JPH0666160A - 燃料噴射装置用燃料補正装置 - Google Patents

燃料噴射装置用燃料補正装置

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JPH0666160A
JPH0666160A JP23630292A JP23630292A JPH0666160A JP H0666160 A JPH0666160 A JP H0666160A JP 23630292 A JP23630292 A JP 23630292A JP 23630292 A JP23630292 A JP 23630292A JP H0666160 A JPH0666160 A JP H0666160A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ブースト圧および大気圧による燃料補正を
行うに当たり、ブースト圧が低い低速時にあっても、大
気圧補正を行うことができるようにすることによって、
とくに高地での発進時の黒煙等の発生を低減させること
ができる燃料噴射装置用燃料補正装置を提供すること。 【構成】 第1の補正用リンク31の回動の支点を移
動させることに着目したもので、ブーストコンペンセー
ター3およびアネロイドコンペンセーター4の間に配設
するとともに、移動可能な支点のまわりに回動可能な第
1の補正用リンク31と、別に設けた回動固定軸35
と、この回動固定軸35のまわりに回動可能な第2の補
正用リンク32とを設け、かつこの第2の補正用リンク
32の回動に応じて第1の補正リンク32の支点を移動
可能としたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はディーゼルエンジンなど
における燃料噴射装置用燃料補正装置にかかるもので、
とくに過給機用の燃料補正および高地用の燃料補正の両
機能を果たすことができるようにした燃料噴射装置用燃
料補正装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、ターボチャージャー等の過給
機用として、その圧縮圧が大の時には燃料の噴射量を増
加させるように燃料補正を行うブーストコンペンセータ
ー(略称「ブーコン」)と呼ばれる燃料補正装置があ
る。
【0003】また大気圧が低い高地等を車両が走行する
場合に、その大気圧に応じて燃料の噴射量を減少させる
ように燃料補正を行うアネロイドコンペンセーター(略
称「アネコン」)と呼ばれる燃料補正装置がある。
【0004】こうしたブーストコンペンセーターおよび
アネロイドコンペンセーターをともに備えたものとし
て、たとえば特開平2−70930号に開示された燃料
噴射装置用燃料補正装置がある。
【0005】図7ないし図10にもとづき概説する。図
7は、燃料噴射装置用燃料補正装置1の低ブースト圧時
の概略断面図、図8は同、高ブースト圧時の概略断面図
であって、この燃料噴射装置用燃料補正装置1は、任意
の燃料噴射装置2の側面に互いに並設して取り付けたブ
ーストコンペンセーター3およびアネロイドコンペンセ
ーター4を有する。
【0006】このブーストコンペンセーター3は、ター
ボチャージャー等の過給機(図示せず)からのブースト
圧に応じて燃料補正を行うもので、ブーコンハウジング
5内に設けたブーコンダイヤフラム6により区画形成し
たブースト圧室7およびスプリング室8を有する。
【0007】ブーコンハウジング5に形成したブースト
圧取入れ口9を介して、上記過給機からのブースト圧を
ブースト圧室7内に取り入れるようになっている。
【0008】ブーコンダイヤフラム6に取り付けたブー
コンプッシュロッド10を往復動可能に配設する。ブー
コンスプリング11により、このブーコンプッシュロッ
ド10を常時図中右方に付勢する。
【0009】ブーコンダイヤフラム6のブースト圧室7
側には、ストッパーとして調整ねじ12を設けることに
より、ブーコンダイヤフラム6のセット位置を調整する
ことができるようにしてある。
【0010】ブーコンプッシュロッド10のブースト圧
室7とは反対側には、当接プレート13を取り付ける。
この当接プレート13のブーコンプッシュロッド10側
の面に補正用リンク14の一方の端部(ブーコン側端部
14A)を当接可能としてある。
【0011】当該ブーストコンペンセーター3とアネロ
イドコンペンセーター4との間に設けた回動用固定軸1
5を支点として、この補正用リンク14を回動可能に設
け、回動固定軸15をこえて図中下方にはアネロイドコ
