JP2003158110A - ウエット処理用ノズルおよびウエット処理装置 - Google Patents

ウエット処理用ノズルおよびウエット処理装置

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宣明 芳賀
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウエット処理動作中に処理領域において処理
液の存在しない領域が生じた場合でも、超音波振動子の
破損防止を図る。 【解決手段】 被処理物Wのウエット処理のための処理
液2を被処理物Wの被処理面W1に向けて供給する導入
開口部21bと、ウエット処理後の排出液2を被処理面
W1から排出する排出開口部22bとを具備するウエッ
ト処理用ノズル1であって、被処理面W1上の処理液2
に対して超音波振動を付与するための超音波振動子48
と、該超音波振動子48に接する振動部46とを備え、
振動部46は、超音波振動子48の少なくとも被処理物
W側に設けられ、被処理物W側の振動部46の厚み寸法
Tと、振動部46における超音波振動の波長λとの関係
が、 T=(n±0.1)・λ/2 (但し、nは2以
上の整数) に設定されてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば半導体デバ
イス、液晶表示パネル等の製造プロセスにおける洗浄、
剥離、現像、エッチング、メッキ、研磨等のウェット処
理工程において、被処理物上に処理液を供給するための
ウェット処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイス、液晶表示パネル等の電
子機器の分野においては、その製造プロセス中に被処理
物である半導体基板やガラス基板を洗浄処理する工程が
必須である。洗浄工程においては、製造工程中の種々の
除去対象物質を除去すべく、超純水、電解イオン水、オ
ゾン水、水素水等、種々の洗浄液を用いた洗浄が行われ
るが、これら洗浄液は洗浄装置のノズルから基板上に供
給される。ところが、従来一般の洗浄用ノズルを用いた
場合、洗浄液の使用量が多くなるという問題があった。
例えば500mm角の基板の洗浄を電解イオン水等の洗
浄液を用いて行い、かかる洗浄液による洗浄とリンス洗
浄水によるリンスを行った後の基板上のパーティクルの
残存量として0.5個/cm2 レベルの清浄度を達成
しようとすると、25〜30リットル/分程度の洗浄液
およびリンス洗浄液を使用しなければならなかった。
【0003】そこで、従来型に比べて洗浄液の使用量を
大幅に削減できる省液型の洗浄用ノズルとして、被処理
基板上に処理液を供給して被処理基板のウェット処理を
行う際に用いるウェット処理用ノズルであって、一端に
処理液を導入するための導入口を有する導入通路と一端
に使用後の処理液を外部に排出するための排出口を有す
る排出通路とが形成され、これら導入通路と排出通路の
それぞれの他端に、被処理基板に向けて開口する導入開
口部と排出開口部とが設けられたウェット処理用ノズル
が、既に知られており、ここでは、このウェット処理用
ノズルを用いたウェット処理用ノズル装置として、ウェ
ット処理用ノズルと、前記導入開口部を通して前記被処
理基板に接触した処理液を処理後に、前記排出通路外に
流れないように前記被処理基板と接触している処理液の
圧力と大気圧との差を制御し前記排出通路を通して吸引
排出する手段とを有することを特徴とするウェット処理
用ノズル装置が提供されている。また、このウェット処
理用ノズルを用いたウェット処理装置として、前記ウェ
ット処理用ノズルと、前記被処理基板の被処理面に沿っ
て前記ウェット処理用ノズルと前記被処理基板とを相対
移動させることにより前記被処理基板の被処理面全域を
処理するためのノズルまたは被処理基板の移動手段とを
有することを特徴とするウェット処理装置が提供されて
いる。
【0004】すなわち、上記のウェット処理装置等によ
れば、処理液を供給した部分以外の部分に処理液を接触
させることなく、被処理基板上から除去することがで
き、省液型ノズルを実現することができる。また、被処
理基板の被処理面に沿ってウェット処理用ノズルと被処
理基板とを相対移動させる移動手段とを備えたことによ
り、被処理基板の被処理面全域を処理することができる
ものである。
【0005】さらに、このような省液型のノズルにおい
て、超音波を照射する際に適用する構成として、図13
に示すようなウエット処理用ノズルが知られている。こ
のウエット処理用ノズルは、一端に処理液100を導入
するための導入口101aを有する導入管101と、一
端にウエット処理後の処理液100を外部へ排出するた
めの排出口102aを有する排出管102とが設けら
れ、導入管101と排出管102のそれぞれの他端が連
結され、被処理基板90に対向する連結部103が形成
され、連結部103に導入管101が開口している第1
開口部101bと、排出管102が開口している第2開
口部102bが設けられたものである。上記連結部10
3と被処理基板90の間の空間には、ウエット処理を行
う処理領域105が形成されている。また、上記連結部
103には、処理領域105内の処理液100に超音波
振動を付与するための超音波振動子が設けられている。
ここでの超音波振動子は、振動板96と、振動板96の
主面の両端から立ち上がる側板97と、振動板96の主
面上に設けられた超音波振動子本体108とから構成さ
れている。振動板96の厚みは、1MHz程度の超音波
に設定された場合に、3mm程度に設定されている。ま
た、排出管102の排出口102aには減圧ポンプ(図
示略)が接続されている。
【0006】また、処理液100は導入管101の導入
口101aから供給され、第1開口部101bに至る
が、排出管102の排出口102aには減圧ポンプ(図
示略)が接続されているので、減圧ポンプの吸引圧力を
制御することにより、導入管101に供給された処理液
100が第1開口部101bの大気と接触している処理
液100の圧力(処理液100の表面張力と被処理基板
90の被処理面の表面張力も含む)と大気圧との差を制
御できるようになっている。すなわち、第1開口部10
1bの大気と接触している処理液100の圧力Pw(処
理液の表面張力と基板90の被処理面の表面張力も含
む)と大気圧Pa との関係をPw≒Paとすることによ
り、第1開口部101bを通じて基板90に供給され、
基板90に接触した処理液100は、ウエット処理用ノ
ズルの外部に漏れることなく、排出管102に排出され
る。このため、このウエット処理用ノズルは、省液型で
ないタイプのノズルに比べて処理液の使用量を大幅に削
減することができる。また、図示した例のノズルでは、
被処理基板90の洗浄の際、処理領域105に処理液1
00を供給した状態で上記超音波振動子本体108によ
り振動板96にから超音波振動を付与し、処理液100
と共働して被処理基板90を洗浄する。このとき、伝播
する超音波により振動板96の温度が上昇するが、同時
に、供給されている処理液によって冷却され、振動板9
6の温度上昇は1℃程度となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図に示した上
記のような省液型のウエット処理用ノズルのうち超音波
を照射するタイプにおいては、使用する処理液量を減少
化した際、このウエット処理用ノズルと被処理基板90
の間の処理領域105に気泡が入ることなどにより、こ
の処理領域に処理液の存在しない部分ができることがあ
る。この処理液の充填されていない部分では、照射され
た超音波が被処理基板90から反射されてしまい、この
反射された超音波により振動板96の温度が上昇する。
特に、振動板96が3mm程度と薄い場合には、この熱
が超音波振動子本体108側に伝播するとともに、振動
板96と超音波振動子本体108との接続部分が瞬間的
に加熱されてしまい、結果として、超音波振動子本体1
08が振動板96から剥離したり、超音波振動子本体1
08の温度が上昇し、動作不良を起こすか、または、破
損してしまう可能性があるという問題があった。
【0008】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
ので、以下の目的を達成しようとするものである。 ウエット処理動作中に処理領域において処理液の存
在しない領域が生じた場合でも、超音波振動子の破損防
止を図ることができるウエット処理用ノズルを提供する
こと。 ウエット処理動作中に処理領域において処理液の存
在しない領域が生じた場合でも、超音波振動子における
温度上昇の防止を図ることができるウエット処理用ノズ
ルを提供すること。 超音波振動子における動作安定性の向上を図ること
ができるウエット処理用ノズルを提供すること。 上記のウエット処理用ノズルを有するウエット処理
装置を提供すること。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のウエット処理用
ノズルは、被処理物のウエット処理のための処理液を前
記被処理物の被処理面に向けて供給する導入開口部と、
