JPH0664032A - パール光沢の組柄模様を有するプラスチックシート - Google Patents
パール光沢の組柄模様を有するプラスチックシートInfo
- Publication number
- JPH0664032A JPH0664032A JP4236523A JP23652392A JPH0664032A JP H0664032 A JPH0664032 A JP H0664032A JP 4236523 A JP4236523 A JP 4236523A JP 23652392 A JP23652392 A JP 23652392A JP H0664032 A JPH0664032 A JP H0664032A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sheet
- pattern
- polyvinyl chloride
- pearl
- luster
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
- Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
- Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 組柄法シートの製造工程において伸長延伸と
圧縮延伸を併用することによってあるいは圧縮延伸のみ
によってパール顔料を配向させて装飾性とパール光沢の
発現性を高めた、パール光沢の組柄模様を有する単層の
軟質ポリ塩化ビニルシート並びに面積比で10%以上の面
積が光透過性であって、かつパール光沢の組柄模様を有
する軟質ポリ塩化ビニルシートを表層とし、その一面に
光透過性をもたない無地のプラスチックシートあるいは
その他シートを積層してなる二層プラスチックシート。 【効果】 厚さ2mm以下、特に1mm以下の単層薄膜シー
トにおいて装飾性とパール光沢の発現性が顕著であり、
またさらに、裏面に無地のプラスチックシートあるいは
その他シートを密着貼合することによって表層シートの
パール光沢性を高めると同時に混色効果によって優れた
装飾効果を可能とする。
圧縮延伸を併用することによってあるいは圧縮延伸のみ
によってパール顔料を配向させて装飾性とパール光沢の
発現性を高めた、パール光沢の組柄模様を有する単層の
軟質ポリ塩化ビニルシート並びに面積比で10%以上の面
積が光透過性であって、かつパール光沢の組柄模様を有
する軟質ポリ塩化ビニルシートを表層とし、その一面に
光透過性をもたない無地のプラスチックシートあるいは
その他シートを積層してなる二層プラスチックシート。 【効果】 厚さ2mm以下、特に1mm以下の単層薄膜シー
トにおいて装飾性とパール光沢の発現性が顕著であり、
またさらに、裏面に無地のプラスチックシートあるいは
その他シートを密着貼合することによって表層シートの
パール光沢性を高めると同時に混色効果によって優れた
装飾効果を可能とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明の目的は、軟質ポリ塩化ビ
ニル樹脂を主材とする優れたパール光沢性を有する組柄
装飾の単層シートあるいは該単層シートと無地のプラス
チックシートあるいはその他シートあるいは板とを一体
的に貼合積層して混色効果をもたせた二層の複合シート
を提供することにある。該シートは、ハンドバッグ等の
袋物、各種文房具、化粧品容器、はきもの、特に和装ぞ
うりの表生地あるいは建築物の内装材として効果的に利
用し得る。
ニル樹脂を主材とする優れたパール光沢性を有する組柄
装飾の単層シートあるいは該単層シートと無地のプラス
チックシートあるいはその他シートあるいは板とを一体
的に貼合積層して混色効果をもたせた二層の複合シート
を提供することにある。該シートは、ハンドバッグ等の
袋物、各種文房具、化粧品容器、はきもの、特に和装ぞ
うりの表生地あるいは建築物の内装材として効果的に利
用し得る。
【0002】
【従来の技術】軟質ポリ塩化ビニルシートあるいはフィ
ルムは、優れた機械特性と電磁誘導加熱、超音波接合あ
るいは熱シールなど必要に応じて互いの接合方法を選択
でき、しかもその原料であるポリ塩化ビニル樹脂は、多
量生産されていて安価に、かつ、どこでも容易に入手し
得ること、等の理由によって、各種農業資材あるいは土
木資材など産業用資材として多用されている。さらに、
ポリ塩化ビニル樹脂は、着色性、印刷性あるいはエンボ
ス加工等の表面装飾加工性にも優れた特性をもっている
ので各種包装材料やテーブルクロスあるいはインテリア
製品など家庭用日用雑貨の素材としても多く使用されて
いる。このような軟質ポリ塩化ビニルシートあるいはフ
ィルムの装飾法は、従来から広く用いられその技術的手
法も確立している。
ルムは、優れた機械特性と電磁誘導加熱、超音波接合あ
るいは熱シールなど必要に応じて互いの接合方法を選択
でき、しかもその原料であるポリ塩化ビニル樹脂は、多
量生産されていて安価に、かつ、どこでも容易に入手し
得ること、等の理由によって、各種農業資材あるいは土
木資材など産業用資材として多用されている。さらに、
ポリ塩化ビニル樹脂は、着色性、印刷性あるいはエンボ
ス加工等の表面装飾加工性にも優れた特性をもっている
ので各種包装材料やテーブルクロスあるいはインテリア
製品など家庭用日用雑貨の素材としても多く使用されて
いる。このような軟質ポリ塩化ビニルシートあるいはフ
ィルムの装飾法は、従来から広く用いられその技術的手
法も確立している。
【0003】一方、プラスチックシートの装飾法とし
て、セルロイドの装飾法で代表される組柄による装飾法
が古くから知られている。本方法によるセルロイドの製
造法は、およそ次の通りである。
て、セルロイドの装飾法で代表される組柄による装飾法
が古くから知られている。本方法によるセルロイドの製
造法は、およそ次の通りである。
【0004】(1) セルロイドの主原料である硝化綿に可
塑剤として適当量の樟脳、着色剤として染料および溶解
剤として硝化綿と樟脳の共通溶剤であるエチルアルコー
ルまたはメチルアルコールを加え、混練機を用いて混合
物がほぼ一様になるまで混練りする。このようにして得
た組成物はもち状である。溶剤が揮発すると、該もち状
組成物は硬化し、遂には石状になるので、もち状の形態
を保っている間に二本ロールミキサーによって高せん断
力をかけてさらに精練りし、完全に一様な着色組成物を
得る。
塑剤として適当量の樟脳、着色剤として染料および溶解
剤として硝化綿と樟脳の共通溶剤であるエチルアルコー
ルまたはメチルアルコールを加え、混練機を用いて混合
物がほぼ一様になるまで混練りする。このようにして得
た組成物はもち状である。溶剤が揮発すると、該もち状
