JPH0664432A - 減衰力可変式ショックアブソーバの減衰力制御装置 - Google Patents

減衰力可変式ショックアブソーバの減衰力制御装置

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JPH0664432A
JPH0664432A JP24740692A JP24740692A JPH0664432A JP H0664432 A JPH0664432 A JP H0664432A JP 24740692 A JP24740692 A JP 24740692A JP 24740692 A JP24740692 A JP 24740692A JP H0664432 A JPH0664432 A JP H0664432A
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JP
Japan
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damping force
frequency
vehicle speed
determined
control
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Application number
JP24740692A
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English (en)
Inventor
Mochikiyo Nobuhara
以清 延原
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 一つのスイッチにて減衰力に関する乗員の種
々の要望に答え、減衰力を乗員の好みに応じてより一層
適切に制御する 【構成】 車速に基く制御量及び状態量に基く制御量に
応じて減衰力を多段階又は連続的に制御する制御装置M
1を有し、第一の演算装置M5により車速がその所定値
以上になる頻度を演算し、第二の演算装置M6により状
態量がその所定値以上になる頻度を演算する。制御装置
M1は状態量の頻度が車速の頻度よりも高い状況に於て
スイッチ装置M2が減衰力増大方向に操作されたときに
は状態量に基く制御量を増大し、車速の頻度が状態量の
頻度よりも高い状況に於てスイッチ装置が減衰力低減方
向に操作されたときには車速に基く制御量を低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、減衰力可変式ショック
アブソーバに係り、更に詳細には減衰力可変式ショック
アブソーバの減衰力制御装置に係る。
【0002】
【従来の技術】減衰力可変式ショックアブソーバの減衰
力制御装置の一つとして、例えば本願出願人であるトヨ
タ自動車株式会社より昭和61年1月に発行された「ト
ヨタソアラ新型解説書」の第4−59頁及び第4−59
頁に記載されている如く、車速及び車体の姿勢変化をき
たす状態量が高いほど減衰力が高くなるよう車速に基く
制御量及び状態量に基く制御量に応じて減衰力を多段階
に制御するよう構成され、基本となる減衰力を比較的低
い減衰力に設定するノーマルモード又は基本となる減衰
力を中程度の減衰力に設定するスポーツモードとに切換
わることにより減衰力の制御モードを切換えるモード切
換えスイッチを有する減衰力制御装置が従来よりよく知
られている。
【0003】かかる減衰力制御装置によれば、車輌の乗
員はモード切換えスイッチを操作することにより減衰力
の制御モードを車輌の乗り心地性を重視したノーマルモ
ード又は車輌の操縦安定性を重視したスポーツモードを
選択することができ、これによりモード切換えスイッチ
が設けられていない場合に比してショックアブソーバの
減衰力を車輌の乗員の好みに応じて適切に制御すること
ができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし上述の如き従来
の減衰力制御装置に於ては、モード切換えスイッチがノ
ーマルモードよりスポーツモードへ切換えられると車速
に基く制御量及び状態量に基く制御量の両者が増大さ
れ、逆にモード切換えスイッチがスポーツモードよりノ
ーマルモードへ切換えられると車速に基く制御量及び状
態量に基く制御量の両者が低減されてしまうため、例え
ば車速に応じた減衰力の制御については乗り心地性を重
視し状態量に応じた減衰力の制御については操縦安定性
を重視したいという様な乗員の要望に答えられないとい
う不具合がある。
【0005】また減衰力制御装置に減衰力の制御パター
ンに応じて多数のスイッチを設ければ減衰力に関する乗
員の種々の要望に答えることができるが、スイッチの操
