JP3168475B2 - 光磁気記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

光磁気記録媒体およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光磁気記録媒体及びそ
の製造方法に関する。さらに、詳しくは記録再生特性の
向上した光磁気記録媒体及びその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】光を用いた記録媒体の中でも書き込み消
去のできる書き換え可能型として従来知られるものとし
て、相変化型、フォトクロミック型、光磁気型等があ
る。これらの書き換え可能型の中でも、光磁気型が書き
込み速度や繰返し耐性に優れている特徴がある。光磁気
記録媒体の記録膜には、作成が比較的容易で保磁力が大
きい希土類−遷移金属合金膜が用いられることが多い。
【0003】光磁気記録は、記録媒体への光照射により
記録膜を加熱し外部磁界を印加して磁化方向を決定し信
号を記録再生する方式である。ここで用いられる外部磁
界は、通常記録媒体にではなく装置に設置されるが、外
部磁界の強度の大小は媒体の記録再生特性に大きな影響
を与える。
【0004】また、一旦記録した信号は安定に保持され
ることが必要であるが、再生時に磁界を印加し再生光を
連続して照射すると信号が劣化するという問題があっ
た。
【0005】上記したように、外部磁界が弱い領域で
は、キャリアレベルが低下し、ノイズレベルが上昇する
という問題がある。また、同様に、外部磁界の強い領域
でもキャリアレベルが低下しノイズレベルが上昇すると
いう問題がある。
【0006】上記問題点の改善のため、従来、次のよう
な検討が行われてきた。その一つは、希土類−遷移金属
アモルファス合金組成の記録膜の組成についての検討で
ある。この記録膜は、室温において希土類金属と遷移金
属の磁化のバランスがとれる補償組成と、この補償組成
を境界にして希土類金属の磁化の優勢な層(RE層と略
称)と遷移金属優勢な層(TM層と略称)の三種に分け
られる。
【0007】このTM層は、カ−回転角が大きく、キャ
リアレベルが大きく採れるという利点がある一方、記録
温度近傍で磁化が大きく、保磁力が小さいため記録方向
に磁区が形成されやすい。このことは、小さい外部磁界
で記録され易いという利点にはなるものの、過剰の外部
磁界を印加した場合には、磁区が大きくなり易いという
欠点に繋がる。換言すると、磁区の大きさを外部磁界が
左右する度合いが大きいといえる。また、記録時に磁化
が大きいため、磁区内部での反転磁区の形成、磁区の外
周部の乱れなどにより外部磁界の低い領域や高い領域で
はノイズが発生しやすくなる。
【0008】一般に、補償組成の記録層の持つ特徴とし
て、記録温度近傍で磁化が小さく保磁力が大きいため、
上記したTM層の場合とは逆で、外部磁界への磁区の大
きさの依存性が小さいという特徴がある。しかし、磁化
が小さいため外部磁界への応答性が悪く、カ−回転角が
小さいため信号強度が小さいという欠点がある。
【0009】RE層は、記録温度近傍で保磁力、磁化が
ともに小さく、外部磁界強度に対する磁区の依存性は小
さい。しかし、磁化が小さいため外部磁界への感度は小
さい。また、カ−回転角が小さいため信号強度が低下す
るなど、RE層の膜は、記録再生特性の点で劣る点が多
い。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従
来の記録膜を構成する三種の層組成ともに、記録再生特
性に短所、長所を有し、単層膜での特性向上には限界が
あった。
【0011】再生時に外部磁界を印加して連続再生した
場合の信号劣化に対しては、従来は保磁力を大きくする
ことのみで対応がなされてきたが、保磁力を大きくする
には組成を補償組成近傍に設定することとなり、従っ
て、カ−回転角が低下しC/Nが大きくとれないという
問題点を有していた。
