JPH0662880A - 4−ヒドロキシ−l−プロリンの製造法 - Google Patents

4−ヒドロキシ−l−プロリンの製造法

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JPH0662880A
JPH0662880A JP4213005A JP21300592A JPH0662880A JP H0662880 A JPH0662880 A JP H0662880A JP 4213005 A JP4213005 A JP 4213005A JP 21300592 A JP21300592 A JP 21300592A JP H0662880 A JPH0662880 A JP H0662880A
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JP
Japan
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hydroxy
proline
ornithine
bacillus
arthrobacter
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Withdrawn
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JP4213005A
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English (en)
Inventor
Ryoichi Katsumata
瞭一 勝亦
Shinichi Hashimoto
信一 橋本
Masato Ikeda
正人 池田
Masaji Kasai
政次 河西
Kuniaki Sakado
邦昭 坂戸
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KH Neochem Co Ltd
Original Assignee
Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 4−ヒドロキシ−L−プロリンの製造法を提
供する。 【構成】 4−ヒドロキシ−L−オルニチンから4−ヒ
ドロキシ−L−プロリンを生合成する能力を有する酵素
源を、4−ヒドロキシ−L−オルニチンに作用させて、
生成した4−ヒドロキシ−L−プロリンを採取すること
からなる4−ヒドロキシ−L−プロリンの製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スレオまたはエリスロ
−4−ヒドロキシ−L−オルニチン(以下単に4−ヒド
ロキシ−L−オルニチンと称す)からトランス−4−ヒ
ドロキシ−L−プロリンおよび/またはシス−4−ヒド
ロキシ−L−プロリン(以下単に4−ヒドロキシ−L−
プロリンと称す)を生合成する能力を有する酵素源を用
いた4−ヒドロキシ−L−プロリンの製造法に関する。
4−ヒドロキシ−L−プロリンは、医薬品の合成中間体
などとして有用なアミノ酸である。
【0002】
【従来の技術】従来の4−ヒドロキシ−L−プロリンの
製造法としては、コラ−ゲンを加水分解し、その構成ア
ミノ酸であるトランス−4−ヒドロキシ−L−プロリン
を回収、分離する方法が知られている。またD-グルタミ
ン酸から合成する方法[ビュレッティン・オブ・ケミカ
ル・ソサエティ・オブ・ジャパン(Bull.Chem.Soc.Jap),
47, 1704(1974)]や、グリオキサールとオキサロ酢酸か
ら合成する方法[ジャ−ナル・オブ・オルガニック・ケ
ミストリィ(J.Org.Chem.),42, 3440(1977)]なども知ら
れている。さらにエシェリヒア属に属し、4−ヒドロキ
シ−2−オキソグルタル酸から4−ヒドロキシ−L−プ
ロリンを生合成する能力を有する微生物を用いて、アミ
ノ基供与体の存在下4−ヒドロキシ−2−オキソグルタ
ル酸もしくは該微生物によって4−ヒドロキシ−2−オ
キソグルタル酸に転換される化合物から4−ヒドロキシ
−L−プロリンを製造する方法(特開平3−26699
5号公報)も知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の製造法は、(1)
原料が高価である、(2) 反応工程が多い、(3) 回収精製
が困難であるなどの点で、工業的な製法として必ずしも
満足できる方法ではなく、工業的に安価に4−ヒドロキ
シ−L−プロリンを製造する方法の開発が求められてい
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究した結果、ある種の微生物
が4−ヒドロキシ−L−オルニチンから4−ヒドロキシ
−L−プロリンを生成する能力を有することを見いだ
し、本発明を完成した。
【0005】本発明は、4−ヒドロキシ−L−オルニチ
ンから4−ヒドロキシ−L−プロリンを生合成する能力
を有する酵素源を4−ヒドロキシ−L−オルニチンに作
用させて、生成した4−ヒドロキシ−L−プロリンを採
取することからなる4−ヒドロキシ−L−プロリンの製
造法を提供する。
【0006】以下に本発明を具体的に説明する。本発明
に用いる酵素源としては、アグロバクテリウム属、アー
スロバクター属、バチルス属、ブレビバクテリウム属、
セルロモナス属、クラビバクター属、コリネバクテリウ
ム属、デイノコッカス属、ガフキヤ属、ハフニア属、ク
ルチア属、シュウドモナス属、リゾビウム属、ロチア属
またはキサントモナス属に属し、4−ヒドロキシ−L−
オルニチンから4−ヒドロキシ−L−プロリンを生合成
する能力を有する微生物の培養物、菌体またはそれらの
処理物があげられる。
【0007】本発明に用いる微生物として具体的には、
アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacteriu
m tumefaciens )ATCC15955 、アグロバクテリウム・ツ
メファシエンス(Agrobacterium tumefaciens )ATCC27
912 、アースロバクター・ビスコサス(Arthrobacter v
iscosus)ATCC19584 、アースロバクター・ヌクレオゲネ
ス(Arthrobacter nucleogenes) ATCC21279 、アースロ
バクター・ミソレンス(Arthrobacter mysorens) ATCC3
3408、アースロバクター・プロトフォルミアエ(Arthro
bacter protophormiae )ATCC19271 、アースロバクタ
ー・ニコチアナエ(Arthrobacter nicotianae )ATCC
15236 、アースロバクター・アウレッセンス(Arthroba
cter aurescens )ATCC13344 、アースロバクター・ヒ
スチジノロボランス(Arthrobacter histidinolovoran
s )ATCC11442 、バチルス・リケニフォルミス(Bacill
us licheniformis )ATCC14580 、バチルス・メガテリ
ウム(Bacillus megaterium)ATCC10778 、バチルス・
パステウリ(Bacillus pasuteurii)ATCC11859 、バチ
ルス・プミルス(Bacillus pumilus )ATCC14884、バ
チルス・スフェリカス(Bacillus sphaericus)ATCC10
208 、ブレビバクテリウム・ハロトレランス(Brevibac
terium halotolerans)AHU1394 、ブレビバクテリウム
・リネンス(Brevibacterium linens)ATCC19391 、セ
ルロモナス・カルタエ(Cellulomonas cartae )ATCC21
681 、クラビバクター・ラタイ(Clavibacter rathayi
)ATCC13659 、コリネバクテリウム・フラビゲナム(C
orynebacterium flavigenum)AHU1407 、コリネバクテ
リウム・リリウム( Corynebacterium lilium)ATCC15
990 、デイノコッカス・ラデイオプグナンス(Deinococ
cus radiopugunans )ATCC186 、ガフキヤ・テトラゲナ
Gaffkya tetragena )CSC110.11 、ハフニア・アルベ
イ(Hafnia alvei )ATCC9760、クルチア・ゾフィ(Ku
rthia zopfii)ATCC6900、シュウドモナス・セパシア
Pseudomonas cepacia )ATCC25609 、シュウドモナス
・フルオレセンス(Pseudomonas fluorescens)ATCC215
39 、リゾビウム・ファゼオリ(Rhizobium phaseoli)R
CR3610 、ロチア・デントカリオサ(Rothia dentocari
osa)ATCC14189 、キサントモナス・マルトフィリア(X
anthomonas maltophilia )ATCC13637 などがあげられ
る。
【0008】本発明に用いる微生物の培養は、通常用い
られる合成ないし天然培地を用いて行うことができる。
培地中の炭素源としては、グルコース、フラクトース、
シュークロース、マルトース、ラクトース、澱粉、澱粉
加水分解物、糖蜜、セルロース加水分解物などの糖類
や、酢酸、乳酸などの有機酸、あるいはエタノールなど
のアルコールなどが用いられる。窒素源としては、アン
モニア、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、酢酸ア
ンモニウムなどのアンモニウム塩や尿素、硝酸塩ならび
にペプトン、肉エキス、酵母エキス、コーン・スチープ
リカーなどの各種の窒素含有有機化合物が用いられる。
無機塩としては、リン酸カリウム、硫酸アンモニウム、
塩化アンモニウム、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウ
ム、硫酸第一鉄、硫酸マンガンなどが用いられる。他に
微量元素としてカルシウム、亜鉛、ほう素、銅、コバル
ト、モリブデンなどの塩類を加えてもよい。また微生物
によってはビタミン、アミノ酸、核酸関連物質などの添
加により生育がより良好になる場合もある。
【0009】上記したような通常の培地を使用して培養
して得た微生物の培養物、菌体もしくはそれらの処理物
を、水性媒体中4−ヒドロキシ−L−オルニチンに作用
させて、4−ヒドロキシ−L−プロリンを生成させるこ
とができる。
【0010】培養物の処理物としては、培養物の濃縮
物、乾燥物、界面活性剤および/または有機溶剤添加
物、溶菌酵素処理物などがあげられる。また、菌体の処
理物としては、菌体の乾燥物、界面活性剤および/また
は有機溶剤添加物、溶菌酵素処理物、固定化菌体あるい
は菌体からの抽出酵素標品などがあげられる。
【0011】反応は、4−ヒドロキシ−L−オルニチン
1〜200g/l 、微生物の培養物、菌体またはそれらの
処理物0. 1〜200g/l (微生物菌体換算)を含む水
性媒体中、温度15〜60℃、pH5〜11の条件で行
う。反応時間は30分〜200時間程度である。水性媒
体としては、例えばリン酸緩衝液や生理食塩水などが使
用できる。また必要に応じて界面活性剤や少量の有機溶
媒を添加してもよい。
【0012】反応液からの4−ヒドロキシ−L−プロリ
ンの採取方法は、通常反応液からアミノ酸採取に用いら
れる方法に従って実施することができる。例えば、遠心
分離により菌体もしくはそれらの処理物を除いた反応上
清から、イオン交換樹脂膜処理法などの操作を組み合わ
せて、4−ヒドロキシ−L−プロリンを単離することが
できる。
【0013】以下に本発明の実施例を示す。
【0014】
【実施例】
実施例1.
