JPH0661600B2 - 急冷薄帯製造用の冷却ロール - Google Patents
急冷薄帯製造用の冷却ロールInfo
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- JPH0661600B2 JPH0661600B2 JP63259492A JP25949288A JPH0661600B2 JP H0661600 B2 JPH0661600 B2 JP H0661600B2 JP 63259492 A JP63259492 A JP 63259492A JP 25949288 A JP25949288 A JP 25949288A JP H0661600 B2 JPH0661600 B2 JP H0661600B2
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Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B22—CASTING; POWDER METALLURGY
- B22D—CASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
- B22D11/00—Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths
- B22D11/06—Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths into moulds with travelling walls, e.g. with rolls, plates, belts, caterpillars
- B22D11/0637—Accessories therefor
- B22D11/0648—Casting surfaces
- B22D11/0651—Casting wheels
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Continuous Casting (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、双ロール法や単ロール法などロールを使用
して溶融金属から直接金属薄帯を製造するプロセスに用
いて好適な冷却ロールに関するものである。
して溶融金属から直接金属薄帯を製造するプロセスに用
いて好適な冷却ロールに関するものである。
(従来の技術) 溶融金属(以下溶湯という)から直接金属薄板を製造す
る方法として、高速回転するロールのロール胴表面に溶
湯をノズルから噴出させて接触させ冷却凝固する方法が
知られている。
る方法として、高速回転するロールのロール胴表面に溶
湯をノズルから噴出させて接触させ冷却凝固する方法が
知られている。
この方法にはロールを1つ用いる単ロール法とロールを
2つ用いる双ロール法とがある。そのうちとくに双ロー
ル法については、第1図に示すとおり、ロールのほぼ中
央部に溶湯を注入し、ロール間にかみ込ませて冷却と同
時に圧延を行うことから、使用冷却ロールに対してはロ
ールの面精度を高めるため、強度、靭性、硬さなどが高
いことが要望される。ここに番号1は注湯ノズル、2は
溶湯、そして3が冷却ロールであり、4が急冷薄帯であ
る。
2つ用いる双ロール法とがある。そのうちとくに双ロー
ル法については、第1図に示すとおり、ロールのほぼ中
央部に溶湯を注入し、ロール間にかみ込ませて冷却と同
時に圧延を行うことから、使用冷却ロールに対してはロ
ールの面精度を高めるため、強度、靭性、硬さなどが高
いことが要望される。ここに番号1は注湯ノズル、2は
溶湯、そして3が冷却ロールであり、4が急冷薄帯であ
る。
かようなロールの材質としては、たとえば特開昭56-119
650号公報に開示されているような高速度鋼、超硬合金
などが考えられるが、かような鋼種では板厚が数mm以下
の薄板を製造する場合、ロール表面温度が600℃以上に
なってロールへの巻付き、焼付き、さらにはクラックな
どが発生するため、長時間の操業は不可能であった。
650号公報に開示されているような高速度鋼、超硬合金
などが考えられるが、かような鋼種では板厚が数mm以下
の薄板を製造する場合、ロール表面温度が600℃以上に
なってロールへの巻付き、焼付き、さらにはクラックな
どが発生するため、長時間の操業は不可能であった。
