JPH0664911A - 熱膨張性黒鉛の製造方法 - Google Patents
熱膨張性黒鉛の製造方法Info
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- JPH0664911A JPH0664911A JP3359138A JP35913891A JPH0664911A JP H0664911 A JPH0664911 A JP H0664911A JP 3359138 A JP3359138 A JP 3359138A JP 35913891 A JP35913891 A JP 35913891A JP H0664911 A JPH0664911 A JP H0664911A
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- Japan
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- graphite
- ammonia
- water
- dried
- acid
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- Carbon And Carbon Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 熱膨張性黒鉛は、高温に加熱すると元の体積
の数十倍から数百倍に膨張することから工業的に重要な
素材として知られているが、通常の製造方法では酸性を
呈するため使用時に問題を生ずることがある。本発明は
十分に中性化された熱膨張性黒鉛の改良された製造方法
を提供する。 【構成】 黒鉛を、硫酸と酸化剤との混合物で熱処理し
た後、水洗、乾燥して熱膨張性黒鉛を製造する方法にお
いて、105℃、2時間加熱後の重量減少が2重量%以
下となるまで乾燥した後、アンモニアと接触させること
を特徴とする熱膨張性黒鉛の製造方法。
の数十倍から数百倍に膨張することから工業的に重要な
素材として知られているが、通常の製造方法では酸性を
呈するため使用時に問題を生ずることがある。本発明は
十分に中性化された熱膨張性黒鉛の改良された製造方法
を提供する。 【構成】 黒鉛を、硫酸と酸化剤との混合物で熱処理し
た後、水洗、乾燥して熱膨張性黒鉛を製造する方法にお
いて、105℃、2時間加熱後の重量減少が2重量%以
下となるまで乾燥した後、アンモニアと接触させること
を特徴とする熱膨張性黒鉛の製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱膨張性黒鉛の製造方
法に関する。さらに詳しくは、pH6以上の熱膨張性黒
鉛を容易に製造できる熱膨張性黒鉛の製造方法に関す
る。
法に関する。さらに詳しくは、pH6以上の熱膨張性黒
鉛を容易に製造できる熱膨張性黒鉛の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】熱膨張性黒鉛は、高温に加熱すると元の
体積の数十倍から数百倍に膨張し、これをプレスすると
可撓性に富んだ黒鉛シートが得られること、あるいはポ
リウレタンフォーム等に添加して難燃性を付与できるこ
とから工業的に重要な素材として知られている。
体積の数十倍から数百倍に膨張し、これをプレスすると
可撓性に富んだ黒鉛シートが得られること、あるいはポ
リウレタンフォーム等に添加して難燃性を付与できるこ
とから工業的に重要な素材として知られている。
【0003】熱膨張性黒鉛は、通常天然黒鉛、熱分解黒
鉛、キッシュ黒鉛等の黒鉛を濃硫酸と強酸化剤との混合
物で処理(以下この処理を酸処理という)した後、水洗
し、乾燥することによって得られる。酸処理方法として
は、濃硫酸に硝酸およびその塩を用いる方法(特公昭5
4−25913号公報)、酸化剤として過マンガン酸カ
リ(特開昭55−95609号公報)、過ハロゲン酸塩
(特開昭51−96793号公報)を用いる方法、ある
いは電解反応により黒鉛の陽極酸化を行う方法(特公昭
56−18352号公報)等が知られている。
鉛、キッシュ黒鉛等の黒鉛を濃硫酸と強酸化剤との混合
物で処理(以下この処理を酸処理という)した後、水洗
し、乾燥することによって得られる。酸処理方法として
は、濃硫酸に硝酸およびその塩を用いる方法(特公昭5
