JPH0662704B2 - オレフインの気相重合方法 - Google Patents

オレフインの気相重合方法

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JPH0662704B2
JPH0662704B2 JP4775385A JP4775385A JPH0662704B2 JP H0662704 B2 JPH0662704 B2 JP H0662704B2 JP 4775385 A JP4775385 A JP 4775385A JP 4775385 A JP4775385 A JP 4775385A JP H0662704 B2 JPH0662704 B2 JP H0662704B2
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tip
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宣昭 郷古
行正 松田
和郎 下妻
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三菱化成株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は気相重合の方法に関する。更に具体的には触
媒を重合槽に供給する方法として、固体触媒成分を不活
性炭化水素媒体に分散したスラリーを搬送気体と噴射装
置内部で混合し該混合部と重合槽との差圧を駆動力とし
て重合槽に噴射することを特徴とする気相重合方法であ
る。
〔従来の技術〕
従来、オレフインの重合には、不活性溶媒あるいはオレ
フイン自身を反応媒体とするスラリー重合方式もしくは
溶液重合方式が専ら採用され、主流を占めてきた。しか
し、これらの方法の重合に於ては、重合後に生成重合体
と反応媒体との分離操作、重合後の乾燥操作、反応媒体
の回収、精製操作などの多く後処理操作が必要となる。
これに比して、気相重合方式においては、これら後処理
操作が省略もしくは簡略化できるプロセスである事よ
り、近年同業者の間で注目を集めている。
しかし気相重合方式はスラリー重合方式もしくは溶液重
合方式と比べて、重合体粒子の凝集や塊りが生成し易
く、重合槽からの重合体の排出口、輸送ラインの閉塞な
どのトラブルを起し長期安定運転を不可能にしたり、生
産性を低下させる問題がある。
気相重合プロセスを開発するに当つて上記のようなトラ
ブルを解決する為に既にいくつかの提案がなされている
が、その一つとして触媒の重合系への導入方法の提案が
ある。
例えば特公昭52−45750、特公昭53−8666、特開昭58−1
27707の方法がある。
特公昭52−45750、特公昭53−8666は回転式触媒軽量器
と微細管の組合せによる装置で粉末状の触媒を搬送ガス
で反応帯域へ噴射するいわゆるシヨツトガン方式といわ
れている方法であり、この方法では触媒は粉末の状態で
なければならない。しかしながら気相重合に用いられる
触媒は高活性で共重合性が良く、かさ密度の高い重合体
を与えることが必要であるが、これらの触媒はチーグラ
ータイプの触媒の中から選ばれ、通常液状媒体に分散す
るスラリーとして得られる。従つてシヨツトガン方式で
は触媒を乾燥、粉末化する工程が必要となり、多大の装
置を必要とする為工業的実施において不利をまぬがれな
い。
特開昭58−127707は互いに交差しない二つの流路を持つ
回転体で高濃度触媒を間欠的に供給する方法である。し
かしこの方法は触媒の供給が間欠的となる為に重合槽内
に局部的に温度の高い部分(ホツトスポツト)が発生し
易く、塊状物生成の原因となる。
〔発明の目的〕
本発明者らは前述の問題点を解決し、触媒供給管の閉塞
のない、かつ重合槽内で均一に分散し、長期安定運転の
可能な方法を鋭意検討したところ (1)触媒スラリーと搬送ガスとの接触時間を短くするこ
と。
(2)噴出直後の重合を抑制する為にノズル先端近傍の温
度を下げること。
(3)触媒を出来るだけ重合槽内に広域にかつ均一に分散
させること。
が必要であることを見出し本発明に至つた。
〔発明の構成〕
即ち本発明の要旨は、実質的に液相媒体の不存在下で気
相のオレフイン単量体と触媒を接触させてオレフイン重