組成物は硬化し、遂には石状になるので、もち状の形態
を保っている間に二本ロールミキサーによって高せん断
力をかけてさらに精練りし、完全に一様な着色組成物を
得る。
【0005】(2) このもち状着色組成物を直方体の空洞
をもつ金型に入れて加圧し直方体に整形する。
をもつ金型に入れて加圧し直方体に整形する。
【0006】(3) このようにして得た着色直方体組成物
を平削機(スライサー)を用いて適当な厚さ(0.1 〜数
mm)にスライスし、シート状着色体を作る。
を平削機(スライサー)を用いて適当な厚さ(0.1 〜数
mm)にスライスし、シート状着色体を作る。
【0007】(4) このようにして少なくとも二色以上の
着色シートを製造し、このシートを上記直方体金型の側
面の大きさに裁断し、例えば二色の色シートを交互に該
金型の中に並べてから40〜60℃の熱を加えて加圧する
と、シート界面は組成物中の残留溶剤と加熱の効果によ
って溶着し、色が交互に異なる縞模様の直方体成形物が
できる。
着色シートを製造し、このシートを上記直方体金型の側
面の大きさに裁断し、例えば二色の色シートを交互に該
金型の中に並べてから40〜60℃の熱を加えて加圧する
と、シート界面は組成物中の残留溶剤と加熱の効果によ
って溶着し、色が交互に異なる縞模様の直方体成形物が
できる。
【0008】(5) この縞模様の直方体を模様面がシート
表面になるように平削機で所定の厚さにスライスした
後、残留溶剤を乾燥除却する。
表面になるように平削機で所定の厚さにスライスした
後、残留溶剤を乾燥除却する。
【0009】(6) 最後にメッキを施したつや付き用鉄板
を該シートの両面あるいは片面に密着させプレス機で加
熱圧縮すると鏡面光沢を有する縞模様のセルロイド生地
ができる。
を該シートの両面あるいは片面に密着させプレス機で加
熱圧縮すると鏡面光沢を有する縞模様のセルロイド生地
ができる。
【0010】以上の説明からも判るように、色シートの
並べ方(柄を組むという)によって、また、色数を増や
すことによってかなり複雑な柄を作ることができる。最
も簡単な組柄模様は、二色以上の前記もち状着色組成物
を定形あるいは不定形に裁断してから適当に混合し、縞
柄セルロイドの製法と全く同様な製法によって製造され
る二色あるいは多色の定形あるいは不定形の組柄模様で
ある(例えば、べっ甲柄)。
並べ方(柄を組むという)によって、また、色数を増や
すことによってかなり複雑な柄を作ることができる。最
も簡単な組柄模様は、二色以上の前記もち状着色組成物
を定形あるいは不定形に裁断してから適当に混合し、縞
柄セルロイドの製法と全く同様な製法によって製造され
る二色あるいは多色の定形あるいは不定形の組柄模様で
ある(例えば、べっ甲柄)。
【0011】このような組柄による装飾シートの特徴
は、単なる表面印刷や樹脂着色とは異なり立体的で深み
のある模様を付与することができることにある。特に、
パール顔料によるパール光沢模様は、組柄装飾法の最も
優れた特性を発揮する分野であって、印刷法によっては
実現不可能な装飾効果をもたらす。この理由は、シート
内部に三次元的に散在するパール顔料表面において入射
光あるい反射光が散乱あるいは干渉し、光が非常に複雑
な屈折を起こすためである。
は、単なる表面印刷や樹脂着色とは異なり立体的で深み
のある模様を付与することができることにある。特に、
パール顔料によるパール光沢模様は、組柄装飾法の最も
優れた特性を発揮する分野であって、印刷法によっては
実現不可能な装飾効果をもたらす。この理由は、シート
内部に三次元的に散在するパール顔料表面において入射
光あるい反射光が散乱あるいは干渉し、光が非常に複雑
な屈折を起こすためである。
【0012】したがって、各分野で多用されている軟質
ポリ塩化ビニルシートをセルロイドの製造法と同様な組
柄装飾法(以下、「組柄法」という)によって製造しパ
ール光沢装飾を施すことができれば、前記産業分野にお
いて大きく貢献することができる。
ポリ塩化ビニルシートをセルロイドの製造法と同様な組
柄装飾法(以下、「組柄法」という)によって製造しパ
ール光沢装飾を施すことができれば、前記産業分野にお
いて大きく貢献することができる。
【0013】組柄模様を有する軟質ポリ塩化ビニルシー
トは、セルロイドの製造にほぼ近い製法によって得るこ
とができる。この場合、ポリ塩化ビニル樹脂は、熱可塑
性高分子であって加熱によって溶融液体化するのでセル
ロイドのように溶解剤として溶剤を用いる必要はない
(セルロイドの原料である硝化綿は、熱可塑性をもた
ず、むしろ加熱すると分解してしまう。このため、成形
物を得るためには溶剤を加えて可塑化する必要があ
る)。
トは、セルロイドの製造にほぼ近い製法によって得るこ
とができる。この場合、ポリ塩化ビニル樹脂は、熱可塑
性高分子であって加熱によって溶融液体化するのでセル
ロイドのように溶解剤として溶剤を用いる必要はない
(セルロイドの原料である硝化綿は、熱可塑性をもた
ず、むしろ加熱すると分解してしまう。このため、成形
物を得るためには溶剤を加えて可塑化する必要があ
る)。
【0014】セルロイドの製法における溶剤の使用、混
練機および二本ロールミキサーによる混練工程を除け
ば、ほぼ前記セルロイドの製造法によって、組柄模様を
有する軟質ポリ塩化ビニルシートを製造することができ
る。すなわち、セルロイドの製造における混練機および
二本ロールミキサーの替わりに、通常の押出機によって
組柄模様を構成する一つひとつの要素(セグメント)と
なる着色シートあるいは定形/不定形着色成形物を得
る。
練機および二本ロールミキサーによる混練工程を除け
ば、ほぼ前記セルロイドの製造法によって、組柄模様を
有する軟質ポリ塩化ビニルシートを製造することができ
る。すなわち、セルロイドの製造における混練機および
二本ロールミキサーの替わりに、通常の押出機によって
組柄模様を構成する一つひとつの要素(セグメント)と
なる着色シートあるいは定形/不定形着色成形物を得
る。
【0015】しかし、パール顔料を用いてパール光沢の
組柄模様を有する軟質ポリ塩化ビニルシートを製造する
と、パール光沢の発現はシートの厚さに依存し、実用的
にも、また経済的にも価値ある厚さ2mm未満、特に1mm
以下の薄膜シートではパール光沢性は急速に失われる。
組柄模様を有する軟質ポリ塩化ビニルシートを製造する
と、パール光沢の発現はシートの厚さに依存し、実用的
にも、また経済的にも価値ある厚さ2mm未満、特に1mm
以下の薄膜シートではパール光沢性は急速に失われる。
【0016】組柄シートにおけるパール光沢の発現は、
前述の通り該シート内部での樹脂/パール顔料界面にお
ける入射光および反射光の干渉および屈折によってい
る。したがって、このような光の特性は、パール顔料自
