JPH06135215A - 減衰力可変式ショックアブソーバのステップモータ制御装置 - Google Patents

減衰力可変式ショックアブソーバのステップモータ制御装置

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JPH06135215A
JPH06135215A JP4311199A JP31119992A JPH06135215A JP H06135215 A JPH06135215 A JP H06135215A JP 4311199 A JP4311199 A JP 4311199A JP 31119992 A JP31119992 A JP 31119992A JP H06135215 A JPH06135215 A JP H06135215A
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JP
Japan
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rotor
step motor
damping force
shock absorber
stopper
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Application number
JP4311199A
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English (en)
Inventor
Takaaki Enomoto
高明 榎本
Masayuki Kawamoto
雅之 川本
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Filing date
Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 減衰力可変式ショックアブソーバの減衰力制
御弁を駆動するステップモータの初期設定時に於ける異
音発生の虞れを低減する。 【構成】 4以上の停止ステップ位置を有しロータのス
トッパが固定ストッパに当接することによりロータがそ
の回動範囲を越えて回動することが阻止されるよう構成
されたステップモータM0により減衰力制御弁CVが駆
動される減衰力可変式ショックアブソーバのステップモ
ータ制御装置。車速検出装置M1により車速が所定値に
なったことが検出されると、初期設定装置M2によりロ
ータを一回動方向の限界停止ステップ位置又は限界停止
ステップ位置より一段階他回動方向の停止ステップ位置
へ回動させる指令信号をステップモータへ出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、減衰力可変式ショック
アブソーバに係り、更に詳細には減衰力可変式ショック
アブソーバのステップモータ制御装置に係る。
【0002】
【従来の技術】減衰力を増減制御する減衰力制御弁がア
クチュエータとしてのステップモータにより駆動される
よう構成された減衰力可変式ショックアブソーバは従来
よりよく知られており、かかるショックアブソーバに於
てはステップモータの回転位置を検出するエンコーダ等
を組込むことがスペース的にもコスト的にも困難である
ため、ステップモータの回転位置は一般にオープンルー
プ式に制御されるようになっている。ステップモータの
回転位置がオープンループ式に制御される場合に於て
は、車輌の悪路走行時や寒冷時の如くステップモータに
対する負荷が過大になるとステップモータへの指令ステ
ップ位置と実際のステップ位置とが一致しなくなる所謂
脱調が生じることがある。
【0003】かかる脱調に対処するステップモータ制御
装置の一つとして、例えば実開昭62−15007号公
報に記載されている如く、イグニッションスイッチの閉
成時等に於てロータのストッパが固定ストッパに当接す
るまでロータを回転させることによりステップモータに
対する指令ステップ位置と実際のステップ位置とを一致
させる初期設定(原点復帰とも呼ばれる)を行うよう構
成された制御装置が従来より知られている。
【0004】かかるステップモータ制御装置によれば、
車輌が実際に走行を開始する直前等の段階に於てステッ
プモータの初期設定が行われるので、ステップモータの
初期設定が全く行われない場合に比して、ステップモー
タが脱調した状態のままショックアブソーバの減衰力が
制御される虞れを低減し、ショックアブソーバの減衰力
を正確に所望の減衰力に制御することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし上述の如きステ
ップモータ制御装置に於ては、ロータのストッパが必ず
固定ストッパに当接する回動範囲に亘りステップモータ
を回動させることにより初期設定が行われるので、初期
設定の度毎にロータのストッパが固定ストッパに衝当
