JPH0665691B2 - 塩化ビニリデン系共重合体粒子とその製法 - Google Patents

塩化ビニリデン系共重合体粒子とその製法

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JPH0665691B2
JPH0665691B2 JP61123662A JP12366286A JPH0665691B2 JP H0665691 B2 JPH0665691 B2 JP H0665691B2 JP 61123662 A JP61123662 A JP 61123662A JP 12366286 A JP12366286 A JP 12366286A JP H0665691 B2 JPH0665691 B2 JP H0665691B2
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権司 杉本
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旭化成工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、残留モノマーを短時間で除去できる空隙構造
を有する押出成形用の塩化ビニリデン・アクリル酸メチ
ル共重合体粒子およびその製法に関するものである。
(従来の技術) 塩化ビニリデン重合体は高い結晶度を有しているため、
優れたガスバリヤー性および水蒸気バリヤー性を具備し
ている。しかしながら、柔軟性や熱安定性に劣るため、
商業的には結晶の一部を壊して内部可塑化する必要があ
り、他のモノマーとの共重合体として製造されている。
共重合体の代表的な製法としては、懸濁剤を溶解した水
にモノマーを加え、モノマーが不連続相の分散体とし、
モノマーに可溶な開始剤を用いて重合し、共重合体粒子
を得る懸濁重合法と、乳化剤を溶解した水にモノマーを
分散させ、水溶性の開始剤を用いて重合し、共重合体エ
マルジヨンを得る乳化重合法がある。
一般に、懸濁重合法で得た共重合体は、加工するに必要
な適当量の可塑剤、熱安定剤等を添加してコンパウンド
化され、押出成形用として用いられ、単層フイルムある
いは他の樹脂フイルム、例えば、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリエステル、ポリアミドフイルム等と積層
した複合フイルムに加工される。乳化重合法で得た共重
合体エマルジヨンは、上記と同じ他の樹脂フイルム等に
塗工成膜させてガスバリヤー性を付与するために用いら
れるが、いずれのフイルムも食品包装材分野において広
く重要な位置を占めている。
製法の異なる両共重合体は、用い方も異なるので、優劣
は一概に決め難いが、共重合体エマルジヨンはガスバリ
ヤー性を劣化させる可塑剤の添加を必要とせず、他の樹
脂フイルムに塗工成膜させることができる長所がある
が、1回の塗工で数十ミクロンの膜厚にすることは塗工
技術的に困難さがあり、通常は1回の塗工で数ミクロン
の膜厚しができないので、ガスバリヤー性を向上させる
ため、数十ミクロンの膜厚にしようとすれば、数回の塗
り重ねが必要である欠点がある。この点、押出成形加工
では数十ミクロンのフイルムに容易にでき、また、単層
フイルムを得られる長所がある。
従来の押出成形用の塩化ビニリデン共重合体は、主に塩
化ビニルとの共重合体であり、その製法としては特開昭
54−156094、特開昭54−66994、特開昭53−58592、特開
昭58−34843の実施例に記載されているように、メトキ
シセルロースやヒドロキシプロピルメチルセルロース等
の懸濁剤を溶解した水にモノマーを添加して行き、水に
モノマーが直接に不連続相となる分散体とし、該分散体
を開始剤の存在下で加温して重合することによつて得ら
れることが知られている。塩化ビニリデンとアクリル酸
メチル共重合体も、同様な方法で製造できることが知ら
れている。
アクリル酸メチルとの共重合体は、塩化ビニル共重合体
よりも内部可塑化能に優れており、そのため、押出加工
に必要な可塑剤の添加を極めて少量にできるので、ガス
バリヤー性に優れ、かつ可塑剤は高価であるので、コン
パウンドコストも低くなり、また、アクリル酸メチルと
の共重合の方が重合速度が速く、塩化ビニルとの共重合
の場合の1/2〜1/3の時間で高重合率の共重合体が
得られるので、押出成形用としては、塩化ビニルとの共
重合体よりも潜在的には優れていたが、工業的には劣る
