JPH0663309B2 - 横葺き屋根構造 - Google Patents

横葺き屋根構造

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JPH0663309B2
JPH0663309B2 JP20320988A JP20320988A JPH0663309B2 JP H0663309 B2 JPH0663309 B2 JP H0663309B2 JP 20320988 A JP20320988 A JP 20320988A JP 20320988 A JP20320988 A JP 20320988A JP H0663309 B2 JPH0663309 B2 JP H0663309B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、建築物における金属薄鋼板材料などの横葺
き屋根板を用いた横葺き屋根構造に関し、更に詳しく
は、主に薄型のスレート瓦などの単体屋根瓦で葺き上げ
られている既設の屋根構造の全体を、葺き替えのため
に、新設の横葺き屋根板により全面被覆して構成する横
葺き屋根構造の改良に係るものである。
〔従来の技術〕
従来、建築物の屋根においては、その材料に薄型スレー
ト瓦などの石綿系の軽量屋根瓦を用いた構造がある。
この種の薄型スレート瓦による屋根構造は、一般的に建
築材料の不足を時代背景にして、比較的入手し易くか
つ、安価であったスレート瓦を用いて築造されたもので
あることが多く、経年変化によりその老朽化が甚しく、
雨漏れ防止処置上,或いは外観的にも何等かの対策を講
ずる必要がある。
一方、建築材料としての特性に優れているアスベストに
ついては、最近、耐候性に欠ける点が判明し、大気中に
露出されている外部表面の繊維部分が、経年変化などに
よる老朽化,脆弱化に伴ない、自然な状態ですら次第に
剥離,剥落されて空気中に飛散,浮遊することが確認さ
れ、この浮遊繊維粉塵を常時,呼吸するときは、肺癌な
どを誘発する危険性のあることが指摘され、公害問題と
して深刻化しており、早期に廃却することが望まれてい
る。そして、この問題は、アスベストを主材に用い、こ
れをモルタルセメントなどで固めて成形させた薄型スレ
ート瓦についても決して例外ではなく、早期にその葺き
替えを行うことが望まれていた。
ところで、薄型スレート瓦を用いて葺き上げた既設の屋
根構造を葺き替えて改修するには、薄型スレート瓦の全
てを引き剥して除去すると共に、これに代えて、新たな
屋根材料を用い、再度,新規に屋根構造を葺き上げる手
段が一般的である。しかし、この手段の場合,既設瓦の
引き剥しに手間がかかる上に、対象建築物を使用したま
まの屋根構造の葺き代えが困難であるため、既設の屋根
構造には手を付けずにそのままにしておき、既設の屋根
構造の上に、別の屋根構造を新設するようにした手段が
講じられる。
この具体例として、第5図は、例えば、建築物の小屋
(屋根)組みとなる木質垂木(1)を基体にして、その全
面に屋根下地材(野地板)(2)を敷き込むと共に、この
屋根下地材(2)上に、スレート瓦(3)をその端部相互が重
なり合うように、所期通りの配列により一連に葺き上げ
ることで構成された既設の屋根構造(A)において、この
既設の屋根構造(A)の上面部に対し、あらためて取り付
け基体となる金属垂木(4)を適宜に架け渡して屋根下地
材(5)を敷き込み、かつ、必要に応じ断熱材などを介し
た状態で、これらの上に、新たに金属屋根板(6)を葺き
上げる構成を示している。
又、第6図は、前記の金属垂木(4)や屋根下地材(5)など
を設けることなく、葺き上げられている既存のスレート
瓦(3)上に、直接新たな金属屋根板(6)を葺き上げて構成
する例を示したものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
前記第5図に示す従来の葺き替え手段の場合には、既設
