JPH0664741U - 静電塗油装置 - Google Patents

静電塗油装置

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JPH0664741U
JPH0664741U JP754593U JP754593U JPH0664741U JP H0664741 U JPH0664741 U JP H0664741U JP 754593 U JP754593 U JP 754593U JP 754593 U JP754593 U JP 754593U JP H0664741 U JPH0664741 U JP H0664741U
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純一 根岸
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Abstract

(57)【要約】 【目的】垂直方向に搬送されるワークに均一に油膜を形
成できるようにする。 【構成】噴出ヘッド(10L,10R)を各先端部の
下側傾斜エッジ部11Lが斜め下向きとなるように傾斜
配設する。噴出ヘッド(10L,10R)をはね上げ
可能に回転支持する支持手段(15,19)と、噴出ヘ
ッド(10L,10R)を先端の下側傾斜エッジ部11
Lが斜め下向きとなるように係止可能かつ噴出ヘッド
(10L,10R)をはね上げし得るように係止解除可
能な位置決めねじ機構30とを設ける。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、静電作用によりワーク表面に塗油する静電塗油装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、鉄板,非鉄金属板等の帯状物品(以下、ワークと称する。)の防錆 ,印刷適用性向上および傷発生防止等のために、ワーク表面に静電作用を利用し て比較的薄い油膜を形成させる静電塗油装置が広く普及している。
【0003】 図4に垂直パスタイプの静電塗油装置の概略構成を示す。 かかる静電塗油装置は、垂直方向に搬送されるワークWと対向するように配設 されたベル型の静電塗油機5を有しており、当該静電塗油機5は回転駆動せられ るカップ状体6にDC−80〜120kV程度の高電圧を印加して当該カップ状 体6内に供給される塗油剤をその遠心力と静電気力とによって微粒化して放射す る構成とされている。このベル型静電塗油機5は、その構造上、1個でワーク全 面を塗油するのは困難であるためワーク幅方向(図4中紙面と直交する方向)に 所定の間隔で複数個配設されるのが一般的である。
【0004】 しかして、カップ状体6を陰極とし接地したワークWを陽極として高電圧が印 加されると、カップ状体6から帯電せられて放射された塗油剤粒子は反対極であ るワークWに電気的吸引力により吸引されて静電塗着され、その表面に薄油膜を 形成する。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、上記した従来の静電塗油装置においては、ベル型静電塗油機5をワ ーク幅方向に複数個配設するので、各塗油機5の塗油量のバラツキ等からワーク Wに均一に油膜を形成することが困難である。そこで、従来より水平パスタイプ の静電塗油装置に広く使用されているスリットブレード型噴出ヘッドを塗油機5 として使用することが試みられつつある。この噴出ヘッドは、ワークW幅寸法相 当長さを有しており、当該ヘッドから静電霧化される塗油剤によってワークWに 均一に油膜を形成することができる。
【0006】 しかし、垂直パスタイプの静電塗油装置において、ベル型静電塗油機5を上記 噴出ヘッドに置き換えただけでは、なおワークWに均一に油膜を形成しがたいこ とが指摘されている。
【0007】 本考案は、上記事情に鑑み、垂直方向に搬送されるワークに均一に油膜を形成 することができる静電塗油装置を提供することを第1の目的とする。また、垂直 方向に搬送されるワークに均一に油膜を形成することができるとともに取扱性の 向上を図ることができる静電塗油装置を提供することを第2の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の考案に係る静電塗油装置は、垂直方向に搬送されるワークと対向す るように配設された先鋭スリットブレード型噴出ヘッドと、この噴出ヘッドへ塗 油剤を供給する油供給手段とを有し、当該噴出ヘッドをその先端部の下側傾斜エ ッジ部が斜め下向きとなるように傾斜配設したことを特徴とする。
【0009】 請求項2の考案に係る静電塗油装置は、垂直方向に搬送されるワークと対向す るように配設された先鋭スリットブレード型噴出ヘッドと、この噴出ヘッドへ塗 油剤を供給する油供給手段とを有し、噴出ヘッドをはね上げ可能に回転支持する 支持手段と、噴出ヘッドを先端の下側傾斜エッジ部が斜め下向きとなるように係 止可能かつ当該噴出ヘッドをはね上げし得るように係止解除可能なセット手段と を設けたことを特徴とする。
