JPH0660846U - 画面サイズ切替え機構を有するカメラ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 画面サイズ切替え機構がカメラの小型化に支
障を来すことのない画面サイズ切替え機構を有するカメ
ラを提供すること。 【構成】 フィルムをガイドする上下のガイドレール、
この上下のガイドレールの間に形成された撮影開口、こ
の撮影開口の左右に位置するパトローネ室とスプール
室、及び上記撮影開口の一部を覆って小画面サイズを得
る画面サイズ切替え機構を有する画面サイズ切替え機構
を有するカメラにおいて、上記ガイドレール、撮影開
口、及び画面サイズ切替え機構を有する第一のボディ
と、上記パトローネ室とスプール室、及び上記撮影開口
と同等以上の大きさの開口を有する第二のボディとを設
け、上記第一のボディを、第二のボディの後面に固定し
た。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、撮影画面のサイズを切替え可能とした画面サイズ切替え機構を有す るカメラに関する。

【０００２】

【従来技術及びその問題点】

従来、フィルムが装填された状態でも、その撮影画面を少なくとも大小２つの サイズ間で切替えることが可能な画面サイズ切替え機構を有するカメラでは、こ の画面サイズ切替え機構を、撮影開口を構成するアパーチャ枠の前面（対物側） に設けるのが一般的である。

【０００３】 一方、特願昭56-68523号の『カメラ構造』に示されるような、カメラ本体を小 型化する目的でそのパトローネ室とスプール室を、撮影レンズ後方の空間におけ る結像光路に干渉しない空間に膨出形成したカメラが提案されている。このよう なカメラにおいては、そのアパーチャ枠の前面における空間が狭くなるので、従 来のように画面サイズ切替え機構を設けることが困難である。逆に言うと、画面 サイズ切替え機構をアパーチャ枠の前面に有するカメラでは、カメラの小型化の 目的でパトローネ室とスプール室を、撮影レンズ後方の空間の結像光路に干渉し ない空間に膨出形成させることが困難となっている。

【０００４】

【考案の目的】

本考案は、上述した従来の問題点に鑑みてなされたもので、画面サイズ切替え 機構がカメラの小型化に支障を来すことのない画面サイズ切替え機構を有するカ メラを提供することを目的とする。

【０００５】

【考案の概要】

本考案は、フィルムをガイドする上下のガイドレールと、この上下のガイドレ ールの間に形成された撮影開口と、この撮影開口の左右に位置するパトローネ室 及びスプール室と、上記撮影開口の一部を覆って小画面サイズを得る画面サイズ 切替え機構とを有する画面サイズ切替え機構を有するカメラにおいて、上記ガイ ドレール、撮影開口、及び画面サイズ切替え機構を有する第一のボディと、上記 パトローネ室とスプール室、及び上記撮影開口と同等以上の大きさの開口を有す る第二のボディとを設け、上記第一のボディを、第二のボディの後面に固定した ことを特徴としている。

【０００６】

【実施例】

以下図示実施例に基づいて本考案を説明する。図５は、本考案を適用した画面 サイズ切替え機構を有するカメラ１０を、その背面側から視た斜視図である。本 考案によるカメラ１０は、カメラ本体１１を有しており、このカメラ本体１１に は、第一のボディ３０及び第二のボディ７０が備わっている（図１、図２）。

【０００７】 第二のボディ７０は、パトローネ室１２を構成する湾曲状側壁１２ａ、スプー ル室１３を構成する湾曲状側壁１３ａ、及び連結平板部２１を一体に有しており 、カメラ本体１１の所定の位置に固定されている。連結平板部２１は、湾曲状側 壁１２ａと湾曲状側壁１３ａを連結する、上下一対の枠部２１ａと左右一対の枠 部２１ｂから構成され、その中央部に、第一のボディ３０が有する撮影開口１６ と同等以上の大きさの開口２２を有している。また湾曲状側壁１２ａと湾曲状側 壁１３ａはそれぞれ、撮影レンズ（図示せず）後方の結像光路に干渉しない空間 に、所定量膨出させて形成されている。

