JPH0662836B2 - 加硫ゴム組成物 - Google Patents
加硫ゴム組成物Info
- Publication number
- JPH0662836B2 JPH0662836B2 JP63235771A JP23577188A JPH0662836B2 JP H0662836 B2 JPH0662836 B2 JP H0662836B2 JP 63235771 A JP63235771 A JP 63235771A JP 23577188 A JP23577188 A JP 23577188A JP H0662836 B2 JPH0662836 B2 JP H0662836B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rubber composition
- snow
- rubber
- vulcanized rubber
- friction
- Prior art date
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- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はタイヤや靴底等に利用できる加硫ゴム組成物に
関するものである。
関するものである。
従来、氷雪面等での滑り防止のため、タイヤや靴底に使
用するゴムの改良や構成に種々の工夫がなされている。
用するゴムの改良や構成に種々の工夫がなされている。
そして、工夫されたものとして、金属製のスパイクを装
着したものや、ゴムの組成を低温下でも柔軟に保持でき
るものとし、氷雪面との摩擦抵抗を大きくするようにし
たものがある。
着したものや、ゴムの組成を低温下でも柔軟に保持でき
るものとし、氷雪面との摩擦抵抗を大きくするようにし
たものがある。
ゴムの組成を低温下でも柔軟にするためには、末加硫ゴ
ム組成物に補強剤や充填剤をできる限り少量に止めてガ
ラス転移点の低温下を図っている。
ム組成物に補強剤や充填剤をできる限り少量に止めてガ
ラス転移点の低温下を図っている。
一般にゴムが氷雪面等で良く滑る理由は、氷雪面とこす
り合う時に生じる圧力融解と摩擦熱によって形成される
水膜、及びこの水膜が熱伝導率の不良体によるエネルギ
ーの蓄積で速く形成されることによる。
り合う時に生じる圧力融解と摩擦熱によって形成される
水膜、及びこの水膜が熱伝導率の不良体によるエネルギ
ーの蓄積で速く形成されることによる。
このことは、1898年、Nansenが低温時、熱の良導体の摩
擦抵抗は不良導体摩擦よりかなり大きいことを発見し、
次いで、1947年、Kleinが航空機の氷雪上でのスキーの
滑り特性について広範囲に行った実験により証明されて
いる。
擦抵抗は不良導体摩擦よりかなり大きいことを発見し、
次いで、1947年、Kleinが航空機の氷雪上でのスキーの
滑り特性について広範囲に行った実験により証明されて
いる。
例えば、スキー板滑走面にコーティングされるワックス
類は、ゴム加硫物と共に代表的な熱の不良導体であり、
このことはゴム加硫物が氷雪上では非常に滑り易い物質
であることを示し、又スキーやスケートに於ける摩擦抵
抗値の著しい低い状態（μ＝0.03）は、スキーやスケー
トの表面と氷雪面との圧力融解によって生じる水膜層の
ため潤滑されるためである。
類は、ゴム加硫物と共に代表的な熱の不良導体であり、
このことはゴム加硫物が氷雪上では非常に滑り易い物質
であることを示し、又スキーやスケートに於ける摩擦抵
抗値の著しい低い状態（μ＝0.03）は、スキーやスケー
トの表面と氷雪面との圧力融解によって生じる水膜層の
ため潤滑されるためである。
更に、この時の二つの滑り面に生じる摩擦エネルギーに
よる氷雪面が表面融解されて形成される水膜層、及び材
質の異なる熱伝導率の差異によって、滑り抵抗が影響を
受けるのである。
よる氷雪面が表面融解されて形成される水膜層、及び材
質の異なる熱伝導率の差異によって、滑り抵抗が影響を
受けるのである。
そして、固体の材質と氷上を滑る摩擦に対して、温度が
いかに影響を与えるかについては、第１図及び第２図に
示す通り、摩擦は温度が下がるにつれて著しく増大し、
低い熱伝導を持つ固体ほど摩擦は低くなっている。
いかに影響を与えるかについては、第１図及び第２図に
示す通り、摩擦は温度が下がるにつれて著しく増大し、
低い熱伝導を持つ固体ほど摩擦は低くなっている。
本発明は斯かる点に着目し、氷雪面に於いて金属と同じ
ように鋭い爪として作用するゴム組成物の配合を提供せ
んとするものである。
ように鋭い爪として作用するゴム組成物の配合を提供せ
んとするものである。
本発明の加硫ゴム組成物は、ポリノルボーネンに芳香族
油で可塑化させ、二次転移点を０℃±５℃の範囲に調整
された改良ポリマーに、金属酸化物微粒子を、ポリノル
ボーネン100部に対し、50部以上の割合で配合して成る
ものである。
油で可塑化させ、二次転移点を０℃±５℃の範囲に調整
された改良ポリマーに、金属酸化物微粒子を、ポリノル
ボーネン100部に対し、50部以上の割合で配合して成る
ものである。