4−25913号公報)、酸化剤として過マンガン酸カ
リ(特開昭55−95609号公報)、過ハロゲン酸塩
(特開昭51−96793号公報)を用いる方法、ある
いは電解反応により黒鉛の陽極酸化を行う方法(特公昭
56−18352号公報)等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】熱膨張性黒鉛は、通常
酸性を呈するため、取り扱い上、あるいは製品特性の上
から問題が指摘される場合がある。このため酸処理、水
洗工程を経た後アンモニア水で中和する方法が一般に採
用されている。しかしこの方法では、pHを3〜4程度
にすることはできても、pHを6以上にすることは困難
であった。
酸性を呈するため、取り扱い上、あるいは製品特性の上
から問題が指摘される場合がある。このため酸処理、水
洗工程を経た後アンモニア水で中和する方法が一般に採
用されている。しかしこの方法では、pHを3〜4程度
にすることはできても、pHを6以上にすることは困難
であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、黒鉛を、硫酸
と酸化剤との混合物で熱処理した後、水洗、乾燥して熱
膨張性黒鉛を製造する方法において、105℃、2時間
加熱後の重量減少が2重量%以下となるまで乾燥した
後、アンモニアと接触させることを特徴とする熱膨張性
黒鉛の製造方法を提供する。
と酸化剤との混合物で熱処理した後、水洗、乾燥して熱
膨張性黒鉛を製造する方法において、105℃、2時間
加熱後の重量減少が2重量%以下となるまで乾燥した
後、アンモニアと接触させることを特徴とする熱膨張性
黒鉛の製造方法を提供する。
【0006】本発明者らは、pHが6以上に保たれた熱
膨張性黒鉛を得るべく鋭意研究に努めた結果、特定の処
理により前記課題を解決しうることを見いだし、本発明
を完成させた。本発明において熱膨張性黒鉛とは、天然
黒鉛、熱分解黒鉛、キッシュ黒鉛等の黒鉛を濃厚な硫酸
と強い酸化剤との混合物で酸処理した後、水洗、乾燥し
て得られるものを意味する。即ち黒鉛シート等の製造に
用いられる工業的な熱膨張性黒鉛を意味する。
膨張性黒鉛を得るべく鋭意研究に努めた結果、特定の処
理により前記課題を解決しうることを見いだし、本発明
を完成させた。本発明において熱膨張性黒鉛とは、天然
黒鉛、熱分解黒鉛、キッシュ黒鉛等の黒鉛を濃厚な硫酸
と強い酸化剤との混合物で酸処理した後、水洗、乾燥し
て得られるものを意味する。即ち黒鉛シート等の製造に
用いられる工業的な熱膨張性黒鉛を意味する。
【0007】熱膨張性黒鉛は、例えば、98%硫酸と6
0%過酸化水素水の混合物中に約20〜100メッシュ
に粉砕された黒鉛を、45℃以下で10〜30分接触さ
せて酸処理を行い、その後水洗、乾燥して得られる。水
洗後、乾燥前にアンモニア水と接触させる方法も採用さ
れている。
0%過酸化水素水の混合物中に約20〜100メッシュ
に粉砕された黒鉛を、45℃以下で10〜30分接触さ
せて酸処理を行い、その後水洗、乾燥して得られる。水
洗後、乾燥前にアンモニア水と接触させる方法も採用さ
れている。
【0008】水洗は、酸処理後のスラリーから硫酸等の
液相部分を分離除去し、固形分として分離された酸処理
黒鉛を多量の水中に加え、よく撹拌することにより実施
される。必要に応じ、水洗を繰り返し実施する場合もあ
る。水洗後、液相を分離除去した酸処理黒鉛は固形分と
して回収される。回収された酸処理黒鉛をアンモニア水
で中和する場合には、通常、アンモニア水を入れた槽内
に酸処理黒鉛を加えて、十分撹拌した後分離回収する方
法、水洗後に液相を分離除去する濾過工程で残渣である
回収物に直接アンモニア水を振りかけて接触させる方法
で実施される。アンモニア水の濃度は、通常3〜4%で
ある。水洗処理、必要に応じ中和処理して得られた酸処
理黒鉛は、棚段乾燥、気流乾燥、流動乾燥等の方法によ
り、通常揮発分が1重量%以下となるまで乾燥して製品
とされる。
液相部分を分離除去し、固形分として分離された酸処理
黒鉛を多量の水中に加え、よく撹拌することにより実施
される。必要に応じ、水洗を繰り返し実施する場合もあ
る。水洗後、液相を分離除去した酸処理黒鉛は固形分と
して回収される。回収された酸処理黒鉛をアンモニア水
で中和する場合には、通常、アンモニア水を入れた槽内
