JPH0662074U - サイディング - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 環境条件の影響等による経時的な変形のない
サイディングを提供する。 【構成】 裏紙４の表面から断熱材３の表層部に達する
深さの切り込み10を施している。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は表面材と裏紙との間に断熱材を充填してなるサイディングに関する。

【０００２】

【従来の技術】

成形された金属材よりなる表面材の裏面にウレタンフォーム等の発泡樹脂製の 断熱材が設けられ、該断熱材の裏面に自己接着現象で裏紙を貼着させてなるサイ ディングは、断熱性能が高く、防音・遮音性も良好で、軽量・安価でもあり、従 来より、各種建屋の外張り用として広く用いられている。

【０００３】 その裏紙は、再生紙よりなる中芯ライナの両面（もしくは片面）にポリエステ ル樹脂またはポリプロピレン樹脂等の強化樹脂とアルミ箔とを合わせ被着させた もの、また、その断熱材には発泡ウレタンやイソシアヌレート等が、それぞれ用 いられることが多い。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上述したようなサイディングは成形後には表裏両面とも平坦で均一な外形精度 を有しているが、施工後又は長期間にわたって在庫状態になっていると、湿度や 温度の変化や厳しい自然環境条件等により、例えば高温で乾燥した状態下では、 図５に示すように、裏紙４が最も大きく収縮し、その裏紙４に貼着している断熱 材３も裏紙側に引張られ、表面材２も断熱材側に引張られて、断熱材３を介して 、そのサイディング１が表面材２の側に膨れる方向に湾曲するように変形するこ とがあった。なお、高温で多湿の場合は、前記とは逆に裏紙４が一番大きく伸び てサイディング１は下地材５の側に膨れる方向に湾曲しようとするが、下地材５ に当って、この場合は大きくは湾曲しない。

【０００５】 このような変形があると、外観が損ねられるだけでなく、サイディング間の接 合部（目地）７にすき間８が生じて、そのすき間８から内部に風雨が侵入しやす くなり、断熱効果が低下したり、下地材内へ風雨が侵入してしまうような不具合 が発生する。

【０００６】 また、サイディング１の裏面と下地材５との間にもすき間９が生じ、接合部７ のすき間８との相乗作用で風や振動等によってガタ付きが生じ、異音を発生した り、耐久性が低下したりすることもある。なお、図５中、符号６は止金具である 。

【０００７】 本考案はこのような実情に鑑みてなされ、環境条件の影響等による経時的な変 形のないサイディングを提供することを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案においては、上述の課題を引き起こす原因となる裏紙の伸縮度合が断熱 材との貼着力の強度によって変化することを考慮して、裏紙と断熱材との伸縮力 を軽減するための手法として、裏紙に切り込みをおこなうことが有効であること を見出したのであり、そのための手段を以下のように構成している。 すなわち、金属材を成形してなる表面材の裏面にウレタンフォーム等の発泡樹 脂製の断熱材が設けられ、該断熱材の裏面に裏紙を貼着してなるサイディングに おいて、前記裏紙の伸縮現象を軽減するための切り込みが、その裏紙の長手方向 に沿ってかつその裏紙の表面から前記断熱材の裏紙側表層部に達する深さで施さ れていることを特徴としている。

【０００９】

【作用】

裏紙の表面から断熱材の裏紙側表層部に達する深さに施された切り込みによっ て、湿度や温度等の環境影響による裏紙の伸縮が軽減され、サイディングの経時 変形が防止される。

【００１０】

【実施例】

以下に、本考案のサイディングの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。 図１は横貼用のサイディング１の断面を示し、符号２は型成形された金属材よ りなる表面材、３は発泡ウレタンよりなる断熱材、４はクラフト紙や再生紙等の 中芯ライナの両面に強化樹脂とアルミ箔とを合わせ被着させて強化した裏紙で、 その裏紙４には、その表面から断熱材３の表層部に達する深さの切り込み10が、 図２に示すように、サイディング１の中央部横方向の全長に亘って施されている 。なお、裏紙４はサイディング１の取付部2aの裏面側まで伸びているが、取付部 2aと裏紙４は接着していてもしていなくてもよい。また、凹溝部2c側はその上面 側に入り込んで断熱材３と接着しているが、表面材２とは接着していても接着し ていなくてもよい。