ンペンセーター4を配設してある。
【0012】アネロイドコンペンセーター4は、大気圧
に応じて燃料補正を行うもので、アネコンハウジング1
6に大気開放孔17を形成することにより大気開放とし
てある。
【0013】アネコンハウジング16内には、アネコン
プッシュロッド18を往復動可能に配設してある。この
アネコンプッシュロッド18にはアネコンベローズ19
を固定し、アネコンスプリング20を介装してある。
【0014】アネコンベローズ19には、ストッパーと
して調整ねじ21を当接することによりアネコンベロー
ズ19のセット位置を調整可能としている。このアネコ
ンベローズ19は、大気圧が低くなると膨張する特性を
有するものとする。
【0015】前記補正用リンク14の他方の端部(アネ
コン側端部14B)をこのアネコンプッシュロッド18
の先端部18Aに当接可能としてあるとともに、前記燃
料噴射装置2の燃料量調節部材たとえばコントロールラ
ック22に当接することによりその移動量を制御可能と
してある。
【0016】このコントロールラック22が図中左方に
移動すると燃料の噴射量は減少し、右方へ移動すると増
加するものとする。なおコントロールラック22は、た
とえば戻しスプリング(図示せず)などにより、常時燃
料噴射量増加方向(図中右方向)に付勢してあるものと
する。
【0017】こうした構成の燃料噴射装置用燃料補正装
置1において、ブースト圧取入れ口9からのブースト圧
の導入によりブーコンスプリング11の付勢力に抗して
ブーコンダイヤフラム6が変形し、図7の状態からブー
コンプッシュロッド10が左動し、補正用リンク14に
よるストッパーが外れ、コントロールラック22が右動
して噴射量は増加する。
【0018】また大気開放孔17からの大気圧が低下す
ると、アネコンベローズ19が膨張するが、調整ねじ2
1により一端を固定されているので、アネコンプッシュ
ロッド18が左動し、補正用リンク14のアネコン側端
部14Bを介してコントロールラック22が押されるこ
とにより左動して噴射量は減少する。
【0019】しかして、図8に示すように高ブースト圧
時においては、ブーコンプッシュロッド10が左方向に
十分移動しているので補正用リンク14のアネコン側端
部14Bがコントロールラック22とアネコンプッシュ
ロッド18の先端部18Aとの両方に当接してこれらに
挟持されるため、大気開放孔17からの大気圧の導入状
態により、大気圧の比較的高い平地(実線)において
も、大気圧の比較的低い高地(破線)においてもアネロ
イドコンペンセーター4による大気圧燃料補正は可能で
ある。
【0020】しかしながら、図7に示すように低ブース
ト圧時においては、ブーコンプッシュロッド10が図8
の状態より右方向に位置しているため、アネコンプッシ
ュロッド18の先端部18Aが補正用リンク14のアネ
コン側端部14Bを介してコントロールラック22に当
接することがなく、平地(先端部18Aの位置を実線で
示す)および高地(先端部18Aの位置を破線で示す)
ともに大気圧による燃料補正が不可能となる。
【0021】図9はエンジンの回転速度に対するブース
ト圧およびラック(コントロールラック)位置の関係を
示すグラフ、図10はブースト圧に対するラック位置な
いしは燃料補正の増減を示すグラフであって、図10の
破線に示すように、ブースト圧が高いときには、大気圧
に応じてたとえば高地における燃料補正を行うことは可
能である。
【0022】しかしながら、低ブースト圧の時には大気
圧に応じた燃料補正が不可能である。したがって、たと
えば高地においてはエンジンの低回転における噴射量が
過多となり、黒煙排出の原因となるという問題がある。
【0023】要するに、ターボチャージャー付きディー
ゼルエンジンは上述のようなブーストコンペンセーター
3を装備することにより、ブースト圧力によって燃焼可
能な最大噴射量を決定するようにしているが、一般的に
はエンジンの全回転域において燃料補正を行うのではな
く、ブースト圧が低い低速時にのみ噴射量を減少させる
(図10の実線)という使われ方が一般的である。
【0024】一方、こうしたディーゼルエンジン付きの
車両が高地において運転される場合には空気密度が低い
ので、ターボチャージャーが過回転になるのを防止する
ために最大噴射量を減少させる必要があるわけである
が、上述のように低ブースト圧時には大気圧補正が不可
能であるという問題がある。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上のような