に酸処理黒鉛を加えて、十分撹拌した後分離回収する方
法、水洗後に液相を分離除去する濾過工程で残渣である
回収物に直接アンモニア水を振りかけて接触させる方法
で実施される。アンモニア水の濃度は、通常3〜4%で
ある。水洗処理、必要に応じ中和処理して得られた酸処
理黒鉛は、棚段乾燥、気流乾燥、流動乾燥等の方法によ
り、通常揮発分が1重量%以下となるまで乾燥して製品
とされる。
【0009】本発明において熱膨張性黒鉛のpHとは、
熱膨張性黒鉛の1重量%濃度水分散液のpHを意味す
る。pHは、測定すべき熱膨張性黒鉛1gをそれ自体の
pHが5.5〜7.0の範囲にある20℃に保持した脱イ
オン水99gに投入し、10分間撹拌した後、pH電極
により測定される。
熱膨張性黒鉛の1重量%濃度水分散液のpHを意味す
る。pHは、測定すべき熱膨張性黒鉛1gをそれ自体の
pHが5.5〜7.0の範囲にある20℃に保持した脱イ
オン水99gに投入し、10分間撹拌した後、pH電極
により測定される。
【0010】前記の製造方法に従って製造される熱膨張
性黒鉛のpHは、通常2.5〜4程度である。水洗を十
分に行い、濃厚なアンモニア水で中和処理を行った場合
でも、pHは4〜4.5程度となるのが通常である。中
和処理を実施せず、水洗後直ちに乾燥を行う場合には、
水洗の程度により多少の差はあるが、通常pHは2〜3
である。中和処理を施すことなく、操業面、経済面の損
失を度外視して水洗を十分に実施した場合のpHは4程
度である。
性黒鉛のpHは、通常2.5〜4程度である。水洗を十
分に行い、濃厚なアンモニア水で中和処理を行った場合
でも、pHは4〜4.5程度となるのが通常である。中
和処理を実施せず、水洗後直ちに乾燥を行う場合には、
水洗の程度により多少の差はあるが、通常pHは2〜3
である。中和処理を施すことなく、操業面、経済面の損
失を度外視して水洗を十分に実施した場合のpHは4程
度である。
【0011】本発明の製造方法は、黒鉛を硫酸と酸化剤
との混合物で酸処理した後、水洗、乾燥して熱膨張性黒
鉛を製造する際に、105℃、2時間加熱後の重量減少
が2重量%以下となるまで乾燥した後、ついでアンモニ
アと接触させることを特徴とする。重量減少が2重量%
以下となるまで乾燥しない場合には、この状態でアンモ
ニアと接触させても、その後最終的に得られる製品とし
て105℃、2時間加熱後の重量減少が通常要求される
1重量%以下となるまで乾燥してもpHが6以上を示す
ことがない。
との混合物で酸処理した後、水洗、乾燥して熱膨張性黒
鉛を製造する際に、105℃、2時間加熱後の重量減少
が2重量%以下となるまで乾燥した後、ついでアンモニ
アと接触させることを特徴とする。重量減少が2重量%
以下となるまで乾燥しない場合には、この状態でアンモ
ニアと接触させても、その後最終的に得られる製品とし
て105℃、2時間加熱後の重量減少が通常要求される
1重量%以下となるまで乾燥してもpHが6以上を示す
ことがない。
【0012】重量減少2重量%以下となるまでの乾燥
は、水洗後湿潤状態にある酸処理黒鉛を、通常100〜
200℃、好ましくは120〜180℃の加温下に保持
することにより達成される。加熱時間は、温度および乾
燥方法により適宜選択される。乾燥温度が100℃より
低い場合には、乾燥に長時間を要するため実用的でな
く、また200℃を超えた温度では得られる熱膨張性黒
鉛の重要な特性である膨張性を低下させるおそれがある
ので好ましくない。乾燥は、開放系、真空系のいずれの
系でも実施できるが、通常の製造においては、開放系で
あってもよく、経済的にも有利である。また乾燥前の湿
潤状態の酸処理黒鉛は、通常硫酸酸性を呈するので、湿
潤状態の酸処理黒鉛を3〜4重量%程度の濃度のアンモ
ニア水と接触させてから、乾燥を実施するのが、装置
上、操業上の点から好ましい。
は、水洗後湿潤状態にある酸処理黒鉛を、通常100〜
200℃、好ましくは120〜180℃の加温下に保持
することにより達成される。加熱時間は、温度および乾
燥方法により適宜選択される。乾燥温度が100℃より
低い場合には、乾燥に長時間を要するため実用的でな
く、また200℃を超えた温度では得られる熱膨張性黒
鉛の重要な特性である膨張性を低下させるおそれがある
ので好ましくない。乾燥は、開放系、真空系のいずれの