作が非常に繁雑になるため、この場合にも減衰力を乗員
の希望通りに適切に制御することが困難である。
【0006】本発明は、従来の減衰力制御装置に於ける
上述の如き問題に鑑み、一つのスイッチにて減衰力に関
する乗員の種々の要望に答えることができ、これにより
減衰力を車輌の乗員の好みに応じてより一層適切に制御
することができるよう改良された減衰力可変式ショック
アブソーバの減衰力制御装置を提供することを目的とし
ている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の如き目的は、本発
明によれば、図1に示されている如く、少くとも車速及
び車体の姿勢変化をきたす状態量が高いほどショックア
ブソーバM0の減衰力が高くなるよう車速に基く制御量
及び状態量に基く制御量に応じて減衰力を多段階又は連
続的に制御する制御手段M1と、減衰力を増大又は低減
すべく車輌の乗員により操作されるスイッチ手段M2と
を有する減衰力可変式ショックアブソーバの減衰力制御
装置にして、車速検出手段M3と、車体の姿勢変化をき
たす状態量を検出する状態量検出手段M4と、車速がそ
の所定値以上になる頻度を演算する第一の演算手段M5
と、状態量がその所定値以上になる頻度を演算する第二
の演算手段M6とを有し、前記制御手段は前記状態量の
頻度が前記車速の頻度よりも高い状況に於て前記スイッ
チ手段が減衰力増大方向に操作されたときには前記状態
量に基く制御量を増大し、前記車速の頻度が前記状態量
の頻度よりも高い状況に於て前記スイッチ手段が減衰力
低減方向に操作されたときには前記車速に基く制御量を
低減するよう構成されていることを特徴とする減衰力可
変式ショックアブソーバの減衰力制御装置によって達成
される。
【0008】
【作用】車輌の乗員がスイッチ手段を操作するのはそれ
までの減衰力制御に不満を感じるからであり、車輌の乗
員は現状の減衰力制御に不満を感じるときにスイッチ手
段を操作すると推定されるので、車速がその所定値以上
になる頻度及び車体の姿勢変化をきたす状態量がその所
定値以上になる頻度の大小とスイッチ手段の操作方向
(減衰力増大方向又は低減方向)との関係から乗員が希
望する減衰力の制御パターンを推認することができる。
【0009】上述の如き構成によれば、第一の演算手段
M5により車速がその所定値以上になる頻度が演算さ
れ、第二の演算手段M6により状態量がその所定値以上
になる頻度が演算され、制御手段M1により状態量の頻
度が車速の頻度よりも高い状況に於てスイッチ手段が減
衰力増大方向に操作されたときには状態量に基く制御量
が増大され、車速の頻度が状態量の頻度よりも高い状況
に於てスイッチ手段が減衰力低減方向に操作されたとき
には車速に基く制御量が低減される。従って減衰力制御
装置に減衰力の制御パターンに応じて多数のスイッチを
設けなくても、例えば車速に応じた減衰力の制御につい
ては乗り心地性を重視し状態量に応じた減衰力の制御に
ついては操縦安定性を重視したいという様な減衰力に関
する乗員の種々の要望に答えることが可能になる。
【0010】
【実施例】以下に添付の図を参照しつつ、本発明を実施
例について詳細に説明する。
【0011】図2はショックアブソーバのピストンロッ
ドに内蔵され本発明の制御装置によって制御されること
により減衰力制御弁を駆動するステップモータの一例を
示す縦断面図、図3は図2に示されたストッパ部材を示
す拡大平面図、図4は図2に示されたロータコアを示す
拡大底面図である。
【0012】図2に於て、10はショックアブソーバの
ピストンロッドを示している。ピストンロッド10の下
端にはロッドエンド部材12がねじ込みにより固定され
ており、図には示されていないがロッドエンド部材12
には減衰力発生弁を有するピストン本体が固定されてい
る。ピストンロッド10はその軸線14に沿って延在す
るステップモータ収容孔16を有しており、該収容孔に
はステップモータ18が配置されている。ステップモー
タ18はステータ組立体20と、該ステータ組立体に嵌
合し軸線14の周りに回転するロータ22とよりなって
いる。
【0013】ステータ組立体20は環状のストッパ部材
24と、一端(下端)にてストッパ部材24に固定され
軸線14に沿って延在する円筒体26と、円筒体26の
周りに二対にて互いに対向して配置された複数個のステ
ータ磁極部材28〜34と、円筒体26と共働して各対
のステータ磁極部材28及び30、32及び34を一体
に保持する樹脂製のボビン36及び38と、これらのボ
ビンに導線が巻回されることにより形成されたコイル4
0及び42と、図にて最も下側のステータ磁極部材34
とストッパ部材24のフランジ部24との間に介装され
た環状のスペーサ44とを有している。