【0010】
【作用】
上記構成による請求項1の考案では、噴出ヘッドへ供給された塗油剤は当該ヘ ッドの先端からマイナス帯電されつつ噴霧される。この際、噴出ヘッドの先端部 の下側傾斜エッジ部が斜め下向きとなっているので、当該ヘッド先端まで到達し た塗油剤が下側傾斜エッジ部を伝って垂れ落ちるようなことはなくなり塗油剤は 全てヘッド先端に集中する。これにより、塗油剤の噴霧が不完全となることはな くなりワークに均一に油膜を形成することができる。
【0011】 また、上記構成による請求項2の考案では、噴出ヘッドはセット手段によりそ の先端部の下側傾斜エッジ部が斜め下向きとなるように係止されているので請求 項1の発明と同様にワークに均一に油膜を形成することができる。また、セット 手段の噴出ヘッド係止を解除することにより噴出ヘッドをはね上げることができ る。これにより、噴出ヘッドのメンテナンス等を容易かつ迅速に行うことができ 一段と取扱性が向上する。
【0012】
【実施例】
図1は本考案の実施例の要部を説明するための図、図2は同じく全体構成を説 明するための図、図3は噴出ヘッドを水平配置した場合に生じる不具合を説明す るための図である。 以下、本考案の実施例を図面に基づき参照する。 (第1実施例) 本静電塗油装置は、図1および図2に示す如く、先鋭スリットブレード型噴出 ヘッド10L,10Rと油供給手段20とを有し、噴出ヘッド10L,10Rが その先端(12)に塗油剤が集中するように傾斜配設された構成とされている。 なお、図1において、4は噴出ヘッド10L,10Rを収容するチャンバーで、 その下部および上部にはそれぞれワークWが搬入される搬入口2,ワークWが搬 出される搬出口3が形成されている。
【0013】 ここで、先鋭スリットブレード型噴出ヘッド10L,10Rは、垂直方向に搬 送されるワークWと対向するように支持部材19および位置決めねじ機構30を 介してチャンバー4内に配設されている。この噴出ヘッド10の先端部は、図1 に示す如く、鋭角(本実施例では60°)状とされ下側傾斜エッジ部11Lおよ び上側傾斜エッジ部11Uが形成されている。この噴出ヘッド10には、油供給 手段20から所定圧力の塗油剤が供給される。そして、噴出ヘッド10L,10 Rの各先端噴出口12,12より噴霧された塗油剤(霧化油)はマイナス帯電さ れる。一方、ワークWはプラス電位(接地電圧)とされる。これにより、マイナ ス帯電された霧化油がワークWに静電吸着されて当該ワークWに薄い油膜が形成 される。
【0014】 ここで、仮に噴出ヘッド10L,10Rが、図3に示す如く、水平に配設され ていると当該ヘッド10L,10Rの各噴出口12まで到達した塗油剤が下側傾 斜エッジ部11Lを伝って垂れ落ちてしまう事態が発生する。このように塗油剤 が一部垂れ落ちて噴出ヘッド10L,10Rの噴出口12(すなわち放電部先端 )に集中しないと静電反発力による有効な微粒化が得られず均一にワークWに塗 油剤を静電吸着させることができない。
【0015】 そこで、本噴出ヘッド10L,10Rは、その先端部の下側傾斜エッジ部11 Lが斜め下向きとなるように傾斜配設されている。なお、噴出ヘッド10L,1 0Rは、ワークWに関して対称配設されているので、以下、一方の噴出ヘッド1 0Lの配設状態のみを説明する。本実施例では、噴出ヘッド10Lは、図1に示 す如く、下側傾斜エッジ部11Lが水平線HLに対して30°傾くように傾斜配 設(傾斜角度=60°)されている。なお、噴出ヘッド10Lは、下側傾斜エッ ジ部11Lが水平線HLに対して下向きになるように配設されればよいので60 °には限定されないのは勿論である。例えば、噴出ヘッド10Lをエッジ部11 Lが5°傾くように傾斜配設してもよい。
【0016】 これにより、噴出ヘッド10Lの噴出口12から塗油剤が下側傾斜エッジ部1 1Lを伝って垂れ落ちるようなことはなくなり、塗油剤は放電部先端である噴出 口12に集中する。その結果、当該噴出口12より塗油剤は微粒化される。噴出 ヘッド10Rについても同様である。
【0017】 次に、作用について説明する。 噴出ヘッド10L,10Rへ供給された塗油剤は当該ヘッド10L,10Rの 先端噴出口12からマイナス帯電されつつ噴霧される。この際、噴出ヘッド10 L,10Rの各下側傾斜エッジ部11Lが斜め下向きとなっているので、各噴出 口12まで到達した塗油剤が下側傾斜エッジ部11Lを伝って垂れ落ちるような ことはなくなり塗油剤は全て噴出口12に集中する。これにより、塗油剤の噴霧 が不完全となることはなくなりワークWに均一に油膜を形成することができる。
【0018】 しかして、この第1実施例によれば、噴出ヘッド10L,10Rを先端部の下 側傾斜エッジ部11Lが斜め下向きとなるように傾斜配設した構成としたので、 塗油剤は放電部先端である噴出ヘッド10L,10Rの各噴出口12に集中する ようになり静電反発力により微粒化される。その結果、ワークWに均一に油膜を 形成することができる。
