JPH0664771A - 印字媒体移送用補助部材及び印字媒体移送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来、印字媒体送り装置として、たとえば振
動波アクチュエータを利用したものが知られているが、
この形式の装置を含め、従来の装置では、移送される印
字媒体の厚みが不均一であると、移送方向が曲がったり
する等の不具合があった。本発明は従来装置の問題点を
解決できる、移送用補助部材と移送装置を提供する。 【構成】 本発明の装置では、厚さの不均一な印字媒体
を載置するための印字媒体載置領域と、移送用駆動体に
係合する駆動体係合領域と、を有する移送用補助部材を
使用して印字媒体を移送するようにした。また、本発明
では、該媒体の上面に係合する振動波アクチュエータを
支持する支持部材として、上下方向に間隔をおいて互い
に平行に延存する一対の板バネにより上側の振動波アク
チュエータを支持するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は印字用紙等の印字媒体を
移送するための移送用補助部材及び移送装置に関し、特
に、厚さの不均一な印字媒体を移送するに適した構成の
移送用補助部材及び移送装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】印字用紙等の印字媒体を移送するための
移送装置として、従来、次のような構成のものが知られ
ている。

【０００３】図１３は従来の印字媒体移送装置の一例で
あり、モータ１の軸にローラ２を設け、印字媒体４を該
ローラ２とバックアップローラ３との間に押圧挟持しつ
つ、モータ１の回転にともなって印字媒体４を移送する
ようになっている。

【０００４】図１４は本出願人により提案されている印
字媒体送り装置の概略を示したものであり、該装置では
印字用紙等の印字媒体４を送るための駆動力発生源とし
て図示の如き一対の環状の振動波アクチュエータ６及び
７が使用されている。該振動波アクチュエータ６及び７
は、互いに平行な一対の直線部と該直線部の両端に連る
一対の半円弧部とを有した平面形状に構成されている。
該振動波アクチュエータ６及び７は前述の如き平面形状
を有した弾性体６ｂ及び７ｂのそれぞれの一方の面に圧
電素子の如き振動子６ａ及び７ａを固着もしくは一体成
形して構成されたものであり、該振動子６ａ及び７ａが
固着されていない側の該弾性体６ｂ及び７ｂの表面には
図示されるように歯Ｓが形成されている。

【０００５】振動波アクチュエータ６及び７はそれぞれ
の弾性体６ｂ及び７ｂの歯が互いに向き合うように上下
に対向して配置されるとともに、それぞれのアクチュエ
ータ６及び７の直線部が印字媒体４の送り方向と平行に
なるように配置されている。また、該振動波アクチュエ
ータ６及び７の弾性体６ｂ及び７ｂは互いに対向する一
対の直線部のうち、図１５に示すように、一方の直線部
の肉厚のみが他の部分の肉厚よりも厚く構成されてお
り、その厚肉の直線部の歯の間において印字媒体４を挟
みつけ、該媒体４に該直線部と平行な方向の推力を与え
るようになっている。この振動波アクチュエータによる
印字媒体送り動作については本出願人による先行出願明
細書もしくは既に公開された公開特許公報等において明
らかにされているが、以下に簡単に説明する。

【０００６】各振動波アクチュエータ６及び７のそれぞ
れの振動子６ａ及び７ａに複数の位相の異る交流電圧を
印加すると、各振動子６ａ及び７ａが振動し、弾性体６
ｂ及び７ｂの表面（歯Ｓが形成されている面）には図１
４において矢印ａ方向の循環振動が生じ、その結果、該
アクチュエータ６及び７の弾性体６ａ及び７ｂの一方の
直線部の間に挟まれている印字媒体４は該循環振動の進
行方向とは逆向きの（図１４において矢印ｂの方向）推
力を与えられることよって移送される。

【０００７】印字媒体４の上面に圧接されている上側の
振動波アクチュエータ６は、印字媒体移送装置のフレー
ム１０の側板９−１及び９−２に両持ち式に取付けられ
た支持板８の中央に固定されるとともに該支持板８によ
って下向きに押されている。また、下側の振動波アクチ
ュエータ７は該フレーム１０に固定されている。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】図１３の従来例におい
ては、印字媒体４が封筒等の場合、折り返し部、のりづ
け貼り合せ部等の箇所で、厚み不均一があるために、斜
行あるいは速度変動等の現象が発生し、移送性能を著し
く損なうことがあった。また、図１４の従来例において
も、同様の理由により、斜行、速度変動が発生し、移送
性能を損なうことがあり、ひいてはプリンタの印字品位
を低下させるという恐れがあった。

