ずる 廃水から直接きれいな飲料水を供給することができる。これは２つの点で給水装 置の全重量に有利な影響を与える。なぜならば貯蔵タンク８は，これを大きく構 成する必要なしに，飲料水タンク５の機能を引き受けるため，飲料水タンク５が 省略され，更に今や１つの品質即ち飲料水品質の水のみが供給されるため，両方 の供給導管７及び１０のうちの一方が省略されるからである。

【００１０】 給水装置の前述した構成の重要な利点は，出発前に積み込むべき雑用水の量が 公知の装置より非常に少ないことである。これによつて，雑用水の代わりにそれ だけ多くの乗客を輸送し，また多量の水消費のために従来使用できなかつた種類 の負荷例えばシヤワーも設置することができる。

【００１１】 図２は廃水タンク１２に接続される廃水浄化装置１３を示し，この廃水浄化装 置は導管２２を介して廃水タンク１２に接続され，更に導管２３を介して貯蔵タ ンク８に接続されている。廃水浄化装置１３は，導管２２を通つて流入する水が 順次に通る機械的フイルタ２５，ポンプ２６，活性炭を入れた公知の種類の炭素 フイルタ２７，オゾン段階２８，浸透段階２９及び殺菌段階３０から構成されて いる。オゾン段階２８は導管２４を介して廃水タンク１２に接続されているので ，オゾンが廃水タンク１２にも導入される。この場合オゾンを導入される廃水タ ンク１２は，第１のオゾン段階の機能をも引き受けるので，このオゾン段階２８ は第２のオゾン段階となる。

【００１２】 機械的フイルタ２５は主として固体の浮遊物質の分離のために役立つ。

【００１３】 炭素フイルタ２７の効果は活性炭の性質に基いている。活性炭は水浄化の際種 々の有利な作用を示し，従つて溶けた物質を結合し，有害物質例えば植物保護剤 及び表面張力低下剤を多量に吸着し，細菌による特定の有害物質の分解を助長し ，多くの物質例えば触媒としての塩素化合物に作用し，それによりこれらの有害 物質を水から除去する。

【００１４】 オゾン段階２８において，処理すべき水はオゾンに接触せしめられる。この場 合細菌及びウイルスのような多種の微生物が殺される。悪味物質，悪臭物質及び 例えばフエノールのような他の有機物質が除去される。更にオゾンで処理するこ とにより，鉄，マンガン，硫黄のような元素が水から除去される。これに反し水 の酸素濃度が高められる。

【００１５】 水浄化の際浸透段階２９においていわゆる逆浸透の効果が利用される。この場 合水は浸透圧に抗して半透過性膜の分子組織を押し通され，その際水粒子のみが 膜を通過できるので，膜の後に純水が集まる。

【００１６】 オゾン供給が十分でない場合，導管中に藻類又は他の堆積物が生ずる。これを 回避するために，殺菌段階３０によつて少量の殺菌剤例えば塩素化合物を添加す ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による給水装置の概略構成図である。

【図２】図１の廃水浄化装置の詳細な構成図である。

【符号の説明】

１ 機内調理室 ２ 便器 ３ 洗面器 ５ 飲料水タンク ８ 貯蔵タンク １２ 廃水タンク １０，１１，１４，１６ 導管 ２５ 機械的フイルタ ２６ ポンプ ２７ 炭素フイルタ ２８ オゾン段階 ２９ 浸透段階 ３０ 殺菌段階

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｅ０３Ｄ 11/00 8704−2Ｄ (72)考案者 カルル・コーレル ドイツ連邦共和国ハンブルク52・アンゾル ゲシユトラーセ29 (72)考案者 デイルク・フオン・ライト ドイツ連邦共和国ハンブルク54・ローベク シユテイーク24

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 飲料水タンク及び廃水タンクを持ち，洗
   面器及び便器を含む洗面所及び機内調理室のような水取
   り出し個所が給水装置に接続され，廃水タンクが廃水浄
   化装置に接続され，この廃水浄化装置が浄化された水を
   貯蔵タンクへ供給し，洗面所が貯蔵タンク及び廃水タン
   クに接続されて，浄化された水を導く導管が廃水を導く
   導管と共に回路を形成するようにしているものにおい
   て，洗面所の洗面器及び便器が前記の回路に接続され，
   廃水浄化装置（１３）が，廃水を順次通される機械的フ
   イルタ（２５），ポンプ（２６），活性炭を入れた炭素
   フイルタ（２７），オゾン段階（２８），浸透段階（２
   ９）及び殺菌段階（３０）から構成されていることを特
   徴とする，給水装置。
2. 【請求項２】 廃水浄化装置（１３）に関係なく機内調
   理室（１）へ飲料水を供給するための飲料水タンク
   （５）が設けられていることを特徴とする，請求項１に
   記載の給水装置。
3. 【請求項３】 飲料水タンク（５）及び貯蔵タンク
   （８）の代わりに，浄化された水のためのタンクだけが
   設けられていることを特徴とする，請求項１に記載の給
   水装置。
4. 【請求項４】 廃水タンク（１２）が水浄化の一部の機
   能を引き受けるように構成されていることを特徴とす
   る，請求項１ないし３のうち１つに記載の給水装置。