し、そのため車輌の乗員が不自然な音として感じる異音
が発生するという問題がある。
【0006】本発明は、従来のステップモータ制御装置
に於ける上述の如き問題に鑑み、ステップモータが脱調
していないときには初期設定が行われてもロータのスト
ッパが固定ストッパに衝当せず、ステップモータの初期
設定時に於ける異音の発生を低減することができるよう
改良されたステップモータ制御装置を提供することを目
的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の如き目的は、本発
明によれば、図1に示されている如く、ロータがステー
タとの間に作用する磁気的引力若しくは斥力により4以
上の停止ステップ位置に割り出され前記ロータのストッ
パが固定ストッパに当接することにより前記ロータがそ
の回動範囲を越えて回動することが阻止されるよう構成
されたステップモータM0により減衰力制御弁CVが駆
動される減衰力可変式ショックアブソーバSのステップ
モータ制御装置にして、車速検出手段M1と、車速が所
定値になると前記ロータを一回動方向の限界停止ステッ
プ位置又は前記限界停止ステップ位置より一段階他回動
方向の停止ステップ位置へ回動させる指令信号を前記ス
テップモータへ出力する初期設定手段M2とを有するス
テップモータ制御装置によって達成される。
【0008】
【作用】上述の如き構成によれば、車速検出手段M1に
より車速が検出され、車速が所定値になると初期設定手
段M2によりロータを一回動方向の限界停止ステップ位
置又は限界停止ステップ位置より一段階他回動方向の停
止ステップ位置へ回動させる指令信号がステップモータ
M0へ出力される。
【0009】ステップモータに脱調が生じていない場合
には、初期設定手段M2よりステップモータへ指令信号
が出力されると、ロータは指令信号に応じて一回動方向
の限界停止ステップ位置又は限界停止ステップ位置より
一段階他回動方向の停止ステップ位置へ回動されるが、
その回動範囲を越えて回動することはなく、従ってロー
タのストッパが固定ストッパに衝当せず、異音も発生し
ない。
【0010】またステップモータが一回動方向又は逆方
向に一段階ずれる脱調を生じても、ショックアブソーバ
の通常の減衰力制御に於てロータとステータとの間に発
生される磁気的引力及び斥力によりロータはその本来あ
るべき停止ステップ位置に割り出され、これにより脱調
が解消される。従ってこの場合にも異音は全く発生しな
い。
【0011】またステップモータが一回動方向に二段階
以上ずれる脱調を生じた場合に於てはショックアブソー
バの通常の減衰力制御によりロータがその回動範囲を越
えて一回動方向へ回動付勢されロータのストッパが固定
ストッパに衝当し異音が発生する場合もあるが、かかる
場合にも初期設定手段M2よりステップモータへ指令信
号が出力されると、指令信号がロータを限界停止ステッ
プ位置へ回動させる指令信号である場合にはロータが一
回動方向の限界停止ステップ位置に割り出されることに
よりステップモータの脱調がその段階に於て解消され、
指令信号がロータを限界停止ステップ位置より一段階他
回動方向の停止ステップ位置へ回動させる指令信号であ
る場合にはロータが限界停止ステップ位置より一段階他
回動方向の停止ステップ位置に割り出されて脱調が解消
される。従ってこの場合にも初期設定時には異音は全く
発生しない。
【0012】尚ロータが他回動方向に二段階以上ずれる
ことによりステップモータが脱調を生じた場合には、シ
ョックアブソーバの通常の減衰力制御に於てロータを他
回動方向の限界停止ステップ位置又はその限界停止ステ
ップ位置より一段階一回動方向の停止ステップ位置へ回
動させる指令信号がステップモータへ出力されることに
より、上述のロータが一回動方向に二段階以上ずれる脱
調を生じた場合と同様の要領にて脱調が解消される。
【0013】
【実施例】以下に添付の図を参照しつつ、本発明を実施
例について詳細に説明する。
【0014】図2は本発明の制御装置により制御される
ステップモータがピストンロッドの上端に連結されたシ
ョックアブソーバの一例を示す縦断面図である。
【0015】図2に於て、10は一般的な構成の減衰力
可変式のショックアブソーバを全体的に示しており、シ
ョックアブソーバ10は内筒及び外筒よりなるシリンダ
12と内筒に往復動可能に嵌合するピストン14とを有
している。図示の実施例に於ては、ピストン14内には
減衰力を増減制御する減衰力制御弁16が設けられてお
り、ピストン14のロッド部内にはその長手方向に沿っ
てコントロールシャフト18が挿通されており、減衰力
制御弁16はその弁要素がシャフト18を介してアクチ
ュエータとしてのステップモータ20によって回転駆動
されることにより減衰力(減衰係数)をソフト、セミソ
フト、ミディアム、セミハード、ハードの5段階に増減
制御するようになっている。