ものとなつていた。
その最大の理由は、アクリル酸メチルとの共重合体は塩
化ビニリデンおよびアクリル酸メチルモノマーとの相容
性が良いため、重合中に粒子が緻密な構造となり、粒子
からの残留モノマー除去が非常に困難であつたためであ
る。粒子からは当業界で規制されるレベルを満足できる
ように、残留モノマーを除去する必要があるが、この工
程において、生産性を低下させないために、塩化ビニル
共重合体と同等もしくはそれ以下の時間で除去しようと
すると、非常な高温にする必要があり、そのために塩化
ビニリデン系共重合体の一番の欠点である熱安定性が著
しく劣化して、実用的な成形加工品が得られず、また、
熱安定性の劣化を防止するため、塩化ビニル共重合体と
同等もしくはそれ以下の温度で除去しようとすると、長
時間を要し、著しく生産性の低下をきたしていた。
(発明が解決しようとする問題点) 懸濁重合で得られる塩化ビニリデン系共重合体の粒子径
には分布があり、通常な日本工業規格標準フルイの16メ
ツシユを全て通過する範囲にある。残留モノマーの除去
は、粒子に空隙がない場合、粒子径が大きくなるほど困
難となるが、従来得ていた塩化ビニリデンとアクリル酸
メチルの共重合体粒子は、得られた粒子径分布内におい
て、粒子径が大きくなるにつれて粒子の空隙も減少する
傾向にあり、このことが残留モノマーを除去し難い原因
となつていた。
本発明者は、該共重合体粒子から残留モノマーを除去す
る工程において、熱安定性の劣化を防止するとともに、
生産性を向上させるために鋭意研究を重ねた結果、特定
の空隙構造を有する粒子およびその製法を見出すに至つ
た。
(問題点を解決するための手段) すなわち、本発明は、懸濁重合法において得られる粒子
径の分布内において、粒子径が大きくなつても粒子内部
の空隙体積が増すか、または減少しない空隙構造を有す
る粒子にすることにより、従来の問題点を解決したもの
である。以下に本発明の粒子の特徴を述べると、懸濁重
合法において製造される塩化ビニリデンモノマーユニツ
ト85〜97重量%、アクリル酸メチルモノマーユニツトが
3〜15重量%の共重合体からなり、該共重合体の粒子径
が16メツシユを全て通過する範囲内に分布し、該分布内
の100メツシユを通過しない粒子の空隙が、該分布内に
おいて粒子の大きさに係わりなくほぼ等しく存在し、水
銀ポロシティメーター法による水銀圧入量として粒子1g
当り0.1cc以上である。
このような粒子は、塩化ビニリデンモノマー85〜97重量
%とアクリル酸メチルモノマー3〜15重量%の混合モノ
マー自体または混合モノマーが連続相を維持できる範囲
の量の水あるいは懸濁剤を溶解した水を含む混合モノマ
ーに、撹拌下で混合モノマーが連続相を維持できない量
に至る量の懸濁剤を溶解した水を加えることにより、混
合モノマーが連続相/水が不連続相である分散状態を経
由して、混合モノマーが不連続相/水が連続相である分
散体を得、該分散体を開始剤の存在下で加温して重合す
ることにより得られるものであり、従来のような懸濁剤
が入つている水にモノマーを加えて、直接にモノマーが
不連続相/水が連続相である分散体を得、該分散体を開
始剤の存在下で加温して重合した粒子よりも、驚異的に
残留モノマー除去が容易にできる特徴を持つている。
以下に本発明の共重合体粒子を得る手段を具体的に説明
する。
本発明の基本的な手段は、まず、ラジカル開始剤を塩化
ビニリデンとアクリル酸メチルの混合モノマーに溶解
し、次いで、該モノマーに撹拌しながら懸濁剤を溶解し
た水を、混合モノマーが連続相/水が不連続相の分散状
態を経て、混合モノマーが不連続相/水が連続相の分散
体になるまで加えた後に、加温して重合するものである
が、さらに優れた粒子を得ようとすれば、まず、ラジカ
ル開始剤を溶解した塩化ビニリデンとアクリル酸メチル
の混合モノマーに、あらかじめ水あるいは懸濁剤を溶解
した水が不連続相/混合モノマーが連続相となるように
撹拌分散しながら、次いで、懸濁剤を溶解した水を、混
合モノマーが不連続相/水が連続相の分散体になるまで
加えた後に、加温して重合するとよい。また、以上の手
段において、モノマー中に該共重合体を溶解しない不活
性な有機溶媒の少量を溶解させておくと、効果は一層よ
くなる。
以上が本発明の手段であるが、上記手段において、共重
合体の加工性および物性を向上させるために使用される
添加剤、例えば、可塑剤、熱安定剤、抗酸化剤、耐候安
定剤等のうち、水に可溶なものは水に、モノマーに可溶
