JPH066144A - 高周波増幅回路 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】高周波トランジスタを増幅素子として利用し、
出力電力を一定に保つ機能を有する高周波増幅回路にお
いて、高周波信号の大きさが変化した場合の消費電流を
減少させ、電力消費効率を改善する。 【構成】基準電圧入力端子５に入力した基準電圧に対
し、制御部１０は、あらかじめ設定した最適バイアスを
発生させる為の制御信号をバイアス電圧発生部１１に出
力する。バイアス電圧発生部１１は、この制御信号に応
じて、所定の最適バイアス電圧を高周波増幅部（２）１
に印加する。これにより、基準電圧が変化して高周波信
号の大きさが変化した場合でも、最適バイアスが印加さ
れ、無駄な電力消費が排除できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は高周波増幅回路に関し、
特に少なくとも２段の高周波トランジスタを増幅素子と
する増幅段を有し、出力電圧を自動的に一定に保持する
自動レベル制御機能を備えた高周波増幅回路に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の高周波増幅回路は、利用
する高周波トランジスタ，特に最終段の高周波トランジ
スタのバイアス電圧がある設計値に固定されて使用され
ていた。

【０００３】すなわち、高周波トランジスタに入力され
る高周波信号または出力される高周波信号の大きさが変
化しても、トランジスタの動作点は変化しなかった。

【０００４】従って、高周波トランジスタの電力消費効
率は常に最良の状態に保持されているわけではなく、不
安な電力を消費していることが多かった。

【０００５】図２は、従来の高周波増幅回路のブロック
図である。

【０００６】高周波入力端子８を介して入力し、高周波
増幅部（１）１，高周波増幅部（２）２にて増幅された
高周波信号は、高周波出力端子９に出力されるとともに
その一部が高周波出力検出部３で検波され、電力比較部
４へ供給される。

【０００７】電力比較部４では、あらかじめ設定した高
周波出力電力に応じた基準電圧と、高周波出力検波部３
の検波出力電力とを比較し、所定の高周波出力電力が得
られるように電源供給部６に制御信号を出力する。

【０００８】電源供給部６では電力比較部４からの制御
信号に応じた制御を施して、電源入力端子７から高周波
増幅部１へ電源を供給する。

【０００９】高周波増幅部（１）１では、電源供給部６
によって供給された電源によって増幅利得が変化するの
で、結果的に高周波入力端子８から高周波出力端子９ま
での総合利得が変化することになり、基準電圧に応じた
高周波出力電力を高周波出力端子９に得ることができ
る。

【００１０】ここで、高周波増幅部（２）２のバイアス
入力端子１２には、高周波増幅部（１）１からの高周波
信号が変化しても、常にある一定のバイアス電圧が印加
され、高周波増幅回路全体の電力消費効率には何も配慮
されていなかった。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】上述した従来の高周波
電力増幅回路では、使用される高周波トランジスタの動
作点が固定されているので、高周波信号の大きさが変化
した時に無駄な電力を消費してしまい、電力消費効率を
劣化させるという欠点があり、このため特に携帯無線機
等の電池を電源とする無線装置では、電源電池の使用可
能時間が短かくなるという欠点がある。

【００１２】本発明の目的は上述した欠点を解決し、高
周波信号の変動時でも電力消費効率の劣化を抑止して電
源電池の使用可能時間を伸張しうる高周波電力増幅回路
を提供することにある。

【００１３】

【課題を解決するための手段】本発明の回路は、少なく
とも２段の高周波トランジスタを増幅素子とする増幅段
を有し、最終増幅段の高周波出力電力を一定に保持する
自動レベル制御機能を有する高周波増幅回路において、
前記最終増幅段の高周波トランジスタに外部から制御可
能なバイアス電圧を印加する手段を備えた構成を有す
る。

【００１４】また本発明の回路は、前記バイアス電圧が
前記高周波出力電力の変動を抑止するように、前記最終
増幅段の高周波トランジスタの動作を前記自動レベル制
御機能の条件変動に対応して適応制御するものとした構
成を有する。

【００１５】

【実施例】次に、図面を参照して本発明を説明する。図
１はほ発明の一実施例のブロック図である。図１に示す
実施例は、図２に示す従来例と同じ高周波増幅部（１）
１と、高周波増幅部（２）２と、高周波出力検出部３
と、電力比較部４と、電源供給部６のほか、本発明に直
接かかわる制御部１０およびバイアス電圧発生部１１を
備えた構成を有する。

【００１６】次に、本実施例の動作について説明する。
なお、図２と同一符号のものは同一内容であるので、こ
れら同一内容に関する個個の詳細な説明は省略する。

【００１７】制御部１０は、基準電圧入力端子５に入力
された基準電圧に対して最適となるように、あらかじめ
設定したバイアス電圧を発生させる為の制御信号をバイ
アス電圧発生部１１に送出する。

【００１８】バイアス電圧発生部１１では、制御部１０
からの制御信号に応じて、あらかじめ設定した最適バイ
アス電圧を高周波増幅（２）２に供給する。

【００１９】これにより、基準電圧が変化して自動レベ
ル制御機能によって高周波信号の大きさが変化した場合
でも、最適なバイアス電圧が高周波増幅（２）２に印加
され、電力消費効率が著しく改善される。

【００２０】

【発明の効果】以上説明したように本発明は、出力との
比較基準とする基準電圧が変化したときでも、あらかじ
め設定した最適バイアス電圧を終段トランジスタに印加
することを可能として高周波増幅回路の電力消費効率を
著しく改善することができるという効果がある。

【００２１】また、高周波信号の大きさが変化した場合
の消費電流を減少させることができるため、電源、電池
の使用可能時間を著しく伸張することができるという効
果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の高周波増幅回路のブロック
図である。

【図２】従来の高周波増幅回路のブロック図である。

【符号の説明】

１ 高周波増幅部（１） ２ 高周波増幅部（２） ３ 高周波出力検波部 ４ 電力比較部 １０ 制御部 １１ バイアス電圧発生部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 少なくとも２段の高周波トランジスタを
   増幅素子とする増幅段を有し、最終増幅段の高周波出力
   電力を一定に保持する自動レベル制御機能を有する高周
   波増幅回路において、前記最終増幅段の高周波トランジ
   スタに外部から制御可能なバイアス電圧を印加する手段
   を備えることを特徴とする高周波増幅回路。
2. 【請求項２】 前記バイアス電圧が、前記高周波出力電
   力の変動を抑止するように、前記最終増幅段の高周波ト
   ランジスタの動作を前記自動レベル制御機能の条件変動
   に対応して適応制御するものであることを特徴とする請
   求項１記載の高周波増幅回路。