JPH0661000A - 円形加速器及び円形加速器の運転方法並びに半導体露光装置 - Google Patents

円形加速器及び円形加速器の運転方法並びに半導体露光装置

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JPH0661000A
JPH0661000A JP4211240A JP21124092A JPH0661000A JP H0661000 A JPH0661000 A JP H0661000A JP 4211240 A JP4211240 A JP 4211240A JP 21124092 A JP21124092 A JP 21124092A JP H0661000 A JPH0661000 A JP H0661000A
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deflecting
magnets
electron beam
circular accelerator
deflection
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JP4211240A
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English (en)
Inventor
淳一 ▲廣▼田
Junichi Hirota
Kazuo Hiramoto
和夫 平本
Masatsugu Nishi
政嗣 西
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05HPLASMA TECHNIQUE; PRODUCTION OF ACCELERATED ELECTRICALLY-CHARGED PARTICLES OR OF NEUTRONS; PRODUCTION OR ACCELERATION OF NEUTRAL MOLECULAR OR ATOMIC BEAMS
    • H05H7/00Details of devices of the types covered by groups H05H9/00, H05H11/00, H05H13/00
    • H05H7/06Two-beam arrangements; Multi-beam arrangements storage rings; Electron rings

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
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  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は、小型で、輝度の高い放射光を
発生できる円形加速器及び円形加速器の運転方法、並び
に高輝度の放射光を利用できる半導体露光装置を提供す
ることにある。 【構成】前段加速器11から出射した電子ビーム12を
入射器13により蓄積リング内に入射させ、加速・蓄積
する。その後、主偏向磁石14と補助偏向磁石15の間
の直線軌道部に設置した挿入光源18を励磁し、その内
部に交番磁界を発生させる。この交番磁界で電子ビーム
を蛇行又は螺旋運動させ、蛇行軌道の頂点又は螺旋軌道
上から放出される放射光を重ね合わせることによって、
輝度の高い放射光19を発生させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子又は陽電子の円形
加速器に係り、特に小型で、輝度の高い放射光を発生す
るのに好適な円形加速器及びその運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の円形加速器に関しては、技術雑誌
月刊フィジクス Vol.5 No.11,1984,p.711
〜p.721に記載のシンクロトロン放射光発生装置等が
ある。図2に示すシンクロトロン放射光発生装置の概略
図を用いて、従来例を説明する。前段加速器21から出
射した電子又は陽電子ビーム(以下、電子ビーム等と呼
ぶ)を入射器系22により蓄積リングに入射させる。入
射した電子ビーム等は、収束又は発散用4極磁石26,
軌道補正用ステアリング磁石27,偏向磁石23により
周回軌道28上に保持される。その後、電子ビーム等は
加速機能を有する蓄積リングの場合、高周波加速空胴2
5により所望のエネルギーまで蓄積リング内で加速され
る。また、所望エネルギーで入射する場合はそのエネル
ギーのまま蓄積される。所望エネルギーで蓄積された電
