JP2015017157A - モトクロスタイヤ用トレッドゴム組成物及びこれを用いて作製したトレッドを有するモトクロスタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】製造負荷、耐老化特性、グリップ性能、初期グリップ性能、耐摩耗性及び外観特性に優れたモトクロスタイヤ用トレッドゴム組成物、並びにこれを用いたモトクロスタイヤを提供する。
【解決手段】ゴム成分と、アミン・ケトン系老化防止剤と、混合樹脂と、ステアリン酸と、酸化亜鉛とを含むモトクロスタイヤ用トレッドゴム組成物に関する。
【選択図】なし
【解決手段】ゴム成分と、アミン・ケトン系老化防止剤と、混合樹脂と、ステアリン酸と、酸化亜鉛とを含むモトクロスタイヤ用トレッドゴム組成物に関する。
【選択図】なし
Description
本発明は、モトクロスタイヤ用トレッドゴム組成物及びこれを用いて作製したトレッドを有するモトクロスタイヤに関する。
従来からモトクロスタイヤのトレッドゴムには、耐老化特性を向上するために、一般に老化防止剤及びワックスが併用され、該老化防止剤としてIPPD、6PPD、9PPDなどの芳香族第2級アミン老化防止剤が汎用されている。また、このトレッドゴムは、通常、製造工程における負荷(製造負荷)が高く、特に押出工程時の工程負荷が高いため、加工助剤としてstruktol社製のEF44、WB16などの脂肪酸石鹸系加工助剤が一般に配合されている。
このような老化防止剤、ワックス及び加工助剤の添加は、耐老化特性と製造負荷の改善には有効な手段であるが、脂肪族石鹸系加工助剤量の増加に伴って耐摩耗性やグリップ性能が悪化するなど、モトクロスタイヤで特に重要な性能であるグリップ性能や耐摩耗性に悪影響を及ぼすという問題がある。
また、モトクロスタイヤのトレッドゴムには、一般に多量の軟化剤成分が配合されているため、長期保管時及び長時間の輸送時にワックスや芳香族2級アミン老化防止剤のブルーミングが発生しやすく、トレッドゴムの外観不良を起こすこともある。更に、外観不良には至らない程度のブルーミングでも、これに起因する走行初期のグリップ性能の著しい低下が懸念される。
このように、モトクロスタイヤのトレッドゴムには、良好な製造負荷、耐老化特性を確保しながら、重要性能であるグリップ性能、初期グリップ性能及び耐摩耗性、更には外観特性についても優れた性能を持つことが求められている。
本発明は、前記課題を解決し、製造負荷、耐老化特性、グリップ性能、初期グリップ性能、耐摩耗性及び外観特性に優れたモトクロスタイヤ用トレッドゴム組成物、並びにこれを用いたモトクロスタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、ゴム成分と、アミン・ケトン系老化防止剤と、混合樹脂と、ステアリン酸と、酸化亜鉛とを含むモトクロスタイヤ用トレッドゴム組成物に関する。
前記混合樹脂は、芳香族炭化水素系樹脂の混合物、又は芳香族炭化水素系樹脂と脂肪族炭化水素系樹脂との混合物であることが好ましい。
前記アミン・ケトン系老化防止剤の含有量が、ゴム成分100質量部に対して、0.1〜6.0質量部であることが好ましい。
前記ゴム成分100質量部に対する前記ステアリン酸の含有量、前記酸化亜鉛の含有量、及び前記ステアリン酸及び前記酸化亜鉛の合計含有量が、下記式(1)及び(2)を満たすことが好ましい。
0.3≦ステアリン酸の含有量/酸化亜鉛の含有量≦2.0 (1)
2.0質量部≦ステアリン酸及び酸化亜鉛の合計含有量≦10.0質量部 (2)
0.3≦ステアリン酸の含有量/酸化亜鉛の含有量≦2.0 (1)
2.0質量部≦ステアリン酸及び酸化亜鉛の合計含有量≦10.0質量部 (2)
液状ジエン系重合体を含むことが好ましい。
本発明はまた、前記ゴム組成物を用いて作製したトレッドを有するモトクロスタイヤに関する。
本発明によれば、ゴム成分と、アミン・ケトン系老化防止剤と、混合樹脂と、ステアリン酸と、酸化亜鉛とを含むモトクロスタイヤ用トレッドゴム組成物であるので、製造負荷、耐老化特性、グリップ性能、初期グリップ性能、耐摩耗性及び外観特性に優れたモトクロスタイヤを提供できる。
本発明のモトクロスタイヤ用トレッドゴム組成物は、ゴム成分と、アミン・ケトン系老化防止剤と、混合樹脂と、ステアリン酸と、酸化亜鉛とを含む。
モトクロスタイヤのトレッドゴムにアミン・ケトン系老化防止剤、混合樹脂を添加することにより、耐老化特性を改善しつつ、該トレッドゴムで問題となる製造負荷を低減できるだけでなく、従来の芳香族第2級アミン系老化防止剤とワックスの併用による前記課題も解決できる。よって、特に重要な性能であるグリップ性能、初期グリップ性能及び耐摩耗性も改善され、更にブルーミングによる外観不良も抑制できる。これにより、前述の本発明の効果が発揮される。また、ステアリン酸量と酸化亜鉛量の配合比率や合計量の調整により、このような効果をより効果的に得ることも可能になる。
