JPH0666193B2 - 磁性薄膜トランス - Google Patents

磁性薄膜トランス

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JPH0666193B2
JPH0666193B2 JP2066979A JP6697990A JPH0666193B2 JP H0666193 B2 JPH0666193 B2 JP H0666193B2 JP 2066979 A JP2066979 A JP 2066979A JP 6697990 A JP6697990 A JP 6697990A JP H0666193 B2 JPH0666193 B2 JP H0666193B2
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magnetic thin
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magnetic
eddy current
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JP2066979A
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一幸 山口
文雄 武田
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株式会社アモルファス・電子デバイス研究所
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F17/00Fixed inductances of the signal type 
    • H01F17/0006Printed inductances
    • H01F2017/0053Printed inductances with means to reduce eddy currents

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は性能向上及び作製工程の改善をした高周波領域
で使用する磁性薄膜トランスに関するものである。
[従来の技術] 従来の磁性薄膜トランスの構成について、発表論文(電
気学会マグネティックス研究会資料MAG-87-76,89(198
7))の記述内容を各層ごとに書くと第3図となる。支持
体の上に第1層目の磁性薄膜1が形成され、第2層目は
絶縁層3、第3層目は導体層で、黒い方が1次コイル
4、白い方が2次コイル5である。第4層目は絶縁層3
で、中央部にある2つの窓は、AとA′、BとB′を接
続するための窓である。第5層目はAとA′、BとB′
を接続する導体引き出し線2である。第6層目はA
A′、BB′の導体引き出し線を絶縁する絶縁層3であ
る。第7層目に再度磁性薄膜1を形成し、磁性薄膜トラ
ンスの作製プロセスは完了する。
[発明が解決しようとする課題] ◎渦電流による性能低下の問題 第3図の従来形の1次コイルに高周波電流を印加する
と、コイルの周りに高周波磁界が発生し、磁性薄膜には
磁束が誘起される。第4図(a)に従来形薄膜トランスを
書いた。ここで磁性薄膜の膜厚をhoとした。導体層の下
の磁性薄膜の渦電流の説明は上の磁性薄膜の場合と同様
であるから、下の層を省略してある。1次コイル4の電
流によって、磁性薄膜1に磁束6が矢印の方向に誘起さ
れる。この磁束によって磁性薄膜に誘電起電力が発生
し、それに伴って渦電流7が発生する。この渦電流の向
きは、第4図(a)に示したように、1次コイル4の電流
とは反対向きである。従って、この渦電流7によって磁
性薄膜1に誘起される磁束8は、1次コイルによる磁束
の向き6とは反対向きになる。それらの関係をわかり易
く書き表わしたのが第4図(b)、(c)である。この図から
わかるように、渦電流による磁束8はマイナス方向であ
る。磁束薄膜内の総磁束は1次コイルによる磁束6と渦
電流による磁束8の和であるから、総磁束は渦電流によ
って減少する。そのため2次コイル5に誘起される揺動
起電力は、総磁束の減少に対応して低下する。更に、渦
電流損失が大きいので、薄膜トランスの作動周波数が下
がる。また発熱量が大きくなるので、使用環境条件が制
限される。
以上のように、従来の磁性薄膜の形状では、渦電流が大
きいため、磁束の減少、作動周波数の低下、発熱などの
問題がある。
◎積層数が多く不良率が高い問題 従来の薄膜トランスは、第3図に示したように、7層で
構成されている。7層構成のように層数が多い場合に