子ビーム等は、蓄積リング内を周回するとき、偏向磁石
23により偏向される毎にそのエネルギーの一部を放射
光24として放出する。この放射光を半導体の微細加工
等に使用する。この放射光の放出により失われるエネル
ギーを、蓄積リング内に設けられた高周波加速空胴25
で補償することにより、所望エネルギーの電子ビーム等
を蓄積リング内の周回軌道28上に保持することができ
る。偏向磁石23から放出される放射光24のうち長波
長域の輝度を高くする方法として、蓄積リング内の周回
軌道28に沿って交番磁界を印加し、電子ビーム等に蛇
行又は螺旋運動をさせることにより、蛇行軌道の頂点又
は螺旋軌道上から放出される放射光を重ね合わせる挿入
型発光装置(以下、挿入光源と呼ぶ)18が用いられて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、挿入光源は電
子ビーム等の直線軌道部に設置する必要があるので、小
型化を要求されるような蓄積リングでは、挿入光源を多
数設置できないという問題がある。即ち、小型蓄積リン
グは直線軌道部が少なく、その直線軌道部には前述した
ように4極磁石,ステアリング磁石,入射器系、及び高
周波加速空胴等が設置されるため、小型のまま多数の挿
入光源を設置して、輝度を高くすることはできない。
【0004】本発明の目的は、小型で、輝度の高い放射
光を発生できる円形加速器及び円形加速器の運転方法、
並びに高輝度の放射光を利用できる半導体露光装置を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の第1の発明は、電子ビーム又は陽電子ビームの偏向を
行う偏向部に放射光を重ね合わせる手段を設けたもので
ある。
【0006】上記目的を達成するための第2の発明は、
電子ビーム又は陽電子ビームの偏向を行う偏向部に複数
の偏向磁石を設け、該偏向磁石は励磁量が異なる隣合う
偏向磁石の組を有し、該偏向磁石の間に挿入光源を設け
たものである。
【0007】第3の発明は、電子ビーム又は陽電子ビー
ムの偏向を行う偏向部に複数の偏向磁石を設け、該偏向
磁石は偏向半径が異なる隣合う偏向磁石の組を有し、該
偏向磁石の間に挿入光源を設けたものである。
【0008】第4の発明は、電子ビーム又は陽電子ビー
ムの偏向を行う偏向部に複数の偏向磁石を設け、該偏向
磁石は偏向角度が異なる隣合う偏向磁石の組を有し、該
偏向磁石の間に挿入光源を設けたものである。
【0009】第5の発明は、電子ビーム又は陽電子ビー
ムの偏向を行う偏向部に複数の偏向磁石を設け、該偏向
磁石は励磁量が異なる隣合う偏向磁石の組と、励磁量が
等しい隣合う偏向磁石の組とを有し、該励磁量が等しい
偏向磁石の間に挿入光源を設けたものである。
【0010】第6の発明は、電子ビーム又は陽電子ビー
ムの偏向を行う偏向部から放射される放射光のうち、輝
度が最大となるピーク波長より長波長域の放射光を利用
するようにしたものである。
【0011】第7の発明は、電子ビーム又は陽電子ビー
ムの入射時に挿入光源を動作させ、ビームのベータトロ
ン振動の放射減衰時間を短縮するようにしたものであ
る。
【0012】第8の発明は、電子ビーム又は陽電子ビー
ムの偏向を行う偏向部に複数の偏向磁石を設け、該偏向
磁石は励磁量が異なる隣合う偏向磁石の組を有し、該偏
向磁石の間に挿入光源を設けた円形加速器と、前記偏向
部から放射される放射光を反射又は集光する手段と、該
手段で反射又は集光された放射光を用いて半導体基板上
に所望のパターンを転写するパターン転写装置とで構成
したものである。
【0013】
【作用】第1の発明では、放射光を重ね合わせる手段を
偏向部に設けることによって、偏向部で電子ビーム等か
ら放出される放射光を重ね合わせることができるので、
輝度の高い放射光を発生することができる。
【0014】第2の発明及び第5の発明では、励磁量が
異なる隣合う偏向磁石の組を有する複数の偏向磁石を偏
向部に設けることによって、偏向磁石の励磁量を適切に
選択すれば、偏向部の軌道長をほとんど変えずに、偏向
磁石間に直線軌道部を設けることができる。この偏向磁
石間の直線軌道部に挿入光源を設けることによって、挿
入光源内で電子ビーム等に蛇行又は螺旋運動をさせ、蛇
行軌道の頂点又は螺旋軌道上から放出される放射光を重
ね合わせることができるので、小型蓄積リングの大きさ
を変えずに輝度の高い放射光を発生することができる。
【0015】第3の発明では、偏向半径が異なる隣合う
偏向磁石の組を有する複数の偏向磁石を偏向部に設ける
ことによって、偏向磁石の偏向半径を適切に選択すれ
ば、偏向部の軌道長をほとんど変えずに、偏向磁石間に