合体を製造する方法において固体の触媒成分を不活性炭
化水素媒体に分散したスラリー(以後「触媒スラリー」
と略す。)を搬送ガスと混合し、先端に絞り部分を有す
る噴射装置より重合槽内に連続的に噴射することからな
り、この際噴射を下記の条件で行なうことを特徴するオ
レフインの気相重合方法に存する。
噴射装置への導管は二重管からなり、内外管の間に画
成される流路を気体が流れ、内管を触媒のスラリーが流
れるようなものである事。
導管より流入した気体と触媒のスラリーは重合槽に噴
射される前に混合される事。
内管及び外管は先端の噴射装置で絞られ、且つ外管の
先端が内管の先端よりも突出(下流側に位置)する構造
の物である事。
内管の最小断面積部での触媒スラリーの流速が0.1
〜100m/secになるような最小断面積を取る事。
噴射装置先端の最小断面積は気体の流速が50〜10
000m/secになるような値を持つ事。
噴射装置内の前記混合部の圧力は重合槽内圧力よりも
実質的に高く保ち該混合部と重合槽との差圧を駆動力と
して噴射させる事。
この方法によると触媒スラリーと搬送ガスとの接触は瞬
時であり、ノズル先端部の近傍は搬送ガスの断熱膨脹の
為温度が下り、ノズルから出た触媒は重合槽内に広く均
一に分散し、長期安定運転が容易に達成される。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
(1)触媒 オレフインの重合用触媒は遷移金属化合物と還元性金属
化合物成分の組合せからなるチーグラー型触媒、遷移金
属化合物を担体に担持させたフイリツプス型触媒及びそ
れらの改良触媒等周知の触媒を用いることが出来る。と
りわけ遷移金属化合物としてチタン又はバナジウム化合
物、又はクロム化合物を含む固体成分、還元性金属化合
物として第III族の有機金属化合物の組合せが一般的で
ある。例えば、Mg、Ti、Clを含む固体触媒成分と有機ア
ルミニウム化合物とからなる触媒系が好適に用いられ
る。
マグネシウム化合物とチタン化合物を含む固体触媒成分
としては、例えば以下の(a)〜(f)の固体触媒成分等が挙
げられる。
(a)マグネシウムハロゲン化物、チタンハロゲン化物及
び電子供与体よりなる固体錯体と有機アルミニウム化合
物との反応混合物より得られる炭化水素不溶性固体生成
物 (b)マグネシウムの酸素含有有機化合物とチタンの酸素
含有有機化合物とアルミニウムハロゲン化合物との反応
生成物 (c)マグネシウムの酸素含有有機化合物とチタンの酸素
含有有機化合物とケイ素ハロゲン化合物との反応生成物 (d)マグネシウムの酸素含有有機化合物とチタンハロゲ
ン化合物との反応生成物 (e)硼素アルコラートとグリニヤー試薬との固体状反応
生成物に、チタン化合物を接触させることによつて得ら
れる反応生成物 (f)マグネシウム含有固体を硼素の酸素含有有機化合物
で処理して得られる固体とチタン化合物との反応生成物 これらの固体触媒成分を調製する際に用いられるマグネ
シウム化合物としては、ジハロゲン化マグネシウム、ア
ルコキシマグネシウム、アリロキシマグネシウム、アル
コキシマグネシウムハライド、或はグリニヤー試薬等が
好ましい。
また、チタン化合物としては三価、或は四価のハロゲン
化チタン、アルコキシチタン、アルコキシハロゲン化チ
タン等が好ましい。
アルミニウムハロゲン化合物としては、アルキルアルミ
ニウムジクロリド、アルキルアルミニウムセスキクロリ
ド、ジアルキルアルミニウムモノクロリド等が好まし
い。
ケイ素ハロゲン化物としては、テトラハロゲン化ケイ
素、アルキルトリハロゲン化ケイ素、アリルトリハロゲ
ン化ケイ素、ジアルキルジハロゲン化ケイ素等が用いら
れる。
硼素化合物としては、硼素アルコラート又はハロゲン化
硼素アルコラートが用いられる。
また固体触媒成分(a)に用いられる電子供与体として
は、エーテル、カルボン酸エステル、アルコールおよび
アミン等が用いられる。
上記の様な原料を用い(a)〜(f)の固体触媒成分を調製す
るが、調製法としては例えば特願昭56−99522、特願昭5
6−61406、特願昭55−68488、特願昭56−22304、特願昭
55−184289、特開昭56−26940等に記載の方法が好適で
ある。
上記固体触媒成分の製造法の1例について更に詳細に説
