JPH0665148A - 共役ジエンのカルボニル化 - Google Patents
共役ジエンのカルボニル化Info
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- JPH0665148A JPH0665148A JP5177640A JP17764093A JPH0665148A JP H0665148 A JPH0665148 A JP H0665148A JP 5177640 A JP5177640 A JP 5177640A JP 17764093 A JP17764093 A JP 17764093A JP H0665148 A JPH0665148 A JP H0665148A
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- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C67/00—Preparation of carboxylic acid esters
- C07C67/36—Preparation of carboxylic acid esters by reaction with carbon monoxide or formates
- C07C67/38—Preparation of carboxylic acid esters by reaction with carbon monoxide or formates by addition to an unsaturated carbon-to-carbon bond
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C2523/00—Catalysts comprising metals or metal oxides or hydroxides, not provided for in group C07C2521/00
- C07C2523/38—Catalysts comprising metals or metal oxides or hydroxides, not provided for in group C07C2521/00 of noble metals
- C07C2523/40—Catalysts comprising metals or metal oxides or hydroxides, not provided for in group C07C2521/00 of noble metals of the platinum group metals
- C07C2523/44—Palladium
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C2531/00—Catalysts comprising hydrides, coordination complexes or organic compounds
- C07C2531/16—Catalysts comprising hydrides, coordination complexes or organic compounds containing coordination complexes
- C07C2531/24—Phosphines
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 安価に供給原料からアルケン酸誘導体へのル
ートの改良 【構成】 本発明は、脂肪族共役ジエンをパラジウム化
合物と多座ホスフィン配位子と必要に応じプロトン酸と
からなる触媒系の存在下に液体状態で一酸化炭素および
ヒドロキシル基含有化合物と反応させ、この反応を調節
された極性の反応媒体にて行なうアルケン酸誘導体の製
造方法に関するものである。
ートの改良 【構成】 本発明は、脂肪族共役ジエンをパラジウム化
合物と多座ホスフィン配位子と必要に応じプロトン酸と
からなる触媒系の存在下に液体状態で一酸化炭素および
ヒドロキシル基含有化合物と反応させ、この反応を調節
された極性の反応媒体にて行なうアルケン酸誘導体の製
造方法に関するものである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、脂肪族共役ジエンをパ
ラジウム化合物と多座ホスフィン配位子と必要に応じプ
ロトン酸とからなる触媒系の存在下に液体状態で一酸化
炭素およびヒドロキシル基含有化合物と反応させること
によるアルケン酸誘導体の製造方法に関するものであ
る。
ラジウム化合物と多座ホスフィン配位子と必要に応じプ
ロトン酸とからなる触媒系の存在下に液体状態で一酸化
炭素およびヒドロキシル基含有化合物と反応させること
によるアルケン酸誘導体の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】本発明の方法により得られる生成物、た
とえばアルケン酸エステル、アルケン酸およびアルケン
酸無水物は種々の化学製品のための有能な中間体を構成
し、したがってたとえばブタジエンのような安価な基礎
供給原料を用いて入手しうるようになった。たとえばア
ルキル 3−ペンテノエートは、それぞれポリアミド−
6,6およびポリアミド−6への効率的な製造ルートに
おけるジアルキルアジペートおよび6−オキソヘキサノ
エートに対する中間体である。米国特許第417208
7号はアルコールの存在下における共役ジエンのカルボ
ニル化法を開示しており、ハロゲンフリーのパラジウム
塩と多座ホスフィン配位子と第三窒素塩基(たとえばピ
リジン、キノリンもしくはイソキノリン)とからなる触
媒系を使用する。第三窒素塩基は他の触媒成分に対し大
過剰で使用され、本質的に反応用の媒体として作用す
る。添加されるN−複素環式溶剤の不存在下では、パラ
ジウム含有の不溶性物質の沈澱およびずっと低い生成物
収率が報告されている。この公知方法は2つの同時反
応、すなわち二量化反応およびカルボニル化を含み、常
に混合反応生成物(たとえばペンテノン酸イソプロピル
とノナジエン酸イソプロピル)が得られる。
とえばアルケン酸エステル、アルケン酸およびアルケン
酸無水物は種々の化学製品のための有能な中間体を構成
し、したがってたとえばブタジエンのような安価な基礎
供給原料を用いて入手しうるようになった。たとえばア
ルキル 3−ペンテノエートは、それぞれポリアミド−
6,6およびポリアミド−6への効率的な製造ルートに
おけるジアルキルアジペートおよび6−オキソヘキサノ
エートに対する中間体である。米国特許第417208
7号はアルコールの存在下における共役ジエンのカルボ
ニル化法を開示しており、ハロゲンフリーのパラジウム
塩と多座ホスフィン配位子と第三窒素塩基(たとえばピ
リジン、キノリンもしくはイソキノリン)とからなる触
媒系を使用する。第三窒素塩基は他の触媒成分に対し大
過剰で使用され、本質的に反応用の媒体として作用す
る。添加されるN−複素環式溶剤の不存在下では、パラ