直線軌道部を設けることができる。従って、この偏向磁
石間の直線軌道部に挿入光源を設けることによって、小
型蓄積リングの大きさを変えずに輝度の高い放射光を発
生することができる。
【0016】第4の発明では、偏向角度が異なる隣合う
偏向磁石の組を有する複数の偏向磁石を偏向部に設ける
ことによって、偏向磁石の偏向角度を適切に選択すれ
ば、偏向部の軌道長をほとんど変えずに、偏向磁石間に
直線軌道部を設けることができる。従って、この偏向磁
石間の直線軌道部に挿入光源を設けることによって、小
型蓄積リングの大きさを変えずに輝度の高い放射光を発
生することができる。
【0017】第6の発明では、偏向部から放射される放
射光のうち、輝度が最大となるピーク波長より長波長域
の放射光を利用することによって、ミラー等の反射手段
を適切に選択すれば、広範囲な反射角に渡って放射光を
反射・集光できるので、輝度の高い放射光とすることが
できる。
【0018】第7の発明では、電子ビーム等の入射時に
挿入光源を動作させ、ビームのベータトロン振動の放射
減衰時間を短縮することによって、低エネルギーの電子
ビーム等を多数回蓄積リング内に入射できる。従って、
蓄積リング内の蓄積電流を増加させ、輝度の高い放射光
を発生することができる。
【0019】第8の発明では、励磁量が異なる隣合う偏
向磁石の組を有する複数の偏向磁石を偏向部に設けるこ
とにより、偏向磁石の励磁量を適切に選択すれば、偏向
部の軌道長をほとんど変えずに偏向磁石間に直線軌道部
を設けることができる。従って、この偏向磁石間の直線
軌道部に挿入光源を設けることにより小型蓄積リングの
大きさを変えずに輝度の高い放射光を発生することがで
き、この放射光を用いることにより高輝度の半導体露光
処理を行うことができる。
【0020】
【実施例】図1を用いて本発明の第1の実施例を説明す
る。図1は、電子ビームを用いたレーストラック型のシ
ンクロトロン放射光発生装置の概略図を示す。同図は、
電子ビームを加速・蓄積する蓄積リングと、蓄積リング
に電子ビーム12を入射させる前段加速器11からな
る。蓄積リングは、電子ビーム12の入射器13と、収
束又は発散用の4極磁石16と、エネルギー供給用の高
周波加速空胴17と、偏向用の偏向部とからなる。偏向
部は、主偏向磁石14と補助偏向磁石15とで構成さ
れ、主偏向磁石14の励磁量を補助偏向磁石15の励磁
量よりも大きくして、主偏向磁石14と補助偏向磁石1
5の間に作った直線軌道部に4ケの挿入光源18を配置
している。前段加速器11から出射した電子ビーム12
を入射器13により蓄積リング内に入射させた後、主偏
向磁石14,補助偏向磁石15,4極磁石16、及び高
周波加速空胴17をパターン運転することによって、所
望のエネルギーまで電子ビームをシンクロトロン加速
し、蓄積リング内に蓄積する。電子ビームを蓄積後、主
偏向磁石14と補助偏向磁石15の間の直線軌道部に設
置した挿入光源18を励磁することにより挿入光源内に
交番磁界を発生させる。この交番磁界で電子ビームを蛇
行又は螺旋運動させ、蛇行軌道の頂点又は螺旋軌道上か
ら放出される放射光を重ね合わせることにより、輝度の
高い放射光19を発生させることが可能となる。尚、挿
入光源として永久磁石を用い、その磁極幅を狭めること
により、上記放射光の重ね合わせを行うこともできる。
【0021】ここで、図1の構成を用いたときの輝度の
増加について説明する。前段加速器11としてレースト
ラックマイクロトロンを使用し、電子を20MeV程度
に加速して入射し、その後、蓄積リング内で1GeVま
で加速して蓄積する場合を考える。このとき、偏向磁石
の磁場Bは、 B=E/(0.3ρ) …(数1) B:偏向磁場(T) E:電子のエネルギー(GeV) ρ:偏向磁石の曲率半径(m) となる。また、挿入光源18から放出される放射光のピ
ーク波長λは、 λ=λ0(1+cK2)/2γ2 …(数2) λ :挿入光源から放出される放射光のピーク波長
(m) λ0 :挿入光源のピッチ(m) c :挿入光源の型で決まる定数 c=1/2 プレーナ型 c=1 ヘリカル型 K:挿入光源を特徴づける定数 K=93.4Bλ0 γ:相対論のガンマ(=電子のビームエネルギー/電子
の静止エネルギー) と表わすことができる。挿入光源としてはアンジュレー
タとウイグラーとがあり、挿入光源内での電子ビームの
振動回数が多いものをアンジュレータ、振動回数が少な
いものをウイグラーと呼んでいる。数2に示した定数K
を用いれば、K≦1なるものがアンジュレータ、1≪K
なるものがウイグラーである。アンジュレータとウイグ
