JPH0662689B2 - 光硬化性組成物 - Google Patents

光硬化性組成物

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JPH0662689B2
JPH0662689B2 JP60166896A JP16689685A JPH0662689B2 JP H0662689 B2 JPH0662689 B2 JP H0662689B2 JP 60166896 A JP60166896 A JP 60166896A JP 16689685 A JP16689685 A JP 16689685A JP H0662689 B2 JPH0662689 B2 JP H0662689B2
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acid
meth
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健 阪下
正三 荒田
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、常温付近の低温領域および湿潤下における光
硬化性に優れ、硬化物の耐水接着強度などの接着性能、
色調などに優れた光硬化性組成物に関する。さらに詳細
には、歯牙用コンポジツトレジン、歯牙用硬質レジン、
床用レジンなどの歯牙用光硬化性組成物として優れた性
能を発揮することができ、とくにこれら用途の接着剤と
して優れた光硬化性組成物に関する。
〔従来の技術〕
従来、歯牙用の接着剤、コンポジツトレジン、硬質レジ
ンなどの歯牙用硬化性組成物としては、(メタ)アクリ
ル酸エステル系ビニルモノマーなどのラジカル重合性単
量体および硬化剤からなる硬化性組成物が多数提案され
ている。
歯牙用接着剤に要求される性能としては、常温付近の低
温領域における硬化速度が大きいことの他に、硬化物の
歯牙および金属に対する接着強度および耐水接着強度に
優れていることである。また、歯牙用コンポジツトレジ
ンおよび歯牙用硬質レジンに対しては、組成物の常温付
近の低温領域における硬化性能ならびに硬化物の歯牙お
よび金属に対する接着性能が前記同様に優れていること
が要求されている。最近の歯牙修復治療技術の著しい進
歩に伴ない、これらの歯牙用硬化性組成物の前述の性能
の向上に対する要求は著しく厳しくなつている。
従来の(メタ)アクリル酸エステルビニルモノマーなど
のラジカル重合性単量体および重合開始剤からなる歯牙
用硬化性組成物のうちで、重合開始剤として光重合用開
始剤を使用し、光硬化させる方法を採用することによ
り、前述の性能の向上を達成しようとするものも幾つか
提案されている。たとえば、特公昭54-10986号公報およ
び特公昭53-33687号公報には、α−ジケトンなどのカル
ボニル化合物とアミン類からなる光重合用開始剤の存在
下に重合を行う方法が提案されている。しかしながら、
光重合開始剤としてこれらの先行技術文献に提案された
カルボニル化合物とアミン類との組合わせからなる光重
合開始剤を使用し、(メタ)アクリル酸エステル系のラ
ジカル重合性単量体を光硬化させ、前述の歯牙用光硬化
組成物の用途に利用しようとしても、硬化物の色調に劣
りかつ耐水接着強度に劣るという欠点があり、充分の性
能を発揮することができなかつた。また、特開昭56-120
610号公報には、分子内に酸性基を有するビニルモノマ
ーとα−ジケトンおよび芳香族スルフイン酸塩類とから
なる光重合性歯科用材料が提案されている。しかし、こ
れらの光硬化性組成物は色調は優れているが、いずれも
硬化速度が十分でなく、また耐水接着強度が低いという
欠点があり、前述の性能を充分に満足しているとは言い
難かつた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明者らは、従来の歯牙用光硬化性組成物の技術なら
びに該組成物に対する性能の要求が前述の状況にあるこ
とに鑑み、組成物の光硬化性能、硬化物の接着性能、と
くに耐水接着強度、機械的特性、耐吸水性および色調の
いずれにも優れた光硬化性組成物を鋭意検討した結果、
ラジカル重合性不飽和単量体とα−ケトカルボニル化合
物、ジアシルペルオキシドおよび芳香族スルフイン酸ま
たはその塩からなる光硬化性組成物に光照射して硬化さ
せることにより前記目的が達成できることを見出し、本
発明に到達した。
〔発明の効果〕
本発明によれば、組成物の常温付近の低温領域、とくに
湿潤下における光硬化速度が大きく、接着強度、耐水接
着強度、耐吸水性および色調に優れており、歯牙用の接