ジウム含有の不溶性物質の沈澱およびずっと低い生成物
収率が報告されている。この公知方法は2つの同時反
応、すなわち二量化反応およびカルボニル化を含み、常
に混合反応生成物(たとえばペンテノン酸イソプロピル
とノナジエン酸イソプロピル)が得られる。
【0003】共役ジエンカルボニル化の選択性に関する
その後の改良がEP−A−273489号により開示さ
れ、これによれば反応はパラジウム化合物を少なくとも
1種の多座有機燐配位子と組合せてなる特定の実質的に
有機窒素含有塩基フリーの触媒系の存在下で行なわれ
る。好適具体例によれば、pKa値>3を有する触媒量
のプロトン酸を添加して、たとえばブタジエンの変換の
場合にはペンテノエートの収率を増大させることがで
き、米国特許第4172087号で使用される塩基性反
応媒体を回避するという利点を強調している。EP−A
−273489号の方法はブタジエンのカルボニル化に
関するものであって、約90%もしくはそれ以上のアル
キルペンテノエートに対する選択率を以て進行する。公
知方法は安価な供給原料からアルケン酸誘導体への興味
あるルートを与えるが、用いる貴重なパラジウム触媒成
分の量に比べ反応速度は特にポリアミドの製造のための
工業技術に匹敵しうる工業上可能な方法を与えるには、
さらに改良の余地がある。
その後の改良がEP−A−273489号により開示さ
れ、これによれば反応はパラジウム化合物を少なくとも
1種の多座有機燐配位子と組合せてなる特定の実質的に
有機窒素含有塩基フリーの触媒系の存在下で行なわれ
る。好適具体例によれば、pKa値>3を有する触媒量
のプロトン酸を添加して、たとえばブタジエンの変換の
場合にはペンテノエートの収率を増大させることがで
き、米国特許第4172087号で使用される塩基性反
応媒体を回避するという利点を強調している。EP−A
−273489号の方法はブタジエンのカルボニル化に
関するものであって、約90%もしくはそれ以上のアル
キルペンテノエートに対する選択率を以て進行する。公
知方法は安価な供給原料からアルケン酸誘導体への興味
あるルートを与えるが、用いる貴重なパラジウム触媒成
分の量に比べ反応速度は特にポリアミドの製造のための
工業技術に匹敵しうる工業上可能な方法を与えるには、
さらに改良の余地がある。
【0004】
【発明の要点】本発明は、このような改良を達成するこ
とを目的とする。今回、この目的は調節された極性を有
する反応媒体において反応を行なえば達成されることが
判明した。驚くことに、カルボニル化反応の過程におけ
る媒体の極性の慎重な制御は、従来可能であったよりも
高い反応速度を、たとえ有機窒素含有塩基が存在する場
合にも優秀な選択性を維持しながら達成することを可能
にする。本発明によれば、反応を妨げる反応媒体の高い
極性を回避すべきである。反応媒体の低過ぎる極性は、
触媒金属成分の溶解度低下に鑑み適していない。本発明
の方法は、液体反応媒体の極性を連続監視しながら行な
いうるが、本発明はさらに反応媒体に必要とされる極性
の評価に関し便利な基準を与える。本発明の好適具体例
によれば、反応媒体の計算された誘電率εcalcは8未満
の数値、好ましくは4.5〜7.5の範囲の数値、特に
好ましくは反応の過程で5〜6.5の範囲の数値であ
る。この目的でεcalcは反応媒体中に存在する純粋な液
体基質および溶剤の25℃における誘電率の容量平均と
して計算され、このデータは文献から入手できる。この
手段において溶解量の一酸化炭素および触媒成分による
僅かな影響は無視されるが、実用目的で基準はカルボニ
ル化反応の向上した反応速度につき必要とされる極性条
件を区別するには充分正確であると思われる。従来の方
法は全て8より高いεcalcの反応媒体にて行なわれた。
とを目的とする。今回、この目的は調節された極性を有
する反応媒体において反応を行なえば達成されることが
判明した。驚くことに、カルボニル化反応の過程におけ
る媒体の極性の慎重な制御は、従来可能であったよりも
高い反応速度を、たとえ有機窒素含有塩基が存在する場
合にも優秀な選択性を維持しながら達成することを可能
にする。本発明によれば、反応を妨げる反応媒体の高い
極性を回避すべきである。反応媒体の低過ぎる極性は、
触媒金属成分の溶解度低下に鑑み適していない。本発明
の方法は、液体反応媒体の極性を連続監視しながら行な
いうるが、本発明はさらに反応媒体に必要とされる極性
の評価に関し便利な基準を与える。本発明の好適具体例
によれば、反応媒体の計算された誘電率εcalcは8未満
の数値、好ましくは4.5〜7.5の範囲の数値、特に
好ましくは反応の過程で5〜6.5の範囲の数値であ
る。この目的でεcalcは反応媒体中に存在する純粋な液
体基質および溶剤の25℃における誘電率の容量平均と
して計算され、このデータは文献から入手できる。この
手段において溶解量の一酸化炭素および触媒成分による
僅かな影響は無視されるが、実用目的で基準はカルボニ
ル化反応の向上した反応速度につき必要とされる極性条
件を区別するには充分正確であると思われる。従来の方
法は全て8より高いεcalcの反応媒体にて行なわれた。
【0005】εcalcを計算するため考慮すべき液体は一
般に脂肪族共役ジエン、ヒドロキシル基含有化合物およ
び溶剤である。反応の過程で生成するアルケン酸誘導生
成物は液体反応混合物の平均誘電率に寄与しうると思わ
れる。しかしながら、これら生成物の誘電率は約5〜約
6.5の範囲に低下することがあり、これは液体反応混
合物につき好適であり、この方法を本発明にしたがって
行なう場合には平均誘電率に対し僅か或いは無視しうる
程度しか寄与しない。本明細書において、所定の液体に
関する誘電率は誘電体としての物質を有する凝縮器の容
量と誘電体用の減圧部を備えた同じ凝縮器の容量との比
を示す通常の意味で使用される。一般的な有機液の誘電
率に関する数値は一般的な刊行物、たとえばハンドブッ
ク・オブ・ケミストリー・アンド・フィジークス、CR
C編集またはより専門的な刊行物に見ることができ、一
般に25℃の温度につき示され或いは示された換算ファ
クタを用いてその温度に容易に変換することができる。
特定化合物につき文献データが入手しえなければ、確立
された物理化学的方法を用いて誘電率を容易に測定する
ことができる。たとえばエタノールにつきε=24.
3、ジフェニルエーテルにつきε=3.7および1,3
−ブタジエンにつきε=1.9[ブタジエンについては
ジャーナル・ケミカル・ターモダイナミックス(198
6)、第18巻、第221〜234頁におけるデータを
外挿する]。これに基づき、EP−A−273489の
実施例1で使用された15mlのエタノールと40ml
のジフェニルエーテルと8mlのブタジエンとの混液に
つき8.4の容量平均誘電率εcalcが計算される(15
/63×24.3+40/63×3.7+8/63×
1.9=8.4)。同様に、米国特許第4172087
号の実施例12で使用された40mlのピリジン(ε=
12.3)と20mlのイソプロパノール(ε=18.