これに対し特開昭57-77918号公報において、熱伝導が良
好でかつ強度も大きいCu−Zr、Cu−Beなどの銅合金が急
冷凝固用ロールとして提案され、現在広く使用されてい
る。
好でかつ強度も大きいCu−Zr、Cu−Beなどの銅合金が急
冷凝固用ロールとして提案され、現在広く使用されてい
る。
しかしながらかかる銅合金ロールを用いて連続的に板厚
数mm以下の薄板を双ロール法により製造する場合、ヒー
トサイズが500kgを越えると操業中、銅合金ロール表面
に微細な割れ(以下ヘアークラックあるいはマイクロク
ラックと称す)が発生し、長時間にわたって操業を行う
とこのヘアークラックに溶鋼が差し込んで板がロールに
巻付くといったトラブルが生じ、ブレークアウト等によ
り操業の中断を余儀なくされることがあった。
数mm以下の薄板を双ロール法により製造する場合、ヒー
トサイズが500kgを越えると操業中、銅合金ロール表面
に微細な割れ(以下ヘアークラックあるいはマイクロク
ラックと称す)が発生し、長時間にわたって操業を行う
とこのヘアークラックに溶鋼が差し込んで板がロールに
巻付くといったトラブルが生じ、ブレークアウト等によ
り操業の中断を余儀なくされることがあった。
この点発明者らは先に、上記の問題を解決するものとし
て特開昭58-116956号公報において、NiもしくはNi合金
めっきの被覆層を有する高けい素鋼急冷薄帯製造用ロー
ルを提案した。この冷却ロールは、ロールへの焼付き防
止には効果があり、耐摩耗性にも優れていたが、製造技
術の進歩に伴なうとヒートサイズの拡大により先に述べ
たヘアークラックの発生が依然として免れ得ないところ
に問題を残していた。
て特開昭58-116956号公報において、NiもしくはNi合金
めっきの被覆層を有する高けい素鋼急冷薄帯製造用ロー
ルを提案した。この冷却ロールは、ロールへの焼付き防
止には効果があり、耐摩耗性にも優れていたが、製造技
術の進歩に伴なうとヒートサイズの拡大により先に述べ
たヘアークラックの発生が依然として免れ得ないところ
に問題を残していた。
(発明が解決しようとする課題) この発明が解決しようとする問題点は、次のとおりであ
る。
る。
1)ロール表面の焼付き、巻付き…特に1mm以下の薄物で
は冷却ロール周速が早く、鉄系ロールや一部銅合金ロー
ル(熱伝導が良好でないもの)ではロール表面に板が巻
付いたり場合によっては焼付く。また冷却ロールに表面
被覆をしてもその材質、施工条件によっては巻付き、焼
付きが生じる。
は冷却ロール周速が早く、鉄系ロールや一部銅合金ロー
ル(熱伝導が良好でないもの)ではロール表面に板が巻
付いたり場合によっては焼付く。また冷却ロールに表面
被覆をしてもその材質、施工条件によっては巻付き、焼
付きが生じる。
2)ロール表面の肌荒れ、摩耗…高熱伝導の銅合金ロール
では高温硬度が低く、長時間の操業で肌荒れ、摩耗が生
じる。
では高温硬度が低く、長時間の操業で肌荒れ、摩耗が生
じる。
3)ロールの変形…双ロール法ではロールを圧下し圧延し
ているためロールキス部(2本のロールが圧下接触して
いる点)では高温雰囲気(500℃以上程度)になると高
温変形し易く、かかるロールの変形により作製した薄板
の板厚偏差や肌荒れが促進する。
ているためロールキス部(2本のロールが圧下接触して
いる点)では高温雰囲気(500℃以上程度)になると高
温変形し易く、かかるロールの変形により作製した薄板
の板厚偏差や肌荒れが促進する。
4)ロール表面クラック…上記1)〜3)項の要求を満足する
ロール材質として高熱伝導性を有しかつ、高温強度の高
い銅合金が冷却ロールに用いられているが、高温高圧下
での熱疲労のため、例えば析出硬化型銅合金(Cu−Be、
Cu−Zr−Crなど)では粒界割れいわゆるヘアークラック
が発生し、長時間の操業が不可能である。
ロール材質として高熱伝導性を有しかつ、高温強度の高
い銅合金が冷却ロールに用いられているが、高温高圧下
での熱疲労のため、例えば析出硬化型銅合金(Cu−Be、
Cu−Zr−Crなど)では粒界割れいわゆるヘアークラック
が発生し、長時間の操業が不可能である。
(課題を解決するための手段) さて発明者らは、上記の問題を解決すべく鋭意研究を重
ねた結果、銅または銅合金ロールの表面にNiめっき層を
介してCrめっき層を被覆することが、所期した目的の達
成に関し、極めて有効であることの知見を得た。