問題にかんがみなされたもので、ブースト圧および大気
圧による燃料補正を行うに当たり、ブースト圧が低い低
速時にあっても、大気圧補正を行うことができるように
することによって、とくに高地での発進時の黒煙等の発
生を低減させることができる燃料噴射装置用燃料補正装
置を提供することを課題とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、補正
用リンクの回動の支点を移動させることに着目したもの
で、過給機からのブースト圧に応じて燃料補正を行うブ
ーストコンペンセーターと、大気圧に応じて燃料補正を
行うアネロイドコンペンセーターとを有する燃料噴射装
置用燃料補正装置であって、上記ブーストコンペンセー
ターおよびアネロイドコンペンセーターを上記燃料噴射
装置のハウジングに並設するとともに、これらブースト
コンペンセーターおよびアネロイドコンペンセーターの
間に配設するとともに、移動可能な支点のまわりに回動
可能であり、かつその一方の端部を上記ブーストコンペ
ンセーターのブーコンプッシュロッドに当接可能とし、
その他方の端部を上記アネロイドコンペンセーターのア
ネコンプッシュロッドに当接可能とした第1の補正用リ
ンクと、この第1の補正用リンクの上記支点とは別に設
けた回動固定軸と、この回動固定軸のまわりに回動可能
であるとともにその一方の端部を上記アネロイドコンペ
ンセーターのアネコンプッシュロッドに当接可能とした
第2の補正用リンクとを設け、かつこの第2の補正用リ
ンクの回動に応じて上記第1の補正リンクの支点を移動
可能としたことを特徴とする燃料噴射装置用燃料補正装
置である。
【0027】なお、上記第1の補正用リンクの支点を移
動させるための支点移動機構としては、この第1の補正
用リンクの支点片に長穴を形成する構成、第3の補正用
リンクを設ける構成、あるいは燃料噴射装置の所定のハ
ウジング部分に長穴を形成する構成などを採用すること
ができる。
【0028】
【作用】本発明による燃料噴射装置用燃料補正装置にお
いては、ブーストコンペンセーターと、コントロールラ
ックあるいはこれに準ずる噴射量調節部とをつなぐ第1
の補正リンクの支点をアネロイドコンペンセーターのア
ネコンプッシュロッドつまりは第2の補正用リンクの作
用により移動させることとするとともに、ブースト圧が
高いときにはアネロイドコンペンセーターが直接上記噴
射量調節部の作用点に作用するようにしたので、ブース
ト圧が低いときおよび高いときにおいても、また平地お
よび高地においても、アネコンプッシュロッドがコント
ロールラックを押して噴射量を制御することができるよ
うになり、大気圧補正を別々に行うことができる。
【0029】
【実施例】つぎに本発明の第一の実施例による燃料噴射
装置用燃料補正装置30を図1ないし図4にもとづき説
明する。ただし、以下の説明において図7ないし図10
と同様の部分には同一符号を付し、その詳述はこれを省
略する。
【0030】図1は燃料噴射装置用燃料補正装置30の
低ブースト圧時の平地における概略断面図、図2は同、
低ブースト圧時の高地における概略断面図、図3は同、
高ブースト圧時の平地および高地における概略断面図で
あり、この燃料噴射装置用燃料補正装置30は、前記補
正用リンク14に相当する第1の補正用リンク31と、
この第1の補正用リンク31とは別に設けた第2の補正
用リンク32とを有する。
【0031】第1の補正用リンク31は、そのほぼ中央
部に支点片33を有し、この支点片33に形成した長穴
34に前記回動固定軸15を遊嵌し、この回動固定軸1
5を支点として第1の補正用リンク31を揺動可能とし
ている。
【0032】また、この第1の補正用リンク31のブー
コン側端部(一方の端部)31Aを当接プレート13の
ブーコンプッシュロッド10側の面に当接可能としてあ
る。
【0033】さらに、第1の補正用リンク31のアネコ
ン側端部(他方の端部)31Bを前記アネコンプッシュ
ロッド18の先端部18Aに当接可能としてあるととも
に、前記燃料噴射装置2のコントロールラック22にも
当接可能とすることによりこの移動量を制御可能として
ある。
【0034】第2の補正用リンク32は、ブーストコン
ペンセーター3とアネロイドコンペンセーター4との間
に設けた回動固定軸35にこれを回動可能に取り付け
る。
【0035】第2の補正用リンク32のアネコン側端部
32Aをアネコンプッシュロッド18の押圧用中間プレ
ート36に当接可能としてある。
【0036】第2の補正用リンク32のほぼ中央部に
