JP2015036141A - 超音波洗浄方法及び超音波洗浄装置 - Google Patents
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このように、伝搬槽内に封入された伝搬液は空気と接触しないので伝搬液中の溶存ガスが増減することはほとんど無く、伝搬液中の溶存ガス濃度が変動することを抑制できる。従って、洗浄ムラの発生を抑制することができる。さらに、伝搬槽を洗浄槽に脱着自在に取り付けているので、容易に伝搬槽を洗浄槽から取り外して洗浄槽及び伝搬槽内を洗浄したり伝搬液の入れ替えを行ったりできる。その結果、常に清潔に保ちながら、被洗浄物を高清浄度で洗浄することができる。
このようにすれば、封入された伝搬液の腐敗を抑制でき、より確実に衛生的な超音波洗浄を行うことができる。
このようにすれば、洗浄槽の伝搬槽と接する面に、定在波の波形の腹の部分が存在するので、効率よく超音波を洗浄液に伝搬することができ、より洗浄効果を高めることができる。
伝搬液を脱気水とすれば、伝搬液中にキャビテーション起因の気泡が発生することがない。その結果、超音波の伝搬が阻害されることがないので、伝搬効率を良くすることができ、より洗浄効果を高めることができる。
これらの材質を使用すれば、超音波洗浄装置の汚染を抑制できるので、超音波洗浄装置を清潔に保つことができる。
このようにすれば、洗浄液中に効率よくキャビテーションを発生させることができ、より洗浄効果を高めることができる。
このようなものであれば、伝搬液の腐敗を抑制でき、より確実に衛生的な超音波洗浄を行うことができるものとなる。
このようにすれば、洗浄槽の伝搬槽と接する面に、定在波の波形の腹の部分が存在するので、効率よく超音波を洗浄液に伝搬することができ、より洗浄効果が高いものとなる。
伝搬液が脱気水であれば、伝搬液中にキャビテーション起因の気泡が発生することがない。その結果、超音波の伝搬が阻害されることがないので、伝搬効率を良くすることができ、より洗浄効果を高めることができるものとなる。
これらの材質のものであれば、超音波を被洗浄物に効率よく伝搬して洗浄できるとともに、超音波洗浄装置の汚染を抑制できるので、超音波洗浄装置を清潔に保つことができる。
このようにすれば、洗浄液中に効率よくキャビテーションを発生させることができ、より洗浄効果を高めることができるものとなる。
間接照射型の超音波洗浄方法及び超音波洗浄装置において、伝搬槽が開放端を有している場合には、伝搬液中に空気中のガスが溶け込んでしまう。こうして伝搬液中の溶存ガスが増加すると伝搬液中の溶存ガス濃度が変動し洗浄ムラが発生してしまう。その結果、洗浄効果が低下してしまうというという問題があった。
まず、以下に本発明の超音波洗浄装置を、図1を参照して説明する。
図1に示すように、本発明の超音波洗浄装置1は、超音波振動子6と、洗浄液4を保持する洗浄槽2と、超音波振動子6から発生する超音波を洗浄槽2に伝搬させるための伝搬液5を保持する伝搬槽3とを具備するものである。
洗浄槽2と伝搬槽3について、これらの材質はステンレス又は石英から成るものであることが好ましい。
これらの材質であれば、超音波を伝搬させるのに都合がよく、また超音波洗浄装置の汚染を抑制できるので、超音波洗浄装置を清潔に保つことができるものとなる。
伝搬液5が脱気水であれば、伝搬液5中でキャビテーション起因の気泡が発生することがないため、キャビテーションによる超音波の伝搬の障害が起こらない。その結果、より洗浄効果を高めることができるものとなる。更に、キャビテーションにより伝搬槽3を傷めることが無く、伝搬槽3の劣化を防止できる。
更に、伝搬液5に酸化剤を添加することが好ましい。添加する酸化剤としては、例えば塩素系であれば次亜塩素酸ナトリウム、酸素系であれば過酸化水素水とすることができる。
酸化剤を添加した伝搬液5を封入すれば、雑菌が繁殖するなどして封入された伝搬液5が腐敗することを抑制でき、伝搬液5をより長時間清潔に保つことができるものとなる。
このようにすれば、洗浄槽2の伝搬槽3と接している面に、超音波振動子6から発振された超音波の定在波の波形の腹の部分が存在するものとなる。その結果、効率よく超音波を洗浄液に伝搬することができ、より洗浄効果を高めることができるものとなる。