【0012】本発明は、上記した単層膜の限界を克服
し、記録層の保磁力以外に磁壁保磁力を制御し、記録再
生特性、特に外部磁界強度の低い領域から高い領域ま
で、高いC/Nが得られ、さらに、再生時に強い外部磁
界で強い再生パワ−で再生しても記録信号の劣化のない
記録媒体を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の光磁気記録媒体
は、記録層をある条件の複数の磁性膜から構成したこ
と、即ち、基板上に磁壁保磁力の異なる複数層からなる
磁性膜を形成して構成したことを特徴とするものであ
る。次に本発明をさらに詳細に説明する。
【0014】本発明の光磁気記録媒体を構成する磁性膜
は、好ましくは磁化が遷移金属優勢な膜で、TbFeC
o、DyFeCo、GdFeCo、DyGdFeCoな
どの材料で構成される。尚、これらの組成割合は後述す
る本発明の条件を満足すれば特に制限されるものではな
い。
【0015】前記したように本発明の光磁気記録媒体を
構成する磁性膜は、磁壁保磁力の異なる複数層からなる
ことが特徴であるが、二層の磁性膜から構成される場
合、磁性膜の一方の磁壁保磁力が7kOe以上又は2k
Oe以下であるか、磁性膜の二層として磁壁保磁力が7
kOe以上のものと2kOe以下のものとで構成される
ことが好ましい。
【0016】磁性膜の一方の磁壁保磁力が7kOe以上
であると記録時の磁界強度が弱い状態から強い状態まで
ノイズが発生しにくく磁界印加状態での連続再生にも安
定であり、また2kOe以下であると記録時の磁界強度
が弱くても大きい信号強度が得られ好ましい。さらに一
方が7kOe以上でありかつ他の一方が2kOe以下で
あると記録時の磁界強度が弱い状態から強い状態まで高
いC/Nが得られ磁界印加状態での連続再生にも安定で
ありより好ましい。
【0017】またさらに、上述の二層磁性膜の好ましい
態様として、保磁力が10kOe以上で、磁壁保磁力が
保磁力の0.6倍以上の磁性膜及び/又は保磁力が3k
Oe以下で、磁壁保磁力が保磁力の0.7倍以下の磁性
膜より構成されていることである。この範囲をはずれる
と記録時の磁界強度が弱い状態や強い状態でC/Nが劣
化し磁界印加状態での連続再生に対する安定性が劣る場
合がある。
【0018】なお、本発明でいう保磁力とは、試料に2
0kOeの磁界を印加して飽和させた後にカ−ル−プ測
定装置(波長780nm)で測定した値とし、磁壁保磁
力とは、試料の案内溝のある部分に0.2μmの交互に
反転した磁区を記録した後に、試料に外部磁界をまった
く印加しない状態で連続光を照射して消去した状態にカ
−ル−プ測定装置で印加磁界を増加させていきル−プが
変化し始める値とした。
【0019】本発明の光磁気記録媒体として用いられる
基板としては、ガラスやポリカ−ボネイト樹脂、アクリ
ル樹脂などの樹脂成型体やアルミニウム、チタニウムな
どである。
【0020】本発明の光磁気記録媒体の構成として、磁
性膜と、磁性膜の酸化劣化を防ぎカ−回転角を大きくす
るため、窒化ケイ素、酸化ケイ素、硫化亜鉛、窒化アル
ミニウム等の誘電体材料や、アルミニウム、銀、アルミ
ニウム−チタニウム合金、アルミニウム−クロム合金な
どとを組み合わせて用いることが可能である。
【0021】磁性膜の厚さとしては、記録再生特性や記
録感度などから、磁壁保磁力の大きい層及び小さい層の
厚さが2から150nmであることが好ましく、さらに
好ましくは2層の合計の厚さが150nm以下であるこ
とである。
【0022】磁性膜における磁壁保磁力の大きい層と小
さい層の積層順序としては、カ−回転角の大きい磁壁保
磁力の小さい層を光の入射側に設けるほうが再生の点か
ら有利である。
【0023】本発明の光磁気記録媒体の製造方法は、記
録媒体の各構成層の特性の制御性、生産性の高さから、
各層に相当する成分からなるターゲットを用いたスパッ
タリング法によることが好ましい。スパッタリング法を
用いた成膜条件は、本発明の限定した記録媒体を得る上