着剤、コンポジツトレジン、硬質レジン、床用レジンな
どの歯牙用光硬化性組成物に要求される性能を充分に満
足しているのでこれらの歯牙用用途に適している。とく
に歯牙と光硬化型コンポジツトレジン、金属あるいは歯
牙と光硬化型硬質レジンとを接着する接着剤などの用途
に用いると、コンポジツトレジンや硬質レジンを硬化さ
せると同時にこれらの硬化物が歯牙あるいは金属に強固
に接着するのでこれら用途に適している。また歯牙用以
外の精密工作用の接着剤、金属プラスチツク、ガラス用
の接着剤、種々のコンポジツトレジンなどの用途にも利
用できる。
〔問題点を解決するための手段〕および〔作用〕 本発明によれば、 (a)ラジカル重合性不飽和単量体、 (b)α−ケトカルボニル化合物、 (c)ジアシルペルオキシド、および (d)芳香族スルフイン酸またはその塩、 からなる光硬化性組成物が提供される。
本発明の光硬化性組成物に配合されるラジカル重合性単
量体(a)は、ラジカル重合性を有する不飽和化合物であ
る。具体的には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどの
(メタ)アクリル酸アルキル、アクリル酸、メタクリル
酸、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸
−2−ヒドロキシエチル、エチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘ
キシレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビ
ス〔4−(メタ)アクリロイルオキシフエニル〕プロパ
ン、2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシシク
ロヘキシル〕プロパン、2,2−ビス〔3−(メタ)アク
リロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシフエニル〕
プロパン、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリ
レート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレ
ート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレ
ート、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルトリ(トリメチルシロ
キシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルペンタメチ
ルジシロキサン、イソプロピルジメタクリルイソステア
ロイルチタネート、スチレン、α−メチルスチレン、ビ
ニルトルエン、ジビニルトルエン、ジビニルベンゼン、
酢酸ビニルなどのビニル化合物(a)を例示すること
ができ、これらの2種以上の混合成分を使用することも
できる。
また、本発明の光硬化性組成物において、ラジカル重合
性不飽和単量体(a)として使用することができる他の
成分としては1分子中に少なくとも2個のヒドロキシル
基を有するアルカンポリオールまたはポリオキシアルカ
ンポリオールのうちの少なくとも1個のヒドロキシル基
が(メタ)アクリル酸のエステルを形成し、かつ少なく
とも1個のヒドロキシル基が少なくとも3個のカルボキ
シル基を有する芳香族ポリカルボン酸の1個のカルボキ
シル基とエステルを形成した構造を有する(メタ)アク
リロイルオキシル基含有芳香族ポリカルボン酸またはそ
の酸無水物(a)をあげることができる。
該(メタ)アクリロイルオキシル基含有芳香族ポリカル
ボン酸またはその酸無水物(a)を構成する1分子中
に少なくとも2個のヒドロキシル基を有するアルカンポ
リオールとしては、エチレングリコール、1,2−プロピ
レングリコール、1,3−プロピレングリコール、ブチレ
ングリコール、ヘキシレングリコール、トリメチロール
プロパン、グリセリン、ペンタエリスリトールなどを例
示することができる。また、1分子中に少なくとも2個
のヒドロキシル基を有するポリオキシアルカンポリオー
ルとしては、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリ
コール、ジブチレングリコール、ジトリメチロールプロ
パン、ジグリセリン、トリグリセリン、ジペンタエリス
リトールなどの他に などを例示することができる。
また、該(メタ)アクリロイルオキシル基含有芳香族系