明するに、マグネシウム化合物としては一般式Mg(OR2)m
X2 2-m(式中R2はアルキル、アリール又はシクロアルキ
ル基を示し、X2はハロゲン原子を示し、mは1又は2で
ある。)で表わされる化合物が使用される。具体的には
R2がメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘ
キシル、オクチル、フェニル、トリル、キシリル、シク
ロヘキシル等の炭素数15程度までのアルキル、アリー
ル、シクロアルキル基であり、X2が塩素、臭素又はヨウ
素であるような化合物、例えばジメトキシマグネシウ
ム、ジエトキシマグネシウム、エトキシマグネシウムク
ロライド、ジフエノキシマグネシウム等が挙げられる。
このうち一般式中のmが2であるような化合物が好まし
い。中でもジエトキシマグネシウムが最適である。
一方チタン化合物としては一般式Ti(OR3)nX3 4-n(式
中、R3はアルキル、アリール又はシクロアルキル基を示
し、X3はハロゲン原子を示し、nは1、2又は3であ
る。)で表わされる化合物が使用される。R3、X3として
は上記R2、X2で例示したものが同様に挙げられ、具体的
にはnが2の化合物としてはジエトキシジクロルチタ
ン、ジn−プロポキシジクロルチタン、ジn−ブトキシ
ジクロルチタン等;nが3であるような化合物としては
トリエトキシモノクロルチタン、トリn−プロポキシモ
ノクロルチタン、トリn−ブトキシモノクロルチタン
等;nが1であるような化合物としてはエトキシトリク
ロルチタン、n−プロポキシトリクロルチタン、n−ブ
トキシトリクロルチタンが挙げられる。このうちnが3
又は2のもの、とくにnが3のものが好ましい。中でも
トリn−ブトキシモノクロルチタンが最適である。
先ず上述のようなマグネシウム化合物及びチタン化合物
を含む均一な炭化水素溶液を調製する。溶媒として使用
される炭化水素としてはヘキサン、ヘプタン等の脂肪族
炭化水素、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素などが挙げ
られる。炭化水素溶液を調製するには、マグネシウム化
合物、チタン化合物を予め混合し、均一な液状物を調製
しておくことが好ましい。均一な液状物は用いる化合物
の種類によつては上記二成分を単に混合し、加温するこ
とによつて達成しうるが均一な液状物が生成し難い場合
にはアルコールを存在させることが好ましい。アルコー
ルとしてはエチルアルコール、n−プロピルアルコー
ル、n−ブチルアルコール、n−ペンチルアルコール、
n−オクチルアルコール等が挙げられる。二成分の混合
順序には特に制限はなく任意でよい。そして混合後好ま
しくは100℃〜170℃に加温すれば均一な液状物も
しくは均一なアルコール溶液が得られる。
次いで炭化水素溶媒を加えて炭化水素溶液とする。
上記のようにして得られた炭化水素溶液を一般式AlR1 lX
1 3-l(式中R1はアルキル、アリールまたはシクロアルキ
ル基を示しX1はハロゲン原子を示し、lは1≦l≦2の
数を示す。)で表わされる有機ハロゲン化アルミニウム
化合物で処理して、炭化水素不溶の固体を調製する。有
機ハロゲン化アルミニウム化合物の一般式R1、X1として
は先にR2、X2で例示したものが同様に挙げられる。具体
例としてはメチルアルミニウムジクロライド、メチルア
ルミニウムセスキクロライド、ジメチルアルミニウムモ
ノクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、エチ
ルアルミニウムセスキクロライド、ジエチルアルミニウ
ムモノクロライド、イソブチルアルミニウムクロライ
ド、イソブチルアルミニウムセスキクロライド、ジイソ
ブチルアルミニウムモノクロライド等が挙げられる。特
にエチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウ
ムセスキクロライド、ジエチルアルミニウムモノクロラ
イドが好ましく、中でもエチルアルミニウムセスキクロ
ライドが最も好ましい結果を与える。有機ハロゲン化ア
ルミニウム化合物処理は均一な炭化水素溶液固有機ハロ
ゲン化アルミニウム化合物を添加し、好ましくは20〜
