JPH0665729B2 - 溶融金属処理装置 - Google Patents

溶融金属処理装置

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JPH0665729B2
JPH0665729B2 JP61084471A JP8447186A JPH0665729B2 JP H0665729 B2 JPH0665729 B2 JP H0665729B2 JP 61084471 A JP61084471 A JP 61084471A JP 8447186 A JP8447186 A JP 8447186A JP H0665729 B2 JPH0665729 B2 JP H0665729B2
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繁美 谷本
一雄 豊田
義昭 江口
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昭和アルミニウム株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、アルミニウムやマグネシウム等の溶融金属
の処理装置に関し、さらに詳しくいえば溶融金属中に処
理ガスを微細化された気泡状態で取出し、かつこの気泡
を溶融金属全体に分散させて溶融金属中から水素ガス等
の溶存有害ガスや非金属介在物を除去する処理に使用す
る装置に関する。
この明細書において、「アルミニウム」および「マグネ
シウム」という語は、純アルミニウムおよび純マグネシ
ウムのほかにアルミニウム合金およびマグネシウム合金
も含む意味で用いられる。また、「不活性ガス」という
語は、周期表のアルゴンガス、ヘリウムガス、クリプト
ンガス、キセノンガスの他に処理すべき金属に対して不
活性なガス、たとえばアルミニウムに対して不活性なチ
ッ素ガス等も含む意味で用いられる。
従来技術とその問題点 たとえば、鋳造前のアルミニウム溶湯には、好ましくな
い不純物として溶存水素ガスや、アルミニウムおよびマ
グネシウムの酸化物などの非金属介在物が含まれてい
る。上記水素ガスおよび非金属介在物は、これらを含む
アルミニウム溶湯から得られた鋳塊およびこの鋳塊を材
料として得られた製品に欠陥を生じさせる原因となる。
そのため、アルミニウム溶湯中から水素ガスおよび非金
属介在物を除去する必要がある。そこで従来、これらを
除去する方法として、アルミニウム溶湯中に、不活性ガ
スや塩素ガスを気泡状態で吹込む方法が採用されてい
る。そして、この方法を実施する装置として上端に開口
を有する溶融金属処理槽と、処理槽の上端開口を塞ぐ着
脱自在の蓋と、蓋を貫通して溶融金属処理槽内に配置さ
れ、かつ内部に長手方向に伸びる処理ガス通路を有する
垂直回転軸と、垂直回転軸の下端に設けられ、かつ底面
に垂直回転軸の処理ガス通路と連なる処理ガス吹出口を
有する気泡放出分散用回転体とよりなるものが提案され
ており(特開昭60−208432号公報参照)、垂直回転軸の
処理ガス通路に不活性ガス、塩素ガス等の処理ガスを送
り込みながら垂直回転軸を回転させて処理ガスを微細化
された気泡状態で溶融金属中に放出するとともに溶融金
属全体に分散させることによって溶融金属の処理を行な
っていた。しかしながら、上記処理装置においては、実
際の作業において、蓋と処理槽の上端開口の周縁との間
を効率的にシールすることは困難であり、処理作業中に
おける処理槽内への大気の侵入を防止し得なかった。大
気中には水分が含まれているため、処理槽中に大気が侵
入するとアルミニウム溶湯の表面でアルミニウムと大気
中の水分とが反応し(2Al+3H2O→Al2O3+3H2)、その
結果発生する水素が溶湯中に侵入するという問題があっ
た。通常、静置されたアルミニウム溶湯の表面は、ちみ
つなアルミニウム酸化皮膜で覆われているので、大気中
の水分とアルミニウムとが反応することはない。ところ
が、アルミニウム溶湯中に、不活性ガスや塩素ガスなど
の処理ガスを気泡状態で吹込んだ場合、溶湯表面に浮上
してくる気泡によって溶湯表面が乱され、溶湯表面を覆
っているアルミニウム酸化皮膜が破られて、破られた箇