【0014】図示の実施例に於ては、ストッパ部材24
はロッドエンド部材12の上端の円筒部に嵌合により固
定されており、円筒体26の一端はストッパ部材24の
上端の円筒部に嵌合し溶接によりストッパ部材に固定さ
れている。また図1には詳細には示されていないが、各
ステータ磁極部材は軸線14に垂直に軸線の周りに環状
に延在するフランジ状部分と該フランジ状部分より軸線
に沿って延在し互いに周方向に隔置された複数個のステ
ータ極歯とよりなっている。
【0015】図2に示されている如く、ロータ22はロ
ータコア46を含み、ロータコア46は軸線14に沿っ
て互いに隔置された軸受48及び50により軸線14の
周りに回転可能に支持されている。軸受48はストッパ
24に担持されており、軸受50は円筒体26の上端に
溶接により固定されたガイド部材52の中央突部52a
に担持されている。ロータコア46の外周面にはそれぞ
れステータ磁極部材28及び30、32及び34に整合
して周方向に互いに隔置され且二列にて配列された複数
個の永久磁石54及び56が固定されており、各永久磁
石の径方向外周面は円筒体26の内周面より僅かに径方
向内方へ隔置されており、これによりロータ22はコイ
ル40及び42に電流が通電されると後述の如く軸線1
4の周りに所定の角度回転され位置決めされるようにな
っている。
【0016】図2及び図3に示されている如く、ストッ
パ部材24は径方向内方へ突出し軸線14に沿って延在
する実質的に平断面扇形の板状の固定ストッパ24aを
有している。同様に図2及び図4に示されている如く、
ロータコア46は下端より下方へ突出し軸線14に対し
半径方向に延在する実質的に平断面扇形の板状のストッ
パ46aを有している。これらのストッパは後に詳細に
説明する如く、互いに共働してステータ組立体20に対
するロータ22の軸線14の周りの初期位置を郭定する
と共に、ロータ22が所定の最大回転角度以上回転する
ことを防止するようになっている。
【0017】図2に示されている如く、ロータコア46
内にはボールねじ装置58が配置されている。ボールね
じ装置58は軸線14に沿って延在し外周面に複数個の
ボール60を受入れる螺旋溝を有するボールねじシャフ
ト62と、外周面にてロータコア46の内周面に固定さ
れ内周面に複数個のボール60を受入れる螺旋溝を有す
るアウタレース部材64とを有している。シャフト62
はその上端に断面矩形の突起62aを一体に有し、該突
起はガイド部材52の中央突部52aに設けられた断面
矩形の孔66に軸線14に沿って往復動可能に嵌入して
おり、これによりロータコア46が回転するとその回転
方向に応じてシャフト62が回転することなく軸線14
に沿って図にて上方又は下方へ移動するようになってい
る。
【0018】シャフト62はその下端より軸線14に沿
って下方へ延在する小径部62bを一体に有し、該小径
部にはピストン及びロッドエンド部材12に設けられた
図には示されていないバイパス通路の実効通路断面積を
制御する減衰力制御弁の弁要素68が連結されている。
かくしてロータ22が軸線14の周りに回転すると、そ
の回転運動がボールねじ装置58によりシャフト62の
軸線14に沿う往復運動に変換され、これにより弁要素
68が駆動されて減衰力が増減されるようになってい
る。
【0019】尚ピストンに設けられた減衰力発生弁及び
減衰力制御弁は本発明の要旨をなすものではないので、
それらの詳細な説明を省略するが、必要ならば例えば本
願出願人と同一の出願人の出願にかかる特願平3−24
8276号又は特願平3−253066号の明細書及び
図面を参照されたい。
【0020】図5に解図的に示されている如く、ロータ
コア46のストッパ46aがストッパ部材24の固定ス
トッパ24aの一方の側面に当接するステップをステッ
プ0とし、ストッパ46aがストッパ24aの他方の側
面に当接する仮想のステップをステップ17とすると、
図示の実施例のステップモータ18はそのコイル40及
び42に通電されていないときにはステップ0〜17の
何れかに於て停止し、ショックアブソーバの通常の作動
時にはステップ1〜16の何れかに位置決めされ、ステ
ップの増大につれて減衰力が漸次増大するようになって
いる。
【0021】図2には示されていないが、ステップモー
タ18のコイル40、42はそれぞれコイルA及び
A′、コイルB及びB′よりなっており、ステップモー
タは何れの一つのコイルに通電されるかに応じて下記の
表1に示されたステップ(1相励磁による停止位置)に
位置決めされ停止され、何れの二つのコイルに通電され
るかに応じて下記の表2に示されたステップ(2相励磁
による回転位置)に回動され位置決めされるようになっ
ている。
【0022】
【表1】