100℃の温度で反応させればよく、炭化水素不溶性固
体触媒が得られるので、固体を分離し、炭化水素溶媒で
洗浄すればよい。しかして、各成分の使用量は、各成分
の一般式中のX1、X2、OR2、OR3、MgおよびTiのモル比
で、次の式を満足するような割合で選ばれ、この範囲内
で高活性な触媒が得られる。
次に共触媒として用いられる有機アルミニウム化合物と
して例えば一般式AlR4 pX3 3-p(式中、R4はアルキル、ア
リール又はシクロアルキル基を示し、X4はハロゲン原子
を示し、pは1〜3の数を示す。)で表わされる化合物
が挙げられる。R4、X4としてはR2、X2として例示したよ
うなものが挙げられる。具体的にはトリエチルアルミニ
ウム、トリn−プロピルアルミニウム、トリイソブチル
アルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、ジエチ
ルアルミニウムモノクロライドなどが挙げられる。
これらの触媒はそのまま用いてもよく、あらかじめ予備
重合処理を施した固体触媒成分を用いてもよい。予備重
合を行なう場合は触媒1gに対してオレフイン1〜10
00gが好ましい。又多孔質無機物質や重合体自身に予
め担持させた触媒を用いる事が出来る。
触媒のうち遷移金属化合物は一般に不活性炭化水素溶媒
に不溶である為スラリーの状態で供給される。そのスラ
リーの固形分濃度は0.1〜20(重量)%(好ましく
は1〜10(重量)%)程度である。高すぎると配管移
送に支障をきたし、低すぎると溶媒回収の設備が必要に
なり好ましくない。
スラリーの分散媒は不活性ないし非重合性の有機液体が
好ましいく、いわゆる、脂肪族、脂環族又は芳香族炭化
水素たとえばプロパン、ブタン、ペンタン、シクロペン
タン、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサ
ン、ヘブタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン等があるがこれらのうち、重合槽内で容易に気化し、
かつ未反応の重合すべきオレフイン単量体と容易に分離
出来るものが好ましい。
触媒のうち有機金属化合物は遷移金属化合物とは通常、
別個のラインから供給されるが、本発明の方法では同一
ラインから供給することが出来る。又両者を予め接触混
合させて供給することも出来る。
一般に、予備重合処理を受けたり、共触媒である有機金
属成分と予め接触した固体触媒成分は既に活性化された
状態である為、ノズル先端部を閉塞させたり、重合槽内
で分散不良のまま重合反応が進んで塊状物を生成させ
る。この為上記予備活性化された固体触媒成分を気相重
合槽に供給することは従来極めて困難であるとされてい
たが、本発明の方法では全く問題なく供給可能であり、
長期の運転にも十分耐えうるのである。
(2)スラリーの噴射及び噴射装置 このような固体触媒成分を噴射する為の搬送ガスとして
は窒素、アルゴン、メタン、エタン、プロパンのような
重合反応に不活性なガスを用いてもよいが、搬送ガス
で、重合槽内のオレフイン単量体が稀釈され重合槽容積
当りの生産効率が低下したり、触媒当りの生産量低下を
もたらすので通常ガス状のオレフイン単量体が用いられ
る。分子量調節剤であるH2も上記搬送ガスとして好適に
用いられるが分子量調節剤として必要な量以下で使用す
るので使用量の多い、分子量の低い重合体を得るときに
限定される。それに対しガス状のオレフインは重合槽に
大量に供給されるので分子量の大小を問わず、いかなる
製品需要にも対応できる。
一般に閉塞トラブルや塊状物の生成を防止する為に重合
槽への触媒供給管先端部は不活性媒体による液膜等によ
つてオレフイン単量体から隔離するよう配慮され、オレ
フイン単量体自体を触媒の搬送媒体に使用する等は論外
であつた。ところが本発明の方法では閉塞トラブル、塊
状物生成等の問題は全くなくオレフイン単量体を搬送ガ
スとして使用できる。
搬送ガスのノズル先端部最小断面形成部での流速は50
〜10000m/sec、好ましくは100m/sec〜5000
m/secである。流速が小さすぎると固体触媒成分の分数
が不良になり、大きすぎるとこれに要するガスの元圧が
過大になる。
触媒スラリーの流速は内管先端の最小断面形成部で0.
