JPH0660450A - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

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JPH0660450A
JPH0660450A JP20920592A JP20920592A JPH0660450A JP H0660450 A JPH0660450 A JP H0660450A JP 20920592 A JP20920592 A JP 20920592A JP 20920592 A JP20920592 A JP 20920592A JP H0660450 A JPH0660450 A JP H0660450A
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JP
Japan
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recording
layer
magnetic
magnetic field
magneto
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JP20920592A
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English (en)
Inventor
Takeo Kawase
健夫 川瀬
Atsushi Takakuwa
敦司 高桑
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来よりも小さな変調磁界で充分な記録が行
なえる磁界変調法用の光磁気記録媒体を提供する。 【構成】 透明基板11上に第1誘電体層12を形成し、こ
の第1誘電体層12の表面をプラズマエッチングで平坦化
し、この平坦化された表面上に厚さが19nm以下の記録層
13を形成した構造。あるいは、この平坦化された表面上
に厚さが19nm以下の複数の記録層13a,13bを非磁性層51
を介して積層させた構造。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録方法として磁界変
調法を用いる光磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】光磁気記録媒体の記録方法には、大別し
て、光変調法と磁界変調法とがある。磁界変調法は、オ
ーバーライトが容易で、エッジ記録に適する。しかし、
磁界変調法には磁気ヘッドが必要で、高速に磁界をスイ
ッチングするためには、ヘッドのインダクタンスを小さ
くして、大きな電流をスイッチングする必要がある。ま
た、磁気ヘッドを記録媒体の記録層に極力接近させて、
記録層に作用する磁界をできるだけ大きくするために、
特開昭63−217548号に記載されているように、
浮上型磁気ヘッドを用いる事が実用上有利である。
【0003】しかし、いずれにせよ、記録層に作用する
磁界ができるだけ小さくてすむように、磁界変調法用の
光磁気記録媒体は低磁界で記録できることが望ましい。
そのために、「第11回日本応用磁気学会学術講演概要
集」第268頁にあるように、Nd等の第4元素を添加し
て低磁界での特性向上を図ったり、特開昭62−128
040号に述べられているように、組成の異なる磁性層
を交換結合させて、浮遊磁界を小さくして外部磁界への
応答性を良くしたり、あるいは、特開昭61−1887
58号に見られるように、垂直磁化膜と面内磁化膜とを
積層させて、垂直磁化膜に効率的に磁束を集めて、変調
用磁界を小さくする等の工夫がなされていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実際に
は、これら従来技術では、変調磁界を±100 Oe以下にす
ることは困難であり、また、第4元素の添加や面内磁化
膜との積層が再生信号特性を劣化させることがあった。
そこで、本発明者は本発明に先だって、下地層を平坦化
した後、記録層を形成する光磁気録媒体の製造方法によ
って変調磁界の低減が可能であることを見いだし出願し
ている。また、記録層の形成の途中で平坦化の過程を有
する光磁気録媒体の製造方法も同様の効果を有するもの
として出願している。しかしながら、実際には、下地層
を平坦化しただけでは十分な効果が得られないことがあ
った。
【0005】従って、本発明の目的は、従来よりも小さ