【0016】ステップモータ20は、車速センサ22に
より検出される車速V、車室内に設けられ車輌の乗員に
より操作されるモード選択スイッチ(SW)24により
設定された制御モードがソフト又はセミソフトをベース
とするノーマルオート又はミディアムをベースとするス
ポーツオートの何れであるか、及び操舵角センサの如き
他の種々のセンサ26により検出される状態量に応じて
電子制御装置28により制御され、これにより減衰力制
御弁16が車輌の走行状態に応じて制御され減衰力が増
減制御されることにより、車輌の良好な乗り心地性が確
保されると共に旋回時や加減速時等に於ける車体の姿勢
変化が抑制されるようになっている。
【0017】尚ショックアブソーバの構造自体は本発明
の要旨をなすものではなく、また当技術分野に於てよく
知られているので、これ以上の詳細な説明を省略する
が、必要ならば例えば本願出願人と同一の出願人の出願
にかかる特願平3−248276号明細書及び図面等を
参照されたい。
【0018】図3は図2に示されたステップモータを示
す拡大縦断面図、図4は図3に示されたキャップハウジ
ングを示す底面図、図5は図4の線V−Vに沿うキャッ
プハウジングの断面図、図6は図3に示されたロータを
示す縦断面図、図7はロータの平面図である。
【0019】これらの図に於て、30及び32は互いに
圧入固定され内部にステップモータ20を収容するベー
スハウジング及びキャップハウジングを示している。キ
ャップハウジング32はそのフランジ部にて図には示さ
れていない車体にボルトによって固定されるようになっ
ている。またキャップハウジング32の天井壁にはシャ
フト34がその根元部にて埋設されることにより固定さ
れており、シャフト34は軸線36に沿って図にて下方
へ延在している。
【0020】シャフト34にはロータ38が軸線36の
周りに回転可能に嵌合している。ロータ38は一体的に
鋳包み成形された円筒形の永久磁石40を有し、永久磁
石40は図示の実施例に於ては軸線36の周りの60°
の区画毎に異なる磁極に着磁されている。ロータ38の
下端には連結シャフト42がピン44により連結されて
おり、連結シャフト42には図3には示されていないが
ショックアブソーバのコントロールシャフト18の上端
が圧入式に挿入されており、これにより軸線36の周り
のロータ38の回転が連結シャフト42を介してコント
ロールシャフトへ伝達されるようになっている。
【0021】ロータ38の周りには軸線36の周りに9
0°隔置された位置に四つのステータ46が配置されて
いる。各ステータ46は積層鋼板よりなるコア46Xと
該コアの周りに巻回されたコイル46Yとよりなってお
り、コアの径方向内端が永久磁石40の外周面より僅か
に外方へ隔置された状態にてベースハウジング30及び
キャップハウジング32により固定されている。
【0022】図示の実施例に於ては、キャップハウジン
グ32の天井壁の内面には軸線36の周りに延在する円
弧状の突起32Aが設けられており、突起32Aには同
じく軸線36の周りに円弧状に延在するゴム製の固定ス
トッパ48が圧入により固定されている。また図6及び
図7に示されている如く、ロータ38の上面には軸線3
6に沿って突出する中空突起状のストッパ50が設けら
れている。固定ストッパ48及びストッパ50は後に詳
細に説明する如く互いに共働してロータ38がその回動
範囲を越えて軸線36の周りに回動することを阻止する
ようになっている。
【0023】図8は上述の如く構成されたステップモー
タの五つの停止ステップ位置を示す模式図である。尚図
8に於て図3乃至図7に示された部分に対応する部分に
はこれらの図に於て付された符号と同一の符号が付され
ており、特に互いに対向する二組の一対のステータには
符号46A及び46A′、46B及び46B′が付され
ている。
【0024】図8(a)はステータ46A及び46A′
がそれぞれの内端がN極及びS極になるよう励磁され、
他の一対のステータ46B及び46B′が消磁された状
態、即ちステップモータがショックアブソーバの減衰力
をソフトに制御するステップ1の位置にあることを示し
ている。このステップ1に於ては、ストッパ50は固定
ストッパ48に当接しないが、ロータ38がステータに
より図8(a)で見て反時計廻り方向へ回動付勢される
と、ストッパ50が固定ストッパ48に当接することに
よりかかる回動が阻止される。
【0025】図8(b)はステータ46A及び46A′
が消磁され、他の一対のステータ46B及び46B′が
それぞれの内端がS極及びN極になるよう励磁され、こ
れによりロータ38がステップ1の位置より30°時計
廻り方向へ回動した状態、即ちステップモータがショッ
クアブソーバの減衰力をセミソフトに制御するステップ
2の位置にあることを示している。
【0026】図8(c)はステータ46A及び46A′
がそれぞれの内端がS極及びN極になるよう励磁され、