なものはモノマーにあらかじめ溶解させておいてもよ
い。また、ラジカル開始剤は必ずしもあらかじめ混合モ
ノマー中に溶解させておく必要はなく、重合させる前の
段階であればどの段階で加えてもよい。
以下に、本発明をさらに詳述する。
本発明が対称としている共重合体粒子は、塩化ビニリデ
ンモノマーユニツトが85重量%以上97重量%以下で、ア
クリル酸メチルモノマーユニツトが3重量%以上15重量
%以下に限定される。この理由は、塩化ビニリデンモノ
マーユニツトが85重量%未満になると、水にモノマーが
不連続相で分散する状態にすることが困難となり、モノ
マーが連続相の状態で重合されるので、できた共重合体
は粒子とならず塊状物となるためである。また、塩化ビ
ニリデンモノマーユニツトが97重量%を越えると、共重
合体の融点と分解温度の差が小さくなり、成形加工する
際に押出機内で分解物が発生し、商業的価値がないため
である。
本発明に使用するラジカル開始剤とは、ベンゼン溶液中
0.2mol/の濃度で、半限期が10時間になる温度、いわ
ゆる分解温度が80℃以下の油溶性有機過酸化物、例え
ば、ジアシルパーオキサイド系のイソブチルパーオキサ
イド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、オル
ソメチルベンゾイルパーオキサイド、ビス−3,5,5−ト
リメチルヘキサノールパーオキサイド、アセチルパーオ
シサイド、ベンゾイルパーオキサイド、パラクロロベン
ゾイルパーオキサイド、アルキルパーエステル系のアセ
チルシクロヘキサンスルフオニルパーオキサイド、2,4,
4−トリメチルペンチルパーオキシフエノキシアセテー
ト、ターシヤリブチルパーオキシネオデカノエート、タ
ーシヤリブチルパーオキシピバレート、ターシヤリブチ
ルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ターシヤリ
ブチルパーオキシイソブチレート、パーカーボネート系
のジ−3−メトオキシブチルパーオキシジカーボネー
ト、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネー
ト、ビス(1−ターシヤリブチルシクロヘキシル)パー
オキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカ
ーボネート、ジセカンダリブチルパーオキシジカーボネ
ート、ターシヤリブチルパーオキシイソプロピルカーボ
ネートや、油溶性アゾビス化合物、例えば、アゾビスイ
ソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル等
から1種以上を選択できる。使用量は本発明において重
要でなく、目的とする分子量の共重合体となる量を使用
すればよい。
本発明に使用する懸濁剤とは、2%水溶液の25℃におけ
る粘度が10〜5000cpsのセルロース誘導体、例えば、メ
チルセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテ
ート、セルロースアセテートブチレート、カルボキシメ
チルセルロース、ヒドロオキシメチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルヒド
ロキシエチルセルロースや、ポリビニルアルコールおよ
びホリ酢酸ビニルの部分ケン化物等から1種以上を選択
できる。使用する全体量としては、混合モノマー100重
量部当り0.03〜1.0重量部の範囲が好ましい。この理由
は、0.03重量部未満では懸濁安定性が悪く、重合中に粒
子同志が癒着して塊状物となり、1.0重量部を越える
と、水にモノマーが不連続相で分散する状態にすること
が困難になるためである。
本発明に用いられる有機溶媒としては、沸点が100℃以
下の、例えば、n−ペンタン、2−メチルブタン、n−
ヘキサン、2−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタ
ン、2,3−ジメチルブタン、nーヘプタン、2−メチル
ヘキサン、3−メチルヘキサン、2,3−ジメチルペンタ
ン、2,4−ジメチルペンタン等の炭化水素系の溶媒から
1種以上を選択できるが、好ましくはn−ヘキサン、n
−ヘプタンが安価で入手できるので工業的に有利であ
る。これらの溶媒も重合後に粒子内に残留すると、衛生
上好ましくないので、残留モノマーと同時に除去し、回
