JPH0665751B2 - 気相成長装置 - Google Patents

気相成長装置

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JPH0665751B2
JPH0665751B2 JP8765687A JP8765687A JPH0665751B2 JP H0665751 B2 JPH0665751 B2 JP H0665751B2 JP 8765687 A JP8765687 A JP 8765687A JP 8765687 A JP8765687 A JP 8765687A JP H0665751 B2 JPH0665751 B2 JP H0665751B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は気相成長装置に関し、特に固体または液体を加
熱蒸発させこの蒸発ガスを原料ガスに用いる気相成長装
置に関する。
〔従来の技術〕
従来、液体あるいは固体を加熱蒸発させたガスを原料ガ
スとする気相成長に用いる気相成長装置には、大きく分
けてコールドウォール型とホットウオール型の2種類が
ある。
ホットウォール型気相成長装置の模式的断面図を第5図
に示す。この装置は、反応炉5、液体原料4を気化する
気化室3、この気化室3を加熱するヒータ72、ウェハー
8及び反応炉5を加熱するヒータ71、反応炉中のガス流
速の調節や膜の堆積を促進させるために用いるO2やAr等
のガスのガス導入管11,12、Arガス等のキャリヤーガス
の導入管13、排気口14及びバルブ21,22,23,24からな
る。
ホットウォール型気相成長装置を用いて、液体あるいは
固体を加熱蒸発させたガスを原料ガスの一部として膜を
気相成長させる方法を、Ta2O5膜を気相成長する方法を
例として説明する。Ta2O5の原料としてここで用いるTa
(OC2H5は室温では液体であるため原料を輸送する
ために蒸気圧を高める必要があり、気化室3をヒータ72
により100〜200℃にに加熱し、Ta(OC2H5を気化し
やすくする。さらにキャリヤーガス導入管13よりキヤリ
ヤーガスを気化室3に導入し、バブリングして、Ta(OC
2H5を反応炉5に導入し、ウェハー8上にTa2O5膜を
成長させる。この時、反応炉5はヒータ71で300〜600℃
に加熱されている。
次に、コールドウォール型気相成長装置の模式的断面図
を第6図に示す。この装置は、ほぼ第5図の装置と同じ
であるが、反応炉5は反応炉外壁51と反応炉内壁52とか
らなり、冷却水6を反応炉外壁551と反応炉内壁52との
間に循環させ反応炉を冷却されている。なお、ウェハー
8はヒータ73により所望の成長温度に加熱される。この
装置を用いて膜を気相成長する方法は、前述のホット・
ウォール型気相成長装置と同じである。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上述した従来のホットウォール型またはコールドウォー
ル型気相成長装置は、以下に述べる欠点がある。
ホットウォール型気相成長装置は反応炉全体が成長温度
とほぼ同じ程度の温度であるため、膜の成長がウェハー
表面ばかりでなく反応炉壁でも起こり、膜形成を繰返す
うちに反応炉壁に付着した膜がはがれるようになるため
ゴミの発生原因となる欠点を有する。また反応炉全体が
加熱されるため気相中での反応が起こりやすく悪い膜質
の膜が形成され易いこと、粒子が発生し易いことなどの
欠点がある。従ってTa2O5を形成する場合にはホット・
ウォール型気相成長装置を用いるのは実用的でない。
一方、コールドウォール型気相成長装置は、反応炉が冷
却水で冷やされているため、反応炉の内壁温度が室温程
度になっている。そのため液体や固体のの原料を加熱気
化して反応炉内に導入された原料ガスのうち、反応炉壁
に接触した原料ガスは温度が降下し、反応炉壁に凝結す
るので、原料ガス中の原料濃度が低下し膜の成長速度が
遅くなる欠点がある。さらに反応炉壁に付着した凝結物
がウェハーの交換時に反応炉内に入る大気中の水分と反
応して粉末状の生成物ができ、これがゴミの発生原因と
なる欠点がある。
以上のように、液体もしくは固体を加熱蒸発されたガス