【０００８】 第一のボディ３０は、上記撮影開口１６を構成する、上下一対のアパーチャ枠 １４と左右一対のアパーチャ枠１５を備えた枠部材３１を有している。この枠部 材３１は、上下一対のアパーチャ枠１４それぞれの後面に位置させて、パトロー ネ室１２とスプール室１３に亘るように形成された、フィルムガイド用のガイド レール１４ａを有している。この枠部材３１はまた、その前面に、画面サイズ切 替え機構４０を有している。

【０００９】 第一のボディ３０は、第二のボディ７０が有する連結平板部２１の後面（フィ ルム面側）に、その撮影開口１６を開口２２に対応させた状態で、複数のビス２ ５によって固定されている。本考案は、この第一のボディ３０を、第二のボディ ７０の後面に固定したことを特徴としている。この構成によって、パトローネ室 １２とスプール室１３を結像光路に干渉しない空間に膨出形成することが容易と なり、したがってカメラ１０の横方向での幅を短縮できるため、カメラの小型化 が実現可能となる。

【００１０】 カメラ本体１１の後壁１７の一側には、フィルム押え板１８を備えた裏蓋１９ が開閉可能に設けられている。また後壁１７の上部中央には、ファインダ接眼窓 ２０が設けられており、このファインダ接眼窓２０の右側に位置する後壁１７に は、画面サイズ切替えスイッチ６０が設けられている。このスイッチ６０は、左 右のスライド操作により、撮影画面を大小２つのサイズ、例えば24mm×36mmの標 準サイズと13mm×36mmのパノラマサイズの何れかのサイズに切り替えるための操 作スイッチである。

【００１１】 以下、第一のボディ３０に設けられる画面サイズ切替え機構４０について述べ る。図１、図３及び図４に示すように、撮影開口１６と対応させて枠部材３１に 設けられる画面サイズ切替え機構４０は、Ｌ字形状に構成した一対の画面サイズ 規制プレート４２、４３を有している。該画面サイズ規制プレート４２は、互い に直交するガイド部４２ａと画面規制部４２ｂ、及び該ガイド部４２ａの裏面に 突出成形した操作部４２ｄを有しており、画面サイズ規制プレート４３は、互い に直交するガイド部４３ａと画面規制部４３ｂを有している。操作部４２ｄは、 カメラ本体１１の後壁１７に設けられた画面サイズ切替えスイッチ６０を図５の 矢印Ｂ方向へ動かすことにより図３の矢印Ａ方向に動くように連動されている。

【００１２】 ガイド部４２ａの外方に向いた側面には、係合切欠き４７ａ、４７ｂが、この ガイド部４２ａの長手方向に沿わせて形成されている。枠部材３１側には、該係 合切欠き４７ａ、４７ｂと対応させてクリックばね４５の一端部が固定されてお り、この係合切欠４７ａ、４７ｂ、及びクリックばね４５とでクリックストップ 機構４８が構成されている。

【００１３】 係合切欠き４７ａは、クリックばね４５の他端部の係止爪４５ｂを係合させた 状態において、一対の画面サイズ規制プレート４２、４３を図３の位置にそれぞ れ位置させて、画面サイズを通常の35mmサイズ（大画面）となす。また係合切欠 き４７ｂは、係止爪４５ｂを係合させた状態において、一対の画面サイズ規制プ レート４２、４３を図４の位置にそれぞれ位置させ、画面規制部４２ｂ、４３ｂ を撮影開口１６の上下にそれぞれ進出させて、画面サイズを、パノラマサイズ（ 小画面）として構成できるように、係合切欠き４７ａと所定距離をおいて形成さ れている。