の屋根構造に加え、別個の屋根構造を新設するものであ
るために完全に二重構造の屋根となって、その厚さが格
段に厚くされる結果、建築物の外観,形態としての均整
がとれずに不体裁になるほか、施工自体が比較的複雑か
つ、面倒であって手間がかかり、しかも、屋根構造全体
の重量も増すことになって、これを支える建築物での既
存の柱部材の強度などにも問題を生ずるおそれがある。
同様に第6図の葺き替え手段では、第5図構成における
ような不利が解消はされはしても、既設の屋根構造での
スレート瓦自体が、老朽化によって、葺き上げの態様に
ずれや傾きなどを生じているとか、或いは、瓦自体が反
り返っていたりして、この上に新たに直接,葺き上げら
れる金属屋根板との馴染が悪くて親和性に欠け、更に、
新たに葺き上げられるこの金属屋根板が、そのスレート
瓦面からしばしば遊離することがあって、屋根としての
役割を果し得なくなるなどの不都合を生ずるものであっ
た。
更に、既存のスレート瓦(3)と新設の金属屋根板(6)の働
き幅(軒棟方向間隔)がそれぞれ相違するため、両者の
係合或は接合をぴったりと行えないという問題があっ
た。
この発明は、従来のこのような問題点を改善しようとす
るものであって、対象建築物の外観や形態を損なうこと
なく、又、必要以上に屋根に重量が増したりすることな
く、しかも容易に施工することができ、更に既存のスレ
ート瓦に対する効果的な密着性と、適確な押止保持性と
を果し得るようにした横葺き屋根構造を提供することを
目的としている。
〔課題を解決するための手段〕
前記目的を達成させるために、この発明の係る横葺き屋
根構造は、建築物の屋根下地材上に、スレート瓦などの
単体屋根瓦を、端部相互が所定の重なり幅でオーバーラ
ップされて段差端面を形成するように、所定の軒棟方向
ピッチ間隔で一連に葺き上げた既設の屋根構造を有し、
この既設の屋根構造上に、横葺き屋根板を葺き上げて新
設する横葺き屋根構造であって、 前記ピッチ間隔に対応した断面幅で、面板部の一側部に
軒側成形部,他側部に棟側成形部を形成させ、かつ、棟
側成形部には、面板屈曲部の棟側に単体屋根瓦の厚さに
対応する段差間隔を隔てて取付け部を形成した横葺き屋
根板と、横葺き屋根板の端面相互を接続すると共に、前
記面板屈曲部と取付け部に対応する部分に、突き当て部
と固定部を形成した継手捨て板とを設け、 下段側単体屋根瓦の面上に配して下段側の各横葺き屋根
板の端面相互を接続する継手捨て板の突き当て部を、上
段側単体屋根瓦の段差端面に突き当てた状態で、各段単
体屋根瓦のオーバーラップ部分上に配される取付け部と
固定部とを、止着具により同オーバーラップ部分を通し
て前記屋根下地材に止着させ、 下段側横葺き屋根板の棟側成形部に、上側側横葺き屋根
板の軒側成形部を被嵌係合して葺き上げ構成したもので
ある。
〔作用〕
即ち,この発明においては、既設の屋根構造の下段側単
体屋根瓦の面上に、下段側継手捨て板によって端面相互
間を接続させた下段側各横葺き屋根板の面板部を載置さ
せ、かつ、その継手捨て板の突き当て部を上段側単体屋
根瓦の段差端面に段差端面に突き当てることで、この上
段側単体屋根瓦の軒棟方向の移動作用を規制することが
できる。
又、この操作に伴なって、同上段側,下段側の各単体屋
根瓦の重ね合されたオーバーラップ部分上に位置される
下段側の継手捨て板の固定部,及び各横葺き屋根板の取
付け部を、同オーバーラップ部分を通して止着具により
既存の屋根下地材に止着させ、これによってこれらの上
段側,下段側の各単体屋根瓦の剥離作用を規制すること
ができる。
更に、この状態で、下段側横葺き屋根板の棟側成形部
に、上段側単体屋根瓦に対応される上段側横葺き屋根板
の軒側成形部を被嵌係合させてゆき、この操作を順次に
繰り返すことによって、各段毎の単体屋根瓦の面上に、
直接,対応する各段毎の横葺き屋根板を継手捨て板の接
続により所期通りに葺き上げ得るのである。