所からアルミニウム溶湯表面が大気に露出する。そうす
ると、破られた箇所に新たな酸化皮膜が生成される前
に、大気中の水分とアルミニウムとが反応して水素ガス
が発生し、この水素ガスがアルミニウム溶湯中に侵入す
る。処理後のアルミニウム溶湯を、たとえば磁気ディス
ク、感光ドラム、ボンディングワイヤ、レーザー・ビー
ム・プリンタの回転多面鏡等の電子機器やシンクロトロ
ンの粒子加速用パイプ、薄膜製造装置、表面分析装置、
核融合装置等の真空用機器や、高純度アルミニウム箔
や、航空機などの製造に使用するさいには、処理後の溶
湯中の水素ガス量は、たとえば0.10cc/100g・Al程度、
特に粒子加速用パイプの場合には0.05cc/100g・Al程度
となっていることが要求されるが、そのためには、処理
槽内におけるアルミニウム溶湯表面よりも上方の雰囲気
中の水分量を少なく、たとえば0.5mg/、好ましくは
0.1mg/程度するのがよい。ところが上記の装置で
は、上記雰囲気中の水分量を0.5mg/とするのは到底
不可能であった。
この発明の目的は、上記の問題を解決し、溶融金属の処
理作業中に処理槽内への大気の侵入を防止し得る溶融金
属処理装置を提供することにある。
問題点を解決するための手段 この発明による溶融金属処理装置は、溶融金属処理槽
と、その上端開口を塞ぐ着脱自在の蓋と、蓋に形成され
た孔を貫通して配置され、かつ内部に処理ガス通路を有
する垂直回転軸と、垂直回転軸の下端に設けられ、かつ
底面に垂直回転軸の処理ガス通路に連なった処理ガス吹
出口を有する気泡放出分散用回転体とを備えた溶融金属
処理装置において、蓋の下面と処理槽の周壁上端面との
間がシール装置で密封され、蓋の周縁部が処理槽の周壁
外周面よりも外方に突出させられるとともに、この突出
部に環状の下方突出壁が全周にわたって設けられ、処理
槽の周壁上端部に環状溝が全周にわたって設けられ、環
状溝内に、砂、金属粉およびセラミックス粉からなる群
から選ばれた粒径0.3mm以下のシール材が入れられ、下
方突出壁が環状溝内のシール材中に差し込まれているも
のである。
上記において、蓋の下面と処理槽の周壁上端との間を密
封するシール装置としては、耐熱性を有するガスケット
を用いるのがよいが、これに限るものではない。また、
環状溝内に入れられるシール材を、砂、金属粉およびセ
ラミックス粉からなる群から選ばれた粒径0.3mm以下の
ものとした理由は、次の通りである。すなわち、このよ
うなシール材では、処理槽内の溶融金属の熱により水蒸
気や金属蒸気が発生することはなく、その結果これらの
蒸気が処理槽内へ侵入することによる溶融金属内への水
素ガスの侵入や不純物金属の混入を未然に防止できるか
らである。環状溝内に低融点金属の溶湯や水が入れられ
ていると、次のような問題が生じる。すなわち、環状溝
内に低融点金属が入れられていると、低融点金属が蒸発
し、その蒸気が処理槽内に侵入し、溶融金属中に不純物
として混入するおそれがある。また、環状溝内に水が入
れられていると、水が蒸発し、水蒸気が処理槽内に侵入
して溶融金属と反応することにより生じる水素が溶融金
属中に侵入するおそれがある。また、シール材の粒径を
0.3mm以下に限定したのは、これよりも大きくなると、
シール材の粒子間の間隙を通過して水分を含んだ大気が
処理槽内に侵入するおそれがあるからである。なお、セ
ラミックス粉としてはSiC、Al2O3等からなるものが用い
られる。
実施例 この発明を、以下図面を参照しながら説明する。
第1図において、溶融金属の処理装置は、床(F)上に
設置された溶融金属処理槽(1)と、処理槽(1)の外
部に設けられた支持体取付用支柱(2)と、処理槽
(1)の上方において支持体取付用支柱(2)に上下動
自在に取付けられたアーム状回転軸支持体(3)と、支
持体(3)に垂下状に設けられかつ内部に長手方向に伸
びる処理ガス通路(5)を有する処理ガス吹込用垂直回
転軸(4)と、回転軸(4)の下端に設けられ、かつ底
面に回転軸(4)の処理ガス通路(5)に連なった処理
ガス吹出口(7)を有する気泡放出分散用回転体(6)
とを備えている。
処理槽(1)は、処理すべき金属を溶解する溶解炉(3
0)と図示しない鋳造装置等との間に設けられており、
