JPH0664879B2 - デイスクカ−トリツジ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はたとえば磁気ディスクのごときディスク状記録
媒体を回転可能に内蔵したディスクカートリッジに関す
るものである。

従来例の構成とその問題点 近年磁気記録分野へのデイスクカートリッジの参入には
目ざましいものがあり、特に最近より使い易いようにハ
ードケースのカートリッジで磁気ディスクを保護収納し
たタイプが多く利用されるようになってきた。

以下図を参照しながら、上述したディスクカートリッジ
について説明する。

第１図に従来例を示す。１は磁気ディスク、2a及び2bは
ライナー、３は板バネ、４は下ケースに設けた凸部、5a
は下ケース、5bは上ケース、６は支持ピン、７はワッシ
ャー、８は磁気ディスク１の中央に設けたハブ、９は下
ケース5a、上ケース5bに設けたヘッドウィンドウ、10は
シャッター板、さらに第２図では板バネ３部のＡ−Ａ断
面を示し11は支持ピン６の先端、12aは板バネ３の曲げ
角度、13は板バネ３の中間部、14は板バネ３の固定部を
示す。

第１図に示すように磁気ディスク１をはさんで両側に不
織布からなるライナー2a及び2bが位置し、下ケース5aと
ライナー2aとの間に板バネ３が取付けられている。板バ
ネ３は下ケース5aの支持ピン６に通してさらに上からワ
ッシャー７を通し支持ピン先端11をたとえば超音波溶着
でつぶして下ケース5aに固定されている。板バネ３はラ
イナー2aを磁気ディスク１に局所的に押付けこのライナ
ー2aと磁気ディスク１との接触により磁気ディスク１に
付着したホコリ、ゴミ等をクリーニングする。

磁気ディスク１はセンターに取付けられたハブ８を介し
て回転可能となり、磁気ディスク１への情報の記録再生
を行う時はヘッドウインドウ９をおおっていたシャッタ
ー板10が回動してヘッドウインドウ９を開状態とするこ
とにより記録再生可能となる。そして磁気ディスク１へ
の記録再生を行う際、磁気ディスク１に微細なホコリ、
ゴミ等が付着していると誤記録又は誤再生が行われる危
険性が非常に高いため上述したような、使用中に磁気デ
ィスク１をクリーニングするという構造が用いられてい
るわけである。

さらに第２図に示すように支持ピン６の先端11をたとえ
ば超音波溶着でつぶすとき凸部４により板バネ３に所定
の曲げ角度12aが形成されるわけである。板バネ３は超
音波溶着で下ケース5aに固定される前は単純平面であ
り、上からワッシャー７が超音波溶着によって押付けら
れると板バネ３の中間部13が折曲げられくの字状とな
る。ところがこのような曲げ状態においては板バネ３に
は元の状態にもどろうとする力つまり復元力が常に内在
しており、したがってワッシャー７には板バネ３の復元
力が常時加わってワッシャー７を押し上げようとする。
このため熱サイクルを加えると板バネ３の固定部14にガ
タが発生しやすくなってしまう。

次に板バネ３だけでワッシャー７のない状態で超音波溶
着してしまうと板バネ３の曲げ角度12aが正確に出な
い（超音波溶着条件によって大きく影響を受ける）、
熱サイクル下において板バネ３の固定部14のガタがより
発生しやすくなる−といったことが問題となっていた。
また板バネ３の上にワッシャー７をのせて超音波溶着す
る時板バネ３及びワッシャー７がちょっとした振動では
ずれてしまいそしてその状態で超音波溶着してしまうと
いった重大ミスも発生していた。

また上下ケース5b,5aの剛性という点から板バネ３を取
付ける箇所はケース厚さが薄くなるため剛性が他の箇所
に比べて若干弱くなってしまうということも問題であっ
た。

発明の目的 本発明の目的は板バネの曲げ角度精度を損なうことなく
板バネ組立ておける部品点数を減らし、組立性を向上さ
せ、板バネ固定後のガタの発生をなくし、加えて強度を
アップしたディスクカートリッジを提供するものであ
る。