1〜100m/sec、好ましくは0.5〜50m/secであ
る。流速が小さすぎても大きすぎては固体触媒成分の良
好な分散は得られない。又、内管と外管との最小断面積
の比は1/1〜1/100の範囲にあることが好まし
い。
噴射装置に導入される触媒スラリー及び搬送ガスの圧力
は少くとも重合槽の圧力より高いことが必要である。夫
々通常0.1〜50kg/cm2好ましくは0.5〜10kg/c
m2反応圧より高くする。
噴射装置は反応器1基に1本に限定する必要はなく複数
個設置することもできる。
次に噴射装置の代表例を図示する。
第1図は噴射装置及び導管の全体を説明するための図で
ある。外管1と内管2よりなる二重構造の導管はフラン
ジ3を介して触媒スラリーを、又フランジ4を介して搬
送ガスをそれぞれ供給する構造になつており、フランジ
5で重合槽に取りつけられる。
第2図、第3図は噴射装置の具体例を示す図である。1
は外管部、2は内管部を示す。6は内管の最小断面積部
を7は外管の最小断面積部を示す。
A部分は触媒スラリーと搬送ガスの混合を行う部位であ
る。8は外管内に設けられた絞りであり搬送ガスの圧力
低下と温度低下を狙つたものであるが、本発明の必須要
件ではない。これらの各寸法は反応器の規模及び供給す
る触媒スラリーの量に応じ、かつ内管先端部のスラリー
流速が0.1〜100m/sec、及び外管先端部のガス流
速が10〜10000m/secになるよう設計される。
(3)気相重合法 本発明を適用する気相重合は液状媒体の非存在下オレフ
イン単量体がガス状で存在する温度及び圧力下でオレフ
インを重合するものであればいかなる形式でもよい。
一般には予め導入した重合体又は重合の進行によつて生
成した重合体がオレフインガスの循環によつて流動床を
形成している形式又は重合体を機械的に混合する形式、
更に両者の中間的なものがある。
オレフイン単量体はエチレン、プロピレン、ブテン、3
メチルブテン−1であり、その単独重合体及びそれらと
エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン−1−、オク
テン−1、3メチルブテン−1、4メチルペンテン−1
等炭素数2〜10のオレフインを共単量体とする共重合
体の製造に適用する。
重合温度は30℃〜120℃、好ましくしは50〜10
0℃、圧力は0〜100kg/cm2(ゲージ圧)、好ましく
は5〜30kg/cm2(ゲージ圧)である。滞留時間は0.
5〜20時間、好ましくは1〜10時間である。オレフ
インの重合によつて発生する熱は循環ガスで冷却する方
法が一般的であるが重合槽のジヤケツトや内部コイルに
通水冷却する方法、重合槽内で液化したオレフイン単量
体や不活性炭化水素を蒸発させてその潜熱を利用する方
法及びそれらを組み合せることも可能である。
〔実施例〕
実施例−1 (A)固体触媒成分の調製 マグネシウムジエチラート2mol、トリノルマルブトキ
シモノクロルチタン1mol及び精製ノルマルブタノール
1molを混合し、140℃にて4時間攪拌し均一なアル
コール溶液としたのち60℃まで冷却後精製ベンゼン1
5を加え均一溶液とた。次いで60℃にてエチルアル
ミニウムセスキクロライド10molを滴下した後65℃
で1時間攪拌した。
生成した沈澱を精製ノルマルヘキサンで洗浄後乾燥し固
体粉末を得た。
つぎにオートクレーブに所定量の精製ノルマルヘキサ
ン、上記固体粉末を仕込み、所定温度に保持した。
次いで水素を0.5kg/cm2導入し、所定量のトリエチル
アルミニウムをエチレンと共に導入し、エチレン圧を0
ないし0.5kg/cm2 の範囲内で30分間前重合を行つ
た後、精製窒素でエチレンを置換し前重合を停止した。
次いで精製いせノルマルヘキサンにて前重合触媒を洗浄
しノルマルヘキサン不溶の固体触媒成分を得た。
(B)ポリエチレンの気相重合 上記(A)で製造した固体触媒成分とトリエチルアルミニ
ウムとを組み合せてなる触媒を用いて、反応圧力10kg
/cm2G、反応温度90℃でエチレンの気相連続重合を行
なつた。重合反応器は内容積600のらせん型攪拌翼
付堅形の攪拌流動槽を用い、攪拌翼は毎分90回転で回