で次の条件下で実施することが好ましい。
【0024】即ち、保磁力の小さい層を0.5Pa以下
の、又、保磁力の大きい層を0.7Pa以上のガス圧下
で形成することである。スパッタリング法でこの圧力範
囲の条件で実施すると記録時の磁界強度が弱い状態から
強い状態まで高いC/Nが得られ磁界印加状態での連続
再生にも安定であるため好ましいが、勿論他の条件でも
本発明の光磁気記録媒体の製造は可能であり一般の蒸着
法でも可能である。
【0025】TM層は、記録磁界に対し高感度であり低
い磁界でも十分な信号レベルを得ることが可能であり、
さらに磁壁保磁力を小さくすることによりこの特徴をよ
り顕著とすることが可能である。補償組成の層は、低い
記録磁界ではドメイン形成が起こりにくく十分な信号レ
ベルを得ることができないが、この組成は低磁界から高
磁界までノイズが一定であるという特徴を持つ。
【0026】この特徴は磁壁保磁力を大きくすることで
一層顕著となる。この磁壁保磁力の大きい層の特徴は磁
界感度が弱い半面、ドメインがピンニングされるため磁
界印加状態での繰り返し再生においても高再生パワ−ま
で安定に信号を保持できることである。磁壁保磁力の小
さい層は、ドメインがピンニングされる力が弱いため磁
界印加状態での繰り返し再生において高再生パワ−で信
号が劣化する。本発明の光磁気記録媒体は、このような
特徴を持つ膜を交換結合させることにより長所を引き出
し優れた記録再生特性を可能とするものである。
【0027】
【発明の効果】本発明の光磁気記録媒体は、キャリアレ
ベルが大きくとれる特性の膜とノイズレベルの上昇の少
ない膜が交換結合されているので、記録時の外部磁界に
対するマ−ジンを大きく確保できる。また、外部磁界を
印加した状態での連続再生試験に対しても安定な特性を
確保することが可能である。
【0028】本発明の光磁気記録媒体は、低磁界から高
磁界まで十分な信号を確保し、かつノイズの発生が少な
い。また、磁界印加の状態で、強い再生パワ−まで信号
を安定に保持することが可能であり、外部磁界を変調し
て記録する磁界変調記録方式においてはより効果が顕著
となる。
【0029】磁界変調方式では、通常は光をDC照射し
磁界の極性を反転変調するため必ず弱い磁界で記録され
る状態が発生しノイズが上昇する。しかし、本発明によ
ればノイズ上昇が抑制され、小さい反転磁界強度におい
てもノイズが小さく信号強度が大となる。
【0030】
【実施例】参考例1 1.6μmピッチの案内溝をもつ直径86mmのガラス
基板上に、スパッタリングにより、保護膜として窒化ケ
イ素を100nm形成し、引き続き、TbとFeCoタ
−ゲットを用いた二元スパッタリングにより、ガス圧を
変化させて作製した単層磁性膜の特性を表1に示す。全
ての試料の磁性膜の膜厚は一定(30nm)とし、さら
に、窒化ケイ素を30nmの厚さで形成した。次いでア
ルミニウムを50nmの厚さで成膜した。この磁性膜の
組成を蛍光X線により分析した結果、全ての試料の組成
はTb17 (Fe92Co883 at%でほぼ一定であっ
た。
【0031】保磁力の測定は、試料に20kOeの磁界
を印加して飽和させた後にカ−ル−プ測定装置(波長7
80nm)で測定した。また、磁壁保磁力は、試料の案
内溝のある部分に0.2μmの交互に反転した磁区を記
録した後に、試料に外部磁界をまったく印加しない状態
で連続光を照射して消去した状態にカ−ル−プ測定装置
で印加磁界を増加させていきル−プが変化し始める値を
測定し磁壁保磁力として求めた。表1に、このような方
法で求めた保磁力と磁壁保磁力の値を示す。
【0032】
【表1】 これらの試料の記録媒体としての記録再生特性を検討し
た。測定装置は波長780nmでレンズの開口数(N
A)が0.53の光磁気ディスク測定装置を用いた。測
定条件は測定半径30mm、ディスク回転数2400r
pm、記録再生周波数5.0MHzで記録時の印加磁界
を50、200、500Oeとしてキャリアレベル、ノ