ポリノルボーネンはシクロペンタジェンにエチレンを加
え、ディールスアダルダ反応でノルボーネンを得、更に
開環重合して得られる。
え、ディールスアダルダ反応でノルボーネンを得、更に
開環重合して得られる。
この合成重合されたポリノルボーネンの基本的性質とし
て、比重0.96、分子量2.000.000、二次転移点35℃の物
性を有する。
て、比重0.96、分子量2.000.000、二次転移点35℃の物
性を有する。
このポリノルボーネン100部に対し、可塑剤として石油
系軟化剤（比重0.96〜1.02、流動点０℃以上、芳香族炭
化水素含有量35％以上）を添加すると、添加量の増加に
伴い、二次転移点が下がり、その二次転移点を０℃に調
整することができる。
系軟化剤（比重0.96〜1.02、流動点０℃以上、芳香族炭
化水素含有量35％以上）を添加すると、添加量の増加に
伴い、二次転移点が下がり、その二次転移点を０℃に調
整することができる。
この様に改良されたポリマーの性状として、０℃以上の
温度ではゴム的弾性体性状を示し、０℃以下の低温では
硬化し、熱可塑的性状を示すこととなる。
温度ではゴム的弾性体性状を示し、０℃以下の低温では
硬化し、熱可塑的性状を示すこととなる。
次に、改質した油展ポリマー100部に対して、通常に使
用されるゴム用加硫系架橋剤（例えば、ステアリン酸、
亜鉛酸、促進剤、硫黄等）、或は過酸物系架橋剤を、通
常の種類及び組み合せ部数を添加することで末加硫ゴム
組成物が得られる。
用されるゴム用加硫系架橋剤（例えば、ステアリン酸、
亜鉛酸、促進剤、硫黄等）、或は過酸物系架橋剤を、通
常の種類及び組み合せ部数を添加することで末加硫ゴム
組成物が得られる。
そして、加硫可能に配合された末加硫ゴム組成物100部
に対して、補強剤、充填剤として通常使用されるカーボ
ンブラック、白色充填剤と金属酸化物の微粒子を各々単
独、或は組み合せ合計が50部となるように配合し加硫組
成物とする。
に対して、補強剤、充填剤として通常使用されるカーボ
ンブラック、白色充填剤と金属酸化物の微粒子を各々単
独、或は組み合せ合計が50部となるように配合し加硫組
成物とする。
充填剤としての金属酸化物は、Fe、Al、CoCr、Mg、Zn、
Mn、Sn、Ti等を元素とした酸化物を用いるが、Fe
２ｏ３、Al２ｏ３、Zno、Tio２、Mgoが経済的に優れ、
配合は可塑化されたポリマー100部に対し、50部以上の
添加が必要である。
Mn、Sn、Ti等を元素とした酸化物を用いるが、Fe
２ｏ３、Al２ｏ３、Zno、Tio２、Mgoが経済的に優れ、
配合は可塑化されたポリマー100部に対し、50部以上の
添加が必要である。
本発明の加硫ゴム組成物の性質は、次表の通り、雪質、
氷の状態に伴って硬度が変化するものである。
氷の状態に伴って硬度が変化するものである。
又、物理的性質は次表の通り、常温ではタイヤトレッド
ゴム質より強く、低温になるに従い強度アップしてい
る。
ゴム質より強く、低温になるに従い強度アップしてい
る。
又、−５℃迄の道路に所々雪が残り、路面が時々露出し
ている状態を想定した時も、ゴムの物理的強度は硬さの
みがアップし、伸び300％と変形自在なゴムとして機能
するので路面を傷めるものでない。
ている状態を想定した時も、ゴムの物理的強度は硬さの
みがアップし、伸び300％と変形自在なゴムとして機能
するので路面を傷めるものでない。
〔作用〕 本発明の加硫ゴム組成物は、氷点下では硬化するため意
匠的な凹凸面で成形すれば、凸起部は氷雪面に食い込ん
で摩擦抵抗体とし作用し、常温では軟質ゴム抵抗体とし
て作用する。
匠的な凹凸面で成形すれば、凸起部は氷雪面に食い込ん
で摩擦抵抗体とし作用し、常温では軟質ゴム抵抗体とし
て作用する。
又、熱伝導率の良導体である金属微粒子は、発生したエ
ネルギーの伝導、放熱が敏速に行われるため、エネルギ
ーが蓄積されず、水膜の形成を防止する作用を為すので
あり、特に金属酸化物を多量に有する本組成物では、金
属粒粉末が互いに接触し、且つ、分散しているため、熱
の吸収、放熱及び伝達作用が敏速に行われ、金属的性質
に近い作用となる。
ネルギーの伝導、放熱が敏速に行われるため、エネルギ
ーが蓄積されず、水膜の形成を防止する作用を為すので
あり、特に金属酸化物を多量に有する本組成物では、金
属粒粉末が互いに接触し、且つ、分散しているため、熱
の吸収、放熱及び伝達作用が敏速に行われ、金属的性質
に近い作用となる。
更に、多量に金属酸化物微粒子を配合した加硫ゴム組成
物も当然こすり合う面では摩耗を生ずることとなる。
物も当然こすり合う面では摩耗を生ずることとなる。
けれども、この摩耗により発生する金属酸化物の含有し
たゴム微粉末が、例えば、レンズやガラスを研磨する時
に用いる弁板、アルミ、砥粒に相当するポリシ材として
作用し、摩擦抵抗を大きくするのである。
たゴム微粉末が、例えば、レンズやガラスを研磨する時
に用いる弁板、アルミ、砥粒に相当するポリシ材として
作用し、摩擦抵抗を大きくするのである。
以上の様に本発明は、常温時では通常の軟質ゴムである
が、氷点下に於いて加硫成型されたゴムは硬化し、その
鋭角的な形状はスパイクとして作用するため、氷雪面と