3)と32mlの1,3−ブタジエンとの反応媒体は1
0.0のεcalcを有する。米国特許第4172087号
の実施例1もしくは3におけると同様にキノリンもしく
はイソキノリンを含有すれば反応媒体はそれぞれ8.6
もしくは9.3のεcalcを有する。
般に脂肪族共役ジエン、ヒドロキシル基含有化合物およ
び溶剤である。反応の過程で生成するアルケン酸誘導生
成物は液体反応混合物の平均誘電率に寄与しうると思わ
れる。しかしながら、これら生成物の誘電率は約5〜約
6.5の範囲に低下することがあり、これは液体反応混
合物につき好適であり、この方法を本発明にしたがって
行なう場合には平均誘電率に対し僅か或いは無視しうる
程度しか寄与しない。本明細書において、所定の液体に
関する誘電率は誘電体としての物質を有する凝縮器の容
量と誘電体用の減圧部を備えた同じ凝縮器の容量との比
を示す通常の意味で使用される。一般的な有機液の誘電
率に関する数値は一般的な刊行物、たとえばハンドブッ
ク・オブ・ケミストリー・アンド・フィジークス、CR
C編集またはより専門的な刊行物に見ることができ、一
般に25℃の温度につき示され或いは示された換算ファ
クタを用いてその温度に容易に変換することができる。
特定化合物につき文献データが入手しえなければ、確立
された物理化学的方法を用いて誘電率を容易に測定する
ことができる。たとえばエタノールにつきε=24.
3、ジフェニルエーテルにつきε=3.7および1,3
−ブタジエンにつきε=1.9[ブタジエンについては
ジャーナル・ケミカル・ターモダイナミックス(198
6)、第18巻、第221〜234頁におけるデータを
外挿する]。これに基づき、EP−A−273489の
実施例1で使用された15mlのエタノールと40ml
のジフェニルエーテルと8mlのブタジエンとの混液に
つき8.4の容量平均誘電率εcalcが計算される(15
/63×24.3+40/63×3.7+8/63×
1.9=8.4)。同様に、米国特許第4172087
号の実施例12で使用された40mlのピリジン(ε=
12.3)と20mlのイソプロパノール(ε=18.
3)と32mlの1,3−ブタジエンとの反応媒体は1
0.0のεcalcを有する。米国特許第4172087号
の実施例1もしくは3におけると同様にキノリンもしく
はイソキノリンを含有すれば反応媒体はそれぞれ8.6
もしくは9.3のεcalcを有する。
【0006】本発明の方法に使用しうる基質、溶剤およ
び触媒成分は、従来の方法に使用されたものと実質的に
同じである。しかしながら、本発明の教示に従い同じも
のを賢明に組合せ或いは濃度を選択することにより、反
応媒体の極性を所望の反応速度の増大が得られるよう調
節することができる。適する脂肪族共役ジエンは好まし
くは4〜8個の炭素原子を有するアルカジエン、たとえ
ば1,3−ブタジエン(ε=1.9)、1,3−ペンタ
ジエン(ε=2.32)、1,3−ヘキサジエン、ci
s,cis−2,4−ヘキサジエン(ε=2.16)、
trans,trans−2,4−ヘキサジエン(ε=
2.12)、1,3−シクロヘキサジエン、2,4−ヘ
プタジエンなどを包含し、これらはカルボニル化反応を
阻害しない置換基、たとえば2−メチル−1,3−ブタ
ジエン(ε=2.10)におけるようにアルキル置換基
を有することができる。
び触媒成分は、従来の方法に使用されたものと実質的に
同じである。しかしながら、本発明の教示に従い同じも
のを賢明に組合せ或いは濃度を選択することにより、反
応媒体の極性を所望の反応速度の増大が得られるよう調
節することができる。適する脂肪族共役ジエンは好まし
くは4〜8個の炭素原子を有するアルカジエン、たとえ
ば1,3−ブタジエン(ε=1.9)、1,3−ペンタ
ジエン(ε=2.32)、1,3−ヘキサジエン、ci
s,cis−2,4−ヘキサジエン(ε=2.16)、
trans,trans−2,4−ヘキサジエン(ε=
2.12)、1,3−シクロヘキサジエン、2,4−ヘ
プタジエンなどを包含し、これらはカルボニル化反応を
阻害しない置換基、たとえば2−メチル−1,3−ブタ
ジエン(ε=2.10)におけるようにアルキル置換基
を有することができる。
【0007】代表的なヒドロキシル基含有化合物はアル
コール、カルボン酸および水を包含し、そのうちカルボ
ニル化反応にてアルケン酸エステルを生成するアルコー
ルが好適である。これらアルコールは脂肪族もしくは芳
香族、たとえばフェノールとすることができる。水の使
用はアルケン酸を生成し、またはカルボン酸の使用はア
ルケン酸無水物を生成する。典型例はメタノール(ε=
32.6)、エタノール(ε=24.3)、イソプロパ
ノール(ε=18.3)、n−ブタノール(ε=17.
1)、sec−ブタノール(ε=15.8)、イソブチ
ルアルコール(ε=17.7)およびt−ブタノール
(ε=11.5)を包含する。アルコールは多官能性と
することができ、たとえばエチレングリコール(ε=3
7.7)、1,3−プロパンジオール(ε=35.0)
またはグリセリン(ε=42.5)を包含する。本発明
の方法に好適な基質は1〜4個の炭素原子を有するアル
コールと組合せた1,3−ブタジエンであり、これは一
酸化炭素との反応によりペンテン酸、特に3−ペンテン
酸異性体のアルキルエステルを生成する。アルコール反
応体、特にメタノールおよびエタノールは、平均誘電率
に顕著に寄与することが了解されよう。反応媒体の極性
を調節するには、したがって本発明の第1具体例によ
り、カルボニル化法においてヒドロキシル基含有化合物
が25℃にて20未満の誘電率を有するアルカノールで
あることが好ましく、より好適にはアルカノールはイソ
プロパノールもしくはt−ブタノールである。本発明の
代案によれば、ヒドロキシル基含有化合物が25℃にて
20より高い誘電率を有するアルカノールである場合、
反応媒体の極性をその濃度が反応の過程で液体反応媒体
の20容量%を越えないよう確保して調節することがで
きる。これは、比較的多量の低極性溶剤で反応混合物を
希釈すると同時に他の基質の濃度を減少させて達成する
ことができる。これは、循環を含む過度に多量の液体流
のため工程を極めて面倒にする。より好ましくは、極性
は特にアルカノールの低濃度(これは化学量論量未満と
することができる)にて反応を開始させることにより調
節され、変換した量のアルカノールを反応の過程でさら
にアルカノールの連続もしくは間歇的添加により補充す
ることができる。したがって、たとえばエタノールのよ
うな安価なアルコールも本発明の方法に使用することが
でき、したがって所望ならば特にメタルおよびエチルエ
ステルを製造することができる。
コール、カルボン酸および水を包含し、そのうちカルボ
ニル化反応にてアルケン酸エステルを生成するアルコー
ルが好適である。これらアルコールは脂肪族もしくは芳
香族、たとえばフェノールとすることができる。水の使
用はアルケン酸を生成し、またはカルボン酸の使用はア
ルケン酸無水物を生成する。典型例はメタノール(ε=
32.6)、エタノール(ε=24.3)、イソプロパ
ノール(ε=18.3)、n−ブタノール(ε=17.