系でも実施できるが、通常の製造においては、開放系で
あってもよく、経済的にも有利である。また乾燥前の湿
潤状態の酸処理黒鉛は、通常硫酸酸性を呈するので、湿
潤状態の酸処理黒鉛を3〜4重量%程度の濃度のアンモ
ニア水と接触させてから、乾燥を実施するのが、装置
上、操業上の点から好ましい。
【0013】本発明の実施態様を次にのべる。黒鉛を硫
酸と酸化剤との混合物で酸処理した後、水洗し、ついで
分離回収した湿潤状態の酸処理黒鉛を、3〜4重量%濃
度のアンモニア水を入れた槽内に加えてよく撹拌した後
分離回収する。あるいは水洗後に液相を分離除去する濾
過工程で残渣である湿潤状態の酸処理黒鉛に直接アンモ
ニア水を振りかけてある程度中和された酸処理黒鉛を得
る。なお本発明において、上記中和処理は必ずしも必要
なものではない。これらの酸処理黒鉛を105℃、2時
間加熱後の重量減少が2重量%以下となるまで乾燥す
る。ついで乾燥品にアンモニアガスまたは液体を常圧あ
るいは加圧下で接触させる。過剰のアンモニアによる製
品の臭気が問題となる場合には、アンモニアと接触させ
た後、開放状態での放置、減圧状態での保持、強制的空
気の循環等により除去してもよい。ガス状アンモニアあ
るいは液体アンモニアに代えてアンモニア水を使用して
もよい。ガス状アンモニア、液体アンモニアあるいはア
ンモニア水との接触は、酸処理黒鉛が105℃、2時間
加熱後の重量減少が2重量%以下まで乾燥された状態で
実施されればよい。また製品としての所望の乾燥度が2
重量%以下であるときは、その状態まで乾燥して接触さ
せてもよい。製品としての乾燥度まで乾燥させた後にア
ンモニア水と接触させた場合には、その後再度乾燥され
る。
酸と酸化剤との混合物で酸処理した後、水洗し、ついで
分離回収した湿潤状態の酸処理黒鉛を、3〜4重量%濃
度のアンモニア水を入れた槽内に加えてよく撹拌した後
分離回収する。あるいは水洗後に液相を分離除去する濾
過工程で残渣である湿潤状態の酸処理黒鉛に直接アンモ
ニア水を振りかけてある程度中和された酸処理黒鉛を得
る。なお本発明において、上記中和処理は必ずしも必要
なものではない。これらの酸処理黒鉛を105℃、2時
間加熱後の重量減少が2重量%以下となるまで乾燥す
る。ついで乾燥品にアンモニアガスまたは液体を常圧あ
るいは加圧下で接触させる。過剰のアンモニアによる製
品の臭気が問題となる場合には、アンモニアと接触させ
た後、開放状態での放置、減圧状態での保持、強制的空
気の循環等により除去してもよい。ガス状アンモニアあ
るいは液体アンモニアに代えてアンモニア水を使用して
もよい。ガス状アンモニア、液体アンモニアあるいはア
ンモニア水との接触は、酸処理黒鉛が105℃、2時間
加熱後の重量減少が2重量%以下まで乾燥された状態で
実施されればよい。また製品としての所望の乾燥度が2
重量%以下であるときは、その状態まで乾燥して接触さ
せてもよい。製品としての乾燥度まで乾燥させた後にア
ンモニア水と接触させた場合には、その後再度乾燥され
る。
【0014】以下本発明を実施例に基づきより詳細に説
明する。以下の各例において測定されたpHは次のよう
にして測定した。試料1gを、それ自体のpHが5.5
〜7.0の範囲にある20℃に保持した脱イオン水99
g中に投入し、10分間撹拌した後、pH電極により測
定した。なお以下の各例において、%はとくにことわり
の無い限り重量%を示す。
明する。以下の各例において測定されたpHは次のよう
にして測定した。試料1gを、それ自体のpHが5.5
〜7.0の範囲にある20℃に保持した脱イオン水99
g中に投入し、10分間撹拌した後、pH電極により測
定した。なお以下の各例において、%はとくにことわり
の無い限り重量%を示す。
【0015】製造例 [熱膨張性黒鉛の製造]固定炭素分98%、灰分2%で
ある中国産出の天然鱗片状黒鉛(粒度:36〜80メッ
シュ)200gを98%硫酸600g、60%過酸化水
素水9.9gの混合液に加えて、30〜35℃で15分
間反応させた。反応物に1800gの58%硫酸を加え
て希釈した後、ガラス繊維濾紙(GA100)を用いて
ヌッチェで吸引濾過し、残渣を取り出した。この濾過残
渣を1600gの水中に投入し、30秒間撹拌洗浄した
後、吸引濾過して、残渣を湿潤ケーキとして分離した。
この湿潤ケーキから20gづつ6試料を分け取り、以下