【００１４】 画面サイズ規制プレート４２はそのガイド部４２ａに、その長手方向に沿わせ た直線ガイド溝４２ｃを有しており、この直線ガイド溝４２ｃに、枠部材３１側 に固定した二本の案内ピン４９ａ、４９ｂが嵌め込まれている。これにより、画 面サイズ規制プレート４２は、該案内ピン４９ａ、４９ｂと直線ガイド溝４２ｃ の嵌合関係によって、直線ガイド溝４２ｃの有効長の範囲で、撮影開口１６の図 ３の矢印Ａ方向に移動可能にガイドされている。案内ピン４９ａ、４９ｂと直線 ガイド溝４２ｃの嵌合クリアランスは、画面サイズ規制プレート４２に傾きが生 じないように、厳密に設定されている。

【００１５】 一対の画面サイズ規制プレート４２、４３は、図３に示す撮影開口１６の縦方 向の中心線Ｂ−Ｂと横方向の中心線Ｃ−Ｃの交点Ｄに関して略点対称となるよう にそれぞれ配置されており、上記撮影開口１６と対応させた矩形開口を構成して いる。

【００１６】 画面サイズ規制プレート４３はそのガイド部４３ａに、その長手方向に沿わせ た直線ガイド溝４３ｃを有しており、この直線ガイド溝４３ｃに、枠部材３１側 に固定した二本の案内ピン５０ａ、５０ｂが嵌め込まれている。これにより、画 面サイズ規制プレート４３は、該案内ピン５０ａ、５０ｂと直線ガイド溝４３ｃ の嵌合関係によって、直線ガイド溝４３ｃの有効長の範囲で、撮影開口１６の図 ３の矢印Ａ方向に移動可能にガイドされている。案内ピン５０ａ、５０ｂと直線 ガイド溝４３ｃの嵌合クリアランスは、画面サイズ規制プレート４２の場合と同 様、画面サイズ規制プレート４３に傾きが生じないように、厳密に設定されてい る。

【００１７】 また画面サイズ規制プレート４２は、ガイド部４２ａと画面規制部４２ｂの交 点部分に支持ピン５１を有し、画面サイズ規制プレート４３は、ガイド部４３ａ の下端部に支持ピン５５を有している。該支持ピン５１と５５には、連動バー５ ２の一端部の長孔５２ａと他端部の長孔５２ｂがそれぞれに嵌められている。連 動バー５２はまた、枠部材３１側に固定した回動支持ピン５３により回動自在に 構成されている。従って、画面サイズ規制プレート４２を図３の状態から同図の 上方向に移動させることにより、連動バー５２を回動支持ピン５５を中心に反時 計回りに回動させて、画面サイズ規制プレート４３を同図の下方向に移動させる ことができ、また画面サイズ規制プレート４２を同図の下方向に移動させること により、連動バー５２を時計回りに回動させて、画面サイズ規制プレート４３を 同図の上方向に移動させることができる。また回動支持ピン５３は連動バー５２ の中央部分に精確に位置させて設けられているため、画面サイズ規制プレート４ ２の上下移動を、画面サイズ規制プレート４３に、中心線Ｂ−Ｂに関する反対方 向への同じ上下移動量として伝えることができる。

【００１８】 画面サイズ切替え機構４０は、この状態において次のように作動させることが できる。先ず、画面サイズを通常の35mmフルサイズとして撮影する場合は、操作 部４２ｄに連動する画面サイズ切替えスイッチ６０を指で操作して、画面サイズ 規制プレート４２を、その係合切欠き４７ａに係止爪４５ｂが係合するまで上下 方向に移動させる。

【００１９】 すると、画面サイズ規制プレート４２の上下移動が支持ピン５１を介して連動 バー５２に回転運動として伝えられ、この連動バー５２が回動支持ピン５３を中 心として図３の時計回りに回動する。そして、連動バー５２の回動力が支持ピン ５５を介して画面サイズ規制プレート４３に上下方向の直進運動として伝達され るため、この画面サイズ規制プレート４３は、中心線Ｂ−Ｂに関して画面サイズ 規制プレート４２と反対方向に、この画面サイズ規制プレート４２の移動量と同 じ量だけ移動される。これにより、画面規制部４２ｂ、４３ｂそれぞれの内側エ ッジと撮影開口１６の左右端部により、画面サイズは、図３に示すように、通常 の35mmフルサイズとなる。