は、第1の補正用リンク31の支点片33に向かって支
点移動用押し部材37を固定し、調整ねじ38によりそ
の突出量を調整可能としている。
【0037】こうした構成の燃料噴射装置用燃料補正装
置30において、図1に示すように、ブースト圧が低い
ときには、ブーストコンペンセーター3のブーコンプッ
シュロッド10はブーコンスプリング11の付勢力によ
り調整ねじ12に当たるまで図中右方向に寄っている。
【0038】また、燃料噴射装置2のガバナー(図示せ
ず)によって制御している本来の位置よりコントロール
ラック22を左側に押して、燃料噴射量を絞っている。
【0039】したがってこの状態から、ブースト圧の変
動により、ブーコンダイヤフラム6、ブーコンプッシュ
ロッド10および当接プレート13が右方向あるいは左
方向に移動し、第1の補正用リンク31が時計方向ある
いは反時計方向に揺動し、アネコン側端部31Bがコン
トロールラック22を押す、あるいは押されることによ
り燃料の噴射量を補正する。
【0040】図2に示すように、低ブースト圧の状態で
高地であれば、大気圧が低下するため、アネコンベロー
ズ19が膨張することによりアネコンプッシュロッド1
8の押圧用中間プレート36が第2の補正用リンク32
のアネコン側端部32Aを左方向に押す。
【0041】したがって、第2の補正用リンク32が回
動固定軸35を回動中心として時計方向に回動し、その
支点移動用押し部材37が第1の補正用リンク31の支
点片33を左方向に押すため、長穴34内を回動固定軸
15が相対的に移動し、第1の補正用リンク31がブー
コン側端部31Aを支点として時計方向に回動してアネ
コン側端部31Bがコントロールラック22を左方向に
押すため、大気圧が低くなった分の燃料を噴射量を減少
させることができる。
【0042】なお、このときの燃料噴射量補正分は、調
整ねじ38の操作による支点移動用押し部材37の突出
し量によりこれを調節することができる。
【0043】図3に示すように、高ブースト圧時には、
高ブースト圧によりブーコンダイヤフラム6が変形する
とともにブーコンスプリング11が収縮し、ブーコンプ
ッシュロッド10は左方向に移動する。
【0044】このとき、平地の場合には大気圧が比較的
高いためアネロイドコンペンセーター4のアネコンプッ
シュロッド18は右側に寄っているので、コントロール
ラック22は上記ガバナーが制御する本来の位置(右方
向)に維持されている。
【0045】こうした状態で大気圧が低下すると、アネ
コンベローズ19が膨張してアネコンプッシュロッド1
8が左方向に移動し、その先端部18Aが第1の補正用
リンク31のアネコン側端部31Bを介してコントロー
ルラック22を左方向に押すことにより噴射量を減少さ
せ、大気圧補正を行う。
【0046】図4は、図10と同様のブースト圧に対す
るラック位置ないしは燃料補正の増減を示すグラフであ
って、実線により示すようにブースト圧に対して燃料補
正を行うとともに、破線により示すように高地など大気
圧が比較的低い場所における補正を全ブースト圧に対し
て行うことが可能となった。
【0047】つぎに、図5は、本発明の第二の実施例に
よる燃料噴射装置用燃料補正装置40の概略断面図であ
り、この燃料噴射装置用燃料補正装置40は前記第1の
補正用リンク31に相当する第1の補正用リンク41
と、第2の補正用リンク32に相当する第2の補正用リ
ンク42と、第3の補正用リンク43とを有する。
【0048】第1の補正用リンク41は、そのほぼ中央
部において支点としての回動可動軸44のまわりに回動
可能である。この回動可動軸44は、第3の補正用リン
ク43にこれを設ける。
【0049】また、この第1の補正用リンク41のブー
コン側端部(一方の端部)41Aを当接プレート13の
ブーコンプッシュロッド10側の面に当接可能としてあ
る。
【0050】さらに、そのアネコン側端部(他方の端
部)41Bを前記アネコンプッシュロッド18の先端部
18Aに当接可能としてあるとともに、前記燃料噴射装
置2のコントロールラック22に当接することによりこ
の移動量を制御可能としてある。
【0051】第2の補正用リンク42は、燃料噴射装置
2の所定のハウジング部分45に取り付けた回動固定軸
46のまわりにこれを回動可能とする。
【0052】この第2の補正用リンク42のほぼ中央部
分に、支点移動用押し部材37に相当する調整ねじ47
を取り付けてある。この調整ねじ47を第3の補正用リ
ンク43の先端部に当接可能としてある。
