JPS5923866B2 - 静電的塗布装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は印刷機などに於いて特に紙の帯状体または平板
体から成る走行する扁平状基板上に気体流と共に搬送さ
れる材料粒子を静電的に塗布する装置に関する。

本発明による装置は、例えば印刷機、例えばオフセット
印刷機に応用され、該材料粒子は粉末、例えばタルク粉
末として適用されるものであり、印刷された直後の用紙
が積み重ねられたときに、印刷された直後の新鮮な印刷
インクが汚損させられることを防止する目的をもつもの
である。知られているこの種装置（ ドイツ特許公開公
報第２６４６７９８号）によつては、粉末粒子の帯電が
空気噴射ヘッドに於いて行われるから、すでに帯電した
状態で粉末粒子がこのヘッドから噴出し、塗布すべき基
板に吹付けられる。

塗布すべき平板体は原則として例えば紙や織物から成る
非導電材であり、この場合粉末を塗布すべき基板の下方
に対向電極が設置される。噴射ノズルでの粉末粒子の帯
電が多くの場合充分に行われないことのほかに、公知装
置には噴射ヘッドですでに帯電した粒子が基板だけでな
く機枠にも向けられ、これに付着して有害な付着層を形
成するという欠点がある。

紙シートなどの塗布に際して平板体を搬送するクリツプ
などから成る牽引素にもこのような付着層が現われ、牽
引系の性能を低下させることがある。その結果、掃除の
ために印刷機を頻繁に停止しなければならない。また、
通常地電位にある牽引系や機枠に付着した粉末材料は再
び使用できず、本来の使用量では不足となる。本発明の
課題は汚染が少なく、塗布すべき粉末材料の節約につな
がるような頭書の装置を提供することにある。

この課題を本発明では下記の構成によつて解決する。

（ａ）気体流がそれ自身によつて非帯電材料粒子を搬送
する。

（ｂ）気体流と基板との衝突点に近く、走行する基板の
下方にコロナ放電発生のための少くとも１つの帯電用電
極が設けられる。

（ｃ）基板の走行方向に帯電用電極から間隔を保つて少
くとＬ）１つの対向電極が設けられる。

本発明の要点は塗布すべき粒子が基板の直ぐ近くで初め
て帯電し、殆ど基板だけに付着し、機枠牽引系などには
付着できない点にある。従つて印刷機などの汚染が防止
され、また塗布材料が他の場所に付着しないから、材料
の節約が５０％にも達する。以下添付図面に従つて壁明
の好ましい実施例を詳述する。

図示装置では図示しないが圧搾空気及び粉末供給管を具
備する棒状支持体１に公知の態様で複数の空気噴射ヘツ
ド２を設け、該ヘツドから吹付加工すべき扁平な基板４
へ斜め下向きに扇状３の気体流を噴射させる。

基板４に特に紙の帯状体または平板体の形で存在するこ
とができる。基板は例えば６００ｍ／Ｍｍまたはそれ以
下の速度で矢印Ｂの方向に送られる。印刷機に於いて印
刷される個別の紙シートの場合、この紙シートは例えば
無端コンベア・チエーン及び紙シートを保持し且つ１駆
動するため前記チエーンに取付けたクリツプを含む牽引
系によつて紙シートを案内する。第１図から明らかなよ
うに、気体流は基板４との衝突域に於いて給紙動作の方
向（矢印Ｂ）へ向きを変える。

噴射ヘツド２からの空気噴出速度及び基板４の送り速度
を、粉末粒子が基板に衝突する場所よりも後方では前記
２つの速度が等しくなり、従つて粉末と基板との間に相
対運動が起こらないように相対設定する。空気噴射ヘツ
ド２から帯電していない、即ち、中性の材料粒子５が噴
出する。

基板４の下方にはそれ自体は公知の棒状帯電用電極６を
給紙方向と交差するように配置してある。本発明の好ま
しい実施例ではこの帯電用電極６が基板４に向つて上向
きに突出させた１例に並ぶ尖端またはナイフエツジ７を
含む。尖端またはナイフエツジ７は第２図に示すように
公知の態様で高圧電源８と接続しており、この結果、尖
端またはナイフエツジ７に於ける公称電圧は約２０ない
し１００ＫＶとなる。高圧電源８は直流電圧を供給する
。給紙方向に帯電用電極６より下流に間隔を保つて基板
４の下に対向電極９を配置してある。帯電用電極６の尖
端またはナイフエツジ７に於いて、（電気的に絶縁性の
）ベース４を貫通するコロナ放電が公知の態様で発生し
、第１図から明らかなように対向電極９に向つて電気力
線１１が現われる。