前記ウエット処理後の前記処理液の排出液を前記被処理
面から排出する排出開口部とを具備するウエット処理用
ノズルであって、前記被処理面上の前記処理液に対して
超音波振動を付与するための超音波振動子と、該超音波
振動子に接する振動部とを備え、前記振動部は、前記超
音波振動子の少なくとも前記被処理物側に設けられ、該
被処理物側の前記振動部の厚み寸法Tと、該振動部にお
ける前記超音波振動の波長λとの関係が、 T=(n±0.1)・λ/2 (但し、nは2以
上の整数) に設定されてなることにより上記課題を解決した。本発
明において、前記被処理物側の前記振動部の厚み寸法T
と、該振動部における前記超音波振動の波長λとの関係
が、 T=(n±0.1)・λ/2 (但し、nは3以
上7以下の整数) に設定されてなることが好ましく、特に、T=(5±
0.1)・λ/2に設定されてなることが好ましい。ま
た、本発明において、前記振動部の前記被処理物側に接
して、被覆部が設けられてなる手段を採用することもで
きる。また、前記被覆部は、前記被処理物側の表面が前
記処理液に対する耐反応性および/または耐熱性を有す
るよう構成されてなることができる。本発明において
は、前記被覆部の厚み寸法T’と、該被覆部における前
記超音波振動の波長λ’との関係が、下記のいずれかに
設定されてなることが望ましい。。 T’≦λ’/20 T’=(1±0.1)・λ’/2 本発明においては、前記振動部が、前記超音波振動子の
前記被処理物側とその反対側との双方に設けられてなる
手段を採用することもできる。また、本発明のウエット
処理用ノズルは、被処理物のウエット処理のための処理
液を前記被処理物の被処理面に向けて供給する導入開口
部と、前記ウエット処理後の前記処理液の排出液を前記
被処理面から排出する排出開口部とを具備するウエット
処理用ノズルであって、前記被処理面上の前記処理液に
対して超音波振動を付与するための超音波振動子と、該
超音波振動子に接して、前記被処理物側に設けられた被
覆部と、前記超音波振動子に接して、前記被覆部と反対
側に設けられた振動部と、を備え、前記被覆部の厚み寸
法T’と、該被覆部における前記超音波振動の波長λ’
との関係が、下記のいずれかに設定されてなることによ
り上記課題を解決した。 T’≦λ’/20 T’=(1±0.1)・λ’/2 本発明において、前記被覆部は、前記被処理物側の表面
が前記処理液に対する耐反応性および/または耐熱性を
有するよう構成されてなることができる。さらに、上記
各発明において、前記振動部には、該振動部を冷却する
冷却手段が設けられてなることが可能である。また、前
記冷却手段が、前記振動部の内側および/または外側に
位置する冷却管に冷却液を流通する構成とされてなるこ
とがある。本発明においては、前記冷却液が、前記処理
液、および/または、前記排出液とされてなることが好
ましい。本発明のウエット処理装置は、上記のウエット
処理用ノズルと、前記導入開口部と前記被処理物の被処
理面との間に処理液を導入するための処理液導入手段
と、前記排出開口部と前記被処理物の被処理面との間か
ら処理液を吸引して排出するため処理液回収手段と、被
処理物の被処理面に沿って前記ウエット処理用ノズルと
前記被処理物とを相対移動させることにより前記被処理
物の被処理面全域を処理するためのノズル・被処理物相
対移動手段とを有することにより上記課題を解決した。
【0010】本発明のウエット処理用ノズルは、被処理
物のウエット処理のための処理液を前記被処理物の被処
理面に向けて供給する導入開口部と、前記ウエット処理
後の前記処理液の排出液を前記被処理面から排出する排
出開口部とを具備するウエット処理用ノズルであって、
前記被処理面上の前記処理液に対して超音波振動を付与
するための超音波振動子と、該超音波振動子に接する振
動部とを備え、前記振動部は、前記超音波振動子の少な
くとも前記被処理物側に設けられ、該被処理物側の前記
振動部の厚み寸法Tと、該振動部における前記超音波振
動の波長λとの関係が、 T=(1±0.1)・λ/2 (但し、nは2以
上の整数) に設定されてなることにより、振動部と被処理物の被処
理面との間の処理領域において、気泡が巻き込まれて処
理液が無い領域が存在した場合にも、振動板の厚み寸法
を大きく設定して、振動部から超音波振動子へ伝播する
熱を低減し、超音波振動子の温度が上昇することを防止
して、超音波振動子が破損してしまうことを防止でき
る。
【0011】ここで、「振動部の厚み寸法」とは、超音
波振動子から処理物へ音波を伝播する方向、言い換える
と超音波振動子から被処理物の被処理面へ向かう方向、
つまり、被処理物が半導体や液晶等の基板である場合に
はその法線方向における厚み寸法を意味するものであ
る。また、「被処理物側の振動部の厚み寸法」とは、被
処理物側のみの厚み寸法を意味するものであり、振動部
が超音波振動子の被処理物側と反対側にも設けられてい
ても、被処理物側と反対側の厚み寸法を含まない。ま
た、「振動部の超音波振動の波長」とは、超音波振動の
周波数と振動部の材質等で決まる値であり、例えば、超
音波振動の周波数が1MHzに設定され、振動部がステ
ンレス鋼(SUS316L)であると、その半波長(λ
/2)は、標準的な使用条件における標準的な温度であ
る20℃において3mm程度となる。
【0012】本発明によれば、厚み寸法Tを従来よりも
厚く設定する。例えば、振動部がステンレス鋼(SUS
316L)である場合、従来の標準的な厚み寸法Tは3
mm程度であったが、超音波振動の周波数が1MHzの
場合、半波長の2倍以上、例えば6mmに設定する。そ
の結果、超音波振動子へ伝播する熱量を低減することが
できる。また、厚み寸法Tを、半波長(λ/2)の整数
倍を中心とする所定の範囲内に設定したので、超音波振
動子から被処理液への超音波振動の透過率を高くするこ
とができる。
【0013】なお、処理液が無い領域とは、処理領域に
おいて、上記の厚み寸法方向に処理液が充分存在してお
らず、被処理基板表面で超音波の大半が反射してしまう
状態のことを云うものとする。
【0014】本発明において、厚み寸法Tが、該振動部
における前記超音波振動の半波長の3倍から7倍、特に
5倍の付近に設定されてなることにより、振動部におい
て超音波振動を効率よく伝播することが可能となるとと
もに、厚み寸法Tを大きく設定して、振動部から超音波
振動子へ伝播する熱をより低減し、超音波振動子の温度
が上昇することをいっそう防止して、超音波振動子が破
損してしまうことをさらに防止できる。厚み寸法Tが、
該振動部における前記超音波振動の半波長の7倍を越え
る範囲に設定された場合には、共振点が温度変動等によ
って容易に変動してしまうため、超音波振動子から超音
波振動を付与した際の振動が減衰して、可振しなくなっ
てしまうので好ましくない。また、厚み寸法Tが、該振
動部における超音波振動の半波長の3倍より小さい範囲
に設定された場合には、振動部と被処理物の被処理面と
の間の処理領域において、気泡が巻き込まれて処理液が
無い領域が存在した場合に、振動部から超音波振動子へ
伝播する熱の低減度合いが小さく、超音波振動子の温度
が上昇してしまうため、好ましくない。厚み寸法Tを半
波長の5倍に設定されてなることにより、超音波振動子
を安定した駆動と、かつ、処理領域にウエット処理液の
無い部分のできた場合の超音波振動子における破損可能
性の低減とを最適にできる。
【0015】また、本発明において、前記振動部の前記
被処理物側に接して、被覆部が設けられてなることによ
り、振動部に直接処理液が接触しないので、前記振動部
表面がウエット処理されてしまうことがないため、振動
部が処理液および超音波振動により劣化してしまうこと
を低減して、振動部の寿命を長くすることができ、さら
に、振動部の成分が処理液中に混合して被処理物表面を
汚染してしまうことを防止できる。
【0016】前記被覆部は、前記被処理物側の表面が前
記処理液に対する耐反応性および/または耐熱性を有す
るよう構成されてなることにより、振動部に反応性処理
液や高温で反応性の処理液が直接接触しない上、被覆部
表面がウエット処理されてしまうことがないため、振動
部が処理液および超音波振動により劣化してしまうこと
をさらに低減し、振動部の寿命をより長くすることがで
き、さらに、振動部および処理面被覆部の成分が反応性
や高温の処理液中に混合して被処理物表面を汚染してし
まうことを防止できる。
【0017】ここで、ウエット処理としては、洗滌、剥
離、現像、ウエットエッチング、メッキ、研磨等の処理
を適用することができる。このとき、振動部付近に供給
する処理液としては、洗浄処理の場合は、超純水、電解
イオン水、オゾン水、水素水、等が用いられ、剥離処理
の場合には、希NaOH、希KOH等無機アルカリや、
アミン系剥離液等が用いられ、現像処理の場合には、希
NaOH、希KOH等無機アルカリや、トリメチルアン
モニウムハイトライト希釈液等が用いられ、ウエットエ
ッチングの場合には、フッ素酸エッチング液等が用いら
れ、メッキ処理の場合には、Cu用、Ag用、Au用メ
ッキ液等が用いられ、研磨処理の場合には、SiO2