本発明で使用できるゴム成分としては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)等のジエン系ゴムが挙げられる。ゴム成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、グリップ性能及び耐摩耗性がバランスよく得られるという理由からNR、BR、SBRが好ましく、SBRがより好ましい。
SBRとしては、特に限定されず、例えば、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)等を使用できる。
SBRのスチレン含有量は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは25質量%以上である。20質量%未満であると、充分なグリップ性能が得られない傾向がある。また、上記スチレン含有量は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。60質量%を超えると、耐摩耗性が低下するだけでなく、温度依存性が増大し、温度変化に対する性能変化が大きくなってしまう傾向がある。なお、本発明において、SBRのスチレン含有量は、H1−NMR測定により算出される。
ゴム成分100質量%中のSBRの含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、更に好ましくは60質量%以上である。10質量%未満であると、十分な耐熱性、グリップ性能、耐摩耗性が得られない傾向がある。また、SBRの含有量の上限は特に限定されず、100質量%でもよい。
本発明では、老化防止剤としてアミン・ケトン系老化防止剤が使用される。
アミン・ケトン系老化防止剤としては、アミン・ケトン縮合生成物などが好ましく、具体的には、6−エトキシ−1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメチルキノリン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体、ジフェニルアミンとアセトンの反応物などが挙げられる。なかでも、老化防止性能とコストのバランスから、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体が好ましい。
アミン・ケトン系老化防止剤としては、アミン・ケトン縮合生成物などが好ましく、具体的には、6−エトキシ−1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメチルキノリン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体、ジフェニルアミンとアセトンの反応物などが挙げられる。なかでも、老化防止性能とコストのバランスから、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体が好ましい。
アミン・ケトン系老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましく、0.3質量部以上がより好ましく、0.4質量部以上が更に好ましい。また、該含有量は、6.0質量部以下が好ましく、5.0質量部以下がより好ましく、4.0質量部以下が更に好ましい。0.1質量部未満では、充分な耐老化防止効果が得られないおそれがあり、6.0質量部を超えると、グリップ性能及び耐摩耗性が低下するおそれがある。
本発明では、加工助剤として混合樹脂が使用される。混合樹脂とは、2種以上の樹脂の混合物のことをいう。混合樹脂を構成する樹脂としては、たとえば、フェノール性粘着樹脂、クマロン樹脂、インデン樹脂、クマロンインデン樹脂などの芳香族炭化水素系樹脂、C5、C8、C9などの脂肪族炭化水素系樹脂などがあげられ、これらのなかから2種以上を選択して混合したものを混合樹脂として使用できる。なかでも、芳香族炭化水素系樹脂の混合物、芳香族炭化水素系樹脂と脂肪族炭化水素系樹脂との混合物が好ましい。
混合樹脂としては、具体的には、ストラクトール社製のストラクトール40MS、ラインケミー社(Rhein Chemie Corp.)製のレノジン145A、フローポリマー社(Flow Polymers Inc.)製のプロミックス400などがあげられる。
混合樹脂の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、1質量部以上が好ましく、1.5質量部以上がより好ましい。また、該含有量は、10質量部以下が好ましく、7質量部以下がより好ましい。1質量部未満であると、粘着負荷が低減されないおそれがあり、10質量部を超えると、耐摩耗性が低下するおそれがある。