身の特性に依存するのみならずパール顔料の分散媒、す
なわち、用いる樹脂の特性にも大きく依存する。例え
ば、セルロース系樹脂は、パール光沢発現性という点で
は優れた特性を有する。さらに、パール光沢は、パール
顔料を樹脂分散媒中に強く延伸配向させることによって
より効果的に発現することが知られており、セルロイド
における優れたパール光沢効果の発現は、第一に、パー
ル顔料の分散媒として最も好ましいセルロース誘導体で
ある硝化綿を用いていること、および第二に、セルロイ
ドの中間体であるもち状組成物(硝化綿可塑物)を二本
ロールミキサーで混練りする工程でパール顔料が強いせ
ん断応力を受けて配向することによっている。
前述の通り該シート内部での樹脂/パール顔料界面にお
ける入射光および反射光の干渉および屈折によってい
る。したがって、このような光の特性は、パール顔料自
身の特性に依存するのみならずパール顔料の分散媒、す
なわち、用いる樹脂の特性にも大きく依存する。例え
ば、セルロース系樹脂は、パール光沢発現性という点で
は優れた特性を有する。さらに、パール光沢は、パール
顔料を樹脂分散媒中に強く延伸配向させることによって
より効果的に発現することが知られており、セルロイド
における優れたパール光沢効果の発現は、第一に、パー
ル顔料の分散媒として最も好ましいセルロース誘導体で
ある硝化綿を用いていること、および第二に、セルロイ
ドの中間体であるもち状組成物(硝化綿可塑物)を二本
ロールミキサーで混練りする工程でパール顔料が強いせ
ん断応力を受けて配向することによっている。
【0017】しかし、本方法を軟質ポリ塩化ビニル樹脂
に適用することは、原理的には可能であるが、経済性を
重視する商業生産においては適切ではない。この理由
は、硝化綿可塑物のロール混練りは常温で行われるのに
対し、ポリ塩化ビニル樹脂においては、樹脂とロールを
少なくとも 160℃以上に加温する必要があるうえ、樹脂
温度を一定に保つ必要から一回の混練り加工量も限定さ
れるので加工単価が押出混練法と比べて非常に高くな
る。また、高温作業なので作業環境も悪い。このような
理由から、軟質ポリ塩化ビニル樹脂を主材とする組柄装
飾シートを製造する場合、主として経済的理由から押出
機を採用せざるを得ない。
に適用することは、原理的には可能であるが、経済性を
重視する商業生産においては適切ではない。この理由
は、硝化綿可塑物のロール混練りは常温で行われるのに
対し、ポリ塩化ビニル樹脂においては、樹脂とロールを
少なくとも 160℃以上に加温する必要があるうえ、樹脂
温度を一定に保つ必要から一回の混練り加工量も限定さ
れるので加工単価が押出混練法と比べて非常に高くな
る。また、高温作業なので作業環境も悪い。このような
理由から、軟質ポリ塩化ビニル樹脂を主材とする組柄装
飾シートを製造する場合、主として経済的理由から押出
機を採用せざるを得ない。
【0018】押出法による樹脂組成物の混練り工程にお
いても組成物が押出機を通過する過程でせん断力を受け
るので、押出成形物は延伸配向を受けるが、ロール混練
法に比べ押出混練法はせん断力が小さく配向効果も劣
る。したがって、特別に延伸加工処理をすることなく、
単なる押出法によって得た成形物によって組柄シートを
製造しても前述のようにパール光沢の発現はセルロイド
のそれと比べ非常に劣る(比較例参照)。
いても組成物が押出機を通過する過程でせん断力を受け
るので、押出成形物は延伸配向を受けるが、ロール混練
法に比べ押出混練法はせん断力が小さく配向効果も劣
る。したがって、特別に延伸加工処理をすることなく、
単なる押出法によって得た成形物によって組柄シートを
製造しても前述のようにパール光沢の発現はセルロイド
のそれと比べ非常に劣る(比較例参照)。
【0019】この解決法として、本発明者らは、先に、
光透過性の組柄模様を有する軟質ポリ塩化ビニルを表層
とし、この一面に光透過性をもたない無地のプラスチッ
クシートあるいはその他シートを密着積層することによ
ってパール光沢効果が顕在化することを見出し特許出願
を行なった。しかし、該発明は、パール光沢効果を顕在
化せしめるために該シートの一面に光の反射機能をもつ
無地のプラスチックシートなどを表層と一体的に積層す
ることが要請される。したがって、厚さが2mm以下、特
に1mm以下の薄膜単層シートのパール光沢発現に対して
該発明は有効ではない。そこで、本発明者らは、押出法
を用いる組柄法軟質ポリ塩化ビニルシートの製法におい
てパール光沢の発現に対して効果的であり、かつ経済性
に対しても優れたパール顔料の配向方法を研究し本発明
に至った。
光透過性の組柄模様を有する軟質ポリ塩化ビニルを表層
とし、この一面に光透過性をもたない無地のプラスチッ
クシートあるいはその他シートを密着積層することによ
ってパール光沢効果が顕在化することを見出し特許出願
を行なった。しかし、該発明は、パール光沢効果を顕在
化せしめるために該シートの一面に光の反射機能をもつ
無地のプラスチックシートなどを表層と一体的に積層す
ることが要請される。したがって、厚さが2mm以下、特
に1mm以下の薄膜単層シートのパール光沢発現に対して
該発明は有効ではない。そこで、本発明者らは、押出法
を用いる組柄法軟質ポリ塩化ビニルシートの製法におい
てパール光沢の発現に対して効果的であり、かつ経済性
に対しても優れたパール顔料の配向方法を研究し本発明
に至った。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、軟質
ポリ塩化ビニル樹脂を主材とする組柄法シートの製造に
おいて、組柄模様のセグメント(模様を構成する一つひ
とつの要素)となる定形/不定形の着色成形組成物(セ
ルロイドの製造におけるもち状着色組成物に対応)を通
常の押出機を用いて製造する過程でパール顔料を延伸法
によって配向させて、厚さ2mm以下、特に経済的かつ実
用的にも価値のある厚さ1mm以下の薄膜単層シートに対
し、優れたパール光沢効果を発現させる方法を見出すこ
とである。
ポリ塩化ビニル樹脂を主材とする組柄法シートの製造に
おいて、組柄模様のセグメント(模様を構成する一つひ
とつの要素)となる定形/不定形の着色成形組成物(セ
ルロイドの製造におけるもち状着色組成物に対応)を通
常の押出機を用いて製造する過程でパール顔料を延伸法
によって配向させて、厚さ2mm以下、特に経済的かつ実
用的にも価値のある厚さ1mm以下の薄膜単層シートに対
し、優れたパール光沢効果を発現させる方法を見出すこ
とである。
【0021】
【課題を解決するための手段】押出成形における延伸加
工法としては、ポリプロピレンフィルム製造における一
軸あるいは二軸延伸加工あるいはポリエチレンブロウン
フィルム製造におけるインフレーション成形による多軸