の摩擦抵抗を増大せしめる効果を有する。
が、氷点下に於いて加硫成型されたゴムは硬化し、その
鋭角的な形状はスパイクとして作用するため、氷雪面と
の摩擦抵抗を増大せしめる効果を有する。
そして、多量に配合した金属酸化物微粒子は、氷雪面と
こすり合う時に生じる熱を良好な熱伝導作用により吸収
・放熱・伝達を敏速に行うため、エネルギーの蓄積を防
止し、潤滑剤となる水膜の形成を阻止する効果を有す
る。
こすり合う時に生じる熱を良好な熱伝導作用により吸収
・放熱・伝達を敏速に行うため、エネルギーの蓄積を防
止し、潤滑剤となる水膜の形成を阻止する効果を有す
る。
更に、摩擦によって発生したゴム微粉末がポリシ材とし
て作用し、氷雪の凹凸面にゴム微粉末が埋まり、その粒
子径が水膜層より大きい時は、その摩擦抵抗は水膜の潤
滑作用を受けず、一方、摩耗したゴム表面も同様に表面
肌を露出している金属酸化物微粒子が存在し、相乗的に
ポリシング効果を発揮し滑りを防止するのである。この
ポリシング効果は、濡れた路面、床材にも有効である。
て作用し、氷雪の凹凸面にゴム微粉末が埋まり、その粒
子径が水膜層より大きい時は、その摩擦抵抗は水膜の潤
滑作用を受けず、一方、摩耗したゴム表面も同様に表面
肌を露出している金属酸化物微粒子が存在し、相乗的に
ポリシング効果を発揮し滑りを防止するのである。この
ポリシング効果は、濡れた路面、床材にも有効である。
従って、本発明はタイヤや靴或は階段等応用範囲の広い
ゴム組成物であり、特にタイヤや靴では状況に応じて脱
着の必要のない全天候型の加硫ゴム組成物となる。
ゴム組成物であり、特にタイヤや靴では状況に応じて脱
着の必要のない全天候型の加硫ゴム組成物となる。
第１図及び第２図は材質と摩擦に対する温度の影響を示
すグラフである。
すグラフである。
Claims (1)
- 【請求項１】ポリノルボーネンに芳香族油で可塑化さ
せ、二次転移点を０℃±５℃の範囲に調整された改良ポ
リマーに、金属酸化物微粒子を、ポリノルボーネン100
部に対し、50部以上の割合で配合して成る加硫ゴム組成
物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63235771A JPH0662836B2 (ja) | 1988-09-20 | 1988-09-20 | 加硫ゴム組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63235771A JPH0662836B2 (ja) | 1988-09-20 | 1988-09-20 | 加硫ゴム組成物 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0284459A JPH0284459A (ja) | 1990-03-26 |
| JPH0662836B2 true JPH0662836B2 (ja) | 1994-08-17 |
Family
ID=16990995
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP63235771A Expired - Lifetime JPH0662836B2 (ja) | 1988-09-20 | 1988-09-20 | 加硫ゴム組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0662836B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| NZ242909A (en) * | 1991-06-04 | 1994-12-22 | Ishikawa Giken Gomu Kk | Rubber spike pin projects within tread open mounting recess |
| US6199610B1 (en) * | 1996-10-09 | 2001-03-13 | Goichi Rubber Co., Ltd. | Anti-skid member and tire equipped with the anti-skid member |
| JP6395418B2 (ja) * | 2014-04-01 | 2018-09-26 | 住友ゴム工業株式会社 | 空気入りタイヤ |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6395213A (ja) * | 1986-10-11 | 1988-04-26 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | 低硬度高強度で低反撥弾性のゴム組成物 |
-
1988
- 1988-09-20 JP JP63235771A patent/JPH0662836B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0284459A (ja) | 1990-03-26 |
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