本発明では、グリップ性能、初期グリップ性能などの観点から、軟化剤を配合することが好ましい。軟化剤としては特に限定されないが、オイル、液状ジエン系重合体、耐寒性可塑剤などが挙げられる。
オイルとしては、例えば、パラフィン系、アロマ系、ナフテン系プロセスオイルなどのプロセスオイルが挙げられる。
本発明において、オイルの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは50質量部以上、より好ましくは80質量部以上である。50質量部未満では、添加による効果が得られないおそれがある。また、該オイルの含有量は、好ましくは180質量部以下、より好ましくは130質量部以下である。180質量部を超えると、耐摩耗性が悪化する傾向がある。なお、本明細書において、オイルの含有量には、油展ゴムに含まれるオイル量も含まれる。
液状ジエン系重合体は、常温(25℃)で液体状態のジエン系重合体である。
液状ジエン系重合体は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が、1.0×103〜2.0×105であることが好ましく、3.0×103〜1.5×104であることがより好ましい。1.0×103未満では、破壊特性が低下し、十分な耐久性が確保できないおそれがある。一方、2.0×105を超えると、重合溶液の粘度が高くなり過ぎ生産性が悪化するおそれがある。なお、本発明において、Mwは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算値である。
液状ジエン系重合体は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が、1.0×103〜2.0×105であることが好ましく、3.0×103〜1.5×104であることがより好ましい。1.0×103未満では、破壊特性が低下し、十分な耐久性が確保できないおそれがある。一方、2.0×105を超えると、重合溶液の粘度が高くなり過ぎ生産性が悪化するおそれがある。なお、本発明において、Mwは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算値である。
液状ジエン系重合体としては、液状スチレンブタジエン共重合体(液状SBR)、液状ブタジエン重合体(液状BR)、液状イソプレン重合体(液状IR)、液状スチレンイソプレン共重合体(液状SIR)などが挙げられる。なかでも、耐摩耗性とグリップ性能がバランスよく得られるという理由から、液状SBRが好ましい。
液状SBRのビニル含量は、グリップ性能や耐摩耗性の観点から、好ましくは10〜90質量%、より好ましくは20〜75質量%である。液状SBRのスチレン含量は、グリップ性能の観点から、好ましくは10〜60質量%、より好ましくは15〜50質量%である。なお、液状SBRのビニル含量は、赤外吸収スペクトル分析法、液状SBRのスチレン含量は、H1−NMR測定により算出される。
液状ジエン系重合体の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは3質量部以上、より好ましくは7質量部以上である。3質量部未満では、充分なグリップ性能が得られない傾向がある。また、該液状ジエン系重合体の含有量は、好ましくは50質量部以下、より好ましくは25質量部以下である。50質量部を超えると、耐摩耗性が悪化する傾向がある。
耐寒性可塑剤としては、アジピン酸ジブチル(DBA)、アジピン酸ジイソブチル(DIBA)、アジピン酸ジオクチル(DOA)、アゼライン酸ジ2−エチルヘキシル(DOZ)、セバシン酸ジブチル(DBS)、アジピン酸ジイソノニル(DINA)、フタル酸ジエチル(DEP)、フタル酸ジオクチル(DOP)、フタル酸ジウンデシル(DUP)、フタル酸ジブチル(DBP)、セバシン酸ジオクチル(DOS)、リン酸トリブチル(TBP)、リン酸トリオクチル(TOP)、リン酸トリエチル(TEP)、リン酸トリメチル(TMP)、チミジントリリン酸(TTP)、リン酸トリクレシル(TCP)、リン酸トリキシレニル(TXP)等のエステル系可塑剤が挙げられ、低温時における可塑効果と耐摩耗性のバランスから、DOS、TOPが好ましい。
耐寒性可塑剤を配合する場合、耐寒性可塑剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、1質量部以上が好ましく、2質量部以上がより好ましい。また、該含有量は、10質量部以下が好ましく、8質量部以下がより好ましい。1質量部未満であると、低温時における可塑効果が充分に発揮されないおそれがあり、10質量部を超えると、耐摩耗性が低下するおそれがある。