イズレベルを求めた。
【0033】消去は記録に先立ち印加磁界−300O
e、消去光パワ−9.0mWで行った。記録光パワ−
は、200Oeでの印加磁界で記録したときに第2次高
調波とキャリアレベルの差が最大となったときの光パワ
−で記録した。
【0034】表2に200Oeで記録したときのキャリ
アレベルとノイズレベルを示す。また、表3に記録時の
磁界を50Oeとした時のキャリアレベルとノイズレベ
ルを200Oeのときの値を基準として示す。表4に記
録時の磁界を500Oeとした時のキャリアレベルとノ
イズレベルを200Oeのときの値を基準として示す。
【0035】低ガス圧で作製した磁壁保磁力の小さい磁
性膜の試料は、低磁界において大きいキャリアレベルが
得られるが、ノイズが上昇しまた、高磁界においてキャ
リアレベルが低下しノイズレベルも上昇する。一方、高
ガス圧で作製した磁壁保磁力の大きい試料は、低磁界で
キャリアレベルが低く、ノイズレベルも上昇する。
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】 これらの試料の連続再生試験を行った。測定半径30m
m、回転数2400rpmで前記の光磁気ディスク測定
装置にて評価した。記録時の磁界200Oeで、第2次
高調波とキャリアレベルの差が最大となったときの光パ
ワ−で記録した状態に、磁界を−500Oe(消去方向
磁場)印加し再生光パワ−2.0mWで20分間の連続
再生を行ったのちにC/Nを測定した。表5に初期値か
らのC/N(単位:dB)の変化量を示す。
【0039】
【表5】 参考例2 1.6μmピッチの案内溝をもつ直径86mmのガラス
基板上にスパッタリングにより保護膜として窒化ケイ素
を100nm形成し、次いでTbとFeCoタ−ゲット
を用いた二元スパッタリングにより、ガス圧を変化させ
て表6に示す単層磁性膜を作製した。全ての試料の磁性
膜の膜厚は一定(30nm)とした。さらに、窒化ケイ
素を30nmの厚さで形成し、次いでアルミニウムを5
0nm形成した。磁性膜の組成を蛍光X線により分析し
た結果、全ての試料の組成はほぼTb21(Fe92
79at%で一定であった。
【0040】保磁力と磁壁保磁力は参考例1と同じ方法
で求めた。結果を表6に示す。
【0041】
【表6】 これらの試料の記録媒体としての記録再生特性を参考例
1と同様な方法で検討した。表7に200Oeで記録し
たときのキャリアレベルとノイズレベルを示す。また、
表8に記録時の磁界を50Oeとした時のキャリアレベ
ルとノイズレベルを200Oeのときの値を基準として
示す。表9に記録時の磁界を500Oeとした時のキャ
リアレベルとノイズレベルを200Oeのときの値を基
準として示す。
【0042】
【表7】
【0043】
【表8】
【0044】
【表9】 この補償組成に近い組成のディスクは、参考例1のTM
層優勢のディスクに比べ全体的にキャリアレベルが低い
が、ノイズレベルは低い。
【0045】低ガス圧で作製した磁壁保磁力の小さい試
料は、高ガス圧で作成した試料に比較し、低磁界におい
て大きいキャリアレベルが得られるが、ノイズが上昇す
る。ただし、参考例1に比較してキャリアレベルは小さ
く、ノイズレベルの上昇は小さく、高磁界におけるキャ
リアレベルの低下も小さい。一方、高ガス圧で作製した
磁壁保磁力の大きい試料は、低磁界でキャリアレベルが
低くいものの、ノイズレベルの上昇は低磁界から高磁界
まで殆どない。
【0046】これらの試料の連続再生試験を参考例1と
同じ方法で行った。結果を表10に示す。(単位:d
B)
【0047】
【表10】 参考例1のTM層優勢の組成に比較すると全体的に劣化
は少ない。しかし、高ガス圧で磁性膜を作製した試料の
劣化が少ないことが分かる。
【0048】実施例1 1.6μmピッチの案内溝をもつ直径86mmのガラス
基板上にスパッタリングにて保護膜として窒化ケイ素を
85nm形成し、次いでTbとFeCoタ−ゲットを用