〔実施例〕
以下、この発明に係る横葺き屋根構造の一実施例につ
き、第1図ないし第4図を参照して詳細に説明する。
第1図(a)はこの実施例による横葺き屋根構造を既設の
屋根構造に適用した状態における横葺き屋根板部分を示
す縦断面図、第1図(b)は同上の構成に継手捨て板等を
加えた状態の概要を模式的に示す縦断面図、第2図(a)
は同上横葺き屋根構造の横葺き屋根板部分の断面斜視
図、第2図(b)は同上の構成に継手捨て板等を加えた状
態の要部拡大断面斜視図、第3図は同上横葺き屋根構造
に用いる横葺き屋根板、継手捨て板及び継手カバーを取
り出して示す分解斜視図、第4図は同上横葺き屋根構造
における横葺き屋根板、継手捨て板及び継手カバーを用
いた端面接続部分の拡大断面図ある。
第1図ないし第4図に示す実施例構成において、既設の
屋根構造(A)は、例えば、建築物の小屋(屋根)組みと
なる木質垂木(1)を基体に用い、その全面に屋根下地材
(野地板)(2)を敷き込むと共に、この屋根下地材(2)上
に、スレート瓦(3)をその端部相互が所定の重なり幅
(l)でオーバーラップされて段差端面(3a)を形成する
ように、所定の軒棟方向ピッチ間隔(P)により、所期通
りに配列させて一連に葺き上げられている。
この既設の屋根構造(A)上に、直接,装着して葺き上げ
られる新設の屋根構造(B)は、前記重なり幅(l)を含む軒
棟方向ピッチ間隔(P)に対応した断面幅の横葺き屋根板
(11)と、同様に、重なり幅(l)を含む軒棟方向ピッチ
間隔(P)に対応した断面幅で、かつ、各横葺き屋根板(1
1),(11)の端面相互間を接続する継手捨て板(41)とを有
しており、必要に応じて、同上端面相互間の接続部分を
外側から被覆する継手カバー(61)とを有している。
そして、これらの横葺き屋根板(11)、継手捨て板(41)
と、それに必要に応じて、継手カバー(61)の材料として
は、例えば、防錆用の焼付け塗装などを施した所定幅,
所定単位長さの長尺金属薄鋼板をそれぞれに用いるのが
よい。これらのうち、前記横葺き屋根板(11)は、この金
属薄鋼板をロール成形などの手段によって、長手方向に
沿う中央部に面板部(12)を残し、一側部に軒側成形部(1
3),他側部に棟側成形部(14)をそれぞれ連続的に形成さ
せて構成する。又、前記継手捨て板(41)と、それに継手
カバー(61)については、この金属薄鋼板をプレス成形な
どの手段によって、後述する所要形状のもとに個個それ
ぞれに構成する。
尚、前記継手捨て板(41)に対して、後述するように付設
させる継手駒については、必要に応じて所要の剛性強度
をもった合成樹脂成形品,又は、アルミ押し出し成形品
としてもよく、かつ、これを全長に亙って付設させるよ
うにしてもよい。
そして、前記横葺き屋根板(11)の軒側成形部(13)には、
面板部(12)の一側部を、所定長さで下方に折曲して前縁
部(21)を垂下させると共に、その下端縁部(22)を内側に
折曲延長させて圧接挿入片部(23)を形成させ、かつ、そ
の先端部に下向きの縁曲げ部(24)を形成させてある。
又、前記棟側成形部(14)には、面板部(12)の他側部を、
少なくとも前記圧接挿入片部(23)よりも短く上方内側に
折り返し折曲させて、同圧接挿入片部(23)を挿入係合さ
せる挿入係合部(31)を形成させて、その折曲部分に面板
屈曲部(31a)を形成させ、かつ、これを再度,上方外側
に折り返し折曲させる。更に、上方に立ち上げて立ち上
がり支持部(32)を形成させ、この立ち上がり支持部(32)
を前記面板部(12),ひいては面板屈曲部(31a)の棟側に
前記スレート瓦(3)の厚さに対応した間隔(t)分だけを残
した上で、棟側に折り返し延長させて取付け部(33)を形
成させ、かつ、その先端部に上向きの縁曲げ部(34)を形
成させてある。
これらの軒側成形部(13)と棟側成形部(14)との間隔寸
法,具体的には、後述するように、下段側と上段側とに