本発明で使用されるステアリン酸、酸化亜鉛としては、特に限定されず、それぞれタイヤなどのゴム分野で使用されているものなどが挙げられる。ここで、酸化亜鉛のなかでは、微粒子酸化亜鉛を好適に使用できる。具体的には、平均一次粒子径200nm以下の酸化亜鉛を使用することが好ましく、より好ましくは100nm以下である。該平均一次粒子径の下限は特に限定されないが、好ましくは20nm以上、より好ましくは30nm以上である。なお、酸化亜鉛の平均一次粒子径は、窒素吸着によるBET法により測定した比表面積から換算された平均粒子径(平均一次粒子径)を表す。
本発明では、ゴム成分100質量部に対するステアリン酸の含有量、酸化亜鉛の含有量、及びステアリン酸及び酸化亜鉛の合計含有量が、下記式(1)及び(2)を満たすことが好ましい。
0.3≦ステアリン酸の含有量/酸化亜鉛の含有量≦2.0 (1)
2.0質量部≦ステアリン酸及び酸化亜鉛の合計含有量≦10.0質量部 (2)
0.3≦ステアリン酸の含有量/酸化亜鉛の含有量≦2.0 (1)
2.0質量部≦ステアリン酸及び酸化亜鉛の合計含有量≦10.0質量部 (2)
式(1)は、好ましくは0.4≦ステアリン酸の含有量/酸化亜鉛の含有量≦1.8、より好ましくは0.5≦ステアリン酸の含有量/酸化亜鉛の含有量≦1.6である。0.3未満であると、加硫助剤としての効果が充分に発揮されないおそれがあり、また、製造工程における粘着負荷が高くなるおそれもある。2.0を超えると、酸化亜鉛の分散不良が生じやすく、耐摩耗性が悪化するおそれがある。
式(2)は、好ましくは2.2質量部≦ステアリン酸及び酸化亜鉛の合計含有量≦9.0質量部、より好ましくは2.5質量部≦ステアリン酸及び酸化亜鉛の合計含有量≦7.0質量部である。2.0質量部未満であると、加硫助剤としての効果が充分に発揮できないおそれがあり、10.0質量部を超えると、耐ブローアウト性能が悪化するおそれがある。
本発明では、前記成分で本発明の効果が得られるため、ゴム組成物中のワックス(パラフィンワックス、マイクロワックスなどの石油系ワックス;カルナワックス、キャンデリラワックスなどの天然ワックスなど)量を低減できる。具体的には、ワックスの配合量は、ゴム成分100質量部に対して、1質量部以下が好ましく、0.1質量部以下がより好ましく、0質量部が更に好ましい。
本発明のゴム組成物は、本発明の効果が充分に得られるという観点から、カーボンブラックを含むことが好ましい。カーボンブラックとしては、例えば、オイルファーネス法により製造されたカーボンブラックなどが挙げられ、2種類以上のコロイダル特性の異なるものを併用してもよい。具体的にはGPF、HAF、ISAF、SAFなどが挙げられるが、なかでも、SAFが好適である。
カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(N2SA)は、120m2/g以上が好ましく、125m2/g以上がより好ましく、130m2/g以上がさらに好ましい。120m2/g未満では、グリップ性能が低下する傾向がある。該N2SAは、500m2/g以下が好ましく、480m2/g以下がより好ましく、450m2/g以下がさらに好ましい。500m2/gを超えると、良好な分散が得られにくく、耐摩耗性が低下する傾向がある。なお、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、JIS K 6217−2:2001に準拠して求められる。
カーボンブラックのジブチルフタレート(DBP)吸油量は、50ml/100g以上が好ましく、100ml/100g以上がより好ましい。50ml/100g未満では、充分な耐摩耗性が得られないおそれがある。また、カーボンブラックのDBPは、250ml/100g以下が好ましく、200ml/100g以下がより好ましく、135ml/100g以下がさらに好ましい。250ml/100gを超えると、グリップ性能が低下するおそれがある。なお、カーボンブラックのDBPは、JIS K 6217−4:2001に準拠して測定される。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは50質量部以上、より好ましくは80質量部以上である。50質量部未満では充分な耐摩耗性、グリップ性能が得られないおそれがある。該含有量は、好ましくは200質量部以下、より好ましくは150質量部以下である。200質量部を超えると、グリップ性能が低下するおそれがある。
本発明では、補強用充填剤として、カーボンブラックの他に、シリカ、炭酸カルシウム、アルミナ、クレー、タルクなど、従来タイヤ用ゴム組成物で慣用されるものも使用できる。
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、タイヤ工業において一般的に用いられている配合剤、例えば、硫黄等の加硫剤、加硫促進剤等の材料を適宜配合してもよい。