【表2】 励磁されるコイル ステップモータのステップ A及びB′ 0.5 4.5 8.5 12.5 16.5 A及びB 1.5 5.5 9.5 13.5 A′及びB 2.5 6.5 10.5 14.5 A′及びB′ 3.5 7.5 11.5 15.5
【0023】上述の如く構成されたステップモータは、
図示の実施例に於ては、車速Vを検出する車速センサ7
0、操舵角θを検出する操舵角センサ72、車体の上下
加速度Gを検出する加速度センサ74、ショックアブソ
ーバの減衰力を増大又は低減すべく車輌の乗員により操
作される減衰力調整スイッチ(SW)76よりの信号に
基き、本発明の制御装置の一つの実施例である図6に示
された電子制御装置82によって後述の如く各輪同時に
制御されるようになっている。
【0024】電子制御装置82は図6に示されている如
く、マイクロコンピュータ84を有している。マイクロ
コンピュータ84は図6に示されている如き一般的な構
成のものであってよく、中央処理ユニット(CPU)8
6と、リードオンリメモリ(ROM)88と、ランダム
アクセスメモリ(RAM)90と、図には示されていな
い電源によりバックアップされたRAM91と、入力ポ
ート装置92と、出力ポート装置94とを有し、これら
は双方向性のコモンバス96により互いに接続されてい
る。
【0025】入力ポート装置92には車速センサ70に
より検出された車速Vを示す信号、操舵角センサ72に
より検出された操舵角θを示す信号、加速度センサ74
により検出された車体の上下加速度Gを示す信号、減衰
力調整スイッチ76より減衰力の増大又は低減指令を示
す信号が入力されるようになっている。
【0026】入力ポート装置92はそれに入力された信
号を適宜に処理し、ROM88に記憶されているプログ
ラムに基くCPU86の指示に従い、CPU及びRAM
90、91へ処理された信号を出力するようになってい
る。ROM88は図7乃至図13に示された制御プログ
ラム及び図14〜図16に示されたグラフに対応するマ
ップを記憶している。CPU86は図7乃至図13に示
された制御プログラムに基き後述の如く種々の演算及び
信号の処理を行うようになっている。出力ポート装置9
4はCPU86の指示に従い、図6には一組しか図示さ
れていないが駆動回路98を経て各ショックアブソーバ
100の減衰力制御弁102を駆動するステップモータ
18のコイルへ制御信号を出力するようになっている。
【0027】次に図7に示されたフローチャートを参照
して図示の実施例に於ける減衰力制御のメインルーチン
について説明する。尚図7に示されたルーチンは図には
示されていないイグニッションスイッチの閉成により開
始される。また図7に示されたフローチャートに於て、
フラグFi はステップモータの初期設定が行われている
途上にあるか否かに関するものであり、1は初期設定が
行われている途上にあることを示している。
【0028】まず最初のステップ110に於ては車輌の
走行開始時のステップモータの初期設定、即ちステップ
モータに対する指令ステップとステップモータの実際の
ステップとを一致させる処理が行われる。尚このステッ
プモータの初期設定自体は本発明の要旨をなすものでは
ないのでその詳細な説明を省略するが、この初期設定の
詳細については例えば本願出願人と同一の出願人の出願
にかかる特願平4−(整理番号AT−4841)号、特
に図7のステップ110〜180を参照されたい。
【0029】ステップ120に於てはフラグFi が0で
あるか否かの判別が行われ、Fi =0ではない旨の判別
が行われたときにはステップ120が繰返し実行され、
Fi=0である旨の判別が行われたときにはステップ1
30に於てアンチロール及びアンチバウンシングのため
に加算されるステップ数の最大値Ssmaxが演算され、ス
テップ140に於てはステップモータの瞬時目標ステッ
プSaiが車速に応じたベースステップSb とステップ1
30に於て演算された加算ステップ数の最大値Ssmaxと
の合計に設定され、しかる後ステップ120へ戻る。
【0030】アンチロールのための加算ステップ数Ssr
及びアンチバウンシングのための加算ステップ数Ssb、
ベースステップSb はそれぞれ図8及び図9に示された
ルーチンに従って演算される。尚図8及び図9に示され
たルーチンはそれぞれ例えば4ms、8ms毎に割込みによ
り実行される。
【0031】図8に示されている如く、加算ステップ数
Ssr及びSsbの演算ルーチンに於ては、ステップ300
に於て車速V及び操舵角θの読込みが行われ、ステップ
310に於てはこれらの値に基き図14に示されたグラ
フに対応するマップよりアンチロールのための加算ステ
ップ数Ssrが演算される。またステップ320に於て車