このようなものであれば、洗浄液中に効率よくキャビテーションを発生させることができ、より洗浄効果を高めることができるものとなる。
また、伝搬槽3に封入されている伝搬液5は、空気との接触面積が極小化されているので溶存ガスの増減を抑制することができる。従って、伝搬液5中の溶存ガスの濃度が一定となり被洗浄物を均一にムラなく洗浄することができる。その結果、本発明の超音波洗浄装置1は、常に衛生面に問題が無く清潔に維持でき、且つ高い洗浄効果を有するものとなる。更に、伝搬液5が蒸発せず、液量の変動がないため、伝搬液5を追加する必要がなく、伝搬液5の供給装置も必ずしも必要ないのでコストを抑えることができるものとなる。
図2及び図3に示した、いずれの態様であっても、上記と同様に本発明の超音波洗浄装置1は、洗浄槽2に伝搬槽3が脱着自在に取り付けられており、常に衛生面に問題が無く清潔であり、且つ高い洗浄効果を有するものとなる。
まず、図1に示す超音波洗浄装置1の洗浄槽2に洗浄液4を、洗浄槽2に脱着自在に取り付けられている伝搬槽3に伝搬液5を注入する。洗浄槽2及び伝搬槽3の材質は、ステンレス又は石英とすることが好ましい。
伝搬槽3に封入する伝搬液5を脱気水とすれば、キャビテーション起因の気泡が発生することがないため、キャビテーションによる超音波の伝搬の障害が起こらないので超音波の伝搬効率が向上する。その結果、より洗浄効果を高めることができる。更に、伝搬液5中でキャビテーションが発生しないので、伝搬槽3を傷めることが無く、伝搬槽3の劣化を防止できる。
伝搬液5に酸化剤を添加すれば、雑菌が繁殖するなどして封入された伝搬液5が腐敗することを抑制でき、封入された伝搬液5をより長時間清潔に保つことができる。
このようにすれば、洗浄槽2の伝搬槽3と接している面に、超音波振動子6から発振された超音波の定在波の波形の腹の部分が存在するものとなる。その結果、効率よく超音波を洗浄液に伝搬することができ、より洗浄効果を高めることができる。
このようにすれば、洗浄液中に効率よくキャビテーションを発生させることができ、より洗浄効果を高めることができる。
また、伝搬槽3に封入されている伝搬液5は、空気との接触面積が極小化されているので伝搬液5中の溶存ガスの増加を抑制することができる。従って、伝搬液5中の溶存ガスの濃度が一定であれば被洗浄物を均一にムラなく洗浄することができる。その結果、医療分野や食品分野において衛生面に問題なく使用でき、清潔で、洗浄効果の高い超音波洗浄を行うことができる。更に、伝搬液5が蒸発せず、液量の変動がないため、長期にわたり均一な洗浄が行われ、また伝搬液5を追加する必要がなく、伝搬液5の供給装置も必要ないのでコストを抑えることができる。
図3に示すような、本発明の超音波洗浄装置を用いて、本発明の超音波洗浄方法に従って超音波洗浄を繰り返し行った。また、伝搬液としては、脱気水を用いた。この脱気水は、溶存酸素量が7.5mg/Lの純水を脱気し、脱気直後の溶存酸素量が0.9mg/Lであるものを使用した。このとき、洗浄槽内や伝搬液を封入した伝搬槽内に汚れが確認された時点で、伝搬槽を取り外して超音波洗浄装置を洗浄した。伝搬槽はフランジ部を有しているため、伝搬槽内部が洗浄し易く非常に清潔に保つことができた。
その結果、従来の伝搬槽が洗浄槽に固定されている超音波洗浄装置に比べ、衛生面を大幅に改善でき、超音波洗浄装置内を常に清潔に保つことができた。
ここでは、伝搬液中の溶存ガス量の時間変化を調べるために、伝搬液中の溶存酸素量の変化を測定した。
伝搬液中での溶存酸素量の変化を図4に示す。図4のグラフの横軸は、脱気水を伝搬槽に供給してからの経過時間(Hr)を表している。通常、脱気水の液温の変化に伴って溶存酸素量が変動していくが、ほとんどの時間で溶存酸素量が2.0mg/L前後で安定していることがわかった。このように、溶存ガスの量が安定しているので均一な洗浄を行うことができ、洗浄ムラを抑制することができた。
以上の結果から、超音波洗浄装置内を常に清潔な状態に保ちながら、洗浄効果が高い超音波洗浄が実施できることが分かった。