の操作を実施した。
ある中国産出の天然鱗片状黒鉛(粒度:36〜80メッ
シュ)200gを98%硫酸600g、60%過酸化水
素水9.9gの混合液に加えて、30〜35℃で15分
間反応させた。反応物に1800gの58%硫酸を加え
て希釈した後、ガラス繊維濾紙(GA100)を用いて
ヌッチェで吸引濾過し、残渣を取り出した。この濾過残
渣を1600gの水中に投入し、30秒間撹拌洗浄した
後、吸引濾過して、残渣を湿潤ケーキとして分離した。
この湿潤ケーキから20gづつ6試料を分け取り、以下
の操作を実施した。
【0016】実施例1〜2、比較例1 製造例で得られた湿潤ケーキの3試料について、それぞ
れ約10gを3.7%濃度のアンモニア水30gに加
え、3分間撹拌した後、吸引濾過して分離し、これらを
120℃に保持された熱風循環式乾燥器中で60分間乾
燥した。乾燥物の105℃、2時間加熱後の重量減少
は、いずれも0.6%であった。1試料はポリエチレン
製の袋に入れ、室温でアンモニアガスを袋中に充満させ
て試料と接触させた後製品とした(実施例1)。他の1
試料は、再度3.7%濃度のアンモニア水30g中に加
え、3分間撹拌した後、吸引濾過して分離し、ついで1
20℃に保持された熱風循環式乾燥器中で60分間乾燥
して製品とした(実施例2)。他の1試料は、そのまま
分析に供した(比較例1)。pHの測定結果を表1に示
す。
れ約10gを3.7%濃度のアンモニア水30gに加
え、3分間撹拌した後、吸引濾過して分離し、これらを
120℃に保持された熱風循環式乾燥器中で60分間乾
燥した。乾燥物の105℃、2時間加熱後の重量減少
は、いずれも0.6%であった。1試料はポリエチレン
製の袋に入れ、室温でアンモニアガスを袋中に充満させ
て試料と接触させた後製品とした(実施例1)。他の1
試料は、再度3.7%濃度のアンモニア水30g中に加
え、3分間撹拌した後、吸引濾過して分離し、ついで1
20℃に保持された熱風循環式乾燥器中で60分間乾燥
して製品とした(実施例2)。他の1試料は、そのまま
分析に供した(比較例1)。pHの測定結果を表1に示
す。
【0017】比較例2 製造例で得られた湿潤ケーキの約10gを37%濃度の
アンモニア水30gに加え、3分間撹拌した後、吸引濾
過して分離し、ついで120℃に保持された熱風循環式
乾燥器中で60分間乾燥して製品とした。この乾燥物の
105℃、2時間の加熱後の重量減少は0.5%であっ
た。pHの測定結果を表1に示す。
アンモニア水30gに加え、3分間撹拌した後、吸引濾
過して分離し、ついで120℃に保持された熱風循環式
乾燥器中で60分間乾燥して製品とした。この乾燥物の
105℃、2時間の加熱後の重量減少は0.5%であっ
た。pHの測定結果を表1に示す。
【0018】比較例3 製造例で得られた湿潤ケーキの約10gを3.7%濃度
のアンモニア水30gに加え、3分間撹拌した後、吸引
濾過して分離し、ついで120℃に保持された熱風循環
式乾燥器中で47分間乾燥した。乾燥物の105℃、2
時間加熱後の重量減少は、3.2%であった。乾燥物を
ポリエチレン製の袋に入れ、室温でアンモニアガスを充
満させて接触させた後、再度120℃に保持された熱風
循環式乾燥器中で10分間乾燥して製品とした。pHの
測定結果を表1に示す。
のアンモニア水30gに加え、3分間撹拌した後、吸引
濾過して分離し、ついで120℃に保持された熱風循環
式乾燥器中で47分間乾燥した。乾燥物の105℃、2
時間加熱後の重量減少は、3.2%であった。乾燥物を
ポリエチレン製の袋に入れ、室温でアンモニアガスを充
満させて接触させた後、再度120℃に保持された熱風
循環式乾燥器中で10分間乾燥して製品とした。pHの
測定結果を表1に示す。
【0019】実施例3 製造例で得られた湿潤ケーキの約10gをそのまま12
0℃の保持された熱風循環式乾燥器中で60分間乾燥し
た。この乾燥物の105℃、2時間加熱後の重量減少は
0.4%であった。これをポリエチレン製の袋に入れ、
室温でアンモニアガスを充満させて接触させて製品とし
た。pHの測定結果を表1に示す。
0℃の保持された熱風循環式乾燥器中で60分間乾燥し
た。この乾燥物の105℃、2時間加熱後の重量減少は
0.4%であった。これをポリエチレン製の袋に入れ、
室温でアンモニアガスを充満させて接触させて製品とし