転させた。また、循環ガスの流量は、反応器中で20cm
/secの線速を維持するようにコントロールした。
トリエチルアルミニウムはヘキサン溶液にして重合槽下
部より供給するガスとともにトリエチルアルミニウムと
して5.7g/Hで供給した。
固体触媒はヘキサンに懸濁させて、重合槽の下部の流動
床に第1図および第3図に示した噴射装置の内管より
1.0g/Hで供給した。また、気体エチレンは噴射装
置の外管より18kg/Hで供給した。
この時の固体触媒スラリーの線速は噴射装置内管の最小
断面積基準で3.2m/s、気体エチレンの線速は噴射
装置先端の最小断面積基準で2200m/secであつた。
また供給する固体触媒スラリーの圧力は11.5kg/cm2
G、エチレンの圧力は16.0kg/cm2であつた。
重合体の反応量は15kg/Hであつた。
重合槽より排出された重合体は、平均粒径400μで
1.4m/m以上の粗大粒子は0.3%であり、15日間
の連続運転の後に重合槽を開放点検の結果、実質的な塊
状物の生成は認められず、噴射装置の「つまり」もな
く、更に運転続行可能な状態であつた。
実施例−2 トリエチルアルミニウムをトリ−n−オクチルアルミニ
ウムに変えて18g/Hで供給した以外は実施例1と全
く同一条件で重合を行なつた。
7日間の連続運転の後に重合槽を開放点検の結果、実質
的な塊状物の生成は認められず、噴射装置の「つまり」
もなく、更に運転続行可能な状態であつた。
実施例−3 反応温度を80℃で水素とエチレンの組成比0.5、ブ
テン−1とエチレンの組成比0.03の条件、その他の
条件は実施例−1と同一条件でエチレンとブテン−1の
連続気相共重合を行なつた。水素は650g/H、ブテン
−1は1.6kg/Hで供給した。
重合槽より排出された重合体はMI4.2g/10min、
密度0.936g/cm3、嵩密度0.38g/cm3、平均
粒径375μで、1.4m/m以上の粗大粒子は<0.0
5%であり、7日間の連続運転の後に重合槽を開放点検
の結果、実質的な塊状物の生成及び重合槽、器壁への付
着物の生成は認められず、噴射装置の「つまり」もな
く、更に運転続行可能な状態であつた。
比較例−1 触媒スラリーの供給量を内管内の最小断面積あたり0.
05m/secとした以外は、実施例−1と全く同一条件で
重合反応を行なつた。
運転開始2時間後より触媒供給ポンプの吐出圧力が上が
り始め5時間後触媒スラリーの供給が不可能になり運転
を停止した。運転終了後噴射装置を点検した結果、内管
は異常反応で生成した重合物で「つまり」を起こしてい
た。
比較例−2 外管最小断面積あたりの流速を20m/secでエチレンを
供給し、反応圧力は3.0kg/cm2ゲージ圧力に下げて、
その他は実施例−1と同一条件で重合反応を行なつた。
運転開始直後、供給する触媒スラリー及びエチレンの圧
力は3.0kg/cm2ゲージ圧力であつたが30分後から圧
力が上がりはじめ、2時間後には、エチレン及び触媒の
供給が不可能となり運転を停止した。運転終了後、重合
槽を開放点検の結果、20〜35m/mの塊状物が多数認
められ、噴射装置は異常反応生成物で「つまり」を起こ
していた。
比較例−3 実施例−1に記した触媒のヘキサンスラリーをただ単に
単管で重合槽下部の流動床に供給した以外は、実施例1
と全く同一条件で重合した。反応器より排出される重合
体中に直径10m/m以上の塊状物が約10%程度認めら
れた。重合槽内に温度分布が出来、攪拌機の負荷動力が
upしたため15時間で運転を停止した。運転終了後重合
槽を開放点検した結果、塊状物の生成が認められ、螺旋
型攪拌翼にも多量の溶融状の塊状物が付着しており、運
転続行不可能な状態であつた。
実施例−4 反応温度を80℃で水素とエチレンの組成比0.2、ヘ
キセン−1とエチレンの組成比0.07の条件でその他
の条件は実施例−1と同一条件の下、エチレンとヘキセ
ン−1の連続気相共重合を行なつた。水素は270g/
H、ヘキセン−1は4kg/Hで供給した。
重合槽より排出された重合体は、MI0.5g/10mi
n、密度0.918g/cm3、嵩密度0.35g/cm3
平均粒径350μで、1.4m/m以上の粗大粒子は1.