いた二元スパッタリングにて、ガス圧を変化させて表1
1に示す2層の磁性膜を作製し、さらに、窒化ケイ素を
80nmの厚さで形成した。基板側に近い第1磁性層
は、膜厚30nm、組成が参考例1と同一のTb
17(Fe92Co83at%とし、第2磁性層
は、膜厚50nm、組成が参考例2の組成と同一のTb
21(Fe92Co79at%とした。
【0049】参考例1、2と磁性膜の膜厚が異なるが3
0、50nmの場合でも組成、保磁力、磁壁保磁力に変
化のないことを単層の磁性膜で確認した。
【0050】これらの試料について参考例1と同様な方
法で記録時の外部磁界を変えて記録再生特性を検討し
た。表11に外部磁界200Oeのときのキャリアレベ
ルとノイズレベルを基準として、外部磁界50Oeの時
のキャリアレベルとノイズレベルの差を示す。数値(単
位:dB)の上段がキャリアレベルの差で、下段がノイ
ズレベルの差を示す。
【0051】
【表11】 この結果から分かるように、低磁界において第1磁性膜
を0.5Pa以下で成膜したものはキャリアレベルの低
下が小さく−5dB以下である。第2磁性膜を0.7P
a以上で成膜した試料はノイズレベルの上昇が小さく3
dB以下である。第1磁性膜を0.5Pa以下で成膜
し、第2磁性膜を0.7Pa以上で成膜したものがキャ
リアレベルの低下が−5dB以下で、ノイズレベルの上
昇が3dB以下である。これは、磁性膜単層での保磁力
と磁壁保磁力から発現される傾向をそのまま保っている
ことをしめしており、両者の特徴が生きるように交換結
合されていることを示す。
【0052】デ−タでは示さないが、記録磁界500O
eでの単層TM優勢の膜で認められたキャリアレベルの
低下およびノイズレベルの上昇は、これら2層膜では認
めらなかった。
【0053】これら試料について参考例1と同様の方法
で、連続再生試験を行った。表12に初期値からのC/
N(単位:dB)の変化量を示す。
【0054】
【表12】 第2磁性膜を0.7Pa以上で成膜した試料はC/Nの
劣化が非常に小さいことが分かる。磁壁保磁力が2kO
e以下の層と7kOe以上である層の2層の磁性膜から
なる媒体は、外部磁界に対し高磁界から低磁界まで十分
な記録再生特性を示す。また、磁界を印加した状態での
連続再生試験でもこの媒体は安定な信号を維持できる。
【0055】保磁力と磁壁保磁力をある値に設定した場
合に記録時の外部磁界に対し低磁界から高磁界まで良好
な記録再生特性が得られ、磁界印加状態での連続再生試
験にも安定な媒体が得られる。記録時の磁界への挙動、
連続再生試験に対する安定性は保磁力のみで規定される
のではなく磁壁保磁力にも強く依存していることが判明
した。磁壁保磁力を保磁力とわけて制御するにはスパッ
タリング時のガス圧力を変化させることにより可能であ
る。また、単層での磁壁保磁力による影響は交換結合さ
せても維持されることが分かる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 希土類−遷移金属アモルファス合金磁性
    膜を記録膜として有する光磁気記録媒体において、前記
    磁性膜が、磁壁保磁力が2kOe以下で、遷移金属の磁
    化が優勢な第1の磁性層と、磁壁保磁力が7kOe以上
    で、補償組成の第2の磁性層とを積層してなる磁性膜で
    あることを特徴とする光磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 光磁気記録媒体の磁性膜をスパッタリン
    グ法により形成するに際し磁壁保磁力が2kOe以下
    で、遷移金属の磁化が優勢な第1の磁性層を0.5Pa
    以下のガス圧で形成し磁壁保磁力が7kOe以上で、
    補償組成の第2の磁性層を0.7Pa以上のガス圧で
    成することを特徴とする請求項1記載の光磁気記録媒体
    の製造方法。
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