ラーとでは振動回数の差により、輝度を高める効果に違
いが生じる。即ち、アンジュレータでは図3の33で示
すように、特定の波長の輝度を選択的に高めることがで
きる。これは、アンジュレータ内での振動回数が多いの
で、放射光の重ね合わせが十分に行われることにより、
波長が揃ってくるためである。これに対して、ウイグラ
ーでは図3の32で示すように、アンジュレータのよう
な波長選択性はなく、広い波長域に渡って輝度が高くな
る。特に、偏向磁石のスペクトル31に比べて、短波長
側の輝度を高くできることが特徴である。これは、ウイ
グラー内での振動回数が少ないので、放射光の重ね合わ
せが十分に行われないことによる。
【0022】以下、一例としてヘリカル型アンジュレー
タを用いて説明する。ヘリカル型アンジュレータを用い
た場合の放射光の輝度Pは、 P=6.5×101122 …(数3) P:挿入光源を用いた時の輝度 N:挿入光源の周期数 と表わすことができる。挿入光源を用いないときの放射
光の輝度P´は、 P´=2×10112 …(数4) であるから、挿入光源を用いた場合、従来の輝度を挿入
光源の周期数の2乗に比例して増加させることができ
る。
【0023】次に小型化について説明する。放射光の波
長を一例として約150Åとする。放射光の輝度をでき
るだけ落とさないようにするため電子のエネルギーをE
=1GeV一定として、従来装置と本発明を図2と図1
を用いて比較する。
【0024】まず、従来装置の大きさを見積もる。従来
装置で偏向磁石から放出される放射光のピーク波長λ´
は、 λ´=18.6/(E2B) …(数5) λ´:偏向磁石から放出される放射光のピーク波長
(Å) で与えられる。ピーク波長をλ´=150Åとするため
に必要な偏向磁石の磁場は数5より、B=0.12 Tと
なる。これに対応する偏向磁石の曲率半径は数1より、
ρ=27.8 mで、この偏向磁石を用いて図2のような
蓄積リングを構成すると蓄積リングの周長は最低でも約
170mと非常に大きくなる。そこで、輝度の低下を多
少認めても小型化することを優先させ、ピーク波長より
長波長域の放射光を利用することを考える。蓄積リング
を小型化するためには、偏向磁石の曲率半径ρを小さく
する必要がある。数1より曲率半径ρを小さくするため
には、偏向磁場Bを大きくする必要があり、これに伴
い、数5で表わされる放射光のピーク波長λ´は小さく
なる。いま、ピーク波長をλ´=10Åとすれば、図3
の31で示した放射光のスペクトル特性から、波長15
0Åにおける輝度はピーク波長における輝度P´の1/
3〜1/2程度に低下する。この輝度低下を認めれば、
数5より偏向磁場はB=1.9T となり、これと数1よ
り曲率半径はρ=1.8m となる。これにより、蓄積リ
ング周長を直線軌道部を含めて約17mと小さくでき
る。
【0025】一方、図1に示す本発明の場合、放射光の
ピーク波長λ=150Åを実現するための挿入光源は、
例えばピッチ5cm、周期数10,K=1.14(挿入光源
磁場=0.2T)、全長0.8mとなる。いま、従来装置
との比較のために補助偏向磁石15の磁場は従来と同じ
B=1.9T とする。この場合、主偏向磁石の磁場を4
Tとすると、主偏向磁石と補助偏向磁石の間に挿入光源
を設置するための直線軌道部を約1m作り出すことがで
きる。この蓄積リングの周長は約17mであり、ピーク
波長を10Åとした従来型のリングと同程度になる。ま
た、補助偏向磁石15の磁場を強くしたり、磁場に勾配
をつけたりする(弱収束型とする)ことにより、さらに
小型のシステムを構成することが可能となる。この場
合、挿入光源から放出される放射光の輝度は、数3,数
4より従来型の約325倍となり、約325倍の電流を
蓄積することと等価になる。以上のように、本実施例に
よれば、小型で、輝度の高い放射光を発生することがで
きる。
【0026】尚、上記実施例では、主偏向磁石14の励
磁量を補助偏向磁石15の励磁量よりも大きくしたもの
について説明したが、主偏向磁石14の曲率半径又は偏
向角度を、補助偏向磁石15の曲率半径又は偏向角度よ
りも大きくして、主偏向磁石14と補助偏向磁石15の
間に直線軌道部を作り、ここに挿入光源18を設置して
も同様の効果が得られる。また、上記実施例では、レー
ストラック型蓄積リングの例について説明したが、これ
以外の構造の蓄積リングにおいても同様の効果が得られ
る。
【0027】次に、図4を用いて本発明の第2の実施例
を説明する。本実施例の基本構成は図1と同じで、図1
の主偏向磁石14が2個の主偏向磁石141とその間に
設置した挿入光源18とに置き変わっている。その他の
構成は図1と同じなので、ここでは説明を省略する。図