速V及び車体の上下加速度Gの読込みが行われ、ステッ
プ330に於てはこれらの値に基き図15に示されたグ
ラフに対応するマップよりアンチバウンシングのための
加算ステップ数Ssbが演算される。
【0032】図9に示された車速感応ベースステップS
b の演算ルーチンに於ては、ステップ400に於て車速
Vの読込みが行われ、ステップ410に於ては車速V及
び後述の図12及び図13に示された増減ステップ数演
算ルーチンに於て演算される増減ステップ数MBs に基
き図16に示されたグラフに対応するマップより車速感
応ベースステップSb が演算される。
【0033】ステップ420に於ては操舵角の絶対値|
θ|が例えば20°の如き基準値θe (正の定数)以上
であるか否かの判別が行われ、|θ|≧θe ではない旨
の判別が行われたときにはステップ450へ進み、|θ
|≧θe である旨の判別が行われたときにはステップ4
30へ進む。ステップ430に於ては、ロールの頻度に
関するカウンタのカウント値Ar が例えば75000の
如き基準値Are(正の定数)以上であるか否かの判別が
行われ、Ar ≧Areである旨の判別が行われたときには
そのままステップ450へ進み、Ar ≧Areではない旨
の判別が行われたときにはステップ440に於てカウン
ト値Ar が4インクリメントされた後ステップ450へ
進む。
【0034】ステップ450に於ては車体の上下加速度
Gの絶対値が例えば0.1gの如き基準値Ge (正の定
数)以上であるか否かの判別が行われ、|G|≧Ge で
はない旨の判別が行われたときにはステップ480へ進
み、|G|≧Ge である旨の判別が行われたときにはス
テップ460へ進む。ステップ460に於ては、バウン
シングの頻度に関するカウンタのカウント値Ab が例え
ば75000の如き基準値Abe(正の定数)以上である
か否かの判別が行われ、Ab ≧Abeである旨の判別が行
われたときにはそのままステップ480へ進み、Ab ≧
Abeではない旨の判別が行われたときにはステップ47
0に於てカウント値Ab が20インクリメントされた後
ステップ480へ進む。
【0035】ステップ480に於ては目標ステップSa
が瞬時目標ステップSaiと同一であるか否かの判別が行
われ、Sa =Saiである旨の判別が行われたときにはス
テップ400へ戻り、Sa =Saiではない旨の判別が行
われたときにはステップ490に於て目標ステップSa
が瞬時目標ステップSaiに設定され、しかる後ステップ
500に於て図11に示されたモータ駆動ルーチンへジ
ャンプする。
【0036】次に図10に示されたフローチャートを参
照して図示の実施例に於けるカウンタ調整ルーチンにつ
いて説明する。尚図10に示されたルーチンは例えば6
4ms毎に割込みにて実行される。
【0037】まずステップ600に於ては、カウント値
Ar が3以下であるか否かの判別が行われ、Ar ≦3で
はない旨の判別が行われたときにはステップ610に於
てAr が3デクリメントされ、Ar ≦3である旨の判別
が行われたときにはステップ615に於てカウント値A
r が0にリセットされる。
【0038】同様にステップ620に於ては、カウント
値Ab が2以下であるか否かの判別が行われ、Ab ≦2
ではない旨の判別が行われたときにはステップ630に
於てAb が2デクリメントされ、Ab ≦2である旨の判
別が行われたときにはステップ635に於てカウント値
Ab が0にリセットされる。
【0039】ステップ640に於ては車速Vが例えば3
0km/h の如き第一の基準値Ve (正の定数)以上であ
るか否かの判別が行われ、V≧Ve である旨の判別が行
われたときにはステップ670へ進み、V≧Ve ではな
い旨の判別が行われたときにはステップ650へ進む。
ステップ650に於ては、車速Vが例えば車速センサ7
0により検出可能な6km/h の如き第二の基準値Vo 以
下であるか否かの判別が行われ、V≦Vo ではない旨の
判別が行われたときにはステップ600へ戻り、V≦V
o である旨の判別が行われたときにはステップ660に
於てカウント値Ar 及びAb が0にリセットされると共
にカウント値Bs が50にリセットされる。
【0040】またステップ670に於てはカウント値B
s が例えば5000の如き基準値Bse(正の定数)以上
であるか否かの判別が行われ、Bs ≧Bsbである旨の判
別が行われたときにはステップ600へ戻り、Bs ≧B
sbではない旨の判別が行われたときにはステップ680
に於てカウント値Bs が1インクリメントされる。
【0041】次に図11に示されたフローチャートを参
照して図示の実施例に於けるモータ駆動ルーチンについ
て説明する。尚図11に示されたルーチンは例えば2.