2%であり、12日間の連続運転の後に重合槽を開放点
検の結果、実質的な塊状物の生成及び重合槽、器壁への
付着物の生成は認められず、噴射装置の「つまり」もな
く、更に運転続行可能な状態であつた。
実施例−5 三塩化チタンとジエチルアルミニウムモノクロライドか
らなる触媒でこれらの重量比が1:6である触媒を用い
て、反応圧力15kg/cm2G、反応温度70℃でプロピレ
ンの連続気相重合を行なつた。重合反応器は内容積60
0のらせん型攪拌翼付堅形の攪拌流動槽を用い、攪拌
翼は毎分110回転で回転させた。また、循環ガスの流
量は、反応器内で25cm/sの線速を維持するようにコン
トロールした。
ジエチルアルミニウムクロライドはヘキサン溶液として
重合槽下部より供給するガスとともに9.0g/Hで供
給した。
三塩化チタンはヘキサンに懸濁させて、重合槽の下部の
流動床に第1図および第2図に示した噴射装置の内管内
より1.5g/Hで供給した。外管にはあらかじめ80
℃に加温気化させた、気体プロピレンを18kg/Hで供給
した。
この時の三塩化チタンスラリーの線速は噴射装置内管の
最小断面積基準で4.5m/s、気体プロピレンの線速は
噴射装置先端の最小断面積基準で2670m/secであつ
た。
また、供給する三塩化チタンスラリーの圧力は16.7
kg/cm2G、プロピレンの圧力は25kg/cm2Gであつた。
あらかじめ80℃に加温されたプロピレンは噴射装置で
断熱膨張し、48℃に冷却されるが液化はしない条件と
なつている。
重合体の反応量は15kg/Hであつた。
重合槽より排出された重合体は平均粒径320μで1.
4m/m以上の粗大粒子は0.7%であり、15日間の連
続運転の後に重合槽を開放点検の結果、実質的な塊状物
の生成は認められず、噴射装置の「つまり」もなく、更
に運転続行可能な状態であつた。
比較例−4 プロピレンを30℃の液体の状態で供給した以外は全く
実施例−5と同条件で重合反応を行なつた。
反応器より排出される重合体中に直径10m/m以上の塊
状物生成率が最高3.5%と多く、15時間後、触媒供
給ポンプの吐出圧が上がり始め外管へのプロピレン供給
量が下がつた。23時間後重合を停止し、重合槽の開放
点検の結果塊状物の生成が認められ、噴射装置の外管に
「つまり」が認められ、運転続行不可能な状態であつ
た。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明方法に用いる噴射装置及び導管の説明
図であり、第2、3図は、噴射装置の出口付近を拡大し
た説明図である。 1……外管、4、5……フランジ 2……内管

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】実質的に液相媒体の不存在下で気相のオレ
    フイン単量体と触媒を接触させてオレフイン重合体を製
    造する方法において、固体の触媒成分を不活性炭化水素
    媒体に分散したスラリー(以後「触媒スラリー」と略
    す。)を搬送ガスと混合し、先端に絞り部分を有する噴
    射装置より重合槽内に連続的に噴射することからなり、
    この際噴射を下記の条件で行なうことを特徴とするオレ
    フインの気相重合方法。 噴射装置への導管は二重管からなり、内外管の間に画
    成される流路を気体が流れ、内管を触媒スラリーが流れ
    るようなものである事。 導管より流入した気体と触媒スラリーは重合槽に噴射
    される前に混合される事。 内管及び外管は先端の噴射装置で絞られ、且つ外管の
    先端が内管の先端よりも突出(下流側に位置)する構造
    の物である事。 内管の最小断面積部での触媒スラリーの流速が0.1
    〜100m/secになるような最小断面積を取る事。 噴射装置先端の最小断面積は気体の流速が50〜1
    0,000m/secになるような値を持つ事。 噴射装置内の前記混合部の圧力は重合槽内圧力よりも
    実質的に高く保ち該混合部と重合槽との差圧を駆動力と
    して噴射させる事。
  2. 【請求項2】搬送気体が重合させるべきオレフイン単量
    体である特許請求範囲第1項記載の方法。
  3. 【請求項3】搬送気体が水素、炭素数1〜3の飽和炭化
    水素ないしは窒素等の不活性物質である特許請求範囲第
    1項記載の方法。
  4. 【請求項4】内管と外管との最小断面積部の面積の比が
    1/1〜1/100の範囲にある噴射装置を用いる特許
    請求範囲第1項記載の方法。
  5. 【請求項5】重合すべきオレフイン単量体が炭素数2〜
    5の内1種の単独重合体及び炭素数2〜5のオレフイン
    と炭素数2〜10のオレフインとの共重合体である特許
    請求範囲第1項記載の方法。
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