ねた結果、銅または銅合金ロールの表面にNiめっき層を
介してCrめっき層を被覆することが、所期した目的の達
成に関し、極めて有効であることの知見を得た。
この発明は、上記の知見に立脚するものである。すなわ
ちこの発明は、溶融金属の落下流を受け、その急冷凝固
を強いて薄帯化を導く冷却ロールであって、銅または銅
合金製のロール胴の表面に、厚み:0.2〜0.6mmのニッケ
ルめっきの第1層と、厚み:0.01〜0.05mmのクロムめっ
きの第2層をそなえることからなる急冷薄帯製造用の冷
却ロールである。
ちこの発明は、溶融金属の落下流を受け、その急冷凝固
を強いて薄帯化を導く冷却ロールであって、銅または銅
合金製のロール胴の表面に、厚み:0.2〜0.6mmのニッケ
ルめっきの第1層と、厚み:0.01〜0.05mmのクロムめっ
きの第2層をそなえることからなる急冷薄帯製造用の冷
却ロールである。
以下この発明を具体的に説明する。
まずこの発明の解明経緯について説明する。
例えば炭素鋼、ステンレス鋼、けい素鋼、Ni基あるいは
Co基合金などの高融点材料の溶湯から、工業的規模で直
接薄板を製造する直接圧延法と呼ばれる双ロール法にお
いては、ロールの抜熱効果を高めて、溶湯の薄板化を促
進する(凝固安定)とともに、急冷効果による結晶の微
細化や偏析の低減などの利点があることが知られてい
る。この際使用されるロールは、表面の肌荒れ、クラッ
ク、耐食性を考慮して、高速度鋼、スレンレス鋼、ダイ
ス鋼などの鉄系材料と純銅、ベリリウム銅、クロム銅な
どの銅系材料とに分類される。ところでこの発明で対象
とするような板厚1mm以下の薄板を製造する場合、第2
図に示すようにロールキス部の表面温度(最大表面温
度)は、ロールの材質とくに熱伝導度の差に起因した抜
熱効果の違いにより異なる。例えば鉄係ロール(熱伝導
λ=0.01〜0.05Cal/cm2/cm/sec/℃)を用いた場合に
は、第2図に示すようにロールキス部の表面温度は600
〜900℃となり、発明者らの実験では、600℃以上で巻付
きが生じ、また900℃近辺ではロール材質が変質し、界
面で反応層が生成され焼付きが生じ、従って直接薄板製
造用のロールとしては適していないことが判明した。ま
た作製した薄板も未凝固部が多く、ブレークアウトが発
生した。これに対し、銅及び銅合金ロール(λ=0.2〜
1.0Cal/cm2/cm/sec/℃)を用いた場合のロールキス部表
面温度は300〜400℃程度で巻付きや焼付きの発生は全く
なく、ブレークアウトも生じなかった。なおいずれも内
部水冷式で、スリーブ厚は5〜20mmである。
Co基合金などの高融点材料の溶湯から、工業的規模で直
接薄板を製造する直接圧延法と呼ばれる双ロール法にお
いては、ロールの抜熱効果を高めて、溶湯の薄板化を促
進する(凝固安定)とともに、急冷効果による結晶の微
細化や偏析の低減などの利点があることが知られてい
る。この際使用されるロールは、表面の肌荒れ、クラッ
ク、耐食性を考慮して、高速度鋼、スレンレス鋼、ダイ
ス鋼などの鉄系材料と純銅、ベリリウム銅、クロム銅な
どの銅系材料とに分類される。ところでこの発明で対象
とするような板厚1mm以下の薄板を製造する場合、第2
図に示すようにロールキス部の表面温度(最大表面温
度)は、ロールの材質とくに熱伝導度の差に起因した抜
熱効果の違いにより異なる。例えば鉄係ロール(熱伝導
λ=0.01〜0.05Cal/cm2/cm/sec/℃)を用いた場合に
は、第2図に示すようにロールキス部の表面温度は600
〜900℃となり、発明者らの実験では、600℃以上で巻付
きが生じ、また900℃近辺ではロール材質が変質し、界
面で反応層が生成され焼付きが生じ、従って直接薄板製
造用のロールとしては適していないことが判明した。ま
た作製した薄板も未凝固部が多く、ブレークアウトが発
生した。これに対し、銅及び銅合金ロール(λ=0.2〜
1.0Cal/cm2/cm/sec/℃)を用いた場合のロールキス部表
面温度は300〜400℃程度で巻付きや焼付きの発生は全く
なく、ブレークアウトも生じなかった。なおいずれも内
部水冷式で、スリーブ厚は5〜20mmである。
従ってこの発明のように板厚1mm以下の薄帯を製造する
双ロール法では、銅もしくは銅合金ロールが適してい
る。しかしながらかかる銅または銅合金ロールを、工業
的に連続長時間使用した場合には、その表面に肌荒れが
生じ、製品となる薄板の表面が汚くなることの他、板厚
