JPH066132Y2 - ファクシミリの紙案内板 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、例えば電話回線を用いて文章等を送信又は受
信を行うファクシミリの原稿用紙排出口に設けられる紙
案内板に関するものである。

〈従来の技術〉 従来、ファクシミリに内蔵した電源トランスの熱を放出
するためにキャビネット上面後部に比較的広い面積にわ
たって換気用の開口部が形成されているが、多くの場
合、この近傍箇所に原稿用紙の排出口が形成されている
ので、排出される原稿用紙によって換気用開口部が閉鎖
される惧れがあるため、紙案内板を前記開口部の縁部に
沿って起立させている。

〈考案が解決しようとする問題点〉 前記した従来の紙案内板はキャビネットに対して取り外
し可能に嵌合する手段と、軸を支点として起伏可能に形
成する手段が知られているが、前者の場合、取付け取外
しが面倒であり且つ輸送時にはキャビネットと紙案内板
とを別個に梱包する必要があって取り扱いに難点があ
る。又、後者の場合は紙案内板を倒伏姿勢と起立姿勢と
に強制保持するためのストッパー機構を別個に形成して
これを組み込んで形成されているため、部品点数が多く
なって作業性やコストの面で難点がある。

そこで本考案は上記した従来欠点を解消することを主た
る目的とするものである。

〈問題を解決するための手段〉 上記目的を達成するために、本考案に係る紙案内板にあ
っては、ファクシミリの原稿用紙排出口の縁部にそって
起立する紙案内板を横軸を支点として回動自在にキャビ
ネットに取付け、これにより紙案内板をキャビネット上
面に対して起伏可能に形成したものであって、前記紙案
内板の下縁に前記横軸と同芯的な円弧状部を形成し、こ
の円弧状部を受ける円弧状凹面をキャビネットの上板か
ら延設した弾性受片に形成すると共に、弾性受片の先端
部で前記受面に突起部を設け、この突起部に当接するカ
ム面を前記円弧状部内端に形成し、前記紙案内板が倒伏
姿勢から起立姿勢まで回動するときに前記円弧状部のカ
ム面が突起部を乗り越えて移行すべく構成したものであ
る。

〈作用〉 上記のごとく構成された紙案内板においては、倒伏姿勢
ではカム面22aが突起部25に当接してその姿勢が安定保
持されており、又、起立姿勢まで回動するときに前記円
弧状部のカム面22aが弾性受片24を押し下げながら突起
部25を乗り越えて移行した後は、カム面22aが突起部24
の上に乗っているので、紙案内板20を押しさげない限り
下方への回動が阻止されて起立姿勢を確実に保持するこ
とが出来る。

〈実施例〉 以下、本考案の実施例について図面を参照にして説明す
る。

第１図乃至第５図において、符号１は本考案を実施した
ファクシミリを示すものであって、本体キャビネット２
に対して上キャビネット３が横軸を支点として開閉出来
るように形成されている。前記上キャビネット３には電
話操作部５や原稿用紙差込口６並びに感熱ロール紙の残
量確認窓19等が設けられている。更に、前記上キャビネ
ット３の後端縁と本体キャビネットとの間に原稿用紙排
出口４が、又上キャビネット３の前端縁と本体キャビネ
ット２との間に感熱ロール紙送出口７が夫々形成されて
いる。

又、前記本体キャビネット２の左側に送受話器８がホル
ダ９と共に設置されている。

更に第２図に示すように、本体キャビネット２の内部に
は前記原稿用紙差込口６から差し込まれた原稿用紙を読
み取るイメージリーダー13並びに該原稿用紙を排出口４
から送り出すための送出ローラー14が設けられており、
更に感熱ロール紙10を保持するロール紙支持部11と、前
記送出口７から感熱ロール紙10を送出するプラテンロー
ラー12が夫々設けられている。

このプラテンローラー12と相対する上方側で前記上キャ
ビネット３の下面に記録ヘッド15が取り付けられてい
る。又、本体キャビネット２の内部後方には電源トラン
ス16が設置され、これから発生する熱を排出する排気ス
リット17が電源トランス16の上方にある本体キャビネッ
ト２に形成されており、本体キャビネット２の底面には
外気吸入スリット18が設けられている。