は、次のような問題が起きる。
磁性薄膜、絶縁層、導体層と異なる薄膜材料を積層して
いくと、膨張係数に差があるため、スパッタリング法に
よる薄膜形成時の高温状態や樹脂等で絶縁層を形成する
ための高温熱処理が原因となって、層間に歪みが発生
し、積層膜はしばしば剥離することがある。7層構成は
5層構成に比較して、作製プロセスの途中で積層膜が剥
離するという問題が発生する可能性が高い。積層数が多
いと、それだけで作製工数が多くかかり、コスト高にな
る。磁性薄膜トランスの作製は、フォトリソグラフィ技
術でパターニングするが、積層数が多いと、それだけフ
ォトマスクの枚数が多くなり、生産コストが高くなる。
積層数が多い場合には、以上のような問題点がある。
そこで、本発明は渦電流を小さくすることより性能を向
上し得、かつ積層数を少なくすることにより不良率を低
くし得る磁性薄膜トランスを提供することを目的とす
る。
[課題を解決するための手段と作用] 本発明は上記目的を達成するために、導体層よりなる1
次コイルおよび2次コイルの両面にそれぞれ絶縁層を介
して磁性薄膜が積層された磁性薄膜トランスにおいて、
磁性薄膜にスリット状の隙間を設けたことを特徴とする
もので、磁性薄膜に隙間を設けることにより、渦電流を
小さくして性能向上を図ることができるものである。
[実施例] 第1図は本発明の一実施例の積層構成を示す。第3図に
示した従来の例は四角形になっているが、この実施例は
円形である。その相違は基本的な要素ではない。本実施
例の第1層目には、四方にスリット状の隙間21を設け
た磁性薄膜22と1箇所のスリット部に1次コイルと2
次コイルの引き出し線23を設けた。第2層目は絶縁層
24で、中心部は窓明け25して、絶縁層を抜いてあ
る。第3層目は導体層で、円形スパイラル形の1次コイ
ル26、2次コイル27で中央接続部C′、D′を引き
出し線のC、Dに接続し、1次コイル、2次コイルは完
成する。第4層目は絶縁層28で、中央部は窓明け29
して、絶縁層を抜いてある。第5層目はスリット状の隙
間30を設けた磁性薄膜31である。磁性薄膜トランス
としての構成はこれで完成する。第3図に示した従来の
7層構成に比較して、本実施例は5層構成で、本実施例
の優位性は明確である。第5層目の磁性薄膜30のスリ
ット状の隙間30は、第1図の実施例では、実際的見地
から第1層目の磁性薄膜22と同一に設計してあるが、
原理的には同一である必要はない。また、引き出し線2
3は第1層目に設けてあるが、第5層目に設けることも
可能である。
磁性薄膜を複数の素片に分割する場合は、第2図を第1
層目とする。すなわち、複数の素片に分割した磁性薄膜
22′を相互に隙間21′をおいて配設し、この隙間2
1′に1次コイルと2次コイルの引き出し線23′を設
けた。第2層〜第5層目は第1図の実施例と全く同じ手
法で磁性薄膜トランスを作製するが、類似図面となるの
で省略する。
本実施例によれば以下のような効果がある。
◎渦電流を小さくすることができる。
本実施例は渦電流を小さくするため、磁性薄膜の中央部
と外周部を結ぶように、スリット状の間隙を設けるか、
または磁性薄膜を素片に分割することを特長としてい
る。最初に、スリット状の間隙を設けると渦電流が小さ
くなることを説明する。スリット状の間隙は1本以上
で、その幅は、電流の流れを遮断することを目的とする
から無限に細くてもよい。具体例として、薄膜円形磁心
に90度間隔に4本のスリットを設け、4分割した磁性
薄膜の1個を取り出して第5図(a)に示した。また、こ
の構成における磁束を第5図(b)に、渦電流を第5図(c)
に示した。第5図(a)で1次コイル26に電流を流す
と、磁性薄膜31の磁束は矢印の向き32となる。この
磁束変化に伴って、1次コイルに近い磁性薄膜の部分、
すなわち、下の面付近の渦電流33は、1次コイル26
の電流の向きとは逆向きになる。電流の原理的に閉ルー
プを構成しなければいけないので、磁性薄膜の下の面付
近で誘起した渦電流は、第5図(a)に示したように、そ
の上面付近を流れる渦電流34の電流ループとなる。こ
れらの関係を第5図(b)、(c)に直交座標で書き表わし
た。渦電流による磁束は第5図(a)、(b)に示したように
磁性薄膜の下の面付近では、1次コイルによる磁束32
とは逆向き35に、上の面付近では同じ向き36とな
る。従って渦電流による磁束は磁性薄膜の上下で相殺さ
れる。その結果1次コイル26の電流による磁束32は
2次コイル27の誘導起電力誘起に有効に作用する。渦
電流の量は第5図(c)の33と34の面積であるが、本