伝搬液として、純水に酸化剤として過酸化水素水を添加し、伝搬液中の過酸化水素濃度が1%となるように調整したものを使用したこと以外、実施例1と同様な条件で超音波洗浄を繰り返し行った。
伝搬液が伝搬槽に封入されてから45日(1080時間)経過した時点で伝搬液を取り出し腐敗調査を行ったが、菌の発生による伝搬液の汚染は無かった。これにより、更に長時間伝搬液を清潔に保ったまま、洗浄ムラの無い超音波洗浄が行えることが分かった。
また、上記酸化剤を次亜塩素酸ナトリウムに変え、伝搬液中の次亜塩素酸ナトリウムの濃度がそれぞれ1%、0.5%として超音波洗浄を繰り返し行った。その結果、どちらの場合も伝搬液が伝搬槽に封入されてから45日(1080時間)経過した時点で菌の発生による伝搬液の汚染は無かった。
図5に示すような、開放端を持っている伝搬槽を有する超音波洗浄装置を使用すること以外、実施例1と同様な条件で超音波洗浄を繰り返し行った。
その結果、伝搬液中の時間経過とともに溶存ガス量が変動してしまい、洗浄ムラが発生してしまった。
4…洗浄液、 5…伝搬液、 6…超音波振動子、
7…封止バルブ、 8…被洗浄物、 9…留め具。
Claims (12)
- 洗浄槽中の洗浄液に被洗浄物を浸漬し、伝搬槽に取り付けた超音波振動子から発振する超音波を前記伝搬槽中の伝搬液を介して前記洗浄液に伝搬させて前記被洗浄物を洗浄する超音波洗浄方法であって、
前記伝搬槽に前記伝搬液を封入し、前記伝搬槽を前記洗浄槽に脱着自在にして取り付けて洗浄を行うことを特徴とする超音波洗浄方法。 - 前記伝搬液に酸化剤を添加することを特徴とする請求項1に記載の超音波洗浄方法。
- 前記伝搬液中の前記超音波の波長をλ、自然数をnとしたとき、前記洗浄槽の前記伝搬槽と接する面から前記超音波振動子の前記伝搬槽と接する面までの距離を、(λ×n)/2とすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の超音波洗浄方法。
- 前記伝搬液を脱気水とすることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の超音波洗浄方法。
- 前記洗浄槽及び前記伝搬槽の材質として、ステンレス又は石英を用いることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の超音波洗浄方法。
- 前記超音波の発振周波数を20kHz〜2MHzとすることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の超音波洗浄方法。
- 超音波を発振する超音波振動子と、被洗浄物を浸漬させる洗浄液を保持する洗浄槽と、前記超音波振動子から発振される超音波を前記洗浄液に伝搬させるための伝搬液を保持する伝搬槽とを具備し、前記超音波振動子は前記伝搬槽に取り付けられたものである超音波洗浄装置であって、
前記伝搬槽は前記伝搬液が封入されたものであり、前記伝搬槽は前記洗浄槽に脱着自在に取り付けられたものであることを特徴とする超音波洗浄装置。 - 前記伝搬液は、酸化剤を添加されたものであることを特徴とする請求項7に記載の超音波洗浄装置。
- 前記伝搬液中の前記超音波の波長をλ、自然数をnとしたとき、前記洗浄槽の前記伝搬槽と接する面から前記超音波振動子の前記伝搬槽と接する面までの距離が、(λ×n)/2となるものであることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の超音波洗浄装置。
- 前記伝搬液が脱気水であることを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれか1項に記載の超音波洗浄装置。
- 前記洗浄槽及び前記伝搬槽の材質は、ステンレス又は石英から成るものであることを特徴とする請求項7乃至請求項10のいずれか1項に記載の超音波洗浄装置。
- 前記超音波の発振周波数は20kHz〜2MHzであることを特徴とする請求項7乃至請求項11のいずれか1項に記載の超音波洗浄装置。
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