1に示した第1の実施例において、補助偏向磁石15,
挿入光源18、及び主偏向磁石14により構成される偏
向部の電子軌道は、主偏向磁石14の中心線に対して対
称となっている。従って、主偏向磁石14をその中心線
で分割しても他の部分の電子軌道にはほとんど影響しな
い。主偏向磁石を中心線で2分割したものが図4に示す
第2の実施例である。2分割した主偏向磁石141の間
には直線軌道部が生じるので、ここにも挿入光源18を
設置することが可能となる。従って、2ケ所の偏向部を
本実施例のように構成することにより、蓄積リングの周
長をあまり変化させずに蓄積リングに6個の挿入光源を
設置できるので、小型の蓄積リングで、輝度の高い放射
光を発生できると共に、放射光の取り出し領域を拡大で
きる。これにより、発生させた放射光を同時に、複数の
用途に利用することができる。
【0028】次に、図5を用いて本発明の第3の実施例
を説明する。本実施例では、蓄積リングの外側に偏向磁
石から放出される放射光を集光するミラー51と、ミラ
ー51で集光した放射光を用いて半導体基板上に所望の
パターンを転写するパターン転写装置52とを設置して
いる。また、図1では蓄積リングの外側に配置していた
前段加速器11を蓄積リングの内側に配置した。本実施
例の蓄積リングの基本構成は図1と同じであるので、こ
こでは説明を省略する。放射光のうちピーク波長以外の
輝度は、図3の31で示したように低下するが、主偏向
磁石14又は補助偏向磁石15から放出される放射光の
うち、ピーク波長より長波長域の放射光をミラー51で
集光することにより、この輝度低下を改善することがで
きる。即ち、長波長域の放射光を用いることにより、広
範囲な反射角に渡ってミラーを用いて放射光を反射・集
光できるので、放射光の輝度を高くすることができる。
こうして、輝度を高めた長波長域の放射光をパターン転
写装置52に導くことにより、縮小露光処理などに利用
することができる。また、本実施例では偏向磁石から放
出される放射光を集光する例を示したが、挿入光源から
放出される放射光を集光することによって、複数の挿入
光源の放射光を重ね合わせて、より高輝度の放射光とす
ることもできる。更に、本実施例では前段加速器11を
蓄積リングの内側に配置することにより、装置全体を小
型にすると共に、放射光の取り出し領域を広範囲に拡大
できるので、発生させた放射光を同時に、複数の用途に
利用できる。
【0029】次に、低エネルギーの電子ビーム入射時の
運転方法について説明する。工業用途を目指した放射光
発生装置では、設置面積の小さいことは第一に要求され
ることである。そのためには、蓄積リング内で所望のエ
ネルギーまで電子を加速する機能を有することは必須で
あり、これに応じて入射エネルギーを低くすることがで
きる。入射直後、電子ビームは大きなベータトロン振動
を有している。この振幅は、電子ビームが偏向磁石を通
過するとき放射光を放出することにより次第に減衰して
ゆく。しかし、電子ビームのエネルギーが小さいときに
は放出される放射光の波長が長く、放射パワーも小さい
ためこの減衰時間は非常に長い(数分〜数十分)。従っ
て、入射を多数回繰り返すことはできない。放射光のピ
ーク波長は、数1,数5より、電子のエネルギーの3乗
に逆比例し、偏向磁石の曲率半径に比例する。そこで、
図1に示す構成の蓄積リングに電子ビームを入射したと
きに主偏向磁石と補助偏向磁石の間に設置した挿入光源
を励磁し入射電子を蛇行又は螺旋運動させて放射光の放
出を促進させることによって、放射減衰時間を短縮する
ことができる。放射減衰時間が短縮されると入射電子ビ
ームの空間的広がり(エミッタンス)を小さくでき、入
射電子ビームの損失を抑えることができる。さらに、低
エネルギー状態でも多数回の電子ビーム入射が可能とな
り、蓄積電流を大電流化できる。従って、輝度の高い放
射光を発生することができる。
【0030】尚、以上の実施例では電子ビームを用いた
例について説明したが、陽電子ビームを用いても同様の
効果は得られる。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、小型で、輝度の高い放
射光を発生できる円形加速器及び円形加速器の運転方
法、並びに高輝度の放射光を利用できる半導体露光装置
を提供することができる。また、放射光の取り出し領域
を拡大できるので、発生させた放射光を同時に、複数の
用途に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す概略図。
【図2】従来のシンクロトロン放射光発生装置を示す概