加硫促進剤としては、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、グアニジン系加硫促進剤などが挙げられ、なかでも、本発明では、チアゾール系、チウラム系加硫促進剤を好適に使用できる。
チアゾール系加硫促進剤としては、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィドなどが挙げられ、なかでも、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィドが好ましい。チウラム系加硫促進剤としては、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT−N)などが挙げられ、なかでも、TOT−Nが好ましい。
加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上であり、また、好ましくは15質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。1質量部未満では、充分な加硫速度が得られない傾向があり、15質量部を超えると、ブルーミングを起こすおそれがある。
本発明のゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで前記各成分を混練りし、その後加硫する方法等により製造できる。該ゴム組成物は、モトクロスタイヤのトレッドに用いられる。
本発明のモトクロスタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法で製造される。すなわち、前記成分を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッドの形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤを得る。該モトクロスタイヤは、モトクロスレースに好適に使用できる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する
SBR:旭化成(株)製のタフデン4850(スチレン含有率:40質量%、ゴム固形分100質量部に対してオイル分50質量部含有)
カーボンブラック:東海カーボン(株)製のシースト9(SAF、N2SA:142m2/g、DBP吸油量:115ml/100g)
液状ジエン系重合体:サートマー社製のRICON100(液状SBR、Mw:5,000、スチレン含有率:20質量%)
オイル:出光興産(株)製のダイアナプロセスAH−24
耐寒性可塑剤:大八化学工業(株)製のTOP
加工助剤(1):ストラクトール社製のWB16(脂肪酸石鹸系加工助剤)
加工助剤(2):ストラクトール社製の40MS(芳香族炭化水素系樹脂と脂肪族炭化水素系樹脂の混合物)
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
老化防止剤(1):住友化学(株)製のアンチゲン6C(N−フェニル−N’−(1,3−ジメチル)−p−フェニレンジアミン、芳香族第2級アミン系)
老化防止剤(2):住友化学(株)製のアンチゲンRD(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体、アミン・ケトン系)
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックN
硫黄:軽井沢硫黄(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤(1):大内新興化学工業(株)製のノクセラーDM(ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド)
加硫促進剤(2):大内新興化学工業(株)製のノクセラーTOT−N(テトラキス(2-エチルヘキシル)チウラムジスルフィド)
SBR:旭化成(株)製のタフデン4850(スチレン含有率:40質量%、ゴム固形分100質量部に対してオイル分50質量部含有)
カーボンブラック:東海カーボン(株)製のシースト9(SAF、N2SA:142m2/g、DBP吸油量:115ml/100g)
液状ジエン系重合体:サートマー社製のRICON100(液状SBR、Mw:5,000、スチレン含有率:20質量%)
オイル:出光興産(株)製のダイアナプロセスAH−24
耐寒性可塑剤:大八化学工業(株)製のTOP
加工助剤(1):ストラクトール社製のWB16(脂肪酸石鹸系加工助剤)
加工助剤(2):ストラクトール社製の40MS(芳香族炭化水素系樹脂と脂肪族炭化水素系樹脂の混合物)
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