変動も顕著になり、ひいてはその表面に割れが生じ、そ
の後の操業が不可能となる。
双ロール法では、銅もしくは銅合金ロールが適してい
る。しかしながらかかる銅または銅合金ロールを、工業
的に連続長時間使用した場合には、その表面に肌荒れが
生じ、製品となる薄板の表面が汚くなることの他、板厚
変動も顕著になり、ひいてはその表面に割れが生じ、そ
の後の操業が不可能となる。
上記の問題を解決するため、発明者らは種々の表面被覆
技術に取組んだ結果、試行錯誤の末、第1層Niめっきを
厚み0.2〜0.6mmで、第2層Crめっきを厚み0.01〜0.05mm
で被覆した冷却ロールが最も有利に適合することを突き
止め、この発明を完成させるに至ったものである。
技術に取組んだ結果、試行錯誤の末、第1層Niめっきを
厚み0.2〜0.6mmで、第2層Crめっきを厚み0.01〜0.05mm
で被覆した冷却ロールが最も有利に適合することを突き
止め、この発明を完成させるに至ったものである。
冷却ロールの表面被覆材としては母材銅もしくは銅合金
の熱膨張率16〜17×10-61/℃に近いNiめっき(熱膨張
率14〜15×10-61/℃)が適している。
の熱膨張率16〜17×10-61/℃に近いNiめっき(熱膨張
率14〜15×10-61/℃)が適している。
しかしながら双ロールプロセスは板の巻付きが発生しや
すく、Niめっきのみでは巻付きの発生は防げない。この
点Niめっきの上に重ねてCrめっきを被覆することにより
板の巻付きを防止することができたのである。また母材
銅とCrめっきとの間にNiめっきを介挿することは、熱膨
張差に起因する発生応力を緩和し、Crめっきの剥離を防
ぐ上でも有利である。
すく、Niめっきのみでは巻付きの発生は防げない。この
点Niめっきの上に重ねてCrめっきを被覆することにより
板の巻付きを防止することができたのである。また母材
銅とCrめっきとの間にNiめっきを介挿することは、熱膨
張差に起因する発生応力を緩和し、Crめっきの剥離を防
ぐ上でも有利である。
次に各めっき層の厚みを前記の範囲に限定した理由につ
いて説明する。
いて説明する。
第3図に、冷却ロールとして内部水冷式銅合金ロールな
らびにそのロール胴表面に種々の厚みでNiおよびCrめっ
きを施したロールを用いて急冷薄帯を製造したときのロ
ール60周目(定常状態)におけるロールキス部の断面方
向温度分布を示す。
らびにそのロール胴表面に種々の厚みでNiおよびCrめっ
きを施したロールを用いて急冷薄帯を製造したときのロ
ール60周目(定常状態)におけるロールキス部の断面方
向温度分布を示す。
Ni−Crめっきを施さない銅合金ロールのキス部表面温度
はおよそ450℃であるが、例えばCu−Be合金は第4図お
よび第5図に示すように、400℃以上では強度、伸びと
も極端に低下する。このためCu−Be、Cu−Cr、Cu−Zr−
Crなどの銅合金ロールを連続して長時間使用した場合に
は、熱疲労のためロール表面に微細なクラックが発生す
る。
はおよそ450℃であるが、例えばCu−Be合金は第4図お
よび第5図に示すように、400℃以上では強度、伸びと
も極端に低下する。このためCu−Be、Cu−Cr、Cu−Zr−
Crなどの銅合金ロールを連続して長時間使用した場合に
は、熱疲労のためロール表面に微細なクラックが発生す
る。
これに対し厚み:0.2〜0.6mmのNiめっき+Crめっきを施
した場合には、ロール表面温度は500℃以下に低減で
き、第6図に示すように表面層であるCrめっき層の硬度
はキス部最大温度域でもビッカース硬度(Hv25g)で500以
上となりその結果ロール表面の肌荒れが少なくなる。ま
ためっき層と母材銅合金ロールとの界面温度も400℃以
下に保つことができ、従って引張り特性や伸び特性の極
端な劣化もない。
した場合には、ロール表面温度は500℃以下に低減で
き、第6図に示すように表面層であるCrめっき層の硬度
はキス部最大温度域でもビッカース硬度(Hv25g)で500以
上となりその結果ロール表面の肌荒れが少なくなる。ま
ためっき層と母材銅合金ロールとの界面温度も400℃以
下に保つことができ、従って引張り特性や伸び特性の極
端な劣化もない。
上述したとおり、ロールキス部におけるロール表面温度
を500℃以下、まためっき層と母材銅合金ロールとの界
面温度を400℃以下に抑制するためには、少なくとも0.2
mm厚のNiめっきが必要であるので、この発明ではNiめっ