【００１１】 裏紙４にこのような切り込み10を施すことによって、湿度や温度の変化による 裏紙４の伸縮を効果的に軽減することができ、施工後においても、また、長期に 亘って保管しておいても、サイディング１を成形後のままの平坦な状態に安定に 保形させておくことができ、サイディング１の建付け状態を良好に保つことがで きる。

【００１２】 上述のサイディング１の表面材２は、着色亜鉛鋼板、亜鉛メッキ鋼板、アルミ 合金板あるいはステンレス板等が用いられる一方、裏紙４には、クラフト紙また はライナ（再生紙）を芯材（120g/m² ）として、その両面にポリエステル15μｇ を被着させ、かつその外面側となる片方の面にポリプロピレン20μｇを被着させ て強化し、さらにその上にアルミ蒸着を施したもの等が用いられる。また、断熱 材３としては、ウレタンフォーム、イソシアヌレート等の発泡樹脂材が用いられ る。

【００１３】 表面材２の中央部位には横剛性を向上させるための横方向の凹溝2d（図１参照 ）が屈設形成され、その上部には止金具６（図３参照）によって縦胴縁等の下地 材５に固定される取付部2aが延設形成され、かつその取付部2aのすぐ下方に上方 に向けて突出する突縁部2bが形成される一方、下部には凹溝部2cが形成され、上 方に載設されるサイディング１の凹溝部2cを下方のサイディング１の突縁部2bに 跨乗させ、順次、下から上へサイディング１を載設できるようになっている。な お、最下段のサイディング１の凹溝部2cは止金具６によって下地材５に固定した スタータ11（図３参照）に跨乗させるようにしている。

【００１４】 このように、下地材５に横貼りされたサイディング１，…は、昼夜や季節の湿 度変化や温度変化等の環境条件の影響を最も受けやすく、施工後の変形や長期間 の在庫中の変形等が懸念されるが、前述のように、裏紙４に施した切り込み10に より、その伸縮現象を軽減することができ、成形時の外形精度を施工後や在庫中 においても維持することができるのである。

【００１５】 上述の裏紙４に施される切り込み10は、図２の他に、例えば図４に示すように 、サイディング１の中央部横方向の全長に亘って施した切り込み10ａの両側に断 続・不連続な切り込み10ｂ，…を平行に施してもよい。

【００１６】 あるいは、図示は省略するが、上述の他に、傾斜状、曲線と直線を組み合わせ たもの、円形状、格子状あるいは千鳥状に断続したもの等々、サイディング１の サイズや種類に合わせて種々の態様で切り込みを施すことができる。

【００１７】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案のサイディングによれば、裏紙の伸縮現象を軽減 するための切り込みを、その裏紙の表面から断熱材の裏紙側表層部に達する深さ で施してあるので、環境条件の影響等による裏紙の伸縮を軽減することができ、 保形性が著しく向上し、経時的な変形をなくすことができ、サイディング間の接 合部にすき間が生じることなく、また、内部に風雨が侵入することがなく、風や 振動等によるガタ付きが生じず、施工後の仕上がりを良好に維持することができ る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のサイディングの一実施例を示す断面図
である。

【図２】同サイディングの背面図である。

【図３】同サイディングの建付状態を示す断面図であ
る。

【図４】同異なる実施例を示すサイディングの背面図で
ある。

【図５】従来のサイディングの変形状態を示す断面図で
ある。

【符号の説明】

１…サイディング、２…表面材、３…断熱材、４…裏
紙、10…切り込み。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 金属材を成形してなる表面材の裏面にウ
   レタンフォーム等の発泡樹脂製の断熱材が設けられ、該
   断熱材の裏面に裏紙を貼着してなるサイディングにおい
   て、前記裏紙の伸縮現象を軽減するための切り込みが、
   その裏紙の長手方向に沿ってかつその裏紙の表面から前
   記断熱材の裏紙側表層部に達する深さで施されているこ
   とを特徴とするサイディング。