他の一対のステータ46B及び46B′が消磁され、こ
れによりロータ38がステップ1の位置より60°時計
廻り方向へ回動した状態、即ちステップモータがショッ
クアブソーバの減衰力をミディアムに制御するステップ
3の位置にあることを示している。
【0027】図8(d)はステータ46A及び46A′
が消磁され、他の一対のステータ46B及び46B′が
それぞれの内端がN極及びS極になるよう励磁され、こ
れによりロータ38がステップ1の位置より90°時計
廻り方向へ回動した状態、即ちステップモータがショッ
クアブソーバの減衰力をセミハードに制御するステップ
4の位置にあることを示している。
【0028】図8(e)はステータ46A及び46A′
がそれぞれの内端がN極及びS極になるよう励磁され、
他の一対のステータ46B及び46B′が消磁され、こ
れによりロータ38がステップ1の位置より120°時
計廻り方向へ回動した状態、即ちステップモータがショ
ックアブソーバの減衰力をハードに制御するステップ5
の位置にあることを示している。このステップ5に於て
も、ストッパ50は固定ストッパ48に当接しないが、
ロータ38がステータにより図8(e)で見て時計廻り
方向へ回動付勢されると、ストッパ50が固定ストッパ
48に当接することによりかかる回動が阻止される。
【0029】図9は各ショックアブソーバについてステ
ップモータの各対のステータの励磁及び消磁を上述の如
く制御する電子制御装置28を示すブロック線図であ
る。尚図9に於て右前輪、左前輪、右後輪、左後輪に対
応する各ショックアブソーバのステップモータにはそれ
ぞれ記号fr、fl、rr、rlが付されている。
【0030】図9に示されている如く、電子制御装置2
8はマイクロコンピュータ54を有している。マイクロ
コンピュータ54は図9に示されている如き一般的な構
成のものであってよく、中央処理ユニット(CPU)5
6と、リードオンリメモリ(ROM)58と、ランダム
アクセスメモリ(RAM)60と、入力ポート装置62
と、出力ポート装置64とを有し、これらは双方向性の
コモンバス66により互いに接続されている。
【0031】入力ポート装置62には車速センサ22に
より検出された車速Vを示す信号、モード選択スイッチ
24により設定されたショックアブソーバの制御モード
を示す信号、操舵角センサ等の他のセンサ26により検
出された検出値を示す信号が入力されるようになってい
る。
【0032】入力ポート装置62はそれに入力された信
号を適宜に処理し、ROM58に記憶されているプログ
ラムに基くCPU56の指示に従い、CPU及びRAM
60へ処理された信号を出力するようになっている。R
OM58は図10に示された制御プログラム及び図11
及び図12に示されたグラフに対応するマップを記憶し
ている。CPU56は図10に示された制御プログラム
に基き後述の如く種々の演算及び信号の処理を行うよう
になっている。出力ポート装置64はCPU56の指示
に従い、駆動回路68fr〜68rlを経て対応するショッ
クアブソーバのステップモータ20fr〜20rlのステー
タへ制御信号を出力するようになっている。
【0033】次に図10示されたフローチャートを参照
して図示の実施例に於けるステップモータの制御ルーチ
ンについて説明する。尚図10に示されたルーチンは図
には示されていないイグニッションスイッチの閉成によ
り開始される。また図10に示されたフローチャートに
於て、iはfr、fl、rr、rlであり、それぞれ右前輪、左
前輪、右後輪、左後輪に対応していることを示してい
る。
【0034】まず最初のステップ10に於ては車速セン
サ22により検出された車速Vを示す信号、モード選択
スイッチ24により設定されたショックアブソーバの制
御モードを示す信号、操舵角センサ等の他のセンサ26
により検出された検出値を示す信号の読込みが行われ、
ステップ20に於てはモード選択スイッチ24により設
定されたショックアブソーバの制御モードがノーマルオ
ートであるか否かの判別が行われる。
【0035】ステップ20に於てショックアブソーバの
制御モードがノーマルオートである旨の判別が行われた
ときには、ステップ30に於て各ステップモータのベー
スステップSbiがステップ10に於て読込まれた車速V
に基づき図11のマップA又はBより演算され、ステッ
プ20に於てショックアブソーバの制御モードがスポー
ツオートである旨の判別が行われたときには、ステップ
40に於て各ステップモータのベースステップSbiがス
テップ10に於て読込まれた車速Vに基づき図12のマ
ップC又はDより演算される。
【0036】ステップ50に於ては車速V及び操舵角セ
ンサ等の他のセンサ26により検出された検出値に基づ
き、車輌の乗り心地性を向上させ旋回時や加減速時等に
於ける車体の姿勢変化を抑制するに必要なステップモー
タの増減ステップ数、即ち補正ステップ数Saiが演算さ