基板４と衝突する直前に粒子５が進入するこの電界に於
いて、粒子はコロナ帯電及び接触帯電により帯電し、基
板に吸着するから、対向電極９を通過した後は粉末など
で均等に被覆された基板４となる。空気噴射ヘツド５か
ら噴出する電気的に中性の材料粒子は基板４の表面近く
に達してから初めて帯電するから、材料粒子が意図に反
して基板以外の部分、特に機枠、牽引系などに付着する
ことは殆どない。

第１図では対向電極９が非活性接地部分として構成され
ているが、本発明の別の実施態様では走行する基板４と
接触する複数の接地金属棒で構成することも可能である
。

対向電極９を別々に給電されるイオン化棒として構成す
ることもでき、この場合は走行する基板４と接触しない
。イオン化棒として構成した場合、対向電極はいわゆる
不活性コロナ放電を発生させることもできる。第１図に
鎖線で示すように、帯電用電極６及び対向電極９の下方
に余剰の粉末などを受けるための収容槽１２を配置して
ちよい。

収容槽１２は金属製であり、接地されている。まず第１
に、空気噴射ヘツド２から噴出して支持体１及び帯電用
電極６よりも狭く形成されている基板４の両側を通過す
る粉末がこの収容槽１２に集められる。基板４が順次間
隔を保つて搬送される個別の平板体から成る場合、収容
槽１２個々の平板体間の間隙を通過する粉末をも回収す
る。本発明の装置では噴射ヘツド２から噴出する粉末入
り空気流が帯電用電極６の作用域内で走行中の基板４に
衝突することと、空気流方向と基板の送り方向及び両者
の速度を、衝突点付近に於いて材料粒子５と基板４との
間に相対運動が起こらないように設定することが必須条
件である。

静電荷を帯びた材料粒子は基板４に付着する。

余剰の残留電荷は対向電極９より後方に配置されたそれ
自体は公知の帯電装置によつて完全に排除することがで
きる。本発明によつて達成される利点は、下記のように
要約されることができる。

すなわち、塗布材料が殆ど基板４だけに付着し、印刷機
部分などに付着しない。その結果得られる粉末の節約は
５０％にも達する。吹付けの作業で印刷機部分は僅かし
か汚れないから、印刷機の保守及び掃除は比較的長い間
隔で行えばよい。従つて印刷機を停止状態にすることは
少ない。本発明の装置を使用しても印刷機を汚すことが
少ないから、全体として環境汚染の少ない設備が得られ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例としての扁平な基板に帯電粉
末粒子を吹付ける装置の概略的側面図、第２図は第１図
図示装置を矢印Ａの方向から見た概略的正面図である。 １・・・・・・棒状支持体、２・・・・・・空気噴射ヘ
ツド、３・・・・・・扇状気体流、４・・・・・・基板
、５・・・・・・材料粒子、６・・・・・・帯電用電極
、７・・・・・・ナイフエツジ、８・・・・・・高圧電
源、９・・・・・・対向電極、１１・・・・・・電気力
線、１２・・・・・・収容槽。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 印刷機等における、紙の帯状体または平板体の形式
   の走行する扁平状基板上に、気体流と共に搬送される材
   料粒子を静電的に塗布する装置において、（ａ）気体流
   ３がそれ自身によつて非帯電材料粒子５を搬送するよう
   になつており、（ｂ）気体流と基板との衝突点に近く走
   行する基板の下方にコロナ放電発生のための少くとも１
   つの帯電用電極６が設けられており、（ｃ）基板の走行
   方向Ｂに帯電用電極６から間隔を保つて少くとも１つの
   対向電極９が設けられている、ことを特徴とする静電的
   塗布装置。 ２ 基板４の付近に於ける気体流３の方向及び速度が基
   板の走行方向Ｂ及び走行速度にそれぞれほぼ等しいこと
   を特徴とする特許請求の範囲第１項に記載の装置。 ３ 対向電極９が走行する基板４と接触する接地金属棒
   を含むことを特徴する特許請求の範囲第１項または第２
   項に記載の装置。 ４ 対向電極９を、個別に給電され且つ走行基板４と接
   触しないイオン化棒として構成したことを特徴とする特
   許請求の範囲第１項または第２項に記載の装置。 ５ 対向電極９が走行する基板４と接触せず、不活性コ
   ロナ放電を発生させることを特徴とする特許請求の範囲
   第１項または第２項に記載の装置。 ６ 電極６、９の下方に（接地された）粉未回収槽１２
   を配置したことを特徴とする特許請求の範囲第１項ない
   し第５項のいずれかに記載の装置。