【０００９】また、封筒だけでなく、グリーティングカ
ード等にも、意匠上厚み不均一の大きいシートを使用す
ることがあり、この種のシートにおいても前述と同様の
現象を生じ、問題となっていた。

【００１０】また、図１４の従来例においては移送する
印字媒体の厚さが異なった場合、反力により上側の振動
波アクチュエータ６が回転変位するように押圧支持部材
が変形し、その結果、上下のアクチュエータの平行性が
くずれ、均一な接触が得られなくなる場合があった。こ
の結果、厚みの異なるシート等を搬送する際に、搬送力
の低下、搬送速度の低下を招く恐れがあった。

【００１１】本発明は前述した従来装置に内在する問題
点を解決し、厚みの不均一な印字媒体を移送するのに適
した印字媒体移送用補助部材及び移送装置を提供するこ
とを目的とする。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明による印字媒体移
送装置においては、印字媒体を載置もしくは仮固定する
印字媒体載置領域と、該移送装置の駆動体と係合する移
送用駆動体係合領域と、を有する印字媒体移送用補助部
材を用いて印字媒体を移送するようにした。

【００１３】また、本発明による印字媒体移送装置で
は、印字媒体の上面に圧接される振動波アクチュエータ
を、平行板バネで構成された圧接兼支持部材で支持する
ようにした。

【００１４】

【作用】本発明の移送用補助部材を用いることにより該
駆動体が直接に印字媒体に係合することがなくなるた
め、印字媒体が封筒等のように厚み不均一の大きいもの
であっても斜行、速度変動等がなく円滑に移送すること
が出来る。

【００１５】また、本発明の印字媒体移送装置では、上
側の振動波アクチュエータを支持する押圧支持手段を平
行板バネにし、バネ変位の大きさに依らず振動波アクチ
ュエータが平行移動するようにしたのでシートの厚みが
異なっても接触の不均一を生じることがなくなり、従っ
て搬送性能の低下を招くことがない。

【００１６】

【実施例】以下に図を参照しつつ本発明の実施例を説明
する。図１及び図２は本発明の第１実施例である。移送
補助部材５に印字媒体である封筒４が固定されている。
移送駆動手段たるローラ２及び３、もしくは振動波アク
チュエータ６及び７と接触しているのは移送補助部材５
である。移送補助部材５は厚みの不均一性が小さい材料
（たとえば樹脂フィルム等）で作られており、良好な移
送性能を得ることが出来る。したがって、封筒等の厚み
不均一の大きいものであっても、移送性能に悪影響を与
えることがない。

【００１７】図３は本発明の移送補助部材の第２の実施
例である。この移送用補助部材１５は樹脂あるいは金属
より成り、該部材１５の印字媒体載置領域には接着剤６
が塗布してある。接着剤としては、例えば合成ゴム系接
着剤（スプレーのり５５：住友スリーエム社：登録商
標）を用いると、使用後簡単にはがすことができ、ま
た、新たな印字媒体を貼り再使用することが出来る。

【００１８】図４は本発明の移送用補助部材の第３の実
施例である。この移送用補助部材１９は樹脂あるいは金
属より成り、該部材１９の印字媒体載置領域にはバネ部
材７が固着されており、このバネ部材により印字媒体で
ある封筒４を仮固定することができる。印字媒体載置領
域以外の面は移送装置の駆動体と係合する駆動体係合領
域となっている。該部材１９の使用後は、封筒を引き抜
けば簡単にはずれ、また、新たに封筒を取り付ければ再
使用することができる。

【００１９】図５は本発明の移送用補助部材の第４の実
施例を示したものである。本実施例の移送用補助部材２
０は、印字媒体載置領域に前記接着剤が塗布され、駆動
体係合領域の少くとも一面に耐摩耗性部材１８−１及び
１８−２を設けたものである。このような構成によれば
繰り返し使用する場合に、駆動体係合領域の摩耗するこ
とを防止することが出来る。

【００２０】また、耐摩耗性部材１８−１及び１８−２
を高摩擦係数材料で構成すると振動波アクチュエータ６
及び７や駆動ローラ２と該補助部材５との摩擦が大きく
なるため推力が増すことになり、安定して移送すること
ができるようになる。

【００２１】図６、図７は本発明の移送用補助部材とと
もに使用する印字媒体移送装置の例を示したものであ
る。同図において、１１は移送用補助部材５の移送速度
あるいは移送量を検出する検出用ローラ、９は該ローラ
１１によって駆動されるロータリーエンコーダ、であ
る。この検出手段により該部材５の移動速度を検出する
ことにより、封筒等の厚み不均一の影響を受けることな
く安定に移送制御できるようになる。