溶解炉(30)の出湯口(31)に樋(32)を介して連結さ
れている。樋(32)と反対側において、処理槽(1)の
周壁(1a)には溶融金属排出樋(33)が接続されてい
る。両樋(23)(33)は角筒状であり、それぞれの処理
槽(1)への接続端部における上壁および両側壁は処理
槽(1)内に突出している。また、両樋(32)(33)の
上壁および両側壁の処理槽(1)内への突出部の先端に
は、それぞれ下方突出部(32a)(33a)が設けられてい
る。入口側の樋(32)の下方突出部(32a)の下端は処
理槽(1)の底部近くまでのびており、処理すべき溶融
金属を処理槽(1)内の下部に送り込むようになってい
る。排出樋(33)の下方突出部(33a)の下端は樋(3
3)の下壁よりも若干下方までのびて処理槽(1)内に
所定量の処理すべき溶融金属が入っている時に、溶湯面
よりも下方に来るようになっており、樋(33)を通って
の大気の処理槽(1)内への侵入が防止されている。ま
た、処理槽(1)の周壁(1a)の外周面の上端には、上
方に開口したシール材装填用環状溝(8)が全周にわた
って設けられている。環状溝(8)内には、粒径0.3mm
以下の砂からなるシール材(9)が装填されている。該
砂(9)は、予め電気炉内において500℃以上で保持さ
れて除湿乾燥されたものである。
処理槽(1)の上端開口は着脱自在の蓋(10)によって
閉塞されている。蓋(10)は、円板状でかつ中央部に孔
(11)があけられた蓋本体(10a)と、蓋本体(10a)の
孔(11)を塞ぐ栓(10b)とよりなる。蓋(10)の周縁
部は処理槽(1)の周壁(1a)外周面よりも外方に突出
しており、蓋(10)の下面と処理槽(1)の周壁(1a)
上端との間に耐熱性を有するガスケット(12)が介在せ
しめられ、ガスケット(12)により両者間が密封されて
いる。また、蓋(10)における処理槽(1)の周壁(1
a)外周面よりも外方に突出した部分には、環状のステ
ンレス鋼製下方突出壁(13)が全周にわたって設けられ
ており、これの下部がシール材(9)内に差込まれてい
る。この下方突出壁(13)は、幅が蓋(10)の肉厚より
も大きい環状壁の上部を蓋(10)の周面に固着すること
により蓋(10)に設けられている。また、蓋(10)の中
央部にあけられた孔(11)の大きさは、回転体(6)が
通る大きさである。孔(11)の周面には環状段部(11
a)が設けられている。栓(10b)は環状段部(11a)上
に乗るフランジ部(14)を備えている。そして、フラン
ジ部(14)下面と環状段部(11a)上面との間には耐熱
性を有するガスケット(15)が介在せしめられている。
栓(10b)の中央部には回転軸貫通孔(16)があけられ
ており、この貫通孔(16)に回転軸(14)が貫通せしめ
られている。また、貫通孔(16)の右側において、大気
の露点よりも低い露点を有する空気(以下乾燥空気とい
う)または不活性ガスを処理槽(1)内に供給する供給
管(17)が蓋(10)に貫通固定せしめられている。供給
管(17)は、図示しない乾燥空気または不活性ガス供給
装置に接続されている。供給管(17)から処理槽(1)
内に供給される乾燥空気または不活性ガスの露点は−30
℃以下、望ましくは−50℃以下であることが好ましい
が、これに限るものではない。上記のような乾燥空気お
よび不活性ガスは、合成ゼオライト等からなる乾燥剤が
入れられた除湿器内を通過させることによって得られ
る。さらに、貫通孔(16)の左側において、排気管(1
8)が蓋(10)に貫通固定せしめられている。排気管(1
8)は、溶融金属の処理を開始するにあたり、予め供給
管(17)を通して処理槽(1)内に供給される乾燥空気
または不活性ガスによって処理槽(1)内から追い出さ
れる、元々処理槽(1)内に存在した大気と、処理作業
の間中処理槽(1)内に送り込まれる乾燥空気または不
活性ガスのうちの過剰なものと、処理ガスの過剰なもの
とを処理槽(1)から外部に排出するためのものであ
る。
栓(10b)の上面に、回転軸(4)と回転軸貫通孔(1
6)の間から処理槽(1)内に大気が侵入するるのを防
止するためのシールド装置が設けられている。すなわ