な変調磁界で十分な記録が行なえる磁界変調用の光磁気
記録媒体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、磁界変調法に
より情報が記録できる記録層を有する光磁気記録媒体に
おいて、平坦化された下地層と、下地層上に形成された
19nm以下の厚さの記録層とを有することを特徴とする光
磁気記録媒体を提供する。
【0007】また、本発明は、平坦化された下地層と、
下地層上に19nm以下の厚さの記録層と、非磁性層とを交
互に積層させたことを特徴とする光磁気記録媒体を提供
する。
【0008】
【作用】本発明の方法によれば、平坦化された表面上に
記録層が形成されるため、記録層のもつ磁気特性のゆら
ぎが減少し、結果として、記録層の磁界感度が向上す
る。また、記録層の膜厚を制限することによって磁区形
成過程における磁壁エネルギーの寄与の割合を実質的に
低減して、磁壁の不必要な動きを抑制した結果、磁界変
調法で記録した際のノイズの上昇をおさえた。
【0009】
【実施例】図1は、本発明の磁界変調により記録が行な
える光磁気記録媒体の断面構造を示す。この構造自身
は、一般的な4層構造と呼ばれるもので、透明基板11の
表面に、第1誘電体層12、記録層13、第2誘電体層14及
び反射層10が順に積層されている。ここで、各層の材料
の一例を示せば、透明基板11はポリカーボネート(PC)基
板であり、第1誘電体層12、第2誘電体層14はSiN層で
あり、記録層13はNdDyTbFeCo層であり、反射層15はAl層
である。また、これ以外の材料のバリエーションも多く
知られている。例えば記録層13に関しては、TbFe、DyF
e、GdTbFe、GdDyTbFe、TbFeCo、NdDyFeCoなど種々の希
土類−遷移金属合金が知られている。
【0010】この様な4層構造の媒体を製造するには、
透明基板11上に、第1誘電体層12、記録層13、第2誘電
体層14及び反射層15を順にスパッタリング法などの薄膜
形成法により積層させていけばよい。ここで、本発明の
光磁気記録媒体の第一の特徴は記録層13にとっては下地
層となる第1誘電体層12の表面が記録層13の形成に先だ
って平坦化される点である。数十nmの第1誘電体層を形
成すると、表面には微細な凹凸が形成されることが原子
間力顕微鏡で確認されている。このときの第1誘電体層
12の材料としては例えば、SiNで、スパッタリング法の
条件は、例えば、スパッタガスがAr80%+N2 20%で圧力が
1mTorr、投入パワーがRF200Wである。ターゲットとして
はSiNの焼結ターゲットを用いる。この表面上の微細な
凹凸を平坦化するための最も簡単な方法としては、RFプ
ラズマエッチング法を用いて第1誘電体12の表面を再ス
パッタする方法である。このときのRFプラズマエッチン
グの条件は、例えば、エッチングガスがAr、圧力が1.5m
Torr、投入パワーがRF60Wである。こうして、平坦化さ
れた第1誘電体12上に記録層13が形成されるが、従来の
光磁気記録媒体においては記録層12の膜厚には20nm以上
の値が選ばれることが多い。しかし、本発明の光磁気記
録媒体では、記録層12は再生特性が大きく劣化しないか
ぎり可能な限り膜厚を薄くすることが望ましく、これが
第二の特徴である。ここでは、直流スパッタリング法に
よりNdDyTbFeCo層(記録層)13を形成する。このときの
条件は、例えば、スパッタガスがAr、圧力が1.5mTorr、
ターゲットがNd 6.0%+Dy 18%+Tb 6.1%+Fe 55.9%+Co 14%
の鋳造タイプ、スパッタリングの電流が0.3Aである。
【0011】以上のような条件で第1誘電体層12、記録
層13、第2誘電体層14及び反射層15の膜厚をそれぞれ40
nm、13nm、30nm、60nmとして作製した本発明の光磁気記
録媒体の変調磁界の大きさを変化させたときのノイズレ
ベルの変化を図2に示す。図2には比較例として、膜厚
の構成は上記のものと同じで、第1誘電体層12を平坦化
する工程を省略して作製した従来の光磁気記録媒体の測
定結果も示した。記録は線速1.4m/s、記録周波数720kH
z、記録パワー4.5mWで行なった。この結果から、この構
成で、第1誘電体層12を平坦化すると、±80 Oe程度の
変調磁界でノイズが十分抑圧されていることが分かる。
これに対して、平坦化しない媒体ではノイズの完全な抑
圧に±150 Oe程度を要している。
【0012】また、もう一つの比較例として、第1誘電