き層厚の下限を0.2mmとした。一方Niめっき層厚があま
りに大きくなると第3図に2点鎖線で示したようにロー
ル表面温度が上昇するので、Niめっき層厚の上限はかか
るおそれのない0.6mmとした。
を500℃以下、まためっき層と母材銅合金ロールとの界
面温度を400℃以下に抑制するためには、少なくとも0.2
mm厚のNiめっきが必要であるので、この発明ではNiめっ
き層厚の下限を0.2mmとした。一方Niめっき層厚があま
りに大きくなると第3図に2点鎖線で示したようにロー
ル表面温度が上昇するので、Niめっき層厚の上限はかか
るおそれのない0.6mmとした。
さらに第2層(表面)のCrめっき層は、内部クラックを
できるだけ少なくし、加工時における割れを防止するた
めには、めっき厚はできるだけ薄い方が適しているの
で、0.05mm厚以下で被覆するものとした。しかしながら
めっき施工及び後加工時の研磨可能な厚みとして少なく
とも0.01mm厚は必要なので、Crめっき厚の下限は0.01mm
に定めた。
できるだけ少なくし、加工時における割れを防止するた
めには、めっき厚はできるだけ薄い方が適しているの
で、0.05mm厚以下で被覆するものとした。しかしながら
めっき施工及び後加工時の研磨可能な厚みとして少なく
とも0.01mm厚は必要なので、Crめっき厚の下限は0.01mm
に定めた。
また内部クラックの発生は、Crめっき層の硬度とも関係
し、その硬度がマイクロビッカース硬度(Hv25g)で600〜
900のときにクラックの発生が最も少ないので、Crめっ
き層はその硬度をHv25gで600〜900の範囲に調整するこ
とが好ましい。
し、その硬度がマイクロビッカース硬度(Hv25g)で600〜
900のときにクラックの発生が最も少ないので、Crめっ
き層はその硬度をHv25gで600〜900の範囲に調整するこ
とが好ましい。
(実施例) 表1に示す素材になる種々のスリーブの表面に、同じく
表1に示すめっき処理を施した内部水冷式の冷却ロール
を用いて、双ロール法により、次の条件で、板厚:0.5
〜0.6mm、板幅:500mmの急冷薄帯を製造した。
表1に示すめっき処理を施した内部水冷式の冷却ロール
を用いて、双ロール法により、次の条件で、板厚:0.5
〜0.6mm、板幅:500mmの急冷薄帯を製造した。
製造条件 ・鋼種:4.5%Si−Fe ・冷却ロール ロール径:550mm(外径) ロール幅:500mm スリーブ厚:5mm ・ロール周速:3m/s ・出鋼温度:1600℃ ・ヒートサイズ:3ton 薄帯製造後のロール表面を観察した結果を、表1に併記
する。
する。
同表より明らかなように、この発明に従う冷却ロールを
用いたときは、ロールの損耗は軽微であり、巻付きや焼
付きは勿論のことクラックの発生も全くなかったのに対
し、スリーブが銅合金でなかったり、またスリーブは銅
合金であってもその表面に被成した被膜の種類や厚みが
発明範囲からずれた比較例では、何かしらの弊害が生じ
ていた。
用いたときは、ロールの損耗は軽微であり、巻付きや焼
付きは勿論のことクラックの発生も全くなかったのに対
し、スリーブが銅合金でなかったり、またスリーブは銅
合金であってもその表面に被成した被膜の種類や厚みが
発明範囲からずれた比較例では、何かしらの弊害が生じ
ていた。
(発明の効果) かくしてこの発明に従う冷却ロールによれば、急冷薄帯
製造中、ロール変形やロール表面への焼付き、巻付きが
生じることがなく、またロール表面の肌荒れ、磨耗も軽
微で表面クラックが発生することもないので、表面性状
に優れた急冷薄帯を長時間にわたり安定して得ることが
できる。
製造中、ロール変形やロール表面への焼付き、巻付きが
生じることがなく、またロール表面の肌荒れ、磨耗も軽
微で表面クラックが発生することもないので、表面性状
に優れた急冷薄帯を長時間にわたり安定して得ることが
できる。
第1図は、双ロールによる急冷金属薄帯の製造要領説明
図、 第2図は、冷却ロールとして鉄系ロールと銅系ロールを
用いた場合におけるロールキス部表面温度の経時変化を
比較して示してグラフ、 第3図は、冷却ロール表面から内部にわたる温度分布に
及ぼすめっき層の影響を示したグラフ、 第4図は、Cu−Be合金の高温強度特性を示したグラフ、 第5図は、Cu−Be合金の高温伸び特性を示したグラフ、 第6図は、Crめっき層の高温硬度特性を示したグラフで
ある。