延伸加工が古くから知られ、現在でもプラスチックフィ
ルムの代表的延伸加工法として広く採用されている。こ
れらの延伸方法は、一種の伸長延伸法であって押出機の
T形あるいはリングダイ出口での吐出速度よりも大きい
巻き取り速度で、あるいは横方向あるいは円錐状に押出
物を拡大させることによって延伸させることを特徴とす
る。このような伸長延伸法は、原理的にも単純であって
加工の制御が比較的容易であるという利点を有する。
工法としては、ポリプロピレンフィルム製造における一
軸あるいは二軸延伸加工あるいはポリエチレンブロウン
フィルム製造におけるインフレーション成形による多軸
延伸加工が古くから知られ、現在でもプラスチックフィ
ルムの代表的延伸加工法として広く採用されている。こ
れらの延伸方法は、一種の伸長延伸法であって押出機の
T形あるいはリングダイ出口での吐出速度よりも大きい
巻き取り速度で、あるいは横方向あるいは円錐状に押出
物を拡大させることによって延伸させることを特徴とす
る。このような伸長延伸法は、原理的にも単純であって
加工の制御が比較的容易であるという利点を有する。
【0022】しかし、このような伸長延伸法による延伸
配向効果は、ポリプロピレン、ポリエチレンあるいはポ
リエステルなど結晶性高分子において顕著に発現する
が、本発明の主材である軟質ポリ塩化ビニルのような非
晶性でかつ液状の可塑剤を含有する高分子に対しては、
前者に比べ必ずしも優れた配向効果が得られるとは言え
ない。ポリプロピレンのような結晶性高分子は、液体と
固体との温度境界(相転移温度)が明確である。一般
に、押出成形における伸長延伸は、押出機出口付近の高
温溶融液体状態で強く起こるが、高分子が上記のような
明確な相転移温度特性をもつ場合、溶融樹脂の冷却固化
によって延伸配向が緩和されることなく固定化される。
このような結晶性高分子の伸長延伸による分子の配向機
構は、当該品を融点以上の温度域まで昇温すると、強く
収縮することからも支持されている。一方、軟質ポリ塩
化ビニルの伸長延伸効率が結晶性高分子に比べ劣るの
は、当該樹脂が非晶性であって融点をもたず生成した分
子配向が冷却の過程で緩和してしまうためと考えられて
いる。
配向効果は、ポリプロピレン、ポリエチレンあるいはポ
リエステルなど結晶性高分子において顕著に発現する
が、本発明の主材である軟質ポリ塩化ビニルのような非
晶性でかつ液状の可塑剤を含有する高分子に対しては、
前者に比べ必ずしも優れた配向効果が得られるとは言え
ない。ポリプロピレンのような結晶性高分子は、液体と
固体との温度境界(相転移温度)が明確である。一般
に、押出成形における伸長延伸は、押出機出口付近の高
温溶融液体状態で強く起こるが、高分子が上記のような
明確な相転移温度特性をもつ場合、溶融樹脂の冷却固化
によって延伸配向が緩和されることなく固定化される。
このような結晶性高分子の伸長延伸による分子の配向機
構は、当該品を融点以上の温度域まで昇温すると、強く
収縮することからも支持されている。一方、軟質ポリ塩
化ビニルの伸長延伸効率が結晶性高分子に比べ劣るの
は、当該樹脂が非晶性であって融点をもたず生成した分
子配向が冷却の過程で緩和してしまうためと考えられて
いる。
【0023】そこで本発明者らは、軟質ポリ塩化ビニル
においても結晶性高分子における伸長延伸と同程度の高
い延伸効率を得る方法を研究し、以下に詳しく説明する
圧縮延伸法を伸長延伸法と併用することによって本発明
の課題を解決し意図する目的を達成することができた。
においても結晶性高分子における伸長延伸と同程度の高
い延伸効率を得る方法を研究し、以下に詳しく説明する
圧縮延伸法を伸長延伸法と併用することによって本発明
の課題を解決し意図する目的を達成することができた。
【0024】本発明の第一の特徴は、押出機ダイ出口か
ら吐出した溶融押出成形物(以下、「押出物」という)
を好ましくは表面温度が60℃以上で少なくとも2本以上
の圧延ロールを有し、かつ該ロールの表面が平滑あるい
は凹凸形状のロール圧延機で伸長率が1好ましくは1以
上、圧縮率が 0.9好ましくは 0.8以下で押出物を引き取
りながら圧縮延伸することにある。ここで、伸長率およ
び圧縮率は次のように定義される。 伸長率:ダイ出口での吐出速度をE、圧延機での引き取
り速度をTとするとき、伸長率は、T/Eで定義され
る。 圧縮率:圧延ロール回転軸方向に対し直角方向の押出物
の、ダイ出口での最大長さあるいは径をE、圧延ロール
の最小面間隔をRとするとき、圧縮率はR/Eで定義さ
れる。
ら吐出した溶融押出成形物(以下、「押出物」という)
を好ましくは表面温度が60℃以上で少なくとも2本以上
の圧延ロールを有し、かつ該ロールの表面が平滑あるい
は凹凸形状のロール圧延機で伸長率が1好ましくは1以
上、圧縮率が 0.9好ましくは 0.8以下で押出物を引き取
りながら圧縮延伸することにある。ここで、伸長率およ
び圧縮率は次のように定義される。 伸長率:ダイ出口での吐出速度をE、圧延機での引き取
り速度をTとするとき、伸長率は、T/Eで定義され
る。 圧縮率:圧延ロール回転軸方向に対し直角方向の押出物
の、ダイ出口での最大長さあるいは径をE、圧延ロール
の最小面間隔をRとするとき、圧縮率はR/Eで定義さ
れる。
【0025】この際ダイの出口形状は特に限定されない
が、円形あるいは矩形のものが好ましい。また、圧延ロ
ール表面の凹凸形状は、種々のものが考えられるが、凹
凸形状はパール光沢の模様発現に強く影響するので意図
する模様デザインを考慮して決定する必要がある。さら
に、圧延ロールは最低上下ロール2本が必要であり、互
いに反対方向の回転と押出物の圧延時に発生するロール
面間圧力に耐える材質と機構をもたなければならない。
が、円形あるいは矩形のものが好ましい。また、圧延ロ
ール表面の凹凸形状は、種々のものが考えられるが、凹
凸形状はパール光沢の模様発現に強く影響するので意図
する模様デザインを考慮して決定する必要がある。さら
に、圧延ロールは最低上下ロール2本が必要であり、互
いに反対方向の回転と押出物の圧延時に発生するロール
面間圧力に耐える材質と機構をもたなければならない。
【0026】本発明第二の特徴は、伸長延伸とは異なり
押出物が半固体の状態で圧縮延伸を受けることにある。
これによって、パール顔料の配向効果が高まりパール光
沢の発現性が大幅に改善される。このような配向効果
は、圧縮延伸時の樹脂の粘性と深くかかわっており、低
粘性樹脂に対し有効な押出伸長延伸法では達成し得ない
ものである。
押出物が半固体の状態で圧縮延伸を受けることにある。
これによって、パール顔料の配向効果が高まりパール光
沢の発現性が大幅に改善される。このような配向効果
は、圧縮延伸時の樹脂の粘性と深くかかわっており、低
粘性樹脂に対し有効な押出伸長延伸法では達成し得ない
