JP6395418B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、ゴム組成物を用いて作製したトレッドを有する空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤは、トレッド、サイドウォール等、様々な部材により構成され、各部材に応じて諸性能が付与されている。これらの部材は、ゴム組成物を成形し、加硫することにより得られる。
従来提案されたタイヤ用ゴム組成物においては、可塑剤として配合されたオイルが、表面にブリードしたり他部材に移行したりするため、1年以上長期的にタイヤを使用した場合、タイヤの性能が低下するという問題点があった。特に、オイルを多量に含有するオールシーズンタイヤでは、経時劣化に対する性能面での低下が問題点であった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、経時劣化における性能低下を防ぐことができる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、ノルボルネン系重合体を含むゴム成分と、オイルとを含有するゴム組成物を用いて作製したトレッドを有する空気入りタイヤに関する。
上記ゴム成分100質量%中の上記ノルボルネン系重合体の含有量が5〜25質量%であることが好ましい。
上記ノルボルネン系重合体は、ノルボルネンを必須成分として含む単量体成分を重合することで得られるものであることが好ましい。
上記ノルボルネン系重合体にオイルが配合されており、上記ノルボルネン系重合体100質量部に対して、上記オイルの配合量が50〜200質量部であることが好ましい。
上記ゴム組成物は、カーボンブラック及び/又はシリカをさらに含有し、上記ゴム成分100質量部に対して、上記カーボンブラック及び上記シリカの合計含有量が30〜90質量部であることが好ましい。
上記ゴム成分は、天然ゴム、ブタジエンゴム及びスチレンブタジエンゴムからなる群より選択される少なくとも1種をさらに含むことが好ましい。
上記空気入りタイヤは、オールシーズンタイヤであることが好ましい。
本発明によれば、ノルボルネン系重合体を含むゴム成分と、オイルとを含有するゴム組成物を用いて作製したトレッドを有する空気入りタイヤであるので、経時劣化における性能低下を防ぐことができる空気入りタイヤを提供できる。
本発明の空気入りタイヤは、ノルボルネン系重合体を含むゴム成分と、オイルとを含有するゴム組成物を用いて作製したトレッドを有する空気入りタイヤである。
本発明では、ゴム成分としてノルボルネン系重合体を配合することにより、ゴム組成物中にオイルを保つことが可能となり、オイルが表面にブリードしたり他部材に移行したりすることを抑制でき、経時劣化における性能低下を防ぐことができる。これは、ノルボルネン系重合体が多量のオイルを吸収することができるためと推測される。なお、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレントリブロック共重合体もオイルを吸収することができるが、ノルボルネン系重合体に比べてオイルを吸収する能力が低く、経時劣化における性能低下を充分に防ぐことはできない。
本発明で用いるノルボルネン系重合体は、ノルボルネン環構造を有する化合物(以下、ノルボルネン系モノマーとも記載する)を必須成分として含む単量体成分を重合することで得ることができる。重合方法としては特に限定されず、公知の方法により行うことが可能である。
ノルボルネン系モノマーとしては、ノルボルネン、ノルボルナジエン等の二環体;ジシクロペンタジエン(シクロペンタジエン二量体)、ジヒドロジシクロペンタジエン等の三環体;テトラシクロドデセン等の四環体;シクロペンタジエン三量体等の五環体;シクロペンタジエン四量体等の七環体;等を挙げることができる。
これらのノルボルネン系モノマーは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜8のアルキル基;ビニル基等の炭素数2〜8のアルケニル基;エチリデン基等の炭素数2〜8のアルキリデン基;フェニル基、トリル基、ナフチル基等の炭素数6〜10のアリール基等の置換基を有していてもよい。更に、これらのノルボルネン系モノマーは、エステル基、エーテル基、シアノ基、ハロゲン原子等の極性基を有していてもよい。
上記ノルボルネン系モノマーの具体例としては、ジシクロペンタジエン、トリシクロペンタジエン、シクロペンタジエン−メチルシクロペンタジエン共二量体、5−エチリデンノルボルネン、ノルボルネン、ノルボルナジエン、5−シクロヘキセニルノルボルネン、1,4,5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,4−メタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−エチリデン−1,4,5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−エチリデン−1,4−メタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,4,5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−ヘキサヒドロナフタレン、エチレンビス(5−ノルボルネン)等が挙げられる。
ノルボルネン系モノマーは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記ノルボルネン系モノマーのうち、入手が容易であり、加工性に優れる点から、ノルボルネン、ノルボルナジエンを用いることが好ましく、ノルボルネンが特に好ましい。
