JPH0663506A - 超音波洗浄機 - Google Patents

超音波洗浄機

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JPH0663506A
JPH0663506A JP24273492A JP24273492A JPH0663506A JP H0663506 A JPH0663506 A JP H0663506A JP 24273492 A JP24273492 A JP 24273492A JP 24273492 A JP24273492 A JP 24273492A JP H0663506 A JPH0663506 A JP H0663506A
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ultrasonic
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Hidejiro Hayashi
秀次郎 林
Junichi Yasuhara
純一 安原
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Abstract

(57)【要約】 〔目的〕 長時間駆動時の温度上昇による超音波振動子
(17) の剥離を防止し、また、このような剥離が生じた
場合の補修を容易化し、洗浄力の向上及び寿命の向上を
図った超音波洗浄機を提供する。 〔構成〕 隔壁(12) を介して上側には洗浄槽(10A) を
形成すると共に、下側には液体封入室(10B)の側壁面を
形成する耐溶媒性の素材から成る槽本体(10)と、その槽
本体を保持する基台(15)の上部において液体封入室
(10B )の側壁面の下端部(11a)にこの下端部との液
密性を保ちながら着脱自在に装着される振動板(13)
と、この振動板の下面に定着された超音波振動子(17)
とを備え、好ましくは液体封入室(10B) 内に、液体供給
口(18)と液体排出口(19)を介して液体(L2)を循環させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、洗浄液中に超音波を放
射することによってこの洗浄液中の洗浄対象物体の表面
を洗浄する超音波洗浄機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の超音波洗浄機は、図2に
示すように、洗浄槽1と、この洗浄槽1の底壁1a下面
に定着され図示しない発振部により駆動される超音波振
動子2と、洗浄槽1を支持する基台3と、洗浄槽1の底
部に開設されたドレイン4とからなる基本構造を備えて
いる。洗浄槽1に注入した洗浄液5中に洗浄対象物Wを
浸し、超音波振動子2を励振させて洗浄液5中に超音波
を放射し、これに伴い洗浄液5中に生じる攪拌作用やキ
ャビテーション等の作用によって、洗浄対象物Wの表面
に付着した油脂等の汚染物を迅速かつ完全に剥離除去す
るようになっている。
【0003】ところで、洗浄液5として酸性やアルカリ
性の溶媒や有機溶媒を用いた溶媒洗浄を行う場合、洗浄
槽1がステンレス鋼からなる通常槽ではこのような溶媒
に腐食されてしまう。このため、洗浄槽1に例えばPV
DF(ポリフッ化ビニリデン)等の耐溶媒性に優れた合
成樹脂からなるものを用いるか、あるいは図3に示すよ
うに、通常のステンレス製洗浄槽1に水7を注入した状
態で、酸などの洗浄液5を充填したビーカーなどの内槽
6を水中に浸し、この内槽6内で洗浄対象物Wの洗浄を
行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術による
と、洗浄槽1をPVDF等の合成樹脂製とした場合は、
その底壁1a下面と超音波振動子2との接着強度に問題
があり、超音波振動子2を長時間連続的に励振させるこ
とによる温度上昇(約60℃以上となる)が、底壁1aと
超音波振動子2との接着箇所の剥離をきたすことがあ
る。このため、洗浄液5の温度管理や接着部の温度管理
が難しく、洗浄力を高める目的で出力を増大させること
が困難であった。しかも、接着部に剥離が生じた場合
は、接着をやり直すことがユーザには困難であるため、
洗浄槽1全体を工場に運んで修理(振動子の交換・接着
等)をしなければならず、メンテナンス費用が高騰する
という問題がある。
【0005】一方、図3に示す従来の洗浄法では、内槽
6内で洗浄を行うことから、洗浄対象物Wの大きさが著
しく制約される問題があり、しかも、洗浄槽1の底壁1
aとガラス容器6との接触面が振動に伴う摩擦等により
発熱することもあり、この場合にも底壁1aと内槽2と
の接着層が軟化あるいは劣化して超音波振動子2が剥離
・脱落する恐れがある。更には、内槽6の運動によっ
て、この内槽6の底面6aと洗浄槽1の底壁1aの間で
キャビテーションによる気泡が発生し、底壁1a側から
内槽6側へ伝達される振動エネルギを著しく減衰させて
洗浄力を低下させたり、洗浄槽1の底壁1aを侵食した