体層12、記録層13、第2誘電体層14及び反射層15の膜厚
をそれぞれ60nm、22nm、18nm、60nmとして作製した光磁
気記録媒体の変調磁界の大きさを変化させたときのノイ
ズレベルの変化を図3に示す。この比較例では、第1誘
電体層12を平坦化する工程を行なったものと、省略した
ものとを記載した。図3の比較例でも、第1誘電体層12
を平坦化したほうが、平坦化しないものと比較してノイ
ズを抑圧するために必要な変調磁界が小さくて済む。し
かしながら、平坦化したものでは、ノイズレベルが平均
的に上昇しており、特に±50 Oe程度の低磁界ではノイ
ズの上昇が著しい。この様なノイズの上昇のため、第1
誘電体層12を平坦化しても、低磁界でのSN比はあまり向
上しない。この図3の比較例と、図2の本発明の実施例
とを比較すると、記録層13の膜厚を薄くした構成では、
第1誘電体層12を平坦化してもノイズは上昇しないで、
平坦化の効果、つまり、より低磁界でノイズを抑圧する
効果が有効に働いているのが分かる。
【0013】図4は記録層13の膜厚を変化させて、第1
誘電体層12を平坦化しないときと、平坦化したときと
の、ノイズレベルの増大を測定したものである。記録は
線速1.4m/s、記録周波数720kHz、変調磁界の大きさ±50
Oe、記録パワー4.5mWで行なった。この結果をみると、
記録層13の膜厚20nm以上でノイズの上昇が大きいことが
分かる。
【0014】これらの効果が生じる理由は現時点では明
確ではないが、次のように推察される。
【0015】前述したように、SiN等の誘電体を数十nm
の厚さだけ成膜すると、表面には微細な凹凸が形成され
る。その高さや周期は誘電体の成膜条件に依存するが、
多くの場合数nm程度の非常に微細な凹凸である。この表
面上に記録層の磁性膜を形成すると微細な凹凸を反映し
た微細構造を有する磁性膜が成長する。この微細構造は
磁気特性にも影響を与え、なかでも、もっとも顕著な影
響は垂直磁気異方性のゆらぎだと考えられる。つまり、
微視的に見た場合、場所ごとに垂直磁気異方性の値に変
動が生じると考えられる。さらに、磁壁エネルギーは垂
直磁気異方性エネルギーの2分の1乗に比例するので、
垂直磁気異方性エネルギーのゆらぎは磁壁エネルギーの
ゆらぎに反映される。
【0016】つまり、誘電体に対してRFプラズマエッチ
ングなどの手法で、その表面を平坦化した上に磁性膜を
形成した場合では、磁壁エネルギーのゆらぎが小さく、
平坦化しないで磁性膜を形成した場合では、磁壁エネル
ギーのゆらぎが大きくなると推定される。
【0017】熱磁気的な記録によって記録磁区を形成す
る場合、磁区の核生成の段階から、磁区の成長を経て、
目的とする記録磁区を形成することになるので、磁壁の
移動を伴う過程である。つまり、磁壁エネルギーのゆら
ぎが大きいと、磁壁が移動するためには、ポテンシャル
の山を越える必要があるので、磁壁を移動させるにはよ
り大きな磁界を必要とすることになる。その一方で、磁
壁エネルギーのゆらぎが大きいと磁区の核生成の過程
は、磁壁エネルギーの小さいポイントから起こりやすく
なる。その結果、磁壁エネルギーのゆらぎが大きい磁性
膜に対して、比較的小さな磁界で記録を行なった場合、
記録磁区は微小磁区の集まりとして形成される。この微
小磁区の集まりを単一の磁区にするためには磁壁を充分
移動させるだけの比較的大きな磁界を印加する必要があ
ることになる。
【0018】これに対して磁壁エネルギーのゆらぎが小
さい磁性膜の磁場に対する感度が向上する現象は以上の
説明より明らかである。つまり、ポテンシャルの山が低
いので磁壁の移動が円滑に行なわれるため、比較的弱い
磁界でも目的の記録磁区を形成することが可能になる。
【0019】以上は、誘電体の平坦化の効果について説
明したものである。しかし、実用上、磁界に対する応答
に優れた光磁気記録媒体を得るためには、もうひとつの
別の因子を考慮する必要がある。それは、磁壁エネルギ
ーの大きさである。誘電体への平坦化を行なったとき、
平均的な垂直磁気異方性エネルギーを測定すると、平坦
化しない場合に比べて1.2から2倍に上昇する。それに
応じて平均的な磁壁エネルギーも上昇するが、これは大
幅な変化だとはいえない。しかしながら、平坦化しない
場合には磁壁エネルギーのゆらぎが大きく、磁壁は磁壁
エネルギーの小さいポイントに形成され易い訳で、この
場合実際に磁壁を形成したときの磁壁エネルギーと、平
均的な磁壁エネルギー(つまり、垂直磁気異方性エネル
ギーから算定したもの)とを比較すると後者の方がはる