【0015】1)4−ヒドロキシ−L−オルニチンの調
製 L−ヒスチジンを出発原料として4−ヒドロキシ−L−
オルニチンを調製した。即ち、L−ヒスチジン160gをメ
タノールおよび塩酸存在下でO-メチルヒスチジンに導
き、以下ビュレッティン・オブ・ケミカル・ソサエティ
・オブ・ジャパン(Bull.Chem.Soc.Jap),54,470(1981)に
記載の方法に従い、4−ヒドロキシ−L−オルニチンの
結晶42g(モル収率22%)を得た。
【0016】2)4−ヒドロキシ−L−オルニチンから
4−ヒドロキシ−L−プロリンの生産1)項で調製した
4−ヒドロキシ−L−オルニチンを用いて4−ヒドロキ
シ−L−プロリンを製造した。
【0017】ブイヨン10g/l 、酵母エキス2. 5g/l
を含みNaOHにてpH7. 2に調整した培地3mlを試験管
に分注し、滅菌後、第1表に示す微生物を各々接種し、
25℃で24時間振とう培養した。培養終了後、遠心分
離操作にて培養物より各々菌体を集め、滅菌した2mlの
溶液〔KH2PO410g 、(NH4 2SO42g 、MgSO4 ・7H 2O
0.16g、FeSO4 ・7H2O5mg、MnSO4 ・7H2O2mg、CaCl2
11mg、酢酸アンモニウム3. 3g 、乳酸3. 3g 、コ
ハク酸ナトリウム3. 3g を純水1リットルに含みNaOH
にてpH7. 0に調整した溶液〕に懸濁し、さらに4−ヒ
ドロキシ−L−オルニチンを液中濃度が30mMになるよ
うに添加し、試験管中で25℃で振とうし20時間反応
させた。反応終了後、遠心分離操作によって菌体を除
き、上清のトランス−4−ヒドロキシ−L−プロリンを
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて定量した。定量
は、アナリティカル・バイオケミストリィ(Anal.Bioch
em.), 137,151 (1984)に記載の方法に準じ、4−ヒ
ドロキシ−L−プロリンを7−クロロ−4−ニトロベン
ゾ−2−オキサ−1,3ジアゾールと結合させた後、HP
LC分析により行った。即ち、上清50μl にトリエチルア
ミンとエタノールを3:7の体積比で混合した液にO-フ
タルアルデヒドを10mg/ml になるように溶解した溶液50
μl および7−クロロ−4−ニトロベンゾ−2−オキサ
−1,3ジアゾールを10mg/ml になるように溶解したエ
タノール溶液50μl を加え、よく混和後、60℃で20分間
加温した。これを遠心分離(10,000rpm 、3 分間)にか
け、その上清50μl をHPLC分析(分離カラム:資生堂CA
PCEL PAK C18 4.6mmφ×150mm 、溶離液:1%酢酸、メタ
ノール 0-50% グラジエント溶出、検出:495nm 吸収)
に供した。
【0018】生成量を第1表に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、4−ヒドロキシ−L−
オルニチンから4−ヒドロキシ−L−プロリンを生合成
する能力を有する酵素源を、4−ヒドロキシ−L−オル
ニチンに作用させることにより、4−ヒドロキシ−L−
プロリンを効率よく製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12P 13/24 C12R 1:10) (C12P 13/24 C12R 1:11) (C12P 13/24 C12R 1:07) (C12P 13/24 C12R 1:13) (C12P 13/24 C12R 1:15) (C12P 13/24 C12R 1:38) (C12P 13/24 C12R 1:64)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 4−ヒドロキシ−L−オルニチンから4
    −ヒドロキシ−L−プロリンを生合成する能力を有する
    酵素源を4−ヒドロキシ−L−オルニチンに作用させ
    て、生成した4−ヒドロキシ−L−プロリンを採取する
    ことからなる4−ヒドロキシ−L−プロリンの製造法。
  2. 【請求項2】 酵素源が、アグロバクテリウム属、アー
    スロバクター属、バチルス属、ブレビバクテリウム属、
    セルロモナス属、クラビバクター属、コリネバクテリウ
    ム属、デイノコッカス属、ガフキヤ属、ハフニア属、ク
    ルチア属、シュウドモナス属、リゾビウム属、ロチア属
    またはキサントモナス属に属し、4−ヒドロキシ−L−
    オルニチンから4−ヒドロキシ−L−プロリンを生合成
    する能力を有する微生物の培養物、菌体またはそれらの
    処理物である請求項1記載の製造法。
JP4213005A 1992-08-10 1992-08-10 4−ヒドロキシ−l−プロリンの製造法 Withdrawn JPH0662880A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998001577A1 (de) * 1996-07-08 1998-01-15 Lonza Ag Verfahren zur herstellung von d-prolinderivaten mittels mikroorganismen
WO2002101003A3 (fr) * 2001-06-08 2004-02-26 Rhodia Chimie Sa Preparation stereoselective de l-acides amines cycliques
WO2017195873A1 (ja) * 2016-05-12 2017-11-16 サントリーホールディングス株式会社 L-ヒドロキシプロリンを含有する酵母ヤロウィア・リポリティカの菌体もしくは菌体培養物又はこれらの抽出物及びその用途並びにl-ヒドロキシプロリンの製造方法

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