ち、蓋(10)上面の回転軸貫通孔(16)のまわりの部分
に、これを囲むように内外2重の囲繞壁(20)(21)が
上方突出状に設けられている。内側の囲繞壁(20)の下
端は外側の囲繞壁(21)の下端よりも下方に伸び、回転
貫通孔(16)内に挿入されている。囲繞壁(20)の内周
面と回転軸(4)の外周面との間の隙間は1.0mm以下に
することが好ましい。内外両囲繞壁(20)(21)の上端
どうしは環状連結板(22)により全周にわたって連結さ
れており、両囲繞壁(20)(21)間にシールドガス通路
(23)が形成されている。内側の囲繞壁(20)には、多
数のシールドガス吹出口(24)が形成されている。シー
ルドガス吹出口(24)は回転軸(4)の方に向って斜め
上方に向いている。また、外側の囲繞壁(21)には、シ
ールドガス通路(23)内に乾燥空気または不活性ガスか
らなるシールドガスを供給するシールドガス供給管(2
5)が接続されている。シールドガスとしては、露点が
−30℃以下、好ましくは−50℃以下のものを用いるのが
よいが、これに限るものではない。シールドガスは、乾
燥空気および不活性ガスを、コンプレッサで圧縮して、
合成ゼオライト等からなる乾燥剤が入れられた除湿器内
を通すことにより得られる。また、回転体(6)の底面
には、処理ガス吹出口(7)から周縁に至る複数の溝
(図示略)が放射状に設けられている。また、回転体
(6)の周面における放射状溝の開口の間には複数の垂
直溝(27)が設けられている。
支持体取付用支柱(2)は、溶解炉(30)の側壁外面に
上下に所定間隔をおいて設けられた1対のブラケット
(34)間に回転自在に配置され、図示しない駆動装置に
よって回転させられるようになっている。また、支柱
(2)の上端寄りの部分および下端寄りの部分にはそれ
ぞれフランジ(35)が固定されている。支持体(3)
は、一端部にて支柱(2)に摺動自在に嵌め被せられて
いる。支持体(3)を支柱(2)に沿って上下動させる
機構は、上下のフランジ(35)の間に回転自在に設けら
れ、かつ支持体(3)に形成された雌ねじ孔(3a)にね
じ嵌められて支持体(3)を貫通したねじ軸(36)と、
フランジ(35)上に取付けられ、歯車(37)(38)を介
してねじ軸(36)を回転させるモータ(39)とよりな
る。そして、モータ(39)を駆動することにより歯車
(37)(38)を介してねじ軸(36)が回転し、支持体
(3)が上下動するようになっている。支持体(3)が
上昇位置にあるときには回転体(6)が槽(1)外に出
るようになっている。また支持体(3)は、支柱(2)
とともに支柱(2)の軸線を中心として回転するように
なっている。支持体(3)には垂直回転軸(4)の回転
駆動機構が設けられている。この回転駆動機構は、支持
体(3)に取付けられたモータ(40)と、支持体(3)
の先端に取付けられた垂直筒状の軸受(41)と、軸受
(41)に回転自在でかつ上下動しないように支持された
回転駆動軸(42)と、モータ(40)の原動軸に取付けら
れたプーリ((43)と、回転駆動軸(42)に取付けられ
たプーリ(44)と、両プーリ(43)(44)に掛けられた
ベルト(45)とよりなる。そして、回転駆動軸(42)の
下端にフランジ継手(46)を介して垂直回転軸(4)が
固定されており、プーリ(43)(44)、ベルト(45)お
よび回転駆動軸(42)を介してモータ(40)により回転
軸(4)が回転させられる。回転駆動軸(42)の内部に
は回転軸(4)の処理ガス通路(5)に連なった処理ガ
ス通路(47)が設けられている。回転駆動軸(42)の処
理ガス通路(47)の上端にはロータリー・シール(48)
を介して処理ガス供給源(図示略)から伸びた処理ガス
供給管(49)が接続されている。軸受(41)の下端には
水平板(50)が固定されており、栓(10b)が、その上
面に立設された複数の吊持棒(51)を介して水平板(5
0)に吊持されている。吊持棒(51)は水平板(50)を
摺動自在に貫通しており、その上端に取付けられたスト
ッパ(52)により下方に抜けないようになされている。
また、水平板(50)と栓(10b)との間において、各吊
持棒(51)にはコイルバネ(53)が装着されており、栓