かに大きい。それに対して、誘電体への平坦化をおこな
った磁性膜では磁壁エネルギーのゆらぎが小さいので、
実際に磁壁を形成したときの磁壁エネルギーと、平均的
な磁壁エネルギーとは比較的接近している。つまり実際
に磁壁を形成したときの磁壁エネルギーは、誘電体を平
坦化しない場合と、平坦化する場合とで大きな差が生
じ、後者の方が20倍以上大きい。この現象は媒体の温度
を上昇させてキュリー温度からいくらか低い温度にする
とメイズ磁区を観察することができるが、このメイズ磁
区の磁区幅が、(D*σ)1/2/Msに比例することから検証が
可能である。ここで、Dは磁性膜の膜厚、σは磁壁エネ
ルギー、Msは磁化の大きさである。つまり、平坦化を行
なうと磁区幅は5倍以上に広がり、これはほとんどが磁
壁エネルギーσの寄与であると考えられる。
【0020】磁区形成においては、静磁エネルギーと磁
壁エネルギーとのバランスの上に成り立っている。外部
から磁場を加え目的とする記録磁区を形成するには、静
磁エネルギーが駆動力となっている。しかし、磁壁エネ
ルギーが大きくなると、磁区形成過程での磁壁エネルギ
ーの寄与が大きくなってきて、目的とする記録磁区の形
成の妨げとなりうる。例えば、磁界変調法で形成される
磁区は媒体の加熱部の温度分布により矢羽根型をしてい
るが、この矢羽根型の磁区形状は曲率半径が小さい箇所
があって、磁壁エネルギーを上昇させる形状だと言え
る。磁壁エネルギーの寄与が大きくなっていくと記録磁
区の形状は温度分布から予想される形状からは外れてき
て、曲率半径のより大きい曲線から構成される磁区形状
へと変化する。この磁区形状は必ずしも一定とはならな
いので、磁区形状のバラツキが大きくなり、ノイズの上
昇の原因となってしまう。
【0021】ここで、磁壁エネルギーの寄与分を示す指
標として先の磁区の幅に比例する量、(D*σ)1/2/Ms、が
適切であると考えている。そうすると、誘電体の平滑化
によってこの値が大きくなり過ぎたので、この値を小さ
くする工夫をすればよいことになる。この値のなかでも
っとも簡単に操作ができるパラメータは膜厚Dである。
本発明はこの様な観点から記録層13(磁性層)の膜厚を
できるだけ薄い領域に指定したものである。
【0022】また、記録層13(磁性層)の膜厚を薄くす
ることに伴って、磁壁エネルギーσも同様に小さくなっ
ていくことが確認されている。この原因は明確ではない
が、超薄膜化によって薄膜体積に対する界面の割合が増
して、界面の影響を受けた磁性膜原子の再配列、あるい
は、界面付近の境界領域的な磁気特性の特異性が影響力
を増していることが推測される。
【0023】以上が本発明に起因する効果について説明
したものである。
【0024】本発明の別の実施例の光磁気記録媒体の断
面構造を図5に示す。この構造は記録膜13を単独の磁性
膜で構成するのではなく、複数の記録層13a,13bとその
間に非磁性層51を配置したものである。
【0025】図5に示す構成の製造方法は、第1誘電体
層12の形成、第1誘電体層12の表面上の平滑化、記録層
13aの形成、非磁性層51の形成、記録層13bの形成、第2
誘電体層14の形成、反射層15の形成を順に行なった。第
1誘電体層12、第2誘電体層14の材料としては例えば、
SiNで、スパッタリング法の条件は、例えば、スパッタ
ガスがAr80%+N2 20%で圧力が1mTorr、投入パワーがRF20
0Wである。ターゲットとしてはSiNの焼結ターゲットを
用いる。この表面上の微細な凹凸を平坦化するための最
も簡単な方法としては、RFプラズマエッチング法を用い
て第1誘電体12の表面を再スパッタする方法である。こ
のときのRFプラズマエッチングの条件は、例えば、エッ
チングガスがAr、圧力が1.5mTorr、投入パワーがRF60W
である。こうして、平坦化された第1誘電体層12上に記
録層13が形成される。ここでは、直流スパッタリング法
によりNdDyTbFeCo層(記録層)13を形成する。このとき
の条件は、例えば、スパッタガスがAr、圧力が1.5mTor
r、ターゲットがNd 6.0%+Dy18%+Tb 6.1%+Fe 55.9%+Co 1
4%の鋳造タイプ、スパッタリングの電流が0.3Aである。
各記録層13a,13bの厚さを12nmとして、非磁性層51と
してSiNを3nm形成して、低磁界記録でのノイズレベルを
測定したところ、単層の20nm以上の記録層13を用いたと
きのようなノイズ上昇は発生せず、良好に記録が可能で