発明の構成 上記目的を達成するために本発明のディスク状記録媒体
を回転自在に保持して内包するケースと、前記ディスク
状記録媒体と接触するライナーと、前記ケース内部に形
成した板バネ保持傾斜面と、この傾斜面から突出するよ
う設けた支持ピンと、この支持ピンと係合するピン孔を
有し、前記ピン孔の縁からピン孔中心に向って伸びた複
数の支持ピン係止片を備えた板バネとを備え、前記板バ
ネを前記ケースの板バネ保持傾斜面に沿って取付け仮固
定するとともに前記支持ピンの先端を超音波溶着して固
着した構成となっている。

この構成によって板バネの曲げ角度と同じ傾斜を持つ板
バネ保持傾斜面を用いることにより板バネの途中の曲げ
ることにより生じる板バネの復元力に起因した板バネ固
定部に発生するガタをなくすことができる。

そしてこの場合ワッシャーを用いずに板バネを下ケース
に固定しても前述の板バネの復元力がないため板バネ固
定部のガタは発生しないので、部品点数を一点減らすこ
とができる。また板バネ曲げ角度は板バネ保持傾斜面の
角度精度と板バネ自身の平面精度によって決まるため超
音波溶着の条件により板バネ曲げ角度が影響を受けるこ
とはほとんどない。

加えてこの構造を用いると従来下ケースの板バネを固定
するために用いていたスペース、つまり局所的に下ケー
ス肉厚が薄くなっていた部分をさらに減少させることが
でき下ケースの基本厚さ部分をふやして強度アップをは
かることができ、しかも固着に必要な面積も接着剤等に
よるものに比べて小さくすることができる。

また支持ピン径より若干大きいピン孔を有する板バネに
おいて、ピン孔の全縁もしくは部分域からピン径中心に
向って伸びる支持ピン係止片を設けることによりワンタ
ッチで板バネを支持ピンへ仮止めできる。つまり支持ピ
ンに板バネを貫通させるとピン孔から伸びる支持ピン係
止片と支持ピンとがオーバーラップして貫通方向と逆な
方向に支持ピン係止片がめくれ上がり、板バネが支持ピ
ンに軽く固定されるので作業性が非常にアップする。

実施例の説明 第３図に本発明に係る一実施例を示す。

第１図と同じ構成要素には同じ図番を付けている。１は
磁気ディスク、2a及び2bは不織布からなるライナー、３
は板バネ、5aは合成樹脂からなる下ケース、5bは同じく
上ケース、６は上下ケース5a,5bに設けた支持ピン、８
は磁気ディスク１の中央に設けたハブ、９は上下ケース
5a,5bに設けたヘッドウインドウ、10はシャッター板、1
1は支持ピン６の先端、12bは板バネ３の傾斜角度、14は
板バネ３の固定部、15は上下ケース5a,5bに設けた板バ
ネ取付凹部5c内に設けた板バネ保持傾斜面、17は板バネ
３のピン孔18に設けた係止片である。

このように下ケース5a内部に、所定の角度を有する板バ
ネ保持傾斜面15を設け、板バネ保持傾斜面15から突出し
た２本の支持ピン６に支持ピン係止片17を有する板バネ
３を貫通させ、支持ピン６の先端を超音波溶着でつぶし
て下ケース5aに固定させる。この場合の板バネ保持傾斜
面15の角度12bは基本的には第２図の板バネ曲げ角度12a
と等しい。加えて板バネ３と板バネ保持傾斜面15との上
限接点16の位置は従来のものとまったく同じである。