上記ノルボルネン系重合体の原料となる単量体成分は、ノルボルネン系モノマーを必須成分として含む限り、ノルボルネン系モノマー以外のその他のモノマーを含んでいてもよいが、単量体成分100質量%に対して、ノルボルネン系モノマーが80質量%以上であることが好ましい。より好ましくは、90質量%以上であり、最も好ましくは、100質量%、すなわち、単量体成分がノルボルネン系モノマーのみからなることである。
上記ノルボルネン系重合体は、主鎖または側鎖に環状構造を含み、炭素及び水素から形成される重合物であることを特徴とする。上記ノルボルネン系重合体は、硫黄その他架橋剤による架橋が可能であるという観点より、不飽和結合を有していることが好ましい。また、架橋した際に、良好なゴム物性を発現するという観点より、主鎖上に不飽和結合を有していることが好ましい。
ノルボルネン系重合体の数平均分子量(Mn)は、Mn=10万〜200万であることが好ましく、20万〜180万であることがより好ましい。上記の範囲であれば、ゴム物性と経時劣化抑制のバランスが良好である。
また上記ノルボルネン系重合体の重量平均分子量(Mw)は、20万〜500万であることが好ましく、30万〜300万であることがより好ましい。上記の範囲であれば、ゴム物性と経時劣化抑制のバランスが良好である。
また上記ノルボルネン系重合体の数平均分子量と重量平均分子量比(Mw/Mn)は、1.5〜15であることが好ましい。上記の範囲であれば、ゴム物性と経時劣化抑制のバランスが良好である。
本発明のノルボルネン系重合体の重量平均分子量や数平均分子量は、実施例に記載の方法で測定することができる。
本発明では、上記ノルボルネン系重合体にオイルを配合することが好ましい。すなわち、上記ノルボルネン系重合体が油展ノルボルネン系重合体であることが好ましい。オイルは、ノルボルネン系重合体を重合する際に添加してもよく、ノルボルネン系重合体を混練(素練り)する際に添加してもよい。
上記オイルは、特に限定されないが、ミネラルオイル、アロマオイル、植物油、動物油脂等が好適にあげられ、その中でも耐久性、ゴムとの相溶性の上でパラフィンオイル、ナフテンオイルのようなミネラルオイル、アロマオイルが好ましく、ナフテンオイル、アロマオイルが特に好ましく、アロマオイルが吸油の観点で最も好ましい。
なお、ノルボルネン系重合体にオイルが油展成分として添加されている場合、油展量(ノルボルネン系重合体100質量部に対するオイルの含有量)は、50質量部以上が好ましく、100質量部以上がより好ましく、150質量部以上が更に好ましい。ノルボルネン系重合体に含まれるオイルの含有量が少ないと、未加硫時の粘度が増加し、加工性能が低下するおそれがある。上記油展量は、250質量部以下が好ましく、200質量部以下がより好ましい。ノルボルネン系重合体に含まれるオイルの含有量が多いと、系内にオイルを保つことができなくなるため、経時劣化抑制性能の向上効果が十分に得られないおそれがある。
本発明の効果がより良好に得られるという点から、本発明に係るゴム組成物において、ゴム成分100質量%中のノルボルネン系重合体の含有量は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上、特に好ましくは20質量%以上である。ノルボルネン系重合体の含有量が多くなると、燃費性能、加工性能、耐摩耗性能等が低下するおそれがある。ゴム成分100質量%中のノルボルネン系重合体の含有量は、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下である。ノルボルネン系重合体の含有量が少なくなると、充分な経時劣化抑制性能が得られないおそれがある。
本発明において、上記ゴム成分は、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)及びスチレンブタジエンゴム(SBR)からなる群より選択される少なくとも1種をさらに含むことが好ましく、BR及びSBRを含むことがより好ましい。なお、ゴム成分100質量%中のNR、BR及びSBRの合計含有量は、75〜95質量%であることが好ましい。
上記NRとしては、TSR20、RSS#3などの一般的に用いられているものが挙げられる。
本発明の効果がより良好に得られるという点から、ゴム成分100質量%中のNRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上であり、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下である。
BRとしては特に限定されず、例えば、JSR(株)製のBR730、BR51、日本ゼオン(株)製のBR1220、宇部興産(株)製のBR130B、BR150B、BR710等の高シス含量BR、日本ゼオン(株)製のBR1250H等の低シス含量BR等を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記BRのシス含量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは85質量%以上、更に好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上である。
なお、本明細書において、シス含量は、赤外吸収スペクトル分析により算出される値である。
本発明の効果がより良好に得られるという点から、ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上である。また、該含有量は、好ましくは70質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。