を原料ガスに用いて膜形成を行う場合には従来のホット
ウォール型またはコールドウォール型気相成長装置では
良質の膜は形成できない。
本発明の目的は、炉内にゴミを発生させずに基板上に成
膜を行う気相成長装置を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、本発明による気相成長装置に
おいては、反応炉と、第1の加熱手段と、第2の加熱手
段とを有する気相成長装置であって、 反応炉は、内部に原料ガスを導入して基板上に膜を気相
成長させる炉であり、 第1の加熱手段は、膜の成長温度に基板を加熱するもの
であり、 第2の加熱手段は、膜堆積物が反応炉の内壁に生ずる温
度より低く、かつ反応炉の内壁に原料ガスが凝固する温
度よりも高い温度に反応炉の壁温を制御するものであ
る。
〔作用〕
従来のホットウォール型気相成長装置やコールドウォー
ル型気相成長装置を用いて、液体もしくは固体を原料と
して膜形成を行った場合には、反応炉の壁に膜が形成さ
れたりあるいは原料が凝結することが問題であった、壁
に膜が形成されるのは壁が充分に加熱されているためで
あり、原料が凝結するのは壁が冷えているためである。
本発明はこれを防止するために、コールドウォール型気
相成長装置を用い当該装置の反応炉壁を膜成長温度以下
の所望の温度に加熱設定できる機能を持たせたことに特
徴がある。即ち凝結が生じないようかつ膜成長が生じに
くいような温度に壁を加熱するものである。
〔実施例〕
次に本発明について図面を用いて説明する。
第1図は本発明の第1の実施例の気相装置の模式的断面
図である。この装置は、反応炉外壁51と反応炉内壁52と
からなる反応炉5、液体原料4の気化室3、ウェハー8
を加熱するヒータ73、気化室3及び配管を加熱するヒー
タ72、反応炉外壁51と反応炉内壁52の間を循環するオイ
ル61、オイル61を加熱し循環させる装置9、反応炉内に
O2やAr等のガスを供給するガス導入管11,12、気化され
た原料4を輸送するArガス等のキャリヤガスの導入管1
3、排気口14及びバルブ21,22,23,24から成る。
本装置は反応炉壁を2重にして、内壁51と外壁52の間に
加熱したオイル61を循環させて、反応炉内壁52を所望の
温度に設定できる機能を有している。
次に本発明を用いた気相成長装置を使い、原料Ta(OC2H
5を熱分解してTa2O5膜を成長する方法を例として説
明する。
液体原料であるTa(OC2H5の蒸発量を高めるため、
気化室3をヒータ72により100〜200℃に加熱しArをキャ
リャーガスとして、キャリャガス導入管13より、導入し
てバブリングしてTa(OC2H5を反応炉5に導入し、
加熱されたウェハー8上にTa2O5膜を成長させる。この
場合、ガス導入前に加熱されたオイル61を循環して、反
応炉内壁52を充分に加熱しておく。加熱するオイル61の
温度は反応炉壁に生成物が付着しないでかつ原料ガスが
凝結しない温度に設定し、この場合50〜200℃ぐらいが
適当で、また反応炉内5に置かれたウェハー8は、350
〜500℃ぐらいに加熱するのが良い。
以上の方法で成長したTa2O5膜に関する成長速度と成長
温度の関係を第2図に示す。また第2図には、第6図に
示した従来の気相成長装置を用いた場合の成長速度と成
長温度との関係もあわせて示す。本発明を用いた気相成
長装置を使用すると、特に低温部で、成長速度が2−5
倍ほど速くなる。また従来の装置を用いた場合には反応
炉のガス導入口付近に原料の凝縮が観察されたが、本発
明の装置では原料の凝縮が起こらず、ゴミの発生もほと
んどない。
以上のように本発明になる気相成長装置を用いることで
良質の膜が形成できる上に、膜の成長速度が速くでき、
量産性のよい膜の成長を行なうことが可能になった。
次に本発明を用いた気相成長装置の第2の実施例を説明
する。
本実施例の気相成長装置の模式的断面図を第3図に示
す。図において、第1図と同じ番号は同一機能を有する
ものを示す。
本装置は、反応炉外壁51、反応炉中壁53及び反応炉内壁
52から成る反応炉5を有し、反応炉内壁52と反応炉中壁
53との間に第1の実施例の場合と同様に加熱されたオイ
ル61を循環させ、さらに反応炉中壁53と反応炉外壁51と