おけるこれらの隣接する軒側成形部(13)の圧接挿入片部
(23)と棟側成形部(14)の挿入係合部(31)とを相互に係合
させた状態で、同下段側と上段側との各挿入係合部(31)
の折り返した面板屈曲部(31a)相互間の間隔寸法は、前
記スレート瓦(3)の軒棟方向ピッチ間隔(P)から重なり幅
(l)を減じた寸法(P-l)に等しくするか、或いは、各スレ
ート瓦(3)の葺き上げピッチ間隔誤差を考慮して、これ
よりも幾分か短くさせてある。同時に、この状態で、棟
側成形部(14)の取付け部(33)の少なくとも一部が、各ス
レート瓦(3)の相互にオーバーラップ部分(3a)に対応し
て一致するようにされるものである。更に、この状態で
は、下段側棟側成形部(14)の立ち上がり支持部(32)によ
り、上段側軒側成形部(13)に近い面板部(12)の部分を裏
面側から支持し得るようにさせて、この面板部(12)にか
かる積雪荷重負荷などを軽減させるようにすることが好
ましい。
更に、前記継手捨て板(41)は、第3図及び第4図に示す
ように、横葺き屋根板(11)とほぼ等しい断面幅と雨水な
どの侵入を排除し得るのに十分な接続長さとを有し、接
続面に倣った中央部に相互に対向して倒伏され、その対
向面部分に結合溝(42a),(42a)を形成する突条部(42),
(42)を突出させてある。
更に、中央部の左右各板面に、各突条部(42),(42)と平
行する突条部(43),(43)を突出させ、左右各端面部に折
り返し湾曲部(44),(44)を突出指せると共に、第2図b
に示すように、前記軒側となる一側対応部に、前記軒側
成形部(13)の内面に入り込んで、前記棟側成形部(14)を
包み込む屈曲部(45)を屈曲形成させ、前記挿入係合部(3
1)の最奥部に相当する部分に、その面板屈曲部(31a)の
棟側に対応させて、かつ、前記段差間隔(t)に相当する
高さの突き当て部(46)を折曲形成させ、前記棟側となる
他側対応部に、前記取付け部(33)とその縁曲げ部(34)と
の接続端部を接続係合させて敷き込む固定部(47)とその
縁曲げ部(48)とを折曲形成させてある。
そして、前記面板部(12)の少なくとも一部(勿論,その
大部分であっても、或いは、全部であってもよい)に対
応される各結合溝(42a),(42a)間には、左右方向の両翼
に継手片部(52),(52)を突設させた継手駒(51)を挿入結
合させてあり、この結合状態において、これらの各継手
片部(52),(52)は、前記突条部(42),(42)に対し、上方
から対向して位置される。
更に又、必要に応じて設けられる前記継手カバー(61)
は、前記継手捨て板(41)によって接合結合される各横葺
き屋根板(11),(11)に対し、その接続部分を外側から被
覆するものであって、前記軒側となる一側対応部に、前
記棟側成形部(14)を外側から包み込んで、下端挿入片部
(63)を前記挿入係合部(31)に係留させる前方被覆部(62)
を折曲形成させ、前記棟側となる他側対応部に、上段側
の前記挿入係合部(31)に挿し込む挿し込み舌片部(64)を
延出形成させてあり、左右の両端縁部に前記継手片部(5
2),(52)を捲き込んで、各横葺き屋根板(11),(11)の端
面相互を押え込むための下方内側へ対向して折り返した
係合鍔(65),(65)を折曲形成させたものであり、この継
手カバー(61)については、前記継手捨て板(41)に対し
て、各横葺き屋根板(11),(11)の接続端面が緊密かつ、
強固に接続されるものであれば、これを必ずしも必要と
しない。
しかして、前記構成による横葺き屋根板(11)を用い、既
設の屋根構造(A)上に対して新設の屋根構造(B)を葺き上
げるには、前記したように、個個のスレート瓦(3)を、
その端面相互がオーバーラップするようにして葺き上げ
た既設の屋根構造(A)にまず、下段側のスレート瓦(3)上
