JPH0665310B2 - ジグリセリドの製造法 - Google Patents

ジグリセリドの製造法

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JPH0665310B2
JPH0665310B2 JP61281462A JP28146286A JPH0665310B2 JP H0665310 B2 JPH0665310 B2 JP H0665310B2 JP 61281462 A JP61281462 A JP 61281462A JP 28146286 A JP28146286 A JP 28146286A JP H0665310 B2 JPH0665310 B2 JP H0665310B2
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diglyceride
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glycerin
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、リパーゼを用いてジグリセリドを製造する方
法に関する。より詳しくはグリセリドの1,3位に特異的
に作用するリパーゼを用い、油脂とグリセリンの反応を
行うことによりジグリセリドを製造する方法に関するも
のである。
〔従来の技術及び問題点〕
ジグリセリドは基剤として化粧品、医薬品などの分野で
利用されている。又、油脂の可塑性改良用添加剤として
食品分野において用いられている。
ジグリセリドは、通常、グリセリンと脂肪酸とのエステ
ル化、グリセリンと油脂とのアルコール基交換反応など
の方法により製造されている。例えば、アルコール基交
換反応(グリセロリシス)では200〜240℃で2〜6時
間、0.1%前後の水酸化カルシウムなどを触媒として反
応を行っている。
この様にして得られる反応生成物にはジグリセリドのほ
かにモノグリセリド、トリグリセリドが含まれており、
ジグリセリドを高純度で得るためには、分子蒸留などの
処理が必要である。
しかし、分子蒸留などの処理によってもジグリセリドと
トリグリセリドを分離することは容易でない。トリグリ
セリドの品質への影響としては、トリグリセリドの含量
が増加するに従いジグリセリドの乳化性能が低下する欠
点がある。従って、反応時にトリグリセリドが生成しな
いような工夫、例えば油脂又は脂肪酸に対し大過剰のグ
リセリンを使用するなどが必要である。この様にした場
合、生産性が低下する等の問題が生じる。そして、得ら
れるジグリセリドは高温度履歴を経ているので品質面に
おいて劣るという欠点がある。
本発明の目的は、高温度履歴を経ていない高品質のジグ
リセリドを高収率で製造する方法を提供しようとするも
のである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは油脂とグリセリンとのアルコール基交換反
応において、グリセリドの1,3位に特異的に作用するリ
パーゼを用い、反応を行うことにより高温度履歴を経て
いない高品質のジグリセリドを高収率で生成し得ること
を見出し本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、油脂とグリセリンとのアルコール基交
換反応において、触媒としてグリセリドの1,3位に特異
的に作用するリパーゼを用い反応を行うことを特徴とす
るジグリセリドの製造法に関するものである。
本発明で用いる油脂としては、一般的な植物性、動物性
の油脂もしくは加工油脂、あるいはこれらの混合油脂が
挙げられる。例えば植物性、動物性の油脂としては、大
豆油、綿実油、ナタネ油、オリーブ油、コーン油、ヤシ
油、サフラワー油、牛脂、ラード、魚油等を用いること
ができる。
本発明で使用するリパーゼは、グリセリドの1,3位に特
異的に作用するもの(1,3位選択的リパーゼ)がよい。
即ち、リゾプス(Rhizopus)属、アスペルギルス(Aspe
rgillus)属、ムコール(Mucor)属の微生物由来のリパ
ーゼ、すい臓リパーゼ等である。例えば、リゾプス・デ
レマー(Rhizopus delemar)、リゾプス・ジャポニカス
(Rhizopus japonicus)、リゾプス・ニベウス(Rhizop
us niveus)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus n
iger)、ムコール・ジャバニカス(Mucor javanicu
s)、ムコール・ミーハイ(Mucor miehei)などを起源
とするリパーゼを使用することができる。また、該リパ
ーゼを各種担体(セライト、ケイソウ土、シリカゲル、
イオン交換樹脂など)に保持させた固定化リパーゼ製剤
を使用することもできる。一般に、前者よりも後者、即
ち40〜100℃の温度で耐久性のある(耐熱性の)固定化
リパーゼ製剤を用いる方が好ましい。これらのリパーゼ
又はリパーゼ製剤の多くは市販品として容易に入手する
ことができる。
本発明において、反応温度は特に規定するものではない
が、好ましくは40〜100℃、より好ましくは60〜80℃で
行われる。反応温度はジグリセリド収率に重要な意味を
持つ。即ち、下記の反応式において (a)の経路は酵素的反応であるが、(b)の経路は非酵素的
な転移反応であり、その速度は温度に比例する。従って
温度が高い程1,3−ジグリセリドが速やかに生成し、1,2
−ジグリセリドが減少するため、(a)の経路が右側へ進
み、その結果トリグリセリドが減少し、ジグリセリド純