収する必要があるが、回収したものは、精製して再使用
するよりも、むしろ工業的には焼却して廃棄した方が有
利であるので、その使用量はあまり多くしない方がよ
く、モノマー100重量部当り3重量部以下が好ましい。
本発明の粒子を製造する懸濁重合法において使用する水
の全量は、モノマー100重量部当り80重量部以上300重量
部以下が好ましい。この理由は、80重量部未満では水に
モノマーが不連続相で分散する状態にすることが困難と
なり、300重量部を越えると、工業的生産性が悪くなる
ためである。また、使用する水の全量のうち、あらかじ
めモノマーにモノマーが連続相を維持できる範囲の量に
水を加えて撹拌分散しておくと、得られた共重合体の10
0メツシユを通過しない粒子の空隙は、さらに大きくな
り好ましいものとなるので、できるだけ多量の水をモノ
マーに分散しておいた方がよいが、あまり多量になる
と、モノマーが連続相である分散状態を維持できず、本
発明の粒子は得られなくなるので、その使用量はモノマ
ー100重量部当り80重量部未満にする。
(発明の効果) 本発明によれば、懸濁重合法において得られる粒子径の
分布内において、粒子径が大きくなつても粒子内部の空
隙体積が増すか、または減少しない空隙構造を有する粒
子であるから、下記の実施例と比較例から明らかなよう
に、残留モノマーの除去が短時間で、しかも極めて容易
に行うことができる。
(実施例) 次に、本発明を実施例と比較例でさらに詳細に説明する
が、例中の残留モノマー、粒子の空隙体積、粒子径分
布、重合率、熱劣化度は、以下の方法で求めた。
なお、本発明でいうメツシユとは、日本工業規格標準フ
イルムのメツシユである。
残留モノマー 共重合体5gを30ml三角フラスコに入れてシリコンゴム製
の栓で密封し、100℃で1時間熱処理した後、栓にマイ
クロシリンジの針を通して、三角フラスコ中のガス1ml
を吸入し、それをガスクロマトグラフイーに注入して測
定した。ガスクロマトグラフイーは島津製作所製GC−4B
M(FID)を用い、キヤリヤーガスは窒素が20ml/分、空
気が1.0kg/cm2G、水素が0.5kg/cm2G、カラム温度は80
℃注入口温度は200℃の条件で、カラム充填剤は25%シ
リコンDC550と15%PEGの1/1を用いて測定した。
粒子径分布 乾燥共重合体粒子を日本工業規格標準フルイで篩分け
て、これを通過した粒子の重量を篩分け前の重量で除
し、重量%として求めた。
粒子の空隙体積 CARLO ERBA社製のPOROSIMETER200SERIESで、その測定マ
ニユアルに沿つて、乾燥共重合体粒子0.5gを1000kg/cm
2まで加圧した時の圧入された水銀量を測定し、その値
を2倍して粒子1g当りの体積(cc)を求めた。
重合率 得られた乾燥共重合体粒子を重量を、仕込んだモノマー
の重量で除して、重量%で求めた。
熱劣化度 残留モノマーが1ppmになつた共重合体100重量部、エポ
キシ化亜麻仁油1重量部、クエン酸0.02重量部、酸化マ
グネシウム0.4重量部の樹脂組成物をブラベンダー社製
ブラストグラフを用いて、170℃、50rpmで混練しなが
ら、溶融した樹脂組成物を3分毎にサンプリングして経
時変色を観察し、押出成膜時における熱安定効果の評価
とした。なお、評価結果は以下の符号で表わした。
◎優 ○良 ×不可 実施例1 塩化ビニリデンモノマー66.5kgとアクリル酸メチルモノ
マー3.5kgを混合し、これにラウロイルパーオキサイド4
90gを溶解して、内部が窒素置換された撹拌機付き200
反応機の機内へ投入し、撹拌を開始して機内を25℃にす
る。つぎに、脱イオン水84kgにヒドロキシプロピルメチ
ルセルロース84gを溶解させて投入し、機内を75℃に上
げて重合を開始する。15時間後に機内を25℃に下げて大
気に開放し、反応機ボトム弁からスラリーを取り出して
撹拌を停止する。つぎに、得られたスラリーを遠心式の
脱水機にかけ、水を分離して得られた未乾燥共重合体粒
子の200gを80℃の熱風乾燥機中に入れ、数時間毎にサン
プリングして残留モノマーを測定し、粒子に残留する塩
化ビニリデンモノマーおよびアクリル酸メチルモノマー
が各1ppmになるまでの時間を求め、その時間における共
重合体の熱劣化度を調べた。また、上記の未乾燥共重合
体粒子を40℃の熱風乾燥機中で水分が0.05%以下になる
まで乾燥し、重合率、粒子径分布および100メツシユを
通過して120メツシユを通過しない粒子、60メツシユを