【0053】第3の補正用リンク43は、ハウジング部
分45の他の回動固定軸48のまわりにこれを回動可能
とする。この第3の補正用リンク43には、ガタ殺しス
プリング49を取り付けることにより、これをハウジン
グ部分45のストッパー部50方向に付勢している。
【0054】こうした構成の燃料噴射装置用燃料補正装
置40においては、第1の補正用リンク41の支点とな
る回動可動軸44を第3の補正用リンク43が保持して
おり、この第3の補正用リンク43を第2の補正用リン
ク42の位置により揺動移動させることができるので、
上述の第一の実施例による燃料噴射装置用燃料補正装置
30と同様に、図4のグラフに示すような大気圧補正が
可能である。
【0055】すなわち、ブースト圧の変化にともなって
ブーコンダイヤフラム6が変形し、ブーコンプッシュロ
ッド10の左右方向への移動により、第1の補正用リン
ク41が揺動し、コントロールロッド22を右方向ある
いは左方向に移動させて燃料補正を行う。
【0056】さらに、高地など大気圧が比較的低い場合
には、アネロイドコンペンセーター4のアネコンベロー
ズ19の膨張により、アネコンプッシュロッド18が押
圧用中間プレート36により第2の補正用リンク42の
アネコン側端部42Aを押してこれを時計方向に揺動す
る。
【0057】したがって、調整ねじ47が第3の補正用
リンク43を押してこれを時計方向に揺動させるため、
ガタ殺しスプリング49の付勢力に抗して第1の補正用
リンク41の回動可動軸44が左方向に移動し、コント
ロールラック22を左動させて燃料の噴射量を減少させ
ることができる。
【0058】高ブースト圧の時には、図3に示したと同
様にブーコンプッシュロッド10の左方向への移動によ
り第1の補正用リンク41のブーコン側端部41Aが当
接プレート13から外れ、コントロールラック22が第
1の補正用リンク41のアネコン側端部41Bを介して
アネコンプッシュロッド18の先端部18Aと当接する
ため、アネロイドコンペンセーター4の作用によりコン
トロールロッド22を左右方向に移動させることができ
る。
【0059】つぎに、図6は、本発明の第三の実施例に
よる燃料噴射装置用燃料補正装置60の概略断面図であ
り、燃料噴射装置用燃料補正装置60は、前記第1の補
正用リンク31に相当する第1の補正用リンク61と、
第2の補正用リンク32に相当する第2の補正用リンク
62とを有する。
【0060】第1の補正用リンク61は、回動可動軸6
3を一体に有する。さらに、燃料噴射装置2のハウジン
グ部分45に形成した支点片64の長穴65にこの回動
可動軸63を遊嵌してある。
【0061】第1の補正用リンク61のブーコン側端部
(一方の端部)61Aを当接プレート13に当接させる
とともに、そのアネコン側端部(他方の端部)61Bを
コントロールラック22に当接させる。
【0062】また第2の補正用リンク62のアネコン側
端部62Aをアネコンプッシュロッド18の押圧用中間
プレート36に当接する。
【0063】第1の補正用リンク61と燃料噴射装置2
のハウジング部分45との間に設けた押しばね66によ
り、この回動可動軸63を長穴65内の右端部方向に付
勢するようにしている。
【0064】第2の補正用リンク62は、前述の第2の
補正用リンク42と事実上同様の構成を有する。
【0065】こうした構成の燃料噴射装置用燃料補正装
置60においても、アネコンベローズ19により第2の
補正用リンク62が回動し、さらに調整ねじ47によっ
て第1の補正用リンク61の支点である回動可動軸63
を移動することができる。
【0066】したがって、上述の第一および第二の実施
例による燃料噴射装置用燃料補正装置30、40と同様
に、図4に示すような大気圧補正が可能である。
【0067】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、第1の補
正リンクの回動の支点を移動するようにしたので、ブー
スト圧の高低および大気圧の高低にかかわらず、ともに
燃料噴射量の補正を行うことができるので、とくに従来
回避が困難であった高地での発進時の黒煙を低減するこ
とができ、走行燃費の向上もこれを期待することができ
る。
【0068】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例による燃料噴射装置用燃
料補正装置30の低ブースト圧時の平地における概略断
面図である。
【図2】同、低ブースト圧時の高地における概略断面図
である。
【図3】同、高ブースト圧時の平地および高地における