度が高くなる。本発明においては、通常、油脂100重量
部に対しグリセリンは5〜40重量部、リパーゼは1〜30
重量部使用する。また、反応時間は5〜30時間が適当で
ある。
本発明方法のより具体的な方法は以下に示す通りであ
る。
即ち、油脂100重量部に対して5〜40重量部のグリセリ
ン及びリパーゼ(200〜10,000units対油脂1重量部)か
ら成る混合物を、温度40〜100℃、好ましくは60〜80℃
で反応を行う。反応終了物よりリパーゼを濾別し、未反
応のグリセリン及びモノグリセリドは分子蒸留等、従来
の分離・精製手段を単独又は適宜併用する事により容易
に除去することができる。かくして精製ジグリセリドが
得られる。また、分離したリパーゼは繰り返し反応に用
いることができる。
〔発明の効果〕
本発明の製造法に従ってグリセリドの1,3位に特異的に
作用するリパーゼ(1,3位選択的リパーゼ)を用い、油
脂とグリセリンとのアルコール基交換反応を行うと、ジ
グリセリドを高純度でかつ収率よく製造することができ
る。本発明により得られるジグリセリドは、高温度履歴
を経ていないので品質的にも優れたものである。
〔実施例〕
以下に、本発明を実施例、比較例をもって詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
実施例1 市販リパーゼ製剤〔巨視的多孔性陰イオン交換樹脂に固
定化したムコール・ミーハイ(Mucor miehei)起源のリ
パーゼ、ノボ・インダストリー・A・S社製〕10g、ナ
タネ白絞油100g、及びグリセリン10gを混合し、60℃で
かきまぜながら18時間反応を行った。反応終了後、反応
生成物からリパーゼ製剤を濾別した後、サンプルを一部
取り、トリメチルシリル化して、ガスクロマトグラフィ
ーを用いて、トリグリセリド、ジグリセリド、モノグリ
セリドの組成を求めた。その結果は表1に示した。
比較例1 ナタネ油100g、グリセリン(水分含量0.8%)10g、活性
炭1g及び水酸化カルシウム0.01gを混合し、窒素気流
下235℃で3時間反応を行った。反応終了後、残った水
酸化カルシウムをリン酸で中和し濾別により活性炭と共
に反応生成物から除去した。しかる後、サンプルを一部
取り、トリメチルシリル化して、ガスクロマトグラフィ
ーを用いて実施例1と同様にグリセリド組成を求めた。
その結果は表1に示した。
比較例2 位置選択性のない市販リパーゼ製剤〔キャンディダ属起
源のリパーゼ製剤、商品名「リパーゼOF」、名糖産業
(株)製、36万units/g〕2.0g、ナタネ白絞油100g及び
グリセリン(水分含量0.8%)10gを混合し、60℃でかき
まぜながら15時間反応を行った。反応終了後実施例1と
同じ方法でグリセリド組成を求めた。その結果も表1に
示した。
実施例2 市販リパーゼ製剤(実施例1で使用したものと同じも
の)10g、パーム油100g及びグリセリン(水分含量0.8
%)15gを混合し、80℃でかきまぜながら11時間反応を
行った。反応終了後実施例1と同じ方法でグリセリド組
成を求めその結果を表2に示す。
比較例3 パーム油100g、グリセリン(水分含量0.8%)15g、活性
炭1g及び水酸化カルシウム0.01gを混合し、窒素気流
下235℃で3時間反応を行った。反応終了後、比較例1
と同じ方法でグリセリド組成を求めた。その結果も表2
に示す。
実施例3 市販リパーゼ製剤〔リゾプス・デレマー(Rhizopus del
emar)起源のリパーゼ製剤、商品名「タリパーゼ」、田
辺製薬(株)製〕9g、大豆白絞油100g及びグリセリン
9gを混合し、60℃でかきまぜながら20時間反応を行っ
た。反応終了後実施例1と同じ方法でグリセリド組成を
求めた。その結果を表3に示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】油脂とグリセリンとのアルコール基交換反
    応において、触媒としてグリセリドの1,3位に特異的に
    作用するリパーゼを用い反応を行うことを特徴とするジ
    グリセリドの製造法。
JP61281462A 1986-11-26 1986-11-26 ジグリセリドの製造法 Expired - Lifetime JPH0665310B2 (ja)

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JPS63133992A JPS63133992A (ja) 1988-06-06
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KR100409053B1 (ko) * 2001-09-05 2003-12-11 주식회사 신동방 고순도 디글리세라이드 유지 조성물의 제조방법
EP1466002B1 (en) * 2002-01-15 2009-11-04 Kao Corporation Process for the production of diglycerides
US7709667B2 (en) 2005-04-28 2010-05-04 Kao Corporation Process for producing fat or oil
US8227010B2 (en) 2008-10-10 2012-07-24 Kao Corporation Process for producing oil and fat rich in diacylglycerol

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