通過して100メツシユを通過しない粒子、42メツシユを
通過して60メツシユを通過しない粒子の空隙体積を測定
した。
実施例2 実施例1と同じ反応機の機内に脱イオン水7kgを投入
し、機内を窒素置換して撹拌を開始する。つぎに、塩化
ビニリデンモノマー66.5kgとアクリル酸メチルモノマー
3.5kgを混合し、これにラウロイルパーオキサイド490g
を溶解して投入し、機内を25℃にする。つぎに、脱イオ
ン水77kgにヒドロキシプロピルメチルセルロース84gを
溶解させて投入し、以降は実施例1と同様にして得た未
乾燥および乾燥共重合体粒子について、実施例1と同様
な測定を行なつた。
実施例3 機内に脱イオン水21kgを投入しておくことゝ、脱イオン
水63kgにヒドロキシプロピルメチルセルロース84gを溶
解させる他は、実施例2と同様にして得た未乾燥および
乾燥共重合体粒子について、実施例1と同様な測定を行
なつた。
実施例4 機内に脱イオン水49kgを投入しておくことゝ、脱イオン
水35kgにヒドロキシプロピルメチルセルロース84gを溶
解させる他は、実施例2と同様にして得た未乾燥および
乾燥共重合体粒子について実施例1と同様な測定を行な
つた。
実施例5 塩化ビニリデンモノマー66.5kgとアクリル酸メチルモノ
マー3.5kgを混合し、これにn−ヘプタン210gを混合す
る他は、実施例1と同様にして得た未乾燥および乾燥共
重合体粒子について実施例1と同様な測定を行なつた。
実施例6 ヒドロキシプロピルメチルセルロース84gをメチルセル
ロース84gにする他は、実施例2と同様にして得た未乾
燥および乾燥共重合体粒子について、実施例1と同様な
測定を行なつた。
実施例7 ヒドロキシプロピルメチルセルロース84gをポリビニル
アルコール84gにする他は、実施例2と同様にして得た
未乾燥および乾燥共重合体粒子について、実施例1と同
様な測定を行なつた。
実施例8 ラウロイルパーオキサイド490gをターシヤリブチルパー
オキシ−2−エチルヘキサノエート350gにする他は、実
施例2と同様にして得た未乾燥および乾燥共重合体粒子
について、実施例1と同様な測定を行なつた。
実施例9 ラウロイルパーオキサイド490gをターシヤリブチルパー
オキシピバレート140gにする他は、実施例2と同様にし
て得た未乾燥および乾燥共重合体粒子について、実施例
1と同様な測定を行なつた。
比較例1 実施例1と同じ反応機の機内に、脱イオン水84kgにヒド
ロキシプロピルメチルセルロース84gを溶解させて投入
し、機内を窒素置換して撹拌を開始し、機内を25℃にす
る。つぎに、塩化ビニリデンモノマー66.5kgとアクリル
酸メチルモノマー3.5kgを混合し、これにラウロイルパ
ーオキサイド490gを溶解して投入し、以降は実施例1と
同様にして得た未乾燥および乾燥共重合体粒子につい
て、実施例1と同様な測定を行なつた。
比較例2 機内に脱イオン水63kgを投入しておくことゝ、脱イオン
水21kgにヒドロキシプロピルメチルセルロース84gを溶
解させる他は、実施例2と同様にして得た未乾燥および
乾燥共重合体粒子について、実施例1と同様な測定を行
なつた。
以上の実施例1〜9および比較列1〜2の測定結果を表
1に示す。
表1中の比較例は従来の粒子であり、粒子径が小さいほ
ど空隙体積は増すが、本発明の粒子は、粒子径が大きく
なるにつれ空隙体積は若干増す傾向になつている。この
ため、本発明の粒子は、粒子径の大きい粒子を比較例の
共重合体よりも多く含有しているにもかかわらず、残留
モノマーが1ppmに達する時間は早く、100メツシユを通
過しない粒子の空隙体積が0.1cc/gあると残留モノマ
ー除去は、驚異的に容易となることが分る。
実施例2〜4は、あらかじめモノマーに水を不連続相で
撹拌分散して得た粒子であるが、分散しておく水の量が
多くなると、得られる粒子の空隙体積も増し、残留モノ
マーの除去もさらに容易となることが分る。比較例2
は、あらかじめモノマーに分散する水の量が多すぎたた
めに、モノマーが連続相/水が不連続相である分散体を
一旦経ていないので、本発明の粒子が得られなかつたも
のである。
実施例5は、あらかじめモノマーにn−ヘプタンを溶解
させて、実施例1と同様な方法で得た粒子であるが、モ
ノマーに可溶で共重合体を溶解しない不活性な有機溶媒
を少量溶解しておくと、本発明の粒子の空隙体積はさら
に大きくなり、残留モノマー除去も一層早くなることが
分る。