【００２０】 パノラマサイズとして撮影する場合は、画面サイズ切替えスイッチ６０の操作 により、画面サイズ規制プレート４２を、上記35mmフルサイズのときより上方に 移動させ、その係合切欠き４７ｂに係止爪４５ｂを係合させる。このとき、画面 サイズ規制プレート４２の上方移動により、連動バー５２が回動支持ピン５３を 中心に図３の反時計回りに回動され、これにより画面サイズ規制プレート４３が 、中心線Ｂ−Ｂに関して画面サイズ規制プレート４２と反対方向（同図下方）に 、該画面サイズ規制プレート４２の移動量と同じ量だけ移動する。これにより、 画面規制部４２ｂ、４３ｂそれぞれの内側エッジと撮影開口１６の左右端部によ り、画面サイズは、図４に示すように、パノラマサイズとなる。

【００２１】 なお、上記実施例では画面サイズ切替え機構を、画面サイズ切替え機構４０に 関して説明したが、本考案はこれに限定されず、画面サイズ切替え機構４０とは 異なる構造を呈する画面サイズ切替え機構が第一のボディ３０に設けられていて もよい。

【００２２】

【考案の効果】

以上のように本考案によると、ガイドレール、撮影開口、及び画面サイズ切替 え機構を有する第一のボディと、パトローネ室とスプール室、及び撮影開口と同 等以上の大きさの開口を有する第二のボディとを設け、第一ボディを、第二ボデ ィの後面に固定する構成としたので、カメラの小型化の目的で、例えばパトロー ネ室とスプール室を撮影レンズ後方の空間における結像光路に干渉しない空間に 膨出形成することが容易となり、よって画面サイズ切替え機構がカメラの小型化 に支障を来すことのない画面サイズ切替え機構を有するカメラを提供することが 可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案を適用したカメラの第一のボディ及びこ
の第一のボディを固定すべき第二のボディを示す斜視図
である。

【図２】同第一のボディと第二のボディを別の角度から
視た斜視図である。

【図３】画面サイズ切替え機構を示す、大画面サイズに
切替えた状態での斜視図である。

【図４】同画面サイズ切替え機構を示す、小画面サイズ
に切替えた状態での斜視図である。

【図５】本考案を適用したカメラの、背面側から視た斜
視外観図である。

【符号の説明】

１０ カメラ １１ カメラ本体 １２ パトローネ室 １２ａ 湾曲状側壁 １３ スプール室 １３ａ 湾曲状側壁 １４、１５ アパーチャ枠 １４ａ ガイドレール １６ 撮影開口 ２１ 連結平板部 ２５ ビス ３０ 第一のボディ ３１ 枠部材 ４０ 画面サイズ切替え機構 ７０ 第二のボディ

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 フィルムをガイドする上下のガイドレー
   ル；この上下のガイドレールの間に形成された撮影開
   口；この撮影開口の左右に位置するパトローネ室とスプ
   ール室；及び上記撮影開口の一部を覆って小画面サイズ
   を得る画面サイズ切替え機構；を有する画面サイズ切替
   え機構を有するカメラにおいて、 上記ガイドレール、撮影開口、及び画面サイズ切替え機
   構を有する第一のボディと；上記パトローネ室とスプー
   ル室、及び上記撮影開口と同等以上の大きさの開口を有
   する第二のボディと；を設け、 上記第一のボディを、第二のボディの後面に固定したこ
   とを特徴とする画面サイズ切替え機構を有するカメラ。
2. 【請求項２】 請求項１において、第一のボディは、撮
   影開口を形成する枠部材を有しており、画面サイズ切替
   え機構はこの枠部材の前面に設けられている、画面サイ
   ズ切替え機構を有するカメラ。
3. 【請求項３】 請求項２において、枠部材は、その後面
   にガイドレールが形成されている画面サイズ切替え機構
   を有するカメラ。