ものである。
【0027】本発明第三の特徴は、圧延ロール表面の形
状を平滑表面のみならずロール円周あるいは回転軸方向
にそって直線、斜線あるいは波形の縞状凹凸にすること
によってそれぞれ特徴のある延伸配向効果が与えられ、
その結果としてより装飾性の高いパール光沢模様をデザ
インすることができることにある。
状を平滑表面のみならずロール円周あるいは回転軸方向
にそって直線、斜線あるいは波形の縞状凹凸にすること
によってそれぞれ特徴のある延伸配向効果が与えられ、
その結果としてより装飾性の高いパール光沢模様をデザ
インすることができることにある。
【0028】本発明に用いられるポリ塩化ビニル樹脂
は、重合度が 700ないし2500のものが好ましく、塩化ビ
ニル単独重合体の他、塩化ビニル/エチレン共重合体、
塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル/ポリウ
レタングラフト共重合体あるいはブレンド体が使用し得
る。また、可塑剤、安定剤および色材は通常用いられて
いるもので差しつかえないが、可塑剤の添加量は、該樹
脂 100重量部当り20重量部から90重量部とする。
は、重合度が 700ないし2500のものが好ましく、塩化ビ
ニル単独重合体の他、塩化ビニル/エチレン共重合体、
塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル/ポリウ
レタングラフト共重合体あるいはブレンド体が使用し得
る。また、可塑剤、安定剤および色材は通常用いられて
いるもので差しつかえないが、可塑剤の添加量は、該樹
脂 100重量部当り20重量部から90重量部とする。
【0029】また、本発明の効果発現に特に重要な素材
であるパール顔料は、天然マイカの表面を酸化チタンあ
るいは酸化鉄等の金属酸化物で被覆した微粉状の無機質
顔料が最も有効である。
であるパール顔料は、天然マイカの表面を酸化チタンあ
るいは酸化鉄等の金属酸化物で被覆した微粉状の無機質
顔料が最も有効である。
【0030】以上の諸材料を用い本発明に基づく組柄法
軟質ポリ塩化ビニルシートは、以下に記す方法によって
製造することができる。先ず、上記諸材料を使用目的に
応じて所定量を定め、この混合物をヘンシェルミキサー
等の高速回転ミキサーを用い、約 120℃程度まで昇温し
てゲル化(ドライアップ)させる。次いで、このゲル化
混合物を押出機を用い約 170℃で溶融混練りし一様な組
成物を帯状あるいは円形状あるいはその他の断面形状で
連続的に押出す。この押出物の表面温度が好ましくは60
℃以上の温度域で前記ロール圧延機で圧縮延伸する。こ
の場合、伸長率は少なくとも1、好ましくは1以上、圧
縮率は 0.9以下になるようにロール回転速度およびロー
ル間隔を調節する。このようにして得た圧延押出物を裁
断してチップ状とし、その後、前記セルロイドの製造法
(2)〜(6) に準じて本発明の組柄シートを得る。
軟質ポリ塩化ビニルシートは、以下に記す方法によって
製造することができる。先ず、上記諸材料を使用目的に
応じて所定量を定め、この混合物をヘンシェルミキサー
等の高速回転ミキサーを用い、約 120℃程度まで昇温し
てゲル化(ドライアップ)させる。次いで、このゲル化
混合物を押出機を用い約 170℃で溶融混練りし一様な組
成物を帯状あるいは円形状あるいはその他の断面形状で
連続的に押出す。この押出物の表面温度が好ましくは60
℃以上の温度域で前記ロール圧延機で圧縮延伸する。こ
の場合、伸長率は少なくとも1、好ましくは1以上、圧
縮率は 0.9以下になるようにロール回転速度およびロー
ル間隔を調節する。このようにして得た圧延押出物を裁
断してチップ状とし、その後、前記セルロイドの製造法
(2)〜(6) に準じて本発明の組柄シートを得る。
【0031】このようにして得たシートは、優れたパー
ル光沢を有し極めて装飾性の高いものであるが、さらに
次の手法によって異なる装飾効果を得ることができる。
すなわち、当該シートの一面に光が透過しない無地の軟
質ポリ塩化ビニルシート、あるいは他のプラスチックシ
ートあるいは金属板などプラスチックシート以外の無地
シートを熱融着あるいは接着剤を用いて一体的に貼合す
ることによって該無地シートからの反射光と表層シート
の色調との相乗的混色効果の発現によって単層シートと
は異なるパール光沢模様を得ることができる。このよう
な積層によって混色効果を発現させるために必要とする
条件は、表層のパール光沢組柄シートがその面積比で少
なくとも10%以上好ましくは20%以上の面積が光透過性
をもたなければならないことである。
ル光沢を有し極めて装飾性の高いものであるが、さらに
次の手法によって異なる装飾効果を得ることができる。
すなわち、当該シートの一面に光が透過しない無地の軟
質ポリ塩化ビニルシート、あるいは他のプラスチックシ
ートあるいは金属板などプラスチックシート以外の無地
シートを熱融着あるいは接着剤を用いて一体的に貼合す
ることによって該無地シートからの反射光と表層シート
の色調との相乗的混色効果の発現によって単層シートと
は異なるパール光沢模様を得ることができる。このよう
な積層によって混色効果を発現させるために必要とする
条件は、表層のパール光沢組柄シートがその面積比で少
なくとも10%以上好ましくは20%以上の面積が光透過性
をもたなければならないことである。
【0032】ここで、光透過性とは、該シートを白紙印
刷面上に密着して重ね、該シート面から約40cm離れた60
ワット白熱電燈直下で該シート面を通して印刷物を目視
したとき、少なくとも6ポイントのアルファベット文字
が識別できることを言う。なお、該二層シートに用いら
れる表層シートの厚さは 1.5mm、好ましくは 1.0mm以下
のものが適切である。厚さが 1.5mm以上になると混色効
果は失われる。
刷面上に密着して重ね、該シート面から約40cm離れた60
ワット白熱電燈直下で該シート面を通して印刷物を目視
したとき、少なくとも6ポイントのアルファベット文字
が識別できることを言う。なお、該二層シートに用いら
れる表層シートの厚さは 1.5mm、好ましくは 1.0mm以下
のものが適切である。厚さが 1.5mm以上になると混色効
果は失われる。
【0033】
【実施例】以下、実施例および比較例を示して本発明の
有効性を説明する。
有効性を説明する。
【0034】(実施例1)東ソー株式会社製ポリ塩化ビ
ニル樹脂,品番リューロンTH−1000, 100重量部当
り、旭電化工業株式会社製ピロメリット酸エステル,品
番UL−80,45重量部、同社製エポキシ化アマニ油,品
番O−180A,10重量部、同社製バリウム/亜鉛系安定
剤,品番AC−186 , 1.5重量部、同社製バリウム/亜