ラリー、Al23スラリー、ダイヤモンドスラリー等が
用いられる。これに対応して、被覆部は、石英や、PF
A等のフッ素樹脂からなることや、用いる処理液によっ
ては、振動部が、被覆部としての最表面がクロム酸化物
のみからなる不動態膜面のステンレス(SUS316L
等)からなることができる。また、振動部が、酸化アル
ミニウムとクロム酸化物の混合膜を被覆部として表面に
備えたステンレスとされることや、処理水がオゾン水と
された場合には被覆部としての電解研磨表面を備えたチ
タン等とされることができる。このほかにも、被覆部と
しては、高純度アルミナ、サファイヤ、4フッ化エチレ
ン等のフッ素樹脂や、PEEK(ポリエーテルエーテル
ケトン)、高純度ガラス状カーボン、を適用することが
可能である。
【0018】本発明においては、前記被覆部の厚み寸法
T’が、該被覆部における超音波振動の半波長(λ’/
2)の1/10以下または1倍を中心とする一定の範囲
に設定されてなることにより、超音波振動子から被処理
物に照射される振動エネルギーのロス分をほぼ最小化し
て、ウエット処理を安定化することができる。ここで、
被覆部の厚み寸法が該被覆部における超音波振動の半波
長の1/10以下または1倍の範囲に設定された場合に
は、超音波振動を被覆部を介して処理液に充分効率的に
伝播させることができるが、これに対して、被覆部の厚
み寸法が前記半波長の1/10より大きく前記半波長の
1倍未満の範囲および半波長の1倍より大きい範囲に設
定された場合には、超音波振動子から被処理物に照射さ
れる振動エネルギーのロス分が増大してしまい好ましく
ない。
【0019】なお、被覆部における超音波振動の半波長
の1/10以下または1倍という数値は、振動部および
被覆部の温度状態や、付与される超音波振動の周波数に
依って最も効率のいい状態を選択できるよう定義幅を有
するものとされ、厳密に半波長の1/10や、1倍の値
には限るものではない。具体的には、超音波振動子から
発せられた超音波振動の該振動部内での波長をλとした
ときに、半波長の1/10以下という数値範囲は、λ/
120〜λ/20の範囲以下であることが好ましく、よ
り好ましくは、λ/120〜λ/60の範囲以下とされ
るものである。また、半波長の1倍という数値は、具体
的には、λ/2±0.5mmの範囲とされていることが
好ましく、より好ましくはλ/2±0.05mmの範
囲、さらにいは、λ/2±0.01mmの範囲内とされ
ることができる。このように被覆部の厚みを設定するこ
とにより、超音波振動子からの超音波振動を有効に伝播
させることができるので、このような優れた特性を有す
る超音波振動子が備えられたウエット処理用ノズルを用
いてウエット処理を行うと、超音波振動(超音波エネル
ギー)が処理液に十分付与され、効率良くウエット処理
を行うことができる。
【0020】本発明においては、前記振動部が、前記超
音波振動子の前記被処理物側とその反対側との双方に設
けられてなる手段を採用することもできる。この場合、
振動部が被処理物側だけでなくその反対側にも備えられ
ているので、被処理物側の振動部の厚み寸法Tを徒に厚
くすることなく、振動部全体を厚く形成することが可能
である。その結果、超音波振動の超音波振動子から処理
液への透過率を低下させずに、発生する熱を振動子全体
に分散し、超音波振動子が高温になることをより確実に
防止することができる。なお、被処理物側の振動部とそ
の反対側の振動部とは、一体に形成しても、別体のもの
として形成しも差し支えない。
【0021】また、本発明のウエット処理用ノズルは、
被処理物のウエット処理のための処理液を前記被処理物
の被処理面に向けて供給する導入開口部と、前記ウエッ
ト処理後の前記処理液の排出液を前記被処理面から排出
する排出開口部とを具備するウエット処理用ノズルであ
って、前記被処理面上の前記処理液に対して超音波振動
を付与するための超音波振動子と、該超音波振動子に接
して、前記被処理物側に設けられた被覆部と、前記超音
波振動子に接して、前記被覆部と反対側に設けられた振
動部と、を備え、前記被覆部の厚み寸法T’と、該被覆
部の前記超音波振動の波長λ’との関係が、下記のいず
れかに設定されてなることにより上記課題を解決した。 T’≦λ’/20 T’=(1±0.1)・λ’/2
【0022】この場合、振動部が被処理物側の反対側に
備えられているので、超音波振動の超音波振動子から処
理液への透過率を低下させずに、発生する熱を振動子に
分散し、超音波振動子が高温になることを防止すること
ができる。また、被覆部の厚み寸法T’が、超音波振動
における半波長(λ’/2)の1/10以下または1倍
を中心とする一定の範囲に設定されてなることにより、
超音波振動子から被処理物に照射される振動エネルギー
のロス分をほぼ最小化して、ウエット処理を安定化する
ことができる。ここで、被覆部の厚み寸法が該被覆部に
おける超音波振動の半波長の1/10以下または1倍の
範囲に設定された場合には、超音波振動を被覆部を介し
て処理液に充分効率的に伝播させることができるが、こ
れに対して、被覆部の厚み寸法が前記半波長の1/10
より大きく前記半波長の1倍未満の範囲および半波長の
1倍より大きい範囲に設定された場合には、超音波振動
子から被処理物に照射される振動エネルギーのロス分が
増大してしまい好ましくない。
【0023】さらに、前記振動部には、該振動部を冷却
する冷却手段が設けられてなることにより、処理領域に
気泡が入り、処理液のない部分が生じた状態で長時間使
用した場合でも、冷却手段により振動部を冷却して振動
部の温度上昇を低減して、振動部の温度制御をおこなう
ことができるため、超音波振動子と振動部との接続部分
および、超音波振動子の温度上昇を防止して、超音波振
動子における破損可能性の低減が可能であるとともに、
ウエット処理における超音波照射の安定駆動を可能とす
ることができる。
【0024】また、前記冷却手段が、前記振動部の内側
および/または外側に位置する冷却管に冷却液を流通す
る構成とされてなることにより、処理領域に処理液が無
い部分ができたとしても、振動部を冷却液により冷却す
ることが可能となるため、振動部の温度上昇を防止する
ことができ、超音波振動子と振動部との接続部分およ
び、超音波振動子の温度上昇を防止して、超音波振動子
における破損可能性を低減することが可能である。ここ
で、振動部の内側に位置する冷却管とは、例えば、振動
部に一体として設けられた冷却孔としての冷却管や振動
部表面に設けられた溝部を蓋体で覆った冷却管内部に冷
却液を流通可能な構造のことを意味し、また、振動部の
外側とは、振動部表面に沿って接続される冷却管あるい
は、振動部表面によって覆われる溝部を有する冷却体か
らなる冷却管内に冷却液を流通可能な構成を意味するも
のである。
【0025】本発明においては、前記冷却液が、前記処
理液とされてなること、および/または、前記排出液と
されてなることにより、冷却用に冷却液供給排出手段を
設けることなく、処理液供給排出手段によって冷却液の
供給排出をおこない振動部の冷却をおこなうことができ
るため、製造コストの低減を図ることができる。さら
に、処理液を冷却液とした場合には処理液の温度制御に
振動部の冷却時の熱を利用することが可能となる。ま
た、排出液を冷却液とした場合には、振動部の温度状態
に依存することなく処理液を供給して、かつ、振動部の
冷却をおこなうことができる。
【0026】また、上記の超音波振動子においては、超
音波振動の周波数が、20kHz〜10MHzの範囲で
あることが好ましい。このような構成とすることによ
り、ウエット処理用ノズルに備えてウエット処理を行う
場合に実用的な超音波洗浄が可能である。
【0027】本発明のウエット処理装置は、上記のウエ
ット処理用ノズルと、前記導入開口部と前記被処理物の
被処理面との間に処理液を導入するための処理液導入手
段と、前記排出開口部と前記被処理物の被処理面との間
から処理液を吸引して排出するため処理液回収手段と、
被処理物の被処理面に沿って前記ウエット処理用ノズル
と前記被処理物とを相対移動させることにより前記被処
理物の被処理面全域を処理するためのノズル・被処理物
相対移動手段とを有することにより、上記本発明のウエ
ット処理用ノズルの利点を有したまま被処理物の被処理
面全域を処理することができ、また、超音波ウエット処
理を長時間安定しておこなうことができ、投入電力に対
する洗浄効率の高いウエット処理装置を提供できる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るウエット処理
用ノズルおよびウエット処理装置の第1実施形態を、図
面に基づいて説明する。 [第1の実施形態]図1は、本実施形態におけるウエッ
ト処理用ノズルを示す下面図、図2は、図1のII−II線
に沿った断面図である。図において、符号1は、本実施
形態におけるウエット処理用ノズルである。
【0029】本実施形態の洗浄用ノズル1は、図1,図
2に示すように、一端に洗浄液(処理液)2を導入する
ための導入口21aを有する導入通路(導入管)21と
一端に洗浄後の洗浄液(ウエット処理後の処理液の排出