老化防止剤(1):住友化学(株)製のアンチゲン6C(N−フェニル−N’−(1,3−ジメチル)−p−フェニレンジアミン、芳香族第2級アミン系)
老化防止剤(2):住友化学(株)製のアンチゲンRD(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体、アミン・ケトン系)
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックN
硫黄:軽井沢硫黄(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤(1):大内新興化学工業(株)製のノクセラーDM(ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド)
加硫促進剤(2):大内新興化学工業(株)製のノクセラーTOT−N(テトラキス(2-エチルヘキシル)チウラムジスルフィド)
実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
<実施例及び比較例>
表1に示す配合処方に従い、(株)神戸製鋼所製1.7Lバンバリーを用いて硫黄及び加硫促進剤以外の配合材料を混練りした。得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物をトレッドの形状に成形し、タイヤ成形機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、150℃の条件下で30分間加硫し、試験用タイヤ(タイヤサイズ:120/80−19)を得た。
表1に示す配合処方に従い、(株)神戸製鋼所製1.7Lバンバリーを用いて硫黄及び加硫促進剤以外の配合材料を混練りした。得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物をトレッドの形状に成形し、タイヤ成形機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、150℃の条件下で30分間加硫し、試験用タイヤ(タイヤサイズ:120/80−19)を得た。
上記製造で得た試験用タイヤについて、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
(グリップ性能)
上記試験用タイヤを排気量250ccの国産モトクロス車に装着し、モトクロス路面のテストコース(1周約1分のコース)にて15周の実車走行を行った。その際、グリップ性能としてコントロールの安定性をテストライダーが評価し、比較例1を100として指数表示をした。数値が大きいほどグリップ性能が高いことを示す。
上記試験用タイヤを排気量250ccの国産モトクロス車に装着し、モトクロス路面のテストコース(1周約1分のコース)にて15周の実車走行を行った。その際、グリップ性能としてコントロールの安定性をテストライダーが評価し、比較例1を100として指数表示をした。数値が大きいほどグリップ性能が高いことを示す。
(初期グリップ性能)
上記試験用タイヤを排気量250ccの国産モトクロス車に装着し、モトクロス路面のテストコース(1周約1分のコース)にて15周の実車走行を行った。その際、2周目における操舵時のコントロールの安定性をテストドライバーが評価し、比較例1を100として指数表示をした。数値が大きいほど初期グリップ性能が高いことを示す。
上記試験用タイヤを排気量250ccの国産モトクロス車に装着し、モトクロス路面のテストコース(1周約1分のコース)にて15周の実車走行を行った。その際、2周目における操舵時のコントロールの安定性をテストドライバーが評価し、比較例1を100として指数表示をした。数値が大きいほど初期グリップ性能が高いことを示す。
(耐摩耗性能)
同様の実車走行におけるタイヤトレッドゴムの残溝量を計測し(新品時20mm)、それぞれ比較例1の残溝量を100として指数表示した(耐摩耗性能指数)。数値が大きいほど、耐摩耗性能が高いことを示す。
同様の実車走行におけるタイヤトレッドゴムの残溝量を計測し(新品時20mm)、それぞれ比較例1の残溝量を100として指数表示した(耐摩耗性能指数)。数値が大きいほど、耐摩耗性能が高いことを示す。
(外観性能)
上記試験用タイヤをオーブンに入れ、100℃、168時間の条件で熱老化を与えた後に取り出し、トレッドの変色(=茶変および白色粉のブルーム)について、目視により3段階で判断した。
○:茶変および白色粉のブルーム発生が、タイヤから30cm離れた位置からほとんど分からない。
△:茶変および白色粉のブルーム発生が、タイヤから30cm離れた位置から分かる。
×:茶変および白色粉のブルーム発生が、タイヤから100cm離れた位置から分かる。
上記試験用タイヤをオーブンに入れ、100℃、168時間の条件で熱老化を与えた後に取り出し、トレッドの変色(=茶変および白色粉のブルーム)について、目視により3段階で判断した。