り(エロージョン)、超音波振動子2が軽負荷状態で励
振されることにより寿命の短縮を招くという問題もあ
る。
【0006】本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて
なされたもので、その主要な目的は、長時間駆動時の温
度上昇による超音波振動子の剥離を防止し、また、この
ような剥離が生じた場合の補修を容易化し、更に洗浄力
の向上及び寿命の向上を図ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記従来技術の問題点を
解決する本発明の超音波洗浄機は、隔壁を介して上側に
は洗浄槽を形成すると共に下側には液体封入室の側壁面
を形成する耐溶媒性の素材から成る槽本体と、この槽本
体を保持する基台上部において前記液体封入室の側壁面
の下端部にこの下端部との液密性を保ちながら着脱自在
に装着される振動板と、この振動板の下面に定着された
超音波振動子とを備えている。
【0008】そして、本発明の好ましい実施例は、上記
液体封入室内に封入液体を循環させる給・排液機構を備
えるものである。
【0009】
【作用】本発明の構成によれば、耐溶剤性の槽本体にお
ける上側の洗浄槽には水あるいは酸性溶剤等の洗浄液を
注入し、下端に振動板が封着された液体封入室には水等
の液体を封入充填し、超音波振動子の駆動によって発生
した超音波は、振動板から液体封入室内の封入液体及び
隔壁を介して洗浄槽内の洗浄液に放射され、この洗浄液
に浸漬された洗浄対象物の表面に対する洗浄作用を奏す
る。この場合、振動板と、隔壁の厚さと、振動板と隔壁
の間の封入液体層の深さは、それぞれの材質中の超音波
の音速を基礎として使用周波数の超音波のほぼ半波長又
はその整数倍となるように設定することによって、洗浄
槽内における超音波エネルギーの伝播が最も効率良くな
される。
【0010】また、本発明の好ましい実施例によれば、
液体封入室内の液体は、液体供給口を介して外部から供
給する一方液体排出口から外部へ排出して常時循環させ
ることによって、超音波振動子と振動板の接着部や洗浄
槽で発生する熱が効率的に除去される。
【0011】
【実施例】次に、本発明の超音波洗浄機を、図1に示す
好適な一実施例を参照しながら説明すると、まず参照符
号10は槽本体であって、側壁11及びその高さ方向中
腹部の略水平な隔壁12からなる断面略H形を呈してお
り、上端が開放された上側の洗浄槽10A及び下端が開
放された下側の液体封入室10Bが、前記隔壁12を介
して画成されている。この槽本体10は、典型的には耐
溶媒性に優れたPVDF(ポリフッ化ビニリデン)で成
形されるが、その他にも、例えばナイロン、ポリ塩化ビ
ニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、あるいはABS
樹脂等の合成樹脂材を用いることができる。
【0012】参照符号13はステンレス鋼等の金属から
なる振動板であって、前記液体封入室10Bの下端開放
部すなわち前記側壁11の下端部11aに、エラストマ
ー製パッキング14を介して、基台15の上端フランジ
部15aと共に複数の螺子部材16により着脱自在に封
着されており、この振動板13の下面には、図示しない
発振部によって励振される圧電効果型や磁歪効果型の超
音波振動子17が、接着剤を介して強固に接着されてい
る。また、振動板13は上記ステンレス鋼等の金属のほ
か、槽本体と同一の材質のものを用いることもできる。
【0013】振動板13には、液体封入室10Bの底部
に連通する液体供給口18が開設されており、また、槽
本体10の側壁11には、液体封入室10Bの上部に連
通する液体排出口19が開設されている。18a,19
aはこれら液体供給口18と液体排出口19にそれぞれ
設けられた締切弁である。また、液体供給口18は、槽
本体10の側壁11の最下部に開設することもできる。
【0014】上述の構成を備える本実施例の超音波洗浄
機を用いて、洗浄対象物Wの表面を洗浄する方法につい
て説明すると、槽本体10における洗浄槽10A内に
は、水あるいは酸性溶媒等よりなる洗浄液L1 が適当な
液位、例えば超音波振動子17から放射される超音波の
半波長又はその整数倍に相当する液位まで注入される。
また、液体封入室10B内には、液体供給口18を外部
の市水給水手段に接続すると共に液体排出口19を開放
するか、あるいはこれら液体供給口18及び液体排出口
19を図示しない液体循環供給装置に接続することによ
って、市水L2 を完全に充填すると共に、常時還流させ
る。
【0015】この状態で超音波振動子17を励振させる
と、これに接着された振動板13が共振し、その上面か
ら超音波が液体封入室10Bに封入された市水L2 中へ
放射され、さらに隔壁12を透過して洗浄槽10B内の
洗浄液L1 へ伝播される。なお、振動板13の肉厚t2
、液体封入室10Bの内のりの高さh、隔壁12の肉
厚t1 及び洗浄槽10A内の洗浄液L1 の液位は、それ