に、同下段側に対応する継手捨て板(41)を直接載置さ
せ、かつ、この継手捨て板(41)の各突条部(42),(42)と
各継手片部(52),(52)との対向間隙間に、左右端部を挿
入接続させた各横葺き屋根板(11),(11)のそれぞれ面板
部(12)を同様に直接載置させる。
このとき、継手捨て板(41)の突き当て部(46)の内側に
は、各横葺き屋根板(11),(11)の面板屈曲部(31a)が入り
込んでおり、この状態で、継手捨て板(41)の突き当て部
(46)を、上段側のスレート瓦(3)のオーバーラップによ
って段差とされている棟側の端面(3a)に対し、比較的強
目に突き当てて位置決めさせる。
よって、この突き当て操作に伴ない、たとえ、上段側の
スレート瓦(3)にずれや傾きなどを生じていたとして
も、これが正規の位置に正されて本来の所定位置に復元
されると共に、その位置からの徒らな移動作用を効果的
に規制することになる。
又、このときの操作で、下段側のスレート瓦(3)面に接
する棟側成形部(14)の面板部(12)に対し、段差間隔(t)
分だけ上方に隔てられている取付け部(33)と、これらを
敷き込むことになる継手捨て板(41)の固定部(47)とが、
これらの下段側,上段側の各スレート瓦(3)の相互のオ
ーバーラップ部分(3b)上に位置されるために、これらの
取付け部(33)と固定部(47)とを下方に比較的強目に押し
付けるようにして、適宜、タッピングネジなどの止着具
(c)を用い、各別の位置部分で屋根下地材(2)に止着させ
ることにより、ここでも、これらの取付け部(33)と固定
部(47)との止着操作が可能となる。
更に、この面板部(12)を含む横葺き屋根板(11)と継手捨
て板(41)との取付け固定に伴ない、たとえ、これらの下
段側,上段側の各スレート瓦(3)自体が反り返っていた
としても、これを上方から押圧して可及的に正規の位置
に正すように保持することもでき、併せて、これらの上
段側,下段側の各単体屋根瓦の剥離作用を効果的に規制
することができるのである。
このようにして接続された横葺き屋根板(11),(11)の端
面接続部分に関しては、その接続作用,防水作用などの
如何によって、これが十分なものであれば、接続したま
まの態様であってよいが、必要に応じて、同端面接続部
分を継手カバー(61)により、外側から被覆することがで
きる。即ち、この場合には、継手カバー(61)の係合鍔(6
5),(65)を前記継手捨て板(41)の継手駒(51)の各継手片
部(52),(52)に捲き込むように挿通させ、これを限度一
杯まで押し込むことによって、この接続部分の全体を被
覆させることができる。
この結果、各突条部(42),(42)と各継手片部(52),(52)
との対向間隙に挿入接続させた各横葺き屋根板(11),(1
1)の左右端部が、この係合鍔(65),(65)により押圧され
て一層強固な接続を可能にし、同時に、棟側成形部(14)
での接続部分も又、前方被覆部(65)により被覆されて、
その下端挿入片部(63)が挿入係合部(31)に係留され、更
に、挿し込み舌片部(64)が上段側の挿入係合部(31)の下
側に挿し込み係合されるのである。
その後、前記のように下段側の各横葺き屋根板(11),(1
1)の端面相互を下段側の継手捨て板(41)により接続結合
させ、かつ、屋根下地材(2)に取付け固定させた状態に
おいて、これらの下段側各横葺き屋根板(11),(11)の対
向位置にある各棟側成形部(14),(14)に対し、その接続
継目位置をずらせた上で、前記同様に上段側の継手捨て
板(41)の係合設置,及び同上段側での各横葺き屋根板(1
1),(11)の各軒側成形部(13),(13)の被嵌と端面相互の
接続結合とを行う。更に、下段側挿入係合部(31)内に上
段側圧接挿入片部(23)を挿入係合させ、前記と同様に、
ずらされた継目位置での継手捨て板(41)の突き当て部(4
6)によって、次の上段側のスレート瓦(3)の段差端面(3