上記SBRとしては特に限定されず、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。なかでも、転がり抵抗特性の改善効果が大きいという点から、分子中に2個以上のエポキシ基を有する多官能化合物により変性(カップリング)され、水酸基やエポキシ基が導入された変性SBRが好ましい。このような変性SBRとしては、旭化成ケミカルズ(株)製のE15等を使用することができる。
SBRのビニル含量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上である。該ビニル含量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは70質量%以下である。
なお、本発明において、SBRのビニル含量は、赤外吸収スペクトル分析によって測定できる。
SBRのスチレン含量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上である。該スチレン含量は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは40質量%以下である。
なお、本発明において、SBRのスチレン含量は、H−NMR測定により算出される。
ゴム成分100質量%中のSBRの含有量は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは50質量%以上、特に好ましくは60質量%以上である。SBRの含有量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは70質量%以下である。
上記ノルボルネン系重合体、NR、BR、SBR以外に本発明で使用できるゴム成分としては、例えば、イソプレンゴム(IR)、ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム、ブチルゴムなどが挙げられる。
本発明に係るゴム組成物において、オイルの配合量は、ゴム組成物が含むゴム成分100質量部に対して30質量部以上が好ましく、40質量部以上がより好ましく、50質量部以上が最も好ましい。30質量部より少ないと、成形時の粘度が上がりすぎて加工性が落ちる可能性がある。上記オイルの配合量は、300質量部以下が好ましく、200質量部以下がさらに好ましい。300質量部より多いと、タイヤの性能が著しく低下するおそれがある。なお、ここで、オイルの含有量は、油展ノルボルネン系重合体に含まれる油展成分と別途配合されたオイルの合計量を意味する。
上記ゴム組成物は、カーボンブラック及び/又はシリカを含むことが好ましい。カーボンブラック及びシリカのいずれかが含まれていればよいが、本発明の効果がより好適に得られるという点から、カーボンブラックとシリカを併用することがより好ましい。なお、カーボンブラック及びシリカの合計含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは30質量部以上、より好ましくは50質量部以上であり、好ましくは90質量部以下、より好ましくは85質量部以下、更に好ましくは80質量部以下である。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は50m/g以上が好ましく、90m/g以上がより好ましい。50m/g未満では、充分な補強性が得られないおそれがある。該NSAは、180m/g以下が好ましく、130m/g以下がより好ましい。180m/gを超えると、分散させるのが困難となり、耐摩耗性能が悪化する傾向がある。
なお、カーボンブラックのNSAは、JIS K 6217−2:2001によって求められる。
カーボンブラックのジブチルフタレート吸油量(DBP)は、50ml/100g以上が好ましく、110ml/100g以上がより好ましい。50ml/100g未満では、充分な補強性が得られないおそれがある。また、氷上性能が低下するおそれがある。また、カーボンブラックのDBPは、200ml/100g以下が好ましく、135ml/100g以下がより好ましい。200ml/100gを超えると、加工性能が低下するおそれがある。
なお、カーボンブラックのDBPは、JIS K6217−4:2001に準拠して測定される。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上である。10質量部未満では、充分な補強性が得られないおそれがある。該含有量は、好ましくは80質量部以下、より好ましくは60質量部以下である。80質量部を超えると、分散性が悪化し、加工性能が悪化する傾向がある。
シリカとしては、例えば、乾式法シリカ(無水シリカ)、湿式法シリカ(含水シリカ)などが挙げられる。なかでも、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。
シリカの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは40m/g以上、より好ましくは70m/g以上、更に好ましくは110m/g以上である。40m/g未満であると、充分な補強性が得られないおそれがある。また、シリカのNSAは、好ましくは220m/g以下、より好ましくは200m/g以下である。220m/gを超えると、シリカが分散しにくくなり、加工性能が悪化するおそれがある。
なお、シリカのNSAは、ASTM D3037−93に準じてBET法で測定される値である。
シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上である。10質量部未満では、充分な補強性が得られないおそれがある。該シリカの含有量は、好ましくは80質量部以下、より好ましくは70質量部以下である。80質量部を超えると、シリカが分散しにくくなり、加工性能が悪化するおそれがある。
上記ゴム組成物は、シリカを含む場合、シリカとともにシランカップリング剤を含むことが好ましい。
シランカップリング剤としては、ゴム工業において、従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤を使用することができ、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド等のスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシランなどのビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランのグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシランなどのニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシランなどのクロロ系等が挙げられる。なかでも、スルフィド系が好ましく、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドがより好ましい。
シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上である。0.1質量部未満では、充分な補強性が得られないおそれがある。また、該シランカップリング剤の含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは6質量部以下である。10質量部を超えると、コストの増加に見合った効果が得られない傾向がある。
上記ゴム組成物には、上記成分以外にも、タイヤ工業において一般的に用いられている配合剤、例えば、ワックス、ステアリン酸、酸化亜鉛、老化防止剤、硫黄等の加硫剤、加硫促進剤等の材料を適宜配合してもよい。
加硫促進剤としては、例えば、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド−アミン系若しくはアルデヒド−アンモニア系、イミダゾリン系、又はキサンテート系加硫促進剤等が挙げられる。これら加硫促進剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、スルフェンアミド系加硫促進剤が好ましく、スルフェンアミド系加硫促進剤と、ジフェニルグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤とを併用することがより好ましい。
スルフェンアミド系加硫促進剤としては、例えば、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DCBS)等が挙げられる。
上記ゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで上記各成分を混練りし、その後加硫する方法等により製造できる。
上述のとおり、上記ゴム組成物は、タイヤのトレッドとして用いられる。2層構造のトレッドの場合には、表面層(キャップトレッド)及び内面層(ベーストレッド)から構成される。
多層構造のトレッドは、シート状にしたものを、所定の形状に貼り合わせる方法や、2本以上の押出し機に装入して押出し機のヘッド出口で2層以上に形成する方法により作製することができる。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法により製造される。すなわち、ノルボルネン系重合体を含むゴム成分、オイル及び必要に応じて上記各種配合剤を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッドなどの形状に合わせて押し出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することで、本発明の空気入りタイヤが得られる。
本発明の空気入りタイヤは、乗用車用タイヤとして好適に用いることができる。また、本発明の空気入りタイヤは、オールシーズンタイヤに用いることが好ましく、特に夏季においてもタイヤを交換することなく冬季と同様に使用できることが好ましい。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下の実施例、比較例で用いた各種ポリマー及び薬品は以下のとおりである。
ポリノルボルネン:ニチダイ株式会社製のNorsorex
ノルボルネン系重合体(1):ポリノルボルネン(Mn=840,000、Mw=3,000,000、Mw/Mn=10.8、主鎖に二重結合を有するノルボルネン重合体)100質量部にアロマオイル50質量部配合
ノルボルネン系重合体(2):上記ポリノルボルネン100質量部にアロマオイル100質量部配合
ノルボルネン系重合体(3):上記ポリノルボルネン100質量部にアロマオイル200質量部配合
SBR:JSR社製 HPR850(スチレン量26mol%、ビニル量59mol%)
BR:JSR社製 BR730(シス含量97質量%、Mw/Mn2.5)
カーボンブラック:三菱化学株式会社製のダイアブラックI(ISAFカーボン、平均粒子径23nm、NSA114m/g、DBP吸油量114ml/100g)
シリカ:デグッサ社製のUltrasil VN3(NSA:175m/g)
シランカップリング剤:デグッサ社製のSi69
ステアリン酸:日油(株)製のビーズステアリン酸つばき