ポリカルボン酸を構成する(メタ)アクリル酸成分とし
てはアクリル酸またはメタクリル酸であり、さらに少な
くとも3個以上のカルボキシル基を有する芳香族ポリカ
ルボン酸成分としては少なくとも2個のカルボキシル基
が芳香核上の隣接する炭素原子に結合した芳香族ポリカ
ルボン酸であることが好適であり、具体的にはヘミメリ
ツト酸、トリメリツト酸、プレニト酸、メロフアン酸、
ピロメリツト酸などを例示することができる。
該(メタ)アクリロイルオキシル基含有芳香族ポリカル
ボン酸またはその酸無水物としては、4−(メタ)アク
リロイルオキシメトキシカルボニルフタル酸またはその
酸無水物、4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシカ
ルボニルフタル酸またはその酸無水物、4−〔2−ヒド
ロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシカ
ルボニル〕フタル酸またはその酸無水物、2,3−ビス
(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)プロピル(メ
タ)アクリレートまたはその酸無水物、2−(3,4−ジ
カルボキシベンゾイルオキシ)1,3−ジメタクリロイル
オキシプロパンまたはその酸無水物、 〔式中、Rは水素原子またはメチル基を示す。〕または
これらの酸無水物などを例示することができる。これら
の中では4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシカル
ボニルフタル酸またはその酸無水物が好ましく、特に4
−メタクリロイルオキシエトキシカルボニル無水フタル
酸が好ましい。また(メタ)アクリロイルオキシル基含
有芳香族ポリカルボン酸またはその酸無水物(a)以
外に本発明の光硬化性組成物において、ラジカル重合性
不飽和単量体(a)として使用することができる成分と
して、リン酸基含有不飽和単量体(a)を用いること
ができる。このようなモノマーとしては2−(メタ)ア
クリロイルオキシエチルフエニルアシドホスフエート、
ビス〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕アシド
ホスフエート、ビス〔3−(メタ)アクリロキシプロピ
ル〕アシドホスフエート、2−(メタ)アクリロイルオ
キシエチルフエニルホスホネート、 などを例示することができる。
本発明の光硬化性組成物において、該ラジカル重合性不
飽和単量体(a)成分として前記ビニル化合物(a
または前記(メタ)アクリロイルオキシル基含有芳香族
ポリカルボン酸またはその酸無水物(a)あるいはリ
ン酸基含有不飽和単量体(a)をそれぞれ単独で使用
することもできるし、また2成分以上を併用することも
できる。これらの中では前記ビニル化合物(a)およ
び前記(メタ)アクリロイルオキシル基含有芳香族ポリ
カルボン酸およびその酸無水物(a)を併用すると、
接着強度、耐水接着強度などの接着性能、辺縁封鎖性な
どに優れた光硬化性組成物が得られるので、コンポジツ
トレジン、硬質レジン、床用レジンなどの歯牙用光硬化
性接着剤として好適に利用される。両者を併用する場合
の両単量体の割合は、該ビニル化合物(a)が通常は
10ないし99.9wt%、好ましくは70ないし99wt%の範
囲であり、該(メタ)アクリロイルオキシル基含有芳香
族ポリカルボン酸またはその酸無水物(a)あるいは
リン酸含有モノマー(a)が通常は0.1ないし90wt
%、好ましくは1ないし30wt%の範囲からなる組成物で
ある。
本発明の硬化性組成物に配合される光重合開始剤は、α
−ケトカルボニル化合物(b)およびアミン類(c)お
よび芳香族スルフイン酸またはその塩(d)からなる。
該α−ケトカルボニル化合物(b)としてはα−ジケト
ン、α−ケトアルデヒド、α−ケトカルボン酸、α−ケ
トカルボン酸エステルなどを例示することができる。さ
らに具体的には、ジアセチル、2,3−ペンタジオン、2,3
−ヘキサジオン、ベンジル、4,4′−ジメトキシベンジ
ル、4,4′−ジエトキシベンジル、4,4′−オキシベンジ
ル、4,4′−ジクロルベンジル、4−ニトロベンジル、
α−ナフチル、β−ナフチル、カンフアーキノン、1,2
−シクロヘキサンジオンなどのα−ジケトン、メチルグ
リオキザール、フエニルグリオキザールなどのα−ケト
アルデヒド、ピルビン酸、ベンゾイルギ酸、フエニルピ
ルビン酸、ピルビン酸メチル、ベンゾイルギ酸エチル、
フエニルピルビン酸メチル、フエニルピルビン酸ブチル
などを例示することができる。これらのα−ケトカルボ