の間に冷却水6を循環させるのが特徴である。加熱した
オイル61を循環させる効果は、第1の実施例で説明した
通りである。冷却水6を循環させるのは、反応炉外側の
温度が高温になるのを防止するためである。高温になる
のを防止することで、装置の反応炉5以外の部分、例え
ば制御系等の電気回路への悪影響を防止し、かつ人体の
接触等による火傷を防止することができる。
本装置を用いてTa2O5膜を成長する方法は第1の実施例
と同様であり、膜成長に関する効果は変わらない。
次に本発明を用いた気相成長装置の第3の実施例を説明
する。
本実施例の気相成長装置の模式的断面図を第4図に示
す。図において、第1図と同じ番号は同一機能を有する
ものを示す。
本装置は、反応炉内壁52をヒータ74で加熱し、壁温を調
節することを特徴とする。反応炉壁を加熱する方法は、
赤外ランプ等の方法を用いてもよい。本装置の場合は、
実施例1及び2に比較して、オイルを加熱し循環させる
装置が不用のため、小型化できるのが利点である。本装
置を用いてTa2O5膜を気相成長する方法は第1及び第2
の実施例と同様で、膜形成における効果は同じである。
以上の本発明の実施例では原料としてTa(OC2H5
用いてTa2O5膜を気相成長する場合で説明したが、他の
化合物からなる液体原料及び固体原料を用いてもその効
果は同じである。
また、固体原料あるいは液体原料を用いてTa2O5膜以外
のHfO2,TiO2,ZrO2,Al2O3等の膜成長に本発明の気相成長
装置を用いても効果がある。
さらに、実施例1及び2で用いたオイルの代わりに、オ
イル以外の流体、気体を用いてもよい。特に100℃以下
の場合は加熱した水を用いても同様の効果が得られる。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明は反応炉壁の温度を反応炉壁
に膜堆積が生ずる温度より低くかつ反応炉壁に原料が凝
結する温度よりも高い温度に設定できる機能を気相成長
装置に持たせることにより、反応炉内壁でのゴミの発生
を防止できるため電気的特性の優れた高品質膜が形成で
き、かつ膜成長時の成長速度を速くする効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の気相成長装置の第1の実施例の模式的
断面図、第2図は本発明の第一の実施例に示した気相成
長装置を用いてTa2O5膜を気相成長した場合の成長速度
との成長温度との関係及び従来の気相成長装置を用いた
場合の成長速度との関係を示す図、第3図は本発明の気
相成長装置の第2の実施例の模式的断面構造図、第4図
は本発明の気相成長装置の第3の実施例の模式的断面構
造図、第5図は従来のホットウォール型の気相成長装置
の模式的断面図、第6図は従来のコールドウォール型の
気相成長装置の模式的断面構造図である。 11,12……ガス導入管、13……キャリアーガス導入管、1
4……排気口、211,22,23,24……バルブ、3……気化
室、4……原料、5……反応炉、51……反応炉外壁、52
……反応炉内壁、53……反応炉中壁、6……冷却水、61
……オイル、71,72,73……ヒータ、8……ウェハー、9
……オイルを加熱し循環させる装置。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】反応炉と、第1の加熱手段と、第2の加熱
    手段とを有する気相成長装置であって、 反応炉は、内部に固体又は液体を加熱蒸発させた原料ガ
    スを導入して基板上に膜を気相成長させる炉であり、 第1の加熱手段は、膜の成長温度に基板を加熱するもの
    であり、 第2の加熱手段は、膜堆積物が反応炉の内壁に生ずる温
    度より低く、かつ反応炉の内壁に原料ガスが凝結する温
    度よりも高い温度に反応炉の壁温を制御するものである
    ことを特徴とする気相成長装置。
JP8765687A 1987-04-08 1987-04-08 気相成長装置 Expired - Lifetime JPH0665751B2 (ja)

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