第３図には板バネ３を２箇所に用いた構造を示している
が、本発明では板バネ３の数は１枚以上であれば何枚で
も良い。

第４図には第３図のＢ−Ｂ断面を示す。板バネ３は平板
であり従来例のようにその途中を曲げずに所定の角度を
出すことができるので、板バネ３の固定部14に従来例で
生じていた余分なダメージ（板バネ３を曲げるために生
じる板バネ３の復元力による板バネ３の固定部14に与え
るダメージ）が無いので熱サイクルを加えても板バネ３
の固定部14にぐらつぎが生じない。第５図は本発明に係
る板バネ３の平面図を示す。第６図はピン孔18の拡大図
を示す。支持ピン係止片17のピン孔18の中心に最も近い
部分を結んでできる仮想円径18aは支持ピン径19よりも
小さい。第７図は板バネ３を支持ピン６に挿入した状態
を示す。板バネ３を支持ピン６に挿入すると支持ピン係
止片17がめくれあがり、これにより板バネ３は支持ピン
６に仮止めされこの状態においてはたとえば軽い振動が
組立作業中に加わったとしてもはずれることはない。し
たがって板バネ３が支持ピン６からはずれた状態でたと
えば超音波溶着してしまうという重大ミスをなくすこと
ができる。

発明の効果 以上のように本発明はディスク状記録媒体を回転自在に
保持して内包するケースと、前記ディスク状記録媒体と
接触するライナーと、前記ケース内部に形成した板バネ
保持傾斜面と、この傾斜面から突出するよう設けた支持
ピンと、この支持ピンと係合するピン孔を有し、前記ピ
ン孔の縁からピン孔中心に向って伸びた複数の支持ピン
係止片を備えた板バネとを備え、前記板バネを前記ケー
スの板バネ保持傾斜面に沿って取付け仮固定するととも
に前記支持ピンの先端を超音波溶着して固着したもので
あるので、固着に必要な面積も小さくて済み、板バネ組
立ての部品点数を一点減らしそれに伴ない組立て工数を
減らしても従来通りの板バネ曲げ角度を十分に保持し、
加えて60℃→−40℃という熱サイクル下においても固定
部にガタがまったく生じなかった。また支持ピン係止片
を設けることにより支持ピンへの板バネの仮止めが可能
となりこれにより組立て作業性は大巾に向上し板バネの
超音波溶着での作業ミスは激減した。

加えて板バネの組み立てが安定することにより磁気ディ
スクを回転させるのに必要なトルクは従来より安定した
ものとなった。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のディスクカートリッジの分解斜視図、第
２図は第１図中のＡ−Ａ断面図、第３図は本発明に係る
一実施例のディスクカートリッジの分解斜視図、第４図
は第３図中のＢ−Ｂ断面図、第５図は本発明に係る板バ
ネの平面図、第６図は板バネのピン孔拡大図、第７図は
本発明に係る板バネ固定部の超音波溶着を行う前の状態
を示す斜視図である。 １……磁気ディスク、2a及び2b……ライナー、３……板
バネ、5a……下ケース、5b……上ケース、６……支持ピ
ン、８……ハブ、９……ヘッドウインドウ、10……シャ
ッター板、11……支持ピン先端、12b……板バネ保持傾
斜面の角度、14……板バネの固定部、15……板バネ保持
傾斜面、16……板バネ３と板バネ保持傾斜面15との上限
接点、17……支持ピン係止片、18……ピン孔、18a……
仮想円径、19……支持ピン径。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ディスク状記録媒体を回転自在に保持して
   内包するケースと、このケース内部に前記ディスク状記
   録媒体と接触するライナー及びこのライナーを前記ディ
   スク状記録媒体に押付る板バネとを備えたディスクカー
   トリッジであって、 前記ケースの内表面の一部に当該ケース外表面に対して
   前記ディスク状記録媒体の周方向に傾斜する傾斜面を形
   成するとともに、前記板バネに複数の係止片を備えた孔
   を形成し、この孔と前記傾斜面上のピンとを、前記複数
   の係止片を前記ピン外周に係止させることにより係合し
   て前記板バネを前記傾斜面上に仮固定するとともに前記
   ピンの先端を前記板バネに超音波溶着して固着したこと
   を特徴とするディスクカートリッジ。