1)、sec−ブタノール(ε=15.8)、イソブチ
ルアルコール(ε=17.7)およびt−ブタノール
(ε=11.5)を包含する。アルコールは多官能性と
することができ、たとえばエチレングリコール(ε=3
7.7)、1,3−プロパンジオール(ε=35.0)
またはグリセリン(ε=42.5)を包含する。本発明
の方法に好適な基質は1〜4個の炭素原子を有するアル
コールと組合せた1,3−ブタジエンであり、これは一
酸化炭素との反応によりペンテン酸、特に3−ペンテン
酸異性体のアルキルエステルを生成する。アルコール反
応体、特にメタノールおよびエタノールは、平均誘電率
に顕著に寄与することが了解されよう。反応媒体の極性
を調節するには、したがって本発明の第1具体例によ
り、カルボニル化法においてヒドロキシル基含有化合物
が25℃にて20未満の誘電率を有するアルカノールで
あることが好ましく、より好適にはアルカノールはイソ
プロパノールもしくはt−ブタノールである。本発明の
代案によれば、ヒドロキシル基含有化合物が25℃にて
20より高い誘電率を有するアルカノールである場合、
反応媒体の極性をその濃度が反応の過程で液体反応媒体
の20容量%を越えないよう確保して調節することがで
きる。これは、比較的多量の低極性溶剤で反応混合物を
希釈すると同時に他の基質の濃度を減少させて達成する
ことができる。これは、循環を含む過度に多量の液体流
のため工程を極めて面倒にする。より好ましくは、極性
は特にアルカノールの低濃度(これは化学量論量未満と
することができる)にて反応を開始させることにより調
節され、変換した量のアルカノールを反応の過程でさら
にアルカノールの連続もしくは間歇的添加により補充す
ることができる。したがって、たとえばエタノールのよ
うな安価なアルコールも本発明の方法に使用することが
でき、したがって所望ならば特にメタルおよびエチルエ
ステルを製造することができる。
【0008】25℃にて30より高い誘電率を有するア
ルカノール(たとえばメタノール)を使用することが望
ましければ、最も好ましくはその濃度が液体反応媒体の
12容量%を越えないよう反応の過程で連続的また間歇
的に添加される。本発明の方法で使用する触媒系は任意
のパラジウム供給源から誘導しうるパラジウム化合物を
含み、これは他の触媒成分と共に触媒活性物質を形成す
るのに充分な程度まで反応媒体に溶解する。適するパラ
ジウムの供給源はたとえば酢酸パラジウム、アセチルア
セトン酸パラジウム、硫酸パラジウムおよび硝酸パラジ
ウムのような塩類、並びにたとえばテトラキストリフェ
ニルホスフィンパラジウムのような配位錯体を包含す
る。好ましくは、パラジウムの供給源はハロゲン化物を
含まない。パラジウムは不均質型で使用することがで
き、たとえばスルホン酸基を有するイオン交換樹脂に充
填することもできる。
ルカノール(たとえばメタノール)を使用することが望
ましければ、最も好ましくはその濃度が液体反応媒体の
12容量%を越えないよう反応の過程で連続的また間歇
的に添加される。本発明の方法で使用する触媒系は任意
のパラジウム供給源から誘導しうるパラジウム化合物を
含み、これは他の触媒成分と共に触媒活性物質を形成す
るのに充分な程度まで反応媒体に溶解する。適するパラ
ジウムの供給源はたとえば酢酸パラジウム、アセチルア
セトン酸パラジウム、硫酸パラジウムおよび硝酸パラジ
ウムのような塩類、並びにたとえばテトラキストリフェ
ニルホスフィンパラジウムのような配位錯体を包含す
る。好ましくは、パラジウムの供給源はハロゲン化物を
含まない。パラジウムは不均質型で使用することがで
き、たとえばスルホン酸基を有するイオン交換樹脂に充
填することもできる。
【0009】多座ホスフィン配位子は少なくとも2個の
ホスフィンP原子を有し、これら原子をパラジウム金属
原子に対する配位子の二座配位を可能にする架橋基によ
って相互接続する。極めて適する配位子は式R1 R2 >
P−R−P<R3 R4 (ここでR1 、R2 、R3 および
R4 はヒドロカルビル基、たとえばアリールもしくは
(シクロ)アルキル基を示し、必要に応じ1個もしくは
それ以上の置換基により置換され、Rは架橋を形成する
少なくとも2個の炭素原子を持った二価の有機架橋基を
示す)のものである。好ましくは、Rが3個もしくは4
個の炭素原子、特に好ましくは4個の炭素原子を有する
アルキレン基を示す。特に適する多座ホスフィン配位子
の例は次の通りである:1,3−ジ(ジフェニルホスフ
ィノ)プロパン、1,4−ジ(ジフェニルホスフィノ)
ブタンおよび1,4−ジ(ジ−n−ブチルホスフィノ)
ブタン。パラジウムのグラム原子に対する多座ホスフィ
ン配位子のモル比は一般に1〜10の範囲である。他の
ホスフィン、特にモノホスフィンも触媒系に追加して存
在させることができる。触媒系はさらに、たとえばpK
a>3を有する弱プロトン酸を含むことができる。プロ
任意成分としてシン酸は好ましくは立体障害カルボン
酸、たとえば2,4,6−トリメチル安息香酸、2,6
−ジクロル安息香酸または9−アンスロン酸である。一
般に、使用するプロトン酸の量はパラジウム1グラム原
子当り2〜50当量の酸の範囲である。プロトン酸はた
とえば有機第三窒素塩基のような塩基の添加により部分
的または完全に中和することができ、ただし塩基はたと
えば5容量%未満の制限濃度で存在させて反応媒体の極
性が調節値内に留まるようにする。
ホスフィンP原子を有し、これら原子をパラジウム金属
原子に対する配位子の二座配位を可能にする架橋基によ
って相互接続する。極めて適する配位子は式R1 R2 >
P−R−P<R3 R4 (ここでR1 、R2 、R3 および
R4 はヒドロカルビル基、たとえばアリールもしくは
(シクロ)アルキル基を示し、必要に応じ1個もしくは
それ以上の置換基により置換され、Rは架橋を形成する
少なくとも2個の炭素原子を持った二価の有機架橋基を
示す)のものである。好ましくは、Rが3個もしくは4
個の炭素原子、特に好ましくは4個の炭素原子を有する
アルキレン基を示す。特に適する多座ホスフィン配位子
の例は次の通りである:1,3−ジ(ジフェニルホスフ
ィノ)プロパン、1,4−ジ(ジフェニルホスフィノ)
ブタンおよび1,4−ジ(ジ−n−ブチルホスフィノ)