液)を外部へ排出するための排出口22aを有する排出
通路(排出管)22とが設けられ、これら導入通路21
と排出通路22のそれぞれの他端が連結され、被処理基
板(被処理物)Wに対向する対向面46Aを有する連結
部23を形成するとともに、この連結部23に導入通路
21が開口している第1の開口部(導入開口部)21b
と、排出通路22が開口している第2の開口部(排出開
口部)22bが設けられたものである。このようなノズ
ルは、プッシュ・プル型ノズル(省流量型ノズル)と呼
ばれるものである。第1と第2の開口部21b,22b
は、被処理基板Wに向けて開口している。連結部23と
被処理基板Wの間の空間には、ウエット処理を行う処理
領域35が形成されている。
【0030】さらに、連結部23には、被処理基板Wが
洗浄されている間、処理領域35内の洗浄液2に超音波
振動を付与するための超音波振動子部分40が設けられ
ている。この超音波振動子部分40は、振動板(振動
部)46と、振動板46の主面上に設けられ、振動板4
6に超音波振動を付与する超音波振動子48とが備えら
れてなるものである。超音波振動子48は、PZT等の
電歪素子とされ、発振器から超音波周波電気信号を受け
て超音波振動を発生する。この超音波振動子48は、エ
ポキシ樹脂を主成分とする超音波振動子接着用等の接着
剤により振動板46に接続されている。振動板46を構
成する材料としては、高純度ガラス状カーボン、ステン
レス鋼、石英、サファイア、アルミナ等のセラミック
ス、あるいは、アルミニウム、およびその合金、チタ
ン、マグネシウムなどのうちから選択されて用いられ
る。通常の洗浄処理に用いるウエット処理用ノズルに備
えられる場合は、振動板46の材料としてはステンレス
鋼で十分であるが、洗浄液が比較的強い酸やフッ酸であ
る場合は、サファイア又はアルミナ等のセラミックスか
ら構成することが、ウエット処理液に対する耐性が優
れ、劣化を防止できるため、ウエット処理を行う上で好
ましい。
【0031】また、超音波振動子48は、20kHz〜
10MHzの範囲の周波数の超音波振動を出力可能なも
のであることがウエット処理を行う場合に実用的な点で
好ましく、特に、保持可能な処理液層の厚さの観点から
0.2MHz以上の周波数がより好ましい。また、超音
波振動子48から発せられた超音波振動の振動板46内
での波長λの長さは、振動板46がステンレス鋼(SU
S316L)製の場合、約0.6mmから約300mm
の範囲となる。
【0032】振動板46は、図1に示すその厚み寸法T
が、超音波振動子48から発せられた超音波振動の該振
動板46内での波長をλとしたときに、 T=(n±0.1)・λ/2 (但し、nは2以
上の整数) に設定される。nの値としては、3〜7、特に5が好ま
しい。ここで、厚み寸法Tは、λ±0.3mm、3λ/
2±0.3mm、5λ/2±0.3mm、7λ/2±
0.3mmのように、各数値に対して幅を持った範囲内
に設定されることが好ましい。これは、温度変化等の条
件を考慮したものである。このように厚み寸法Tを設定
することにより、超音波振動子48からの超音波振動を
有効に伝播させることができ、超音波振動子部分40が
備えられた洗浄用ノズル1を用いてウエット処理を行う
と、超音波振動(超音波エネルギー)が洗浄液2に十分
付与でき、効率良くウエット処理を行うことができる。
【0033】また、排出通路22側には、圧力制御部
(図示略)が設けられ、この圧力制御部(処理液回収手
段)は、被処理基板Wに接触した洗浄液2が洗浄後に排
出通路22に流れるように、第1の開口部21bの大気
と接触している洗浄液の圧力(洗浄液の表面張力と被処
理基板の被洗浄面の表面張力も含む)と大気圧との均衡
がとれるように設けられている。上記圧力制御部は、排
出口22a側に設けられた減圧ポンプにより構成されて
いる。したがって、排出通路22側の圧力制御部に減圧
ポンプを用いて、この減圧ポンプで連結部23の洗浄液
を吸引する力を制御して、第1の開口部21bの大気と
接触している洗浄液の圧力(洗浄液の表面張力と被処理
基板Wの被洗浄面の表面張力も含む)と大気圧との均衡
をとるようになっている。つまり、第1の開口部21b
の大気と接触している洗浄液の圧力Pw (洗浄液の表面
張力と基板Wの被洗浄面の表面張力も含む)と大気圧P
a との関係をPw≒ Paとすることにより、第1の開口
部21bを通じて被処理基板Wに供給され、被処理基板
Wに接触した洗浄液は、洗浄用ノズルの外部に漏れるこ
となく、排出通路22に排出される。すなわち、洗浄用
ノズルから被処理基板W上に供給した洗浄液は、被処理
基板W上の洗浄液を供給した部分(第1と第2の開口部
21b,22b)以外の部分に接触することなく、基板
W上から除去される。
【0034】ここでの被処理基板Wの洗浄の際、処理領
域35に洗浄液2を供給した状態で上記超音波振動子4
8により超音波振動を付与し、洗浄液2と共働して被処
理基板Wを洗浄できる。また、本実施形態の洗浄用ノズ
ル1に備えられた超音波振動子部分40は、超音波振動
子48から超音波振動が放射されると超音波振動が振動
板46に伝播されるが、振動板46の厚み寸法Tが上記
の様に設定されているので、伝播した超音波振動が、振
動板46の主面と反対側の対向面46A(超音波振動子
48が設けられた面と反対側の面)から処理領域35の
洗浄液2に効率良く放射される。
【0035】洗浄用ノズル1の各開口部21b,22b
と、被処理基板Wとの間の距離Hは、8mm以下で被処
理基板Wと接触しない範囲がよく、好ましくは6mm以
下で基板Wと接触しない範囲、より好ましくは3mm以
下で基板Wと接触しない範囲とするのがよい。8mmを
越えると、基板Wと洗浄用ノズルとの間に所望の洗浄液
を満たすことが困難となり、洗浄が難しくなるからであ
る。
【0036】洗浄用ノズル1の接液面となる対向面46
Aは、PFA等のフッ素樹脂や、用いる洗浄液によって
は最表面がクロム酸化物のみからなる不動態膜面のステ
ンレス、あるいは酸化アルミニウムとクロム酸化物の混
合膜を表面に備えたステンレス、オゾン水に対しては電
解研磨表面を備えたチタン等からなる対応面被覆部とす
ることが、洗浄液への不純物の溶出がないことから好ま
しい。接液面を石英により構成すれば、フッ酸を除く全
ての洗浄液の供給に好ましい。本実施の形態における洗
浄用ノズルの構成においては、処理領域35に供給され
る洗浄液2が水素水である場合は、水素水超音波洗浄用
ノズルとして用いることができ、洗浄液がオゾン水であ
る場合は、オゾン水超音波洗浄用ノズルとして用いるこ
とができ、洗浄液が純水である場合は、純水リンス超音
波洗浄用ノズルとして用いることができる。
【0037】本実施形態の洗浄用ノズル1では、振動部
(振動板)46の厚み寸法が、振動部46における超音
波振動の半波長λ/2の2倍を越えた整数倍に設定され
てなることにより、振動部46の対向面46Aと被処理
物Wの被処理面W1との間の処理領域35において、気
泡が巻き込まれて処理液2が無い領域が存在した場合に
も、振動板46の厚み寸法Tを従来より大きく設定し
て、上記気泡の領域において被処理基板Wから反射した
超音波により振動板46で熱が発生した場合に、振動部
46から超音波振動子48へ伝播する熱を低減し、超音
波振動子48の温度が上昇することを防止して、超音波
振動子48が破損してしまうことを防止できるととも
に、振動板46と超音波振動子48との接続部分が破損
してしまい動作不良を起こすことを防止することができ
る。例えば、超音波振動における周波数が1MHzに設
定されるとともに、振動部46がステンレス鋼(SUS
316L)とされた場合には、その半波長λ/2は3m
m程度となり、振動部46の厚さ寸法Tを従来の3mm
程度よりも厚く設定し,6mmとすることができ、これ
により振動板46から伝播する熱量を超音波振動子46
以外の部分に逃がす割合を増大して、超音波振動子46
へ伝播する熱量を低減することができ、超音波振動子4
8の温度が上昇することを防止して、超音波振動子48
が破損してしまうことを防止できる。
【0038】さらに、振動部46の厚み寸法Tが、振動
部46における超音波振動の半波長λ/2の3倍から7
倍の範囲に設定されてなることが好ましく、より好まし
くは、振動部46の厚み寸法Tが、振動部48における
超音波振動の半波長λ/2の5倍に設定されてなること
により、振動部46において超音波振動を効率よく伝播
することが可能となるとともに、振動部46の厚み寸法
Tを従来より大きく設定して、振動部46から超音波振
動子48へ伝播する熱をより低減し、超音波振動子48
の温度が上昇することをいっそう防止して、超音波振動
子48が破損してしまうことをさらに防止できる。
【0039】ここで、振動部46の厚み寸法Tが、振動
部46における超音波振動の半波長λ/2の7倍以上の
範囲に設定された場合には、共振点が温度変動等によっ
て容易に変動してしまうため、超音波振動子48から超
音波振動を出させるための超音波周波電気信号の発振器
の調整がうまくいかず、振動板46が振動しにくくなっ
てしまうので好ましくない。また、振動板46の厚み寸