鉛系安定剤,品番RUP−14, 1.5重量部、メルク社製
パール顔料,品番イリオジンTi100 ,1重量部および
着色料(染料)適量をヘンシェルミキサー(高速回転ミ
キサー)に加え、約 120℃まで昇温してゲル化させる。
その後、クーリングミキサーで冷却してからシリンダー
径=45mm,L/D=20の単軸押出機を用い樹脂温度約 1
70℃で帯状に押出成形する。ダイ出口の押出速度は約2
m/分である。用いたダイは矩形の出口開口部を有する
もので、その寸法はタテ3mm、ヨコ40mmである。
ニル樹脂,品番リューロンTH−1000, 100重量部当
り、旭電化工業株式会社製ピロメリット酸エステル,品
番UL−80,45重量部、同社製エポキシ化アマニ油,品
番O−180A,10重量部、同社製バリウム/亜鉛系安定
剤,品番AC−186 , 1.5重量部、同社製バリウム/亜
鉛系安定剤,品番RUP−14, 1.5重量部、メルク社製
パール顔料,品番イリオジンTi100 ,1重量部および
着色料(染料)適量をヘンシェルミキサー(高速回転ミ
キサー)に加え、約 120℃まで昇温してゲル化させる。
その後、クーリングミキサーで冷却してからシリンダー
径=45mm,L/D=20の単軸押出機を用い樹脂温度約 1
70℃で帯状に押出成形する。ダイ出口の押出速度は約2
m/分である。用いたダイは矩形の出口開口部を有する
もので、その寸法はタテ3mm、ヨコ40mmである。
【0035】圧延装置は、直径 130mm、ロール有効長 3
00mmのロール二本を有するロール圧延機で、該ロールの
表面形状およびロール間隔は次の三種の組合せのものを
用いた。
00mmのロール二本を有するロール圧延機で、該ロールの
表面形状およびロール間隔は次の三種の組合せのものを
用いた。
【0036】すなわち、 (イ)上下ロール共にロール表面が平滑でロール間隔は
約1mmに設定。 (ロ)ロール表面が幅約5mm、深さ約3mmの縞状凹凸が
交互にロール円周にそって浮き彫りされている上ロール
とロール表面が平滑な下ロールの二本ロールからなり、
両ロールの面間隔が約1mmになるように設定。 (ハ)上下ロール共に幅約5mm、深さ約3mmの矩形歯形
が約7mm間隔でロール回転軸方向にそって浮き彫りされ
ている歯車状の表面形状を有し、両ロールの最小ロール
面間隔が約1mmになるように設定。
約1mmに設定。 (ロ)ロール表面が幅約5mm、深さ約3mmの縞状凹凸が
交互にロール円周にそって浮き彫りされている上ロール
とロール表面が平滑な下ロールの二本ロールからなり、
両ロールの面間隔が約1mmになるように設定。 (ハ)上下ロール共に幅約5mm、深さ約3mmの矩形歯形
が約7mm間隔でロール回転軸方向にそって浮き彫りされ
ている歯車状の表面形状を有し、両ロールの最小ロール
面間隔が約1mmになるように設定。
【0037】上記いずれのロール組合せに対しても圧延
ロールによる該帯状押出物の引き取り速度が約6m/分
になるようにロール回転数を調節した。したがって、本
実施例の伸長率は6/2=3.0 である。また、圧縮率
は、ロール組合せ(イ),(ロ)および(ハ)それぞれ
に対し約 0.3である。
ロールによる該帯状押出物の引き取り速度が約6m/分
になるようにロール回転数を調節した。したがって、本
実施例の伸長率は6/2=3.0 である。また、圧縮率
は、ロール組合せ(イ),(ロ)および(ハ)それぞれ
に対し約 0.3である。
【0038】このようにして、延伸配向した押出物を色
を変えて三種ないし四種製造し、それぞれ一辺が 0.5〜
1cm程度の四辺形形状のチップ(模様セグメント)とな
るように裁断してからタンブラーミキサーを用いてよく
混合する。
を変えて三種ないし四種製造し、それぞれ一辺が 0.5〜
1cm程度の四辺形形状のチップ(模様セグメント)とな
るように裁断してからタンブラーミキサーを用いてよく
混合する。
【0039】次に、該チップ混合物を内寸幅16cm、長さ
35cm、深さ8cmの金型に入れ、温度約 135℃、圧力約20
kgf/cm2 で圧縮する。プレス時間は約2時間である。こ
の間、金型内において成形物は互いに溶着し、金型内寸
とほぼ同寸法の直方形組柄ブロック成形物が得られる
(該ブロックの厚さは、裁断成形体混合物の充填量に依
存する)。
35cm、深さ8cmの金型に入れ、温度約 135℃、圧力約20
kgf/cm2 で圧縮する。プレス時間は約2時間である。こ
の間、金型内において成形物は互いに溶着し、金型内寸
とほぼ同寸法の直方形組柄ブロック成形物が得られる
(該ブロックの厚さは、裁断成形体混合物の充填量に依
存する)。
【0040】このようにして得た組柄ブロック成形物を
平削機(スライサー)を用いて厚さが 0.2〜1.5mm にな
るようにスライスしてシート化する。該シート表面には
プレーナー刃の刃跡が残るので、つや付け板で挟み熱プ
レスして該シートの表面を鏡面とした後(以下、該シー
トを「Lシート」という)、パール光沢の発現性を評価
した。結果は表1に示す。
平削機(スライサー)を用いて厚さが 0.2〜1.5mm にな
るようにスライスしてシート化する。該シート表面には
プレーナー刃の刃跡が残るので、つや付け板で挟み熱プ
レスして該シートの表面を鏡面とした後(以下、該シー
トを「Lシート」という)、パール光沢の発現性を評価
した。結果は表1に示す。
【0041】(比較例)実施例1に記載した帯状の押出
成形物を圧延ロールを通さないで自然冷却した後、実施
例1に準じて単層の組柄シートを得た。パール光沢発現
性の評価結果を表1に示した。
成形物を圧延ロールを通さないで自然冷却した後、実施
例1に準じて単層の組柄シートを得た。パール光沢発現
性の評価結果を表1に示した。
【0042】
【表1】
【0043】表1において、パール光沢発現性の優劣を
示す判定記号“Y−1”は非常に優れている、“Y−
2”は優れている、“Y−3”はやや劣る、および
“N”はパール光沢は発現しないあるいは発現しても非
常に小さい、を意味する。表1から明らかなように、パ
ール光沢発現性はシート厚さと圧延ロール表面の形状に
依存するが、厚さが 0.2mmの薄膜単層シートに対して
も、圧延ロールの組合せ(ロ)あるいは(ハ)によって
優れたパール光沢性が付与される。また、三種の厚さの
Lシートそれぞれのパール光沢発現性は、圧延ロール
(イ)の組合せのものより(ロ)および(ハ)の組合せ
によるものの方が優れていた。圧延ロール表面の凹凸
は、パール光沢の発現に優れた作用効果を与える。
示す判定記号“Y−1”は非常に優れている、“Y−
2”は優れている、“Y−3”はやや劣る、および
“N”はパール光沢は発現しないあるいは発現しても非
常に小さい、を意味する。表1から明らかなように、パ