概略断面図である。
【図4】同、ブースト圧に対するラック位置ないしは燃
料補正の増減を示すグラフである。
【図5】本発明の第二の実施例による燃料噴射装置用燃
料補正装置40の概略断面図である。
【図6】本発明の第三の実施例による燃料噴射装置用燃
料補正装置60の概略断面図である。
【図7】従来の燃料噴射装置用燃料補正装置1の低ブー
スト圧時の概略断面図である。
【図8】同、高ブースト圧時の概略断面図である。
【図9】同、エンジンの回転速度に対するブースト圧お
よびラック(コントロールラック)位置の関係を示すグ
ラフである。
【図10】同、ブースト圧に対するラック位置ないしは
燃料補正の増減を示すグラフである。
【符号の説明】
1 燃料噴射装置用燃料補正装置 2 燃料噴射装置 3 ブーストコンペンセーター 4 アネロイドコンペンセーター 5 ブーコンハウジング 6 ブーコンダイヤフラム 7 ブースト圧室 8 スプリング室 9 ブースト圧取入れ口 10 ブーコンプッシュロッド 11 ブーコンスプリング 12 調整ねじ(ストッパー) 13 当接プレート 14 補正用リンク 14A 補正用リンク14のブーコン側端部(一方の端
部) 14B 補正用リンク14のアネコン側端部(他方の端
部) 15 回動固定軸 16 アネコンハウジング 17 大気開放孔 18 アネコンプッシュロッド 18A アネコンプッシュロッド18の先端部 19 アネコンベローズ 20 アネコンスプリング 21 調整ねじ(ストッパー) 22 コントロールラック(燃料噴射装置2の燃料量調
節部材) 30 燃料噴射装置用燃料補正装置 31 第1の補正用リンク 31A 第1の補正用リンク31のブーコン側端部(一
方の端部) 31B 第1の補正用リンク31のアネコン側端部(他
方の端部) 32 第2の補正用リンク 32A 第2の補正用リンク32のアネコン側端部 33 支点片 34 長穴 35 回動固定軸 36 押圧用中間プレート 37 支点移動用押し部材 38 調整ねじ 40 燃料噴射装置用燃料補正装置 41 第1の補正用リンク 41A 第1の補正用リンク41のブーコン側端部(一
方の端部) 41B 第1の補正用リンク41のアネコン側端部(他
方の端部) 42 第2の補正用リンク 42A 第2の補正用リンク42のアネコン側端部 43 第3の補正用リンク 44 回動可動軸 45 燃料噴射装置2のハウジング部分 46 回動固定軸 47 調整ねじ 48 回動固定軸 49 ガタ殺しスプリング 50 ストッパー部 60 燃料噴射装置用燃料補正装置 61 第1の補正用リンク 61A 第1の補正用リンク61のブーコン側端部(一
方の端部) 61B 第1の補正用リンク61のアネコン側端部(他
方の端部) 62 第2の補正用リンク 62A 第2の補正用リンク62のアネコン側端部 63 回動可動軸 64 支点片 65 長穴 66 押しばね

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 過給機からのブースト圧に応じて燃料
    補正を行うブーストコンペンセーターと、 大気圧に応じて燃料補正を行うアネロイドコンペンセー
    ターとを有する燃料噴射装置用燃料補正装置であって、 前記ブーストコンペンセーターおよびアネロイドコンペ
    ンセーターを前記燃料噴射装置のハウジングに並設する
    とともに、 これらブーストコンペンセーターおよびアネロイドコン
    ペンセーターの間に配設するとともに、移動可能な支点
    のまわりに回動可能であり、かつその一方の端部を前記
    ブーストコンペンセーターのブーコンプッシュロッドに
    当接可能とし、その他方の端部を前記アネロイドコンペ
    ンセーターのアネコンプッシュロッドに当接可能とした
    第1の補正用リンクと、 この第1の補正用リンクの前記支点とは別に設けた回動
    固定軸と、 この回動固定軸のまわりに回動可能であるとともにその
    一方の端部を前記アネロイドコンペンセーターのアネコ
    ンプッシュロッドに当接可能とした第2の補正用リンク
    とを設け、かつこの第2の補正用リンクの回動に応じて
    前記第1の補正リンクの支点を移動可能としたことを特
    徴とする燃料噴射装置用燃料補正装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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