ニル化合物のうちでは安定性などの面からα−ジケトン
を使用することが好ましい。α−ジケトンのうちではジ
アセチル、ベンジル、カンフアーキノンが好ましい。
本発明の光硬化性組成物に配合されるジアシルペルオキ
シド(c)として具体的には、ジアセチルペルオキシ
ド、ジカプリルペルオキシド、ジラウロイルペルオキシ
ド、ジステアロイルペルオキシド、ジベンゾイルペルオ
キシド、p,p′−ジクロルジベンゾイルペルオキシド、
p,p′−ジメトキシジベンゾイルペルオキシド、p,p′−
ジメチルジベンゾイルペルオキシド、p,p′−ジニトロ
ジベンゾイルペルオキシドなどを例示することとでき
る。これらのジアシルペルオキシドのうちでは、ジベン
ゾイルペルオキシドが好ましい。
本発明の光硬化性組成物において、芳香族スルフイン酸
またはその塩(d)としては、芳香族スルフイン酸また
は芳香族スルフイン酸の通常のアルカリ金属塩、アルカ
リ土類金属塩、アミン塩、アンモニウム塩化合物が使用
されるが、芳香族スルフイン酸塩を使用すると硬化物の
色調が優れるので好ましい。アルカリ金属塩としてはリ
チウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩などを例示するこ
とができ、アルカリ土類金属塩としてはマグネシウム
塩、カルシウム塩、ストロンチウム塩、バリウム塩など
を例示することができ、アミン塩としてはメチルアミ
ン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ア
ニリン、トルイジン、フエニレンジアミン、キシリレン
ジアミンなどの第一アミンの塩、ジメチルアミン、ジエ
チルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ピペ
リジン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、ジ
フエニルアミン、N−メチルトルイジンなどの第二アミ
ンの塩、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジ
ン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジ(β−ヒドロキシ
エチル)アニリン、N,N−ジエチルアミン、N,N−ジメチ
ルトルイジン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)ト
ルイジンなどの第三アミンの塩を例示することができ、
アンモニウム化合物の塩としては、アンモニウム塩、テ
トラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム
塩、テトラプロピルアンモニウム塩、トリメチルベンジ
ルアンモニウム塩などを例示することができる。
該芳香族スルフイン酸として具体的には、ベンゼンスル
フイン酸、o−トルエンスルフイン酸、p−トルエンス
ルフイン酸、エチルベンゼンスルフイン酸、デシルベン
ゼンスルフイン酸、ドデシルベンゼンスルフイン酸、ク
ロルベンゼンスルフイン酸、ナフタリンスルフイン酸な
どを例示することができる。
該芳香族スルフイン酸塩として具体的には、ベンゼンス
ルフイン酸リチウム、ベンゼンスルフイン酸ナトリウ
ム、ベンゼンスルフイン酸カリウム、ベンゼンスルフイ
ン酸マグネシウム、ベンゼンスルフイン酸カルシウム、
ベンゼンスルフイン酸ストロンチウム、ベンゼンスルフ
イン酸バリウム、ベンゼンスルフイン酸ブチルアミン
塩、ベンゼンスルフイン酸アニリン塩、ベンゼンスルフ
イン酸トルイジン塩、ベンゼンスルフイン酸フエニレン
ジアミン塩、ベンゼンスルフイン酸ジエチルアミン塩、
ベンゼンスルフイン酸ジフエニルアミン塩、ベンゼンス
ルフイン酸トリエチルアミン塩、ベンゼンスルフイン酸
アンモニウム、ベンゼンスルフイン酸テトラメチルアン
モニウム、ベンゼンスルフイン酸トリメチルベンジルア
ンモニウム、o−トルエンスルフイン酸リチウム、o−
トルエンスルフイン酸ナトリウム、o−トルエンスルフ
イン酸カルシウム、o−トルエンスルフイン酸アニリン
塩、o−トルエンスルフイン酸アンモニウム、o−トル
エンスルフイン酸テトラエチルアンモニウム、p−トル
エンスルフイン酸リチウム、p−トルエンスルフイン酸
ナトリウム、p−トルエンスルフイン酸カリウム、p−
トルエンスルフイン酸バリウム、p−トルエンスルフイ
ン酸エチルアミン塩、p−トルエンスルフイン酸トルイ
ジン塩、p−トルエンスルフイン酸N−メチルアニリン
塩、p−トルエンスルフイン酸ピリジン塩、p−トルエ