○:茶変および白色粉のブルーム発生が、タイヤから30cm離れた位置からほとんど分からない。
△:茶変および白色粉のブルーム発生が、タイヤから30cm離れた位置から分かる。
×:茶変および白色粉のブルーム発生が、タイヤから100cm離れた位置から分かる。
(耐老化性能)
上記試験用タイヤをオーブンに入れ、100℃、168時間の条件で熱老化を与えた後に取り出し、引張り試験を実施し老化前後の伸びの変化を、比較例1を100として指数表示した(耐老化性能指数)。数値が大きいほど、耐老化性能が高いことを示す(引張り試験は、JIS−K6251に準拠)。
(耐老化性能指数)=((各配合の老化後伸び/各配合の老化前伸び)/(比較例1の老化後伸び/比較例1の老化前伸び))×100
上記試験用タイヤをオーブンに入れ、100℃、168時間の条件で熱老化を与えた後に取り出し、引張り試験を実施し老化前後の伸びの変化を、比較例1を100として指数表示した(耐老化性能指数)。数値が大きいほど、耐老化性能が高いことを示す(引張り試験は、JIS−K6251に準拠)。
(耐老化性能指数)=((各配合の老化後伸び/各配合の老化前伸び)/(比較例1の老化後伸び/比較例1の老化前伸び))×100
(工程負荷)
製造工程における負荷については、JIS K6300に定められたムーニー粘度を130℃で測定した。比較例1を100として指数表示し、数値が大きいほど、ゴム粘度が低く、押出での工程負荷が小さいことを表す。
製造工程における負荷については、JIS K6300に定められたムーニー粘度を130℃で測定した。比較例1を100として指数表示し、数値が大きいほど、ゴム粘度が低く、押出での工程負荷が小さいことを表す。
表1により、アンチゲンRD、40MS、ステアリン酸及び酸化亜鉛を所定量配合することにより、製造負荷、耐老化特性、グリップ性能、初期グリップ性能、耐摩耗性及び外観特性に優れたモトクロスタイヤ用トレッドゴムを提供できることが明らかとなった。
Claims (6)
- ゴム成分と、アミン・ケトン系老化防止剤と、混合樹脂と、ステアリン酸と、酸化亜鉛とを含むモトクロスタイヤ用トレッドゴム組成物。
- 前記混合樹脂は、芳香族炭化水素系樹脂の混合物、又は芳香族炭化水素系樹脂と脂肪族炭化水素系樹脂との混合物である請求項1記載のモトクロスタイヤ用トレッドゴム組成物。
- 前記アミン・ケトン系老化防止剤の含有量が、ゴム成分100質量部に対して、0.1〜6.0質量部である請求項1又は2記載のモトクロスタイヤ用トレッドゴム組成物。
- 前記ゴム成分100質量部に対する前記ステアリン酸の含有量、前記酸化亜鉛の含有量、及び前記ステアリン酸及び前記酸化亜鉛の合計含有量が、下記式(1)及び(2)を満たす請求項1〜3のいずれかに記載のモトクロスタイヤ用トレッドゴム組成物。
0.3≦ステアリン酸の含有量/酸化亜鉛の含有量≦2.0 (1)
2.0質量部≦ステアリン酸及び酸化亜鉛の合計含有量≦10.0質量部 (2) - 液状ジエン系重合体を含む請求項1〜4のいずれかに記載のモトクロスタイヤ用トレッドゴム組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製したトレッドを有するモトクロスタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013143714A JP2015017157A (ja) | 2013-07-09 | 2013-07-09 | モトクロスタイヤ用トレッドゴム組成物及びこれを用いて作製したトレッドを有するモトクロスタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013143714A JP2015017157A (ja) | 2013-07-09 | 2013-07-09 | モトクロスタイヤ用トレッドゴム組成物及びこれを用いて作製したトレッドを有するモトクロスタイヤ |
Publications (1)
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JP (1) | JP2015017157A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3348423A4 (en) * | 2015-09-07 | 2018-08-15 | Bridgestone Corporation | Pneumatic tire |
-
2013
- 2013-07-09 JP JP2013143714A patent/JP2015017157A/ja active Pending
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