ール光沢発現性はシート厚さと圧延ロール表面の形状に
依存するが、厚さが 0.2mmの薄膜単層シートに対して
も、圧延ロールの組合せ(ロ)あるいは(ハ)によって
優れたパール光沢性が付与される。また、三種の厚さの
Lシートそれぞれのパール光沢発現性は、圧延ロール
(イ)の組合せのものより(ロ)および(ハ)の組合せ
によるものの方が優れていた。圧延ロール表面の凹凸
は、パール光沢の発現に優れた作用効果を与える。
【0044】(実施例2)本実施例では積層シートにつ
いて主に混色効果について評価した。先ず、圧延ロール
組合せ(イ)によって製造した厚さ 0.2mmのLシートに
ついて光透過性試験を実施した。測定箇所は同一シート
上の異なる色の箇所について数ヵ所行う。該Lシート
と、東ソー株式会社製ポリ塩化ビニル樹脂,リューロン
TH−1000, 100重量部当りジオクチルフタレート30重
量部を含む厚さ0.05mmの流延法フィルム(以下「Mフィ
ルム」という)とを温度約 160℃で熱プレスを行い融着
させて一体的積層フィルムを得た。該Mフィルムの色調
は、白、黄、緑、青および黒の五色である。また、該M
フィルムは各色共光透過性をもたない。LシートとMシ
ートとの積層シートのパール光沢性および混色効果を目
視で判定したところパール光沢の発現性は単層シートの
ものよりも優れていた。また、混色効果はMシートの色
調によって優劣が認められた。評価結果は表2に示され
ている。
いて主に混色効果について評価した。先ず、圧延ロール
組合せ(イ)によって製造した厚さ 0.2mmのLシートに
ついて光透過性試験を実施した。測定箇所は同一シート
上の異なる色の箇所について数ヵ所行う。該Lシート
と、東ソー株式会社製ポリ塩化ビニル樹脂,リューロン
TH−1000, 100重量部当りジオクチルフタレート30重
量部を含む厚さ0.05mmの流延法フィルム(以下「Mフィ
ルム」という)とを温度約 160℃で熱プレスを行い融着
させて一体的積層フィルムを得た。該Mフィルムの色調
は、白、黄、緑、青および黒の五色である。また、該M
フィルムは各色共光透過性をもたない。LシートとMシ
ートとの積層シートのパール光沢性および混色効果を目
視で判定したところパール光沢の発現性は単層シートの
ものよりも優れていた。また、混色効果はMシートの色
調によって優劣が認められた。評価結果は表2に示され
ている。
【0045】
【表2】 上表でのパール光沢発現性および混色効果の判定記号は
表1で用いたものと同じである。
表1で用いたものと同じである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年4月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】本発明の第一の特徴は、押出機ダイ出口か
ら吐出した溶融押出成形物(以下、「押出物」という)
を好ましくは表面温度が60℃以上で少なくとも2本以
上の圧延ロールを有し、かつ該ロールの表面が平滑ある
いは凹凸形状のロール圧延機で伸長率が1好ましくは1
以上、圧縮率が0.9好ましくは0.8以下で押出物を
引き取りながら圧縮延伸することにある。ここで、伸長
率および圧縮率は次のように定義される。 伸長率:ダイ出口での吐出速度をE、圧延機での引き取
り速度をTとするとき、伸長率は、T/Eで定義され
る。 圧縮率:ダイ出口でのシート状あるいは円筒状押出物の
厚さあるいは直径をE、圧延ロールの最小面間隔をRと
するとき、圧縮率はR/Eで定義される。
ら吐出した溶融押出成形物(以下、「押出物」という)
を好ましくは表面温度が60℃以上で少なくとも2本以
上の圧延ロールを有し、かつ該ロールの表面が平滑ある
いは凹凸形状のロール圧延機で伸長率が1好ましくは1
以上、圧縮率が0.9好ましくは0.8以下で押出物を
引き取りながら圧縮延伸することにある。ここで、伸長
率および圧縮率は次のように定義される。 伸長率:ダイ出口での吐出速度をE、圧延機での引き取
り速度をTとするとき、伸長率は、T/Eで定義され
る。 圧縮率:ダイ出口でのシート状あるいは円筒状押出物の
厚さあるいは直径をE、圧延ロールの最小面間隔をRと
するとき、圧縮率はR/Eで定義される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/20 A 6122−4F 27/30 101 8115−4F 33/00 7141−4F // B29K 27:06 105:16 B29L 7:00 4F
Claims (3)
- 【請求項1】 軟質ポリ塩化ビニル樹脂を主材とするパ
ール光沢の組柄模様を有するシートの製造において、パ
ール顔料、可塑剤、着色料および安定剤を含むポリ塩化
ビニル樹脂組成物を押出機を用いて溶融混練りして連続
的に押出成形し、次いで1あるいは1以上の伸長率およ
び 0.9以下の圧縮率で該押出成形物を圧縮延伸するか、
または伸長延伸と圧縮延伸を併用することによってパー
ル顔料を配向させたものを組柄模様のセグメントに用い
たことを特徴とする装飾性に優れたパール光沢模様を有
する組柄装飾の軟質ポリ塩化ビニルシート。 - 【請求項2】 該押出成形物の圧縮延伸が、平滑あるい
は凹凸な表面を有する少なくとも二本以上のロールを有
するロール圧延機を通過させることによってなされるこ
とを特徴とする請求項1記載のパール光沢の組柄模様を
有する軟質ポリ塩化ビニルシート。 - 【請求項3】 請求項1または2記載のパール光沢を有
する組柄模様を有する軟質ポリ塩化ビニルシートであっ
て、その厚さが 1.5mm以下で、かつ、面積比で10%以上
の面積が光透過性を有する該シートを表層とし、この一
面に光透過性をもたない無地のプラスチックシートある
いはその他シートを熱融着あるいは接着剤を用いて一体
的に密着積層させることによって、表層シートと裏面の
無地シートの色との相乗的な混色効果を発現させてパー
ル光沢模様の装飾性を高めたことを特徴とする組柄模様
の二層プラスチックシート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4236523A JPH0664032A (ja) | 1992-08-12 | 1992-08-12 | パール光沢の組柄模様を有するプラスチックシート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4236523A JPH0664032A (ja) | 1992-08-12 | 1992-08-12 | パール光沢の組柄模様を有するプラスチックシート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0664032A true JPH0664032A (ja) | 1994-03-08 |