更に原稿用紙排出口４の後端縁部にそって合成樹脂製の
紙案内板20が設けられている。この紙案内板20は下端両
側面に形成した横軸21を支点として回動自在にキャビネ
ットに取付けられており、これによりキャビネット上面
に対して斜めに起立した姿勢と水平に傾伏した姿勢とに
回動出来るようになっている。更に前記紙案内板20の下
端縁に前記横軸と同芯的な円率を有する円弧状部22が形
成されており、この円弧状部を受ける円弧状凹面23が本
体キャビネット２の上板から延設した弾性受片24に形成
されている。更に、弾性受片24の先端部で前記円弧状凹
面24に円弧内方に突出する突起部25が設けられており、
この突起部に当接するカム面22aが前記円弧状部22の内
端に形成されている。そして前記紙案内板20が第４図の
倒伏姿勢から第５図の起立姿勢まで回動するときに前記
円弧状部のカム面22aが弾性受片24を押し下げながら突
起部25を乗り越えて移行すべく構成されている。尚、前
記弾性受片24は本体キャビネット２と共に合成樹脂材料
で一体成型されているが、別個に成形してもよい。

上記の構成において、紙案内板20は第４図の倒伏姿勢で
はカム面22aが突起部25に当接してその姿勢が安定保持
されており、又、第５図の起立姿勢まで回動するときに
前記円弧状部のカム面22aが弾性受片24を押し下げなが
ら突起部25を乗り越えて移行した後は、カム面22aが突
起部24の上に乗っているので、紙案内板20を押しさげな
い限り下方への回動が阻止されて起立姿勢を保持するこ
とが出来る。又、回動途中以外は弾性受片24の弾性力が
作用しないので使用中における弾性低下を未然に防止出
来る。

〈考案の効果〉 以上詳述したごとく本考案は、前記紙案内板の下縁に前
記横軸と同芯的な円弧状部を形成し、この円弧状部を受
ける円弧状凹面をキャビネットの上板から延設した弾性
受片に形成すると共に、弾性受片の先端部で前記受面に
突起部を設け、この突起部に当接するカム面を前記円弧
状部内端に形成し、前記紙案内板が倒伏姿勢から起立姿
勢まで回動するときに前記円弧状部のカム面が突起部を
乗り越えて移行すべく構成したから、倒伏姿勢ではカム
面22aが突起部25に当接してその姿勢が安定保持されて
おり、又、起立姿勢まで回動するときに前記円弧状部の
カム面22aが弾性受片24を押し下げながら突起部25を乗
り越えて移行した後は、カム面22aが突起部24の上に乗
っているので、紙案内板20を押しさげない限り下方への
回動が阻止されて起立姿勢を確実に保持することが出
来、又、回動途中以外は弾性受片24の弾性力が作用しな
いので弾性体としての寿命を長持ちさせることができ、
加えてスプリング部品やストッパー部品を別途に形成し
てこれを組み込むものでないから部品点数の省略と加工
手間の軽減が出来てトータルコストを下げることができ
る等の顕著な効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の紙案内板を実施したファクシミリの斜
視図、 第２図は拡大断面図、 第３図は紙案内板部分の平面図、 第４図は第３図のＡ−Ａ線に沿った拡大断面図、 第５図は紙案内板を起立させた状態の拡大断面図であ
る。 １……ファクシミリ ２……本体キャビネット ４……原稿用紙差込口 20……紙案内板 21……横軸 22……円弧状部 22a……カム面 23……円弧状凹面 24……弾性受片 25……突起部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ファクシミリの原稿用紙排出口の縁部にそ
   って起立する紙案内板を横軸を支点として回動自在にキ
   ャビネットに取付け、これにより紙案内板をキャビネッ
   ト上面に対して起伏可能に形成したものであって、前記
   紙案内板の下縁に前記横軸と同芯的な円弧状部を形成
   し、この円弧状部を受ける円弧状凹面をキャビネットの
   上板から延設した弾性受片に形成すると共に、弾性受片
   の先端部で前記受面に突起部を設け、この突起部に当接
   するカム面を前記円弧状部内端に形成し、前記紙案内板
   が倒伏姿勢から起立姿勢まで回動するときに前記円弧状
   部のカム面が突起部を乗り越えて移行すべく構成したこ
   とを特徴とするファクシミリの紙案内板。