た。pHの測定結果を表1に示す。
【0020】 表1 実施例 1 2 3 乾燥前の処理 アンモニア水 アンモニア水 なし (3.7%) (3.7%) 乾燥後の重量減少 0.6% 0.6% 0.4% 乾燥後の処理 アンモニアガス アンモニア水 アンモニアガス (3.7%) pH 7.7 6.6 7.5 表1(続) 比較例 1 2 3 乾燥前の処理 アンモニア水 アンモニア水 アンモニア水 (3.7%) (37%) (3.7%) 乾燥後の重量減少 0.6% 0.5% 3.2% 乾燥後の処理 なし なし アンモニアガス 再乾燥 pH 3.6 4.5 5.2 注:乾燥後の重量減少は、105℃、2時間加熱後の重
量減少である。
量減少である。
【0021】表1に示すように、実施例1〜3の熱膨張
性黒鉛は、1重量%水分散液のpHは6以上であり、十
分に中性化されていた。これに対し比較例1〜3の熱膨
張性黒鉛は、いずれも6以上のpHを示さなかった。ま
た表1に示したpHは、1週間経過後も殆ど変わりの無
い値を示した。
性黒鉛は、1重量%水分散液のpHは6以上であり、十
分に中性化されていた。これに対し比較例1〜3の熱膨
張性黒鉛は、いずれも6以上のpHを示さなかった。ま
た表1に示したpHは、1週間経過後も殆ど変わりの無
い値を示した。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、pHが6以上である熱
膨張性黒鉛を容易に製造できる製造方法が提供される。
膨張性黒鉛を容易に製造できる製造方法が提供される。
Claims (1)
- 【請求項1】 黒鉛を、硫酸と酸化剤との混合物で熱処
理した後、水洗、乾燥して熱膨張性黒鉛を製造する方法
において、105℃、2時間加熱後の重量減少が2重量
%以下となるまで乾燥した後、アンモニアと接触させる
ことを特徴とする熱膨張性黒鉛の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3359138A JPH0664911A (ja) | 1991-12-27 | 1991-12-27 | 熱膨張性黒鉛の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3359138A JPH0664911A (ja) | 1991-12-27 | 1991-12-27 | 熱膨張性黒鉛の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0664911A true JPH0664911A (ja) | 1994-03-08 |
Family
ID=18462940
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3359138A Pending JPH0664911A (ja) | 1991-12-27 | 1991-12-27 | 熱膨張性黒鉛の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0664911A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020193324A (ja) * | 2019-05-28 | 2020-12-03 | 株式会社レグルス | 樹脂組成物、熱膨張性の製品及び樹脂組成物の製造方法 |
CN114890415A (zh) * | 2022-05-25 | 2022-08-12 | 福建邵武科踏高纯石墨有限公司 | 细鳞片高纯膨胀石墨制备方法 |
-
1991
- 1991-12-27 JP JP3359138A patent/JPH0664911A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020193324A (ja) * | 2019-05-28 | 2020-12-03 | 株式会社レグルス | 樹脂組成物、熱膨張性の製品及び樹脂組成物の製造方法 |
CN114890415A (zh) * | 2022-05-25 | 2022-08-12 | 福建邵武科踏高纯石墨有限公司 | 细鳞片高纯膨胀石墨制备方法 |
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