図、 第2図は、冷却ロールとして鉄系ロールと銅系ロールを
用いた場合におけるロールキス部表面温度の経時変化を
比較して示してグラフ、 第3図は、冷却ロール表面から内部にわたる温度分布に
及ぼすめっき層の影響を示したグラフ、 第4図は、Cu−Be合金の高温強度特性を示したグラフ、 第5図は、Cu−Be合金の高温伸び特性を示したグラフ、 第6図は、Crめっき層の高温硬度特性を示したグラフで
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−116956(JP,A) 特開 昭57−56141(JP,A) 特開 昭56−30061(JP,A)
Claims (2)
- 【請求項1】溶融金属の落下流を受け、その急冷凝固を
強いて薄帯化を導く冷却ロールであって、銅または銅合
金製のロール胴の表面に、厚み:0.2〜0.6mmのニッケル
めっきの第1層と、厚み:0.01〜0.05mmのクロムめっき
の第2層をそなえることを特徴とする急冷薄帯製造用の
冷却ロール。 - 【請求項2】クロムめっき層の硬度が、マイクロビッカ
ース硬度(Hv25g)で600以上、900以下である請求項1記
載の冷却ロール。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62-317313 | 1987-12-17 | ||
JP31731387 | 1987-12-17 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01254357A JPH01254357A (ja) | 1989-10-11 |
JPH0661600B2 true JPH0661600B2 (ja) | 1994-08-17 |
Family
ID=18086815
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
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---|---|
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EP (1) | EP0320572B1 (ja) |
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US7320832B2 (en) * | 2004-12-17 | 2008-01-22 | Integran Technologies Inc. | Fine-grained metallic coatings having the coefficient of thermal expansion matched to the one of the substrate |
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-
1988
- 1988-08-23 EP EP88113723A patent/EP0320572B1/en not_active Expired
- 1988-08-23 DE DE8888113723T patent/DE3876964T2/de not_active Expired - Fee Related
- 1988-10-17 JP JP63259492A patent/JPH0661600B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
1989
- 1989-07-12 US US07/379,680 patent/US4951736A/en not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP0320572A3 (en) | 1990-06-06 |
US4951736A (en) | 1990-08-28 |
DE3876964T2 (de) | 1993-07-01 |
DE3876964D1 (de) | 1993-02-04 |
EP0320572A2 (en) | 1989-06-21 |
JPH01254357A (ja) | 1989-10-11 |
EP0320572B1 (en) | 1992-12-23 |
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