【００２２】〈他の変形実施例〉なお、以下のように構
成することもできる。

【００２３】（１）該移送用補助部材の全体を耐摩耗材
料や高摩擦係数材で構成することもできる。

【００２４】（２）該移送用補助部材の印字媒体載置領
域に印字媒体が入るような凹部を設けることにより全体
の厚みを薄くでき、しかも、印字媒体をセット時の位置
決めがしやすい等の効果がある。

【００２５】（３）該移送用補助部材の印字媒体載置領
域につきあて基準部材を設けることにより、印字媒体の
位置決めがしやすくなる。

【００２６】次に、図８以降を参照して、振動波アクチ
ュエータを移送駆動体として使用した本発明の印字媒体
移送装置の実施例を説明する。

【００２７】図８は本発明の印字媒体移送装置の第１実
施例である。図８において、６及び７は前述の振動波ア
クチュエータ、５は前述の移送用補助部材、である。８
−１と８−２は板バネであり、板バネ８−１と８−２は
スペーサ１４−１及び１４−２を介して締結されてい
る。

【００２８】板バネ８−２の１端には上側の振動波アク
チュエータ６が取付けられており、板バネ８−２の他端
は装置の一方の側板１０−１に固定されている。２個の
振動波アクチュエータ６と７により挟持された該部材５
は板バネ８−１及び８−２のバネ力により２個の振動波
アクチュエータ間で押圧されつつ矢印ｂ方向へ移送され
る。

【００２９】図９は図８に示した実施例の断面図で、主
要部を抽出して描いたものである。図９（ａ）はある厚
みのシートを挟持した状態を示しているが、バネの自由
状態からの変位量に依存した押圧力を発生している。し
かも、両端がスペーサ１４−１，１４−２を介して固定
されているので、２枚のバネ８−１及び８−２は互いに
等しい変形を生じることになり、振動波アクチュエータ
６の姿勢は、バネ８−１及び８−２が自由状態の場合と
比較して、ほぼ平行状態を維持している。

【００３０】さらに図９（ｂ）では厚みの大きいシート
を狭持している状態を示している。ここでも両端固定の
２枚のバネ８−１及び８−２の作用により、振動波アク
チュエータは平行状態を保つことができる。結局、前記
バネ８−１及び８−２の作用によりシート厚みに依ら
ず、振動波アクチュエータ６の姿勢は平行移動するのみ
であるので、シートと振動波アクチュエータ６との接触
状態はほぼ一定となる。図１０は第２の実施例である。

【００３１】第１の実施例（図８）では板バネが片持ち
であったが、本実施例では両持ちとすることにより、振
動波アクチュエータ６の回転変位をさらに小さくするこ
とが出来る。

【００３２】図１１は第３の実施例である。本実施例で
は、板バネ８−１及び８−２の取付方向をシート搬送方
向と平行にした。これにより、搬送方向と直交する軸の
回りの回転変位を小さくすることが出来る。（第１〜２
の実施例では、搬送方向の軸まわりの回転変位に対する
効果が大きい） 図１２は第４の実施例で、板バネ８−１及び８−２をＬ
字形にし２軸の回転変位に対して効果を有するようにし
た。

【００３３】

【発明の効果】

（Ａ）図１〜図７に示した実施例で説明したように、本
発明の移送用補助部材によれば次のような効果が得られ
る。

【００３４】（１）封筒、カード紙など厚み不均一の大
きい印字媒体が斜行や速度変動なく安定に送れる。

【００３５】（２）移送手段は従来の簡単な機構のまま
でよい。

【００３６】（３）通常のシート類（コピー用紙、等）
と同じ厚みにすることが出来るので移送手段の条件（押
圧力、電圧等）を変える必要がない。

【００３７】（Ｂ）図８乃至図１２に示した実施例で説
明したように、本発明の印字媒体移送装置によれば、押
圧支持手段を両端固定の平行板バネにすることにより、
厚みの異なる種々のシートを搬送する際にも、振動波ア
クチュエータが傾くようなことがなく、振動波アクチュ
エータとシートが安定接触するので、安定した搬送性能
が得られる。また簡単な構造で出来るので低コストで実
現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の移送用補助部材の第１実施例を示した
図。