5ms毎に割込みにて実行される。
【0042】まずステップ700に於ては、ステップモ
ータの現在のステップSn が目標ステップSa と同一で
あるか否かの判別が行われ、Sn =Sa ではない旨の判
別が行われたときにはステップ710に於て現在のステ
ップSn が目標ステップSaよりも大きいか否かの判別
が行われる。ステップ710に於てSn >Sa ではない
旨の判別が行われたときにはステップ720に於て現在
のステップSn が整数であるか否かの判別が行われ、S
n が整数である旨の判別が行われたときにはステップ7
50へ進む。
【0043】ステップ720に於て現在のステップSn
が整数ではない旨の判別が行われたときにはステップ7
30に於てSn が目標ステップSa −0.5であるか否
かの判別が行われ、Sn =Sa −0.5ではない旨の判
別が行われたときにはステップ740に於て現在のステ
ップSn がSn +1にセットされ、Sn =Sa −0.5
である旨の判別が行われたときにはステップ750に於
て現在のステップSnがSn +0.5にセットされる。
【0044】ステップ710に於てSn >Sa である旨
の判別が行われたときにはステップ760に於て現在の
ステップSn が整数であるか否かの判別が行われ、Sn
が整数である旨の判別が行われたときにはステップ78
0へ進む。ステップ760に於て現在のステップSn が
整数ではない旨の判別が行われたときにはステップ77
0に於てSn が目標ステップSa +0.5であるか否か
の判別が行われ、Sn=Sa +0.5ではない旨の判別
が行われたときにはステップ790に於て現在のステッ
プSn がSn −1にセットされ、Sn =Sa +0.5で
ある旨の判別が行われたときにはステップ780に於て
現在のステップSn がSn −0.5にセットされる。
【0045】ステップ800に於てはステップ740、
750、780又は790に於て演算された現在のステ
ップSn に基き上述の表1又は表2に示された励磁パタ
ーンにてステップモータのコイル40若しくは42が励
磁される。ステップ810に於てはフラグFi が1であ
るか否かの判別が行われ、Fi =1である旨の判別が行
われたときにはステップ850に於てステップ700へ
戻るまでの時間が例えば20msの如きTinitにセットさ
れ、しかる後ステップ700へ戻る。
【0046】ステップ810に於てFi =1ではない旨
の判別が行われたときにはステップ820に於て現在の
ステップSn が目標ステップSa と同一であるか否かの
判別が行われ、Sn =Sa ではない旨の判別が行われた
ときにはステップ830に於てステップ700へ戻るま
での時間が例えば2.5msの如きTrun にセットされ、
Sn =Sa である旨の判別が行われたときにはステップ
840に於てステップ700へ戻るまでの時間が例えは
15msの如きTholdにセットされる。
【0047】ステップ700に於てSn =Sa である旨
の判別が行われたときにはステップ860に於てステッ
プモータの各コイルへの通電が停止され、ステップ87
0に於てフラグFi が0にリセットされ、しかる後ステ
ップ700へ戻る。
【0048】次に図12及び図13に示されたフローチ
ャートを参照して図示の実施例に於ける増減ステップ数
演算ルーチンについて説明する。尚このルーチンは減衰
力調整スイッチ76が減衰力増大方向又は低減方向へ操
作されたときに割込みにて実行される。
【0049】まずステップ900に於ては、減衰力調整
スイッチ76が減衰力増大方向に操作されたか否かの判
別が行われ、操作が減衰力増大方向である旨の判別が行
われたときにはステップ910に於てフラグKが1にセ
ットされ、操作が減衰力低減方向である旨の判別が行わ
れたときにはフラグKが0にリセットされる。
【0050】ステップ930に於てはカウント値Ar が
カウント値Ab よりも大きいか否かの判別が行われ、A
r >Ab である旨の判別が行われたときにはステップ9
50へ進み、Ar >Ab ではない旨の判別が行われたと
きにはステップ940へ進む。ステップ940に於ては
カウント値Ab がカウント値Bs よりも大きいか否かの
判別が行われ、Ab >Bs である旨の判別が行われたと
きにはステップ1030へ進み、Ab >Bs ではない旨
の判別が行われたときにはステップ1100へ進む。ス
テップ950に於てはカウント値Ar がカウント値Bs
よりも大きいか否かの判別が行われ、Ar >Bs ではな
い旨の判別が行われたときにはステップ1100へ進
み、Ar >Bs である旨の判別が行われたときにはステ
ップ960へ進む。
【0051】ステップ960に於ては、フラグKが1で
あるか否かの判別が行われ、K=1ではない旨の判別が
行われたときにはステップ1000へ進み、K=1であ
る旨の判別が行われたときにはステップ970へ進む。
ステップ970に於ては増減ステップ数MAr が7以上
であるか否かの判別が行われ、MAr ≧7である旨の判