法Tが、振動部46における超音波振動の半波長の3倍
以下の範囲に設定された場合には、振動部46の対向面
46Aと被処理物Wの被処理面W1との間の処理領域3
5において、気泡が巻き込まれて処理液2が無い領域が
存在した場合に、振動部46から超音波振動子48へ伝
播する熱を低減する度合いが小さく、超音波振動子48
の温度が上昇してしまうため、好ましくない。さらに、
振動部46の厚み寸法が、振動部46における超音波振
動の半波長λ/2の5倍に設定されてなることにより、
超音波振動子48を安定した駆動と、かつ、処理領域3
5からウエット処理液2が無くなっても、超音波振動子
48における破損可能性の低減とを最適にできる。
【0040】ここで、振動部46の厚み寸法Tと、振動
部46の共振周波数との関係について説明する。図3は
9λ/2の厚さの振動板にλ/2の厚さの被覆部を有す
る場合におけるインピーダンス特性を示すグラフ、図4
は5λ/2の厚さの振動板にλ/2の厚さの被覆部を有
する場合におけるインピーダンス特性を示すグラフであ
る。
【0041】図3,図4に示すように、超音波振動に対
する周波数インピーダンス特性としては、その極大値と
なっている点が振動板の共振点を示しており、図3に示
すように、9λ/2の厚さの振動板におけるインピーダ
ンス特性は、共振点どうしの周波数の間隔幅が狭く、さ
らに、超音波振動の周波数が大きくなるに従って共振点
どうしの周波数の間隔幅がさらに狭くなっている。この
ため、温度状態などの振動条件が変化した場合に、振動
板を効率よく振動させることが困難である。これに対
し、本実施形態においては、図4に示すように、5λ/
2の厚さの振動板46におけるインピーダンス特性が、
図3に示すものに比べて共振点どうしの周波数の間隔幅
が広くなっており、温度状態などの振動条件が変化した
場合でも、振動板46を効率よく振動させて、ウエット
処理用ノズルの動作を安定化することが可能となる。
【0042】上記のように、本実施形態においては、振
動部46の厚み寸法Tが、振動部46における超音波振
動の半波長λ/2の3倍から7倍の範囲に設定されてな
ることにより、振動部46において超音波振動を効率よ
く伝播することが可能となるとともに、振動部46の厚
み寸法Tを従来より大きく設定して、振動部46から超
音波振動子48へ伝播する熱を低減し、超音波振動子4
8の温度が上昇することを防止して、超音波振動子48
の破損可能性を低減することができる。さらに、振動部
46の厚み寸法Tが、振動部48における超音波振動の
半波長λ/2の5倍に設定されてなることにより、振動
部46において超音波振動をさらに効率よく伝播するこ
とが可能となるとともに、振動部46の厚み寸法Tを従
来より大きく設定して、振動部46から超音波振動子4
8へ伝播する熱をより低減し、超音波振動子48の温度
が上昇することをいっそう防止して、超音波振動子48
が破損してしまうことをさらに防止でき、超音波振動子
48を安定した駆動と、かつ、処理領域35からウエッ
ト処理液2が無くなっても、超音波振動子48における
破損可能性の低減とを最適にすることが可能となる。
【0043】なお、上記の実施形態においては、振動部
46の厚み寸法Tのみに注目して説明したが、それ以外
の構成に関しては、本発明の趣旨を変更しない範囲で、
どのような変更も可能である。
【0044】本実施形態では、洗浄用ノズル1を被処理
基板Wの上面側(一方の被処理面側)に設けた場合につ
いて説明したが、図5に示すように被処理基板Wの下面
側にも洗浄用ノズル1aを設けてもよい。この洗浄用ノ
ズル1aは、連結部23に超音波振動子48が設けられ
ておらず、それ以外は先に述べた洗浄用ノズル1と同様
の構成である。
【0045】以下、本発明に係るウエット処理用ノズル
およびウエット処理装置の第2実施形態を、図面に基づ
いて説明する。 [第2の実施形態]図6は、本実施形態におけるウエッ
ト処理用ノズルを示す断面図である。本実施形態におい
て、図1〜図5に示す第1実施形態と異なるのは被覆部
49の構成に関する点であり、これ以外の対応する構成
要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0046】振動部46の接液面となる対向面46Aに
は、図6に示すように、この対向面46Aを覆うように
処理液2に対する耐反応性および/または耐熱性を有す
る被覆部49が設けられる。この被覆部49は、適応さ
れるウエット処理に応じてその構成が異なるものとされ
る。
【0047】ここで、ウエット処理としては、洗滌、剥
離、現像、ウエットエッチング、メッキ、研磨等の処理
を適用することができる。このとき、振動部46付近に
供給する処理液2としては、洗浄処理の場合は、超純
水、電解イオン水、オゾン水、水素水、等が用いられ、
特に、カソード水(電解イオン水のうち、カソード電極
側で生成したもの)、水素水、アンモニア添加水素水等
が安定して使用でき、剥離処理の場合には、希NaO
H、希KOH等無機アルカリや、アミン系剥離液等が用
いられ、現像処理の場合には、希NaOH、希KOH等
無機アルカリや、トリメチルアンモニウムハイトライト
希釈液等が用いられ、ウエットエッチングの場合には、
フッ素酸エッチング液等が用いられ、メッキ処理の場合
には、Cu用、Ag用、Au用メッキ液等が用いられ、
研磨処理の場合には、SiO2 スラリー、Al2O3
スラリー、ダイヤモンドスラリー等が用いられる。これ
に対応して、被覆部49は、石英、高純度アルミナ、サ
ファイヤ、PFA、4フッ化エチレン等のフッ素樹脂
や、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)高純度ガ
ラス状カーボン等、からなることが可能である。さら
に、用いる処理液2によっては、振動部46が、被覆部
49としての最表面がクロム酸化物のみからなる不動態
膜面のステンレス(SUS316L等)からなること
や、振動部46が、酸化アルミニウムとクロム酸化物の
混合膜を被覆部49として表面に備えたステンレスとさ
れることや、処理水2がオゾン水とされた場合には被覆
部49としての電解研磨表面を備えたチタン等とされる
ことができる。
【0048】本実施形態の被覆部49の厚み寸法T’
は、図6に示すように、被覆部49における超音波振動
の波長λ’に対してλ’/20以下または(1±0.
1)・λ’/2に設定されてなることにより、超音波振
動子48から被処理物Wに照射される振動エネルギーの
ロス分を略最小化して、ウエット処理を安定化すること
ができる。具体的には、超音波振動における周波数が1
MHzに設定されるとともに、被覆部49がステンレス
鋼(SUS316L)とされた場合には、その半波長
λ’/2は3mm程度として設定することができ、これ
により振動板46から伝播する熱量を超音波振動子46
以外の部分に逃がす割合を増大して、超音波振動子46
へ伝播する熱量を低減することができ、超音波振動子4
8の温度が上昇することを防止して、超音波振動子48
が破損してしまうことを防止できる。
【0049】被覆部49の厚み寸法T’が被覆部49に
おける超音波振動の波長λ’に対して、λ’/20倍以
下の範囲に設定された場合には、振動部46の対向面4
6Aにおいて処理液2との反応が生ぜず、かつ、充分超
音波振動を処理液2に伝播させることができるため好ま
しい。また、被覆部49の厚み寸法T’が、被覆部49
における超音波振動の波長λ’に対してλ’/20より
大きくλ’/2未満の範囲およびλ’/2より大きい範
囲に設定された場合には、超音波振動子48から被処理
物Wに照射される振動エネルギーのロス分が増大してし
まい好ましくない。
【0050】ここで、被覆部49の厚み寸法T’に対す
る、λ’/20以下、λ’/2倍という数値は、振動部
46および被覆部49の温度状態や、付与される超音波
振動の周波数に依って最も効率のいい状態を選択できる
よう定義幅を有するものとされ、厳密にλ’/20や、
λ’/2倍の値とは限らない。具体的には、超音波振動
子48から発せられた超音波振動の被覆部49内での波
長をλ’としたときに、λ’/20以下という数値範囲
は、λ’/120〜λ’/20の範囲以下であることが
好ましく、より好ましくは、λ’/120〜λ’/60
の範囲以下とされるものである。また、λ’/2という
数値は、具体的には、λ’/2±0.5mmの範囲とさ
れていることが好ましく、より好ましくはλ’/2±
0.05mmの範囲、さらにいは、λ’/2±0.01
mmの範囲内とされることができる。このように被覆部
49の厚みを設定することにより、超音波振動子48か
らの超音波振動を有効に伝播させることができるので、
このような優れた特性を有する超音波振動子部分40が
備えられたウエット処理用ノズル1を用いてウエット処
理を行うと、超音波振動(超音波エネルギー)が処理液
に十分付与され、効率良くウエット処理を行うことがで
きる。
【0051】本実施形態のウエット処理用ノズル1にお
いては、上記の実施形態と同様の効果を奏することがで
きるとともに、被覆部49が設けられており、この被覆