Family
ID=17001961
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4236523A Pending JPH0664032A (ja) | 1992-08-12 | 1992-08-12 | パール光沢の組柄模様を有するプラスチックシート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0664032A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013523482A (ja) * | 2010-03-26 | 2013-06-17 | ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー | 溶融押出フィルム |
KR20160052566A (ko) * | 2013-08-09 | 2016-05-12 | 제너럴 다이나믹스 올드넌스 앤드 택티컬 시스템즈 - 캐나다 밸리필드 인코포레이티드 | 연속식 셀룰로이드 이중 스크류 압출 공정 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4961250A (ja) * | 1972-10-04 | 1974-06-13 | ||
JPS6398410A (ja) * | 1986-10-15 | 1988-04-28 | Fukuvi Chem Ind Co Ltd | 石目模様を現出した合成樹脂製タイルの製造方法 |
JPH0363134A (ja) * | 1989-08-02 | 1991-03-19 | Toyo Linoleum Co Ltd | 内装材およびその製造方法 |
-
1992
- 1992-08-12 JP JP4236523A patent/JPH0664032A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4961250A (ja) * | 1972-10-04 | 1974-06-13 | ||
JPS6398410A (ja) * | 1986-10-15 | 1988-04-28 | Fukuvi Chem Ind Co Ltd | 石目模様を現出した合成樹脂製タイルの製造方法 |
JPH0363134A (ja) * | 1989-08-02 | 1991-03-19 | Toyo Linoleum Co Ltd | 内装材およびその製造方法 |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013523482A (ja) * | 2010-03-26 | 2013-06-17 | ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー | 溶融押出フィルム |
KR20160052566A (ko) * | 2013-08-09 | 2016-05-12 | 제너럴 다이나믹스 올드넌스 앤드 택티컬 시스템즈 - 캐나다 밸리필드 인코포레이티드 | 연속식 셀룰로이드 이중 스크류 압출 공정 |
JP2016527111A (ja) * | 2013-08-09 | 2016-09-08 | ジェネラル ダイナミックス オードナンス アンド タクティカル システムズ−カナダ バレーフィールド インク.General Dynamics Ordnance And Tactical Systems−Canada Valleyfield Inc. | 連続的セルロイドツインスクリュー押出しプロセス |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA2031780C (en) | Method and product for extruding plastic with accent color pattern | |
US5244942A (en) | Homogenous, particularly multicolor-structured synthetic resin sheet or panel, as well as process for its production | |
US9833934B2 (en) | Method for producing shape memory anti-counterfeiting identifier | |
US2996822A (en) | Contrast color embossed plastics | |
CN100437664C (zh) | 模内成型用标签 | |
SU605531A3 (ru) | Полимерна матированна пленка | |
JPH0664032A (ja) | パール光沢の組柄模様を有するプラスチックシート | |
JP6433213B2 (ja) | 混合色を有するセルロースアセテートに基づく製品の製造方法、及び、その方法により得られた眼鏡等の製品 | |
CN107200962A (zh) | 一种可降解pvc包装膜的制备方法 | |
KR100188870B1 (ko) | 내.외부에 장식무늬를 갖는 압출물 및 이의 제조방법 | |
AU620295B2 (en) | Thermoformable polyaryletherketone/polyvinyl fluoride laminates | |
JPH0655496B2 (ja) | 内装材およびその製造方法 | |
JPH05293942A (ja) | パール光沢の組柄模様を有するプラスチックシート | |
JPS6140178B2 (ja) | ||
CN213704842U (zh) | 一种耐高温吸塑片 | |
JPS62271722A (ja) | 防眩シ−ト部品の製造方法 | |
JP3535234B2 (ja) | 装飾用樹脂製品 | |
JPS5826985Y2 (ja) | 着色粘着テ−プ | |
JP3141219B2 (ja) | 立体感の有る模様付シートとその製造方法 | |
KR20020076915A (ko) | 3차원 입체 플레시 선명 유색 플라스틱 시이트의 제조방법 | |
WO2020054709A1 (ja) | 加飾押出成形品 | |
JP2001301023A (ja) | ポリエステルフィルム及びその製造方法 | |
CN106346678B (zh) | 一种无规则彩色条纹薄膜的加工方法 | |
JPH03111427A (ja) | 異形材の製法 | |
JPS60231874A (ja) | 装飾材の製造方法 |