略図。
【図3】偏向磁石及び挿入光源から放出される放射光の
スペクトル特性を示す図。
【図4】本発明の第2の実施例を示す概略図。
【図5】本発明の第3の実施例を示す概略図。
【符号の説明】
11…前段加速器、12…電子ビーム、13…入射器、
14…主偏向磁石、15…補助偏向磁石、16…4極磁
石、17…高周波加速空胴、18…挿入光源、19…放
射光、31…偏向磁石から放出される放射光スペクト
ル、32…ウィグラーから放出される放射光スペクト
ル、33…アンジュレータから放出される放射光スペク
トル、51…ミラー、141…2分割した主偏向磁石。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子ビーム又は陽電子ビームを加速・蓄積
    する円形加速器において、前記電子ビーム又は陽電子ビ
    ームの偏向を行う偏向部に放射光を重ね合わせる手段を
    設けたことを特徴とする円形加速器。
  2. 【請求項2】電子ビーム又は陽電子ビームを加速・蓄積
    する円形加速器において、前記電子ビーム又は陽電子ビ
    ームの偏向を行う偏向部に複数の偏向磁石を設け、該偏
    向磁石は励磁量が異なる隣合う偏向磁石の組を有し、該
    偏向磁石の間に挿入光源を設けたことを特徴とする円形
    加速器。
  3. 【請求項3】電子ビーム又は陽電子ビームを加速・蓄積
    する円形加速器において、前記電子ビーム又は陽電子ビ
    ームの偏向を行う偏向部に複数の偏向磁石を設け、該偏
    向磁石は偏向半径が異なる隣合う偏向磁石の組を有し、
    該偏向磁石の間に挿入光源を設けたことを特徴とする円
    形加速器。
  4. 【請求項4】電子ビーム又は陽電子ビームを加速・蓄積
    する円形加速器において、前記電子ビーム又は陽電子ビ
    ームの偏向を行う偏向部に複数の偏向磁石を設け、該偏
    向磁石は偏向角度が異なる隣合う偏向磁石の組を有し、
    該偏向磁石の間に挿入光源を設けたことを特徴とする円
    形加速器。
  5. 【請求項5】電子ビーム又は陽電子ビームを加速・蓄積
    する円形加速器において、前記電子ビーム又は陽電子ビ
    ームの偏向を行う偏向部に複数の偏向磁石を設け、該偏
    向磁石は励磁量が異なる隣合う偏向磁石の組と、励磁量
    が等しい隣合う偏向磁石の組とを有し、該励磁量が等し
    い偏向磁石の間に挿入光源を設けたことを特徴とする円
    形加速器。
  6. 【請求項6】請求項2乃至請求項5の何れかに記載の円
    形加速器において、前記挿入光源として、プレーナ型又
    はヘリカル型のアンジュレータ、若しくは、プレーナ型
    又はヘリカル型のウィグラーを用いたことを特徴とする
    円形加速器。
  7. 【請求項7】電子ビーム又は陽電子ビームを加速・蓄積
    する円形加速器において、前記電子ビーム又は陽電子ビ
    ームの偏向を行う偏向部から放射される放射光のうち、
    輝度が最大となるピーク波長より長波長域の放射光を利
    用することを特徴とする円形加速器。
  8. 【請求項8】請求項7に記載の円形加速器において、前
    記ピーク波長より長波長域の放射光を反射・集光する手
    段を設けたことを特徴とする円形加速器。
  9. 【請求項9】請求項1乃至請求項8の何れかに記載の円
    形加速器において、前記電子ビーム又は陽電子ビームの
    前段加速器を蓄積リングの内側に設けたことを特徴とす
    る円形加速器。
  10. 【請求項10】請求項2乃至請求項6の何れかに記載の
    円形加速器の運転方法において、前記電子ビーム又は陽
    電子ビームの入射時に前記挿入光源を動作させることに
    より、ビームのベータトロン振動の放射減衰時間を短縮
    することを特徴とする円形加速器の運転方法。
  11. 【請求項11】放射光を用いて半導体の露光処理を行う
    半導体露光装置において、電子ビーム又は陽電子ビーム
    の偏向を行う偏向部に複数の偏向磁石を設け、該偏向磁
    石は励磁量が異なる隣合う偏向磁石の組を有し、該偏向
    磁石の間に挿入光源を設けた円形加速器と、前記偏向部
    から放射される放射光を反射又は集光する手段と、該手
    段で反射又は集光された放射光を用いて半導体基板上に
    所望のパターンを転写するパターン転写装置とで構成し
    たことを特徴とする半導体露光装置。
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