(10b)を常に下方に付勢しており、栓(10b)のフラン
ジ部(14)を孔(11)の段部(11a)に押付けてガスケ
ット(15)による密封性を向上させている。
このような処理装置で溶融金属の処理を行なうには、支
持体(3)を上昇させておいた状態で蓋本体(10a)を
処理槽(1)にのせて下方突出壁(13)の下部をシール
材(9)に差込んだ後、モータ(39)により歯車(37)
(38)を介してねじ軸(36)を回転させて支持体(3)
を下降させ、回転体(6)および回転軸(4)を処理槽
(1)内に入れるととももに栓(10b)で孔(11)を閉
鎖する。そして、溶解炉(30)から樋(32)を通して処
理槽(1)内に処理すべき溶融金属を入れる。所定量の
溶融金属を入れた後、この溶融金属の液面よりも上方の
雰囲気中に供給管(17)から乾燥空気または不活性ガス
を供給するとともに、シールドガス供給管(25)からシ
ールドガス通路(23)内にシールドガスを供給して吹出
口(24)から回転軸(4)に向って吹出す。そして、処
理槽(1)内に乾燥空気または不活性ガスを供給すると
ともに吹出口(24)から回転軸(4)にシールドガスを
吹出しつつ処理ガス供給源(図示略)から処理ガス供給
管(49)、回転駆動軸(42)の処理ガス通路(47)およ
び回転軸(4)の処理ガス通路(5)を経て処理ガスを
回転体(6)に供給するとともに、モータ(40)により
回転駆動軸(42)および回転軸(4)を回転させる。す
ると、回転軸(4)の処理ガス通路(5)の下端開口か
ら回転体(6)の吹出口(7)を経て底面に放出された
処理ガスは、回転体(6)の回転により生じる遠心力、
底面の放射状の溝および垂直溝(27)の作用によって、
微細な気泡とされ槽(1)全体に行き渡るように分散さ
せられて放出される。そして、この処理ガスによって、
溶融金属中の水素ガスや非金属介在物が除去される。処
理された溶融金属は、排出樋(33)から排出されて、た
とえば鋳造のために、鋳造装置に送られる。上記処理
中、処理槽(1)内の溶融金属の量が一定量に保たれる
ように溶解炉(30)から処理槽(1)への供給量が制御
されており、溶融金属に連続的に処理が施される。
上記実施例においては、シールドガス通路(23)は、内
外2重の囲繞壁(21)(22)と、両囲繞壁(21)(22)
の上端どうしを全周にわたって連結する壁(22)とによ
って形成されているが、これに限るものではなく、たと
えば囲繞壁(22)のまわりにシールドガス通路となるシ
ールドガス流通管を配置しておき、この流通管を各シー
ルドガス吹出口(24)と連通せしめるようにしておいて
もよい。また、上記実施例においては、溶融金属処理装
置は、溶解炉(30)と鋳造装置等との間に配置されて、
溶解炉(30)から鋳造装置等に送られる溶融金属に処理
を施すようになっているが、これに代えてバッチ式処理
装置として用いてもよい。この場合、上述したような樋
(23)(33)は必ずしも必要としない。
上記実施例においては、処理槽(1)の周壁(1a)外周
面には砂からなるシール材(9)が入れられているが、
これに代えて金属粉、SiC、Al2O3等のセラックス粉など
を入れておいてもよい。
次に第1図および第2図に示す装置の操作例について述
べる。
処理槽(1)内に、下表に示すアルミニウムの溶湯を、
処理槽(1)内の量が常に500kgとなるように溶解炉(3
0)から供給しながら、この溶湯を700〜730℃に保持し
ておいた。そして、この溶湯よりも上方の雰囲気に供給
管(17)を通してN2ガスを供給するとともに、回転体
(6)を回転させながら、吹出口(7)からアルミニウ
ム溶湯中にArからなる処理ガスを吹き込むことによって
アルミニウム溶湯に、下表に示す条件で連続的に水素ガ
ス除去処理を施した。この操作は、吹出口(24)から回
転軸(4)にN2ガスを吹出しながら行なった(操作例1
〜3)。
比較のために、供給管(17)を通してN2ガスを供給せ
ず、吹出口(24)からN2ガスを吹出さずに、しかも環状
溝(8)内にシール材(9)を入れずに上記と同様な処
理を行なった(操作例4〜6)。また、蓋(10)と処理
槽(1)の周壁(1a)との間に耐熱性ガスケット(12)