別が行われたときにはステップ980に於てMAr が7
にセットされた後ステップ1170に於てカウント値A
r 及びAb が0にリセットされると共にカウント値Bs
が50にリセットされ、MAr ≧7ではない旨の判別が
行われたときにはステップ990に於てMAr が1イン
クリメントされた後ステップ1170へ進む。
【0052】1000に於てはMAr が1以下であるか
否かの判別が行われ、MAr ≦1ではない旨の判別が行
われたときにはステップ1010に於てMAr が1デク
リメントされた後ステップ1170へ進み、MAr ≦1
である旨の判別が行われたときにはステップ1020に
於てMAr が1にセットされた後ステップ1170へ進
む。
【0053】かくしてステップ960〜1020に於て
はアンチロールのための増減ステップ数MAr が車輌の
走行状態に応じて適宜に設定される。
【0054】またステップ1030〜1090に於ては
アンチバウンシングのための増減ステップ数MAb につ
いてステップ960〜1020と同様のステップが実行
されることにより、アンチバウンシングのための増減ス
テップ数MAb が車輌の走行状態に応じて適宜に設定さ
れる。
【0055】同様にステップ1100〜1160に於て
は車速に応じたベースステップ数MBs についてステッ
プ960〜1020と同様のステップが実行されること
により、車速に応じたベースステップ数MBs が車輌の
走行状態に応じて適宜に設定される。
【0056】かくして上述の実施例によれば、図9に示
されたルーチンに於けるステップ420〜440に於て
操舵角の絶対値が基準値以上になる頻度Ar が演算さ
れ、ステップ450〜470に於て上下加速度の絶対値
が基準値以上になる頻度Ab が演算され、図10に示さ
れたルーチンのステップ640、670、680に於て
車速が基準値以上になる頻度Bs が演算され、またステ
ップ600〜635及び650、660に於てこれらの
頻度が適宜に調整される。
【0057】そして車輌の乗員により減衰力調整スイッ
チ76が操作されると、図12に示されたルーチンのス
テップ900に於て操作が減衰力増大方向であるか否か
の判別が行われると共に、ステップ930〜950に於
て各頻度Ar 、Ab 、Bs の関係が判別され、これらの
判別結果に基きステップ960〜1020に於てアンチ
ロールのための増減ステップ数MAr が適宜に設定さ
れ、ステップ1030〜1090に於てアンチバウンシ
ングのための増減ステップ数MAb が適宜に設定され、
ステップ1100〜1160に於て車速に応じたベース
ステップ数MBsが適宜に設定される。
【0058】従って減衰力調整スイッチ76の調整方向
及び各頻度より推定されるそれまでの走行状態より、車
輌の乗員がスイッチの操作によって車輌の乗心地性を向
上させようとしているのか、乗心地性を悪化させること
なく車体のロールをより一層効果的に低減しようとして
いるのか、或いは車輌の乗心地性を犠牲にすることなく
車体のバウンシングをより一層効果的に低減しようとし
ているのかが判別され、その判別結果に応じてショック
アブソーバの減衰力が適宜に増減制御される。
【0059】例えば図17に示されている如く車輌が市
街地及び郊外を走行する場合には、カウント値Ar 及び
Ab の何れもカウント値Bs よりも小さくなるので、ス
テップ930に於ける判別に拘らずステップ940及び
950に於てノーの判別が行われ、これによりステップ
1100〜1160に於て車速に応じたベースステップ
数MBs がスイッチ76の操作方向に応じて適宜に増減
される。
【0060】また車輌が山岳路を走行する場合にはカウ
ント値Ar がカウント値Ab 及びBs よりも大きくなる
ので、ステップ950に於てイエスの判別が行われ、ス
テップ960〜14020に於てアンチロールのための
増減ステップ数MAr がスイッチ76の操作方向に応じ
て適宜に増減される。
【0061】更に車輌が悪路を走行する場合にはカウン
ト値Ab がカウント値Ar 及びBsよりも大きくなるの
で、ステップ930に於てノーの判別が行われると共に
ステップ940に於てイエスの判別が行われ、ステップ
1030〜1090に於てアンチバウンシングのため増
減ステップ数MAb がスイッチ76の操作方向に応じて
適宜に増減される。
【0062】また上述の実施例によれば、図11のステ
ップ830〜850に於てステップモータが回転駆動さ
れる時間間隔がショックアブソーバの減衰力制御時には
短く、ステップモータの初期設定時には長く、ステップ
モータの回転停止時には比較的長くなるよう可変設定さ
れるので、ショックアブソーバの減衰力を応答性よく制
御することができ、ステップモータの初期設定時にロー
タのストッパが固定ストッパに激しく衝当することを回
避してステップモータの耐久性を向上させることがで
き、更にはステップモータを確実に目標ステップに割出
しし停止させることができる。