あった。各記録層13a,13bの膜厚を変化させてノイズ上
昇について測定した。記録は線速1.4m/s、記録周波数72
0kHz、変調磁界の大きさ±50 Oe、記録パワー4.5mWで行
なった。その結果は図4に示した第1の実施例の場合と
殆ど同じであった。つまり、各記録層13a,13bの厚さを2
0nm以上にしたときノイズの上昇が著しかった。
【0026】この現象の理由は、記録層13a,13bの膜厚
を薄くすることで、これらの磁性膜のキュリー温度付近
での磁壁エネルギーを低下させ、磁区形成に際しての磁
壁エネルギーの寄与を小さくすることができたので、ノ
イズの低減につながったのだと考えられる。
【0027】この構成によって、記録層13a,13bの膜厚
を合わせた総記録層膜厚を大きくすることが可能であ
る。総記録層膜厚が限定されないのは、高いSN比を得る
ために最適化を行なえる点で有利である。また、光磁気
記録媒体の反射率、位相差の設計の自由度を増すことが
できる点で有利である。
【0028】ここでは、複数の記録層として13a,13bの
2つの層を取り上げているが、層の数を限定するもので
はない。記録層として3層以上を用いても、各層の厚さ
を19nm以下に設定することによってノイズの上昇を抑圧
することができる。また、非磁性層51の材料としてはSi
Nに限定する必然性は何らなく、複数の記録層同士の交
換結合を遮断することができる材料であれば何でもよ
い。非磁性層51の膜厚も特に限定される必要はなく、再
生に際してより高いSN比を得られるための光学設計に基
づいて決定されればよい。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
光磁気記録媒体の記録層が形成される下地面を平坦化し
て、その上に厚さが19nm以下の記録層を形成した、また
は、19nm以下の記録層と非磁性層とを交互に積層させた
ので、記録層の磁気特性のゆらぎが減少し、かつ、磁区
形成に際しての磁壁エネルギーの寄与を小さくなり、そ
の結果、製造された光磁気記録媒体の磁界変調記録にお
ける磁界感度は極めて良好になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光磁気記録媒体を示す断面図。
【図2】 第1の実施例に基づいた光磁気記録媒体と比
較例の光磁気記録媒体との磁界感度を示す図。
【図3】 比較例の光磁気記録媒体の磁界感度を示す
図。
【図4】 記録層13の膜厚を変化させたときのノイズの
上昇を測定した特性図。
【図5】 本発明の第2の実施例の光磁気記録媒体を示
す断面図。
【符号の説明】
11 透明基板 12 第1誘電体層 13、13a、13b 記録層 14 第2誘電体層 15 反射層 51 非磁性層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁界変調法により情報が記録できる記録層
    を有する光磁気記録媒体において、 平坦化された下地層と、 前記下地層上に形成された19nm以下の厚さの前記記録層
    とを有することを特徴とする光磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】磁界変調法により情報が記録できる記録層
    を有する光磁気記録媒体において、 平坦化された下地層と、 前記下地層上に19nm以下の厚さの前記記録層と、非磁性
    層とを交互に積層させたことを特徴とする光磁気記録媒
    体。
JP20920592A 1992-08-05 1992-08-05 光磁気記録媒体 Pending JPH0660450A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5764621A (en) * 1994-10-31 1998-06-09 Daewoo Electronics Co., Ltd. Optical disc with a plurality of recording layers

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5764621A (en) * 1994-10-31 1998-06-09 Daewoo Electronics Co., Ltd. Optical disc with a plurality of recording layers

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