ンスルフイン酸アンモニウム、p−トルエンスルフイン
酸テトラブチルアンモニウム、β−ナフタリンスルフイ
ン酸ナトリウム、β−ナフタリンスルフイン酸ストロン
チウム、β−ナフタリンスルフイン酸トリエチルアミ
ン、β−ナフタリンスルフイン酸N−メチルトルイジ
ン、β−ナフタリンスルフイン酸アンモニウム、β−ナ
フタリンスルフイン酸トリメチルベンジルアンモニウム
などを例示することができる。これらの中ではベンゼン
スルフイン酸のリチウム塩、ナトリウム塩およびp−ト
ルエンスルフイン酸のリチウム塩、ナトリウム塩が好ま
しい。
本発明の光硬化性組成物において、前記α−ケトカルボ
ニル化合物(b)の配合割合は前記ラジカル重合性単量
体(a)100重量部に対して通常0.01ないし10重量
部、好ましくは0.05ないし7.5重量部の範囲であり、前
記ジアシルペルオキシド(c)の配合割合は前記ラジカ
ル重合性単量体100重量部に対して通常0.01ないし1
0重量部、好ましくは0.05ないし5重量部の範囲であ
る。前記芳香族スルフイン酸またはその塩(d)は前記
ラジカル重合性単量体100重量部に対して通常0.1な
いし10重量部、好ましくは0.2ないし7.5重量部の範囲
である。
また、本発明の光硬化性組成物のうちのジアシルペルオ
キシドと芳香族スルフイン酸またはその塩は通常分割し
て貯蔵し、使用直前に混合して硬化性組成物として使用
される。
本発明の光硬化性組成物には、さらに必要に応じて他の
成分、たとえば粉末状無機充填剤、有機質重合体、粘着
性付与剤、光増感剤、ラジカル重合開始剤、重合調節
剤、重合抑制剤などを配合することもできる。粉末状無
機質充填剤として具体的には、カオリン、タルク、クレ
ー、炭酸カルシウム、シリカ、シリカ・アルミナ、アル
ミナ、酸化チタン、リン酸カルシウム、ガラス粉末、石
英粉末などを例示することができる。有機重合体として
はワツクス、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリアク
リル酸メチル、ポリメタクリル酸メチルおよびこれらの
共重合体などを例示することができる。ラジカル重合開
始剤としては、過酸化ベンゾイル、クメンヒドロペルオ
キシドなどのパルオキシドを例示することができる。こ
れらの成分の配合割合は適宜である。
本発明の光硬化性組成物に光を照射することによつて重
合が起こり、硬化する。光線としては自然光線であつて
も人工光線であつてもよく、紫外領域から可視領域まで
の光線を採用することが可能である。人工光線として
は、高圧水銀灯、中圧水銀灯、低圧水銀灯、ハロゲンラ
ンプ、タングステンランプなどを使用することができ
る。光硬化の際の温度は通常0ないし80℃、好ましく
は5ないし50℃の範囲であり、光照射の時間は通常1
秒ないし5分である。
〔実施例〕
次に本発明を実施例によつて具体的に示す。
なお本発明の光硬化性組成物の評価法および実施例、比
較例で使用した光硬化型コンポジツトレジンの製造例を
以下に示した。また、以下の実施例および比較例で使用
した次の略記号はそれぞれ次の化合物を示す。
MMA……メタクリル酸メチル NPG……ネオペンチルグリコールジメタクリレート 2G……ジエチレングリコールジメタクリレート HEMA……β−ヒドロキシエチルメタクリレート BISGMA…… 4−META…… 4−MET…… PMMA……ポリメチルメタクリレート VR−60……エポキシ樹脂のメタクリル酸変成物(昭
和高分子K..K.製) BPO……ジベンゾイルパーオキシド PTSS……p−トルエンスルフイン酸ナトリウム BSS……ベンゼンスルフイン酸ナトリウム PTSL……p−トルエンスルフイン酸リチウム (I)接着力の評価方法 牛の前歯唇面のエナメル質面または象牙質面をNO.6/0エ
メリーペーパーで良く研磨し、表面を平滑にした後エナ
メル質は65%リン酸水溶液で象牙質は10%クエン
酸、3%塩化第2鉄水溶液で各々45秒間エツチング処
理をした。十分に水洗を行つた後エツチング面を空気で
乾燥し、直径5.4mmの円孔のあいたセロハンテープ(約
13mm×13mm)をはつた。実施例または比較例に記載
の光硬化性組成物を前記円孔に塗布し、軽くエアーブロ
ーした。その後前記円孔に合わせたテフロン製金型(直
径5.4mm、深さ5mmの円筒)に後述した光重合型コンポ
ジツトレジンを充填し、セロフアン紙を表面にかぶせた
後、その上から可視光照射器(Kulzer社製、Translux)
を用いて可視光線(波長350〜700nm)を30秒照
射し、接着試験片を作成した。室温で30分放置後牛歯
エナメル質の接着試験片は37℃水中24時間浸漬後、