【0019】 (第2実施例) 本第2実施例に係る静電塗油装置は、噴出ヘッド10L,10Rをはね上げ可 能なるように回転支持する支持手段(支持部材19,支持軸15)と、噴出ヘッ ド10L,10Rを各下側傾斜エッジ部11Lが斜め下向き(水平線HLに対す る傾斜角度=30°)となるように係止可能かつ当該噴出ヘッド10L,10R をはね上げし得るように係止解除可能なセット手段(30)とを設けた構成とさ れている。
【0020】 ここで、セット手段は、図1および図2に示す如く、位置決めねじ機構30よ り形成されている。位置決めねじ機構30は、噴出ヘッド10L,10Rの各支 持部材19,19に固着されたブロック31,31と、各ブロック31に螺合さ れた位置決めボルト32と、このボルト32を係止するためのロックナット33 とから構成されている。
【0021】 しかして、噴出ヘッド10L,10Rは、自重によりその基端部13が位置決 めボルト32の先端部と所定の押圧力で当接し下側傾斜エッジ部11Lが斜め下 向きなる位置に係止される。また、噴出ヘッド10L(10R)を手で持ち上げ て図1中2点鎖線で示す如く、はね上げることができる。なお、噴出ヘッド10 L(10R)の傾斜角度を変更するには、ロックナット33を緩め位置決めボル ト32を適宜回動してその先端部のブロック31に対する突出量を変更する。
【0022】 かかる構成により、第1実施例と同様に、噴出ヘッド10L,10Rの各噴出 口12まで到達した塗油剤が下側傾斜エッジ部11Lを伝って垂れ落ちるような ことはなくなりワークWに均一に油膜を形成することができる。また、噴出ヘッ ド10L,10Rをはね上げることができメンテナンス等を容易かつ迅速に行う ことができる。
【0023】 また、各位置決めボルト32のブロック31に対する突出量を変えることによ り噴出ヘッド10L,10Rの傾斜角度を調整することができ、この点からも取 扱性の向上を図ることができる。
【0024】 なお、上記第2実施例では、セット手段を位置決めねじ機構30より形成した が当該機構30と同等の機能を発揮すればどのように構成してもよい。
【0025】
【考案の効果】
請求項1の考案によれば、この噴出ヘッドを先端部の下側傾斜エッジ部が斜め 下向きと変るように傾斜配設した構成としたので、噴出ヘッド先端まで到達した 塗油剤が下側傾斜エッジ部を伝って垂れ落ちるようなことはなくなり塗油剤は全 て噴出口に集中する。これにより、塗油剤の噴霧が不完全となることはなくなり ワークに均一に油膜を形成することができる。
【0026】 また、請求項2の考案によれば、噴出ヘッドをはね上げ可能に回転する支持手 段と、噴出ヘッドを先端部の下側傾斜エッジ部が斜め下向きとなるように係止可 能かつはね上げ可能なるように係止解除可能なセット手段とを設けた構成とした ので、請求項1の発明と同様に塗油剤の噴霧が不完全となることはなくなりワー クに均一に油膜を形成することができる。また、噴出ヘッドをはね上げることが できるので、噴出ヘッドのメンテナンス等を容易かつ迅速に行うことができ取扱 性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1および第2実施例を示す図であ
る。
【図2】同じく、全体構成を説明するための図である。
【図3】噴出ヘッドを水平配置した場合に生じる不具合
を説明するための図である。
【図4】従来の静電塗油装置の概略構成を説明するため
の図である。
【符号の説明】
10L,10R 噴出ヘッド 11L 噴出ヘッドの下側傾斜エッジ部 20 油供給手段 30 位置決めねじ機構(セット手段)

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 垂直方向に搬送されるワークと対向する
    ように配設された先鋭スリットブレード型噴出ヘッド
    と、この噴出ヘッドへ塗油剤を供給する油供給手段とを
    有し、当該噴出ヘッドをその先端部の下側傾斜エッジ部
    が斜め下向きとなるように傾斜配設したことを特徴とす
    る静電塗油装置。
  2. 【請求項2】 垂直方向に搬送されるワークと対向する
    ように配設された先鋭スリットブレード型噴出ヘッド
    と、この噴出ヘッドへ塗油剤を供給する油供給手段とを
    有し、噴出ヘッドをはね上げ可能に回転支持する支持手
    段と、噴出ヘッドを先端の下側傾斜エッジ部が斜め下向
    きとなるように係止可能かつ当該噴出ヘッドをはね上げ
    し得るように係止解除可能なセット手段とを設けたこと
    を特徴とする静電塗油装置。
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