部49が、処理液2に対する耐反応性および/または耐
熱性を有してなることにより、振動部46の対向面46
Aに直接処理液2が接触しない上、処理面被覆部49表
面がウエット処理されてしまうことがないため、振動部
46が処理液2および超音波振動により劣化してしまう
ことをさらに低減し、振動部46の寿命をより長くする
ことができ、さらに、振動部46および処理面被覆部4
9の成分が処理液2中に混合して被処理物Wの被処理面
W1を汚染してしまうことを防止できる。同時に、振動
部46の対向面46Aと被処理物Wの被処理面W1との
間の処理領域35において、気泡が巻き込まれて処理液
2が無い領域が存在して振動部46が発熱した場合に、
たとえ処理液2に接している振動部46が温度上昇して
も、振動部46内で有効に熱伝導が生じ、被覆部49を
通し、処理液2に熱を放出することができるため、振動
部46が破損することを防止できる。
【0052】また、本実施形態のウエット処理用ノズル
1では、被覆部49の厚みT’をλ’/20以下または
(1±0.1)・λ’/2とすることにより、超音波振
動子48、振動部46からの超音波振動を有効に伝播さ
せることができるので、このような優れた特性を有する
超音波振動子部分40が備えられたウエット処理用ノズ
ル1を用いてウエット処理をおこなうと、超音波振動
(超音波エネルギー)が処理液に十分付与され、効率良
くウエット処理を行うことができる。さらに、振動部4
6のみならず、被覆部49が設けられることによりその
厚み寸法T’分だけ振動部46の厚み寸法Tが厚く設定
された状態となるため、振動部46の対向面46Aと被
処理物Wの被処理面W1との間の処理領域35におい
て、気泡が巻き込まれて処理液2が無い領域が存在した
場合にも、気泡の領域において被処理基板Wから反射し
た超音波により振動板46で熱が発生しても、振動部4
6から超音波振動子48へ伝播する熱を低減し、超音波
振動子48の温度が上昇することを防止して、超音波振
動子48が破損してしまうことを防止できるとともに、
振動板46と超音波振動子48との接続部分が破損して
しまい動作不良を起こすことを防止することができる。
【0053】また、本実施形態においても、図5に示す
第1実施形態のように、被処理基板Wの下面側にも洗浄
用ノズル1aを設けることができる。
【0054】以下、本発明に係るウエット処理用ノズル
およびウエット処理装置の第3実施形態を、図面に基づ
いて説明する。 [第3の実施形態]図7は、本実施形態におけるウエッ
ト処理用ノズルを示す断面図である。本実施形態におい
て、図1〜図5に示す第1実施形態と異なるのは冷却管
50の構成に関する点であり、これ以外の対応する構成
要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0055】振動部46には、図7に示すように、この
振動部46を冷却するための冷却手段として、連結部2
3における導入通路21側および排出通路22側の両側
面に、それぞれ冷却管(冷却体)50,50が設けられ
ている。
【0056】この冷却管50,50は、振動部46また
は導入通路21,排出通路22等と略同等の材質からな
るものとされ、振動部46側面に対向面46Aと平行状
態、つまり、図7の紙面と略垂直方向に延在しており、
この方向における振動部46の長さ寸法とほぼ等しい長
さ寸法に設定されている。冷却管50はその流路方向と
直行する方向の断面形状が略半円形の半割円筒である冷
却体50,50とされ、この冷却体50,50の開口し
た部分が、振動部46の側面によって覆われるように密
閉接続されている。冷却管50の両端は、冷却配管50
aを介してそれぞれ排出口22aおよび図示しない減圧
ポンプに接続され、これら、排出管22と冷却管50と
減圧ポンプとは、処理領域35から排出液(処理液)2
を吸引して排出するため処理液回収手段を構成してい
る。
【0057】本実施形態のウエット処理用ノズル1にお
いて、処理液導入手段から導入開口部21bを介して被
処理基板W上の処理領域35に供給された洗浄液2は、
排出開口部22bから排出通路22を通り、排出口22
aから振動部46の両サイドに位置する冷却管50,5
0内部を経て、減圧ポンプにより、排出される。つま
り、冷却手段が、振動部46の外側に位置する冷却管5
0に冷却液としての排出液(処理液)2を流通する。
【0058】これにより、本実施形態のウエット処理用
ノズル1においては、上記の実施形態と同様の効果を奏
することができるとともに、さらに、振動部46を冷却
液2により冷却することが可能となるため、振動部46
の温度上昇を防止することができ、処理領域35に処理
液2が無い部分ができたとしても、振動部46を冷却液
2により冷却することが可能となるため、振動部46の
温度上昇をより確実に防止することができ、超音波振動
子48と振動部46との接続部分および、超音波振動子
48の温度上昇を防止して、超音波振動子部分40にお
ける破損可能性を低減することが可能である。
【0059】また、排出液2を冷却液とすることによ
り、振動部46の冷却用として冷却液供給排出手段を特
設する必要がなく、処理液導入排出手段によって冷却液
を供給排出して冷却管50,50内部に流通させること
で振動部46の冷却をおこなうことができるため、ウエ
ット処理用ノズル1としての製造コストおよびランニン
グコストの低減を図ることができる。さらに、排出液2
を冷却液としているため、振動部46の温度状態に依存
することなく処理液2を供給して、かつ、振動部46の
冷却をおこなうことができる。
【0060】なお、本実施形態では冷却体50が接続さ
れる振動部46の側面を略平面としているが、図8に示
すように、振動部46側面に冷却体50に対応した冷却
溝(溝部)50Aを設けて、この冷却溝50Aを冷却管
50で覆い、冷却液2の流通する冷却通路としての断面
積を増大して、冷却液の流量を増加可能とするととも
に、振動部46に対して冷却液2が接触する面積を増大
して、さらに冷却効率を向上することもできる。
【0061】また、本実施形態においては、冷却管5
0,50の内表面、振動部46の側面、および、冷却溝
50A内表面のように、冷却液としての処理液2に接触
する部分に関しては、図6に示した第2実施形態におけ
る対向面被服部49と同質の表面コーティング、表面改
質等をおこなうことも可能である。また、図9に示すよ
うに、冷却体50および冷却溝50Aの内部に冷却管5
0Bとして図6に示した第2実施形態における被覆部4
9と同質の冷却内管50Bを設けることもできる。これ
らの場合、処理液2により劣化してしまうことをさらに
低減し、振動部46の寿命をより長くすることができ
る。
【0062】なお、冷却管50を振動部46側面以外の
部分、例えば超音波振動子48の接続されている主面上
に位置するように設けることや、振動部46表面に溝部
を設けるのではなく、振動部46内部に冷却液の流通す
る冷却孔を設けることもできる。このように冷却孔を設
けた場合、冷却液と振動部46との接触面積がさらに増
大して、よりいっそうの冷却効果を得ることが可能にな
る。
【0063】以下、本発明に係るウエット処理用ノズル
の第3実施形態を、図面に基づいて説明する。 [第4の実施形態]図10は、本実施形態におけるウエ
ット処理用ノズルを示す断面図である。本実施形態が、
第1実施形態から第3実施形態と基本的に異なる点は、
振動部を46を、超音波振動子48の被処理基板Wと反
対側に配置した点である。図10においても、図1〜9
と共通する構成要素には同一の符号を付してその詳細な
説明を省略する。
【0064】本実施形態では、超音波振動子48の被処
理基板W側に、被覆部49が設けられ、この被覆部49
が、導入通路21と排出通路22とを連結する連結部2
3となっている。被覆部49は処理液2に接するので、
第2実施形態において説明したように、処理液2に応じ
て、耐反応性、耐熱性に優れた材質を用いて形成され
る。
【0065】被覆部49の厚み寸法T’と、被覆部にお
ける超音波振動の波長λ’との関係は、下記のいずれか
の関係に設定されている。 T’≦λ’/20 T’=(1±0.1)・λ’/2
【0066】厚み寸法T’を上記のように設定すべき理
由を、図11を用いて説明する。図11は、被覆部49
の厚み寸法T’と、超音波振動の透過率との関係を示す
グラフである。図11において、実線は、被覆部49に
よる振動の吸収を考慮しない理論値であり、被覆部にお
ける超音波振動の波長λ’の1/2、すなわち、半波長
毎に極大値1.0(100%)を取る。しかしながら、
実際には×印の実験値が示すように、半波長毎の極大値
は図中破線で示すように徐々に減衰する。図11のグラ
フから理解されるように、透過率は、被覆部49の厚み
寸法T’がゼロから離れるにつれ減少し、波長λ’の1
/4で最小となる。したがって、被覆部49の厚み寸法
T’として最も望ましい値は、限りなくゼロに近い値で
あるが、実用上λ’/20以下であれば差し支えない。
被覆部49の厚み寸法T’として次に望ましい値は、最
初の極大値となるλ’/2であるが、実用上(1±0.