4℃の冷水と60℃の温水とに交互に1分間ずつ60
回、計2時間浸漬した。その後23℃の温度で空気中1
0分間放置後23℃の温度で引張り速度2mm/minの条
件で牛歯とコンポジツトレジンとの接着力を測定した。
また、牛歯象牙質の接着試験片は37℃水中24時間浸
漬後23℃の温度で空気中10分間放置した後23℃の
温度で牛歯エナメル質と同一の条件で引張り試験を行
い、接着力を測定した。
(II)辺縁封鎖性の評価方法 牛の前歯唇面に直径3mm、深さ3mmのエナメル質−象牙
質両方にわたるか洞をあけ(シリコンポイント仕上
げ)、このか洞を65%リン酸水溶液で45秒間エツチ
ング処理をした。十分に水洗を行つた後エツチング面を
空気で乾燥し、実施例または比較例に記載の光硬化性組
成物を前記円孔に塗布し軽くエアーブローした。その後
光硬化性を塗布したか洞に後述した光重合型コンポジツ
トレジンを充填し、その上から可視光照射器(Kulzer社
製、Translux)を用いて可視光線(波長350〜700
nm)を30秒照射した。表面をホワイトポイント次いで
シリコンポイントで仕上げた後フクシンで染色した4℃
の冷水と60℃の温水とに交互に1分間ずつ60回計2
時間浸漬した。その後コンポジツトレジンを充填した円
筒形のか洞を深さ方向に切断し、切断面のフクシン進度
度合によつて辺縁封鎖性を判断した。
(III)色調の評価方法 光硬化性組成物をガラス板上に塗布し、軽くエアーブロ
ーした後、可視光線(Kulzer社製、Translux)を2分間
あて硬化させた。その後大陽光の下に1日放置した後の
色調を比較した。
(IV)光硬化型コンポジツトレジンの調整 トリエチレングリコールジメタクリレート7.5g、1,3−
ジメタクリロキシエトキシベンゼン7.5g、2,2,4−トリ
メチルヘキサメチレンジアミンジイソシアナート1モル
と2−ヒドロキシエチルメタクリレート2モルとの付加
物15g、下記記載の方法で合成した複合充填剤40g
および微粉末シリカRM−50(日本アエロジル株式会
社製、微粉末シリカ)30gハイドロキノンモノメチル
エーテル4mgを35℃下2本ロールで混練し、組成物を
作製した。この組成物10gとカンフアーキノン45mg
および4−ジエチルアミノ安息香酸45mgをスパチユラ
で十分に混合して光硬化型コンポジツトレジンを作製し
た。
(V)複合充填剤の製造例 トリメチロールプロパンのトリメタクリレート10gに
ベンゾイルパーオキサイド0.1gを溶解した溶液を、メ
ノー乳鉢に入れ、さらに疎水性微粉シリカ(日本アエロ
ジル株式会社製、アエロジルR972、平均粒径16m
μ)を少量ずつ加えて混合した。粘度が次第に増し、パ
サパサになりかかつた頃合いに、混合物を小型ゴムロー
ルに懸け、さらに微粉シリカを断続的に添加し、最終的
な微粉シリカ添加量を9.5gとした。得られたペースト
をロールからはずし、金型温度110℃のプレスにて1
50kg/cm2ないし200kg/cm2の圧力で10分間加熱硬
化した。硬化生成物をボールミルにて粉砕し、230メ
ツシユふるい通過の複合充填剤18.0gを得た。この複合
充填剤の平均粒径は11μであつた。
実施例1 メチルメタクリレート6g、ネオペンチルグリコールジ
メタクリレート2.5g、4−メタクリロイルオキシエト
キシカルボニル無水フタル酸(4−META)1.5g、
カンフアーキノン0.02g、ジベンゾイルペルオキシド0.
05g、ポリメチルメタクリレート0.4gおよびハイドロ
キノンモノメチルエーテル0.005gからなる溶液(A)
と、p−トルエンスルフイン酸ナトリウム0.35g、エタ
ノール8gおよびメチルメタクリレート30gからなる
溶液(B)を作成した。これら溶液を使用前に等重量ず
つ混合して光硬化性組成物とし、接着力、辺縁封鎖性お
よび色調の評価試験に用いた。結果を表1に示した。
実施例2〜8、比較例1〜3 実施例1において、A液のハイドロキノンモノメチルエ
ーテル以外のものについては表1に記載のものを表1に
記載した割合で用いて各々A液、B液を調整し、使用前
にA、B等重量ずつ混合して光硬化性組成物とし、接着力
などの試験に用いた。結果を表1に示した。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)ラジカル重合性不飽和単量体、 (b)α−ケトカルボニル化合物、 (c)ジアシルペルオキシド、および (d)芳香族スルフイン酸またはその塩、 からなる光硬化性組成物
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