実施例の方法では、磁性薄膜の膜厚方向の真中付近は、
渦電流が流れない構造になっている。従来の方法では、
第4図(c)に示したように、厚さ方向全体に一方向に流
れている。第5図(c)と第4図(c)の面積の比較から本実
施例の方が渦電流が小さいことが容易に理解できる。
次に、磁性薄膜の複数の素片に分割する場合も、第5図
(a)、(b)、(c)の説明手順で、渦電流が小さいことを説
明することができる。渦電流を小さくすると、渦電流損
失が低減され、磁性薄膜トランスの高周波数化が実現で
きる。また発熱量が少なくなるので、空冷用ファン等が
不要となり、薄膜トランスの使用環境条件が改善され
る。
◎積層数を少なくすることができる。
従来の方法では、第3図にも示したように、磁性薄膜1
と導体引き出し線2の間に必ず接続層3を介しており、
それらを積層した構造になっている。本実施例は、第1
図に示したように、磁性薄膜22にスリット状の間隙2
1部を設け、その部分に1次コイル、2次コイルの中心
部から外部へ導体引き出し線23を配置する。
磁性薄膜を複数の素片に分割した場合については、第2
図に示したように、磁性薄膜22′の素片の隙間21′
に、第1図と同様に、導体引き出し線23′を配置す
る。
以上のように磁性薄膜の導体の一部を一層に形成するこ
とを特長とする。
本実施例によって、従来の磁性薄膜、絶縁層、導体層の
3層積層構成が、磁性薄膜と導体を併置した一層構成に
単純化でき、積層プロセスが改善される。その結果、作
製歩留が向上し、コストダウンを図ることができる。こ
のスリット状の隙間及び分割した素片の間隙は渦電流の
低減化にも有効であり、積層プロセスの改善と合わせて
二重の特長を有している。
[発明の効果] 従来の磁性薄膜トランスの磁性薄膜は、一平面である
が、本発明は磁性薄膜にスリット状の隙間を設けるか、
又は磁性薄膜を複数の素片に分割することを特長として
いる。その隙間によって、渦電流を抑制でき、1次コイ
ルの高周波電流によって磁性薄膜に誘起される磁束が、
有効に2次コイルに作用する。また渦電流の減少に伴っ
て渦電流損失が減少するので、磁性薄膜トランスの高周
波数化が実現できる。更に発熱量も小さくなるので磁性
薄膜トランスの使用環境条件が改善される。
本発明の第2の特長は、磁性薄膜にスリット状の隙間、
または磁性薄膜の素片分割による隙間に1次コイル、2
次コイルの一部を配置し、薄膜の積層数を少なくするこ
とでる。この方法によって、積層プロセスが単純化さ
れ、層間の歪みが緩和され、製品不良率が低減され、作
製歩留が向上する。同時に作製工数が削減される。ま
た、作製用のフォトマスク数も少なくでき、原価の引き
下げもできる。これらの本発明の特長によって磁性薄膜
トランスのコストダウンが可能である。
以上のように、本発明は、磁性薄膜トランスの性能並び
にコストダウンの両面で大きな効果である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す分解平面図、第2図は
本発明の他の実施例の第1層目を示す平面図、第3図は
従来の磁性薄膜トランスを示す分解平面図、第4図
(a)、(b)、(c)は従来の磁性薄膜トランスの1次コイル
の電流によって磁性薄膜に発生する渦電流及び磁束を示
す説明図、第5図は本発明の一実施例の1次コイルによ
って磁性薄膜の下の面と上の面に発生する渦電流とそれ
に伴う磁束を示した説明図である。 22,31…磁性薄膜、23…引き出し線、24,28
…絶縁層、26…1次コイル、27…2次コイル。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導体層よりなる1次コイルおよび2次コイ
    ルの両面にそれぞれ絶縁層を介して磁性薄膜が積層され
    た磁性薄膜トランスにおいて、磁性薄膜にスリット状の
    隙間を設けたことを特徴とする磁性薄膜トランス。
  2. 【請求項2】磁性薄膜を複数の素片に分割したことを特
    徴とする請求項1記載の磁性薄膜トランス。
  3. 【請求項3】磁性薄膜のスリット状の隙間、もしくは磁
    性薄膜の素片間の隙間に、1次コイル、2次コイルの一
    部を配線したことを特徴とする請求項1または2記載の
    磁性薄膜トランス。
JP2066979A 1990-03-19 1990-03-19 磁性薄膜トランス Expired - Lifetime JPH0666193B2 (ja)

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