ブタン。パラジウムのグラム原子に対する多座ホスフィ
ン配位子のモル比は一般に1〜10の範囲である。他の
ホスフィン、特にモノホスフィンも触媒系に追加して存
在させることができる。触媒系はさらに、たとえばpK
a>3を有する弱プロトン酸を含むことができる。プロ
任意成分としてシン酸は好ましくは立体障害カルボン
酸、たとえば2,4,6−トリメチル安息香酸、2,6
−ジクロル安息香酸または9−アンスロン酸である。一
般に、使用するプロトン酸の量はパラジウム1グラム原
子当り2〜50当量の酸の範囲である。プロトン酸はた
とえば有機第三窒素塩基のような塩基の添加により部分
的または完全に中和することができ、ただし塩基はたと
えば5容量%未満の制限濃度で存在させて反応媒体の極
性が調節値内に留まるようにする。
【0010】過剰の反応体の1種または生成物が適する
液相を形成する場合は、本発明の方法には別の溶剤を必
要としない。上記から了解されるように、過剰のアルコ
ール基質をキャリヤとして使用することは一般に効果的
でない。幾つかの場合、別の溶剤を使用することが望ま
しい。原理的に、任意の不活性溶剤をこの目的で使用す
ることができる。溶剤は一般にかなり多量で使用される
ので、限られた極性の溶剤(たとえばエーテル)を使用
することが好ましい。典型的な適する溶剤は芳香族炭化
水素、たとえばベンゼン(ε=2.27)、トルエン
(ε=2.4)およびキシレン;エステル、たとえば酢
酸エチル(ε=6.02)、プロピオン酸メチル(ε=
5.5)およびペンテン酸エステル;並びにエーテル、
たとえばアニソール、ジグリム(2,5,8−トリオキ
サノナン)、ジフェニルエーテル(ε=3.7)および
ジイソプロピルエーテルまたはその混合物を包含する。
より極性の高い芳香族N−複素環化合物をたとえば10
容量%より多い量で溶剤として使用することは回避すべ
きである。温度および圧力の反応条件は従来記載された
方法の場合と同じである。20〜200℃、特に50〜
150℃の温度が最も適している。5〜100バール、
より好ましくは25〜65バールの圧力が典型的であ
る。一酸化炭素の品質、反応装置および生成物の精製は
臨界的でなく、当業者に充分周知されている。
液相を形成する場合は、本発明の方法には別の溶剤を必
要としない。上記から了解されるように、過剰のアルコ
ール基質をキャリヤとして使用することは一般に効果的
でない。幾つかの場合、別の溶剤を使用することが望ま
しい。原理的に、任意の不活性溶剤をこの目的で使用す
ることができる。溶剤は一般にかなり多量で使用される
ので、限られた極性の溶剤(たとえばエーテル)を使用
することが好ましい。典型的な適する溶剤は芳香族炭化
水素、たとえばベンゼン(ε=2.27)、トルエン
(ε=2.4)およびキシレン;エステル、たとえば酢
酸エチル(ε=6.02)、プロピオン酸メチル(ε=
5.5)およびペンテン酸エステル;並びにエーテル、
たとえばアニソール、ジグリム(2,5,8−トリオキ
サノナン)、ジフェニルエーテル(ε=3.7)および
ジイソプロピルエーテルまたはその混合物を包含する。
より極性の高い芳香族N−複素環化合物をたとえば10
容量%より多い量で溶剤として使用することは回避すべ
きである。温度および圧力の反応条件は従来記載された
方法の場合と同じである。20〜200℃、特に50〜
150℃の温度が最も適している。5〜100バール、
より好ましくは25〜65バールの圧力が典型的であ
る。一酸化炭素の品質、反応装置および生成物の精製は
臨界的でなく、当業者に充分周知されている。
【0011】
【実施例】以下、限定はしないが実施例により本発明を
詳細に説明する。実施例1 300mlの磁気撹拌されたステンレス鋼オートクレー
ブに、30mlのt−ブタノール(0.32モル)と4
0mlのジフェニルエーテルと0.5ミリモルの酢酸パ
ラジウムと3ミリモルの1,4−ジ(ジフェニルホスフ
ィノ)ブタンと10ミリモルの2,4,6−トリメチル
安息香酸とを充填した。このオートクレーブをフラッシ
ュさせると共に減圧し、次いで20mlの1,3−ブタ
ジエンを添加し、一酸化炭素を30バールの初期一酸化
炭素圧力まで導入した。この反応混合物につきεcalcは
5.9である。オートクレーブを140℃まで加熱し、
一酸化炭素の消費による圧力低下の割合を記録した。毎
時パラジウム1グラム原子当り550モルの変換ブタジ
エンという最初の反応1時間にわたる初期反応速度が観
察された。5時間の全反応時間の後、オートクレーブを
冷却し、その内容物を気液クロマトグラフィー(GL
C)により分析した。1,3−ブタジエンが95%の選
択率を以てt−ブチルペンテノエートまで変換されたこ
とが判明し、そのうち約90%は3−異性体で構成され
た。
詳細に説明する。実施例1 300mlの磁気撹拌されたステンレス鋼オートクレー
ブに、30mlのt−ブタノール(0.32モル)と4
0mlのジフェニルエーテルと0.5ミリモルの酢酸パ
ラジウムと3ミリモルの1,4−ジ(ジフェニルホスフ
ィノ)ブタンと10ミリモルの2,4,6−トリメチル
安息香酸とを充填した。このオートクレーブをフラッシ
ュさせると共に減圧し、次いで20mlの1,3−ブタ
ジエンを添加し、一酸化炭素を30バールの初期一酸化
炭素圧力まで導入した。この反応混合物につきεcalcは
5.9である。オートクレーブを140℃まで加熱し、
一酸化炭素の消費による圧力低下の割合を記録した。毎
時パラジウム1グラム原子当り550モルの変換ブタジ
エンという最初の反応1時間にわたる初期反応速度が観
察された。5時間の全反応時間の後、オートクレーブを
冷却し、その内容物を気液クロマトグラフィー(GL
C)により分析した。1,3−ブタジエンが95%の選
択率を以てt−ブチルペンテノエートまで変換されたこ
とが判明し、そのうち約90%は3−異性体で構成され
た。
【0012】比較例 EP−A−273489の実施例4を反復したが、ただ
しオートクレーブには15mlのエタノールと40ml
のジフェニルエーテルと8mlの1,3−ブタジエンと
1ミリモルの酢酸パラジウムと4ミリモルの1,4−ジ
(ジフェニルホスフィノ)ブタンと7.5ミリモルの
2,4,6−トリメチル安息香酸とを充填した。この反