れ、ステップ60に於てはステップ30又は40に於て
演算されたベースステップSbiとステップ50に於て演
算された補正ステップ数Saiとの和として各ステップモ
ータの制御ステップSciが演算される。
【0037】尚車速の如き車輌の走行状態に応じて行わ
れるステップモータの補正ステップ数Saiの演算は本発
明の要旨をなすものではなく、任意の態様にて行われて
よいので、これについての詳細な説明を省略するが、必
要ならば例えば本願出願人と同一の出願人の出願にかか
る特開平4−227968号明細書及び図面等を参照さ
れたい。
【0038】ステップ70に於てはステップ60に於て
演算された制御ステップSciが0以下であるか否かの判
別が行われ、Sci≦0である旨の判別が行われたときに
はステップ80に於て制御ステップSciが1にセットさ
れた後ステップ110へ進む。またSci≦0ではない旨
の判別が行われたときにはステップ90に於て制御ステ
ップSciが6以上であるか否かの判別が行われ、Sci≧
6である旨の判別が行われたときにはステップ100に
於て制御ステップSciが5にセットされた後ステップ1
10へ進み、Sci≧6ではない旨の判別が行われたとき
にはそのままステップ110へ進む。
【0039】ステップ110に於てはステップ60に於
て演算された制御ステップSci又はステップ80或いは
100に於てセットされた制御ステップSciに対応する
制御信号が各ステップモータのステータへ出力されるこ
とにより、各ステップモータのステップが制御ステップ
Sciに対応するステップに制御され、これにより各ショ
ックアブソーバの減衰力がステップモータのステップに
対応する減衰力に制御され、しかる後ステップ10へ戻
る。尚この場合現サイクルの制御ステップと前サイクル
の制御ステップとの間に2ステップ以上の差がある場合
には、漸次ステップアップ又はステップダウンされるこ
とにより最終的に現サイクルの制御ステップに制御され
る。
【0040】かくして図示の実施例によれば、ステップ
モータ20のベースステップSbiは車速Vに基づき図1
1に示されたマップA又はB或いは図12に示されたマ
ップC又はDより演算され、車輌が車体の姿勢変化をき
たす走行状態にない場合には補正ステップ数Saiは0に
セットされるので、車速が所定の値になると各ステップ
モータには必ずそのロータ38をステップ1又は2へ割
り出す指令信号が出力される。
【0041】ステップモータに脱調が生じていない状況
に於ては、車速が所定の値になり電子制御装置28より
ステップモータへ指令信号が出力されると、ロータ38
は指令信号に応じて一回動方向の限界停止ステップ位置
であるステップ1又は限界停止ステップ位置より一段階
他回動方向の停止ステップ位置であるステップ2へ回動
される。指令ステップがステップ1又は2の何れの場合
にもロータがその回動範囲を越えて回動することはない
ので、ロータのストッパ50が固定ストッパ48に衝当
せず、従って異音も発生しない。
【0042】またロータ38がその本来あるべきステッ
プより反時計廻り方向又は逆方向に一段階ずれることに
よりステップモータが脱調しても、ショックアブソーバ
の通常の減衰力制御が行われる際にロータとステータ4
6との間に発生される磁気的引力及び斥力によりロータ
はその本来あるべきステップに割り出され、従ってこの
場合にも異音を発生することなく脱調が解消される。
【0043】またロータが反時計廻り方向に二段階以上
ずれることによりステップモータが脱調した場合には、
ショックアブソーバの通常の減衰力制御によってロータ
がその回動範囲を越えて反時計廻り方向へ回動付勢され
ることにより、ロータ38のストッパ50が固定ストッ
パ50に衝当し異音が発生する場合がある。かかる場合
にも電子制御装置28よりステップモータ20へ指令信
号が出力されると、指令信号がロータをステップ1へ回
動させる指令信号である場合にはロータがステップ1に
割り出されることによりステップモータの脱調が解消さ
れ、指令信号がロータをステップ2へ回動させる指令信
号である場合にはロータがステップ2に割り出されて脱
調が解消され、何れの場合にも異音は全く発生しない。
【0044】尚ロータが時計廻り方向に二段階以上ずれ
ることによりステップモータが脱調した場合には、ショ
ックアブソーバの通常の減衰力制御に於てロータをステ
ップ5又はステップ4へ回動させる指令信号がステップ
モータへ出力されることにより、上述のロータが時計廻
り方向に二段階以上ずれる脱調の場合と同様の要領にて
脱調が解消される。
【0045】尚上述の実施例に於ては、補正ステップ数
Saiは増加の場合及び低減の場合の両方について演算さ
れるようになっているが、補正ステップ数は旋回時や加
減速時等に於ける車体姿勢変化を抑制するに必要な増加
のステップ数についてのみ演算されてもよい。
【0046】また上述の実施例に於ては、ベースステッ