1)・λ’/2の範囲でであれば差し支えない。
【0067】なお、超音波振動の波長λ’は、超音波振
動の周波数と被覆部の材質でほぼ決定されるが、温度に
よっても若干変動する。したがって、上記の式における
波長λ’は、標準的な使用状態における標準的な温度条
件において判断される。
【0068】本実施形態では、超音波振動子48の被処
理基板W側と反対側に、振動部46が設けられている。
この振動部46の厚み寸法T”は、超音波振動子付近の
熱を分散させるために、充分大きな値とされている。こ
の場合、振動部46は、超音波振動子48と処理液2と
の間に介在しないので、超音波振動の透過率を考慮する
必要がない。したがって、その厚み寸法T”は、振動部
46における超音波振動の波長λを考慮することにな
く、連続的な任意の範囲で選択可能である。また、振動
部46の材質は、被覆部49の材質同一としても良い
が、別の材質を用いることが好ましい。振動部46は、
処理液2に対する耐反応性、耐摩耗性等を考慮しなくて
良いので、安価な材料で形成することができる。また、
振動部46は、熱容量が大きいと共に、熱伝導性に優れ
て外部に熱を放出しやすいものが好ましい。
【0069】本実施形態においても、この振動部46に
冷却手段手段が設けられている。その具体的な構成は、
第3の実施形態の図9と同じであるので、説明を省略す
る。
【0070】本実施形態によれば、振動部46を超音波
振動子48の被処理基板W側と反対側に配置したので、
処理液2に伝達する超音波振動の減衰を考慮することな
く充分に厚く、かつ加工精度にこだわらずに形成するこ
とができる。そのため、振動部40に設けられた冷却手
段と相俟って、超音波振動子48の加熱による損傷を、
効率的に回避することができる。さらに、超音波振動子
48の被処理基板W側には被覆部49を配置したので、
処理液2によって、超音波振動子48が損なわれること
がない。また、この被覆部49の厚み寸法T’は所定の
値とされているので、被覆部49によって超音波振動が
減衰し、透過率が低下することを防止できる。したがっ
て、超音波振動子48を損傷することなく、効率的なウ
エット処理が可能となる。
【0071】以下、本発明に係るウエット処理装置の第
5実施形態を、図面に基づいて説明する。 [第5の実施形態]本実施形態は、上記のいずれかの実
施形態のウエット処理用ノズルを具備した洗浄装置(ウ
ェット処理装置)の一例である。図12は、本実施形態
におけるウエット処理装置51の概略構成を示す図であ
って、例えば被処理基板として数百mm角程度の大型の
ガラス基板(以下、単に基板という)を枚葉洗浄するた
めの装置である。図中符号52は洗浄部、53はステー
ジ(基板保持手段)、54、55、56、89は洗浄用
ノズル、57は基板搬送ロボット、58はローダカセッ
ト、59はアンローダカセット、60は水素水・オゾン
水生成部、61は洗浄液再生部、Wはガラス基板(被処
理基板)である。
【0072】図に示すように、装置上面中央が洗浄部5
2となっており、基板Wを保持するステージ53が設け
られている。ステージ53には、基板Wの形状に合致し
た矩形の段部が設けられ、この段部上に基板Wが嵌め込
まれて、基板Wの表面とステージ53の表面が面一状態
でステージ53に保持されるようになっている。また、
段部の下方には空間部が形成され、空間部にはステージ
53の下方から基板昇降用シャフト(図示略)が突出し
ている。基板昇降用シャフトの下端にはシリンダ等のシ
ャフト駆動源(図示略)が設けられ、基板搬送ロボット
57による基板Wの受け渡しの際にシリンダの作動によ
り上記基板昇降用シャフトが上下動し、シャフトの上下
動に伴って基板Wが上昇または下降するようになってい
る。
【0073】ステージ53を挟んで対向する位置に一対
のラックベース62が設けられ、これらラックベース6
2間に洗浄用ノズル54,55,56,89が架設され
ている。洗浄用ノズルは並列配置された4本のノズルか
らなり、各洗浄用ノズル54,55,56,89が異な
る洗浄方法により洗浄を行うものとなっている。本実施
の形態の場合、これら4本のノズルは、基板にオゾンを
供給するとともに紫外線ランプ63から紫外線を照射す
ることによって主に有機物を分解除去する紫外線洗浄用
ノズル54、オゾン水を供給しつつ超音波振動子本体4
8により超音波振動を付与して洗浄するオゾン水超音波
洗浄用ノズル55、水素水を供給しつつ超音波振動子本
体48により超音波振動を付与して洗浄する水素水超音
波洗浄用ノズル56、純水を供給してリンス洗浄を行う
純水リンス洗浄用ノズル89、である。
【0074】各洗浄用ノズル54,55,56,89
は、プッシュ・プル型ノズル(省液型ノズル)と呼ばれ
るものである。また、これら4本のノズルのうちオゾン
水超音波洗浄用ノズル55と、水素水超音波洗浄用ノズ
ル56は、図1〜図9を用いて説明したいずれかの実施
形態の洗浄用ノズルと同様の構成のもの、あるいは1本
の洗浄用ノズルにつき、図1〜図9を用いて説明したい
ずれかの実施形態の洗浄用ノズルが複数設けられたもの
(図12では、1本の洗浄用ノズルにつき、導入通路2
1と排出通路22との連結部23およびこの連結部23
に設けられた超音波振動子部分40(又は超音波振動子
40a)および第1、第2の開口部21b,22bはそ
れぞれ3組づつ設けられており、第1と第2の開口部2
1b,22bはそれぞれ3組合わせて基板Wの幅以上の
長さに延びている。)である。ただし、ここでは図示の
都合上、超音波振動子48のみを図示し、洗浄液導入
部、洗浄液排出部等に区分した図示は省略する。また、
洗浄用ノズル54は、超音波振動子本体48に代えて紫
外線ランプ63が設けられた以外は上記実施形態の洗浄
用ノズルと略同様の構成であり、洗浄用ノズル89は、
超音波振動子本体48が設けられていない以外は、上記
実施形態の洗浄用ノズルと略同様の構成である。ただ
し、ここでは図示の都合上、洗浄液導入部、洗浄液排出
部等に区分した図示は省略する。この洗浄装置51で
は、上記4本の洗浄ノズルが基板Wの上方で基板Wとの
間隔を一定に保ちながらラックベース62に沿って順次
移動することにより、基板Wの被洗浄面全域(被処理面
全域)が4種類の洗浄方法により洗浄される構成となっ
ている。
【0075】各洗浄用ノズルの移動手段(ノズル・被処
理物相対移動手段)としては、各ラックベース62上の
リニアガイドに沿って水平移動可能とされたスライダが
それぞれ設けられ、各スライダの上面に支柱がそれぞれ
立設され、これら支柱に各洗浄用ノズル54,55,5
6,89の両端部が固定されている。各スライダ上には
モータ等の駆動源が設置されており、各スライダがラッ
クベース62上を自走する構成となっている。そして、
装置の制御部(図示略)から供給される制御信号により
各スライダ上のモータがそれぞれ作動することによっ
て、各洗浄用ノズル54,55,56,89が個別に水
平移動する構成となっている。また、上記支柱にはシリ
ンダ(図示略)等の駆動源が設けられ、支柱が上下動す
ることにより各洗浄用ノズル54,55,56,89の
高さ、すなわち各洗浄用ノズル54,55,56,89
と基板Wとの間隔がそれぞれ調整可能となっている。
【0076】洗浄部52の側方に、水素水・オゾン水生
成部60と洗浄液再生部61とが設けられている。水素
水・オゾン水生成部60には、水素水製造装置64とオ
ゾン水製造装置65とが組み込まれている。いずれの洗
浄液も、純水中に水素ガスやオゾンガスを溶解させるこ
とによって生成することができる。そして、水素水製造
装置64で生成された水素水が、水素水供給配管66の
途中に設けられた送液ポンプ67により水素水超音波洗
浄用ノズル56に供給されるようになっている。同様
に、オゾン水製造装置65で生成されたオゾン水が、オ
ゾン水供給配管68の途中に設けられた送液ポンプ69
によりオゾン水超音波洗浄用ノズル55に供給されるよ
うになっている。なお、純水リンス洗浄用ノズル89に
は製造ライン内の純水供給用配管(図示略)から純水が
供給されるようになっている。
【0077】そして、水素水用フィルタ70を通した後
の水素水は、再生水素水供給配管76の途中に設けられ
た送液ポンプ77により水素水超音波洗浄用ノズル56
に供給されるようになっている。同様に、オゾン水用フ
ィルタ71を通した後のオゾン水は、再生オゾン水供給
配管78の途中に設けられた送液ポンプ79によりオゾ
ン水超音波洗浄用ノズル55に供給されるようになって
いる。また、水素水供給配管66と再生水素水供給配管
76は水素水超音波洗浄用ノズル56の手前で接続さ
れ、弁80によって水素水超音波洗浄用ノズル56に新
しい水素水を導入するか、再生水素水を導入するかを切
り換え可能となっている。同様に、オゾン水供給配管6
8と再生オゾン水供給配管78はオゾン水超音波洗浄用
ノズル55の手前で接続され、弁81によってオゾン水
超音波洗浄用ノズル55に新しいオゾン水を導入する
か、再生オゾン水を導入するかを切り換え可能となって
いる。なお、各フィルタ70,71を通した後の水素水
やオゾン水は、パーティクルが除去されてはいるもの
の、液中気体含有濃度が低下しているため、配管を通じ
て再度水素水製造装置64やオゾン水製造装置65に戻
し、水素ガスやオゾンガスを補充するようにしてもよ
い。
【0078】洗浄部52の側方に、ローダカセット5
8、アンローダカセット59が着脱可能に設けられてい
る。これら2つのカセット58、59は、複数枚の基板
Wが収容可能な同一の形状のものであり、ローダカセッ
ト58に洗浄前(ウエット処理前)の基板Wを収容し、
アンローダカセット59には洗浄済(ウエット処理後)
の基板Wが収容される。そして、洗浄部52とローダカ
セット58、アンローダカセット59の中間の位置に基
板搬送ロボット57が設置されている。基板搬送ロボッ
ト57はその上部に伸縮自在なリンク機構を有するアー
ム82を有し、アーム82は回転可能かつ昇降可能とな
っており、アーム82の先端部で基板Wを支持、搬送す
るようになっている。
【0079】上記構成の洗浄装置51は、例えば洗浄用
ノズル54,55,56,89と基板Wとの間隔、洗浄
用ノズルの移動速度、洗浄液の流量等、種々の洗浄条件
をオペレータが設定する他は、各部の動作が制御部によ
り制御されており、自動運転する構成になっている。し
たがって、この洗浄装置51を使用する際には、洗浄前
の基板Wをローダカセット58にセットし、オペレータ
がスタートスイッチを操作すれば、基板搬送ロボット5
7によりローダカセット58からステージ53上に基板