応混合物につきεcalcは8.4である。オートクレーブ
を150℃の温度にて加熱し、毎時パラジウム1グラム
原子当り60モルの変換ブタジエンの初期反応速度が記
録された。
しオートクレーブには15mlのエタノールと40ml
のジフェニルエーテルと8mlの1,3−ブタジエンと
1ミリモルの酢酸パラジウムと4ミリモルの1,4−ジ
(ジフェニルホスフィノ)ブタンと7.5ミリモルの
2,4,6−トリメチル安息香酸とを充填した。この反
応混合物につきεcalcは8.4である。オートクレーブ
を150℃の温度にて加熱し、毎時パラジウム1グラム
原子当り60モルの変換ブタジエンの初期反応速度が記
録された。
【0013】実施例2〜6 実施例1を反復したが、ただし下表に示すような量(m
lおよびモル数)にてアルコールを使用した。A:0.
5ミリモルの酢酸パラジウム、1.5ミリモルの1,4
−ジ(ジフェニルホスフィノ)ブタンおよび5ミリモル
の2,4,6−トリメチル安息香酸;B:0.5ミリモ
ルの酢酸パラジウム、3ミリモルの1,4−ジ(ジフェ
ニルホスフィノ)ブタンおよび10ミリモルの2,4,
6−トリメチル安息香酸;またはC:0.5ミリモルの
酢酸パラジウム、3ミリモルの1,4−ジ(ジフェニル
ホスフィノ)ブタンおよび10ミリモルの2,4,6−
トリメチル安息香酸からなる系を触媒として示したよう
に使用した。この表は、さらに各実施例につきε=calc
と観察された初期反応速度とを示す。各アルキルペンテ
ノエートに対する選択率および3−異性体の含有量は実
施例1におけると実質的に同じであった。ε=calcを本
発明の範囲内にすれば、高い反応速度が得られることが
判る。実施例7および8は本発明の範囲外であるが、比
較例に比べ反応速度の若干の増大がブタジエン基質の濃
度の増加によって得られることを示す。さらに、これら
は、本発明により達成されるずっと大きい改善が反応に
おけるブタジエン活性の増大により充分には説明しえな
いことをも示している。
lおよびモル数)にてアルコールを使用した。A:0.
5ミリモルの酢酸パラジウム、1.5ミリモルの1,4
−ジ(ジフェニルホスフィノ)ブタンおよび5ミリモル
の2,4,6−トリメチル安息香酸;B:0.5ミリモ
ルの酢酸パラジウム、3ミリモルの1,4−ジ(ジフェ
ニルホスフィノ)ブタンおよび10ミリモルの2,4,
6−トリメチル安息香酸;またはC:0.5ミリモルの
酢酸パラジウム、3ミリモルの1,4−ジ(ジフェニル
ホスフィノ)ブタンおよび10ミリモルの2,4,6−
トリメチル安息香酸からなる系を触媒として示したよう
に使用した。この表は、さらに各実施例につきε=calc
と観察された初期反応速度とを示す。各アルキルペンテ
ノエートに対する選択率および3−異性体の含有量は実
施例1におけると実質的に同じであった。ε=calcを本
発明の範囲内にすれば、高い反応速度が得られることが
判る。実施例7および8は本発明の範囲外であるが、比
較例に比べ反応速度の若干の増大がブタジエン基質の濃
度の増加によって得られることを示す。さらに、これら
は、本発明により達成されるずっと大きい改善が反応に
おけるブタジエン活性の増大により充分には説明しえな
いことをも示している。
【0014】
【表1】 表 実施例 アルコール 量 触 媒 εcalc 速 度 No. ml モル 種類 モル/gat/h 2 t-ブタノール 30 0.32 B 5.9 470 3 メタノール 5 0.12 C 5.4 390 4 s-ブタノール 30 0.33 A 7.3 275 5 t-ブタノール 15 0.16 C 4.8 240 6 n-ブタノール 30 0.33 B 7.8 200 7 エタノール 20 0.34 A 8.4 190 8 メタノール 20 0.49 B 10.4 100
【0015】実施例9 実施例1を実質的に反復したが、ただし30mlのt−
ブタノールの代りに20mlのt−ブタノールと10m
lのメタノールとを充填した。この反応混合物につきε
calcは8.2である。160モル/グラム原子/1時間
の初期反応速度、95%のメチルペンテノエートに対す
る選択率、および90%の3−異性体比率が観察され
た。この実施例は例示の目的であって、本発明によるも
のでない。
ブタノールの代りに20mlのt−ブタノールと10m
lのメタノールとを充填した。この反応混合物につきε
calcは8.2である。160モル/グラム原子/1時間
の初期反応速度、95%のメチルペンテノエートに対す
る選択率、および90%の3−異性体比率が観察され
た。この実施例は例示の目的であって、本発明によるも
のでない。
【0016】実施例10 実施例9を反復したが、ただしヒドロキシル基含有化合
物としては25mlのt−ブタノールと5mlのメタノ
ールとの混液を使用した。この反応混合物につきεcalc
は7.1である。315モル/グラム原子/1時間の初
期反応速度が観察され、初期選択率および3−異性体含
有量は実施例9におけると同じであった。 実施例9および10から判るように、t−ブチルエステ
ルでなくメチルエステルが優先的に生成する。したがっ
て、たとえばt−ブタノールもしくはイソプロパノール
のような高級アルコールの、たとえばエタノールもしく
はメタノールのような低級アルコールと対比した想像し
うる高い反応性は、本発明による実施例1〜6で観察さ
れた高い反応速度につき満足しうる説明を与えないと結
論される。
物としては25mlのt−ブタノールと5mlのメタノ
ールとの混液を使用した。この反応混合物につきεcalc
は7.1である。315モル/グラム原子/1時間の初
期反応速度が観察され、初期選択率および3−異性体含
有量は実施例9におけると同じであった。 実施例9および10から判るように、t−ブチルエステ
ルでなくメチルエステルが優先的に生成する。したがっ
て、たとえばt−ブタノールもしくはイソプロパノール
のような高級アルコールの、たとえばエタノールもしく
はメタノールのような低級アルコールと対比した想像し
うる高い反応性は、本発明による実施例1〜6で観察さ
れた高い反応速度につき満足しうる説明を与えないと結
論される。
【0017】実施例11 300mlの磁気撹拌されたステンレス鋼オートクレー
ブに、30mlのt−ブタノール(0.32モル)と4