プ数Sbiが車速Vに応じて演算され、補正ステップ数S
aiが車輌の走行状態に応じて演算され、制御ステップS
ciがこれらの和として演算されようになっているが、制
御ステップSciは車輌の旋回時や加減速時等に於てはベ
ースステップSbiに関係なく車体の姿勢変化を抑制する
に必要なステップとして演算されてもよい。
【0047】更に上述の実施例に於ては、ステップモー
タのロータはステップ1〜5の五つの停止ステップ位置
に割り出されるようになっているが、停止ステップ位置
は5に限られるものではなく、4以上の任意の数であっ
てよい。また本発明によるステップモータ制御装置は例
えばエアスプリングのメインチャンバと複数のサブチャ
ンバとの間の連通を制御することによってばね定数を制
御する制御弁を駆動するステップモータに対し適用され
てもよい。
【0048】以上に於ては本発明を特定の実施例につい
て詳細に説明したが、本発明は上述の実施例に限定され
るものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施例
が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
【0049】
【発明の効果】以上の説明より明らかである如く、本発
明によれば、ロータのストッパが必ず固定ストッパに当
接する回動範囲に亘りステップモータを回動させること
により初期設定が行われる従来のステップモータ制御装
置の場合に比して、初期設定時にロータのストッパが固
定ストッパに衝当する虞れを低減することができ、これ
により車輌の乗員が不自然な音として感じる異音の発生
の虞れを低減することができ、またステップモータの耐
久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるステップモータ制御装置の構成を
特許請求の範囲の記載に対応させて示す説明図である。
【図2】本発明の制御装置により制御されるステップモ
ータがピストンロッドの上端に連結されたショックアブ
ソーバの一例を示す縦断面図である。
【図3】図2に示されたステップモータを示す拡大縦断
面図である。
【図4】図3に示されたキャップハウジングを示す底面
図である。
【図5】図4の線V−Vに沿うキャップハウジングの断
面図である。
【図6】図3に示されたロータを示す縦断面図である。
【図7】ロータの平面図である。
【図8】ステップモータの五つの停止ステップ位置を示
す模式図である。
【図9】図2に示された電子制御装置のブロック線図で
ある。
【図10】図9に示された電子制御装置により達成され
る制御フローを示すフローチャートである。
【図11】減衰力制御モードがノーマルオートである場
合に於ける車速Vとステップモータのステップ位置及び
ショックアブソーバの減衰力との間の関係を示すマップ
である。
【図12】減衰力制御モードがスポーツオートである場
合に於ける車速Vとステップモータのステップ位置及び
ショックアブソーバの減衰力との間の関係を示すマップ
である。
【符号の説明】
10…ショックアブソーバ 12…シリンダ 14…ピストン 16…減衰力制御弁 20…ステップモータ 22…車速センサ 24…モード選択スイッチ 28…電子制御装置 38…ロータ 46…ステータ 48…固定ストッパ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロータがステータとの間に作用する磁気的
    引力若しくは斥力により4以上の停止ステップ位置に割
    り出され前記ロータのストッパが固定ストッパに当接す
    ることにより前記ロータがその回動範囲を越えて回動す
    ることが阻止されるよう構成されたステップモータによ
    り減衰力制御弁が駆動される減衰力可変式ショックアブ
    ソーバのステップモータ制御装置にして、車速検出手段
    と、車速が所定値になると前記ロータを一回動方向の限
    界停止ステップ位置又は前記限界停止ステップ位置より
    一段階他回動方向の停止ステップ位置へ回動させる指令
    信号を前記ステップモータへ出力する初期設定手段とを
    有するステップモータ制御装置。
JP4311199A 1992-10-27 1992-10-27 減衰力可変式ショックアブソーバのステップモータ制御装置 Pending JPH06135215A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013007408A (ja) * 2011-06-23 2013-01-10 Kyb Co Ltd 緩衝器
JP2015093671A (ja) * 2013-11-12 2015-05-18 巨大機械工業股▲分▼有限公司 自転車用の自動緩衝装置システム

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