を介在させず、かつ環状溝(8)内にシール材(9)を
入れず、しかも吹出口(24)からN2ガスを吹出さずに、
上記操作例1〜3と同様な処理を行なった(操作例7、
8)。
その後、溶湯中からの水素ガス除去効率を調べるため
に、、テレガス法によって処理前後の溶湯中の水素ガス
量を測定した。このようにして、水素ガス除去処理時間
と処理後の溶湯中の水素ガス量との関係を調べた。その
結果を第3図にまとめて示す。
発明の効果 この発明による溶融金属処理装置は、溶融金属処理槽
と、その上端開口を塞ぐ着脱自在の蓋と、蓋に形成され
た孔を貫通して配置され、かつ内部に処理ガス通路を有
する垂直回転軸と、垂直回転軸の下端に設けられ、かつ
底面に垂直回転軸の処理ガス通路に連なった処理ガス吹
出口を有する気泡放出分散用回転体とを備えた溶融金属
処理装置において、蓋の下面と処理槽の周壁上端面との
間がシール装置で密封され、蓋の周縁部が処理槽の周壁
外周面よりも外方に突出させられるとともに、この突出
部に環状の下方突出壁が全周にわたって設けられ、処理
槽の周壁上端部に環状溝が全周にわたって設けられ、環
状溝内に、砂、金属粉およびセラミックス粉からなる群
から選ばれた粒径0.3mm以下のシール材が入れられ、下
方突出壁が環状溝内のシール材中に差し込まれているの
で、処理槽と蓋との間は、シール装置と、下方突出壁お
よびシール材との2段階に密封される。したがって、処
理槽と蓋との間からの水分を含む大気の侵入を抑止し
得、処理効率が向上する。しかも、処理槽の周壁上端部
に形成された環状溝内に低融点金属や水が入れられてい
る場合のように、処理効率を低下させるおそれはない。
環状溝内に低融点金属が入れられていると、低融点金属
が蒸発し、その蒸気が処理槽内に侵入し、溶融金属中に
不純物として混入するおそれがある。また、環状溝内に
水が入れられていると、水が蒸発し、水蒸気が処理槽内
に侵入して溶融金属と反応することにより生じる水素が
溶融金属中に侵入するおそれがある。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の実施例を示す一部切欠き正面図、第
2図は第1図の部分拡大断面図、第3図は第1図に示す
装置を用いて溶融アルミニウムに水素ガス除去処理を施
した場合の処理時間と処理後の溶融アルミニウム中の水
素ガス量との関係を示すグラフである。 (1)……溶融金属処理槽、(1a)……処理槽の周壁、
(4)……垂直回転軸、(5)……処理ガス通路、
(6)……気泡放出分散用回転体、(7)……処理ガス
吹出口、(8)……シール材装填用環状溝、(9)……
シール材、(10)……蓋、(12)……耐熱性ガスケッ
ト、(13)……下方突出壁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−89527(JP,A) 特開 昭60−208432(JP,A) 特開 昭59−13892(JP,A) 特公 昭48−724(JP,B1) 特公 昭46−19417(JP,B1)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶融金属処理槽と、その上端開口を塞ぐ着
    脱自在の蓋と、蓋に形成された孔を貫通して配置され、
    かつ内部に処理ガス通路を有する垂直回転軸と、垂直回
    転軸の下端に設けられ、かつ底面に垂直回転軸の処理ガ
    ス通路に連なった処理ガス吹出口を有する気泡放出分散
    用回転体とを備えた溶融金属処理装置において、蓋の下
    面と処理槽の周壁上端面との間がシール装置で密封さ
    れ、蓋の周縁部が処理槽の周壁外周面よりも外方に突出
    させられるとともに、この突出部に環状の下方突出壁が
    全周にわたって設けられ、処理槽の周壁上端部に環状溝
    が全周にわたって設けられ、環状溝内に、砂、金属粉お
    よびセラミックス粉からなる群から選ばれた粒径0.3mm
    以下のシール材が入れられ、下方突出壁が環状溝内のシ
    ール材中に差し込まれている溶融金属処理装置。
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