0mlのジフェニルエーテルと0.5ミリモルの酢酸パ
ラジウムと3ミリモルの1,4−ジ(ジフェニルホスフ
ィノ)ブタンと15ミリモルの2,4,6−トリメチル
安息香酸とを充填した。さらに1.2mlの3,4−ル
チジン(10ミリモル)を反応混合物に添加した。オー
トクレーブをフラッシュさせると共に減圧し、次いで2
0mlの1,3−ブタジエンを添加し、一酸化炭素を3
0バールの初期一酸化炭素圧力まで導入した。オートク
レーブを140℃まで加熱し、一酸化炭素の消費による
圧力低下の割合を記録した。毎時パラジウム1グラム原
子当り550モルの変換ブタジエンという初期反応速度
が最初の反応時間にわたり観察された。1.5時間の全
反応時間の後、オートクレーブを冷却し、その内容物を
気液クロマトグラフィー(GLC)により分析した。
1,3−ブタジエンが95%の選択率を以てt−ブチル
ペンテノエートまで変換されたことが判明し、そのうち
92%は3−異性体により構成された。
ブに、30mlのt−ブタノール(0.32モル)と4
0mlのジフェニルエーテルと0.5ミリモルの酢酸パ
ラジウムと3ミリモルの1,4−ジ(ジフェニルホスフ
ィノ)ブタンと15ミリモルの2,4,6−トリメチル
安息香酸とを充填した。さらに1.2mlの3,4−ル
チジン(10ミリモル)を反応混合物に添加した。オー
トクレーブをフラッシュさせると共に減圧し、次いで2
0mlの1,3−ブタジエンを添加し、一酸化炭素を3
0バールの初期一酸化炭素圧力まで導入した。オートク
レーブを140℃まで加熱し、一酸化炭素の消費による
圧力低下の割合を記録した。毎時パラジウム1グラム原
子当り550モルの変換ブタジエンという初期反応速度
が最初の反応時間にわたり観察された。1.5時間の全
反応時間の後、オートクレーブを冷却し、その内容物を
気液クロマトグラフィー(GLC)により分析した。
1,3−ブタジエンが95%の選択率を以てt−ブチル
ペンテノエートまで変換されたことが判明し、そのうち
92%は3−異性体により構成された。
【0018】少量のN−複素環式塩基の添加は本発明に
よる方法の選択性に影響を与えないことが判る。事実、
反応速度の僅かな改善しか観察されない。これら少量の
N−複素環式塩基は触媒系の酸成分に対しほぼ等モルで
あるため、この本発明の実施例はカルボニル化法を非酸
性条件下で行なうことを可能にする。
よる方法の選択性に影響を与えないことが判る。事実、
反応速度の僅かな改善しか観察されない。これら少量の
N−複素環式塩基は触媒系の酸成分に対しほぼ等モルで
あるため、この本発明の実施例はカルボニル化法を非酸
性条件下で行なうことを可能にする。
【0019】実施例12 実施例11を実質的に反復したが、ただし1.2mlの
3,4−ルチジンの代りに2.5mlの2,6−ジ−t
−ブチルピリジン(10ミリモル)を添加した。550
ミリモル/グラム原子/1時間の初期反応速度が観察さ
れた。
3,4−ルチジンの代りに2.5mlの2,6−ジ−t
−ブチルピリジン(10ミリモル)を添加した。550
ミリモル/グラム原子/1時間の初期反応速度が観察さ
れた。
【0020】実施例13 250mlの磁気撹拌されたステンレス鋼オートクレー
ブに、30mlのt−ブタノール(0.32モル)と4
0mlのジフェニルエーテルと0.5ミリモルの酢酸パ
ラジウムと3ミリモルの1,4−ジ(ジフェニルホスフ
ィノ)ブタンと15ミリモルの2,4,6−トリメチル
安息香酸とを充填した。さらに、0.6mlの3,4−
ルチジン(5ミリモル)を反応混合物に添加した。オー
トクレーブをフラッシュさせると共に減圧し、次いで1
1モル%のブタンと47モル%のブテンと42モル%の
ブタジエンとからなる20mlのC4 −混合物を添加
し、一酸化炭素を30バールの初期一酸化炭素圧力まで
導入した。オートクレーブを140℃まで5時間加熱
し、次いでオートクレーブを冷却し、圧力を解除した。
オートクレーブの気体流出物を分析して、全C4 含有量
に対し11モル%のブタジエンを含有することが判明し
た。その液体内容物をGLCにより分析した。カルボニ
ル化生成物は97モルのtブチルペンテノエートよりな
ることが判明し、認めうるブテンカルボニル化生成物と
してのペンテノエートは検出されなかった。 本発明の方法を用いブテンの存在下にブタジエンを選択
的にカルボニル化しうることが判る。これは、C4 混合
物の供給原料がいわゆるBBB流としてクラッカー操作
から容易に入手しうるため相当な利点である。
ブに、30mlのt−ブタノール(0.32モル)と4
0mlのジフェニルエーテルと0.5ミリモルの酢酸パ
ラジウムと3ミリモルの1,4−ジ(ジフェニルホスフ
ィノ)ブタンと15ミリモルの2,4,6−トリメチル
安息香酸とを充填した。さらに、0.6mlの3,4−
ルチジン(5ミリモル)を反応混合物に添加した。オー
トクレーブをフラッシュさせると共に減圧し、次いで1
1モル%のブタンと47モル%のブテンと42モル%の
ブタジエンとからなる20mlのC4 −混合物を添加
し、一酸化炭素を30バールの初期一酸化炭素圧力まで
導入した。オートクレーブを140℃まで5時間加熱
し、次いでオートクレーブを冷却し、圧力を解除した。
オートクレーブの気体流出物を分析して、全C4 含有量
に対し11モル%のブタジエンを含有することが判明し
た。その液体内容物をGLCにより分析した。カルボニ
ル化生成物は97モルのtブチルペンテノエートよりな
ることが判明し、認めうるブテンカルボニル化生成物と
してのペンテノエートは検出されなかった。 本発明の方法を用いブテンの存在下にブタジエンを選択
的にカルボニル化しうることが判る。これは、C4 混合
物の供給原料がいわゆるBBB流としてクラッカー操作
から容易に入手しうるため相当な利点である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ウイレム・ウエイブ・ジエイガー オランダ国 1031 シー・エム アムステ ルダム、バトホイスウエヒ 3
Claims (11)
- 【請求項1】 脂肪族共役ジエンをパラジウム化合物と
多座ホスフィン配位子と必要に応じプロトン酸とからな
る触媒系の存在下に液体状態で一酸化炭素およびヒドロ