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン)(6PPD)
ワックス:日本精蝋(株)製のオゾエース0355
アロマオイル:ジャパンエナジー社製のプロセスX−140(芳香族系プロセスオイル)(上記ノルボルネン系重合体(1)〜(3)に配合したものと同じ)
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤(1):大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤(2):大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(N,N’−ジフェニルグアニジン)
上記ポリノルボルネンの重量平均分子量、数平均分子量は、以下の方法により測定した。
<分子量、分子量分布の測定方法(Mw/Mn)>
下記の条件(1)〜(8)でゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法により、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を測定し、重合体の分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
(1)装置:東ソー社製HLC−8220
(2)分離カラム:東ソー社製HM−H(2本直列)
(3)測定温度:40℃
(4)キャリア:テトラヒドロフラン
(5)流量:0.6mL/分
(6)注入量:5μL
(7)検出器:示差屈折
(8)分子量標準:標準ポリスチレン
(実施例及び比較例)
表1及び2に示した配合内容に従い、(株)神戸製鋼所製の1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を約80〜160℃の条件下で5分間混練りし、混練り物を得た(この際、仕様によってはオイルを2分割投入して混練りを行った。)。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を表1及び2に示す配合内容で添加し、オープンロールを用いて、約80℃の条件下で3分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を170℃で10分間加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物又は加硫ゴム組成物について下記の評価を行った。結果を表1及び2に示す。
<経時劣化抑制性能:劣化前後での破断伸び>
上記にて得られた加硫ゴム組成物(新品)を80℃のオーブンで168時間熱劣化させ、これを劣化品とした。JIS−K6251に準じて、新品及び劣化品からなる3号ダンベルを用いて引張り試験を行い、破断伸び(EB)を測定した。そして、劣化前後での破断伸びの変化について、比較例1の結果を100として指数で表した。指数が大きいほど経時劣化抑制性能が優れる。
Figure 0006395418
表1では、ノルボルネン系重合体に含まれるオイルの含有量が異なるものを使用して評価した。表1より、ノルボルネン系重合体を含む実施例1〜3では、ノルボルネン系重合体を含まない比較例1よりも経時劣化抑制性能が向上するが、ノルボルネン系重合体に含まれるオイルの含有量が多くなるにつれ、経時劣化抑制性能の向上効果が低下する。
Figure 0006395418
表2では、ゴム成分に含まれるSBRをノルボルネン系重合体に置き換えた結果を示す。ゴム成分中のノルボルネン系重合体の含有量が増えると、経時劣化抑制性能が良好となる。

Claims (8)

  1. 20〜70質量%のスチレンブタジエンゴムと、ノルボルネン系重合体と、10〜70質量%のブタジエンゴムとを含むゴム成分と、オイルとを含有し、前記ゴム成分100質量部に対して、シリカを20質量部以上含有するゴム組成物を用いて作製したトレッドを有する空気入りタイヤ。
  2. 前記ゴム成分100質量%中の前記ノルボルネン系重合体の含有量が5〜25質量%である請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ノルボルネン系重合体は、ノルボルネンを必須成分として含む単量体成分を重合することで得られるものである請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記ノルボルネン系重合体にオイルが配合されており、
    前記ノルボルネン系重合体100質量部に対して、前記オイルの配合量が50〜200質量部である請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記ゴム組成物は、カーボンブラックをさらに含有し、
    前記ゴム成分100質量部に対して、前記カーボンブラック及び前記シリカの合計含有量が30〜90質量部である請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積が130m/g以下である請求項5記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記ゴム組成物は、スルフェンアミド系加硫促進剤と、グアニジン系加硫促進剤とをさらに含有する請求項1〜のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記空気入りタイヤは、オールシーズンタイヤである請求項1〜のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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