ぞれ前記超音波の半波長または半波長の整数(ゼロを含
む)倍にほぼ等しい値に設定される。
【0016】これにより、超音波振動子17から放射さ
れる超音波は、振動板13と液体封入室10B内の市水
L2 との界面、市水L2 と隔壁12との界面、隔壁12
と洗浄液L1 との界面及び洗浄液L1 の液面に波形の腹
が存在する定在波となるので、これらの部分で音圧の変
化が最大となるような音場が形成される。一例として、
振動板13の肉厚t2と隔壁12の肉厚t1 は、半波長
のほぼゼロ倍、すなわち、半波長に比べて十分小さな値
に設定される。
【0017】超音波振動子17と振動板13との接着部
や、洗浄槽10B等における音圧の変化が最大となる部
分には、摩擦による熱が多少発生するが、その中間に位
置する液体封入室10Bでは、市水L2 が外部から常時
流通されているため、その熱交換作用によって、外部へ
効率的に除去される。したがって、振動板13と超音波
振動子17の間に介在する接着剤が軟化あるいは劣化し
て剥離するような事態を有効に回避することができる。
【0018】超音波振動子17をステンレス鋼からなる
振動板13に接着したものであるため、PVDFからな
る洗浄槽の底面に接着したりこの洗浄層の成形の際にそ
の底面に一体化したりする従来の場合と比較して製造コ
ストが低廉となり、接着強度も十分に向上することがで
きる。しかも、万一振動板13から超音波振動子17が
剥離・脱落するといった不具合が発生したような場合
も、螺子部材16を緩めるだけで振動板13を槽本体1
0から取り外すことができるので、使用現場で容易に振
動板13を交換することができるため補修が容易にな
り、それに要する費用も低減される。
【0019】また、洗浄槽10Aを含む槽本体10が、
耐溶媒性に優れた材質からなるものであることから、ス
テンレス槽の場合のように内槽を用いる必要がない。し
たがって、洗浄対象物Wの大きさの制約が緩和されるば
かりでなく、内槽を用いた場合にキャビテーションによ
って発生する気泡が超音波エネルギを減衰させるといっ
た現象が生じ得ないので、洗浄力が向上し、隔壁12に
生じるエロージョンによって低負荷状態で超音波振動子
17が駆動たりすることもない。
【0020】なお、上述の構成において、液体供給口1
8及び液体排出口19の開設位置あるいは開口方向は、
液体封入室10B内に市水L2 の滞留部が形成された
り、空気溜りが形成されないように考慮して適宜に決定
され、超音波振動子17の数や配置も、振動板13の形
状や面積等によって決定され、液体封入室10B内へ充
填する液体も、市水L2 にとくに限定されるものではな
い。
【0021】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の超音波洗浄機によると、次に列挙するような効果を奏
することができる。 (1) 洗浄液に溶媒を用いる場合、この洗浄液を注入した
内槽に洗浄対象物を浸漬する必要がないので、内槽によ
る洗浄対象物の大きさの制約が緩和され、ガラス容器底
面での発泡による洗浄力低下、エロージョンの発生及び
低負荷駆動による超音波振動子の短命化を防止すること
ができる。 (2) 振動板を槽本体から簡単に取り外せる構成であるか
ら、超音波振動子が剥離した場合等の補修が容易であ
り、それに要する費用も低減できる。 (3) 超音波伝達媒体としての液体が液体封入室を流通す
ることによって、駆動時の温度上昇が抑えられ、材質の
劣化が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る超音波洗浄機の一実施例を示す概
略的な断面図である。
【図2】従来技術に係る超音波洗浄機の一例を示す概略
的な断面図である。
【図3】従来技術に係る超音波洗浄機の他の例を示す概
略的な断面図である。
【符号の説明】
10 槽本体 10A 洗浄槽 10B 液体封入室 11 側壁 12 隔壁 13 振動板 14 パッキング 15 基台 16 螺子部材 17 超音波振動子 18 液体供給口 19 液体排出口

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】隔壁を介して上側には洗浄槽を形成すると
    共に下側には液体封入室の側壁面を形成する耐溶媒性の
    素材から成る槽本体と、 前記槽本体を保持する基台上部において前記液体封入室
    の側壁面の下端部にこの下端部との液密性を保ちながら
    着脱自在に装着される振動板と、 この振動板の下面に定着された超音波振動子と、を具備
    してなることを特徴とする超音波洗浄機。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記液体封入室内に封入液体を循環させる給・排液機構
    を備えたことを特徴とする超音波洗浄機。
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