キシル基含有化合物と反応させ、この反応を調節された
極性の反応媒体にて行なうことを特徴とするアルケン酸
誘導体の製造方法。 - 【請求項2】 反応媒体の計算された誘電率εcalc(純
粋な液体基質および溶剤の25℃における誘電率の容量
平均として計算)が8未満の数値である請求項1に記載
の方法。 - 【請求項3】 反応媒体の計算された誘電率を4.5〜
7.5の範囲のεcalcの数値に維持する請求項2に記載
の方法。 - 【請求項4】 ヒドロキシル基含有化合物が25℃にて
20未満の誘電率εを有するアルカノールである請求項
1〜3のいずれか一項に記載の方法。 - 【請求項5】 25℃にて20未満の誘電率εを有する
アルカノールがt−ブタノールである請求項4に記載の
方法。 - 【請求項6】 ヒドロキシル基含有化合物が25℃にて
20より高い誘電率を有するアルカノールであり、その
濃度を反応の過程で液体反応媒体の20容量%未満に維
持する請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。 - 【請求項7】 ヒドロキシル基含有化合物が25℃にて
30より高い誘電率εを有するアルカノールであり、そ
の濃度を反応の過程で液体反応媒体の12容量%未満に
維持する請求項6に記載の方法。 - 【請求項8】 アルカノールの消費に実質的に対応する
速度にて、さらにアルカノールを反応の過程で連続的ま
たは間歇的に添加する請求項6または7に記載の方法。 - 【請求項9】 25℃にて6未満の誘電率εを有する溶
剤を使用する請求項1〜8のいずれか一項に記載の方
法。 - 【請求項10】 溶剤がエーテルである請求項9に記載
の方法。 - 【請求項11】 有機窒素含有塩基を5容量%未満の濃
度で存在させる請求項1〜10のいずれか一項に記載の
方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
EP92201941 | 1992-06-29 | ||
NL92201941.9 | 1992-06-29 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0665148A true JPH0665148A (ja) | 1994-03-08 |
JP3384501B2 JP3384501B2 (ja) | 2003-03-10 |
Family
ID=8210733
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17764093A Expired - Fee Related JP3384501B2 (ja) | 1992-06-29 | 1993-06-25 | 共役ジエンのカルボニル化 |
Country Status (6)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5350876A (ja) |
JP (1) | JP3384501B2 (ja) |
KR (1) | KR100295155B1 (ja) |
CN (1) | CN1036916C (ja) |
CA (1) | CA2099192A1 (ja) |
DE (1) | DE69314388T2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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US8969560B2 (en) | 2010-01-05 | 2015-03-03 | Lucite International Uk Limited | Process for the carbonylation of ethylenically unsaturated compounds, novel carbonylation ligands and catalyst systems incorporating such ligands |
JP2015537035A (ja) * | 2012-11-23 | 2015-12-24 | フイルメニツヒ ソシエテ アノニムFirmenich Sa | パラジウム錯体での1,3−ジエン誘導体のヒドロカルボニル化又はメトキシカルボニル化 |
US9334227B2 (en) | 2005-11-17 | 2016-05-10 | Lucite International Uk Limited | Carbonylation of ethylenically unsaturated compounds |
US9809611B2 (en) | 2006-12-02 | 2017-11-07 | Lucite International Uk Limited | Carbonylation ligands and their use in the carbonylation of ethylenically unsaturated compounds |
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---|---|---|---|---|
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JP2001518833A (ja) * | 1997-04-07 | 2001-10-16 | ディーエスエム エヌ.ブイ. | カルボニル化触媒系 |
GB0516556D0 (en) * | 2005-08-12 | 2005-09-21 | Lucite Int Uk Ltd | Improved catalyst system |
GB0607494D0 (en) * | 2006-04-13 | 2006-05-24 | Lucite Int Uk Ltd | Metal complexes |
GB0625518D0 (en) * | 2006-12-21 | 2007-01-31 | Lucite Int Uk Ltd | Carbonylation of conjugated dienes |
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