実施例6,7は実施例2の懸濁剤を変えたものであり、実
施例8,9は実施例2の開始剤を変えたものであるが、い
ずれの場合も本発明の効果が現われていることが分る。
比較例3 脱イオン水84kgにヒドロキシプロピルメチルセルロース
を14g溶解させる他は、実施例1と同様にして重合した
が、共重合体は粒子とならず、反応機内で塊状物となつ
た。
実施例10 脱イオン水84kgにヒドロキシプロピルメチルセルロース
を21g溶解させる他は、実施例1と同様にして重合し
た。その結果、16メツシユ通過が100%で、20メツシユ
通過が94%の粒子径分布をもつ共重合体が得られた。
比較例4 脱イオン水84kgにヒドロキシプロピルメチルセルロース
を840g溶解させる他は、実施例1と同様にして反応機の
機内へ投入し、温度が25℃で一定となつて10分後に、反
応機ボトム弁から分散体を少量抜き出して懸濁状態を観
察したが、水にモノマーが不連続相で分散する状態にな
つていなかつた。
実施例11 脱イオン水84kgにヒドロキシプロピルメチルセルロース
を700g溶解させる他は、実施例1と同様にして重合し
た。その結果、35メツシユ通過が100%、42メツシユ通
過が90%の粒子径分布をもつ共重合体が得られた。
以上の比較例3,4と実施例10,11の結果を表2に示すが、
本発明の粒子の製法において、使用できる懸濁剤量は、
モノマー100重量部当り0.03重量部から1.0重量部の範囲
であることが分る。
比較例5 塩化ビニリデンモノマー56kgとアクリル酸メチルモノマ
ー14kgを混合する他は、実施例1と同様にして反応機の
機内へ投入し、温度が225℃で一定となつて10分後に、
反応機ボトム弁から分散体を少量抜き出して懸濁状態を
観察したが、水にモノマーが不連続相で分散する状態に
なつていなかつた。
実施例12 塩化ビニリデンモノマー59.5kgとアクリル酸メチルモノ
マー10.5kgを混合する他は、実施例1と同様にして重合
した。その結果、35メツシユ通過が100%、42メツシユ
通過が5%の粒子径分布をもつ共重合体が得られた。
以上の比較例5と実施例12の結果を表3に示すが、本発
明の共重合体粒子は、塩化ビニリデンモノマーユニツト
が85重量%未満になると、正常な粒子を得ることが困難
になることが分る。塩化ビニリデンとアクリル酸メチル
の共重合の場合、反応性比が各1と1であるので、得ら
れる共重合体組成は仕込比組成と略一致する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】懸濁重合法で製造された塩化ビニリデンモ
    ノマーユニット85〜97重量%、アクリル酸メチルモノマ
    ーユニット3〜15重量%の共重合体からなり、該共重合
    体の粒子径が16メッシュを全て通過する範囲内に分布
    し、該分布内の100メッシュを通過しない粒子の空隙
    が、該分布内において粒子の大きさに係わりなくほぼ等
    しく存在し、水銀ポロシティメーター法による水銀圧入
    量として粒子1g当たり0.1cc以上であることを特徴とす
    る塩化ビニリデン系共重合体粒子。
  2. 【請求項2】塩化ビニリデンモノマー85〜97重量%とア
    クリル酸メチルモノマー3〜15重量%の混合モノマー自
    体または混合モノマーが連続相を維持できる範囲の量の
    水あるいは懸濁剤を溶解した水を含む混合モノマーに、
    撹拌下で混合モノマーが連続相を維持できない量に至る
    量の懸濁剤を溶解した水を加えることにより、混合モノ
    マーが連続相/水が不連続相である分散状態を経由し
    て、混合モノマーが不連続相/水が連続相である分散体
    を得、該分散体を開始剤の存在下で加温して重合するこ
    とを特徴とする塩化ビニリデンモノマーユニット85〜97
    重量%、アクリル酸メチルモノマーユニット3〜15重量
    %の共重合体からなり、該共重合体の粒子径が16メッシ
    ュを全て通過する範囲内に分布し、該分布内の100メッ
    シュを通過しない粒子の空隙が、該分布内において粒子
    の大きさに係わりなくほぼ等しく存在し、水銀ポロシテ
    ィメーター法による水銀圧入量として粒子1g当たり0.1c
    c以上である塩化ビニリデン系共重合体粒子の製法。
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