【図２】本発明の移送用補助部材の第１実施例を示した
図。

【図３】本発明の移送用補助部材の第２実施例を示した
図。

【図４】本発明の移送用補助部材の第３の実施例を示し
た図。

【図５】本発明の移送用補助部材の第４実施例を示した
図。

【図６】図１及び図２に示した移送用補助部材を使用す
る移送装置の構成例を示した図。

【図７】図１及び図２に示した移送用補助部材を使用す
る移送装置の構成例を示した図。

【図８】本発明の印字媒体移送装置の第１実施例を示し
た図。

【図９】図８の実施例における動作の状態を示した図。

【図１０】本発明装置の第２実施例を示した図。

【図１１】本発明装置の第３実施例を示した図。

【図１２】本発明装置の第４実施例を示した図。

【図１３】従来の印字媒体移送装置の第１例を示した
図。

【図１４】従来の印字媒体移送装置の第２例を示した
図。

【図１５】図１４のＡ−Ａ矢視断面図。

【符号の説明】

１…モータ ２…駆動ローラ ３…バックアップローラ ４…印字媒体 ５…移送用補助部材 １５…移送用補
助部材 １９…移送用補助部材 ２０…移送用補
助部材 ６…振動波アクチュエータ ７…振動波アク
チュエータ ６ａ…振動子 ７ａ…振動子 ６ｂ…弾性振動体 ７ｂ…弾性振動
体 ９…ロータリーエンコーダ １１…送り量検
出用ローラ １０…移送装置フレーム １０−１…側板 １０−２…側板 ８−１ 板バネ ８−２…板バネ １４−１〜１４
−３…スペーサ １６…接着剤 １８−１…耐摩
耗性部材 １８−２…耐摩耗性部材

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 印字用紙等の薄葉体及びその他の印字媒
   体を移送する印字媒体移送装置に使用される移送用補助
   部材であって、該移送用補助部材は厚み均一な板状体も
   しくは薄葉体から成る主体部を有しており、厚さの不均
   一な印字媒体を載置するための印字媒体載置領域が該主
   体部の上面に構成され、該印字媒体移送装置の移送用駆
   動体と係合する移送用駆動体係合領域が少なくとも該主
   体部の側縁部に平行な領域として構成されていることを
   特徴とする印字媒体移送用補助部材。
2. 【請求項２】 該印字媒体載置領域には該印字媒体を容
   易に剥離できる接着剤が塗布されていることを特徴とす
   る請求項１の印字媒体移送用補助部材。
3. 【請求項３】 該印字媒体載置領域には該印字媒体を仮
   固定する仮固定手段が設けられていることを特徴とする
   請求項１の印字媒体移送用補助部材。
4. 【請求項４】 該移送用駆動体係合領域には該移送用駆
   動体と係合する耐摩耗性部材が設けられていることを特
   徴とする請求項１の印字媒体移送用補助部材。
5. 【請求項５】 振動子及び弾性振動体から構成されると
   ともに互いに平行な二つの直線部を有した環状の振動波
   アクチュエータを移送用駆動体として具備している印字
   媒体移送装置において、 該振動波アクチュエータの該弾性振動体を印字媒体に圧
   接させるとともに該振動波アクチュエータを支持してい
   る圧接兼支持部材を有しており、該圧接兼支持部材は、
   上下方向に間隔をおいて互いに平行に延在する第一及び
   第二の板バネと、該両板バネの間の空間の所定個所に配
   置されるとともに該両板バネを該所定個所のみにおいて
   連結しているスペーサと、を有していることを特徴とす
   る印字媒体移送装置。
6. 【請求項６】 該圧接兼支持部材が該印字媒体移送位置
   のフレーム等の静止部材に片持ち式に取付けられている
   ことを特徴とする請求項５の印字媒体移送装置。
7. 【請求項７】 該圧接兼支持部材が該印字媒体移送装置
   のフレーム等の静止部材に両持ち式に取付けられている
   ことを特徴とする請求項５の印字媒体移送装置。
8. 【請求項８】 該圧接兼支持部材の長手方向が該振動波
   アクチュエータの該直線部と平行になるように該部材が
   配置されていることを特徴とする請求項５の印字媒体移
   送装置。
9. 【請求項９】 該圧接兼支持部材の長手方向が該振動波
   アクチュエータの該直線部に対して直角方向になるよう
   に該圧接兼支持部材が配置されていることを特徴とする
   請求項５の印字媒体移送装置。
10. 【請求項１０】 該圧接兼支持部材の平面形状がＬ字形
    であり、該Ｌ字形の一辺が該振動波アクチュエータの該
    直線部と平行に配置されていることを特徴とする請求項
    ５の印字媒体移送装置。