a)への突き当て位置決めと、同段各スレート瓦(3)の相
互のオーバーラップ部分(3b)上の固定部(47)と取付け部
(33)との屋根下地材(2)への各別の取付け固定とをそれ
ぞれ行う。
以上の操作を繰り返すことにより、既設の屋根構造(A)
の屋根面に構成している個個のスレート瓦(3)の面上
に、各列対応の新設の横葺き屋根板(11)を、その端面相
互を継手捨て板(41)により接続させた上で、それぞれに
密着させて、既存の屋根下地材(2)に押圧保持するよう
に葺き上げ、これによって所期通りに新設の屋根構造
(B)を構成することができる。
従って、葺き上げた状態では、既設の屋根構造(A)のす
べてのスレート瓦(3)が、その個個列に対応して隣接係
合された横葺き屋根板(11)と継手捨て板(41)により、既
存の屋根下地材(2)上に押圧保持されると共に、個個列
毎に止着されることになり、結果的には、既設の屋根構
造(A)に強固に一体化された新設の屋根構造(B)を作業性
よく極めて容易に葺き上げることができるのである。
〔発明の効果〕
以上詳述したように、この発明によれば、建築物の屋根
下地材上に、スレート瓦などの単体屋根瓦を、端面相互
が所定の重なり幅でオーバーラップされて段差端面を形
成するように、所定の軒棟方向ピッチ間隔で一連に葺き
上げた既設の屋根構造を有し、この既設の屋根構造上
に、横葺き屋根板を葺き上げて新設する横葺き屋根構造
であって、ピッチ間隔に対応した断面幅で、面板部の一
側部に軒側成形部,他側部に棟側成形部を形成させ、か
つ、棟側成形部には、面板屈曲部の棟側に単体屋根瓦の
厚さに対応する段差間隔を隔てて取付け部を形成した横
葺き屋根板と、横葺き屋根板の端面相互を接続すると共
に、面板屈曲部と取付け部に対応する部分に、突き当て
部と固定部を形成した継手捨て板を設け、既設の屋根構
造の下段側単体屋根瓦の面上に、下段側継手捨て板によ
って端面相互間を接続させた下段側各横葺き屋根板の面
板部を載置させ、かつ、下段側継手捨て板の突き当て部
を上段側単体屋根瓦の段差端面に突き当てることで、こ
の上段側単体屋根瓦の軒棟方向の移動作用を的確に規制
することができる。
又、この操作に伴なって、同上段側,下段側の各単体屋
根瓦の重ね合されたオーバーラップ部分上に位置される
下段側の継手捨て板の固定部,及び各横葺き屋根板の取
付け部を、同オーバーラップ部分を通して、それぞれ止
着具により既存の屋根下地材に止着させ、これによっ
て、これらの上段側,下段側の各単体屋根瓦の剥離作用
を規制することができる。
更に、この状態において、下段側横葺き屋根板の棟側成
形部に、上段側単体屋根瓦に対応される上段側横葺き屋
根板の棟側成形部を被嵌係合させてゆき、この操作を順
次に繰り返すことによって、各段毎の単体屋根瓦の面上
に、直接,対応する各段毎の新設の横葺き屋根板を所期
通りに葺き上げ得るのである。
このようにして既設の屋根構造上に葺き上げられる新設
の屋根構造は、実質的に既存の単体屋根瓦の表面部を、
継手捨て板で端面接続された横葺き屋根板により覆うだ
けの構成であるために、得られる屋根構造全体の厚さ
を、従来の二重構造に比較して十分に薄くさせることが
できる。
しかも、個個列の各単体屋根瓦に対し、個個列の各横葺
き屋根板とその継手捨て板とを対応させると共に、特に
下段側と上段側との各単体屋根瓦の重ね合せ部において
は、各継手捨て板の突き当て部による突き当て規制の他
に、各横葺き屋根板の取付け部と、各継手捨て板の固定
部との止着具による各別の取付け固定を、両者間に段差
間隙を隔てて併用するようにしたことにより、金属垂木
などの別部材の介在を必要とせずに、既設,新設各屋根
構造の極めて強力な一体化が可能となる。
又、これらの各横葺き屋根板と継手捨て板による新設屋
根構造の増加重量分についても、十分な軽量化を図るこ
とができると共に、外観体裁を損なうおそれがない。