【0063】以上に於ては本発明を特定の実施例につい
て詳細に説明したが、本発明はかかる実施例に限定され
るものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施例
が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
【0064】
【発明の効果】以上の説明より明らかである如く、本発
明によれば、第一の演算手段M5により車速がその所定
値以上になる頻度が演算され、第二の演算手段M6によ
り状態量がその所定値以上になる頻度が演算され、制御
手段M1により状態量の頻度が車速の頻度よりも高い状
況に於てスイッチ手段が減衰力増大方向に操作されたと
きには状態量に基く制御量が増大され、車速の頻度が状
態量の頻度よりも高い状況に於てスイッチ手段が減衰力
低減方向に操作されたときには車速に基く制御量が低減
されるので、減衰力制御装置に減衰力の制御パターンに
応じて多数のスイッチを設けなくても、例えば車速に応
じた減衰力の制御については乗り心地性を重視し状態量
に応じた減衰力の制御については操縦安定性を重視した
いという様な減衰力に関する乗員の種々の要望に答える
ことができ、これにより減衰力を車輌の乗員の好みに応
じてより一層適切に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるステップモータ制御装置の構成を
特許請求の範囲の記載に対応させて示す説明図である。
【図2】ショックアブソーバのピストンロッドに内蔵さ
れ本発明の制御装置によって制御されることにより減衰
力制御弁を駆動するステップモータの一例を示す縦断面
図である。
【図3】図2に示されたストッパ部材を示す拡大平面図
である。
【図4】図2に示されたロータコアを示す拡大底面図で
ある。
【図5】ステップモータのストッパの位置とステップ
(回転位置)との間の関係を示す解図である。
【図6】本発明による減衰力制御装置の一つの実施例と
しての電子制御装置を示すブロック線図である。
【図7】本発明による減衰力制御装置の一つの実施例に
於ける減衰力制御のメインルーチンを示すフローチャー
トである。
【図8】アンチロール及びアンチバウンシングのための
加算ステップ数演算ルーチンを示すフローチャートであ
る。
【図9】車速に応じたベースステップ数演算ルーチンを
示すフローチャートである。
【図10】カウンタ調整ルーチンを示すフローチャート
である。
【図11】ステップモータ駆動ルーチンを示すフローチ
ャートである。
【図12】増減ステップ数演算ルーチンの一部を示すフ
ローチャートである。
【図13】増減ステップ数演算ルーチンの残りの部分を
示すフローチャートである。
【図14】車速Vと操舵角の絶対値|θ|とアンチロー
ルのための加算ステップ数との関係を示すグラフであ
る。
【図15】車速Vと上下加速度の絶対値|G|とアンチ
バウンシングのための加算ステップ数との関係を示すグ
ラフである。
【図16】車速Vとベースステップと設定モードとの関
係を示すグラフである。
【図17】カウンタのカウント値の変化の一例を示すタ
イムチャートである。
【符号の説明】
10…ピストンロッド 18…ステップモータ 20…ステータ組立体 22…ロータ 40、42…コイル 58…ボールねじ装置 68…弁要素 82…電子制御装置 84…マイクロコンピュータ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少くとも車速及び車体の姿勢変化をきたす
    状態量が高いほど減衰力が高くなるよう車速に基く制御
    量及び状態量に基く制御量に応じて減衰力を多段階又は
    連続的に制御する制御手段と、減衰力を増大又は低減す
    べく車輌の乗員により操作されるスイッチ手段とを有す
    る減衰力可変式ショックアブソーバの減衰力制御装置に
    して、車速検出手段と、車体の姿勢変化をきたす状態量
    を検出する状態量検出手段と、車速がその所定値以上に
    なる頻度を演算する第一の演算手段と、状態量がその所
    定値以上になる頻度を演算する第二の演算手段とを有
    し、前記制御手段は前記状態量の頻度が前記車速の頻度
    よりも高い状況に於て前記スイッチ手段が減衰力増大方
    向に操作されたときには前記状態量に基く制御量を増大
    し、前記車速の頻度が前記状態量の頻度よりも高い状況
    に於て前記スイッチ手段が減衰力低減方向に操作された
    ときには前記車速に基く制御量を低減するよう構成され
    ていることを特徴とする減衰力可変式ショックアブソー
    バの減衰力制御装置。
JP24740692A 1992-08-24 1992-08-24 減衰力可変式ショックアブソーバの減衰力制御装置 Pending JPH0664432A (ja)

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