Wが搬送され、ステージ53上で各洗浄用ノズル54,
55,56,89により紫外線洗浄、オゾン水超音波洗
浄、水素水超音波洗浄、リンス洗浄が順次自動的に行わ
れ、洗浄後、基板搬送ロボット57によりアンローダカ
セット59に収容される。
【0080】本実施形態の洗浄装置51においては、本
発明の実施形態の洗浄用ノズル55,56と、上記のノ
ズル・被処理物相対移動手段とを備えたことにより、上
記本実施形態のウエット処理用ノズル(洗浄用ノズル)
の利点を有したまま基板Wの被洗浄面全域をウエット処
理(洗浄)することができる。
【0081】また、本実施形態の洗浄装置51は、4本
の洗浄用ノズル54,55,56,89の各々が、紫外
線洗浄、オゾン水超音波洗浄、水素水超音波洗浄、リン
ス洗浄といった異なる洗浄方法により洗浄処理する構成
であるため、本装置1台で種々の洗浄方法を実施するこ
とができる。したがって、例えば、水素水超音波洗浄、
オゾン水超音波洗浄により微細な粒径のパーティクルを
除去し、さらにリンス洗浄で基板表面に付着した洗浄液
も洗い流しながら仕上げの洗浄を行う、というように種
々の被除去物を充分に洗浄除去することができる。ま
た、本実施の形態の洗浄装置51の場合、上記の省液型
の洗浄用ノズルが備えられているため、洗浄液の使用量
を低減することができ、しかも、ノズルの下方に液溜ま
りが生じないため、高効率、高清浄度の基板洗浄を実施
することができる。したがって、半導体デバイス、液晶
表示パネル等をはじめとする各種電子機器の製造ライン
に好適な洗浄装置を実現することができる。
【0082】なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態
に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない
範囲において種々の変更を加えることが可能である。例
えば、洗浄用ノズルの形状や寸法、洗浄用ノズルの導入
管や排出管の数や設置位置等の具体的な構成等に関して
は、適宜設計変更が可能なことは勿論である。さらに、
上記実施の形態においては、本発明のノズルを洗浄用ノ
ズルに適用した例を示したが、洗浄以外のウェット処
理、例えばエッチング、レジスト除去等に本発明のノズ
ルを適用することも可能である。
【0083】
【発明の効果】本発明のウエット処理用ノズルまたはウ
エット処理装置によれば、振動部の厚み寸法を大きく設
定して、超音波振動により発生する熱を分散し、超音波
振動子の温度上昇を防止できる。そのため、被処理物の
被処理面上において、気泡が巻き込まれて処理液が無い
領域が存在した場合にも、超音波振動子が過熱して破損
してしまうことを防止できる。さらに、本発明のウエッ
ト処理用ノズルまたはウエット処理装置によれば、超音
波振動子と処理液との間に介在する振動部及び/または
被覆部の厚み寸法を特定の値としたので、超音波振動の
透過率を徒に減少させることがない。したがって、超音
波振動子を損傷の恐れが少なく、しかも効率的にウエッ
ト処理が可能なウエット処理用ノズルまたはウエット処
理装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るウエット処理用ノズルの第1
実施形態を示す平面図である。
【図2】 図1のII−II線に沿った断面図である。
【図3】 9λ/2の厚さの振動板におけるインピー
ダンス特性を説明するためのグラフである。
【図4】 5λ/2の厚さの振動板におけるインピー
ダンス特性を説明するためのグラフである。
【図5】 本発明に係るウエット処理用ノズルの他の
実施形態を示す断面図である。
【図6】 本発明に係るウエット処理用ノズルの第2
実施形態を示す段面図である。
【図7】 本発明に係るウエット処理用ノズルの第3
実施形態を示す段面図である。
【図8】 本発明に係るウエット処理装置の他の実施
形態を示す断面図である。
【図9】 本発明に係るウエット処理装置の他の実施
形態を示す断面図である。
【図10】 本発明に係るウエット処理装置の他の実
施形態を示す断面図である。
【図11】 被覆部の厚み寸法と超音波振動の透過率
との関係を示すグラフである。
【図12】 本発明のウエット処理装置における第4
実施形態の概略構成を示す平面図である。
【図13】 従来のウエット処理用ノズルの断面図で
ある。
【符号の説明】
1・・・洗浄用ノズル(ウエット処理用ノズル) 2・・・処理液(排出液、冷却液) 21・・・導入通路(処理液導入管) 21a・・・導入口 21b・・・第1の開口部(導入開口部) 22・・・排出管(排出管) 22a・・・排出口 22b・・・第2の開口部(排出開口部) 23・・・連結部 35・・・処理領域 40・・・超音波振動子部分 46・・・振動板(振動部) 46A・・・対向面 48・・・超音波振動子 49・・・被覆部 50・・・冷却管(冷却体) 50A・・・冷却溝(溝部) 51・・・洗浄装置(ウエット処理装置) 55,56・・・洗浄用ノズル(ウエット処理用ノズル) W・・・被処理基板(被処理物) W1・・・被処理面 T,T’,T”・・・厚み寸法
フロントページの続き (72)発明者 小野 昭一 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 Fターム(参考) 3B201 AA01 AB42 BB22 BB85 BB92 BC01 CD43 5D107 AA03 AA09 BB11 CC02 FF08

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理物のウエット処理のための処理
    液を前記被処理物の被処理面に向けて供給する導入開口
    部と、前記ウエット処理後の前記処理液の排出液を前記
    被処理面から排出する排出開口部とを具備するウエット
    処理用ノズルであって、 前記被処理面上の前記処理液に対して超音波振動を付与
    するための超音波振動子と、該超音波振動子に接する振
    動部とを備え、 前記振動部は、前記超音波振動子の少なくとも前記被処
    理物側に設けられ、 該被処理物側の前記振動部の厚み寸法Tと、該振動部に
    おける前記超音波振動の波長λとの関係が、 T=(n±0.1)・λ/2 (但し、nは2以
    上の整数) に設定されてなることを特徴とするウエット処理用ノズ
    ル。
  2. 【請求項2】 前記被処理物側の前記振動部の厚み寸
    法Tと、該振動部における前記超音波振動の波長λとの
    関係が、 T=(n±0.1)・λ/2 (但し、nは3以
    上7以下の整数) に設定されてなることを特徴とする請求項1記載のウエ
    ット処理用ノズル。
  3. 【請求項3】 前記被処理物側の前記振動部の厚み寸
    法Tと、該振動部における前記超音波振動の波長λとの
    関係が、 T=(5±0.1)・λ/2 に設定されてなることを特徴とする請求項2記載のウエ
    ット処理用ノズル。
  4. 【請求項4】 前記振動部の前記被処理物側に接し
    て、被覆部が設けられてなることを特徴とする請求項1
    記載のウエット処理用ノズル。
  5. 【請求項5】 前記被覆部は、前記被処理物側の表面
    が前記処理液に対する耐反応性および/または耐熱性を
    有するよう構成されてなることを特徴とする請求項4記
    載のウエット処理用ノズル。
  6. 【請求項6】 前記被覆部の厚み寸法T’と、該被覆
    部における前記超音波振動の波長λ’との関係が、下記
    のいずれかに設定されてなることを特徴とする請求項4
    記載のウエット処理用ノズル。 T’≦λ’/20 T’=(1±0.1)・λ’/2
  7. 【請求項7】 前記振動部が、前記超音波振動子の前
    記被処理物側とその反対側との双方に設けられているこ
    とを特徴とする請求項1記載のウエット処理用ノズル。
  8. 【請求項8】 被処理物のウエット処理のための処理
    液を前記被処理物の被処理面に向けて供給する導入開口
    部と、前記ウエット処理後の前記処理液の排出液を前記
    被処理面から排出する排出開口部とを具備するウエット
    処理用ノズルであって、 前記被処理面上の前記処理液に対して超音波振動を付与
    するための超音波振動子と、該超音波振動子に接して、
    前記被処理物側に設けられた被覆部と、前記超音波振動
    子に接して、前記被覆部と反対側に設けられた振動部
    と、を備え、 前記被覆部の厚み寸法T’と、該被覆部における前記超
    音波振動の波長λ’との関係が、下記のいずれかに設定
    されてなることを特徴とするウエット処理用ノズル。 T’≦λ’/20 T’=(1±0.1)・λ’/2
  9. 【請求項9】 前記被覆部は、前記被処理物側の表面
    が前記処理液に対する耐反応性および/または耐熱性を
    有するよう構成されてなることを特徴とする請求項8記
    載のウエット処理用ノズル。
  10. 【請求項10】 前記振動部には、該振動部を冷却す
    る冷却手段が設けられてなることを特徴とする請求項1
    または8記載のウエット処理用ノズル。
  11. 【請求項11】 前記冷却手段が、前記振動部の内側
    および/または外側に位置する冷却管に冷却液を流通す
    る構成とされてなることを特徴とする請求項10記載の
    ウエット処理用ノズル。
  12. 【請求項12】 前記冷却液が、前記処理液とされて
    なることを特徴とする請求項11記載のウエット処理用
    ノズル。
  13. 【請求項13】 前記冷却液が、前記排出液とされて
    なることを特徴とする請求項11記載のウエット処理用
    ノズル。
  14. 【請求項14】 請求項1または8記載のウエット処
    理用ノズルと、 前記導入開口部と前記被処理物の被処理面との間に処理
    液を導入するための処理液導入手段と、 前記排出開口部と前記被処理物の被処理面との間から処
    理液を吸引して排出するため処理液回収手段と、 被処理物の被処理面に沿って前記ウエット処理用ノズル
    と前記被処理物とを相対移動させることにより前記被処
    理物の被処理面全域を処理するためのノズル・被処理物
    相対移動手段とを有することを特徴とするウエット処理
    装置。
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