その上、葺き上げ操作が容易であるから作業性を格段に
向上でき、しかも、全体構造が通常の横葺き屋根板とそ
の継手捨て板の構成にて足りて頗る簡単、容易、かつ、
安価に実施し得るなどの優れた特長を有するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)はこの発明の一実施例による横葺き屋根構造
を既設の屋根構造に適用した状態における横葺き屋根板
部分の縦断面図、第1図(b)は同上の構成に継手捨て板
を加えた状態の概要を模式的に示す縦断面図、第2図
(a)は同上横葺き屋根構造の横葺き屋根板部分の断面斜
視図、第2図(b)は同上の構成に継手捨て板等を加えた
状態の要部拡大断面斜視図、第3図は同上横葺き屋根構
造に用いる横葺き屋根板、継手捨て板及び継手カバーを
取り出して示す分解斜視図、第4図は同上横葺き屋根構
造における横葺き屋根板、継手捨て板及び継手カバーを
用いた端面接続部分の拡大断面図、第5図及び第6図は
それぞれ従来の各別例による横葺き屋根構造を既設の屋
根構造に適用した状態の概要を模式的に示した縦断面図
である。 (A)…既設の屋根構造、 (1)…木質垂木、 (2)…下地材、 (3)…スレート瓦(単体屋根瓦)、 (3a)…瓦端部相互のオーバーラップされた段差端面、 (3b)…オーバーラップ部分。 (l)…重なり幅、 (P)…軒棟方向ピッチ間隔。 (B)…新設の屋根構造、 (11)…横葺き屋根板、 (12)…面板部、 (13)…軒側成形部、 (14)…棟側成形部。 (21)…軒側成形部の前縁部、 (22)…下端縁部、 (23)…圧接挿入片部、 (24)…縁曲げ部。 (31)…棟側成形部の挿入係合部、 (31a)…面板屈曲部、 (32)…立ち上がり支持部、 (33)…取付け部、 (34)…縁曲げ部。 (41)…継手捨て板、 (42),(43)…突条部、 (42a)…結合溝、 (44)…折り返し湾曲部、 (45)…屈曲部、 (46)…突き当て部、 (47)…固定部、 (48)…縁曲げ部。 (51)…継手駒、 (52)…継手片部。 (61)…継手カバー、 (62)…前方被覆部、 (63)…挿入片部、 (64)…挿し込み舌片部、 (65)…係合鍔。 (t)…面板部に対する棟側成形部の取付け部の段差間
隔。 (c)…タッピングネジなどの止着具。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】建築物の屋根下地材上に、スレート瓦など
    の単体屋根瓦を、端部相互が所定の重なり幅でオーバー
    ラップされて段差端面を形成するように、所定の軒棟方
    向ピッチ間隔で一連に葺き上げた既設の屋根構造を有
    し、この既設の屋根構造上に、横葺き屋根板を葺き上げ
    て新設する横葺き屋根構造であって、 前記ピッチ間隔に対応した断面幅で、面板部の一側部に
    軒側成形部,他側部に棟側成形部を形成させ、かつ、棟
    側成形部には、面板屈曲部の棟側に単体屋根瓦の厚さに
    対応する段差間隔を隔てて取付け部を形成した横葺き屋
    根板と、横葺き屋根板の端面相互に接続すると共に、前
    記面板屈曲部と取付け部に対応する部分に、突き当て部
    と固定部を形成した継手捨て板とを設け、 下段側単体屋根瓦の面上に配して下段側の各横葺き屋根
    板の端面相互を接続する継手捨て板の突き当て部を、上
    段側単体屋根瓦の段差端面に突き当てた状態で、各段単
    体屋根瓦のオーバーラップ部分上に配される取付け部と
    固定部とを、止着具により同オーバーラップ部分を通し
    て前記屋根下地材に止着させ、 下段側横葺き屋根板の棟側成形部に、上段側横葺き屋根
    板の軒側成形部を被嵌係合して葺き上げた ことを特徴とする横葺き屋根構造。
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